以下、発明の実施の形態例を図面を参照して説明する。図1及び図2に示すように、本発明の実施の形態例に係るパチンコ機Pは、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた前面枠2と、前面枠2の内側に収容された遊技盤3と、前面枠2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられ、中央に大きく開口部8が形成されたガラス扉4と、このガラス扉4の開口部8に取り付けられた透明なガラス板10と、前面枠2の下側に開閉自在に配設され、遊技球を収容する受皿5を有する前面ボード6と、前面枠2の下部に設けられた発射装置9と、前面ボード6に取り付けられたハンドル7等を具備している。さらに、ガラス扉4の上部にはスピーカ20が左右に1個ずつ取り付けられており、遊技に関する様々な効果音を発している。
また、図4に示すように、このパチンコ機Pは、背面側に、主制御処理部11と、副制御処理部を構成する演出制御処理部12a、特別図柄表示制御部12b、ランプ制御処理部12c、払出制御処理部12e、および普通図柄表示制御部12fと、発射制御処理部13と、賞球払出装置14等を備えている。続いて、図1〜図5を参照して、本実施形態に係るパチンコ機Pの構成を詳しく説明していくことにする。
遊技盤3は、その盤面に遊技領域31を有しており、前面枠2に装着した後、ガラス板10から遊技領域31を観察することができる。遊技領域31は、遊技球を滑走させるガイドレール32と遊技球規制レール33によって略円形状となるように区画形成されており、発射装置9によって打ち出された遊技球はこの遊技領域31内を流下する。また、遊技領域31内には、第1特別図柄表示装置17aと、第2特別図柄表示装置17bと、演出図柄表示装置34と、スルーチャッカ21と、普通図柄表示装置22と、電動チューリップ49と、ステージ36と、第1始動入賞口(始動口)37aと、第2始動入賞口(始動口)37bと、一般入賞口38と、アウト口39と、遊技釘(図示せず)と、風車(図示せず)と、アタッカー装置41等が設けられている。なお、第1始動入賞口37aは遊技盤3の中心からやや下方に設けられているのに対して、第2始動入賞口37bは、第1始動入賞口37aより右側方の位置に間隔を空けて遊技盤3に設けられている。
演出図柄表示装置34は、遊技盤3の略中央部に設けられ、第1始動入賞口37aおよび第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われた特別図柄に係る電子抽選の結果に基づいて所定の演出態様を表示するものであって、本実施形態では液晶表示装置が用いられている。さらに、この演出図柄表示装置34は、補助図柄表示装置34bを備えている。この補助図柄表示装置34bは、3つの7セグメント表示器からなり、演出図柄表示装置34の下部の位置にやや傾いた姿勢で取り付けられている。
この演出図柄表示装置34には、所定の演出態様の一部として、第1特別図柄表示装置17aおよび第2特別図柄表示装置17bに変動表示される特別図柄と同期をとって演出図柄が変動表示されるようになっている。そして、特別図柄に係る電子抽選の結果、大当たりとなった場合には、この演出図柄表示装置34には、大当たりである旨が表示されると共に、補助図柄表示装置34bには、同一の数字が3つ揃って停止するようになっている。この揃った数字によって、大当たりの残り回数が予測できるようになっているが、この点については、後で詳しく述べることとする。
さらに、この演出図柄表示装置34には、保留球乱数が保留球乱数記憶部(メモリ)115a、115bに記憶された場合に保留表示(保留球乱数が記憶された旨の表示)を行うための表示領域が区画形成されており、この表示領域の部分が保留球表示装置34aとなっている。つまり、本実施形態では、演出図柄表示装置34が保留球表示装置34aの機能も兼ねているのである。この保留球表示装置34aは、図18に示すように演出図柄表示装置34の下部に4個の保留表示領域が形成されており、保留球乱数として1個目に記憶された場合には一番右側の領域に保留表示がされ、2個目、3個目、4個目と保留個数が増えてくるに従い、順番に左隣の領域に保留表示がなされる(図18の(b)〜(d)参照)。また、保留球乱数に基づく遊技が行われると、保留表示が消去されると共に、残りの保留表示が1つずつ右側にずれて表示されるようになっている(図18の(a)および(b)参照)。なお、この保留球表示装置34aは、第1保留球乱数記憶部115aに記憶された保留表示は演出図柄表示装置34の下部に横一列に並ぶように表示し、第2保留球乱数記憶部115bに記憶された保留表示は演出図柄表示装置34の右側部に縦一列に並ぶように表示される(図18参照)。
第1特別図柄表示装置17aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞することを契機に行われた特別図柄に係る電子抽選の結果を表示するためのものであって、より具体的には、抽選結果を、特別図柄(数字や絵柄)を変動させた後に停止させるといった態様で表示するものである。この第1特別図柄表示装置17aは、本実施形態では7セグメント表示器が用いられており、演出図柄表示装置34を見ている遊技者の視界に同時に入らないように遊技盤3の右下部分に離れて設けられている。第2特別図柄表示装置17bも第1特別図柄表示装置17aと同様の構成であり、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われた特別図柄に係る電子抽選の結果が表示される。
スルーチャッカ21は、遊技球が通過可能なゲート構造を成しており、その内部には遊技球が通過したことを検知する磁気センサタイプのスルーチャッカ検知センサ46が内蔵されている。また、このスルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に行われる普通図柄に係る電子抽選の結果を表示するための普通図柄表示装置22が、特別図柄表示装置17の隣に設けられている。この普通図柄表示装置22は、本実施形態では、二つのLEDランプで構成されており、普通図柄当たりのときに一方のLEDランプが点灯し、ハズレのときには他方のLEDランプが点灯するようになっている。
電動チューリップ49は、第2始動入賞口37bの入口に設けられ、遊技盤3の面に直交する軸を中心に回動する一対の羽根部材を備えており、ソレノイドに通電がなされると一対の羽根部材が互いに離れる方向に回動して、第2始動入賞口37bの入口を拡大するようになっている。なお、第2始動入賞口37bの入口には釘が設けられており、電動チューリップ49が開かないと遊技球が入賞できないようになっている。
ステージ36は、演出図柄表示装置34の下方に配置されており、遊技球が転動しながら一時的に滞在する構造物である。このステージ36の中央には溝が形成されており、この溝の真下の位置には第1始動入賞口37aが配されている。そのため、溝から落下した遊技球は、高い確率で第1始動入賞口37aへと導かれる。
アタッカー装置41は、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞することを契機に行われる特別図柄に係る電子抽選の結果、大当たり(通常当たりまたは有利当たり)となって大当たり遊技に移行した場合、および小当たりとなった場合に作動するうえ、さらに、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる特別図柄に係る電子抽選の結果、大当たり(有利当たり)となって大当たり遊技に移行した場合、および小当たりとなった場合にも作動する装置である。このアタッカー装置41が作動してその内部が開放されると、大入賞口42が露呈し、そこに遊技球が入賞することで多くの賞球が獲得できるようになっている。
なお、このアタッカー装置41は、通常当たりと小当たりのときには2回開放し、有利当たりのときには15回開放するように作動が制御されており(図7参照)、通常当たりと小当たりの場合の開放時間は1回当たり1秒と短時間であるのに対して、有利当たりのときの開放時間は1回当たり30秒か遊技球が9個入賞するかの何れか早い時間となっている。よって、本実施形態では、通常当たりと小当たりの場合には殆どアタッカー装置41に遊技球が入賞しないので、賞球の獲得が期待できないこととなる。
また、一般入賞口38に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出されるが、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、または一般入賞口38の何れにも入らなかった遊技球は、アウト口39から回収される。なお、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口38、大入賞口42の内部にはそれぞれ遊技球の通過を検知するためのセンサ43a、43b、44、45(図4参照)が設けられている。
前面ボード6には遊技球を収容するとともに、外部に排出可能な受皿5が取り付けられている。この受皿5は、遊技者が投入した遊技球を収容するだけでなく、賞球払出装置14から賞球として払い出された遊技球も収容可能となっている。また、遊技球を遊技領域31に向けて発射するための発射装置9が前面枠2の下部に取り付けられており、受皿5に収容されている遊技球がこの発射装置9に1個ずつ供給される。そして、前面ボード6の右下に取り付けられたハンドル7を回動させると、その回動量に応じた発射強度で発射装置9が遊技球を遊技領域31へと発射することができるようになっている。また、図1に示すように、受皿5の側部には、遊技者が押下操作するタッチボタン60が設けられている。
主制御処理部11は、遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられている。この主制御装置11は、CPU(Central Processing Unit)と、予め定められた制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)と、生成された処理情報の一時記憶及び記憶した情報の削除を行うRAM(Random Access Memory)等とにより構成されている。このCPUがROMに格納された各種プログラムやデータを読み込んで実行することにより、遊技に関する主要な処理が行われる。
具体的には、図5に示すように、第1始動入賞口37aおよび第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に特別図柄に係る電子抽選を行う特別図柄抽選部(電子抽選手段)110と、この特別図柄抽選部110が判定した抽選結果に応じて特別図柄を決定する第1特別図柄決定部120aおよび第2特別図柄決定部120bと、変動パターンコマンドを決定するための第1変動パターンコマンド決定部140aおよび第2変動パターンコマンド決定部140bと、通常の遊技状態である通常モードと、この通常モードよりも特別図柄抽選部110による抽選結果が大当たりとなる確率が高い遊技状態である確率変動モードとの間で遊技モードの移行を行う遊技モード移行制御部150と、特別図柄抽選部110による抽選結果の判定が大当たりとなった場合にアタッカー装置41(のソレノイド)を作動させて大当たり遊技に移行する大当たり遊技制御部(大当たり遊技制御手段)160と、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に普通図柄に係る電子抽選を行う普通図柄抽選部170と、電動チューリップ49の作動を制御する電動チューリップ作動制御部180とを備えて主制御処理部11は構成されている。
特別図柄抽選部110は、図6に示すように、周期的(例えば2ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成する特別図柄用乱数発生部(特別図柄用乱数発生手段)111と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に特別図柄に係る電子抽選を行う第1電子抽選部119aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に特別図柄に係る電子抽選を行う第2電子抽選部119bと、を備えている。なお、第1電子抽選部119aと第2電子抽選部119bの抽選処理の優先順位は、第2電子抽選部119bの方が先である。つまり、互いの保留球乱数記憶部に保留球乱数が記憶されている場合には、第2保留球乱数記憶部115bに記憶されている保留球乱数に基づく遊技処理が第1保留球乱数記憶部115aよりも優先して行われるようになっている。
第1電子抽選部119aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43aからの検知信号が主制御処理部11に入力されたタイミングで)乱数を1つ取得(ラッチ)する第1特別図柄用乱数取得部(特別図柄用乱数取得手段)112aと、この第1特別図柄用乱数取得部112aが取得した乱数が大当たりであるか否かを第1判定テーブル114aを参照して決定する第1特別図柄当否判定部(特別図柄当否判定手段)113aと、第1特別図柄用乱数取得部112aが乱数を取得したときに特別図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を保留球乱数として最大4個(M=4)まで記憶する第1保留球乱数記憶部(保留球乱数記憶部)115aと、を備えている。
また、第2電子抽選部119bは、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43bからの検知信号が主制御処理部11に入力されたタイミングで)乱数を1つ取得(ラッチ)する第2特別図柄用乱数取得部(特別図柄用乱数取得手段)112bと、この第2特別図柄用乱数取得部112bが取得した乱数が大当たりであるか否かを第2判定テーブル114bを参照して決定する第2特別図柄当否判定部(特別図柄当否判定手段)113bと、第2特別図柄用乱数取得部112bが乱数を取得したときに特別図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を保留球乱数として最大4個(M=4)まで記憶する第2保留球乱数記憶部(保留球乱数記憶部)115bと、を備えている。
第1判定テーブル114aは、図7に示すように、当選確率の低い第1通常判定テーブル114a−1と、当選確率の高い第1有利判定テーブル114a−2とを備えており、通常モード下では第1通常判定テーブル114a−1が参照され、確率変動モード下では第1有利判定テーブル114a−2が参照される。同様に、第2判定テーブル114bは、当選確率の低い第2通常判定テーブル114b−1と、当選確率の高い第2有利判定テーブル114b−2とを備えており、通常モード下では第2通常判定テーブル114b−1が参照され、確率変動モード下では第2有利判定テーブル114b−2が参照される。なお、詳しくは後述するが、通常モードには時短モードというモードが含まれており、この時短モードでは第1通常判定テーブル114a−1および第2通常判定テーブル114b−1が参照されるようになっている。
ここで、各テーブルの構成について具体的に説明すると、第1通常判定テーブル114a−1は、通常当たり、有利当たり、小当たりおよびハズレで構成されており、大当たりと小当たりの当選確率は、通常当たりが4/100、有利当たりが1/100、小当たりが1/100となっている。第1有利判定テーブル114a−2は、通常当たり、有利当たり、小当たりおよびハズレで構成されており、大当たりと小当たりの当選確率は、通常当たりが20/100、有利当たりが5/100、小当たりが1/100となっており、大当たりとなる確率が第1通常判定テーブル114a−1に比べて5倍にアップしている。
また、第2通常判定テーブル114b−1は、有利当たり、小当たりおよびハズレで構成されており、大当たりと小当たりの当選確率は、有利当たりが5/100、小当たりが1/100となっている。第2有利判定テーブル114b−2は、有利当たり、小当たりおよびハズレで構成されており、大当たりと小当たりの当選確率は、有利当たりが25/100、小当たりが1/100となっており、大当たりとなる確率が第2通常判定テーブル114b−1に比べて5倍にアップしている。なお、図7から明らかなように、第1判定テーブル114a−1、114a−2には通常当たりが含まれているが、第2判定テーブル114b−1、114b−2には通常当たりが含まれていない点で構成が相違している。
図5に説明を戻すと、第1特別図柄決定部120aは、第1特別図柄用乱数取得部112aが取得した乱数が大当たり乱数である場合に、停止させる特別図柄の種類を決定して演出制御処理部12aにコマンドとして送信している。なお、決定した特別図柄の種類によって、後述する大当たり遊技におけるラウンド数が15ラウンドと2ラウンドの何れかに決まっている。この構成は、第2特別図柄決定部120bについても同様である。
第1変動パターンコマンド決定部140aと第2変動パターンコマンド決定部140bは、それぞれ演出態様を決定するためのコマンドである変動パターンコマンドの決定に用いられる変動パターン用乱数の抽選処理を行う変動パターン用乱数抽選部と、変動パターン用乱数と変動パターンコマンドとが対応づけられたテーブルが複数記憶されたコマンド参照テーブルと、を備えている。このコマンド参照テーブルは、取得した特別図柄用乱数が大当たり乱数である場合に参照される大当たり用コマンド参照テーブルと、ハズレの場合に参照されるハズレ用コマンド参照テーブルとを有しており、第1変動パターンコマンド決定部140aと第2変動パターンコマンド決定部140bは、それぞれ変動パターン用乱数抽選部で取得した変動パターン用乱数に対応する変動パターンコマンドを、取得した特別図柄用乱数に対応するコマンド参照テーブルを参照して決定している。
より具体的に説明すると、大当たり用コマンド参照テーブルに格納された変動パターンコマンドには、パターン番号1〜64までが割り当てられ、ハズレ用コマンド参照テーブルに格納された変動パターンコマンドには、パターン番号65〜127までが割り当てられている。そして、第1特別図柄用乱数取得部112aが取得した乱数が大当たり乱数である場合には、第1変動パターンコマンド決定部140aはパターン番号1〜64の中から変動パターン用乱数に基づいて1つのパターンを選択して、そのパターンを変動パターンコマンドとして演出制御処理部12aに送信し、ハズレの場合にはパターン番号65〜127の中から変動パターン用乱数に基づいて1つのパターンを選択して演出制御処理部12aに送信している。第2変動パターンコマンド決定部140bについても同様である。なお、大当たりの場合には、長い変動時間の変動パターンコマンドが決定されやすくなっており、変動時間が長い演出態様が表示されると、遊技者は大当たりの可能性が高いのではないかと予測することができるようになっている。
次に、遊技モード移行制御部150は、通常モードで大当たり(通常当たりまたは有利当たり)となって大当たり遊技が提供された場合には、その大当たり遊技が終了すると遊技状態を確率変動モードに移行させる。そして、通常モードでの大当たり遊技から数えて予め定めたX回(ただし、Xは自然数)の大当たり遊技が提供されるまでの間、大当たり遊技が終了する度に遊技モードを確率変動モードに移行させるように、遊技モード移行制御部150が遊技モードの移行を制御している。
なお、小当たりに当選した場合には、遊技モード移行制御部150は、小当たり後の遊技モードを小当たり前と同じ遊技モードに移行するよう制御している。即ち、通常モード下で小当たりに当選した場合には、小当たり後の遊技モードは通常モードとなり、確率変動モード下で小当たりに当選した場合には、小当たり後の遊技モードは確率変動モードとなるように、遊技モード移行制御部150は遊技モードの移行を制御している。
ここで、本実施形態では、大当たり遊技の回数として7回の上限回数、つまり、予め定めた回数X=7に設定されている(別言すれば、リミッタ回数が7回となるように設定されている)ので、通常モード下で一度大当たりとなると、遊技モード移行制御部150が大当たり遊技後の遊技モードを確率変動モードへと移行させることを6回行ってから、7回目の大当たり遊技終了後に、遊技状態を通常モードに移行させるように制御している。このように遊技モード移行制御部150が遊技モードの移行を制御することにより7回の大当たり遊技を連続して提供することができるようになっているのである。
なお、本実施形態では7回目の大当たりが終了すると、通常モードに移行するが、この通常モードでは100回の遊技に限って、普通図柄抽選部170(詳しくは後述)の当選確率が高くなる状態である時短モードが提供され、電動チューリップ49が頻繁に開くようになっている。つまり、本実施形態において、7回目の大当たり終了後は、遊技モード移行制御部が通常モードの一つである時短モードに100回だけ遊技モードを移行するよう制御している。
次に、大当たり遊技制御部(大当たり遊技制御手段)160は、大当たりの種類に応じて所定のラウンド数だけアタッカー装置41の開閉を行うように制御している。本実施形態では、大当たりとして、アタッカー装置41が短時間(1秒)だけ1回開く動作を2ラウンド(回)行う通常当たりと、アタッカー装置41を長時間(30秒または遊技球が9個入賞するまでの時間の何れか早い方)開く動作を15ラウンド(回)行う有利当たりとがある。加えて、大当たり遊技制御部160は、小当たりに当選した場合にも、通常当たりと同じように、アタッカー装置41を短時間(1秒)だけ1回開く動作を2ラウンド(回)行うように制御している。
また、普通図柄抽選部170は、特別図柄用乱数発生手段111が発生させる乱数の数より少ないが同様の構成からなる普通図柄用乱数発生部と、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に(スルーチャッカ検知センサ46からの検知信号が主制御処理部11に入力されたタイミングで)乱数を1つ取得(ラッチ)する普通図柄用乱数取得部と、この普通図柄用乱数取得部が取得した乱数が普通図柄当たりであるか否かを普通図柄判定テーブルを参照して決定する普通図柄当否判定部と、普通図柄用乱数取得部が乱数を取得したときに普通図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を普通図柄用保留球乱数として記憶する普通図柄用保留球乱数記憶部と、を備えている。
この普通図柄抽選部170による普通図柄当たりに当選する確率は、低確率と高確率とがあり、通常モードでは低確率に設定されているが、上記した確率変動モードや時短モードでは、高確率に設定される。そのため、確率変動モードや時短モードでの遊技では、普通図柄当たりに当選する確率が高いので、頻繁に電動チューリップ49が開くこととなる。この電動チューリップ49の作動を制御するのが電動チューリップ作動制御部180であり、この電動チューリップ作動制御部180は、普通図柄抽選部170による電子抽選で普通図柄当たりに当選したコマンドに基づいて、電動チューリップ49のソレノイドに通電して開閉するよう制御している。
続いて、主制御処理部11からの指令(コマンド)を受けて各種装置を制御する副制御処理部について説明する。副制御処理部を構成する演出制御処理部12a、特別図柄表示制御部12b、ランプ制御処理部12c、払出制御処理部12e、および普通図柄表示制御部12fは、遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられ、主制御処理部11が生成した処理情報に従って、演出図柄表示装置34やスピーカ20、その他の演出装置(LED装置など)などの制御を行っている。
具体的には、図5に示すように、特別図柄表示制御部12bは、主制御処理部11の第1特別図柄決定部120aが決定した特別図柄のコマンドと、第1変動パターンコマンド決定部140aが決定した変動パターンコマンドに基づき、第1特別図柄表示装置17aに特別図柄を所定の時間だけ変動させた後に停止させる態様で第1特別図柄決定部120aが決定した特別図柄を表示する。加えて、この特別図柄表示制御部12bは、主制御処理部11の第2特別図柄決定部120bが決定した特別図柄のコマンドと、第2変動パターンコマンド決定部140bが決定した変動パターンコマンドに基づき、第2特別図柄表示装置17bに特別図柄を所定の時間だけ変動させた後に停止させる態様で第2特別図柄決定部120bが決定した特別図柄を表示する。
一方、普通図柄表示制御部12fは、普通図柄抽選部160による普通図柄に係る抽選結果のコマンドを受け、そのコマンドに基づいて普通図柄表示装置22に普通図柄を変動させた後に停止させる態様で表示するよう制御している。なお、普通図柄表示制御部12fは、上記した特別図柄表示制御部12bによる表示制御と比べて表示する図柄の対象が相違するものの、表示制御の基本構成はほぼ同じである。また、ランプ制御処理部12cは、主制御処理部11からコマンドを受けて各種ランプや電飾の点灯制御を行うものである。
払出制御処理部12eは、CRユニットからの信号を受けて遊技球を遊技者に貸し出すように賞球払出装置14を制御する他、主制御処理部11からの払出指令を受けて、所定個数の賞球を遊技者に対して払い出すように賞球払出装置14を制御する。この賞球払出装置14は、遊技球を1個ずつ保持する切欠きが形成されたスプロケット(図示せず)と、このスプロケットを回転させるモータ(図示せず)とを備えて構成されている。そして、モータの回転を制御することにより、必要な数だけ賞球を払い出すことができるようになっている。具体的には、始動入賞口検知センサ43a、43b、一般入賞口検知センサ44、大入賞口検知センサ45等が遊技球の通過を検知したら、賞球払出装置14は主制御処理部11を経由して受けたコマンドに基づき遊技球を払い出す。
発射制御処理部13は、ハンドル7の回動量に応じて、発射装置9に対する作動の制御を行う装置である。より具体的に言うと、発射装置9に対して通電させたり、通電を停止したり、あるいは、通電電流を変化させるといった制御処理を行う。なお、この発射制御処理部13は、払出制御処理部12eと接続されており、CRユニットが接続されていない場合に発射停止信号が受信されるようになっている。
次に、演出制御処理部12aについて詳細に説明すると、図8に示すように、処理部として、演出態様を決定するための演出態様決定部(演出態様決定手段)210と、この演出態様決定部210が決定した演出態様を演出図柄表示装置34に表示するよう制御する演出図柄表示制御部(演出図柄表示制御手段)220と、大当たり遊技の残り回数Zを算出する大当たり残回数算出部230と、保留球乱数記憶部115a、115bに保留球乱数が記憶される毎に、保留球表示装置34aに表示する保留表示識別情報を抽選により決定する保留表示識別情報抽選部(保留表示識別情報抽選手段)240と、この保留表示識別情報抽選部240が決定した保留表示識別情報を保留球表示装置34aに表示するよう制御する保留表示制御部(保留表示制御手段)250と、を備えて演出制御処理部12aは構成されている。
演出態様決定部210は、第1変動パターンコマンド決定部140aおよび第2変動パターンコマンド決定部140bからの変動パターンコマンドに基づいて、演出態様記憶部260に記憶されている複数種類の演出態様(通常演出態様A〜D、特殊演出態様など)の中から遊技に用いる演出態様を決定している。また、演出図柄表示制御部220は、演出態様決定部210による演出態様の決定を受けて、演出図柄表示装置34に演出図柄を変動表示させたり、予告表示を行ったりといった表示の制御を行っている。
大当たり残回数算出部230は、大当たり遊技が提供される度に、主制御処理部11からコマンドを受けて、X=7回から1ずつ減算した回数を大当たり遊技の残り回数Zとして算出する。つまり、通常モード下で最初に大当たりとなった時点では、まだ大当たり遊技提供前なので、Z=X=7回である。そして、1回目の大当たり遊技が提供されると、残りの大当たり遊技は7−1=6回であるので、大当たり残回数算出部230は、残り回数Z=6回と算出する。2回目の大当たり遊技が提供されると、7回からさらに1を減算して、7−1−1=5回が残り回数Zとして算出される。この算出した残り回数Zの値を基にして、補助図柄表示装置34bに「5・5・5」のように同一の数字「5」が3つ揃って停止するような表示がなされるため、補助図柄表示装置34bに停止表示された数字を見ると、大当たりの残り回数が予測できるのである。なお、この補助図柄表示装置34bへの表示の制御も演出図柄表示制御部220が行っている。
保留表示識別情報抽選部240は、保留表示識別情報記憶部270に記憶されている保留表示識別情報(「東」、「南」、「西」、「北」)の中から何れの識別情報を表示するかを抽選により決定しているが、この抽選の詳細については後述することとする。また、保留表示制御部250は、その抽選で決定した保留表示識別情報を、保留球表示装置34aのうち保留個数が何個目であるかによって決められた領域に表示するよう制御している。また、保留球乱数に基づく遊技が行われるときには、表示されている保留表示識別情報を消去する制御も行っている。
次に、演出制御処理部12aは、記憶部として、複数種類の演出態様が記憶された演出態様記憶部260と、保留球表示装置34aに表示する保留表示識別情報を複数記憶するための保留表示識別情報記憶部270とを備えている。この演出態様記憶部260は、様々な演出態様が変動パターンコマンドと対応づけられて記憶されており、通常演出態様A〜D、特殊演出態様などが記憶されている。保留表示識別情報記憶部270は、図8に示すように、「東」「南」「西」「北」の4種類の文字情報が保留表示識別情報として記憶されている。
これら4種類(N=M=4)の保留表示識別情報を組み合わせて形成されるメッセージについて、図9を参照して説明する。本実施形態では、大当たりであることを示す確定メッセージとして、保留表示識別情報が「東・南・西・北」の順に表示されるパターンが設定されており、大当たりの可能性があることを示唆する示唆メッセージとして、「東・東・東・東」、「西・西・西・西」、「南・南・南・南」、「北・北・北・北」の4種類のパターンが設定されている。
そして、詳しくは後述するが、「東・南・西・北」が表示されるためには、現在行われている遊技が大当たりであること、即ち、現在行われている遊技が第1始動入賞口37aに基づくものである場合には第1特別図柄当否判定部113aによる当否判定の結果が大当たりであることであり、現在行われている遊技が第2始動入賞口37bに基づくものである場合には、第2特別図柄当否判定部113bによる当否判定の結果が大当たりであることが必須条件となっているので、保留球表示装置34aに「東」、「南」、「西」、「北」の保留表示識別情報が順番に4つ並んで表示されているのを見た遊技者は、現在行われている遊技が大当たりとなることを知ることができるのである。
また、後述するように大当たりの場合に、「東・東・東・東」、「西・西・西・西」、「南・南・南・南」、「北・北・北・北」の4つの示唆メッセージが保留球表示装置34aに表示される場合があるので、これらの示唆メッセージを見た遊技者は、現在行われている遊技が大当たりであるかもしれないと期待を持つことができるようになっているのである。
続いて、本実施形態において、保留球表示装置34aに表示する保留表示識別情報を保留表示識別情報抽選部240がどのようにして決定しているのかについて、図10〜図17を参照しながら詳しく説明していくことにするが、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合の保留表示識別情報の決定の処理手順と第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合の保留表示識別情報の決定の処理手順とは同じであるので、以下、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合についてのみ説明を行い、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したときの説明は省略する。
まず、保留表示識別情報抽選部240は、ステップS10で第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したか否かを判断する。ステップS10でYesの場合には、ステップS11で保留個数が4個目であるか否かを判断する。ステップS11でYesの場合には、ステップS12にて特別図柄が変動中か、即ち、現在遊技が進行中であるか否かを判断する。ステップS12でYesの場合には、ステップS13にて現在行われている遊技(特別図柄が変動中の遊技)が当たり変動であるか、即ち、大当たりであるか否かを判断する。
このステップS13での判断は具体的には次のように行う。即ち、第1特別図柄決定部120aが決定した特別図柄の種類に係るコマンドと第1変動パターンコマンド決定部140aからの変動パターンコマンド(パターン番号)の情報(以下、これら2つのコマンドの情報を情報Aと呼ぶことにする)が大当たりであるか否かを副制御処理部12aに格納された評価テーブルを参照して判断する。ここで、評価テーブルには情報Aが大当たり乱数に基づくものであるか否かといったデータが記憶されており、主制御処理部11から送られてきた情報Aを評価テーブルと比較すると、この情報Aが、第1特別図柄当否判定部113aによる判定で大当たりと判定されたものであるか否か、別言すると、特別図柄が変動中の遊技(現在行われている遊技)が大当たりであるか否かを判断できるようになっているのである。なお、このステップS13での判断を、第1特別図柄当否判定部113aの判定結果に基づくコマンド(大当たりコマンド)をそのまま用いて行うこともできる。
次いで、ステップS13でYesの場合には、ステップS14で、保留表示識別情報抽選部240の抽選の条件を決定するための条件決定抽選(保留表示抽選BとCの二者択一の抽選)を行う。このステップS14で条件抽選に当選した場合(ステップS14でYes)には、次のステップに進んで、保留表示抽選Cの抽選条件に従って、保留表示識別情報抽選部240は1つの保留表示識別情報を抽選により決定する。
なお、ステップS13でNoの場合には、ステップS15で保留表示識別情報抽選部240の抽選の条件を決定するための条件決定抽選(保留表示抽選AとBの二者択一の抽選)を行う。そして、ステップS14でNoの場合、およびステップS15でYesの場合には、保留表示抽選Bの抽選条件に従って、保留表示識別情報抽選部240は1つの保留表示識別情報を抽選で決定する。また、ステップS12でNoの場合(即ち、特別図柄が確定している場合)、およびステップS15でNoの場合には、保留表示抽選Aの抽選条件に従って、保留表示識別情報抽選部240は1つの保留表示識別情報を抽選で決定する。なお、これら保留表示抽選A〜Cの詳細については後述する。
次に、保留個数が4個目でない場合、即ち、ステップS11でNoの場合についての説明を行う。ステップS11でNoの場合には、図11に示すようにステップS16に飛んで、保留表示識別情報抽選部240は、保留個数が3個目であるか否かを判断する。ステップS16でYesの場合には、保留表示抽選3の抽選条件に従って、保留表示識別情報抽選部240は1つの保留表示識別情報を抽選により決定する。ステップS16でNoの場合には、保留表示識別情報抽選部240は、ステップS17にて保留個数が2個目であるか否かを判断する。このステップS17でYesの場合には、保留表示抽選2の抽選条件に従って、保留表示識別情報抽選部240は1つの保留表示識別情報を抽選により決定する。
またステップS17でNoの場合には、ステップS18で保留表示識別情報抽選部240は保留個数が1個目であるか否かを判断する。このステップS18でYesの場合には、保留表示抽選1の抽選条件に従って、保留表示識別情報抽選部240は1つの保留表示識別情報を抽選で決定する。これら保留表示抽選1〜3の詳細については後述する。なお、ステップS10でNoの場合と、ステップS18でNoの場合には、抽選条件を決定することなくそのまま終了となる。
続いて、上記した保留表示抽選A〜C、および保留表示抽選1〜3の詳細について説明する。まず、保留表示抽選1で定義される抽選条件は、図12に示すように4つの保留表示識別情報である「東」、「南」、「西」、「北」がそれぞれ均等に25%の確率で選択される抽選条件となっている。よって、保留個数が1個目のときは、4つの保留表示識別情報が互いに同じ確率で表示されるようになる。
保留表示抽選2で定義される抽選条件は、図13に示すように1つ前に表示されている保留表示識別情報が何であるか、即ち、保留1個目の保留表示の文字が何であるかによって場合分けされている。具体的には、保留1個目の保留表示が「北」である場合には、「西」が40%、「東」が10%、「南」が10%、「北」が40%の確率で選択される抽選条件となっている。つまり、確定メッセージである「東・南・西・北」が成立しやすくなるように、1個目の保留表示が「北」の場合には、2個目の保留表示に「西」が選択され易い条件が設定されているのである。同様に、示唆メッセージである「北・北・北・北」も成立しやすくなるように、1個目の保留表示が「北」の場合には、2個目の保留表示に「北」が選択され易い条件が設定されている。
これに対して、保留1個目の保留表示が「北」以外である場合には、保留1個目の文字と同じ文字が選択される確率が70%、異なる文字が選択される確率が30%の抽選条件となっている。これは、1個目の保留表示が「北」以外の場合には、確定メッセージである「東・南・西・北」を成立させることはできないので、2個目の保留表示として、示唆メッセージである「東・東・東・東」、「南・南・南・南」、「西・西・西・西」が成立しやすくなるように、1個目の保留表示と同じ文字が選択される確率を高く設定しているのである。
保留表示抽選3で定義される抽選条件は、図14に示すように1つ前に表示されている保留表示識別情報が何であるか、即ち、保留2個目の保留表示の文字が何であるかによって場合分けされている。具体的には、保留2個目の保留表示が「西」である場合には、「西」が40%、「東」が10%、「南」が40%、「北」が10%の確率で選択される抽選条件となっている。つまり、確定メッセージである「東・南・西・北」が成立しやすくなるように、2個目の保留表示が「西」の場合には、3個目の保留表示に「南」が選択され易い条件が設定されているのである。同様に、示唆メッセージである「西・西・西・西」も成立しやすくなるように、2個目の保留表示が「西」の場合には、3個目の保留表示に「西」が選択され易い条件が設定されている。
これに対して、保留2個目の保留表示が「西」以外である場合には、保留2個目の文字と同じ文字が選択される確率が70%、異なる文字が選択される確率が30%の抽選条件となっている。これは、2個目の保留表示が「西」以外の場合には、確定メッセージである「東・南・西・北」を成立させることはできないので、3個目の保留表示として、示唆メッセージである「東・東・東・東」、「南・南・南・南」、「北・北・北・北」が成立しやすくなるように、2個目の保留表示と同じ文字が選択される確率を高く設定しているのである。
保留表示抽選Aで定義される抽選条件は、図15に示すように、1個目〜3個目の保留表示の組み合わせがどのようになっているかによって場合分けされている。具体的には、保留1個目〜3個目の保留表示が「南・西・北」(「南」は3個目、「西」は2個目、「北」は1個目の保留表示である)の場合には、「南」が33%、「西」が33%、「北」が33%の確率で選択される抽選条件となっている。ここで、この保留表示抽選Aは、現在行われている遊技がハズレである場合に設定される抽選条件(図10参照)であるため、大当たりであることを示す確定メッセージ「東・南・西・北」が成立することがあってはならない。そのため、「南・西・北」が表示されている場合には、「東」が選択されないように抽選の条件が設定されているのである。
これに対して、保留1個目〜3個目の保留表示が「南・西・北」以外の場合であって、保留1個目〜3個目が同じ文字(「東・東・東」、「南・南・南」、「西・西・西」、「北・北・北」)の場合には、示唆メッセージである「東・東・東・東」、「南・南・南・南」、「西・西・西・西」、「北・北・北・北」が成立しないようにするために、保留3個目で表示されている文字と異なる文字を選択するように条件が設定されている。
一方、保留1個目〜3個目の保留表示が「南・西・北」以外の場合であって、保留1個目〜3個目が同じ文字(「東・東・東」、「南・南・南」、「西・西・西」、「北・北・北」)以外の場合には、確定メッセージや示唆メッセージが成立する可能性はないので、「東」、「南」、「西」、「北」がそれぞれ均等に25%の確率で選択される抽選条件となっている。
保留表示抽選Bで定義される抽選条件は、図16に示すように、1個目〜3個目の保留表示の組み合わせがどのようになっているかによって場合分けされている。具体的には、保留1個目〜3個目の保留表示が「南・西・北」(「南」は3個目、「西」は2個目、「北」は1個目の保留表示である)の場合には、「南」が33%、「西」が33%、「北」が33%の確率で選択される抽選条件となっている。ここで、この保留表示抽選Bは、現在行われている遊技が大当たりである場合とハズレである場合の両方の場合に設定される抽選条件(図10参照)であるため、大当たりであることを示す確定メッセージ「東・南・西・北」が成立することがないようにしている。即ち、「南・西・北」が表示されている場合には、「東」が選択されないように抽選の条件が設定されているのである。
これに対して、保留1個目〜3個目の保留表示が「南・西・北」以外の場合であって、保留1個目〜3個目が同じ文字(「東・東・東」、「南・南・南」、「西・西・西」、「北・北・北」)の場合には、示唆メッセージである「東・東・東・東」、「南・南・南・南」、「西・西・西・西」、「北・北・北・北」を成立させるために、保留3個目で表示されている文字と同じ文字を選択するように条件が設定されている。ここで、示唆メッセージは、大当たり確定とはことなり、大当たりの可能性がある旨のメッセージであるため、現在行われている遊技が大当たりである場合に示唆メッセージが表示されると、大当たりの可能性があることを遊技者に期待させることができるが、ハズレの場合であっても、あくまで大当たりを示唆するだけのメッセージなので、所謂ガセ表示であったとあきらめもつくため、特に問題はない。
一方、保留1個目〜3個目の保留表示が「南・西・北」以外の場合であって、保留1個目〜3個目が同じ文字(「東・東・東」、「南・南・南」、「西・西・西」、「北・北・北」)以外の場合には、確定メッセージや示唆メッセージが成立する可能性はないので、「東」、「南」、「西」、「北」がそれぞれ均等に25%の確率で選択される抽選条件となっている。
保留表示抽選Cで定義される抽選条件は、図17に示すように、1個目〜3個目の保留表示の組み合わせがどのようになっているかによって場合分けされている。具体的には、保留1個目〜3個目の保留表示が「南・西・北」(「南」は3個目、「西」は2個目、「北」は1個目の保留表示である)の場合には、「東」が必ず選択される抽選条件となっている。この保留表示抽選Cは、現在行われている遊技が大当たりである場合にのみ設定される抽選条件(図10参照)であるため、大当たりであることを示す確定メッセージ「東・南・西・北」が成立するようになっている。
これに対して、保留1個目〜3個目の保留表示が「南・西・北」以外の場合であって、保留1個目〜3個目が同じ文字(「東・東・東」、「南・南・南」、「西・西・西」、「北・北・北」)の場合には、示唆メッセージである「東・東・東・東」、「南・南・南・南」、「西・西・西・西」、「北・北・北・北」を成立させるために、保留3個目で表示されている文字と同じ文字を選択するように条件が設定されている。
一方、保留1個目〜3個目の保留表示が「南・西・北」以外の場合であって、保留1個目〜3個目が同じ文字(「東・東・東」、「南・南・南」、「西・西・西」、「北・北・北」)以外の場合には、確定メッセージや示唆メッセージが成立する可能性はないので、「東」、「南」、「西」、「北」がそれぞれ均等に25%の確率で選択される抽選条件となっている。
ここで、本実施形態において保留表示識別情報がどのように表示されるかについての具体例を、図18を参照しながら説明する。図18は、現在行われている遊技(演出図柄が変動中の遊技)が大当たりである場合の例を示している。図18(a)は、演出図柄が「3・4・5」で停止してハズレが確定したときに保留個数3個目まで保留表示がなされており、それら3個の保留表示として、「西・北・北」が保留球表示装置34aに横一列に表示されている状態を示している。それから、保留個数が1個目(保留1)に係る保留球乱数に基づく遊技が開始されると、図18(b)に示すように保留表示が1個消去されて保留2と保留3に表示されていた文字がそのまま右側に1つずつズレて表示される。なお、このとき、演出図柄表示装置34には「7↓7」(↓は図柄変動中を意味する)が表示されている。
この遊技で「7↓7」と演出図柄が変動中ときに、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合には、保留個数が3個目に参照される保留表示抽選3(図14参照)にて定義される抽選条件により保留表示識別情報が決定される。このとき保留個数が2個目の表示が「西」であるので、保留個数が3個目の表示は、「南」が選ばれる確率が40%と高くなっている。そして、この「南」が決定されると、図18(c)に示すように、保留3の領域に「南」が表示される。
このまま当該遊技が変動中であって第1始動入賞口37aにさらに遊技球が入賞した場合には、保留個数が4個目に参照される保留表示抽選C(図17参照)にて定義される抽選条件により前記保留表示識別情報が決定される。この保留表示抽選Cによれば、保留1〜保留3の表示が「南・西・北」となっているので、保留4には「東」が表示される。つまり、確定メッセージである「東・南・西・北」が成立することとなる。
以上、説明したように、本発明の実施の形態例に係るパチンコ機によれば、保留球表示装置34bに「東・南・西・北」のメッセージが形成された態様を見た遊技者は、演出図柄表示装置34に「7↓7」とリーチ状態になっている状態で図柄が変動中の遊技(現在行われている遊技)が大当たりであることが分かるので、早く大当たりにならないかと待ち遠しくなって、遊技に対する楽しみが増すこととなる。しかも、保留4となるまで遊技球を第1始動入賞口37aに入賞させなければこのようなメッセージを見ることができないので、このメッセージを見たいと思う遊技者は保留個数が4個の上限となるまで遊技球を打ち出し続けるため、パチンコ機の稼働が向上するのである。
なお、上記した実施形態例では、保留表示抽選1では「東」、「南」、「西」、「北」はそれぞれ25%の確率で選択されるような条件設定としたが、この構成に代えて、「北」が選択される確率を55%、それ以外の文字が選択される確率をそれぞれ15%となるように抽選条件を設定しても良い。この構成によれば、1個目の保留表示で「北」が表示される可能性が高くなるので、確定メッセージの成立の可能性に期待ができ、遊技の趣向性が高まる利点がある。
また、上記した実施形態例では、メッセージは4個(N=4)の保留表示識別情報の組み合わせで形成されており、保留個数の上限は4個(M=4)となっている例、即ち、N=M=4の場合を例に挙げて説明したが、この構成に代えて、メッセージとして2個の保留表示識別情報の組み合わせ(例えば、「熱」と「い」の文字により「熱・い」と表示したり、「激」と「熱」の文字により「激・熱」と表示する)を採用することもできる。また3個の文字で、例えば、「チャ」と「ン」と「ス」の文字で「チャ・ン・ス」と表示したり、「リ」と「ー」と「チ」の文字で「リ・ー・チ」と表示したりすることもできる。この構成によれば、保留表示のバリエーションが増え、より興味を惹くような演出が可能となる。