JP5314529B2 - パチンコ機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技球を用いて遊技を行うパチンコ機に関し、特に、一度大当たりになると連続して予め定めた上限回数の大当たりを獲得できる仕様のパチンコ機に関する。
一般に、パチンコ機には、遊技盤内の遊技領域に特別図柄を表示する特別図柄表示装置、所定の演出を表示する演出図柄表示装置、特別図柄に係る電子抽選の契機となる始動口が設けられており、遊技領域に向けて発射された遊技球が、この始動口に入賞すると特別図柄に係る電子抽選が行われると共に、特別図柄表示装置において特別図柄を変動させた後に停止させるといった態様の表示を行って電子抽選の結果を報知している。
さらに、特別図柄の変動表示と同期をとって、演出図柄表示装置に複数の演出図柄(演出に用いられる図柄のことで、ダミー図柄とも称される)が変動表示されて様々な演出が行われるようになっており、電子抽選の結果が大当たりである場合には、これらの演出図柄が同一図柄で揃って停止表示されることで遊技者に大当たりであることが報知される。
そして、大当たりとなった場合には、遊技者にとって有利な大当たり遊技状態に移行する。この大当たり遊技状態では、アタッカー装置が所定回数だけ開閉して露呈された大入賞口に遊技球が入るので、遊技者は多くの賞球を獲得することができる。
また、大当たりの種類には、通常当たりと、この通常当たりより遊技者に有利であって、大当たり終了後に大当たり確率がアップする確率変動付き大当たり(所謂、確変当たり)の2種類が少なくとも用意されているのが一般的であり、遊技者は、この有利な確変当たりを目指して遊技を楽しんでいるのである。
最近では、特許文献1に記載されているように、始動口を複数設けておき、何れの始動口に遊技球が入賞したかによって、遊技者に有利となる度合いが異なるようになっているパチンコ機が公知である。具体的には、上記した確変当たりとなる確率、特別図柄の変動時間が通常よりも短縮された状態、所謂時短遊技状態が付与される確率、大当たり遊技中にアタッカー装置が開放される回数、所謂ラウンド数の選択確率の少なくも1つが、始動口毎に異なるになっているものもある。この特許文献1に記載のパチンコ機によれば、何れの始動口に遊技球を入賞させるかによって、獲得できる賞球が変わってくるので、遊技者の技量が発揮でき、遊技者の興趣を惹き付けることができる。
ところで、最近では、特許文献2にあるように、一度大当たりになると予め定めた上限回数まで連続して大当たりが獲得できるようなパチンコ機もある。このようなパチンコ機は、「リミッタ機」などと称されており、1度の大当たりで複数回の大当たりが確定するため、確変当たりを有するパチンコ機とは趣の異なった面白さがあり、多くの遊技者に支持されている。
この特許文献2に記載のパチンコ機も、特許文献1に記載のパチンコ機と同様に、第1始動入賞口と第2始動入賞口とを備えており、どちらの始動入賞口に遊技球が入賞したかによって遊技者の利益が異なるようになっている。具体的には、第1始動入賞口に遊技球が入賞して当たりとなった場合には、第1特別入賞制御状態を発生させ、第2始動入賞口に遊技球が入賞して当たりとなった場合には、第1特別入賞制御状態または第2特別入賞制御状態の何れかに振り分けて一方の特別入賞制御状態を発生させるようにしている。なお、特別入賞制御状態とは、アタッカー装置が開閉する状態のことであり、第1特別入賞制御状態は、第2特別入賞制御状態よりアタッカー装置の開放回数などが遊技者にとって有利な状態である。つまり、第1始動入賞口で当たりとなった方が、第2始動入賞口で当たりとなった場合より遊技者にとって有利となっているのである。この特許文献2に記載のパチンコ機によっても、何れの始動口に遊技球を入賞させるかによって、獲得できる賞球が変わってくるので、遊技者は、自らの技量を存分に発揮して、遊技を楽しむことができるのである。
特開2008−161329号公報 特開2008−295759号公報
しかしながら、上記従来の技術では、遊技者に不利な方の始動口に遊技球が入賞し、その入賞によって大当たりとなってしまった場合には、有利な方の始動口に遊技球が入賞して大当たりとなる場合に比べて、賞球の獲得が少なくなってしまうなど残念な結果となり、遊技者は、この結果に失望することとなる。ここで、特許文献1に記載のパチンコ機であれば、不利な方の始動口に入賞して大当たりとなり、大当たり遊技のラウンド数が少ないものが選択された場合でも、その大当たりが確変当たりであったなら、次の大当たりが期待できるため、遊技者はそれほど失望しなくて済む。ところが、特許文献2に記載のパチンコ機は、一回の大当たりにより複数回の大当たりが確定するところ、不利な始動口に遊技球が入賞して大当たりとなった場合も、その大当たりも複数回の大当たりの中に当然含まれてしまうので、その失望は大きなものとなってしまう。即ち、所謂リミッタ機では、複数回の大当たりが確定するので、そのうちの1回でも不利な大当たりが含まれると、複数回の大当たりによって得られる賞球に大きな差が生じるため、遊技者の心理をマイナスに作用させてしまうのである。
本発明は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、一度大当たりになると連続して予め定めた上限回数の大当たりを獲得できるパチンコ機(所謂、リミッタ機)において、不利な始動口に遊技球が入賞して大当たりとなった場合であっても、遊技者の失望を抑えることができ、遊技への興味が失われないようにすることにある。
上記目的を達成するため、本発明は、遊技球が流下する遊技領域を有する遊技盤と、遊技者が操作する操作部と、前記遊技領域に設けられた第1始動口と、この第1始動口に遊技球が入賞したことを契機に特別図柄に係る電子抽選を行う第1電子抽選手段と、この第1電子抽選手段による抽選結果を、特別図柄を変動させた後に停止させる表示態様によって表示する第1特別図柄表示装置と、前記遊技領域のうち前記第1始動口から離れて設けられた第2始動口と、この第2始動口に遊技球が入賞したことを契機に特別図柄に係る電子抽選を行う第2電子抽選手段と、この第2電子抽選手段による抽選結果を、特別図柄を変動させた後に停止させる表示態様によって表示する第2特別図柄表示装置と、前記第1電子抽選手段による抽選結果が大当たりである場合、または前記第2電子抽選手段による抽選結果が大当たりである場合に、通常の遊技に比べて遊技者に有利な大当たり遊技を提供する大当たり遊技制御手段と、複数の演出図柄を変動させた後に停止させる演出態様を表示すると共に、前記第1電子抽選手段、ならびに前記第2電子抽選手段による抽選結果を、前記複数の演出図柄の停止態様によって表示する演出図柄表示装置と、この演出図柄表示装置に表示する前記演出態様を複数種類の中から決定する演出態様決定手段と、この演出態様決定手段が決定した演出態様を前記演出図柄表示装置へ表示するように制御する演出図柄表示制御手段と、遊技モードを移行させる手段であって、通常の遊技状態である通常モードと、大当たり遊技が終了してから次の大当たり遊技が提供されるまでの間移行可能で、前記通常モードよりも前記第1電子抽選手段および第2電子抽選手段による抽選結果が大当たりとなる確率が高い遊技状態である確率変動モードとの間で遊技モードの移行を行う遊技モード移行制御手段と、特別図柄に係る電子抽選に用いる特別図柄用の乱数を発生させる特別図柄用乱数発生手段と、を備え、前記第1電子抽選手段は、前記特別図柄用乱数発生手段により発生した乱数の中から1つの特別図柄用乱数を前記第1始動口に遊技球が入賞したことを契機に取得する第1特別図柄用乱数取得手段と、この第1特別図柄用乱数取得手段により取得した特別図柄用乱数が大当たりであるか否かを、当否が記憶された第1判定テーブルを参照して判定する第1特別図柄当否判定手段と、特別図柄の変動中に前記第1特別図柄用乱数取得手段が取得した特別図柄用乱数を、所定個数の上限まで保留球乱数として順次記憶する第1保留球乱数記憶部と、を有し、前記第2電子抽選手段は、前記特別図柄用乱数発生手段により発生した乱数の中から1つの特別図柄用乱数を前記第2始動口に遊技球が入賞したことを契機に取得する第2特別図柄用乱数取得手段と、この第2特別図柄用乱数取得手段により取得した特別図柄用乱数が大当たりであるか否かを、当否が記憶された第2判定テーブルを参照して判定する第2特別図柄当否判定手段と、特別図柄の変動中に前記第2特別図柄用乱数取得手段が取得した特別図柄用乱数を、所定個数の上限まで保留球乱数として順次記憶する第2保留球乱数記憶部と、を有し、前記第1保留球乱数記憶部と前記第2保留球乱数記憶部の両方に保留球乱数が記憶されている場合には、前記第2保留球乱数記憶部に記憶されている保留球乱数に基づく遊技を前記第1保留球乱数記憶部に記憶されている保留球乱数に基づく遊技よりも優先して行うように設定され、前記通常モードで大当たりとなって大当たり遊技が提供された場合には、その大当たり遊技から数えて予め定めたN回(ただし、Nは自然数)の大当たり遊技が提供されるまでの間の遊技モードを前記確率変動モードに移行させ、N回目の大当たり遊技が提供された後の遊技モードを前記通常モードに移行させるように前記遊技モード移行制御手段が遊技モードの移行を制御することによりN回の大当たり遊技を連続して提供可能なパチンコ機において、前記第1判定テーブルは、大当たり、小当たり、およびハズレで構成されると共に、前記第1判定テーブルにおける大当たりは、通常当たりと、この通常当たりより遊技者に有利な有利当たりとに分類され、前記第2判定テーブルは、大当たり、小当たり、およびハズレで構成されると共に、前記第2判定テーブルにおける大当たりは、全て前記有利当たりに分類され、前記複数種類の演出態様には、遊技者が前記操作部を操作するのに伴って演出態様が変化していき、最終的に前記第1電子抽選手段による抽選結果、または前記第2電子抽選結果による抽選結果に応じた最終演出態様が表示される特殊演出態様が含まれ、前記演出態様決定手段は、前記第1電子抽選手段による抽選結果が大当たり、もしくは小当たりである場合、または、前記第2電子抽選手段による抽選結果が小当たりである場合に前記特殊演出態様の決定が可能であり、前記最終演出態様には、前記通常当たりであることを示す通常当たり表示態様と、前記有利当たりであることを示す有利当たり表示態様と、前記小当たりであることを示す小当たり表示態様とが含まれる構成とした。
本発明は、通常モードで一度大当たりとなると、N回の大当たり遊技を行えるタイプのパチンコ機、所謂、リミッタ機であることを前提としており、第1始動口と第2始動口の2つの始動口を備えている。これら2つの始動口に遊技球が入賞すると電子抽選が行われ、大当たり、小当たりまたはハズレの何れかの抽選結果が下されるが、第1始動口に遊技球が入賞したことに基づく電子抽選では、通常当たり、有利当たり、小当たり、またはハズレの何れかとなり、第2始動口に遊技球が入賞したことに基づく電子抽選では、有利当たり、小当たり、およびハズレの何れかとなる。即ち、同じ大当たりと判定された場合でも、第1始動口に入賞して大当たりとなったときは通常当たりか有利当たりのどちらかに振り分けられるが、第2始動口に入賞して大当たりとなったときは全て有利当たりとなるのである。よって、本発明においては、第1始動口の方が不利な始動口となっている。
このように構成された本発明では、第2始動口を狙って遊技球を発射して遊技を行っていても、運悪く第1始動口に遊技球が入賞してしまい、通常当たりとなる可能性を含んでいるということになる。そして、万一、第1始動口に遊技球が入賞して通常当たりとなった場合には、遊技者は、第2始動口に入賞していれば有利当たりとなっていたところ、第1始動口に入賞したばかりに通常当たりとなってしまったとの思いを抱き、有利当たり1回分が損してしまったと失望してしまうことになり兼ねない。
ところが、本発明では、第1電子抽選手段による抽選結果が大当たり、もしくは小当たりである場合、または、第2電子抽選手段による抽選結果が小当たりである場合に特殊演出態様を行うことができるようにしているため、遊技者が遊技結果に失望してしまうことを抑止できるのである。
この点について詳細に説明すると、本発明の特殊演出態様とは、遊技者が操作部を操作するのに伴って演出態様が変化していき、最終的に第1電子抽選手段による抽選結果、または第2電子抽選結果による抽選結果に応じた最終演出態様が表示されるようになっており、最終演出態様には、通常当たりであることを示す通常当たり表示態様と、有利当たりであることを示す有利当たり表示態様と、小当たりであることを示す小当たり表示態様とが含まれるようになっている。そのため、この最終演出態様が表示されるためには、遊技者は、自ら操作部を操作しなければならないこととなる。
よって、第1電子抽選手段による抽選で通常当たりとなったとしても、通常当たりであることを示す通常当たり表示態様を表示させたのは遊技者自らの操作であることを遊技者に意識付けさせることができるので、遊技者はこの結果に納得することができ、遊技結果に対して失望することを抑止できることとなる。さらに、リミッタ機で獲得できる残り回数分の大当たりについては、何が何でも有利当たりにしたいとの意欲が出てきて、遊技への興味が持続するといった優れた効果を奏するのである。
本発明によれば、通常当たりとなった場合でも、その抽選結果の表示は、特殊演出態様中に遊技者が操作部を操作することにより表示されるため、遊技者自らの操作によって通常当たりとなったとの意識を植え付けることができるので、遊技に対する失望や損失感といったものが軽減でき、遊技に対する興味が低下することはなくなるのである。
本発明の実施の形態例に係るパチンコ機の外観斜視図である。 図1に示すパチンコ機のガラス扉を開けて遊技盤を外した状態の外観斜視図である。 図1に示すパチンコ機の遊技盤の正面図である。 図1に示すパチンコ機の背面図である。 図1に示すパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 図5に示す特別図柄抽選部の詳細を説明するためのブロック図である。 図6に示す判定テーブルの詳細を説明するための図である。 図5に示す演出制御処理部の詳細を説明するためのブロック図である。 図8に示す特殊演出態様の具体例を説明するための図であり、(a)は特殊演出態様の冒頭演出画像を、(b)は(a)に続いて表示される演出画像を、(c)はタッチボタンの操作指示を行う演出画像をそれぞれ示した図である。 図8に示す特殊演出態様の中で最終演出態様の具体例を説明するための図であり、(a)は有利当たりであることを示す有利当たり表示態様を、(b)は小当たりであることを示す小当たり表示態様を、(c)は通常当たりであることを示す通常当たり表示態様をそれぞれ示した図である。
以下、発明の実施の形態例を図面を参照して説明する。図1及び図2に示すように、本発明の実施の形態例に係るパチンコ機Pは、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた前面枠2と、前面枠2の内側に収容された遊技盤3と、前面枠2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられ、中央に大きく開口部8が形成されたガラス扉4と、このガラス扉4の開口部8に取り付けられた透明なガラス板10と、前面枠2の下側に開閉自在に配設され、遊技球を収容する受皿5を有する前面ボード6と、前面枠2の下部に設けられた発射装置9と、前面ボード6に取り付けられたハンドル7等を具備している。さらに、ガラス扉4の上部にはスピーカ20が左右に1個ずつ取り付けられており、遊技に関する様々な効果音を発している。
また、図4に示すように、このパチンコ機Pは、背面側に、主制御処理部11と、副制御処理部を構成する演出制御処理部12a、特別図柄表示制御部12b、ランプ制御処理部12c、払出制御処理部12e、および普通図柄表示制御部12fと、発射制御処理部13と、賞球払出装置14等を備えている。続いて、図1〜図5を参照して、本実施形態に係るパチンコ機Pの構成を詳しく説明していくことにする。
遊技盤3は、その盤面に遊技領域31を有しており、前面枠2に装着した後、ガラス板10から遊技領域31を観察することができる。遊技領域31は、遊技球を滑走させるガイドレール32と遊技球規制レール33によって略円形状となるように区画形成されており、発射装置9によって打ち出された遊技球はこの遊技領域31内を流下する。また、遊技領域31内には、第1特別図柄表示装置17aと、第2特別図柄表示装置17bと、演出図柄表示装置34と、スルーチャッカ21と、普通図柄表示装置22と、電動チューリップ49と、ステージ36と、第1始動入賞口(第1始動口)37aと、第2始動入賞口(第2始動口)37bと、一般入賞口38と、アウト口39と、遊技釘(図示せず)と、風車(図示せず)と、アタッカー装置41等が設けられている。なお、第1始動入賞口37aは遊技盤3の中心からやや下方に設けられているのに対して、第2始動入賞口37bは、第1始動入賞口37aより右側方の位置に間隔を空けて遊技盤3に設けられている。
演出図柄表示装置34は、遊技盤3の略中央部に設けられ、第1始動入賞口37aおよび第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われた特別図柄に係る電子抽選の結果に基づいて所定の演出態様を表示するものであって、本実施形態では液晶表示装置が用いられている。さらに、この演出図柄表示装置34は、補助図柄表示装置34bを備えている。この補助図柄表示装置34bは、3つの7セグメント表示器からなり、演出図柄表示装置34の下部の位置にやや傾いた姿勢で取り付けられている。
この演出図柄表示装置34には、所定の演出態様の一部として、第1特別図柄表示装置17aおよび第2特別図柄表示装置17bに変動表示される特別図柄と同期をとって演出図柄が変動表示されるようになっている。そして、特別図柄に係る電子抽選の結果、大当たりとなった場合には、この演出図柄表示装置34には、大当たりである旨が表示されると共に、補助図柄表示装置34bには、同一の数字が3つ揃って停止するようになっている。この揃った数字によって、大当たりの残り回数が予測できるようになっているが、この点については、後で詳しく述べることとする。
なお、この演出図柄表示装置34には、保留球乱数が保留球乱数記憶部(メモリ)115に記憶された場合に保留表示(保留球乱数が記憶された旨の表示)を行うための表示領域が区画形成されている。つまり、この表示領域の部分が保留球表示装置34aとなっているのである。
第1特別図柄表示装置17aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞することを契機に行われた特別図柄に係る電子抽選の結果を表示するためのものであって、より具体的には、抽選結果を、特別図柄(数字や絵柄)を変動させた後に停止させるといった態様で表示するものである。この第1特別図柄表示装置17aは、本実施形態では7セグメント表示器が用いられており、演出図柄表示装置34を見ている遊技者の視界に同時に入らないように遊技盤3の右下部分に離れて設けられている。第2特別図柄表示装置17bも第1特別図柄表示装置17aと同様の構成であり、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われた特別図柄に係る電子抽選の結果が表示される。
スルーチャッカ21は、遊技球が通過可能なゲート構造を成しており、その内部には遊技球が通過したことを検知する磁気センサタイプのスルーチャッカ検知センサ46が内蔵されている。また、このスルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に行われる普通図柄に係る電子抽選の結果を表示するための普通図柄表示装置22が、特別図柄表示装置17の隣に設けられている。この普通図柄表示装置22は、本実施形態では、二つのLEDランプで構成されており、普通図柄当たりのときに一方のLEDランプが点灯し、ハズレのときには他方のLEDランプが点灯するようになっている。
電動チューリップ49は、第2始動入賞口37bの入口に設けられ、遊技盤3の面に直交する軸を中心に回動する一対の羽根部材を備えており、ソレノイドに通電がなされると一対の羽根部材が互いに離れる方向に回動して、第2始動入賞口37bの入口を拡大するようになっている。なお、第2始動入賞口37bの入口には釘が設けられており、電動チューリップ49が開かないと遊技球が入賞できないようになっている。
ステージ36は、演出図柄表示装置34の下方に配置されており、遊技球が転動しながら一時的に滞在する構造物である。このステージ36の中央には溝が形成されており、この溝の真下の位置には第1始動入賞口37aが配されている。そのため、溝から落下した遊技球は、高い確率で第1始動入賞口37aへと導かれる。
アタッカー装置41は、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞することを契機に行われる特別図柄に係る電子抽選の結果、大当たり(通常当たりまたは有利当たり)となって大当たり遊技に移行した場合、および小当たりとなった場合に作動するうえ、さらに、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる特別図柄に係る電子抽選の結果、大当たり(有利当たり)となって大当たり遊技に移行した場合、および小当たりとなった場合にも作動する装置である。このアタッカー装置41が作動してその内部が開放されると、大入賞口42が露呈し、そこに遊技球が入賞することで多くの賞球が獲得できるようになっている。
なお、このアタッカー装置41は、通常当たりと小当たりのときには2回開放し、有利当たりのときには15回開放するように作動が制御されており(図7参照)、通常当たりと小当たりの場合の開放時間は1回当たり1秒と短時間であるのに対して、有利当たりのときの開放時間は1回当たり30秒か遊技球が9個入賞するかの何れか早い時間となっている。よって、本実施形態では、通常当たりと小当たりの場合には殆どアタッカー装置41に遊技球が入賞しないので、賞球の獲得が期待できないこととなる。
また、一般入賞口38に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出されるが、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、または一般入賞口38の何れにも入らなかった遊技球は、アウト口39から回収される。なお、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口38、大入賞口42の内部にはそれぞれ遊技球の通過を検知するためのセンサ43a、43b、44、45(図4参照)が設けられている。
前面ボード6には遊技球を収容するとともに、外部に排出可能な受皿5が取り付けられている。この受皿5は、遊技者が投入した遊技球を収容するだけでなく、賞球払出装置14から賞球として払い出された遊技球も収容可能となっている。また、遊技球を遊技領域31に向けて発射するための発射装置9が前面枠2の下部に取り付けられており、受皿5に収容されている遊技球がこの発射装置9に1個ずつ供給される。そして、前面ボード6の右下に取り付けられたハンドル7を回動させると、その回動量に応じた発射強度で発射装置9が遊技球を遊技領域31へと発射することができるようになっている。また、図1に示すように、受皿5の側部には、遊技者が押下操作するタッチボタン60が設けられている。
主制御処理部11は、遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられている。この主制御装置11は、CPU(Central Processing Unit)と、予め定められた制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)と、生成された処理情報の一時記憶及び記憶した情報の削除を行うRAM(Random Access Memory)等とにより構成されている。このCPUがROMに格納された各種プログラムやデータを読み込んで実行することにより、遊技に関する主要な処理が行われる。
具体的には、図5に示すように、第1始動入賞口37aおよび第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に特別図柄に係る電子抽選を行う特別図柄抽選部110と、この特別図柄抽選部110が判定した抽選結果に応じて特別図柄を決定する第1特別図柄決定部120aおよび第2特別図柄決定部120bと、変動パターンコマンドを決定するための第1変動パターンコマンド決定部140aおよび第2変動パターンコマンド決定部140bと、通常の遊技状態である通常モードと、この通常モードよりも特別図柄抽選部110による抽選結果が大当たりとなる確率が高い遊技状態である確率変動モードとの間で遊技モードの移行を行う遊技モード移行制御部(遊技モード移行制御手段)150と、特別図柄抽選部110による抽選結果の判定が大当たりとなった場合にアタッカー装置41(のソレノイド)を作動させて大当たり遊技に移行する大当たり遊技制御部(大当たり遊技制御手段)160と、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に普通図柄に係る電子抽選を行う普通図柄抽選部170と、電動チューリップ49の作動を制御する電動チューリップ作動制御部180とを備えて主制御処理部11は構成されている。
特別図柄抽選部110は、図6に示すように、周期的(例えば2ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成する特別図柄用乱数発生部(特別図柄用乱数発生手段)111と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に特別図柄に係る電子抽選を行う第1電子抽選手段119aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に特別図柄に係る電子抽選を行う第2電子抽選手段119bと、を備えている。なお、第1電子抽選手段119aと第2電子抽選手段119bの抽選処理の優先順位は、第2電子抽選手段119bの方が先である。つまり、互いの保留球乱数記憶部に保留球乱数が記憶されている場合には、第2保留球乱数記憶部115bに記憶されている保留球乱数に基づく遊技処理が第1保留球乱数記憶部115aよりも優先して行われるようになっている。
第1電子抽選手段119aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43aからの検知信号が主制御処理部11に入力されたタイミングで)乱数を1つ取得(ラッチ)する第1特別図柄用乱数取得部(第1特別図柄用乱数取得手段)112aと、この第1特別図柄用乱数取得部112aが取得した乱数が大当たりであるか否かを第1判定テーブル114aを参照して決定する第1特別図柄当否判定部(第1特別図柄当否判定手段)113aと、第1特別図柄用乱数取得部112aが乱数を取得したときに特別図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を保留球乱数として最大4個まで記憶する第1保留球乱数記憶部115aと、を備えている。
また、第2電子抽選手段119bは、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43bからの検知信号が主制御処理部11に入力されたタイミングで)乱数を1つ取得(ラッチ)する第2特別図柄用乱数取得部(第2特別図柄用乱数取得手段)112bと、この第2特別図柄用乱数取得部112bが取得した乱数が大当たりであるか否かを第2判定テーブル114bを参照して決定する第2特別図柄当否判定部(第2特別図柄当否判定手段)113bと、第2特別図柄用乱数取得部112bが乱数を取得したときに特別図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を保留球乱数として最大4個まで記憶する第2保留球乱数記憶部115bと、を備えている。
第1判定テーブル114aは、図7に示すように、当選確率の低い第1通常判定テーブル114a−1と、当選確率の高い第1有利判定テーブル114a−2とを備えており、通常モード下では第1通常判定テーブル114a−1が参照され、確率変動モード下では第1有利判定テーブル114a−2が参照される。同様に、第2判定テーブル114bは、当選確率の低い第2通常判定テーブル114b−1と、当選確率の高い第2有利判定テーブル114b−2とを備えており、通常モード下では第2通常判定テーブル114b−1が参照され、確率変動モード下では第2有利判定テーブル114b−2が参照される。なお、詳しくは後述するが、通常モードには時短モードというモードが含まれており、この時短モードでは第1通常判定テーブル114a−1および第2通常判定テーブル114b−1が参照されるようになっている。
ここで、各テーブルの構成について具体的に説明すると、第1通常判定テーブル114a−1は、通常当たり、有利当たり、小当たりおよびハズレで構成されており、大当たりと小当たりの当選確率は、通常当たりが4/100、有利当たりが1/100、小当たりが1/100となっている。第1有利判定テーブル114a−2は、通常当たり、有利当たり、小当たりおよびハズレで構成されており、大当たりと小当たりの当選確率は、通常当たりが20/100、有利当たりが5/100、小当たりが1/100となっており、大当たりとなる確率が第1通常判定テーブル114a−1に比べて5倍にアップしている。
また、第2通常判定テーブル114b−1は、有利当たり、小当たりおよびハズレで構成されており、大当たりと小当たりの当選確率は、有利当たりが5/100、小当たりが1/100となっている。第2有利判定テーブル114b−2は、有利当たり、小当たりおよびハズレで構成されており、大当たりと小当たりの当選確率は、有利当たりが25/100、小当たりが1/100となっており、大当たりとなる確率が第2通常判定テーブル114b−1に比べて5倍にアップしている。なお、図7から明らかなように、第1判定テーブル114a−1、114a−2には通常当たりが含まれているが、第2判定テーブル114b−1、114b−2には通常当たりが含まれていない点で構成が相違している。
図5に説明を戻して、第1変動パターンコマンド決定部140aと第2変動パターンコマンド決定部140bは、それぞれ演出態様を決定するためのコマンドである変動パターンコマンドの決定に用いられる変動パターン用乱数の抽選処理を行う変動パターン用乱数抽選部と、変動パターン用乱数と変動パターンコマンドとが対応づけられたテーブルが複数記憶されたコマンド参照テーブルと、を備えている。第1変動パターンコマンド決定部140aと第2変動パターンコマンド決定部140bは、それぞれ変動パターン用乱数抽選部で取得した変動パターン用乱数に対応する変動パターンコマンドを、取得した特別図柄用乱数に対応するコマンド参照テーブルを参照して決定している。なお、大当たりの場合には、長い変動時間の変動パターンコマンドが決定されやすくなっており、変動時間が長い演出態様が表示されると、遊技者は大当たりの可能性が高いのではないかと予測することができるようになっている。
次に、遊技モード移行制御部(遊技モード移行制御手段)150は、通常モードで大当たり(通常当たりまたは有利当たり)となって大当たり遊技が提供された場合には、その大当たり遊技が終了すると遊技状態を確率変動モードに移行させる。そして、通常モードでの大当たり遊技から数えて予め定めたN回(ただし、Nは自然数)の大当たり遊技が提供されるまでの間、大当たり遊技が終了する度に遊技モードを確率変動モードに移行させるように、遊技モード移行制御部150が遊技モードの移行を制御している。
なお、小当たりに当選した場合には、遊技モード移行制御部150は、小当たり後の遊技モードを小当たり前と同じ遊技モードに移行するよう制御している。即ち、通常モード下で小当たりに当選した場合には、小当たり後の遊技モードは通常モードとなり、確率変動モード下で小当たりに当選した場合には、小当たり後の遊技モードは確率変動モードとなるように、遊技モード移行制御部150は遊技モードの移行を制御している。
ここで、本実施形態では、大当たり遊技の回数として7回の上限回数、つまり、予め定めた回数N=7に設定されている(別言すれば、リミッタ回数が7回となるように設定されている)ので、通常モード下で一度大当たりとなると、遊技モード移行制御部150が大当たり遊技後の遊技モードを確率変動モードへと移行させることを6回行ってから、7回目の大当たり遊技終了後に、遊技状態を通常モードに移行させるように制御している。このように遊技モード移行制御部150が遊技モードの移行を制御することにより7回の大当たり遊技を連続して提供することができるようになっているのである。
なお、本実施形態では7回目の大当たりが終了すると、通常モードに移行するが、この通常モードでは100回の遊技に限って、普通図柄抽選部170(詳しくは後述)の当選確率が高くなる状態である時短モードが提供され、電動チューリップ49が頻繁に開くようになっている。つまり、本実施形態において、7回目の大当たり終了後は、遊技モード移行制御部が通常モードの一つである時短モードに100回だけ遊技モードを移行するよう制御している。
次に、大当たり遊技制御部160は、大当たりの種類に応じて所定のラウンド数だけアタッカー装置41の開閉を行うように制御している。本実施形態では、大当たりとして、アタッカー装置41が短時間(1秒)だけ1回開く動作を2ラウンド(回)行う通常当たりと、アタッカー装置41を長時間(30秒または遊技球が9個入賞するまでの時間の何れか早い方)開く動作を15ラウンド(回)行う有利当たりとがある。加えて、大当たり遊技制御部160は、小当たりに当選した場合にも、通常当たりと同じように、アタッカー装置41を短時間(1秒)だけ1回開く動作を2ラウンド(回)行うように制御している。
また、普通図柄抽選部170は、特別図柄用乱数発生手段111が発生させる乱数の数より少ないが同様の構成からなる普通図柄用乱数発生部と、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に(スルーチャッカ検知センサ46からの検知信号が主制御処理部11に入力されたタイミングで)乱数を1つ取得(ラッチ)する普通図柄用乱数取得部と、この普通図柄用乱数取得部が取得した乱数が普通図柄当たりであるか否かを普通図柄判定テーブルを参照して決定する普通図柄当否判定部と、普通図柄用乱数取得部が乱数を取得したときに普通図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を普通図柄用保留球乱数として記憶する普通図柄用保留球乱数記憶部と、を備えている。
この普通図柄抽選部170による普通図柄当たりに当選する確率は、低確率と高確率とがあり、通常モードでは低確率に設定されているが、上記した確率変動モードや時短モードでは、高確率に設定される。そのため、確率変動モードや時短モードでの遊技では、普通図柄当たりに当選する確率が高いので、頻繁に電動チューリップ49が開くこととなる。この電動チューリップ49の作動を制御するのが電動チューリップ作動制御部180であり、この電動チューリップ作動制御部180は、普通図柄抽選部170による電子抽選で普通図柄当たりに当選したコマンドに基づいて、電動チューリップ49のソレノイドに通電して開閉するよう制御している。
続いて、主制御処理部11からの指令(コマンド)を受けて各種装置を制御する副制御処理部について説明する。副制御処理部を構成する演出制御処理部12a、特別図柄表示制御部12b、ランプ制御処理部12c、払出制御処理部12e、および普通図柄表示制御部12fは、遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられ、主制御処理部11が生成した処理情報に従って、演出図柄表示装置34やスピーカ20、その他の演出装置(LED装置など)の制御を行う装置である。
演出制御処理部12aは、図8に示すように、処理部として、演出態様を決定するための演出態様決定部(演出態様決定手段)210と、この演出態様決定部210が決定した演出態様を演出図柄表示装置34に表示するよう制御する演出図柄表示制御部(演出図柄表示制御手段)220と、大当たり遊技の残り回数Zを算出する大当たり残回数算出部230と、を備えて構成されている。
また、演出制御処理部12aは、記憶部として、複数種類の演出態様が記憶された演出態様記憶部260を備えている。この演出態様記憶部260は、様々な演出態様が変動パターンコマンドと対応づけられて記憶されており、通常演出態様A〜Dと、特殊演出態様とが記憶されている。この特殊演出態様は、第1電子抽選手段119aによる抽選結果が大当たり、もしくは小当たりである場合、または、第2電子抽選手段による抽選結果が小当たりである場合に演出態様決定部210による決定が可能な演出態様である。
この特殊演出態様について図9および図10を参照して説明すると、まず図9(a)に示すように、演出図柄表示装置34の液晶画面にUFOがハートを掴んだ演出画像が表示される。そして、図9(b)に示すように「ピンチ!ボタン連打でハートを取り戻せ!」というメッセージが画面中央に表示される。次に、図9(c)に示すように、「連打」の文字が画面左下に表示される。この「連打」は遊技者に対してタッチボタン60を連打せよとの指令である。そして、演出が進行していくと、図10に示すように、最終的な表示態様が画面に表示される。
具体的には、有利当たりである場合には、図10(a)に示すように、中央に「完全破壊!!」のメッセージが表示され、小当たりである場合には、図10(b)に示すように、中央に「一部破壊!」のメッセージが表示され、通常当たりである場合には、図10(c)に示すように、泣き顔のキャラクタが画面左側に表示されると共に、画面右側に「残念」のメッセージが表示されるようになっている。
また、有利当たりとなった場合には、大当たり残回数算出部230が算出した大当たり遊技の残り回数Zと同じ数字が、補助図柄表示装置34bに表示される。例えば、大当たり遊技の残り回数が5回の場合には、この補助図柄表示装置34bに「5・5・5」と同一の数字「5」が3つ揃って停止するようになっている。
この大当たり残回数算出部230は、大当たり遊技が提供される度に、主制御処理部11からコマンドを受けて、N=7回から1ずつ減算した回数を大当たり遊技の残り回数Zとして算出する。つまり、通常モード下で最初に大当たりとなった時点では、まだ大当たり遊技提供前なので、Z=N=7回である。そして、1回目の大当たり遊技が提供されると、残りの大当たり遊技は7−1=6回であるので、大当たり残回数算出部230は、残り回数Z=6回と算出する。2回目の大当たり遊技が提供されると、7回からさらに1を減算して、7−1−1=5回が残り回数Zとして算出される。この算出した残り回数Zの値を基にして、補助図柄表示装置34bに数字が表示されるため、補助図柄表示装置34bに停止表示された数字を見ると、大当たりの残り回数が予測できるのである。
図5に説明を戻すと、特別図柄表示制御部12bは、主制御処理部11の第1特別図柄決定部120aが決定した特別図柄のコマンドと、第1変動パターンコマンド決定部140aが決定した変動パターンコマンドに基づき、第1特別図柄表示装置17aに特別図柄を所定の時間だけ変動させた後に停止させる態様で第1特別図柄決定部120aが決定した特別図柄を表示する。加えて、この特別図柄表示制御部12bは、主制御処理部11の第2特別図柄決定部120bが決定した特別図柄のコマンドと、第2変動パターンコマンド決定部140bが決定した変動パターンコマンドに基づき、第2特別図柄表示装置17bに特別図柄を所定の時間だけ変動させた後に停止させる態様で第2特別図柄決定部120bが決定した特別図柄を表示する。
一方、普通図柄表示制御部12fは、普通図柄抽選部160による普通図柄に係る抽選結果のコマンドを受け、そのコマンドに基づいて普通図柄表示装置22に普通図柄を変動させた後に停止させる態様で表示するよう制御している。なお、普通図柄表示制御部12fは、上記した特別図柄表示制御部12bによる表示制御と比べて表示する図柄の対象が相違するものの、表示制御の基本構成はほぼ同じである。また、ランプ制御処理部12cは、主制御処理部11からコマンドを受けて各種ランプや電飾の点灯制御を行うものである。
払出制御処理部12eは、CRユニットからの信号を受けて遊技球を遊技者に貸し出すように賞球払出装置14を制御する他、主制御処理部11からの払出指令を受けて、所定個数の賞球を遊技者に対して払い出すように賞球払出装置14を制御する。この賞球払出装置14は、遊技球を1個ずつ保持する切欠きが形成されたスプロケット(図示せず)と、このスプロケットを回転させるモータ(図示せず)とを備えて構成されている。そして、モータの回転を制御することにより、必要な数だけ賞球を払い出すことができるようになっている。具体的には、始動入賞口検知センサ43a、43b、一般入賞口検知センサ44、大入賞口検知センサ45等が遊技球の通過を検知したら、賞球払出装置14は主制御処理部11を経由して受けたコマンドに基づき遊技球を払い出す。
発射制御処理部13は、ハンドル7の回動量に応じて、発射装置9に対する作動の制御を行う装置である。より具体的に言うと、発射装置9に対して通電させたり、通電を停止したり、あるいは、通電電流を変化させるといった制御処理を行う。なお、この発射制御処理部13は、払出制御処理部12eと接続されており、CRユニットが接続されていない場合に発射停止信号が受信されるようになっている。
次に、上記したパチンコ機Pの作用について説明する。まず、遊技者はハンドル7を操作して遊技球を遊技領域31内に打ち出すことになるが、第2始動入賞口37bは、通常、電動チューリップ49が閉じており、第2始動入賞口37bの入口の釘が邪魔をして、遊技球が内部に入ることはできない。よって、遊技者は、まず第1始動入賞口37aを狙って遊技球を打ち出すこととなる。そして、第1始動入賞口37aに入賞したことを契機に行われる第1電子抽選手段119aによる電子抽選の結果、有利当たりになると、大当たり遊技制御部160が大当たり遊技を提供する。即ち、アタッカー装置41が15ラウンド開放する。
この大当たり遊技が終了すると、遊技モード移行制御部150が遊技状態を確率変動モードに移行する。この確率変動モードでは、普通図柄抽選部170で普通図柄当たりに当選する確率が高くなっているので、遊技者はハンドル7を回して、遊技盤の右側に球を発射するように調整する(所謂、右打ちを行う)。そして、遊技球がスルーチャッカ21を通過して、普通図柄当たりになると、電動チューリップ49が開放される。電動チューリップ49が開いている間に遊技球が第2始動入賞口37bに入賞すると、第2電子抽選手段119bによる電子抽選が行われる。
この第2電子抽選手段119bによる電子抽選では、大当たりが全て有利当たりとなっているので、第2始動入賞口37bに遊技球を入賞させ続けている限り、残り遊技回数Zだけ有利当たりに係る大当たり遊技、即ち、15ラウンドの大当たりが提供される。
しかし、第2始動入賞口37bへの入賞が途絶えてしまい、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞すると、第1電子抽選手段119aによる電子抽選が行われることとなる。あるいは、第1保留球乱数記憶部115aに保留球乱数が記憶されている場合にも第1電子抽選手段119aによる電子抽選が行われる。そうすると、第1電子抽選手段119aによる電子抽選では、図7に示すように大当たりとして、通常当たりに当選する可能性がある。万一、通常当たりに当選すると、上記したように2ラウンドしかアタッカー装置41が作動しないため、殆ど賞球を獲得することができないこととなり、せっかく残り回数Z分だけ15ラウンドの大当たり遊技が行えるはずであったのに、1回分損したことになってしまう。
ところが、本実施形態では、このような場合に、演出態様決定部210が特殊演出態様を決定し、演出図柄表示制御部220が特殊演出態様を演出図柄表示装置34に表示するようになっている。この特殊演出態様が表示されると、演出図柄表示装置34に図9(a)、(b)に示す演出画像が表示され、次いで、遊技者に対して図9(c)に示すように「連打」の指令が表示されるので、遊技者はタッチボタン60を連続的に押下するが、通常当たりとなっているので、最終的には、図10(c)のような「残念」のメッセージと泣き顔のキャラクタが表示されることとなる。しかし、遊技者は自らタッチボタン60を操作した結果、図10(c)のような最終演出態様が表示されたので、たとえ1回分の15ラウンドの大当たり遊技を損したとしても、納得するしかない。
このように、本実施形態では、15ラウンドの大当たり遊技を行えるはずであったが、タイミング悪く第1始動入賞口37aに入賞して、通常当たりとなった場合であっても、特殊演出態様が表示されて遊技者がその演出に参加できるようになっているので、大当たりを損したことに対する失望は抑止され、遊技への興味が低下することがなくなるのである。
なお、特殊演出態様の最終演出態様には、図10(a)、(b)に示すように、有利当たりや小当たりの場合に表示される態様も含まれているので、遊技者はタッチボタン60の操作次第では、有利当たりや小当たりの場合もあり得るとの期待から、積極的に特殊演出態様に参加する結果、たとえ通常当たりを示す最終演出態様が表示されたとしても、遊技者はその結果に納得することとなるのである。
3 遊技盤
17a 第1特別図柄表示装置
17b 第2特別図柄表示装置
31 遊技領域
34 演出図柄表示装置
37a 第1始動入賞口(第1始動口)
37b 第2始動入賞口(第2始動口)
60 タッチボタン(操作部)
111 特別図柄用乱数発生部(特別図柄用乱数発生手段)
112a 第1特別図柄用乱数取得部(第1特別図柄用乱数取得手段)
112b 第2特別図柄用乱数取得部(第2特別図柄用乱数取得手段)
113a 第1特別図柄当否判定部(第1特別図柄当否判定手段)
113b 第2特別図柄当否判定部(第2特別図柄当否判定手段)
114a 第1判定テーブル
114b 第2判定テーブル
115a 第1保留球乱数記憶部
115b 第2保留球乱数記憶部
150 遊技モード移行制御部(遊技モード移行制御手段)
160 大当たり遊技制御部(大当たり遊技制御手段)
210 演出態様決定部(演出態様決定手段)
220 演出図柄表示制御部(演出図柄表示制御手段)

Claims (1)

  1. 遊技球が流下する遊技領域を有する遊技盤と、遊技者が操作する操作部と、前記遊技領域に設けられた第1始動口と、この第1始動口に遊技球が入賞したことを契機に特別図柄に係る電子抽選を行う第1電子抽選手段と、この第1電子抽選手段による抽選結果を、特別図柄を変動させた後に停止させる表示態様によって表示する第1特別図柄表示装置と、
    前記遊技領域のうち前記第1始動口から離れて設けられた第2始動口と、この第2始動口に遊技球が入賞したことを契機に特別図柄に係る電子抽選を行う第2電子抽選手段と、この第2電子抽選手段による抽選結果を、特別図柄を変動させた後に停止させる表示態様によって表示する第2特別図柄表示装置と、
    前記第1電子抽選手段による抽選結果が大当たりである場合、または前記第2電子抽選手段による抽選結果が大当たりである場合に、通常の遊技に比べて遊技者に有利な大当たり遊技を提供する大当たり遊技制御手段と、
    複数の演出図柄を変動させた後に停止させる演出態様を表示すると共に、前記第1電子抽選手段、ならびに前記第2電子抽選手段による抽選結果を、前記複数の演出図柄の停止態様によって表示する演出図柄表示装置と、この演出図柄表示装置に表示する前記演出態様を複数種類の中から決定する演出態様決定手段と、この演出態様決定手段が決定した演出態様を前記演出図柄表示装置へ表示するように制御する演出図柄表示制御手段と、
    遊技モードを移行させる手段であって、通常の遊技状態である通常モードと、大当たり遊技が終了してから次の大当たり遊技が提供されるまでの間移行可能で、前記通常モードよりも前記第1電子抽選手段および第2電子抽選手段による抽選結果が大当たりとなる確率が高い遊技状態である確率変動モードとの間で遊技モードの移行を行う遊技モード移行制御手段と、
    特別図柄に係る電子抽選に用いる特別図柄用の乱数を発生させる特別図柄用乱数発生手段と、を備え、
    前記第1電子抽選手段は、前記特別図柄用乱数発生手段により発生した乱数の中から1つの特別図柄用乱数を前記第1始動口に遊技球が入賞したことを契機に取得する第1特別図柄用乱数取得手段と、この第1特別図柄用乱数取得手段により取得した特別図柄用乱数が大当たりであるか否かを、当否が記憶された第1判定テーブルを参照して判定する第1特別図柄当否判定手段と、特別図柄の変動中に前記第1特別図柄用乱数取得手段が取得した特別図柄用乱数を、所定個数の上限まで保留球乱数として順次記憶する第1保留球乱数記憶部と、を有し、
    前記第2電子抽選手段は、前記特別図柄用乱数発生手段により発生した乱数の中から1つの特別図柄用乱数を前記第2始動口に遊技球が入賞したことを契機に取得する第2特別図柄用乱数取得手段と、この第2特別図柄用乱数取得手段により取得した特別図柄用乱数が大当たりであるか否かを、当否が記憶された第2判定テーブルを参照して判定する第2特別図柄当否判定手段と、特別図柄の変動中に前記第2特別図柄用乱数取得手段が取得した特別図柄用乱数を、所定個数の上限まで保留球乱数として順次記憶する第2保留球乱数記憶部と、を有し、
    前記第1保留球乱数記憶部と前記第2保留球乱数記憶部の両方に保留球乱数が記憶されている場合には、前記第2保留球乱数記憶部に記憶されている保留球乱数に基づく遊技を前記第1保留球乱数記憶部に記憶されている保留球乱数に基づく遊技よりも優先して行うように設定され、
    前記通常モードで大当たりとなって大当たり遊技が提供された場合には、その大当たり遊技から数えて予め定めたN回(ただし、Nは自然数)の大当たり遊技が提供されるまでの間の遊技モードを前記確率変動モードに移行させ、N回目の大当たり遊技が提供された後の遊技モードを前記通常モードに移行させるように前記遊技モード移行制御手段が遊技モードの移行を制御することによりN回の大当たり遊技を連続して提供可能なパチンコ機において、
    前記第1判定テーブルは、大当たり、小当たり、およびハズレで構成されると共に、前記第1判定テーブルにおける大当たりは、通常当たりと、この通常当たりより遊技者に有利な有利当たりとに分類され、
    前記第2判定テーブルは、大当たり、小当たり、およびハズレで構成されると共に、前記第2判定テーブルにおける大当たりは、全て前記有利当たりに分類され、
    前記複数種類の演出態様には、遊技者が前記操作部を操作するのに伴って演出態様が変化していき、最終的に前記第1電子抽選手段による抽選結果、または前記第2電子抽選結果による抽選結果に応じた最終演出態様が表示される特殊演出態様が含まれ、
    前記演出態様決定手段は、前記第1電子抽選手段による抽選結果が大当たり、もしくは小当たりである場合、または、前記第2電子抽選手段による抽選結果が小当たりである場合に前記特殊演出態様の決定が可能であり、
    前記最終演出態様には、前記通常当たりであることを示す通常当たり表示態様と、前記有利当たりであることを示す有利当たり表示態様と、前記小当たりであることを示す小当たり表示態様とが含まれる
    ことを特徴とするパチンコ機。




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