以下、発明の実施の形態例を図面を参照して説明する。図1及び図2に示すように、本発明の実施の形態例に係るパチンコ機Pは、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた前面枠2と、前面枠2の内側に収容された遊技盤3と、前面枠2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられ、中央に大きく開口部8が形成されたガラス扉4と、このガラス扉4の開口部8に取り付けられた透明なガラス板10と、前面枠2の下側に開閉自在に配設され、遊技球を収容する受皿5を有する前面ボード6と、前面枠2の下部に設けられた発射装置9と、前面ボード6に取り付けられたハンドル7等を具備している。さらに、ガラス扉4の上部にはスピーカ20が左右に1個ずつ取り付けられており、遊技に関する様々な効果音を発している。
また、図3に示すように、このパチンコ機Pは、背面側に、主制御処理部11と、副制御処理部を構成する演出制御処理部12a、特別図柄表示制御部12b、ランプ制御処理部12c、払出制御処理部12e、および普通図柄表示制御部12fと、発射制御処理部13と、賞球払出装置14等を備えている。続いて、図1〜図4を参照して、本実施形態に係るパチンコ機Pの構成を詳しく説明していくことにする。
遊技盤3は、その盤面に遊技領域31を有しており、前面枠2に装着した後、ガラス板10から遊技領域31を観察することができる。遊技領域31は、遊技球を滑走させるガイドレール32と遊技球規制レール33によって略円形状となるように区画形成されており、発射装置9によって打ち出された遊技球はこの遊技領域31内を流下する。また、遊技領域31内には、特別図柄表示装置17と、演出表示装置34と、スルーチャッカ21と、普通図柄表示装置22と、電動チューリップ49と、ステージ36と、第1始動入賞口(第1始動口)37aおよび第2始動入賞口(第2始動口)37bと、一般入賞口38と、アウト口39と、遊技釘(図示せず)と、風車(図示せず)と、アタッカー装置41等が設けられている。なお、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bとは上下方向に間隔を空けて設けられている。
演出表示装置34は、遊技盤3の略中央部に設けられ、第1始動入賞口37aおよび第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われた特別図柄に係る電子抽選の結果に基づいて所定の演出態様を表示するものであって、本実施形態では液晶表示装置が用いられている。この演出表示装置34には、所定の演出態様の一部として、特別図柄表示装置17に変動表示される特別図柄と同期をとってダミー図柄(演出図柄)が変動表示されるようになっている。なお、この演出表示装置34には、保留球乱数が保留球乱数記憶部(メモリ)115a、115bに記憶された場合に保留表示(保留球乱数が記憶された旨の表示)を行うための表示領域が区画形成されている。つまり、この表示領域の部分が保留球表示装置34aとなっているのである。
また、特別図柄表示装置17は、第1始動入賞口37aおよび第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われた特別図柄に係る電子抽選の結果を表示するためのものであって、より具体的には、抽選結果を、特別図柄(数字や絵柄)を変動させた後に停止させるといった態様で表示するものである。この特別図柄表示装置17は、本実施形態では7セグメント表示器が用いられており、演出表示装置34を見ている遊技者の視界に同時に入らないように遊技盤3の右下部分に離れて設けられている。なお、本実施形態では、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づく遊技よりも、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づく遊技を優先して実行するようになっているので、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bの両方の抽選結果を同時に表示することはない。よって、2つの始動入賞口37a、37bに遊技球が入賞したことに基づく抽選の結果を1つの特別図柄表示装置17で表示している。つまり、特別図柄表示装置17は、本発明の第1特別図柄表示装置および第2特別図柄表示装置の両方を兼ねているのである。勿論、特別図柄表示装置17を別個に2つ設けることもできることは言うまでもない。
スルーチャッカ21は、遊技球が通過可能なゲート構造を成しており、その内部には遊技球が通過したことを検知する磁気センサタイプのスルーチャッカ検知センサ46が内蔵されている。また、このスルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に行われる普通図柄に係る電子抽選の結果を表示するための普通図柄表示装置22が、特別図柄表示装置17の隣に設けられている。この普通図柄表示装置22は、本実施形態では、二つのLEDランプで構成されており、普図当たりのときに一方のLEDランプが点灯し、ハズレのときには他方のLEDランプが点灯するようになっている。
電動チューリップ49は、第2始動入賞口37bの入口に設けられ、遊技盤3の面に直交する軸を中心に回動する一対の羽根部材を備えており、ソレノイドに通電がなされると一対の羽根部材が互いに離れる方向に回動して、第2始動入賞口37bの入口を拡大するようになっている。そして、電動チューリップ49が開放されない限り、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することはない。また、ステージ36は、演出表示装置34の下方に配置されており、遊技球が転動しながら一時的に滞在する構造物である。このステージ36の中央には溝が形成されており、この溝の真下の位置には第1始動入賞口37aが配されている。そのため、溝から落下した遊技球は、高い確率で第1始動入賞口37aへと導かれる。
アタッカー装置41は、第1始動入賞口37aおよび第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することを契機に行われる特別図柄に係る電子抽選の結果、特図当たりとなって当たり遊技に移行した場合に所定回数(2ラウンドまたは15ラウンド)開放される装置である。また、一般入賞口38に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。そして、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口38、およびアタッカー装置41に入らなかった遊技球は、アウト口39から回収される。なお、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口38、大入賞口42の内部にはそれぞれ遊技球の通過を検知するためのセンサ43a、43b、44、45(図4参照)が設けられている。
前面ボード6には、遊技球を収容するとともに、外部に排出可能な受皿5が取り付けられている。この受皿5は、遊技者が投入した遊技球を収容するだけでなく、賞球払出装置14から賞球として払い出された遊技球も収容可能となっている。また、遊技球を遊技領域31に向けて発射するための発射装置9が前面枠2の下部に取り付けられており、受皿5に収容されている遊技球がこの発射装置9に1個ずつ供給される。そして、前面ボード6の右下に取り付けられたハンドル7を回動させると、その回動量に応じた発射強度で発射装置9が遊技球を遊技領域31へと発射することができるようになっている。また、図1に示すように、受皿5の側部には、遊技者が押下操作するタッチボタン60が設けられている。
主制御処理部11は、遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられている。この主制御処理部11は、CPU(Central Processing Unit)と、予め定められた制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)と、生成された処理情報の一時記憶及び記憶した情報の削除を行うRAM(Random Access Memory)等とにより構成されている。このCPUがROMに格納された各種プログラムやデータを読み込んで実行することにより、遊技に関する主要な処理が行われる。
具体的には、図4に示すように、始動入賞口37a、37bに遊技球が入賞したことを契機に特別図柄に係る電子抽選を行う特別図柄抽選処理部110と、この特別図柄抽選処理部110が判定した抽選結果に応じて特別図柄の種類を決定する特別図柄決定部120a、120bと、特別図柄の変動時間に関するコマンドである変動パターンコマンドを決定するための変動パターンコマンド決定部130と、特別図柄抽選処理部110による抽選結果の判定が特図当たりとなった場合にアタッカー装置41(のソレノイド)を作動させて当たり遊技に移行する当たり遊技制御部(当たり遊技制御手段)160と、遊技モードの移行を制御する遊技モード移行制御部(遊技モード移行制御手段)140と、移行先となる遊技モードに対応するフラグを設定する遊技モードフラグ設定部(遊技モードフラグ設定手段)150と、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に普通図柄に係る電子抽選を行う普通図柄抽選処理部170と、普通図柄の変動時間を決定する普通図柄変動時間決定部(普通図柄変動時間決定手段)190と、電動チューリップ49の作動を制御する電動チューリップ作動制御部180とを備えて主制御処理部11は構成されている。
特別図柄抽選処理部110は、図5に示すように、周期的(例えば2ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成する特別図柄用乱数発生部(特別図柄用乱数発生手段)111と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に特別図柄に係る抽選を行うための第1特別図柄抽選部(第1電子抽選手段)119aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に特別図柄に係る抽選を行うための第2特別図柄抽選部(第2電子抽選手段)119bとを備えて構成されている。即ち、本実施形態において、特別図柄の抽選は、第1始動入賞口37aに入賞したことを契機に行うものと、第2始動入賞口37bに入賞したことを契機に行うものとの2つがある。
第1特別図柄抽選部119aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43aからの検知信号が主制御処理部11に入力されたタイミングで)乱数を1つ取得(ラッチ)する第1特別図柄用乱数取得部(特別図柄用乱数取得手段)112aと、この第1特別図柄用乱数取得部112aが取得した乱数が特図当たりであるか否かを第1特別図柄高確率判定テーブル(第1高確率判定テーブル)116aまたは第1特別図柄低確率判定テーブル(第1低確率判定テーブル)117aを参照して決定する第1特別図柄当否判定部(第1特別図柄当否判定手段)113aと、第1特別図柄用乱数取得部112aが乱数を取得したときに特別図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を保留球乱数として最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第1保留球乱数記憶部115aと、を備えている。ここで、第1特別図柄高確率判定テーブル116aは、第1特別図柄低確率判定テーブル117aよりも特図当たりとなる確率が高くなっている。
第2特別図柄抽選部119bも第1特別図柄抽選部119aと同様に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43bからの検知信号が主制御処理部11に入力されたタイミングで)乱数を1つ取得(ラッチ)する第2特別図柄用乱数取得部(特別図柄用乱数取得手段)112bと、この第2特別図柄用乱数取得部112bが取得した乱数が特図当たりであるか否かを第2特別図柄高確率判定テーブル(第2高確率判定テーブル)116bまたは第2特別図柄低確率判定テーブル(第2低確率判定テーブル)117bを参照して決定する第2特別図柄当否判定部(第2特別図柄当否判定手段)113bと、第2特別図柄用乱数取得部112bが乱数を取得したときに特別図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を保留球乱数として最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第2保留球乱数記憶部115bと、を備えている。ここで、第2特別図柄高確率判定テーブル116bは、第2特別図柄低確率判定テーブル117bよりも特図当たりとなる確率が高くなっている。
なお、本実施形態では、第1保留球乱数記憶部115aと第2保留球乱数記憶部115bの両方に保留球乱数が記憶されている場合には、第2保留球乱数記憶部115bに記憶されている保留球乱数の方が優先して読み出されて特図当たりであるか否かの判定が行なわれ、その判定に従って遊技が進行するような制御がなされている。つまり、特別図柄抽選処理部110によって、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づく遊技が、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づく遊技よりも優先するような処理が行なわれているのである。
本実施形態では、第1特別図柄抽選部119aによる電子抽選で特図当たりに当選する確率と第2特別図柄電子抽選部119bによる電子抽選で特図当たりに当選する確率は、同じであるが、特図当たりの種類が互いに異なっている。この特図当たりの種類を決定するのが第1特別図柄決定部120aおよび第2特別図柄決定部120bである。つまり、第1特別図柄抽選部119aおよび第2特別図柄抽選部119bでは、取得した乱数が特図当たりであるか否かを判定するだけであり、特図当たりの種類が何であるかの決定は、第1特別図柄決定部120aおよび第2特別図柄決定部120bが行っている。
第1特別図柄決定部120aは、第1特別図柄抽選部119aによる抽選結果が特図当たりであった場合に、その特図当たりに対応する特別図柄の種類を決定している。具体的には、第1特別図柄決定部120aは、図6の「特図1」の欄に示すように、2R通常当たり、15R通常当たり、2R確変当たり、15R確変当たり、小当たりの何れかを決定する。
一方、第2特別図柄決定部120bは、第2特別図柄抽選部119bによる抽選結果が特図当たりであった場合に、その特図当たりに対応する特別図柄の種類を決定している。具体的には、第2特別図柄決定部120bは、図6の「特図2」の欄に示すように、15R通常当たり、15R確変当たり、小当たりの何れかを決定する。
ここで、図6に示す特図当たりの内訳について説明を補足する。まず、図6に示す「2R確変」、「15R確変」、「2R通常」、「15R通常」、「小当たり」の意味について説明する。「15R確変」および「15R通常」とは、アカッター装置41が1回につき30秒間またはパチンコ球が10個入賞するまで開放する動作を1ラウンドとし、この動作を15R(ラウンド)行う当たり遊技が当たり遊技制御部160により提供される特図当たりのことである。これらの特図当たりの場合には、15ラウンドの当たり遊技が提供されるため、遊技者は多くの賞球を獲得できる。
一方、「2R確変」、「2R通常」および「小当たり」とは、アタッカー装置41が1回につき0.2秒開放する動作を1ラウンドとし、この動作を2R(ラウンド)行う当たり遊技が当たり遊技制御部160により提供される特図当たりのことである。これらの特図当たりの場合には、2ラウンドしか当たり遊技が提供されないため、遊技者は賞球の獲得が困難である。
よって、「15R確変」は、遊技者が賞球を獲得できる出玉有り確変当たりであり、「15R通常」は、遊技者が賞球を獲得できる出玉有り通常当たりである。また、「2R確変」は、遊技者が賞球を獲得するのが困難な出玉無し確変当たりであり、「2R通常」は、遊技者が賞球を獲得することが困難な出玉無し通常当たりである。「小当たり」もまた、遊技者が賞球を獲得することが困難な出玉無し当たりである。
次に、図6に示す「特図1」と「特図2」との特図当たりの振分けの違いについて説明する。「特図1」と「特図2」とでは、確変当たりに振り分けられる確率、通常当たりに振り分けられる確率、小当たりに振り分けられる確率はそれぞれ同じであるが、特図1では確変当たりであっても2R確変当たりと15R確変当たりとに振り分けられるのに対して、特図2では確変当たりの場合には、必ず15R確変当たりに振り分けられるようになっている点で相違する。通常当たりについても同様に、特図1では2R通常当たりと15R通常当たりに振り分けられるのに対して、特図2では必ず15R通常当たりに振り分けられるようになっている点で相違する。
このように、本実施形態では、特図1と特図2とで特図当たりの内訳が異なる構成となっているため、第1特別図柄抽選部119aにて電子抽選を行うより、第2特別図柄抽選部119bにて電子抽選を行った方が、多くの賞球を獲得できる点において遊技者に有利であると言える。
ここで、「2R確変」および「15R確変」に当選すると、その確変当たりに基づく当たり遊技が終了した後には、次の特図当たりに当選するまでの間の遊技では、参照する判定テーブルとして第1特別図柄高確率判定テーブル116aおよび第2特別図柄高確率判定テーブル116bが参照されるようになっている(遊技状態が、いわゆる高確率変動状態となっている)。一方、「2R通常」および「15R通常」に当選すると、その通常当たりに基づく当たり遊技が終了した後には、第1特別図柄低確率判定テーブル117aおよび第2特別図柄低確率判定テーブル117bを参照しながら遊技が行われるようになっている(遊技状態が、いわゆる通常状態となっている)。そのため、確変当たりに当選した方が通常当たりに当選するよりも当たり遊技後の遊技で第1特別図柄高確率判定テーブル116aが参照される高確率状態となるため、遊技者にとって有利である。なお、「小当たり」に当選した場合には、小当たり当選に基づく当たり遊技終了後も、小当たり当選前の遊技状態が維持される。つまり、小当たりの前後で特別図柄に係る抽選確率と普通図柄に係る抽選確率に変化はないのである。
次に、変動パターンコマンド決定部130は、図7に示すように、変動パターンコマンドの決定に用いられる変動パターン用乱数を発生させる変動パターン用乱数発生部(変動パターン用乱数発生手段)131と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づいて変動パターンコマンドを決定するための第1変動パターンコマンド決定部(第1特別図柄変動時間決定手段)130aと、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づいて変動パターンコマンドを決定するための第2変動パターンコマンド決定部(第2特別図柄変動時間決定手段)130bとを備えて構成されている。
変動パターン用乱数発生部131は、周期的(例えば2ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(0〜9まで)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成するものである。
第1変動パターンコマンド決定部130aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、変動パターン用乱数発生部131により発生した変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する第1変動パターン用乱数取得部132aと、この第1変動パターン用乱数取得部132aが取得した乱数を上限4個まで記憶する第1変動パターン用乱数記憶部133aと、変動パターン用乱数と変動パターンNo.とが対応づけられたテーブルが複数記憶された第1変動パターンコマンドテーブル134aと、を備えている。なお、変動パターンコマンド決定部130aは、第1始動入賞口37aに遊技球が1個入賞すると、第1特別図柄抽選部119aと同様に、その入賞につき1つの変動パターン用乱数を取得する。
第2変動パターンコマンド決定部130bも第1変動パターンコマンド決定部130aと同様に、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に、変動パターン用乱数発生部131により発生した変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する第2変動パターン用乱数取得部132bと、この第2変動パターン用乱数取得部132bが取得した乱数を上限4個まで記憶する第2変動パターン用乱数記憶部133bと、変動パターン用乱数と変動パターンNo.とが対応づけられたテーブルが複数記憶された第2変動パターンコマンドテーブル134bと、を備えている。なお、変動パターンコマンド決定部130bは、第2始動入賞口37bに遊技球が1個入賞すると、第2特別図柄抽選部119bと同様に、その入賞につき1つの変動パターン用乱数を取得する。
第1変動パターンコマンドテーブル134aには、図8に示すように、第1特別図柄抽選部119aによる抽選で特図当たりに当選した場合に参照される特図変動テーブルA(134a−1)、第1特別図柄抽選部119bによる抽選でハズレとなった場合に参照される特図変動テーブルB(134a−2)、特図変動テーブルC(134a−3)、および特図変動テーブルD(134a−4)の4つのテーブルが記憶されており、それぞれのテーブルは、変動パターン用乱数と変動パターンNo.が予め対応づけられた構成となっている。つまり、変動パターン用乱数が決まると、その変動パターン用乱数から変動パターンNo.(変動パターンコマンド)が自ずと決まり、その変動パターンNo.に対応する変動時間が決まるようになっている。なお、第2変動パターンコマンドテーブル134bの構成は、第1変動パターンコマンドテーブル134aと同じであるため、図示およびここでの説明は省略する。なお、本実施形態例では、変動パターン用乱数を0〜9までの10個、変動パターンNo.を当たり用としてNo.1〜No.10、ハズレ用としてNo.11〜No.40までとしているが、変動パターン用乱数の数や変動パターンNo.の数は適宜設定すれば良い。
次に、各特図変動テーブルA〜Dに記憶されている変動時間について説明する。まず、特図変動テーブルA(134a−1)には、30秒から120秒までの変動時間が記憶されている。特図変動テーブルB(134a−2)には、10秒〜120秒までの変動時間が記憶されているが、特図変動テーブルA(134a−1)と比べると短い変動時間が多く含まれている。
特図変動テーブルC(134a−3)には、2秒〜10秒までの変動時間が記憶されている。特図変動テーブルB(134a−2)と特図変動テーブルC(134a−3)とを比較すると、変動時間10秒は両方のテーブルに記憶されているが、特図変動テーブルB(134a−2)では、変動時間10秒は最も短い変動時間であるのに対して、特図変動テーブルC(134a−3)に記憶されている変動時間10秒は最も長い変動時間である。このように、特図変動テーブルC(134a−3)は、特図変動テーブルB(134a−2)よりも相対的に変動時間が短いテーブルである。
特図変動テーブルD(134a−4)には、0.6秒の変動時間が記憶されている。特図変動テーブルC(134a−3)と特図変動テーブルD(134a−4)とを比較すると、特図変動テーブルD(134a−4)の変動時間は、特図変動テーブルC(134a−3)に記憶されている全ての変動時間よりも短いものとなっている。
なお、特図変動テーブルB(134a−2)が本発明の第1通常変動時間テーブルに相当し、特図変動テーブルC(134a−3)が本発明の第1短縮変動時間テーブルに相当し、特図変動テーブルD(134a−4)が本発明の第1特別短縮変動時間テーブルに相当する。また、図示しないが、特図変動テーブルB(134b−2)が本発明の第2通常変動時間テーブルに相当し、特図変動テーブルC(134b−3)が本発明の第2短縮変動時間テーブルに相当し、特図変動テーブルD(134b−4)が本発明の第2特別短縮変動時間テーブルに相当する。なお、先にも述べたが、特図変動テーブルB(134a−2)と特図変動テーブルB(134b−2)は同一の構成であり、特図変動テーブルC(134a−3)と特図変動テーブルC(134b−3)は同一の構成であり、特図変動テーブルD(134a−4)と特図変動テーブルD(134b−4)は同一の構成である。
普通図柄抽選処理部170は、図9に示すように、普通図柄用の乱数を発生させる普通図柄用乱数発生部(普通図柄用乱数発生手段)171と、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に普通図柄に係る電子抽選を行う普通図柄抽選部(普通図柄抽選手段)177とを備えて構成されている。この普通図柄抽選部177は、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に(スルーチャッカ検知センサ46からの検知信号が主制御処理部11に入力されたタイミングで)乱数を1つ取得(ラッチ)する普通図柄用乱数取得部(普通図柄用乱数取得手段)172と、この普通図柄用乱数取得部172が取得した乱数が普図当たりであるか否かを判定テーブルを参照して決定する普通図柄当否判定部(普通図柄当否判定手段)173と、普通図柄用乱数取得部172が乱数を取得したときに普通図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を普通図柄用の保留球乱数として記憶する普通図柄用保留球記憶部174と、判定テーブルとして、普図当たりに当選する確率が低い普通図柄低確率判定テーブル176と、この普通図柄低確率判定テーブル176よりも普図当たりに当選する確率が高い普通図柄高確率判定テーブル175とを備えている。なお、普通図柄用乱数発生部171は、特別図柄用乱数発生部111より発生する乱数は少ないが、乱数を発生させるための構成は同じである。
普通図柄変動時間決定部190は、図10に示すように、普図変動パターンコマンドの決定に用いられる普図変動パターン用乱数を発生させる変動パターン用乱数発生部191と、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に、普図変動パターン用乱数発生部191により発生した普図変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する普図変動パターン用乱数取得部192と、この普図変動パターン用乱数取得部192が取得した乱数を上限4個まで記憶する普図変動パターン用乱数記憶部193と、普図変動パターン用乱数と変動パターンNo.とが対応づけられたテーブルが複数記憶された普図変動パターンコマンドテーブル194と、を備えている。なお、普通図柄変動時間決定部190は、スルーチャッカ21を遊技球が1個通過すると、その通過につき1つの普図変動パターン用乱数を取得する。
普図変動パターン用乱数発生部191は、周期的(例えば2ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(0〜4まで)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成するものである。
普図変動パターンコマンドテーブル194には、図11に示すように、3つの普図変動テーブルが記憶されており、それぞれのテーブルは、普図変動パターン用乱数と変動パターンNo.が予め対応づけられた構成となっている。つまり、普図変動パターン用乱数が決まると、その普図変動パターン用乱数から変動パターンNo.(普図変動パターンコマンド)が自ずと決まり、その変動パターンNo.に対応する変動時間が決まるようになっている。ここで、本実施形態例では、普図変動パターン用乱数を0〜4までの5個、変動パターンNo.をNo.101〜No.115まで設定しているが、普図変動パターン用乱数の数や変動パターンNo.の数は適宜設定すれば良い。
次に、各普図変動テーブルa〜cに記憶されている変動時間について説明する。まず、普図変動テーブルa(194−1)には、10秒の変動時間が記憶されている。普図変動テーブルb(194−2)には、0.6秒の変動時間が記憶されている。よって、普図変動テーブルa(194−1)と普図変動テーブルb(194−2)とを比べると、普図変動テーブルb(194−2)の方が短い変動時間となっている。
また、普図変動テーブルc(194−3)には、0.6秒、2秒、5秒、7秒、10秒の5種類の変動時間が記憶されている。この普図変動テーブルc(194−3)に記憶されている変動時間は、最も短いものが普図変動テーブルb(194−2)と同じ0.6秒であり、最も長いものが普図変動テーブルa(194−1)と同じ10秒となるように構成されている。
よって、普図変動テーブルa(194−1)が参照される場合には、普通図柄変動時間決定部190は、普図変動パターン用乱数が何れの値であっても、変動時間10秒を普通図柄の変動時間として決定し、普図変動テーブルb(194−2)が参照される場合には、普通図柄変動時間決定部190は、普図変動パターン用乱数が何れの値であっても、変動時間0.6秒を普通図柄の変動時間として決定する。これに対して、普図変動テーブルc(194−3)が参照される場合には、普通図柄変動時間決定部190は、0.6秒、2秒、5秒、7秒、10秒の中から乱数抽選により普通図柄の変動時間を決定することとなる。
なお、普図変動テーブルa(194−1)が本発明の普通図柄通常変動時間テーブルに相当し、普図変動テーブルb(194−2)および普図変動テーブルc(194−3)が本発明の普通図柄短縮変動時間テーブルに相当する。
ここで、上記した特図変動テーブルB〜Dに記憶されている変動時間と、普図変動テーブルa〜cに記憶されている変動時間との関係をまめると、次のことが言える。特図変動テーブルB(134a−2、134b−2)に記憶されている変動時間は、普図変動テーブルa(194−1)、普図変動テーブルb(194−2)および普図変動テーブルc(194−3)に記憶されている変動時間以上のもので構成されている。また、特図変動テーブルC(134a−3)に記憶されている変動時間は、普図変動テーブルa(194−1)に記憶されている変動時間以下、かつ普図変動テーブルb(194−2)に記憶されている変動時間より長いもので構成されている。
また、特図変動テーブルD(134a−4、134b−4)に記憶されている変動時間は、普図変動テーブルa(194−1)に記憶されているものより短く、普図変動テーブルb(194−2)に記憶されている変動時間と同一であり、さらに、普図変動テーブルc(194−3)の記憶されている最も短い変動時間と同一である。このことから、特図変動テーブルD(134a−4、134b−4)を参照して決定された特別図柄の変動時間は、普図変動テーブルa〜cの何れを参照して普通図柄の変動時間を決定したとしても、その決定に係る普通図柄の変動時間を常に超えることはないのである。
次に、当たり遊技制御部160は、所定のラウンド数だけアタッカー装置41の開閉を行うように制御している。また、電動チューリップ作動制御部180は、普通図柄抽選部177による電子抽選で普図当たりに当選した旨のコマンドに基づいて、電動チューリップ49のソレノイドに通電して開閉するよう制御している。ここで、普通図柄高確率判定テーブル175が参照されている遊技(後述するチャンスゾーン、天国ゾーン、意地悪ゾーン、および危険ゾーンでの遊技)では、普通図柄抽選部177による電子抽選に当選する確率が高いため、普通図柄低確率判定テーブル176が参照されている遊技(後述する通常ゾーン1および通常ゾーン2)を参照する場合に比べて、電動チューリップ49が頻繁に開くため、遊技者は、遊技球をあまり減らすことなく遊技を行うことができる。
なお、電動チューリップ作動制御部180は、普通図柄高確率判定テーブル175が参照される遊技状態では、1回の普図当たりに対して、電動チューリップ49を開放時間2.9秒で2回開放するよう制御し、普通図柄低確率判定テーブル176が参照される遊技状態では、1回の普図当たりに対して、電動チューリップ49を開放時間0.2秒で1回開放するよう制御している。
続いて、遊技モード移行制御部140および遊技モードフラグ設定部150について説明していくことにするが、まず、本実施形態に係るパチンコ機のゲーム内容について図12および図13を参照しながら詳細に説明する。本実施形態に係るパチンコ機は、遊技モードとして、通常ゾーン1、通常ゾーン2、チャンスゾーン、意地悪ゾーン、危険ゾーン、天国ゾーンの6つのゾーンを備えており、所定条件を達成することにより、ゾーン間で遊技モードを移行しながら遊技が進行するようになっている。以下、各ゾーンの特徴について説明する。なお、通常ゾーン1が本発明の通常モードに相当し、意地悪ゾーンが本発明の特殊モードに相当し、天国ゾーンが本発明の有利モードに相当する。
遊技モード名:「通常ゾーン1」(通常モード)
通常ゾーン1は、特別図柄の抽選状態が低確率、かつ普通図柄の抽選状態が低確率の遊技状態である。具体的には、第1特別図柄抽選部119aが第1特別図柄低確率判定テーブル117aを参照し、第2特別図柄抽選部119bが第2特別図柄低確率判定テーブル117bを参照し、普通図柄抽選部177が普通図柄低確率判定テーブル176を参照して電子抽選を行いながら遊技が進行する遊技モードである。
この通常ゾーン1は、通常の遊技状態であり、パチンコ機の初期電源投入時やリセット時は、この通常ゾーン1になるように設定されている。通常ゾーン1では、上記したように、普通図柄に係る電子抽選が低確率であるため、当該抽選に当選して電動チューリップ49が開くことは稀であり、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することは殆どない。よって、通常ゾーン1では、ほぼ第1特別図柄抽選部119aによる電子抽選を行うことにより、遊技が進められていくこととなる。
遊技モード名:「チャンスゾーン」
チャンスゾーンは、特別図柄の抽選状態が低確率、かつ普通図柄の抽選状態が高確率の遊技状態、所謂「時短」状態である。具体的には、第1特別図柄抽選部119aが第1特別図柄低確率判定テーブル117aを参照し、第2特別図柄抽選部119bが第2特別図柄低確率判定テーブル117bを参照し、普通図柄抽選部177が普通図柄高確率判定テーブル175を参照して電子抽選を行いながら遊技が進行する遊技モードである。
このチャンスゾーンでは、上記したように、普通図柄に係る電子抽選が高確率であるため、頻繁に当該抽選に当選して電動チューリップ49が開くこととなり、第2始動入賞口37bに遊技球が頻繁に入賞する。よって、チャンスゾーンでは、ほぼ第2特別図柄抽選部119bにより電子抽選を行うことができるので、通常ゾーン1に比べて遊技者に有利な遊技モードである。なお、このチャンスゾーンは、最大100回の遊技が行われるまで継続される。
遊技モード名:「天国ゾーン」(有利モード)
天国ゾーンは、特別図柄の抽選状態が高確率、かつ普通図柄の抽選状態が高確率の遊技状態、所謂「確変」状態である。具体的には、第1特別図柄抽選部119aが第1特別図柄高確率判定テーブル116aを参照し、第2特別図柄抽選部119bが第2特別図柄高確率判定テーブル116bを参照し、普通図柄抽選部177が普通図柄高確率判定テーブル175を参照して電子抽選を行いながら遊技が進行する遊技モードである。
この天国ゾーンでは、上記したように、普通図柄に係る電子抽選が高確率であるため、頻繁に当該抽選に当選して電動チューリップ49が開くこととなり、第2始動入賞口37bに遊技球が頻繁に入賞する。よって、天国ゾーンでは、ほぼ第2特別図柄抽選部119bにより電子抽選を行うことができるので、通常ゾーン1に比べて遊技者に有利な遊技モードである。また、特別図柄の抽選状態が高確率であるため、天国ゾーンはチャンスゾーンと比べても遊技者に有利なモードである。
遊技モード名:「通常ゾーン2」
通常ゾーン2は、特別図柄の抽選状態が高確率、かつ普通図柄の抽選状態が低確率の遊技状態、所謂「潜伏確変」状態である。具体的には、第1特別図柄抽選部119aが第1特別図柄高確率判定テーブル116aを参照し、第2特別図柄抽選部119bが第2特別図柄高確率判定テーブル116bを参照し、普通図柄抽選部177が普通図柄低確率判定テーブル176を参照して電子抽選を行いながら遊技が進行する遊技モードである。
この通常ゾーン2では、上記したように、普通図柄に係る電子抽選が低確率であるため、当該抽選に当選して電動チューリップ49が開くこと稀であり、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することは殆どない。よって、通常ゾーン2では、ほぼ第1特別図柄抽選部119aによる電子抽選を行うことにより、遊技が進められていくこととなる。ただし、電動チューリップ49が殆ど開かなくても、特別図柄の抽選状態は高確率であるため、通常ゾーン2は、通常ゾーン1に比べて特図当たりに当選する可能性が高い点で遊技者に有利な遊技モードである。
遊技モード名:「意地悪ゾーン」(特殊モード)
意地悪ゾーンは、特別図柄の抽選状態が高確率、かつ普通図柄の抽選状態が高確率の遊技状態、所謂「確変」状態であり、天国ゾーンと遊技状態は同一である。具体的には、第1特別図柄抽選部119aが第1特別図柄高確率判定テーブル116aを参照し、第2特別図柄抽選部119bが第2特別図柄高確率判定テーブル116bを参照し、普通図柄抽選部177が普通図柄高確率判定テーブル175を参照して電子抽選を行いながら遊技が進行する遊技モードである。
この意地悪ゾーンでは、上記したように、普通図柄に係る電子抽選が高確率であるため、頻繁に当該抽選に当選して電動チューリップ49が開くので、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞し易い。ところが、詳しくは後述するが、意地悪ゾーンは、普通図柄の変動時間が特別図柄の変動時間より長くなっているため、1回電動チューリップ49が開閉してから、次に電動チューリップが開閉するまでの時間間隔が天国ゾーンに比べて長い。そのため、第2保留球乱数記憶部115bに記憶されている保留球乱数に基づく遊技が順次行われていき、第2保留球乱数記憶部115bの記憶されている保留球乱数がなくなってもまだ電動チューリップ49が開閉しない場合も起こる。
そうすると、第1保留球乱数記憶部115aに記憶されている保留球乱数に基づく遊技が行われることとなる。ここで、上記したように本実施形態では、第1特別図柄抽選部119aによる抽選は、第2特別図柄抽選部119bより不利であるため、意地悪ゾーンは、天国ゾーンに比べると遊技状態が同じであるにも拘わらず、遊技者に不利なモードである。
遊技モード名:「危険ゾーン」
意地悪ゾーンは、特別図柄の抽選状態が高確率または低確率、かつ普通図柄の抽選状態が高確率の遊技状態である。具体的には、第1特別図柄抽選部119aが第1特別図柄低確率判定テーブル117aを参照し、第2特別図柄抽選部119bが第2特別図柄低確率判定テーブル117bを参照し、普通図柄抽選部177が普通図柄高確率判定テーブル175を参照して電子抽選を行いながら遊技が進行する場合と、第1特別図柄抽選部119aが第1特別図柄高確率判定テーブル116aを参照し、第2特別図柄抽選部119bが第2特別図柄高確率判定テーブル116bを参照し、普通図柄抽選部177が普通図柄高確率判定テーブル175を参照して電子抽選を行いながら遊技が進行する場合の2つの遊技状態が存在する遊技モードである。
この危険ゾーンでは、上記したように、普通図柄に係る電子抽選が高確率であるため、頻繁に当該抽選に当選して電動チューリップ49が開くこととなり、第2始動入賞口37bに遊技球が頻繁に入賞する。よって、危険ゾーンでは、ほぼ第2特別図柄抽選部119bにより電子抽選を行うことができるので、通常ゾーン1に比べて遊技者に有利な遊技モードである。なお、この危険ゾーンは、最大10回の遊技が行われるまで継続される。
次に、ゾーンからゾーンへ遊技モードが移行するための条件、即ち、遊技モードの移行契機について、主に図12を参照しながら説明する。
通常ゾーン1からチャンスゾーンに移行するための条件:
通常ゾーン1で15R通常または2R通常に当選し、その当選により提供された当たり遊技が終了した後にチャンスゾーンに移行する。
通常ゾーン1から意地悪ゾーンに移行するための条件:
通常ゾーン1で2R確変に当選し、その当選により提供された当たり遊技が終了した後に意地悪ゾーンに移行する。
通常ゾーン1から天国ゾーンに移行するための条件:
通常ゾーン1で15R確変に当選し、その当選により提供された当たり遊技が終了した後に天国ゾーンに移行する。
通常ゾーン2からチャンスゾーンに移行するための条件:
通常ゾーン2で15R通常または2R通常に当選し、その当選により提供された当たり遊技が終了した後にチャンスゾーンに移行する。
通常ゾーン2から意地悪ゾーンに移行するための条件:
通常ゾーン2で2R確変に当選し、その当選により提供された当たり遊技が終了した後に意地悪ゾーンに移行する。
通常ゾーン2から天国ゾーンに移行するための条件:
通常ゾーン2で15R確変に当選し、その当選により提供された当たり遊技が終了した後に天国ゾーンに移行する。
チャンスゾーンから天国ゾーンに移行するための条件:
チャンスゾーンで15R確変または2R確変に当選し、その当選により提供された当たり遊技が終了した後に天国ゾーンに移行する。
意地悪ゾーンから天国ゾーンに移行するための条件:
意地悪ゾーンで15R確変または小当たりに当選し、その当選により提供された当たり遊技が終了した後に天国ゾーンに移行する。また、意地悪ゾーンで特図当たりに当選することなく100回の遊技を行った場合にも、その次の遊技から天国ゾーンに移行する。
危険ゾーンから天国ゾーンに移行するための条件:
危険ゾーンで15R確変に当選し、その当選により提供された当たり遊技が終了した後に天国ゾーンに移行する。
危険ゾーンからチャンスゾーンに移行するための条件:
危険ゾーンで15R通常に当選し、その当選により提供された当たり遊技が終了した後にチャンスゾーンに移行する。
天国ゾーンからチャンスゾーンに移行(転落)するための条件:
天国ゾーンで15R通常に当選し、その当選により提供された当たり遊技が終了した後にチャンスゾーンに移行する。
天国ゾーンから危険ゾーンに移行(転落)するための条件:
天国ゾーンで2R確変または2R通常に当選し、その当選により提供された当たり遊技が終了した後に危険ゾーンに移行する。
意地悪ゾーンからチャンスゾーンに移行(転落)するための条件:
意地悪ゾーンで15R通常に当選し、その当選により提供された当たり遊技が終了した後にチャンスゾーンに移行する。
意地悪ゾーンから危険ゾーンに移行(転落)するための条件:
意地悪ゾーンで2R確変または2R通常に当選し、その当選により提供された当たり遊技が終了した後に危険ゾーンに移行する。
チャンスゾーンから通常ゾーン1に移行(転落)するための条件:
チャンスゾーンでの遊技で特図当たりに当選することなく規定回数である100回の遊技が行われた場合には、その次の遊技から通常ゾーン1に移行する。
危険ゾーンから通常ゾーン1または通常ゾーン2に移行(転落)するための条件:
危険ゾーンでの遊技で特図当たりに当選することなく規定回数である10回の遊技が行われた場合には、その次の遊技から通常ゾーン1または通常ゾーン2に移行する。なお、危険ゾーンでの特別図柄に係る抽選状態が高確率の状態、即ち、第1特別図柄抽選部119aが第1特別図柄高確率判定テーブル116aを参照し、第2特別図柄抽選部119bが第2特別図柄高確率判定テーブル116bを参照しながら遊技が行われる状態であれば、危険ゾーンから通常ゾーン2に移行し、危険ゾーンでの特別図柄に係る抽選状態が低確率の状態、即ち、第1特別図柄抽選部119aが第1特別図柄低確率判定テーブル117aを参照し、第2特別図柄抽選部119bが第2特別図柄低確率判定テーブル117bを参照しながら遊技が行われる状態であれば、危険ゾーンから通常ゾーン1に移行する。
特図当たりに当選しても通常ゾーン1から別のゾーンに移行しないための条件:
通常ゾーン1での遊技で小当たりに当選した場合には、通常ゾーン1から別のゾーンへの移行は行われない(通常ゾーン1に滞在する)。
特図当たりに当選しても通常ゾーン2から別のゾーンに移行しないための条件:
通常ゾーン2での遊技で小当たりに当選した場合には、通常ゾーン2から別のゾーンへの移行は行われない(通常ゾーン2に滞在する)。
特図当たりに当選してもチャンスゾーンから別のゾーンに移行しないための条件:
チャンスゾーンでの遊技で小当たり、15R通常、または2R通常の何れかに当選した場合には、チャンスゾーンから別のゾーンへの移行は行われない(チャンスゾーンに滞在する)。
特図当たりに当選しても危険ゾーンから別のゾーンに移行しないための条件:
危険ゾーンでの遊技で小当たり、2R確変、または2R通常の何れかに当選した場合には、危険ゾーンから別のゾーンへの移行は行われない(危険ゾーンに滞在する)。
特図当たりに当選しても天国ゾーンから別のゾーンに移行しないための条件:
天国ゾーンでの遊技で小当たりまたは15R確変の何れかに当選した場合には、天国ゾーンから別のゾーンへの移行は行われない(天国ゾーンに滞在する)。
ここで、上記したゾーンには、それぞれフラグが割り当てられており、フラグによって各ゾーンを識別できるようになっている。図13に示すように、通常ゾーン1には変動パターン選択フラグ0が割り当てられ、チャンスゾーンには変動パターン選択フラグ1が割り当てられ、天国ゾーンには変動パターン選択フラグ2が割り当てられ、通常ゾーン2には変動パターン選択フラグ3が割り当てられ、意地悪ゾーンには変動パターン選択フラグ4が割り当てられ、危険ゾーンには変動パターン選択フラグ5が割り当てられている。
そして、遊技モード移行制御部140は、設定された変動パターン選択フラグに基づいてゾーンの移行を行っている。つまり、上記したようにゾーンの移行条件が成立した場合には、遊技モード移行制御部140は、次に述べる遊技モードフラグ設定部150が設定した変動パターン選択フラグに基づいてゾーンを移行させるよう制御し、上記したように別のゾーンに移行しない条件が成立した場合には、遊技モード移行制御部140は、遊技モードフラグ設定部150が設定した変動パターン選択フラグに基づいてゾーンを維持するように制御している。
遊技モードフラグ設定部150は、第1特別図柄抽選部119aまたは第2特別図柄抽選部119bにより特図当たりに当選したときに、その当選により提供された当たり遊技が終了した後に移行するゾーンに対応する変動パターン選択フラグを設定している。図14を参照して、遊技モードフラグ設定部150がどのようにして変動パターン選択フラグを設定するのかについて具体的に説明する。例えば、現在の遊技モードが通常ゾーン1である場合には、変動パターン選択フラグ0が成立している。この状態で2R確変に当選したとすると、遊技モードフラグ設定部150は、図14に示すように、次回変動パターンフラグとして、変動パターン選択フラグ4を設定する。すると、遊技モード移行制御部140は、変動パターン選択フラグ4が設定されたので、2R確変に係る当たり遊技終了後のゾーンを変動パターン選択フラグ4に対応する意地悪ゾーンに移行するよう制御するのである。
また、現在の遊技モードが天国ゾーンである場合には、変動パターン選択フラグ2が成立している。この状態で15R通常に当選したとすると、遊技モードフラグ設定部150は、図14に示すように、次回変動パターンフラグとして、変動パターン選択フラグ1を設定する。すると、遊技モード移行制御部140は、変動パターン選択フラグ1が設定されたので、15R通常に係る当たり遊技終了後のゾーンを変動パターン選択フラグ1に対応するチャンスゾーンに移行するよう制御するのである。
なお、図14において、次回電サポ回数の欄に記載された「次回まで」とは、次に特図当たりに当選するまで普通図柄に係る抽選状態が高確率であること意味している。また、次回電サポ回数の欄に記載された「100」とは、100回遊技を行うまでは普通図柄に係る抽選状態が高確率であることを意味し、具体的には、チャンスゾーンでの遊技回数が最大100回までであることを意味している。また、次回電サポ回数の欄に記載された「10」とは、10回遊技を行うまでは普通図柄に係る抽選状態が高確率であることを意味し、具体的には、危険ゾーンでの遊技回数が最大10回までであることを意味している。また、次回特殊変動回数の欄に記載された「100」とは、具体的には、意地悪ゾーンでの遊技で特図当たりに当選することなく天国ゾーンに移行するための遊技回数の条件(規定回数)が100回であることを意味している。
次に、各ゾーンと特別図柄の変動時間と普通図柄の変動時間との関係について図15および図16を参照しながら説明する。まず、各ゾーンと特別図柄の変動時間との関係について、図15を用いて説明する。図15に示すように、何れのゾーンにおいても、第1特別図柄抽選部119aによる抽選で特図当たりとなった場合には、第1変動パターンコマンド決定部130aは特別図柄変動テーブルA(134a−1)を参照し、第2特別図柄抽選部119bによる抽選で特図当たりとなった場合には、第2変動パターンコマンド決定部130bは特別図柄変動テーブルA(134b−1)を参照する。
続いて、ハズレの場合について説明する。通常ゾーン1において、第1特別図柄抽選部119aによる抽選でハズレとなり、第1保留球乱数記憶部115aに保留球乱数が1個または2個記憶されている場合には、第1変動パターンコマンド決定部130aは、特図変動テーブルB(134a−2)を参照して特別図柄に係る変動時間を決定する。また、通常ゾーン1において、第1特別図柄抽選部119aによる抽選でハズレとなり、第1保留球乱数記憶部115aに保留球乱数が3個または4個記憶されている場合には、第1変動パターンコマンド決定部130aは、特図変動テーブルC(134a−3)を参照して特別図柄に係る変動時間を決定する。一方、通常ゾーン1において、第2特別図柄抽選部119bによる抽選でハズレとなった場合には、第2保留球乱数記憶部115bに記憶されている保留球乱数の数に関係なく第2変動パターンコマンド決定部130bは、特図変動テーブルB(134b−2)を参照して特別図柄に係る変動時間を決定する。
チャンスゾーンにおいて、第1特別図柄抽選部119aによる抽選でハズレとなった場合には、第1保留球乱数記憶部115aに記憶されている保留球乱数の数に関係なく第1変動パターンコマンド決定部130aは、特図変動テーブルB(134a−2)を参照して特別図柄に係る変動時間を決定する。一方、チャンスゾーンにおいて、第2特別図柄抽選部119bによる抽選でハズレとなり、第2保留球乱数記憶部115bに保留球乱数が1個記憶されている場合には、第2変動パターンコマンド決定部130bは、特図変動テーブルB(134b−2)を参照して特別図柄に係る変動時間を決定する。また、チャンスゾーンにおいて、第2特別図柄抽選部119bによる抽選でハズレとなり、第2保留球乱数記憶部115bに保留球乱数が2個、3個、または4個記憶されている場合には、第2変動パターンコマンド決定部130bは、特図変動テーブルC(134b−3)を参照して特別図柄に係る変動時間を決定する。
意地悪ゾーンでは、第1特別図柄抽選部119aによる抽選でハズレとなった場合には、第1保留球乱数記憶部115aに記憶されている保留球乱数の数に関係なく第1変動パターンコマンド決定部130aは、特図変動テーブルD(134a−4)を参照して特別図柄に係る変動時間を決定する。また、第2特別図柄抽選部119aによる抽選でハズレとなった場合においても同様に、第2保留球乱数記憶部115bに記憶されている保留球乱数の数に関係なく第2変動パターンコマンド決定部130bは、特図変動テーブルD(134b−4)を参照して特別図柄に係る変動時間を決定する。
なお、天国ゾーンおよび危険ゾーンで参照される特図変動テーブルは、チャンスゾーンと同じ設定となっているため、天国ゾーンおよび危険ゾーンにおける変動時間の決定に関する説明は省略する。また、通常ゾーン2で参照される特図変動テーブルは、通常ゾーン1と同じ設定となっているため、通常ゾーン2における変動時間の決定に関する説明は省略する。
次に、各ゾーンと普通図柄の変動時間との関係について、図16を用いて説明する。通常ゾーン1にて遊技が行われる場合には、普通図柄変動時間決定部190は、普図変動テーブルa(194−1)を参照して普通図柄に係る変動時間を決定する。よって、通常ゾーン1では普通図柄の変動時間は常に10秒となる。これは、通常ゾーン2についても同様である。
チャンスゾーンにて遊技が行われる場合には、普通図柄変動時間決定部190は、普図変動テーブルb(194−2)を参照して普通図柄に係る変動時間を決定する。よって、チャンスゾーンでは普通図柄の変動時間は常に0.6秒となる。これは、天国ゾーンおよび危険ゾーンについても同様である。
一方、意地悪ゾーンにて遊技が行われる場合には、普通図柄変動時間決定部190は、普図変動テーブルc(194−3)を参照して普通図柄に係る変動時間を決定する。よって、意地悪ゾーンでは、普通図柄の変動時間は、0.6秒、2秒、5秒、7秒、10秒の中からランダム抽選で決定されることとなる。
ここで、各ゾーンにおいて、特別図柄の変動時間と普通図柄の変動時間の長短について見てみることにする。通常ゾーン1および通常ゾーン2では、普通図柄の変動時間は10秒であるが、特別図柄の変動時間は10秒以上のものが選ばれる可能性が高い。チャンスゾーン、天国ゾーンおよび危険ゾーンでは、普通図柄の変動時間は0.6秒であるが、特別図柄の変動時間は0.6秒より常に長いものが選ばれる。
これに対して、意地悪ゾーンでは、特別図柄の変動時間は常に0.6秒であるのに対して、普通図柄の変動時間は、0.6秒以上のものの中から選択される。つまり、この意地悪ゾーンでは、普通図柄の変動時間が常に特別図柄の変動時間以上となる。よって、意地悪ゾーンで遊技を行うことは、遊技者に不利となる。
この意地悪ゾーンが遊技者に不利であることを、図17を用いて詳しく説明する。図17には、第1保留球乱数記憶部115aに保留球乱数が3個記憶され、第2保留球乱数記憶部115bに保留球乱数が4個記憶された状態から、まず第2保留球乱数記憶部115bに記憶されている保留球乱数に基づく遊技が優先して行われていき、第2保留球乱数記憶部115bの記憶がゼロになると、第1保留球乱数記憶部115aに記憶されている保留球乱数に基づく遊技が行われる様子と、普通図柄が変動を開始し、その後、電動チューリップ49が開閉する様子が時系列で描かれている。
なお、図中、保留球表示装置34aに表示された黒丸印は、保留球乱数が記憶されていることを示しており、特図1に3つの黒丸印があるのは、第1保留球乱数記憶部115aに保留球乱数が3個記憶されていることを意味し、特図2に4つの黒丸印があるのは、第2保留球乱数記憶部115bに保留球乱数が4個記憶されていることを意味している。また、説明の便宜上、図17の例において、遊技の進行中に新たな保留球乱数は記憶されないものとする。
本実施形態では、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づく遊技よりも、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことに基づく遊技を優先して実行するようになっているので、まず、第2保留球乱数記憶部115bに記憶されている保留4(図中、特図2の保留4)に基づく遊技が行われる。意地悪ゾーンでは特別図柄の変動時間は常に0.6秒であるので、特図2の保留4に基づく遊技は特別図柄の変動開始から0.6秒経過すると終了する。特図2の保留4に基づく遊技が終了すると、次に、特図2の保留3、保留2、保留1の順に0.6秒間隔で遊技が行われていく。そして、特図2の保留がなくなると、特図1の保留3に基づく遊技が0.6秒間行われ、次に、特図1の保留2、保留1の順に0.6秒間隔で遊技が行われていく。この間に特別図柄が変動した時間を合計すると、4.2秒となる。
一方、普通図柄の変動開始が特図2の保留4に係る特別図柄の変動開始と同じタイミングであったとし、変動時間5秒が選択された場合には、図17に示すように、保留球乱数記憶部115a、115bに記憶されている全ての保留球乱数に基づく遊技が終わっても、普通図柄は変動中であり、普通図柄の変動が停止して電動チューリップ49が開放するのは7回の遊技が行われるより先である。
ここで、上述したように、第1特別図柄抽選部119aにて電子抽選を行うより、第2特別図柄抽選部119bにて電子抽選を行った方が遊技者に有利であるところ、図17に示すように、意地悪ゾーンでは普通図柄の変動時間が特別図柄の変動時間より長いため、なかなか電動チューリップ49が開放されない。そのため、第1特別図柄抽選部119aによる電子抽選によって特図当たりの当否が判定される機会が増えてしまうこととなる。よって、意地悪ゾーンでは2R通常および2R確変に当選する可能性があるため、遊技者にとって不利となるのである。
このように構成された主制御処理部11は、第1始動入賞口37aに入賞したことを契機に行われる遊技の開始に際して、第1変動パターンコマンド決定部130aで決定された変動パターンコマンドを演出制御処理部12aに送信すると共に、第1特別図柄抽選部119aによる抽選に当選した場合には第1特別図柄決定部120aで決定された特別図柄の種類に関するコマンドも演出制御処理部12aに送信している。同様に、主制御処理部11は、第2始動入賞口37bに入賞したことを契機に行われる遊技の開始に際して、第2変動パターンコマンド決定部130bで決定された変動パターンコマンドを演出制御処理部12aに送信すると共に、第2特別図柄抽選部119bによる抽選に当選した場合には第2特別図柄決定部120bで決定された特別図柄の種類に関するコマンドも演出制御処理部12aに送信している。
ここで、説明の便宜上、主制御処理部11から演出制御処理部12aに送信する特別図柄の種類に関するコマンドと変動パターンコマンドとを、以下の説明において、単に遊技コマンドと一括りにして言うことがある。
次に、この遊技コマンドの中身について説明する。遊技コマンドは、「No.?」または「No.?+図柄」の何れかで構成されている。遊技コマンドのうち「No.?」は、第1変動パターンコマンド決定部130aまたは第2変動パターンコマンド決定部130bが決定した変動パターンコマンドを示し、遊技コマンドのうち「図柄」は、第1特別図柄決定部120aまたは第2特別図柄決定部120bが決定した特別図柄の種類に関するコマンドを示している。
変動パターンNo.1〜No.10は、図8に示すように特図当たりのときに参照される特図変動テーブルA(134a−1)を用いて決定されることから、「No.1」〜「No.10」の各コマンドは当たりコマンドであり、変動パターンNo.11〜No.40は、図8に示すようにハズレのときに参照される特図変動テーブルB(134a−2)、特図変動テーブルC(134a−3)、特図変動テーブルD(134a−4)の何れかを用いて決定されることから、「No.11」〜「No.40」の各コマンドはハズレコマンドである。
また、「図柄」のコマンドは、具体的には、「2R通常図柄」、「2R確変図柄」、「15R通常図柄」、「15R確変図柄」、「小当たり図柄」に分かれており、「2R通常図柄」のコマンドは2R通常当たりに当選したことを示し、「2R確変図柄」のコマンドは2R確変当たりに当選したことを示し、「15R通常図柄」のコマンドは15R通常当たりに当選したことを示し、「15R確変図柄」のコマンドは15R確変当たりに当選したことを示し、「小当たり図柄」のコマンドは小当たりに当選したことを示している。
よって、遊技コマンドに「No.1」〜「No.10」の何れかが含まれていれば、その遊技コマンドは当たりコマンドであり、「図柄」のコマンドを確認すれば、その遊技コマンドが何れの特図当たりに当選したかが分かる。また、遊技コマンドが、「No.11」〜「No.40」の何れかが含まれていれば、その遊技コマンドはハズレコマンドであることが分かる。
続いて、主制御処理部11からの指令(コマンド)を受けて各種装置を制御する副制御処理部について説明する。副制御処理部を構成する演出制御処理部12a、特別図柄表示制御部12b、ランプ制御処理部12c、払出制御処理部12e、および普通図柄表示制御部12fは、遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられており、主制御処理部11が生成した処理情報に従って、演出表示装置34やスピーカ20、その他の演出装置(LED装置など)などの制御を行う装置である。
演出制御処理部12aは、図18に示すように、処理部として、演出態様を決定するための演出態様決定部210と、この演出態様決定部210が決定した演出態様を演出表示装置34に表示するよう制御する演出表示制御部220とを備え、記憶部として、複数種類の演出パターンを記憶した演出態様記憶部260を備えている。
演出態様記憶部260に記憶されている演出態様テーブル261は、図19に示すように、遊技コマンドに演出パターンが対応付けられた構成となっている。例えば、遊技コマンドNo.1+「図柄」には、変動時間30秒の「ノーマルリーチA1」と「ノーマルリーチA2」が対応する演出パターンとして記憶されており、遊技コマンドNo.13には、変動時間10秒の「リーチなしB」が対応する演出パターンとして記憶されている。
演出態様決定部210は、遊技の開始時に、当該遊技に係る遊技コマンドに基づいて演出態様記憶部260に記憶されている演出態様テーブル261を参照しながら、今回用いる演出パターンを決定する。例えば、遊技コマンドとして「No.15」が演出制御処理部12aに送られてきた場合には、演出態様決定部210は、演出態様テーブル261を参照して、遊技コマンド「No.15」に対応する演出パターン「ノーマルリーチA1」または「ノーマルリーチA2」の中から一方の演出パターンを抽選により決定する。
演出表示制御部220は、演出態様決定部210が決定した演出パターンを演出表示装置34に表示するための制御を行っており、例えば、演出パターンとして「スーパーリーチA1」が決定された場合には、複数の演出図柄が変動を開始し、1つの演出図柄を残して他の全ての演出図柄を同一図柄で停止してリーチ演出を行い、さらにスーパーリーチ演出に発展した後に、全ての演出図柄を停止して遊技の結果を表示するといった内容の演出の表示制御を行っている。
図4に説明を戻すと、特別図柄表示制御部12bは、主制御処理部11の特別図柄決定部120a、120bが決定した特別図柄の種類に関するコマンドと、変動パターンコマンド決定部130が決定した変動パターンコマンド、即ち、遊技コマンドに基づき、特別図柄表示装置17に特別図柄を所定の時間だけ変動させた後に停止させる態様で表示する。一方、普通図柄表示制御部12fは、普通図柄抽選部177による普通図柄に係る抽選結果のコマンドと普通図柄変動時間決定部190が決定した普通図柄の変動時間のコマンドとを受け、それらのコマンドに基づいて普通図柄表示装置22に普通図柄を所定の時間だけ変動させた後に停止させる態様で表示するよう制御している。なお、普通図柄表示制御部12fは、上記した特別図柄表示制御部12bによる表示制御と比べて表示する図柄の対象が相違するものの、表示制御の基本構成はほぼ同じである。また、ランプ制御処理部12cは、主制御処理部11からコマンドを受けて各種ランプや電飾の点灯制御を行うものである。
払出制御処理部12eは、CRユニットからの信号を受けて遊技球を遊技者に貸し出すように賞球払出装置14を制御する他、主制御処理部11からの払出指令を受けて、所定個数の賞球を遊技者に対して払い出すように賞球払出装置14を制御する。この賞球払出装置14は、遊技球を1個ずつ保持する切欠きが形成されたスプロケット(図示せず)と、このスプロケットを回転させるモータ(図示せず)とを備えて構成されている。そして、モータの回転を制御することにより、必要な数だけ賞球を払い出すことができるようになっている。具体的には、始動入賞口検知センサ43a、43b、一般入賞口検知センサ44、大入賞口検知センサ45等が遊技球の通過を検知したら、賞球払出装置14は主制御処理部11を経由して受けたコマンドに基づき遊技球を払い出す。
発射制御処理部13は、ハンドル7の回動量に応じて、発射装置9に対する作動の制御を行う装置である。より具体的に言うと、発射装置9に対して通電させたり、通電を停止したり、あるいは、通電電流を変化させるといった制御処理を行う。なお、この発射制御処理部13は、払出制御処理部12eと接続されており、CRユニットが接続されていない場合に発射停止信号が受信されるようになっている。
次に、本発明の実施の形態例に係るパチンコ機Pの遊技処理の手順について図20および図21を参照して説明するが、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bのどちらの始動入賞口に遊技球が入賞しても遊技処理の手順は同じであるため、以下では、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合、つまり、特図1に関する遊技について説明することとする。
まず、特別図柄に係る電子抽選に基づいて行われる遊技処理の手順について説明する。図20に示すように、遊技球が第1始動入賞口37aに入賞したか否かを主制御処理部11は判断する(ステップS1)。入賞した場合(ステップS1でYes)には、第1特別図柄用乱数取得部112aは特別図柄用乱数を取得し、第1変動パターン用乱数取得部132aは変動パターン用乱数を取得する(ステップS2)。特別図柄が変動中の場合(ステップS3でYes)には、ステップS2で取得した特別図柄用乱数を第1保留球乱数記憶部115aに記憶し、変動パターン用乱数を第1変動パターン用乱数記憶部133aに記憶して(ステップS4)、ステップS3の手前まで戻って、今回の入賞に係る遊技の順番が来るまで待機する。
特別図柄が変動中でなく、今回の入賞に係る遊技の処理を進めることができる場合(ステップS3でNo)には、ステップS5に進んで当たり判定処理を行う。つまり、取得した特別図柄用乱数が特図当たりであるか否かを第1特別図柄当否判定部113aが判断する。次いで、ステップS6で変動パターンコマンド決定処理を行う。この変動パターンコマンド決定処理では、取得した変動パターン用乱数に基づいて、上述したように変動パターンコマンドテーブル134aを参照して変動パターンNo.を決定する。
より詳細に説明すると、変動パターンコマンド決定部130は、ステップS5で特図当たりと判定された場合には、特図変動テーブルA(134a−1)を参照して変動パターンNo.を決定する。一方、ステップS5でハズレと判定された場合には、変動パターンコマンド決定部130は、変動開始前の保留数と現在のゾーンに対応する特図変動テーブルを参照して変動パターンNo.を決定する。例えば、現在成立している変動パターン選択フラグが「0」で、第1保留球乱数記憶部115aに記憶されている保留球乱数の個数が3個の場合には、変動パターンコマンド決定部130は特図変動テーブルC(134a−3)を参照して変動パターンNo.を決定し、変動パターン選択フラグが「4」で、第1保留球乱数記憶部115aに記憶されている保留球乱数の個数が2個の場合には、変動パターンコマンド決定部130は特図変動テーブルD(134a−4)を参照して変動パターンNo.を決定する。
次いで、ステップS7に進んで、特別図柄決定処理を行う。具体的には、ステップS5での当たり判定処理の結果、特図当たりと判定された場合には、第1特別図柄決定部120aがその特図当たりに対する特別図柄の種類を決定する。即ち、今回の遊技での特図当たりが2R通常当たり、2R確変当たり、15R通常当たり、15R確変当たり、小当たりの何れであるかをこのステップS7で決定する。
次いで、ステップS8にて、演出態様決定処理を行う。具体的には、演出態様決定部210が、演出態様テーブル261を参照して、今回の遊技に用いる演出パターンを決定する。例えば、今回の遊技で、遊技コマンド「No.7+図柄(15R確変図柄)」が演出態様決定部210に送られてきた場合には、演出態様決定部210は、演出態様テーブル261を参照して、今回の演出パターンとして例えば「スーパーリーチB2」を抽選で決定する。
次いで、ステップS9で、特別図柄の変動が開始され、演出表示制御部220が演出表示装置34にステップS8で決定された演出パターンを表示する。所定時間が経過すると、ステップS10に進み、特別図柄の変動が停止されると共に、それと同期して、演出パターンの表示が停止される。
次いで、停止した特別図柄が特図当たりの組合せで確定している場合(ステップS11でYes)には、ステップS12に進んで、遊技モードフラグ設定部150は、特図当たりの種類と現在のゾーンとから次に移行するゾーンに対応する変動パターン選択フラグを設定する。例えば、ステップS5で特図当たりと判定され、ステップS7で特図当たりの種別が2R確変と判定され、現在のゾーンが通常ゾーン1である(変動パターン選択フラグ0が成立している)場合には、次に移行するゾーンは意地悪ゾーンであるため(図12、図14参照)、遊技モードフラグ設定部150は、変動パターン選択フラグ4を設定する。
次いで、ステップS13で、当たり遊技制御部160が、特図当たりの種類に応じて所定のラウンド数だけアタッカー装置41を開放して当たり遊技を提供する。当たり遊技が終了すると、ステップS14で、遊技モード移行制御部140が、ステップS12で設定された変動パターン選択フラグに基づいて遊技モードを移行する。例えば、ステップS12で変動パターン選択フラグ4が設定されている場合には、遊技モード移行制御部140は、意地悪ゾーンに移行するよう制御する。そして、1回の遊技が終了する。
なお、ステップS1でNoの場合は遊技が行われることなく終了となり、ステップS11でNoの場合は、当たり遊技が提供されることなく1回の遊技の処理が終了する。
次に、普通図柄に係る電子抽選に基づいて行われる遊技処理の手順について説明する。図21に示すように、遊技球がスルーチャッカ21を通過したか否かを主制御処理部11は判断する(ステップS51)。通過した場合(ステップS51でYes)には、普通図柄用乱数取得部172は普通図柄用乱数を取得し、普図変動パターン用乱数取得部192は普図変動パターン用乱数を取得する(ステップS52)。普通図柄が変動中の場合(ステップS53でYes)には、ステップS52で取得した普通図柄用乱数を普通図柄用保留球乱数記憶部174に記憶し、普図変動パターン用乱数を普図変動パターン用乱数記憶部193に記憶して(ステップS54)、ステップS53の手前まで戻り、順番が来るまで待機する。
普通図柄が変動中でなく、今回のスルーチャッカ21通過に基づく普通図柄の処理を進めることができる場合(ステップS53でNo)には、ステップS55に進んで普図当たり判定処理を行う。つまり、取得した普通図柄用乱数が普図当たりであるか否かを普通図柄当否判定部173が判断する。次いで、ステップS56で普通図柄変動時間決定処理を行う。この普通図柄変動時間決定処理では、取得した普図変動パターン用乱数に基づいて、上述したように普図変動パターンコマンドテーブル194を参照して変動パターンNo.を決定する。
より詳細に説明すると、普通図柄変動時間決定部190は、現在のゾーンに対応する普図変動テーブルを参照して変動パターンNo.を決定する。例えば、現在成立している変動パターン選択フラグが「0」の場合には、普通図柄変動時間決定部190は普図変動テーブルa(194−1)を参照して変動パターンNo.を決定し、変動パターン選択フラグが「4」の場合には、普通図柄変動時間決定部190は普図変動テーブルc(194−3)を参照して変動パターンNo.を決定する。
次いで、ステップS57で、普通図柄の変動が開始され、所定時間が経過すると、ステップS58に進み、普通図柄の変動が停止される。次いで、停止した普通図柄が普図当たりで確定している場合(ステップS59でYes)には、ステップS60に進んで、電動チューリップ作動制御部180は、電動チューリップ49を開閉させる。具体的には、現在のゾーンが通常ゾーン1(変動パターン選択フラグ0が成立している)場合と通常ゾーン2(変動パターン選択フラグ3が成立している)場合には、電動チューリップ作動制御部180は、電動チューリップ49が開放時間0.2秒で1回開放するよう制御する。また、現在のゾーンがチャンスゾーン(変動パターン選択フラグ1が成立している)場合、天国ゾーン(変動パターン選択フラグ2が成立している)場合、意地悪ゾーン(変動パターン選択フラグ4が成立している)場合、および危険ゾーン(変動パターン選択フラグ5が成立している)場合には、電動チューリップ作動制御部180は、電動チューリップ49が開放時間2.9秒で2回開放するよう制御する。そして、普通図柄に関する1回の処理が終了する。なお、ステップS51でNoの場合、およびステップS59でNoの場合も処理が終了する。
以上、説明したように、本実施形態に係るパチンコ機によれば、天国ゾーンと意地悪ゾーンとでは、特別図柄の抽選状態が共に高確率、普通図柄の抽選状態も共に高確率の同一の遊技状態であるにも拘わらず、意地悪ゾーンでは普通図柄の変動時間が特別図柄の変動時間よりも長いため、図17に示すように電動チューリップ49が開く前に第2保留球乱数記憶部115bに記憶されている保留球乱数に基づく遊技が次々に行われ、さらに第1保留球乱数記憶部115aに記憶されている保留球乱数に基づく遊技までも行われることになる。つまり、第2特別図柄抽選部119bより不利な第1特別図柄抽選部119aによる遊技が行われるため、2R通常や2R確変に当選する可能性がある。
これに対して、天国ゾーンでは普通図柄の変動時間が特別図柄の変動時間よりも短いため、特別図柄が1回変動している間に電動チューリップ49が開いて第2始動入賞口37bに入賞するので、第2保留球乱数記憶部115bの保留球乱数の記憶がなくなるケースは少ない。よって、天国ゾーンでは主に第2特別図柄抽選部119bによる抽選を行って遊技が進行するため、2R通常や2R確変に当選する可能性は殆どない。
このように、本実施形態によれば、天国ゾーンでは出玉のある(賞球を獲得できる)15R通常または15R確変に当選する場合が殆どであるのに対して、意地悪ゾーンでは出玉のない(賞球の獲得が困難である)2R通常や2R確変に当選する場合もあるので、同一の遊技状態であっても、遊技者に出玉の面で有利/不利を意図的に設定することができる。よって、遊技者は、意地悪ゾーンから天国ゾーンに移行することを願いながら遊技を行うこととなり、遊技に対する興味を持続することができ、遊技の面白みが増すこととなる。
なお、上記した実施の形態例では、第1特別図柄高確率判定テーブル116aと第2特別図柄高確率判定テーブル116bとを別個に設ける構成としたが、この構成に代えて共通のテーブルを設けるようにしても良い。また、同様に、第1特別図柄低確率判定テーブル117aと第2特別図柄低確率判定テーブル117bとを共通のテーブルにしても良く、第1変動パターンコマンドテーブル134aと第2変動パターンコマンドテーブル134bとを共通のテーブルにしても構わない。
また、上記した実施の形態例では、1つの特別図柄用乱数発生部111で第1特別図柄抽選部119aと第2特別図柄抽選部119bの両方に用いる乱数を生成する構成としたが、第1特別図柄抽選部119aと第2特別図柄抽選部119bのそれぞれに特別図柄用乱数発生部を別個に設ける構成を採用することもできる。