JP5587760B2 - パチンコ機 - Google Patents

Description

本発明は、遊技球を用いて遊技を行うパチンコ機に関し、特に、一度大当たりになると連続して予め定めた上限回数の大当たりを１セットとして獲得できるタイプのパチンコ機に関する。

一般に、パチンコ機には、遊技盤内の遊技領域に特別図柄を表示する特別図柄表示装置、所定の演出を表示する演出表示装置、特別図柄に係る電子抽選の契機となる始動口が設けられており、遊技領域に向けて発射された遊技球が、この始動口に入賞すると特別図柄に係る電子抽選が行われると共に、特別図柄表示装置において特別図柄を変動させた後に停止させるといった態様の表示を行って電子抽選の結果を報知している。

さらに、特別図柄の変動表示と同期をとって、演出表示装置に複数の演出図柄（演出に用いられる図柄のことで、ダミー図柄とも称される）が変動表示されて様々な演出が行われるようになっており、電子抽選の結果が大当たり（特図当たり）である場合には、これらの演出図柄が所定の停止態様（例えば、同一図柄が３つ揃って停止する態様）で停止表示されることで遊技者に大当たりであることが報知される。

そして、大当たりとなった場合には、遊技者にとって有利な当たり遊技が提供される。この当たり遊技では、アタッカー装置が所定回数だけ開閉して露呈された大入賞口に遊技球が入るので、遊技者は多くの賞球を獲得することができる。また、大当たりの種類には、通常当たりと、この通常当たりより遊技者に有利であって、当たり終了後に大当たり確率がアップする確率変動付き大当たり（所謂、確変当たり）の２種類が少なくとも用意されているのが一般的である。この種のパチンコ機は、確変当たりに当選すると、大当たり確率がアップするので大当たりが連荘するが、通常当たりに当選すると連荘は終了する。つまり、大当たりの連荘回数は、確変当たりに当選するか否かに依存するのである。そのため、遊技者は、確変当たりに当選することを期待しながら遊技を行うのである。なお、上記した、大当たりの連荘回数が確変当たりに当選するか否かに依存するタイプのパチンコ機を、以下の説明において、「確変機」と言うことにする。

また、最近では、特許文献１にあるように、一度大当たりになると予め定めた上限回数（例えば７回）まで連続して大当たりが獲得できるようなパチンコ機もある。このパチンコ機は、１度の大当たりで複数回の大当たりを１セットとして獲得できるため、確変機とは趣の異なった面白さがあり、多くの遊技者に支持されている。なお、上記した、複数回の大当たりを１セットで獲得できるタイプのパチンコ機のことを、以下の説明において、「リミッタ機」と言うことにする。

この特許文献１に記載のリミッタ機では、大当たりに当選したときに、可変表示装置（演出表示装置）に停止表示する図柄を、大当たりの連荘回数とリンクさせて表示するといったことが行われている。例えば、上限回数が７回に設定されたリミッタ機であって、大当たりが７回連荘する場合には、可変表示装置に７のゾロ目を表示する。この表示を見た遊技者は、７回の大当たりを連続して獲得することができることを知り、大いに興奮する。これに対して、例えば、２のゾロ目が表示された場合には、遊技者は、大当たりの連荘回数が２回しかないことをその表示から知り、失望感を抱くこととなる。このように、特許文献１によれば、遊技者は、可変表示装置に表示された図柄の数字によって大当たりの連荘回数を知ることができるから、表示される図柄の数字に一喜一憂しながら、遊技を楽しむことができる。

特開２００８−２９５７５９号公報（段落０１３６、０２０４等）

確変機は、確変当たりに当選し続ける限り大当たりが連荘するゲーム性であるので、遊技者は、自らの技量と運により大当たりを連荘させることができる。しかしながら、リミッタ機は、そのゲームの特性上、一度大当たりになると大当たりの連荘回数が固定されているため、確変機のように遊技者の技量と運で大当たりの連荘回数を増やすことはできない。そのため、例えば特許文献１のように停止図柄を用いて大当たりの連荘回数が表示されてしまうと、あとはその表示回数分の大当たりを獲得するだけの単純なゲームとなってしまい、遊技者自らが技量や運で大当たりを連荘させたかのような印象を遊技者に対して与えることが困難であった。

本発明は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、リミッタ機において、確変機の如く、遊技者が自ら大当たりを連荘させたように見せる演出を行うことにある。

上記目的を達成するため、本発明は、遊技球が流下する遊技領域を有する遊技盤と、前記遊技領域に設けられた第１始動口と、この第１始動口に遊技球が入賞したことを契機に特別図柄に係る電子抽選を行う第１電子抽選手段と、前記遊技領域のうち前記第１始動口から離れて設けられた第２始動口と、この第２始動口に遊技球が入賞したことを契機に特別図柄に係る電子抽選を行う第２電子抽選手段と、前記遊技領域に設けられ、遊技球が内部を通過可能なスルーチャッカと、このスルーチャッカを遊技球が通過したことを契機に普通図柄に係る電子抽選を行う普通図柄抽選手段と、前記第２始動口の入口に設けられ、前記普通図柄抽選手段による電子抽選で普図当たりに当選した場合に開閉して、遊技球の前記第２始動口への入賞を容易にする電動チューリップと、前記第１電子抽選手段および前記第２電子抽選手段による電子抽選に用いられ、特別図柄用の乱数を発生させる特別図柄用乱数発生手段と、前記普通図柄抽選手段による電子抽選に用いられ、普通図柄用の乱数を発生させる普通図柄用乱数発生手段と、複数の演出図柄を変動させた後に停止させる演出態様を表示すると共に、前記第１電子抽選手段ならびに前記第２電子抽選手段による抽選結果を、前記複数の演出図柄の停止態様によって表示する演出表示装置と、この演出表示装置の表示状態を制御する演出表示制御手段とを備えたパチンコ機であって、前記第１電子抽選手段は、前記特別図柄用乱数発生手段により発生した乱数の中から１つの特別図柄用乱数を前記第１始動口に遊技球が入賞したことを契機に取得する第１特別図柄用乱数取得手段と、この第１特別図柄用乱数取得手段により取得した特別図柄用乱数が特図当たりであるか否かを判定するために用いるテーブルであって、特図当たりに当選する確率が低い第１低確率判定テーブルと、この第１低確率判定テーブルより特図当たりに当選する確率が高い第１高確率判定テーブルと、前記第１低確率判定テーブルおよび前記第１高確率判定テーブルの何れか一方を参照して当否を判定する第１特別図柄当否判定手段とを有し、前記第２電子抽選手段は、前記特別図柄用乱数発生手段により発生した乱数の中から１つの特別図柄用乱数を前記第２始動口に遊技球が入賞したことを契機に取得する第２特別図柄用乱数取得手段と、この第２特別図柄用乱数取得手段により取得した特別図柄用乱数が特図当たりであるか否かを判定するために用いるテーブルであって、特図当たりに当選する確率が低い第２低確率判定テーブルと、この第２低確率判定テーブルより特図当たりに当選する確率が高い第２高確率判定テーブルと、前記第２低確率判定テーブルおよび前記第２高確率判定テーブルの何れか一方を参照して当否を判定する第２特別図柄当否判定手段とを有し、前記普通図柄抽選手段は、前記普通図柄用乱数発生手段により発生した乱数の中から１つの普通図柄用乱数を、前記スルーチャッカを遊技球が通過したことを契機に取得する普通図柄用乱数取得手段と、この普通図柄用乱数取得手段により取得した普通図柄用乱数が普図当たりであるか否かを判定するために用いる判定テーブルであって、普図当たりに当選する確率が低い普通図柄低確率判定テーブルと、この普通図柄低確率判定テーブルより普図当たりに当選する確率が高い普通図柄高確率判定テーブルと、前記普通図柄低確率判定テーブルおよび前記普通図柄高確率判定テーブルの何れか一方を参照して当否を判定する普通図柄当否判定手段とを有し、特別図柄に係る遊技状態として、前記第１特別図柄当否判定手段が前記第１低確率判定テーブルを参照し、前記第２特別図柄当否判定手段が前記第２低確率判定テーブルを参照する特図通常遊技状態と、前記第１特別図柄当否判定手段が前記第１高確率判定テーブルを参照し、前記第２特別図柄当否判定手段が前記第２高確率判定テーブルを参照する確率変動状態とが設定され、普通図柄に係る遊技状態として、前記普通図柄当否判定手段が前記普通図柄低確率判定テーブルを参照する普図通常遊技状態と、前記普通図柄当否判定手段が前記普通図柄高確率判定テーブルを参照する時短遊技状態とが設定されていると共に、所定条件を達成することにより、特別図柄に係る遊技状態を前記特図通常遊技状態と前記確率変動状態の何れかに設定し、普通図柄に係る遊技状態を前記普図通常遊技状態と前記時短遊技状態の何れかに設定する遊技状態設定手段と、この遊技状態設定手段によって設定された遊技状態のもとで行われた遊技で、前記第１電子抽選手段による抽選結果が特図当たりとなった場合または前記第２電子抽選手段による抽選結果が特図当たりとなった場合に、通常の遊技に比べて遊技者に有利な当たり遊技を提供する当たり遊技制御手段とを備え、前記特図通常遊技状態のもとで行われた遊技で特図当たりに当選し、その当選から数えて予め定めたＮ回（ただし、Ｎは３以上の自然数）の特図当たりに当選するまでの間の特別図柄に係る遊技状態を前記遊技状態設定手段が前記確率変動状態に設定すると共に、Ｎ回目の当選に基づいて提供された前記当たり遊技後の特別図柄に係る遊技状態を前記遊技状態設定手段が前記特図通常遊技状態に設定することにより、前記当たり遊技制御手段がＮ回の前記当たり遊技を１セットとして提供可能なパチンコ機において、前記特図当たりの種類として、不利特図当たりと、この不利特図当たりより遊技者にとって有利な有利特図当たりとが設けられ、前記第１電子抽選手段による抽選では、前記不利特図当たりと前記有利特図当たりの何れかに当選するよう設定される一方、前記第２電子抽選手段による抽選では、前記有利特図当たりに当選するよう設定されており、前記遊技状態設定手段は、普通図柄に係る遊技状態が前記普図通常遊技状態であって、今回の当選に係る特図当たりの種類が前記不利特図当たりであることに加えて、今回の当選が１回目からＮ−１回目に該当する場合には、当該不利特図当たりに基づく当たり遊技の終了後に、普通図柄に係る遊技状態を予め定めた遊技回数だけ前記時短遊技状態とするよう設定し、普通図柄に係る遊技状態が前記時短遊技状態であって、今回の当選に係る特図当たりの種類が前記不利特図当たりであることに加えて、今回の当選が１回目からＮ−１回目に該当する場合には、当該不利特図当たりに基づく当たり遊技の終了後に、普通図柄に係る遊技状態を次回の特図当たりに当選するまで前記時短遊技状態とするよう設定し、普通図柄に係る遊技状態が前記時短遊技状態であって、今回の当選に係る特図当たりの種類が前記不利特図当たりであることに加えて、今回の当選がＮ回目に該当する場合には、当該不利特図当たりに基づく当たり遊技の終了後に、普通図柄に係る遊技状態を予め定めた遊技回数だけ前記時短遊技状態とするよう設定する一方、前記遊技状態設定手段は、今回の当選に係る特図当たりの種類が前記有利特図当たりであることに加えて、今回の当選が１回目からＮ−１回目である場合には、当該有利特図当たりに基づく当たり遊技の終了後に、普通図柄に係る遊技状態を次回の特図当たりに当選するまで前記時短遊技状態とするよう設定し、今回の当選に係る特図当たりの種類が前記有利特図当たりであることに加えて、今回の当選がＮ回目である場合には、当該有利特図当たりに基づく当たり遊技の終了後に、普通図柄に係る遊技状態を予め定めた遊技回数だけ前記時短遊技状態とするよう設定し、前記複数の演出図柄の停止態様の中には、前記第１電子抽選手段または前記第２電子抽選手段による抽選結果が特図当たりであることを示す停止態様であって、その停止態様が前記演出表示装置に表示されると、今回の特図当たりを除いて、あと予め定めたＡ回（ただし、Ａは、２≦Ａ＜Ｎを満たす自然数）だけ前記有利特図当たりに続けて当選することができる旨を示す連荘停止態様と、その停止態様が前記演出表示装置に表示されると、それ以降に前記有利特図当たりに何回当選することができるか不明である旨を示す単発停止態様とが含まれ、１回目からＮ回目までの特図当たりのうち、最初の前記有利特図当たりの当選がＭ回目（ただし、Ｍは、１≦Ｍ≦Ｎを満たす自然数）である場合に、そのＭ回目からＮ回目までの全ての特図当たり当選時の前記停止態様を、前記連荘停止態様と前記単発停止態様の何れにするかを予め定めた個別停止態様テーブルが、Ｍの値が１からＮのそれぞれに対応するようにＮ個設けられると共に、Ｎ回目に当選した特図当たりに基づく当たり遊技の終了後に提供される前記時短遊技状態のもとで行われた遊技において特図当たりに当選した場合に、その特図当たりからＮ回目までの全ての特図当たり当選時の前記停止態様を、前記連荘停止態様と前記単発停止態様の何れにするかを予め定めた共通停止態様テーブルが設けられ、前記個別停止態様テーブルのうち、Ｍが、１≦Ｍ≦Ｎ−Ａを満たす場合に対応づけられた個別停止態様テーブルのそれぞれには、前記連荘停止態様と前記単発停止態様の表示順序が互いに異なる複数の表示順序パターンが記憶され、当該複数の表示順序パターンは、１セットを構成するＮ回の特図当たりのうち残りの当たり回数がＡ回となった場合には、その残りＡ回の特図当たり当選時の停止態様は必ず前記単発停止態様とするよう決められている一方、Ｍが、Ｎ−Ａ＜Ｍ≦Ｎを満たす場合に対応づけられた個別停止態様テーブルのそれぞれには、全て前記単発停止態様で表示される表示順序パターンが記憶されており、前記共通停止態様テーブルには、前記連荘停止態様と前記単発停止態様の表示順序が互いに異なる複数の共通表示順序パターンが記憶され、当該複数の共通表示順序パターンは、１回目の特図当たり当選時の停止態様が前記連荘停止態様であるパターンと前記単発停止態様であるパターンとを含んで構成されていると共に、前記複数の共通表示順序パターンのそれぞれは、１セットを構成するＮ回の特図当たりのうち残りの当たり回数がＡ回となった場合には、その残りＡ回の特図当たり当選時の停止態様は必ず前記単発停止態様とするよう決められており、前記演出表示制御手段は、１回目からＮ回目までの特図当たりのうち、最初に前記有利特図当たりに当選して以降、Ｎ回目の特図当たりに当選するまでの間の各特図当たりの当選時の前記停止態様を前記個別停止態様テーブルに従って前記演出表示装置に表示するよう制御すると共に、Ｎ回目に当選した特図当たりに基づく当たり遊技終了後に提供される前記時短遊技状態のもとで行われた遊技において特図当たりに当選した場合には、その当選からＮ回目までの特図当たりの当選時の前記停止態様を前記共通停止態様テーブルに従って前記演出表示装置に表示するよう制御することを特徴としている。

本発明は、一度特図当たりに当選すると、それ以降Ｎ回目の特図当たりまでの間の特別図柄に係る遊技状態を確率変動状態とすることにより、Ｎ回の特図当たりを１セットで獲得できるタイプのパチンコ機、所謂リミッタ機であり、第１電子抽選手段による抽選と第２電子抽選手段による抽選とでは、遊技者にとっての利益に差が生じる（例えば、獲得できる賞球数に差を持たせる）ように設定されている。具体的には、第１電子抽選手段による抽選では、有利特図当たりと不利特図当たりの何れかに当選し、第２電子抽選手段による抽選では、必ず有利特図当たりに当選する構成となっている。そのため、第２電子抽選手段による抽選を行った方が遊技者にとって有利である。ここで、第２電子抽選手段による抽選を行うためには、第２始動口に遊技球を入賞させる必要があるところ、本発明では、第２始動口の入口に電動チューリップが設けられているので、第２始動口に遊技球を容易に入賞させるには、この電動チューリップを開放させることが必要である。

電動チューリップを開放させるためには、スルーチャッカに遊技球を通過させ、普通図柄抽選手段による抽選で普図当たりに当選しなければならない。この普通図柄抽選手段による抽選は、普通図柄低確率判定テーブルと普通図柄高確率判定テーブルの何れかを参照して行われる。普通図柄高確率判定テーブルを参照する方が普図当たりに当選する確率が高いので、電動チューリップを頻繁に開放させるためには、この普通図柄高確率判定テーブルを参照して普通図柄抽選手段による抽選を行わせる必要がある。普通図柄高確率判定テーブルが参照されるためには、普通図柄に係る遊技状態が時短遊技状態とならなければならない。

ここで、本発明では、特図当たりの種類が有利特図当たりと不利特図当たりの少なくとも２種類があり、１回目〜Ｎ−１回目までの特図当たりが有利特図当たりの場合には、原則として時短遊技状態が次回の特図当たりに当選するまで付与されるように構成されている。なお、Ｎ回目の有利特図当たり後は、リミッタに到達するため、時短遊技状態は予め定めた遊技回数しか付与されることはない。これに対して、不利特図当たりに当選した場合には、１回目〜Ｎ回目の何れのときも、一部の例外（即ち、時短遊技状態中に不利特図当たりに当選した場合）を除いて時短遊技状態が予め定めた遊技回数だけしか付与されない。

このことは、不利特図当たりに当選した場合には、予め定めた遊技回数の間は、電動チューリップが頻繁に開放されて第２始動口に遊技球が容易に入賞するので、第２電子抽選手段による抽選を行うことができるものの、予め定めた遊技回数の遊技が行われた後には、電動チューリップは頻繁に開くことはないので、第１始動口に遊技球を入賞させるしかなくなり、その結果、第１電子抽選手段による抽選に基づいて遊技が行われることを意味する。そのため、第１電子抽選手段による抽選で不利特図当たりに当選した場合には、当たり遊技終了後の予め定めた遊技回数の間に、第２電子抽選手段による抽選で特図当たりに当選することができれば、その当選に係る特図当たりは必ず有利特図当たりであるため、それ以降、特図当たりの当選回数が予め定めたＮ回目に到達するまで第２電子抽選手段による抽選を行って遊技を進めることができる。この場合には、電動チューリップが頻繁に開くため、遊技球を殆ど減らすことなく遊技を進めることができる。

しかし、予め定めた遊技回数の間に、第２電子抽選手段による抽選で特図当たりに当選することができなければ、その後は再び第１電子抽選手段による抽選に基づいて遊技を行わなければならないため、必ず有利特図当たりに当選するとは限らない。つまり、第１電子抽選手段による抽選の場合、不利特図当たりに当選することも有り得るのである。また、予め定めた遊技回数の時短遊技状態が終了すると、普通図柄に係る遊技状態は普図通常遊技状態になるので、電動チューリップは頻繁に開放されることはなくなる。よって、不利特図当たりに当選しても、その後の時短遊技状態中に有利特図当たりに当選しなければ、せっかく不利特図当たりに基づく当たり遊技で賞球を獲得したとしても、遊技球が減ってしまう。

一方、第１電子抽選手段による抽選で有利特図当たりに当選した場合には、次回の特図当たりに当選するまで電動チューリップが頻繁に開放されるため、次回の特図当たりの当選まで第２電子抽選手段による抽選を行って遊技を進めることができる。このとき、電動チューリップが頻繁に開放されるので、遊技球を殆ど減らすことなく遊技を行うことができる。そして、第２電子抽選手段による抽選では、常に有利特図当たりに当選するので、一度有利特図当たりに当選すると、それ以降、予め定めたＮ回目の特図当たりに当選するまで、第２電子抽選手段による抽選を行って遊技を進めることができる。

よって、本発明に係るパチンコ機では、例えば、１回目の特図当たりが有利特図当たりの場合には、遊技球が殆ど減ることなくＮ回の特図当たりに当選し、当たり遊技Ｎ回分の賞球を殆どそのまま獲得することができる。例えば、Ｎ＝７で、１回の当たり遊技で１０００個の賞球を獲得できるパチンコ機であるとすると、１回目の特図当たりが有利特図当たりの場合には、遊技者は、１０００ｘ７＝７０００個の賞球を獲得することができる。これに対して、Ｎ回全ての特図当たりが不利特図当たりの場合には、当たり遊技Ｎ回分の賞球の獲得はできるものの、今回の特図当たりから次回の特図当たりまでの遊技において、普通図柄に係る遊技状態が時短遊技状態から普図通常遊技状態に移行してからは遊技球が減ってしまうので、実際には当たり遊技Ｎ回分の賞球をそのまま獲得することはできない。

このことから、本発明に係るパチンコ機は、最初に有利特図当たりに当選して以降Ｎ回目までの間は、遊技球を減らすことなく特図当たりが連続するので、連荘モードのようなゲーム性となり、不利特図当たりに当選した場合には、時短遊技状態中に特図当たりに当選しないと、その後は普図通常状態での遊技となるため、特図当たりをＮ回獲得することはできるものの、遊技球が減ってしまうので、特図当たりが１回ずつ単発的に行われるような状態となり、連荘モードのようなゲーム性とはならない。

さらに、本発明は、上記した構成に加えて、１回目〜Ｎ回目までの特図当たりのうち、最初に有利特図当たりに当選したとき（即ち、Ｍ回目の特図当たり当選時）からＮ回目までの特図当たり当選時において演出表示装置に表示する演出図柄の停止態様を予め定めた停止態様テーブルを備えている点に特徴がある。より詳しく説明すると、本発明は、複数の演出図柄の停止態様として、連荘停止態様（例えば奇数図柄）と単発停止態様（例えば偶数図柄）とを有しており、これら２つの停止態様のうちどちらの停止態様を特図当たり当選時に演出表示装置に表示するが予め定められている。例えば、Ｎ＝７と仮定して、１セットを構成する７回の特図当たりのうち、３回目（Ｍ＝３）の特図当たりでようやく有利特図当たりに当選したとすると、Ｍ＝３に対応する個別停止態様テーブルには、３回目〜７回目の特図当たり当選時の停止態様のパターンとして例えば次に示すような３つの表示順序パターンが記憶されている。

即ち、表示順序パターン１として、「３回目は連荘停止態様、４回目は連荘停止態様、５回目は連荘停止態様、６回目は単発停止態様、７回目は単発停止態様」という表示順序のパターンが記憶され、表示順序パターン２として、「３回目は連荘停止態様、４回目は単発停止態様、５回目は連荘停止態様、６回目は単発停止態様、７回目は単発停止態様」という表示順序のパターンが記憶され、表示順序パターン３として、「３回目は単発停止態様、４回目は連荘停止態様、５回目は単発停止態様、６回目は単発停止態様、７回目は単発停止態様」という表示順序のパターンが個別停止態様テーブルには記憶されている。

そして、演出表示制御手段は、例えば表示順序パターン３に従って、今回（３回目）の特図当たり当選時に演出表示装置に単発停止態様を表示し、次回（４回目）の特図当たり当選時に演出表示装置に連荘停止態様を表示し、５回目、６回目をそれぞれ決められた態様で表示し、最後（７回目）の特図当たり当選時に演出表示装置に単発停止態様を表示するよう制御している。そのため、パチンコ機の内部的には、３回目に有利特図当たりに当選したとすれば、第２始動口に遊技球を入賞させることで、３回目〜７回目まで遊技球を殆ど減らすことなく５連荘の有利特図当たりが可能となるが、演出表示装置には、表示順序パターン３に従うと３回目の特図当たり当選時には単発停止態様が表示されるので、その表示を見た遊技者は、今回、有利特図当たりに当選したので、次回まで時短遊技状態となり、今回の有利特図当たりも含めて最低でも２回の特図当たりに当選するのではと予測するかもしれない。しかし、今回の有利特図当たりの当選がＮ回目である場合には、今回の当選がＮ回のリミッタに到達するため、単発停止態様の表示を見た遊技者は、今回の特図当たりのみで１セットが終了となるかもしれないと予測することもある。このように、単発停止態様が表示されると、遊技者は、Ｎ回の特図当たりのうち今回の有利特図当たりが何回目の当たりであり、あと何回残りがあるのかを予測することはできないので、その単発停止態様の表示を見て、ハラハラ、ドキドキしながら遊技を行うのである。

これに対して、４回目の特図当たり当選時には連荘停止態様が表示されるので、遊技者は、今回の特図当たりを除いて、Ａ回の有利特図当たりに当選することが可能であることを知る。つまり、連荘停止態様が表示されると、これ以降でＡ回の有利特図当たりが連荘することが約束されたことになる。よって、遊技者は、その連荘停止態様を見て、有利特図当たりがＡ回連荘することに興奮しながら遊技を行うことができる。このように、本発明によれば、内部的には例えば５回の特図当たりが残っている（リミッタ７回に到達するまであと５回残りが有る）にも拘わらず、演出表示装置に単発停止態様が表示されると遊技者は少し失望するが、逆に、連荘停止態様が表示されると遊技者の気持ちは高ぶり、遊技者は、自らの技量や運で特図当たりの連荘を勝ち取ったかのような気持ちになる。このようなゲーム性は、確変機と類似している。

ところで、本発明のように、Ｎ回を１セットとして当たり遊技を提供するリミッタ機では、Ｎ回の特図当たりのうち残り回数がＡ回より少なくなってから連荘停止態様が表示されると、あとＡ回の特図当たりが約束されたにも拘わらず、実際にはＮ回目の特図当たりでリミッタに到達してしまうため、表示内容と実際の遊技との間に矛盾が生じてしまう。例えば、Ｎ＝７、かつ、Ａ＝２のリミッタ機の場合、６回目に連荘停止態様が表示されると、あと２回有利特図当たりが連荘することが約束されたことになるため、８回目の特図当たりまで補償されていなければならないことになるが、実際には特図当たりが７回のリミッタに到達するため、８回目の特図当たりは補償されないことになる。

このような矛盾が生じないように、本発明では、Ｍが、１≦Ｍ≦Ｎ−Ａを満たす場合に対応づけられた個別停止態様テーブルと、Ｎ−Ａ＜Ｍ≦Ｎを満たす場合に対応づけられた個別停止態様テーブルとを備えている。そして、前者の個別停止態様テーブルには、連荘停止態様と単発停止態様の表示順序が互いに異なる複数の表示順序パターンが記憶されており、当該複数の表示順序パターンは、１セットを構成するＮ回の特図当たりのうち残りの当たり回数がＡ回となった場合には、その残りＡ回の特図当たり当選時の停止態様は必ず単発停止態様とするよう決められている。一方、後者の個別停止態様テーブルには、全て単発停止態様で表示される表示順序パターンが記憶されている。これにより、当たり回数の残りが少なくなってくると、全て単発停止態様が表示されるように予め定められているから、上記したような矛盾は生じることはない。

また、本発明では、Ｎ回目の特図当たり後は、予め定めた遊技回数だけ時短遊技状態となる場合があるが、この時短遊技状態は、１回目〜Ｎ−１回目までの特図当たり後の時短遊技状態と何ら見た目には変わるところはない。勿論、内部的には、Ｎ回目の特図当たり後の時短遊技状態において特図当たりに当選した場合には、そこからさらにＮ回で１セットの特図当たりが補償される（特図当たりの上限回数カウンタがＮ回にセットされる）ことになるが、演出表示装置における表示を工夫すれば、遊技者は、その当選が何回目であるかが見た目に分からないようにすることができる。そこで、本発明では、Ｎ回目の特図当たり後の時短遊技状態中に当選した１回目の特図当たりからＮ回目までの全ての特図当たり当選時の停止態様を、連荘停止態様と単発停止態様の何れにするかを予め定めた共通停止態様テーブルを設けておき、このテーブルに従って演出表示装置に所定の停止態様を表示するようにしている。

この共通停止態様テーブルには、連荘停止態様と単発停止態様の表示順序が互いに異なる複数の共通表示順序パターンが記憶されており、当該複数の共通表示順序パターンは、１回目の特図当たり当選時の停止態様が連荘停止態様であるパターンと単発停止態様であるパターンとを含んで構成されている。そのため、連荘停止態様が表示されると、そこからさらにＡ回の特図当たりが約束されるため、遊技者は、自らの技量と運で特図当たりの連荘を勝ち取ったかのような気持ちになると共に、Ｎ回の特図当たりのうち、あと何回の特図当たりが残されているかを考え、もしかすると、今回の表示ではＡ回の連荘が約束されたが、実はそれ以上の当たりが残っているかもしれないかと思うと、その興奮は最高潮に達するのである。

その一方で、停止態様の表示が単発停止態様であった場合には、内部的には、今回の特図当たりがＮ回のうち１回目の当選であるにも拘わらず、単発停止態様を見た遊技者は、今回がＮ回目のものであるかもしれないと残念に思いつつも、実は今回の特図当たりがＮ回のうち１回目であるかもしれないとの期待も抱きながら遊技を楽しむことができる。

このように、本発明では、Ｎ回目の特図当たり後の時短遊技状態中に特図当たりに当選した際（いわゆる、引き戻しの際）においても、演出表示装置に表示される停止態様は、連荘停止態様か単発停止態様の何れかとなるため、遊技者は、あと何回特図当たりに当選するか予測が困難であるうえ、連荘停止態様が表示されると、自らの技量と運で特図当たりを連荘させたかのような満足感を得ることができるのである。

勿論、Ａ回の連荘の約束が偽のものとならないようにするために、共通停止態様テーブルに記憶されている複数の共通表示順序パターンのそれぞれにおいても、１セットを構成するＮ回の特図当たりのうち残りの当たり回数がＡ回となった場合には、その残りＡ回の特図当たり当選時の停止態様は必ず単発停止態様とするよう決められている。

このように、本発明によれば、連荘停止態様が表示されることにより、遊技者自らの技量と運で複数回の有利特図当たりを獲得したようなゲーム性を実現できると共に、単発停止態様が表示されることにより、特図当たりの連荘が終了したかのようなゲーム性を実現することができる。つまり、確変機のようなゲーム性をリミッタ機で実現することができるのである。

本発明の実施の形態例に係るパチンコ機の外観斜視図である。 図１に示すパチンコ機のガラス扉を開けた状態の外観斜視図である。 図１に示すパチンコ機の背面図である。 図１に示すパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 図４に示す特別図柄抽選処理部の詳細を示すブロック図である。 図１に示すパチンコ機の特図当たりの種類を示した図であり、（ａ）は第１特別図柄抽選部による抽選での特図当たりの種類を示し、（ｂ）は第２特別図柄抽選部による抽選での特図当たりの種類を示している。 図４に示す変動パターンコマンド決定部の詳細を示すブロック図である。 図７に示す第１変動パターンコマンドテーブルの詳細を示す図である。 図４に示す普通図柄抽選処理部の詳細を示すブロック図である。 図４に示す普通図柄変動時間決定部の詳細を示すブロック図である。 図１に示すパチンコ機の特図当たりが連荘するパターンを示す図である。 図４に示す演出制御処理部の詳細を示すブロック図である。 図１２に示す演出パターンテーブルの詳細を示す図である。 図１２に示す連荘時停止図柄テーブルの詳細を示す図である。 図１２に示す引き戻し時停止図柄テーブルの詳細を示す図である。 図１に示すパチンコ機の遊技制御の処理手順を示すフローチャートである。 図１６に示す停止図柄決定処理の手順を示すフローチャートである。 図１６に示す停止図柄決定処理の手順を示すフローチャートである。

以下、発明の実施の形態例を図面を参照して説明する。図１及び図２に示すように、本発明の実施の形態例に係るパチンコ機Ｐは、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠１と、機枠１に扉状に開閉自在に取り付けられた前面枠２と、前面枠２の内側に収容された遊技盤３と、前面枠２の前面に扉状に開閉自在に取り付けられ、中央に大きく開口部８が形成されたガラス扉４と、このガラス扉４の開口部８に取り付けられた透明なガラス板１０と、前面枠２の下側に開閉自在に配設され、遊技球を収容する受皿５を有する前面ボード６と、前面枠２の下部に設けられた発射装置９と、前面ボード６に取り付けられたハンドル７等を具備している。さらに、ガラス扉４の上部にはスピーカ２０が左右に１個ずつ取り付けられており、遊技に関する様々な効果音を発している。

また、図３に示すように、このパチンコ機Ｐは、背面側に、主制御処理部１１と、副制御処理部を構成する演出制御処理部１２ａ、特別図柄表示制御部１２ｂ、ランプ制御処理部１２ｃ、払出制御処理部１２ｅ、および普通図柄表示制御部１２ｆと、発射制御処理部１３と、賞球払出装置１４等を備えている。続いて、図１〜図４を参照して、本実施形態に係るパチンコ機Ｐの構成を詳しく説明していくことにする。

遊技盤３は、その盤面に遊技領域３１を有しており、前面枠２に装着した後、ガラス板１０から遊技領域３１を観察することができる。遊技領域３１は、遊技球を滑走させるガイドレール３２と遊技球規制レール３３によって略円形状となるように区画形成されており、発射装置９によって打ち出された遊技球はこの遊技領域３１内を流下する。また、遊技領域３１内には、特別図柄表示装置１７と、演出表示装置３４と、スルーチャッカ２１と、普通図柄表示装置２２と、電動チューリップ４９と、ステージ３６と、第１始動入賞口（始動口）３７ａおよび第２始動入賞口（始動口）３７ｂと、一般入賞口３８と、アウト口３９と、遊技釘（図示せず）と、風車（図示せず）と、アタッカー装置４１等が設けられている。

なお、本実施形態では、第１始動入賞口３７ａと第２始動入賞口３７ｂとは左右方向に間隔を空けて設けられており、発射装置９の発射強度が弱〜中のとき（所謂、ぶっこみ狙いで遊技球を発射した場合）には、遊技球は演出表示装置３４の左側を流下して第１始動入賞口３７ａに入賞する可能性はあるが、第２始動入賞口３７ｂには入賞することがないように設定されている。それに対して、発射装置９の発射強度を強にして遊技球を発射する（所謂、右打ちを行う）と、遊技球を第２始動入賞口３７ｂに入賞させることができるが、右打ちを行うと、遊技球を第１始動入賞口３７ａに入賞させることは困難となるように設定されている。よって、右打ちを行っている場合には、殆ど第２始動入賞口３７ｂにしか遊技球が入賞することはないのである。なお、第２始動入賞口３７に遊技球が入賞するためには、後述する電動チューリップ４９が開放される必要がある。

演出表示装置３４は、遊技盤３の略中央部に設けられ、第１始動入賞口３７ａおよび第２始動入賞口３７ｂに遊技球が入賞することを契機に行われた特別図柄に係る電子抽選の結果に基づいて所定の演出態様を表示するものであって、本実施形態では液晶表示装置が用いられている。この演出表示装置３４には、所定の演出態様の一部として、特別図柄表示装置１７に変動表示される特別図柄と同期をとってダミー図柄（演出図柄）が変動表示されるようになっている。また、詳しくは後述するが、特図当たりになった場合には、この演出表示装置３４に３つのダミー図柄が所定の態様で停止表示されるようになっており、３つのダミー図柄が奇数図柄で揃うか偶数図柄で揃うかによって、それ以降に有利特図当たりの連荘が約束される場合とそうでない場合とを演出するように構成されている。

なお、この演出表示装置３４には、保留球乱数が保留球乱数記憶部（メモリ）１１５ａ、１１５ｂに記憶された場合に保留表示（保留球乱数が記憶された旨の表示）を行うための表示領域が区画形成されている。つまり、この表示領域の部分が保留球表示装置３４ａとなっているのである。第１始動入賞口３７ａおよび第２始動入賞口３７ｂに遊技球が入賞し、当該入賞により取得した特別図柄用乱数が保留球乱数として記憶されたときに主制御処理部１１から出力されるコマンドを受けると、この保留球表示装置３４ａに所定の保留表示態様が表示される。

また、特別図柄表示装置１７は、第１始動入賞口３７ａおよび第２始動入賞口３７ｂに遊技球が入賞することを契機に行われた特別図柄に係る電子抽選の結果を表示するためのものであって、より具体的には、抽選結果を、特別図柄（数字や絵柄）を変動させた後に停止させるといった態様で表示するものである。この特別図柄表示装置１７は、本実施形態では７セグメント表示器が用いられており、演出表示装置３４を見ている遊技者の視界に同時に入らないように遊技盤３の右下部分に離れて設けられている。

なお、本実施形態では、第１始動入賞口３７ａに遊技球が入賞したことに基づく遊技と、第２始動入賞口３７ｂに遊技球が入賞したことに基づく遊技との優先順位は、遊技球の入賞順である。例えば、先に第１始動入賞口３７ａに遊技球が入賞し、その次に第２始動入賞口３７ｂに遊技球が入賞した場合には、まず第１始動入賞口３７ａに遊技球が入賞したことを契機に電子抽選を行い、その抽選結果に応じた遊技が実行され、その遊技結果が確定した後に第２始動入賞口３７ｂへの遊技球の入賞に基づく遊技が実行されることになる。そのため、第１始動入賞口３７ａと第２始動入賞口３７ｂの両方の抽選結果を同時に表示することはない。よって、２つの始動入賞口３７ａ、３７ｂに遊技球が入賞したことに基づく抽選の結果を１つの特別図柄表示装置１７で表示している。つまり、特別図柄表示装置１７は、本発明の第１特別図柄表示装置および第２特別図柄表示装置の両方を兼ねているのである。勿論、特別図柄表示装置１７を別個に２つ設けることもできることは言うまでもない。

スルーチャッカ２１は、遊技球が通過可能なゲート構造を成しており、その内部には遊技球が通過したことを検知する磁気センサタイプのスルーチャッカ検知センサ４６が内蔵されている。また、このスルーチャッカ２１を遊技球が通過したことを契機に行われる普通図柄に係る電子抽選の結果を表示するための普通図柄表示装置２２が、特別図柄表示装置１７の隣に設けられている。この普通図柄表示装置２２は、本実施形態では、二つのＬＥＤランプで構成されており、普図当たりのときに一方のＬＥＤランプが点灯し、ハズレのときには他方のＬＥＤランプが点灯するようになっている。

電動チューリップ４９は、第２始動入賞口３７ｂの入口に設けられ、遊技盤３の面に直交する軸を中心に回動する一対の羽根部材を備えており、ソレノイドに通電がなされると一対の羽根部材が互いに離れる方向に回動して、第２始動入賞口３７ｂの入口を拡大するようになっている。そして、普通に遊技を行っている状態では、電動チューリップ４９が開放されない限り、第２始動入賞口３７ｂに遊技球が入賞することはない。また、ステージ３６は、演出表示装置３４の下方に配置されており、遊技球が転動しながら一時的に滞在する構造物である。このステージ３６の中央には溝が形成されており、この溝の真下の位置には第１始動入賞口３７ａが配されている。そのため、溝から落下した遊技球は、高い確率で第１始動入賞口３７ａへと導かれる。

アタッカー装置４１は、第１始動入賞口３７ａおよび第２始動入賞口３７ｂに遊技球が入賞することを契機に行われる特別図柄に係る電子抽選の結果、特図当たりとなって当たり遊技に移行した場合に所定回数（２ラウンドまたは１０ラウンド）開放される装置である。このアタッカー装置４１は、水平な軸を中心として前後方向に開閉する板状の蓋部材を備えており、図示しないソレノイドを駆動することにより蓋部材が水平軸回りに回動する構成となっている。そして、蓋部材が開いた状態では遊技領域３１の下部に設けられた大入賞口４２が露呈され、その大入賞口４２に遊技球を入賞させることができる構成となっている。

つまり、アタッカー装置４１は、常態では蓋部材が大入賞口４２を閉じているため、大入賞口４２に遊技球が入賞することはないが、上記したように、当たり遊技に移行すると、蓋部材が開放されて大入賞口４２が露呈されるため、遊技球を大入賞口４２内に入賞させることが可能となるのである。そして、大入賞口４２に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。即ち、遊技者は、大入賞口４２に遊技球を入賞させることによって出玉を獲得できるのである。なお、大入賞口４２は、横長な長方形の開口であり、アタッカー装置４１の蓋部材は、この大入賞口４２の形状とほぼ同じ形状を成している。

また、一般入賞口３８に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。そして、第１始動入賞口３７ａ、第２始動入賞口３７ｂ、一般入賞口３８、およびアタッカー装置４１に入らなかった遊技球は、アウト口３９から回収される。なお、第１始動入賞口３７ａ、第２始動入賞口３７ｂ、一般入賞口３８、大入賞口４２の内部にはそれぞれ遊技球の通過を検知するためのセンサ４３ａ、４３ｂ、４４、４５（図４参照）が設けられている。

前面ボード６には、遊技球を収容するとともに、外部に排出可能な受皿５が取り付けられている。この受皿５は、遊技者が投入した遊技球を収容するだけでなく、賞球払出装置１４から賞球として払い出された遊技球も収容可能となっている。また、遊技球を遊技領域３１に向けて発射するための発射装置９が前面枠２の下部に取り付けられており、受皿５に収容されている遊技球がこの発射装置９に１個ずつ供給される。そして、前面ボード６の右下に取り付けられたハンドル７を回動させると、その回動量に応じた発射強度で発射装置９が遊技球を遊技領域３１へと発射することができるようになっている。また、図１に示すように、受皿５の側部には、遊技者が押下操作するタッチボタン６０が設けられている。

主制御処理部１１は、遊技盤３の裏面に支持部材等を介して設けられている。この主制御処理部１１は、ＣＰＵ（Central Processing Unit）と、予め定められた制御プログラムを格納するＲＯＭ（Read Only Memory）と、生成された処理情報の一時記憶及び記憶した情報の削除を行うＲＡＭ（Random Access Memory）等とにより構成されている。このＣＰＵがＲＯＭに格納された各種プログラムやデータを読み込んで実行することにより、遊技に関する主要な処理が行われる。

具体的には、図４に示すように、始動入賞口３７ａ、３７ｂに遊技球が入賞したことを契機に特別図柄に係る電子抽選を行う特別図柄抽選処理部１１０と、この特別図柄抽選処理部１１０が判定した抽選結果に応じて特別図柄の種類を決定する特別図柄決定部１２０ａ、１２０ｂと、特別図柄の変動時間および演出態様を決めるためのコマンドである変動パターンコマンドを決定するための変動パターンコマンド決定部１３０と、特別図柄に係る遊技状態および普通図柄に係る遊技状態を設定する遊技状態設定部（遊技状態設定手段）１４０と、特別図柄抽選処理部１１０による抽選結果の判定が特図当たりとなった場合にアタッカー装置４１（のソレノイド）を作動させて当たり遊技に移行する当たり遊技制御部（当たり遊技制御手段）１６０と、スルーチャッカ２１を遊技球が通過したことを契機に普通図柄に係る電子抽選を行う普通図柄抽選処理部１７０と、普通図柄の変動時間を決定する普通図柄変動時間決定部１９０と、電動チューリップ４９の作動を制御する電動チューリップ作動制御部１８０とを備えて主制御処理部１１は構成されている。

特別図柄抽選処理部１１０は、図５に示すように、周期的（例えば２ミリ秒毎）に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲で１ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成する特別図柄用乱数発生部（特別図柄用乱数発生手段）１１１と、第１始動入賞口３７ａに遊技球が入賞したことを契機に特別図柄に係る抽選を行うための第１特別図柄抽選部（第１電子抽選手段）１１９ａと、第２始動入賞口３７ｂに遊技球が入賞したことを契機に特別図柄に係る抽選を行うための第２特別図柄抽選部（第２電子抽選手段）１１９ｂとを備えて構成されている。即ち、本実施形態において、特別図柄の抽選は、第１始動入賞口３７ａに入賞したことを契機に行うものと、第２始動入賞口３７ｂに入賞したことを契機に行うものとの２つがある。

第１特別図柄抽選部１１９ａは、第１始動入賞口３７ａに遊技球が入賞したことを契機に（始動入賞口検知センサ４３ａからの検知信号が主制御処理部１１に入力されたタイミングで）乱数を１つ取得（ラッチ）する第１特別図柄用乱数取得部（第１特別図柄用乱数取得手段）１１２ａと、この第１特別図柄用乱数取得部１１２ａが取得した乱数が特図当たりであるか否かを第１特別図柄高確率判定テーブル（第１高確率判定テーブル）１１６ａまたは第１特別図柄低確率判定テーブル（第１低確率判定テーブル）１１７ａを参照して決定する第１特別図柄当否判定部（第１特別図柄当否判定手段）１１３ａと、第１特別図柄用乱数取得部１１２ａが乱数を取得したときに特別図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を保留球乱数として最大４個まで（別言すれば、所定個数である４個の上限まで）記憶する第１保留球乱数記憶部（第１保留球乱数記憶部）１１５ａと、を備えている。ここで、第１特別図柄高確率判定テーブル１１６ａは、第１特別図柄低確率判定テーブル１１７ａよりも特図当たりとなる確率が高くなっている。なお、本実施形態において、第１特別図柄低確率判定テーブル１１７ａが参照されるときの特図当たりの当選確率は、１／２５０であり、第１特別図柄高確率判定テーブル１１６ａが参照されるときの特図当たりの当選確率は１／４０である。

第２特別図柄抽選部１１９ｂも第１特別図柄抽選部１１９ａと同様に、第２始動入賞口３７ｂに遊技球が入賞したことを契機に（始動入賞口検知センサ４３ｂからの検知信号が主制御処理部１１に入力されたタイミングで）乱数を１つ取得（ラッチ）する第２特別図柄用乱数取得部（第２特別図柄用乱数取得手段）１１２ｂと、この第２特別図柄用乱数取得部１１２ｂが取得した乱数が特図当たりであるか否かを第２特別図柄高確率判定テーブル（第２高確率判定テーブル）１１６ｂまたは第２特別図柄低確率判定テーブル（第２低確率判定テーブル）１１７ｂを参照して決定する第２特別図柄当否判定部（第２特別図柄当否判定手段）１１３ｂと、第２特別図柄用乱数取得部１１２ｂが乱数を取得したときに特別図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を保留球乱数として最大４個まで（別言すれば、所定個数である４個の上限まで）記憶する第２保留球乱数記憶部（第２保留球乱数記憶部）１１５ｂと、を備えている。ここで、第２特別図柄高確率判定テーブル１１６ｂは、第２特別図柄低確率判定テーブル１１７ｂよりも特図当たりとなる確率が高くなっている。そして、特図当たりに当選する確率は、第１特別図柄抽選部１１９ａと同一に設定されている。

なお、本実施形態では、第１保留球乱数記憶部１１５ａと第２保留球乱数記憶部１１５ｂの両方に保留球乱数が記憶されている場合には、先に記憶された順（入賞順）に保留球乱数を読み出して特図当たりであるか否かの判定が行なわれ、その判定に従って遊技が進行するような制御がなされている。

本実施形態では、特図当たりの種類として有利特図当たり、不利特図当たり、および小当たりがある。図６に示すように、有利特図当たりは、獲得できる賞球数がおよそ１０００個であり、不利特図当たりＡ，Ｂは共に獲得できる賞球数がおよそ２５０個であり、小当たりは獲得できる賞球数がおよそ０個である。そのため、有利特図当たりは不利特図当たりＡ，Ｂより多くの賞球を獲得できる点で遊技者にとって有利であると言える。また、本実施形態では、第１特別図柄抽選部１１９ａによる抽選で当選可能な特図当たりの種類（特図Ａ）と、第２特別図柄抽選部１１９ｂによる抽選で当選可能な特図当たりの種類（特図Ｂ）が異なるように設定されているうえ、有利特図当たり、不利特図当たりＡ，Ｂに当選すると、その当選に係る当たり遊技の終了後にそれぞれ異なる時短遊技状態が所定回数だけ付与されるが、この点についての詳細は後述する。

次に、第１特別図柄決定部１２０ａおよび第２特別図柄決定部１２０ｂは、特図当たりの種類を決定するためのものである。第１特別図柄抽選部１１９ａおよび第２特別図柄抽選部１１９ｂでは、取得した乱数が特図当たりであるか否かを判定し、その判定結果が特図当たりの場合に、第１特別図柄決定部１２０ａおよび第２特別図柄決定部１２０ｂは、その特図当たりの種類を決定している。

第１特別図柄決定部１２０ａは、第１特別図柄抽選部１１９ａによる抽選結果が特図当たりであった場合に、その特図当たりに対して特別図柄の種類を決定している。具体的には、第１特別図柄決定部１２０ａは、有利特図当たり、不利特図当たりＡ、不利特図当たりＢ、および小当たりのそれぞれに対応した特別図柄の中から１つの特別図柄を乱数抽選して決定する。こうして、特図当たりの種類が決まるのである。これに対して、第２特別図柄決定部１２０ｂでは、特図当たりの種類が有利特図当たりしか存在しないため、第２特別図柄抽選部１１９ｂによる抽選で特図当たりに当選した場合には、常に、第２特別図柄決定部１２０ｂは、その特図当たりの種類を有利特図当たりに決定する。

次に、変動パターンコマンド決定部１３０は、図７に示すように、変動パターンコマンドの決定に用いられる変動パターン用乱数を発生させる変動パターン用乱数発生部１３１と、第１始動入賞口３７ａに遊技球が入賞したことに基づいて変動パターンコマンドを決定するための第１変動パターンコマンド決定部１３０ａと、第２始動入賞口３７ｂに遊技球が入賞したことに基づいて変動パターンコマンドを決定するための第２変動パターンコマンド決定部１３０ｂとを備えて構成されている。

変動パターン用乱数発生部１３１は、周期的（例えば２ミリ秒毎）に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲（０〜９まで）で１ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成するものである。

第１変動パターンコマンド決定部１３０ａは、第１始動入賞口３７ａに遊技球が入賞したことを契機に、変動パターン用乱数発生部１３１により発生した変動パターン用の乱数の中から１つの乱数を取得する第１変動パターン用乱数取得部１３２ａと、この第１変動パターン用乱数取得部１３２ａが取得した乱数を上限４個まで記憶する第１変動パターン用乱数記憶部１３３ａと、変動パターン用乱数と変動パターンＮｏ．とが対応づけられたテーブルが複数記憶された第１変動パターンコマンドテーブル１３４ａと、を備えている。なお、変動パターンコマンド決定部１３０ａは、第１始動入賞口３７ａに遊技球が１個入賞すると、第１特別図柄抽選部１１９ａと同様に、その入賞につき１つの変動パターン用乱数を取得する。

第２変動パターンコマンド決定部１３０ｂも第１変動パターンコマンド決定部１３０ａと同様に、第２始動入賞口３７ｂに遊技球が入賞したことを契機に、変動パターン用乱数発生部１３１により発生した変動パターン用の乱数の中から１つの乱数を取得する第２変動パターン用乱数取得部１３２ｂと、この第２変動パターン用乱数取得部１３２ｂが取得した乱数を上限４個まで記憶する第２変動パターン用乱数記憶部１３３ｂと、変動パターン用乱数と変動パターンＮｏ．とが対応づけられたテーブルが複数記憶された第２変動パターンコマンドテーブル１３４ｂと、を備えている。なお、変動パターンコマンド決定部１３０ｂは、第２始動入賞口３７ｂに遊技球が１個入賞すると、第２特別図柄抽選部１１９ｂと同様に、その入賞につき１つの変動パターン用乱数を取得する。

第１変動パターンコマンドテーブル１３４ａには、図８に示すように、第１特別図柄抽選部１１９ａによる抽選で特図当たりに当選した場合に参照される特図変動テーブルＡ（１３４ａ−１）と、第１特別図柄抽選部１１９ｂによる抽選でハズレとなった場合に参照される特図変動テーブルＢ（１３４ａ−２）および特図変動テーブルＣ（１３４ａ−３）の３つのテーブルが記憶されており、それぞれのテーブルは、変動パターン用乱数と変動パターンＮｏ．が予め対応づけられた構成となっている。つまり、変動パターン用乱数が決まると、その変動パターン用乱数から変動パターンＮｏ．（変動パターンコマンド）が自ずと決まり、その変動パターンＮｏ．に対応する変動時間が決まるようになっている。なお、第２変動パターンコマンドテーブル１３４ｂの構成は、第１変動パターンコマンドテーブル１３４ａと同じであるため、図示およびここでの説明は省略する。また、本実施形態例では、変動パターン用乱数を０〜９までの１０個、変動パターンＮｏ．を当たり用としてＮｏ．１〜Ｎｏ．１０、ハズレ用としてＮｏ．１１〜Ｎｏ．３０までとしているが、変動パターン用乱数の数や変動パターンＮｏ．の数は適宜設定すれば良い。

ここで、本実施形態では、第１始動入賞口３７ａに遊技球が入賞したタイミングで変動パターン用乱数を取得する。そして、この入賞で直ちに遊技が開始する場合には、この変動パターン用乱数に基づいて、第１変動パターンコマンド決定部１３０ａは変動パターンコマンド（変動パターンＮｏ．）を決定している。この入賞が特別図柄の変動中であったため、この入賞に基づいて取得した特別図柄用乱数が保留球乱数として第１保留球乱数記憶部１１５ａに記憶される場合には、当該保留球乱数に基づく遊技が開始するまで、この取得した変動パターン用乱数は、第１変動パターン用乱数記憶部１３３ａに記憶されている。そして、保留球乱数に基づく遊技が開始される際には、第１変動パターン用乱数記憶部１３３ａに記憶されている変動パターン用乱数を再び読み出して、第１変動パターンコマンドテーブル１３４ａを参照して変動パターンコマンドが決定されるようになっている。

なお、第２始動入賞口３７ｂに遊技球が入賞した場合も第１始動入賞口３７ａに遊技球が入賞した場合と同様の処理を行って変動パターンコマンドを決定しているため、ここでの説明は省略する。

一方、普通図柄抽選処理部１７０は、図９に示すように、普通図柄用の乱数を発生させる普通図柄用乱数発生部（普通図柄用乱数発生手段）１７１と、スルーチャッカ２１を遊技球が通過したことを契機に普通図柄に係る電子抽選を行う普通図柄抽選部（普通図柄抽選手段）１７７とを備えて構成されている。この普通図柄抽選部１７７は、スルーチャッカ２１を遊技球が通過したことを契機に（スルーチャッカ検知センサ４６からの検知信号が主制御処理部１１に入力されたタイミングで）乱数を１つ取得（ラッチ）する普通図柄用乱数取得部（普通図柄用乱数取得手段）１７２と、この普通図柄用乱数取得部１７２が取得した乱数が普図当たりであるか否かを、判定テーブルを参照して決定する普通図柄当否判定部（普通図柄当否判定手段）１７３と、普通図柄用乱数取得部１７２が乱数を取得したときに普通図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を普通図柄用の保留球乱数として記憶する普通図柄用保留球乱数記憶部１７４と、判定テーブルとして、普図当たりに当選する確率が低い普通図柄低確率判定テーブル１７６と、この普通図柄低確率判定テーブル１７６よりも普図当たりに当選する確率が高い普通図柄高確率判定テーブル１７５とを備えている。なお、普通図柄用乱数発生部１７１は、特別図柄用乱数発生部１１１より発生する乱数は少ないが、乱数を発生させるための構成は同じである。

また、普通図柄変動時間決定部１９０は、図１０に示すように、普図変動パターンコマンドの決定に用いられる普図変動パターン用乱数を発生させる変動パターン用乱数発生部１９１と、スルーチャッカ２１を遊技球が通過したことを契機に、普図変動パターン用乱数発生部１９１により発生した普図変動パターン用の乱数の中から１つの乱数を取得する普図変動パターン用乱数取得部１９２と、この普図変動パターン用乱数取得部１９２が取得した乱数を上限４個まで記憶する普図変動パターン用乱数記憶部１９３と、普図変動パターン用乱数と変動パターンＮｏ．とが対応づけられたテーブルが複数記憶された普図変動パターンコマンドテーブル１９４と、を備えている。なお、普通図柄変動時間決定部１９０は、スルーチャッカ２１を遊技球が１個通過すると、その通過につき１つの普図変動パターン用乱数を取得する。

普図変動パターン用乱数発生部１９１は、周期的（例えば２ミリ秒毎）に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲（０〜４まで）で１ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成するものである。

普図変動パターンコマンドテーブル１９４には、図示はしないが、２つの普図変動テーブルが記憶されており、それぞれのテーブルは、普図変動パターン用乱数と変動パターンＮｏ．が予め対応づけられた構成となっている。つまり、普図変動パターン用乱数が決まると、その普図変動パターン用乱数から変動パターンＮｏ．（普図変動パターンコマンド）が自ずと決まり、その変動パターンＮｏ．に対応する変動時間が決まるようになっている。

なお、２つの普図変動テーブルのうち、一方の普図変動テーブルａには、１０秒の変動時間が記憶されており、他方の普図変動テーブルｂには、０．６秒の変動時間が記憶されている。普図通常遊技状態（後述）では、普図変動テーブルａが参照され、時短遊技状態（後述）では、普図変動テーブルｂが参照されるようになっている。

次に、図４に示す電動チューリップ作動制御部１８０は、普通図柄抽選処理部１７０による電子抽選で普図当たりに当選した旨のコマンドに基づいて、電動チューリップ４９のソレノイドに通電して開閉するよう制御している。ここで、普通図柄高確率判定テーブル１７５が参照されている時短遊技状態（後述）では、普通図柄抽選部１７７による電子抽選に当選する確率が高いため、普通図柄低確率判定テーブル１７６が参照されている普図通常遊技状態（後述）に比べて、電動チューリップ４９が頻繁に開くため、遊技者は、遊技球をあまり減らすことなく遊技を行うことができる。

なお、電動チューリップ作動制御部１８０は、普通図柄高確率判定テーブル１７５が参照される時短遊技状態（後述）では、１回の普図当たりに対して、電動チューリップ４９を開放時間２．９秒で２回開放するよう制御し、普通図柄低確率判定テーブル１７６が参照される普図通常遊技状態（後述）では、１回の普図当たりに対して、電動チューリップ４９を開放時間０．２秒で１回開放するよう制御している。

また、当たり遊技制御部１６０は、特別図柄抽選処理部１１０による電子抽選の結果が特図当たりとなった場合に、アタッカー装置４１を作動して、当たり遊技を提供するためのものである。本実施形態の当たり遊技は、ラウンド遊技が２回または１０回連続して連続して行なわれる構成となっている。ここで、ラウンド遊技とは、アタッカー装置４１が少なくとも１回開閉し、アタッカー装置４１の開放中に大入賞口４２に遊技球が所定個数入賞するか、ラウンド遊技の開始から所定時間経過するかの何れかの終了条件が成立すると終了となる遊技である。

より詳細に言えば、有利特図当たりに当選すると、アタッカー装置４１が長時間（３０秒または遊技球が９個入賞するまでの時間の何れか早い方）開くラウンド遊技が１０回行われ、大入賞口４２に遊技球が入賞することにより、およそ１０００個の賞球の獲得が可能となる。これに対して、不利特図当たりＡおよび不利特図当たりＢは、ラウンド遊技の回数（ラウンド数）は同じ１０回であるものの、１回のラウンド遊技におけるアタッカー装置４１の開放時間が有利特図当たりに比べて短いため、およそ２５０個の賞球しか獲得できない。また、小当たりに当選した場合には、１回のラウンド遊技におけるアタッカー装置４１の開放時間が不利特図当たりＡ，Ｂに比べてさらに短くなっており、しかも、ラウンド遊技が２回しか行われないため、賞球の獲得を望むことはできないようになっている。

次に、図４に示す遊技状態設定部１４０について説明する。まず、本実施形態において、特別図柄に係る遊技状態として、第１特別図柄当否判定部１１３ａが第１特別図柄低確率判定テーブル１１７ａを参照し、第２特別図柄当否判定部１１３ｂが第２特別図柄低確率判定テーブル１１７ｂを参照する「特図通常遊技状態」と、第１特別図柄当否判定部１１３ａが第１特別図柄高確率判定テーブル１１６ａを参照し、第２特別図柄当否判定部１１３ｂが第２特別図柄高確率判定テーブル１１７ｂを参照する「確率変動状態」と、が設定されている。また、普通図柄に係る遊技状態として、普通図柄当否判定部１７３が普通図柄低確率判定テーブル１７６を参照する「普図通常遊技状態」と、普通図柄当否判定部１７３が普通図柄高確率判定テーブル１７５を参照する「時短遊技状態」とが設定されている。

そして、遊技状態設定部１４０は、特図通常遊技状態のもとで行われた遊技で特図当たりに当選し、その当選から数えて予め定めた７回（本実施形態において、Ｎ＝７である）の特図当たりに当選するまでの間の特別図柄に係る遊技状態を確率変動状態に設定し、７回目の当選に基づいて提供された当たり遊技後の特別図柄に係る遊技状態を特図通常遊技状態に設定する。これにより、特図通常遊技状態において、ひとたび特図当たりに当選すると、その特図当たり後は特別図柄に係る遊技状態が確率変動状態となり、特図当たりに当選する確率が高くなるから、連続的に７回の特図当たりに当選することができるのである。つまり、本実施形態に係るパチンコ機は７回の特図当たりを１セットとして獲得できるリミッタ機の仕様である。

なお、小当たりに当選した場合には、遊技状態設定部１４０は、小当たり後の遊技状態（特別図柄に係る遊技状態と普通図柄に係る遊技状態の両方）を小当たり前と同じ遊技状態に移行するよう制御している。即ち、特図通常遊技状態において小当たりに当選した場合には、小当たり後の遊技状態は特図通常遊技状態となり、確率変動状態において小当たりに当選した場合には、小当たり後の遊技状態は確率変動状態となる。普通図柄に係る遊技状態についても同じである。

また、遊技状態設定部１４０は、普通図柄に係る遊技状態を、特図当たりの種類と特図当たり当選時の遊技状態に応じて、所定の状態に設定するようにしている。この点について、図６を参照しながら詳しく説明する。まず、図６には、特図当たり時の遊技状態として、「低確」、「時短」、「確変」、「内確」、「確変リミッタ時」、「内確リミッタ時」の６つが記載されているため、これらの遊技状態についてそれぞれ説明する。「低確」とは、特別図柄に係る遊技状態が特図通常遊技状態となっており、普通図柄に係る遊技状態が普図通常遊技状態となっている状態のことである。「時短」とは、特別図柄に係る遊技状態が特図通常遊技状態となっており、普通図柄に係る遊技状態が時短遊技状態となっている状態のことである。「確変」とは、特別図柄に係る遊技状態が確率変動状態となっており、普通図柄に係る遊技状態が時短遊技状態となっている状態のことである。「内確」とは、特別図柄に係る遊技状態が確率変動状態となっており、普通図柄に係る遊技状態が普図通常遊技状態となっている状態のことである。「確変リミッタ時」とは、特図当たりが７回目（上限回数到達時）であり、特別図柄に係る遊技状態が確率変動状態となっており、普通図柄に係る遊技状態が時短遊技状態となっている状態のことである。「内確リミッタ時」とは、特図当たりが７回目（上限回数到達時）であり、特別図柄に係る遊技状態が確率変動状態となっており、普通図柄に係る遊技状態が普図通常遊技状態となっている状態のことである。

有利特図当たりに当選し、当選時の遊技状態が「低確」、「時短」、「確変」、「内確」の場合には、遊技状態設定部１４０は、その有利特図当たりに基づく当たり遊技終了後の普通図柄に係る遊技状態を１００００回の遊技回数だけ時短遊技状態に設定する。ここで、上述したように、１回目の特図当たり以降は７回目の特図当たり当選時まで特別図柄に係る遊技状態は確率変動状態（当選確率は１／４０）となっていることから、次回の特図当たりに当選するまでに１００００回の遊技回数を要することは皆無である。よって、遊技回数を１００００回だけ時短遊技状態にするということは、次回の特図当たりに当選するまで普通図柄に係る遊技状態を時短遊技状態にすることと等しいと言える。

また、有利特図当たりに当選し、当選時の遊技状態が、「確変リミッタ時」、「内確リミッタ時」の場合には、遊技状態設定部１４０は、その有利特図当たりに基づく当たり遊技終了後の普通図柄に係る遊技状態を１００回の遊技回数だけ時短遊技状態に設定する。よって、７回の特図当たり後の遊技状態は、特別図柄に係る遊技状態は特図通常遊技状態であり、１００回だけ普通図柄に係る遊技状態が時短遊技状態となり、１０１回目からは普通図柄に係る遊技状態は普図通常遊技状態に設定されることとなる。

これに対して、不利特図当たりＡは、当選時の遊技状態が、「低確」の場合、時短遊技状態が３０回しか設定されないうえ、「内確」、「内確リミッタ時」の場合には、時短遊技状態は０回である。また、不利特図当たりＢは、当選時の遊技状態が、「低確」の場合、時短遊技状態が０回に設定されるうえ、「内確」、「内確リミッタ時」の場合にも、時短遊技状態は０回である。

このように、遊技状態設定部１４０は、特図当たりの種類に応じて、普通図柄に係る遊技状態の設定を異なるようにしている。つまり、特図当たりに基づく当たり遊技終了後に、時短を何回付与するかが異なっているのである。そして、先にも少し触れたが、本実施形態では、第１特別図柄抽選部１１９ａによる抽選では、有利特図当たり、不利特図当たりＡ，Ｂ、小当たりの何れかに当選するが、第２特別図柄抽選部１１９ｂによる抽選では、有利特図当たりにしか当選しない。このことは、一度有利特図当たりに当選すると、それ以降は次回の特図当たりまで時短遊技状態が続き（正確には１００００回）、時短遊技状態で遊技を行うと電動チューリップ４９が頻繁に開くため、第２特別図柄抽選部１１９ｂによる抽選が行われ、次回の特図当たりもまた有利特図当たりに当選することを意味する。つまり、有利特図当たりに当選してからは、それ以降Ｎ回目の当選まで有利特図当たりが連荘するということである。なお、右打ちしている場合には、殆どの遊技球は、第２始動入賞口３７ｂにしか入賞しないので、第１始動入賞口３７ａに遊技球が入賞して不利特図当たりＡ，Ｂや小当たりに当選する心配はない。

即ち、本実施形態に係るパチンコ機は、最初の有利特図当たりの当選が、１回目〜７回目までの間の何回目であるかに応じて、有利特図当たりの連荘回数が決まるのである。この点について、図１１を参照しながら説明を補足する。

（ａ）１回目〜７回目まで全て不利特図当たりＢのときは、各不利特図当たりＢに基づく当たり遊技でおよそ２５０個の賞球を獲得できるが、時短が０回なので、次の不利特図当たりＢに当選するまでの間に遊技球が減ってしまう。よって、７回の特図当たりに当選したにも拘わらず、賞球はあまり見込めないことになる。

（ｂ）１回目〜６回目までは不利特図当たりＢに当選したが、７回目でようやく有利特図当たりに当選したので、その有利特図当たりに基づく当たり遊技でおよそ１０００個の賞球を獲得できる。このケースでは、有利特図当たりの連荘回数は１回である。

（ｃ）１回目〜５回目までは不利特図当たりＢに当選したが、６回目で有利特図当たりに当選した場合には、次回特図当たりに当選するまで時短遊技状態となる。遊技者が右打ちすると、遊技球がスルーチャッカ２１を通過し、それを契機に行われる普通図柄抽選部１７７による抽選で普図当たりに当選する確率が高いため、時短遊技状態では電動チューリップ４９が頻繁に開放される。そして、電動チューリップ４９が開放している間に第２始動入賞口３７ｂに遊技球が入賞し、その入賞を契機に行われる第２特別図柄抽選部１１９ｂによる抽選で特図当たりに当選すると、その当選は全て有利特図当たりとなるので、６回目と７回目の特図当たりが有利特図当たりとなる。つまり、６回目で有利特図当たりに当選すると、有利特図当たりが２連荘することとなる。そして、２回分の有利特図当たりに基づく当たり遊技にて、およそ２０００個の賞球を獲得することができる。

（ｄ）１回目〜４回目までは不利特図当たりＢに当選したが、５回目で有利特図当たりに当選した場合には、その後の時短遊技状態において上記（ｃ）と同様に遊技者が右打ちすることにより、５回目〜７回目までの特図当たりが有利特図当たりとなる。つまり、５回目で有利特図当たりに当選すると、有利特図当たりが３連荘することとなる。そして、３回分の有利特図当たりに基づく当たり遊技にて、およそ３０００個の賞球を獲得することができる。

（ｅ）１回目〜３回目までは不利特図当たりＢに当選したが、４回目で有利特図当たりに当選した場合には、その後の時短遊技状態において上記（ｃ）と同様に遊技者が右打ちすることにより、４回目〜７回目までの特図当たりが有利特図当たりとなる。つまり、４回目で有利特図当たりに当選すると、有利特図当たりが４連荘することとなる。そして、４回分の有利特図当たりに基づく当たり遊技にて、およそ４０００個の賞球を獲得することができる。

（ｆ）１回目〜２回目までは不利特図当たりＢに当選したが、３回目で有利特図当たりに当選した場合には、その後の時短遊技状態において上記（ｃ）と同様に遊技者が右打ちすることにより、３回目〜７回目までの特図当たりが有利特図当たりとなる。つまり、３回目で有利特図当たりに当選すると、有利特図当たりが５連荘することとなる。そして、５回分の有利特図当たりに基づく当たり遊技にて、およそ５０００個の賞球を獲得することができる。

（ｇ）１回目は不利特図当たりＢに当選したが、２回目で有利特図当たりに当選した場合には、その後の時短遊技状態において上記（ｃ）と同様に遊技者が右打ちすることにより、２回目〜７回目までの特図当たりが有利特図当たりとなる。つまり、２回目で有利特図当たりに当選すると、有利特図当たりが６連荘することとなる。そして、６回分の有利特図当たりに基づく当たり遊技にて、およそ６０００個の賞球を獲得することができる。

（ｈ）１回目からいきなり有利特図当たりに当選した場合には、その後の時短遊技状態において上記（ｃ）と同様に遊技者が右打ちすることにより、１回目〜７回目までの特図当たりが全て有利特図当たりとなる。つまり、１回目で有利特図当たりに当選すると、有利特図当たりが７連荘することとなる。そして、７回分の有利特図当たりに基づく当たり遊技にて、およそ７０００個の賞球を獲得することができる。

そして、上記（ｂ）〜（ｈ）の何れの場合においても、７回目の有利特図当たりに基づく当たり遊技が終了すると、時短遊技状態が１００回付与されるため、この時短遊技状態中に特図当たりに当選すれば、その後は、上記（ｈ）のように有利特図当たりが７回連荘するというゲームの流れとなる。このように、本実施形態に係るパチンコ機は、一度有利特図当たりに当選すると、そこから７回目までは、遊技者が右打ちしている限り、まず間違いなく有利特図当たりが連荘するのである。そして、７回目の有利特図当たり後は特図通常遊技状態となるため特図当たりの当選確率は低くなるものの、１００回の時短遊技状態の間に特図当たりに当選すると、そこから７連荘が上乗せされることになる。

ここまで、主に主制御処理部１１が行う各処理およびゲーム性について説明したが、ここからは、主制御処理部１１から指令（コマンド）を受けて各種装置を制御する副制御処理部について説明する。副制御処理部を構成する演出制御処理部１２ａ、特別図柄表示制御部１２ｂ、ランプ制御処理部１２ｃ、払出制御処理部１２ｅ、および普通図柄表示制御部１２ｆは、遊技盤３の裏面に支持部材等を介して設けられており、主制御処理部１１が生成した処理情報に従って、演出表示装置３４やスピーカ２０、その他の演出装置（ＬＥＤ装置など）などの制御を行う装置である。

特別図柄表示制御部１２ｂは、変動パターンコマンド決定部１３０が決定した変動パターンコマンドに基づき、特別図柄表示装置１７に特別図柄を所定の時間だけ変動させた後に停止させる態様で表示する。一方、普通図柄表示制御部１２ｆは、普通図柄抽選処理部１７０による普通図柄に係る抽選結果のコマンドと普通図柄変動時間決定部１９０が決定した普通図柄の変動時間のコマンドとを受け、それらのコマンドに基づいて普通図柄表示装置２２に普通図柄を所定の時間だけ変動させた後に停止させる態様で表示するよう制御している。なお、普通図柄表示制御部１２ｆは、上記した特別図柄表示制御部１２ｂによる表示制御と比べて表示する図柄の対象が相違するものの、表示制御の基本構成はほぼ同じである。また、ランプ制御処理部１２ｃは、主制御処理部１１からコマンドを受けて各種ランプや電飾の点灯制御を行うものである。

払出制御処理部１２ｅは、ＣＲユニットからの信号を受けて遊技球を遊技者に貸し出すように賞球払出装置１４を制御する他、主制御処理部１１からの払出指令を受けて、所定個数の賞球を遊技者に対して払い出すように賞球払出装置１４を制御する。この賞球払出装置１４は、遊技球を１個ずつ保持する切欠きが形成されたスプロケット（図示せず）と、このスプロケットを回転させるモータ（図示せず）とを備えて構成されている。そして、モータの回転を制御することにより、必要な数だけ賞球を払い出すことができるようになっている。具体的には、始動入賞口検知センサ４３ａ、４３ｂ、一般入賞口検知センサ４４、大入賞口検知センサ４５等が遊技球の通過を検知したら、賞球払出装置１４は主制御処理部１１を経由して受けたコマンドに基づき遊技球を払い出す。

発射制御処理部１３は、ハンドル７の回動量に応じて、発射装置９に対する作動の制御を行う装置である。より具体的に言うと、発射装置９に対して通電させたり、通電を停止したり、あるいは、通電電流を変化させるといった制御処理を行う。なお、この発射制御処理部１３は、払出制御処理部１２ｅと接続されており、ＣＲユニットが接続されていない場合に発射停止信号が受信されるようになっている。

次に、演出制御処理部１２ａについて、図１２を参照しながら詳しく説明する。演出制御処理部１２ａは、処理部として、演出態様を決定するための演出態様決定部２１０と、ダミー図柄（演出図柄）の停止態様である停止図柄を決定する停止図柄決定部２３０と、演出態様決定部２１０が決定した演出態様および停止図柄決定部２３０が決定した停止図柄を演出表示装置３４に表示するよう制御する演出表示制御部（演出表示制御手段）２２０と、を備えて構成されている。また、演出制御処理部１２ａは、記憶部として、演出態様記憶部２６０を備えている。この演出態様記憶部２６０には、複数種類の演出パターンが記憶された演出パターンテーブル２６１と、複数種類の停止図柄の表示順序が記憶された連荘時停止図柄テーブル（個別停止態様テーブル）２６２と、１セット目の７回目の特図当たり後に付与される時短遊技状態において特図当たりに当選した場合おける停止図柄の表示順序が記憶された引き戻し時停止図柄テーブル（共通停止態様テーブル）２６３とが格納されている。

演出パターンテーブル２６１は、演出態様決定部２１０が演出態様を決定するために参照するテーブルである。演出パターンテーブル２６１は、図１３に示すように、遊技コマンド（変動パターンコマンド）に演出パターンが対応付けられた構成となっている。例えば、遊技コマンドＮｏ．１＋「図柄」には、変動時間３０秒の「ノーマルリーチＡ１」と「ノーマルリーチＡ２」が対応する演出パターンとして記憶されており、遊技コマンドＮｏ．１３には、変動時間１０秒の「リーチなしＢ」が対応する演出パターンとして記憶されている。

演出態様決定部２１０は、遊技の開始時に、当該遊技に係る遊技コマンドに基づいて演出態様記憶部２６０に記憶されている演出パターンテーブル２６１を参照しながら、今回用いる演出パターンを決定する。例えば、遊技コマンドとして「Ｎｏ．１５」が演出制御処理部１２ａに送られてきた場合には、演出態様決定部２１０は、演出パターンテーブル２６１を参照して、遊技コマンド「Ｎｏ．１５」に対応する演出パターン「ノーマルリーチＡ１」または「ノーマルリーチＡ２」の中から一方の演出パターンを抽選により決定する。

そして、演出表示制御部２２０は、演出態様決定部２１０が決定した演出パターンを演出表示装置３４に表示するための制御を行っている。例えば、演出パターンとして「スーパーリーチＡ１」が決定された場合には、演出表示制御部２２０は、複数の演出図柄が変動を開始し、１つの演出図柄を残して他の全ての演出図柄を同一図柄で停止してリーチ演出を行い、さらにスーパーリーチ演出に発展した後に、全ての演出図柄を停止して遊技の結果を表示するといった内容の演出の表示制御を行っている。また、演出表示制御部２２０は、特図当たりに当選したときに、所定の演出パターンを表示した後に、以下に述べるように所定の停止図柄を演出表示装置３４に表示する制御も行っている。

次に、連荘時停止図柄テーブル２６２の詳細について、図１４を参照しながら説明する。連荘時停止図柄テーブル２６２には、Ｍ＝１〜７までのそれぞれに対応して７つの停止図柄テーブル２６２ａ〜ｇが記憶されている。７つのテーブルには、それぞれ、今回の有利特図当たりを含めて連荘する回数だけ停止図柄の種類が定められている。例えば、Ｍ＝１に対応する停止図柄テーブル２６２ａについて説明すると、Ｍ＝１ということは、１セットを構成する特図当たりのうち１番目でいきなり有利特図当たりに当選したということになる。この場合、上述したように、７連荘の有利特図当たりが約束されているため、停止図柄テーブル２６２ａには、予め７連荘分の停止図柄の表示順序が決められている。この表示順序はパターン１〜１９まで複数のパターンが用意されていて、例えば、表示順序パターン１では、初回が確変図柄、２回目は確変図柄、３回目は確変図柄、４回目は確変図柄、５回目は確変図柄、６回目は通常図柄、７回目は通常図柄が有利特図当たり当選時に演出表示装置３４に表示されるように、予め決められているのである。なお、確変図柄は本発明の連荘停止態様に相当し、本実施形態では奇数図柄で構成されている。また、通常図柄は本発明の単発停止態様に相当し、本実施形態では偶数図柄で構成されている。

ここで、確変図柄は、今回の有利特図当たりを除いてあと２回（Ａ＝２）の有利特図当たりが約束されていることを示す図柄として機能するが、通常図柄は、あと何回有利特図当たりに当選するかは不明であることを示す図柄として機能している。そのため、遊技者は、確変図柄が表示されると、今回の当たりも含めて３連荘が約束されることを知って、自らの技量や運で３連荘を獲得したかのような気持ちになり興奮気味に遊技を行うこととなる一方、通常図柄が表示されると、遊技者は、今回の当たりがリミッタの上限であるかもしれないと思いつつも、まだリミッタの上限ではないと期待しながら遊技を行うこととなる。

なお、Ｍ＝１〜５のそれぞれの停止図柄テーブル２６２ａ〜ｅにおいて、残り２回分の有利特図当たり時の停止図柄は、必ず通常図柄が表示されるように予め定められている。具体的に言うと、停止図柄テーブル２６２ａでは、６回目と７回目は１〜１９の何れの表示順序パターンにおいても必ず通常図柄が表示されるような表示順序となっている。これは、残り２回でリミッタの上限に到達するため、確変図柄を表示させると、そこから２回分さらに有利特図当たりを約束することができないからである。例えば、６回目に確変図柄を表示させると、６回目を含めて３連荘の有利特図当たりが約束されたことを遊技者に示すことになるが、実際には７回目でリミッタの上限に到達してしまい、８回目の有利特図当たりは補償されないことになる。このような矛盾を防ぐために、６回目と７回目は必ず通常図柄が表示されるようにしているのである。これは、他の停止図柄テーブルでも同様である。また、Ｍ＝６の停止図柄テーブル２６２ｆおよびＭ＝７の停止図柄テーブル２６２ｇについては、連荘回数が２回以下であるため、常に通常図柄が表示される内容となっている。

また、７回目の特図当たり終了後に付与される１００回の時短遊技状態において運良く有利特図当たりに当選すると、そこからさらに２セット目の７連荘が約束されることになる。そのため、本実施形態では、引き戻し時停止図柄テーブル２６３を備えている。この引き戻し時停止図柄テーブル２６３にも７連荘分の有利特図当たり時の停止図柄の表示順序を予め定めた共通表示順序パターンが１２パターン記憶されている。なお、この引き戻し時停止図柄テーブル２６３に記憶されている表示順序パターンにおいても、上記と同様の理由により、６回目と７回目は必ず通常図柄で停止するよう予め決められている。また、表示パターン１〜８までは、初回の停止図柄が確変図柄であり、表示パターン９〜１２までは初回の停止図柄が通常図柄である。

このように構成された停止図柄テーブル２６２ａ〜ｇ、および引き戻し時停止図柄テーブル２６３に従って特図当たり時の停止図柄を表示することにより、遊技者は、確変図柄と通常図柄の表示に一喜一憂しながら、確変図柄が表示されることにより、自らの技量と運で有利特図当たりを連荘させたかのような気持ちに至るため、リミッタ機であっても、確変機を遊技しているかのような錯覚に陥るのである。

また、確変図柄と通常図柄を予め定めた順番で表示するようにしたことで、有利特図当たりに最初に当選した順番が、１回目〜７回目のうち何番目であるかが予測し難い。よって、遊技者はあと何連荘するか分からないので、遊技にどんどんのめり込んでいくことになる。例えば、１セット目の初回（１回目）で有利特図当たりに当選した場合、Ｍ＝１の停止図柄テーブル２６２ａ（図１４）が参照され、表示順序パターン７が抽選で決定されたとすると、まず初回の有利特図当たり当選時に、演出表示装置３４に、「確変図柄」が表示される。そして、２回目は「通常図柄」、３回目は「通常図柄」、４回目は「通常図柄」、５回目は「確変図柄」、６回目は「通常図柄」、７回目は「通常図柄」が表示されることとなる。

さらに、７回目の有利特図当たり終了後の１００回の時短遊技状態中に再び有利特図当たりに当選すると、引き戻し時停止図柄テーブル２６３（図１５）が参照されて、例えば、共通表示順序パターン６が抽選で決定されたとすると、２セット目の初回の有利特図当たり時に、演出表示装置３４に「確変図柄」が表示され、２回目は「通常図柄」、３回目は「通常図柄」、４回目は「確変図柄」、５回目は「確変図柄」、６回目は「通常図柄」、７回目は「通常図柄」が表示される。

このとき、演出表示装置３４には、有利特図当たりに当選する毎に、「確変図柄」と「通常図柄」の何れかが表示されるだけであり、あと何回特図当たりに当選するかという情報が表示される訳ではないので、遊技者にとってみれば、確変図柄が表示されるとあと２回の当たり遊技が約束される一方、通常図柄が表示されると今回の当たり遊技がリミッタである７回目であるかもしれないということしか分からない。そのため、上記の例だと、１セット目の初回に確変図柄が表示され、遊技者は今回の当たりを含めて３連荘は約束されたと思うが、３回目が通常図柄なので、３回目の有利特図当たりが実は特図当たりの７回目（リミッタ到達）であるため、その後の１００回の時短遊技状態になるのではないかとも思う。そして、４回目の通常図柄（白抜き文字）を見て、遊技者は、内部的には１セット目の４回目の有利特図当たりであるにも拘わらず、７回目の特図当たり後の時短遊技状態１００回の間に、自らの技量と運で有利特図当たりに当選した（引き戻した）のではないかとの憶測を働かせ、この４回目から有利特図当たりが７連荘するのではないかと大いに期待することになる。

そして、遊技者が１セット目の４回目を２セット目の初回と思い込んで遊技していると、内部的に２セット目の３回目の通常図柄が表示された時点で、１セット目の４回目から７連荘したので２セット目の３回目の通常図柄が表示されたことにより、７回のリミットに到達したので、その後１００回の時短遊技状態が付与されるはずであると思ってしまう。しかし、内部的には２セット目の３回目なので、当然そのまま遊技を継続していると２セット目の４回目の有利特図当たりに当選する。図１５の共通表示順序パターン６では、４回目が確変図柄（白抜き文字）になっているので、２セット目の４回目の有利特図当たり当選時には、演出表示装置３４に確変図柄が表示される。２セット目の３回目でリミットに到達したと思い込んでいる遊技者は、この確変図柄の表示を見て、３セット目の初回の特図当たりを自らの技量と運で勝ち取ったという優越感に浸ることとなる。

このように、本実施形態では、一度有利特図当たりに当選し、リミッタ到達後の時短遊技１００回の間に再び有利特図当たりに当選した場合、有利特図当たりが何連荘もすることになるが、停止図柄テーブル２６２ａ〜ｇおよび引き戻し時停止テーブル２６３により巧みに通常図柄と確変図柄の表示順序を定めているので、遊技者は、有利特図当たりが何連荘するのか予測することができないのである。そして、何連荘するか分からないように演出表示がなされるので、遊技者は、確変図柄が表示されるたびに自らの技量と運で有利特図当たりを連荘させたという気持ちになるのである。つまり、本実施形態は、リミッタ機であるにも拘わらず、確変機のような演出を行うことができるのである。なお、図１４および図１５において、白抜き文字は、その回の有利特図当たりが次セットの初回の当たりであるかもしれないと遊技者に思い込ませることができる当たりであることを示している。

次に、本発明の実施の形態例に係るパチンコ機Ｐの遊技処理の手順について図１６を参照して説明するが、第１始動入賞口３７ａと第２始動入賞口３７ｂのどちらの始動入賞口に遊技球が入賞しても遊技処理の手順は同じであるため、以下では、第１始動入賞口３７ａに遊技球が入賞した場合について説明することとする。

なお、上述したように第２始動入賞口３７ｂは、通常、電動チューリップ４９が閉じており、第２始動入賞口３７ｂの入口の釘が邪魔をして、遊技球が内部に入ることはできない。そのため、遊技者は、まず第１始動入賞口３７ａを狙って遊技球を打ち出すこととなる。そして、特図当たりに当選し、その後の時短遊技状態が付与された場合には、電動チューリップ４９が頻繁に開放されるため、遊技者は第２始動入賞口３７ｂを狙って右打ちする。このように、本実施形態のパチンコ機Ｐは、遊技状態に応じて第１始動入賞口３７ａと第２始動入賞口３７ｂの何れかに狙いを定めて遊技球を打ち出す技量が遊技者に要求されるのである。

まず、ステップＳ１において、遊技球が第１始動入賞口３７ａに入賞したか否かを主制御処理部１１は判断する。入賞した場合（ステップＳ１でＹｅｓ）には、第１特別図柄用乱数取得部１１２ａは特別図柄用乱数を取得し、第１変動パターン用乱数取得部１３２ａは変動パターン用乱数を取得する（ステップＳ２）。なお、このステップＳ２にて、第１特別図柄決定部１２０ａは、図柄乱数を取得する。次いで、特別図柄が変動中の場合（ステップＳ３でＹｅｓ）には、第１特別図柄抽選部１１９ａは、ステップＳ２で取得した特別図柄用乱数を第１保留球乱数記憶部１１５ａに記憶し、変動パターン用乱数を第１変動パターン用乱数記憶部１３３ａに記憶（ステップＳ１４）した後、ステップＳ３の手前まで戻って、今回の入賞に係る遊技の順番が来るまで待機する。

特別図柄が変動中でなく、今回の入賞に係る遊技の処理を進めることができる場合（ステップＳ３でＮｏ）には、ステップＳ４に進んで当たり判定処理を行う。つまり、取得した特別図柄用乱数が特図当たりであるか否かを第１特別図柄当否判定部１１３ａが判断する。次いで、ステップＳ５で変動パターンコマンド決定処理を行う。この変動パターンコマンド決定処理では、取得した変動パターン用乱数に基づいて、上述したように第１変動パターンコマンドテーブル１３４ａを参照して変動パターンコマンドを決定する。

次いで、ステップＳ６に進んで、特別図柄決定処理を行う。具体的には、ステップＳ４での当たり判定処理の結果、特図当たりと判定された場合には、ステップＳ２で取得した図柄乱数から、第１特別図柄決定部１２０ａがその特図当たりに対する特別図柄の種類を決定する。即ち、今回の遊技での特図当たりが有利特図当たり、不利特図当たりＡ、不利特図当たりＢ、小当たりの何れであるかをこのステップＳ６で決定する。なお、先にも触れたが、第２特別図柄抽選部１１９ｂによる抽選で特図当たりに当選した場合には、第２特別図柄決定部１２０ｂは特図当たりの種類を常に有利特図当たりに決定する（図６参照）。

次いで、ステップＳ７にて、演出態様決定処理を行う。このステップＳ７では、演出パターンテーブル２６１を参照して遊技コマンド（変動パターンコマンド）に対応する演出パターンを決定する。次いで、ステップＳ８で、今回の遊技の結果を表示するために、停止図柄の決定に係る処理を行う。なお、この停止図柄決定処理については、後ほど詳しく説明する。次いで、ステップＳ９で、特別図柄の変動が開始され、演出表示制御部２２０が演出表示装置３４にステップＳ７で決定された演出パターンを表示する。そして、所定時間が経過すると、ステップＳ１０に進み、特別図柄の変動が停止されると共に、それと同期して、演出パターンの表示が停止され、ステップＳ８で決定した所定の停止図柄が演出表示装置３４に表示される。

次いで、停止図柄の組合せが特図当たりとなる組合せで確定している場合（ステップＳ１１でＹｅｓ）には、ステップＳ１２に進んで、当たり遊技が行なわれる。当たり遊技は、特図当たりの種類に応じて２ラウンドまたは１０ラウンド行われる。次いで、ステップＳ１３で、遊技状態設定部１４０は、特図当たりの種類に応じて、特別図柄に係る遊技状態と普通図柄に係る遊技状態を、上述したように所定の状態に設定する。なお、ステップＳ１でＮｏの場合は遊技が行われることなく終了となり、ステップＳ１１でＮｏの場合は、当たり遊技をジャンプして遊技状態設定処理（ステップＳ１３）に進む。

次に、ステップＳ８で行われる停止図柄決定処理の詳細について、図１７および図１８を参照しながら説明する。停止図柄決定処理では、まず、停止図柄決定部２３０が、ステップＳ４の当たり判定処理の結果が特図当たりであるか否を判断する（ステップＳ３１）。特図当たりでない場合、つまりハズレの場合（ステップＳ３１でＮｏ）には、ステップＳ３２に進んで、停止図柄決定部２３０は、停止図柄をハズレ図柄に決定する。一方、特図当たりである場合（ステップＳ３１でＹｅｓ）には、ステップＳ３３に進み、停止図柄決定部２３０は、ステップＳ６の特別図柄決定処理で決定した特図当たりの種類が有利特図当たりであるか否かを判断する。有利特図当たりでない場合（ステップＳ３３でＮｏ）には、停止図柄決定部２３０は、ステップＳ３４に進んで、「ばらけ目」を停止時柄に決定する。なお、「ばらけ目」とは、３つのダミー図柄が１ずつ昇順または降順で停止する態様のことを言い、例えば、２−３−４、３−２−１などで停止する態様のことを言う。よって、不利特図当たりＡ，Ｂに当選した場合には、「ばらけ目」が演出表示装置３４に停止表示されることとなる。

一方、ステップＳ３３で有利特図当たりの場合（ステップＳ３３でＹｅｓ）にはステップＳ３５に進み、停止図柄決定部２３０は、その有利特図当たりが１セット目のものであるか否かを判断する。１セット目でない場合、即ち、ステップＳ３５でＮｏの場合には、図１８のステップＳ５２に進む。そして、ステップＳ５２において停止図柄決定部２３０は、今回の有利特図当たりが１回目であるか否かを判断する。ステップＳ５２でＹｅｓの場合には、ステップＳ５３に進み、２セット目以降に参照される引き戻し時停止図柄テーブル２６３に記憶された共通表示順序パターン１〜１２の中から何れかのパターンを抽選で決定し、その決定に係る共通表示順序パターンに従って、今回の有利特図当たりを示す停止図柄を決定する。例えば、共通表示順序パターン７が決定されると、今回の特図当たりは初回であるので、停止図柄決定部２３０は、確変図柄を停止図柄として決定する。これに対して、ステップＳ５２でＮｏの場合には、すでに先の初回の有利特図当たり時にステップＳ５３で共通表示順序パターンが決定されているので、停止図柄決定部２３０は、ステップＳ５４に進んで、既に決定された共通表示順序パターンに従って、今回の有利特図当たりが何回目であるかに応じた所定の停止図柄（確変図柄と通常図柄の何れか）を決定する。

ここで、先にも触れているが、特図通常遊技状態かつ普図通常遊技状態において１回目の特図当たりに当選してから７回目の特図当たりに当選するまでの１セットが１セット目であり、１セット目の７回目の特図当たり後の時短遊技状態中に再び特図当たりに当選してから７回目の特図当たりに当選するまでの１セットが２セット目、さらに、２セット目の７回目の特図当たり後の時短遊技状態中に再び特図当たりに当選してから７回目の特図当たりに当選するまでの１セットが３セット目である。以降４セット目、５セット目・・・と同様である。なお、７回目の特図当たり後の時短遊技状態中に１回目の特図当たりに当選することなく、その後しばらくして特図通常遊技状態かつ普図通常遊技状態において１回目の特図当たりに当選してから７回目の特図当たりに当選するまでの１セットは、再び１セット目となる。

説明を図１７に戻して、ステップＳ３５でＹｅｓの場合には、ステップＳ３６に進み、停止図柄決定部２３０は、今回の有利特図当たりが１セット目において最初のものであるかを判断する。最初のものである場合（ステップＳ３６でＹｅｓ）には、ステップＳ３８に進み、今回の有利特図当たりが１回目〜７回目までのうち、１回目であるか、即ち、Ｍ＝１であるか否かを停止図柄決定部２３０は判断する。ステップＳ３８でＹｅｓの場合には、ステップＳ３９に進んで、停止図柄決定部２３０は、Ｍ＝１の停止図柄テーブル２６２ａを参照し、この停止図柄テーブル２６２ａに記憶されている表示順序パターン１〜１９の中から１つのパターンを抽選で決定する。そして、今回の有利特図当たりは連荘回数の初回であるため、停止図柄決定部２３０は、初回に対応する停止図柄を今回の有利特図当たり時に演出表示装置３４に表示する停止図柄として決定する。

ステップＳ３８でＮｏの場合には、ステップＳ４０に進み、今回の有利特図当たりが１回目〜７回目までのうち、２回目であるか、即ち、Ｍ＝２であるか否かを停止図柄決定部２３０は判断する。ステップＳ４０でＹｅｓの場合には、ステップＳ４１に進んで、停止図柄決定部２３０は、Ｍ＝２の停止図柄テーブル２６２ｂを参照し、この停止図柄テーブル２６２ｂに記憶されている表示順序パターン１〜１０の中から１つのパターンを抽選で決定する。そして、今回の有利特図当たりは連荘回数の初回であるため、停止図柄決定部２３０は、初回に対応する停止図柄を今回の有利特図当たり時に演出表示装置３４に表示する停止図柄として決定する。

ステップＳ４０でＮｏの場合には、ステップＳ４２に進み、今回の有利特図当たりが１回目〜７回目までのうち、３回目であるか、即ち、Ｍ＝３であるか否かを停止図柄決定部２３０は判断する。ステップＳ４２でＹｅｓの場合には、ステップＳ４３に進んで、停止図柄決定部２３０は、Ｍ＝３の停止図柄テーブル２６２ｃを参照し、この停止図柄テーブル２６２ｃに記憶されている表示順序パターン１〜６の中から１つのパターンを抽選で決定する。そして、今回の有利特図当たりは連荘回数の初回であるため、停止図柄決定部２３０は、初回に対応する停止図柄を今回の有利特図当たり時に演出表示装置３４に表示する停止図柄として決定する。

ステップＳ４２でＮｏの場合には、ステップＳ４４に進み、今回の有利特図当たりが１回目〜７回目までのうち、４回目であるか、即ち、Ｍ＝４であるか否かを停止図柄決定部２３０は判断する。ステップＳ４４でＹｅｓの場合には、ステップＳ４５に進んで、停止図柄決定部２３０は、Ｍ＝４の停止図柄テーブル２６２ｄを参照し、この停止図柄テーブル２６２ｄに記憶されている表示順序パターン１〜２の中から１つのパターンを抽選で決定する。そして、今回の有利特図当たりは連荘回数の初回であるため、停止図柄決定部２３０は、初回に対応する停止図柄を今回の有利特図当たり時に演出表示装置３４に表示する停止図柄として決定する。

ステップＳ４４でＮｏの場合には、ステップＳ４６に進み、今回の有利特図当たりが１回目〜７回目までのうち、５回目であるか、即ち、Ｍ＝５であるか否かを停止図柄決定部２３０は判断する。ステップＳ４６でＹｅｓの場合には、ステップＳ４７に進んで、停止図柄決定部２３０は、Ｍ＝５の停止図柄テーブル２６２ｅを参照し、この停止図柄テーブル２６２ｅに記憶されている表示順序パターン１〜２の中から１つのパターンを抽選で決定する。そして、今回の有利特図当たりは連荘回数の初回であるため、停止図柄決定部２３０は、初回に対応する停止図柄を今回の有利特図当たり時に演出表示装置３４に表示する停止図柄として決定する。

ステップＳ４６でＮｏの場合には、ステップＳ４８に進み、今回の有利特図当たりが１回目〜７回目までのうち、６回目であるか、即ち、Ｍ＝６であるか否かを停止図柄決定部２３０は判断する。ステップＳ４８でＹｅｓの場合には、ステップＳ４９に進んで、停止図柄決定部２３０は、Ｍ＝６の停止図柄テーブル２６２ｆを参照し、この停止図柄テーブル２６２ｆに記憶されている表示順序パターン１に従い、停止図柄決定部２３０は、初回に対応する停止図柄を今回の有利特図当たり時に演出表示装置３４に表示する停止図柄として決定する。

ステップＳ４８でＮｏの場合には、ステップＳ５０に進み、今回の有利特図当たりが１回目〜７回目までのうち、７回目であるか、即ち、Ｍ＝７であるか否かを停止図柄決定部２３０は判断する。ステップＳ５０でＹｅｓの場合には、ステップＳ５１に進んで、停止図柄決定部２３０は、Ｍ＝７の停止図柄テーブル２６２ｇを参照し、この停止図柄テーブル２６２ｇに記憶されている表示順序パターン１に従い、停止図柄決定部２３０は、初回に対応する停止図柄を今回の有利特図当たり時に演出表示装置３４に表示する停止図柄として決定する。

なお、ステップＳ３６でＮｏの場合には、既に先の有利特図当たり当選時に表示順序パターンが決定されているので、そのパターンに従って停止図柄を決定する（ステップＳ３７）。また、ステップＳ５０でＮｏの場合には、リターンとなる。

以上説明したように、本発明の実施の形態例に係るパチンコ機によれば、リミッタ機であっても、確変機のように通常図柄と確変図柄の何れかが表示され、確変図柄が表示されると、あと２連荘が約束されるため、遊技者自らが有利特図当たりを連荘させるようなゲーム性を実現することができる。また、１セット目、２セット目、３セット目数珠つなぎに連荘した場合、どの有利特図当たりが何セット目の初回となっているのか遊技者が予測することが困難である。よって、遊技者は、残り回数があと何回であるかを知ることが難しい。これにより、遊技者は、もしかすると大連荘するかもしれないとの期待感が持続し、遊技への興味が維持する。

なお、上記の実施形態において、停止図柄テーブル２６２ａ〜ｇに記憶されている表示順序パターンと引き戻し時停止図柄テーブル２６３に記憶されている共通表示順序パターンの組合せを予め定めておくこともできる。例えば、Ｍ＝１の停止図柄テーブル２６２ａの中から表示順序パターン７が選択された場合には、２セット目の引き戻し時停止図柄テーブル２６３の共通表示順序パターン１、５〜１２の中から選択されるような設定にすることもできる。

また、上記の実施形態では、有利特図当たりに当選すると、その当選が７回目（リミッタ到達時）を除いて、必ず次回の特図当たりまで（正確には、当選後１００００回の遊技が終了するまで）の普通図柄に係る遊技状態を時短遊技状態とするように設定したが、例えば、有利特図当たりＡ，Ｂと複数種類設けておき、有利特図当たりＡの場合には、次回まで時短遊技状態が付与されるが、有利特図当たりＢの場合には、不利特図当たりＡと同様に予め定めた回数しか時短遊技状態が付与されないように設定することもできる。この場合、有利特図当たりＢに当選すると不利特図当たりＡより多くの賞球を獲得できるものの、予め定めた回数の時短遊技状態中に有利特図当たりに当選しなければ、その後のゲーム性は不利特図当たりと同様となるため、ゲームがバリエーションに富んだものとなる。なお、この場合において、第２特別図柄抽選部１１９ｂによる抽選においては、常に有利特図当たりＡとなるように設定しておくことが好ましい。遊技者に連荘を約束することができるからである。

また、上記の実施形態では、７回目の有利特図当たりの当選後は、予め定めた１００回の時短遊技状態が付与される構成であるが、７回目の特図当たり後の時短遊技状態の回数を複数種類設けるようにしても良い。例えば、有利特図当たりＡ，Ｂ，Ｃを設けておき、有利特図当たりＡの場合には、７回目の有利特図当たりに基づく当たり遊技終了後に時短が１００回付与され、有利特図当たりＢの場合には時短が５０回付与され、有利特図当たりＣの場合には時短が３０回付与されるような構成としても良い。この場合、時短回数のバリエーションが増えるため、ゲームがバリエーションに富んだものとなる。

３ 遊技盤
２１ スルーチャッカ
３１ 遊技領域
３４ 演出表示装置
３７ａ 第１始動入賞口（第１始動口）
３７ｂ 第２始動入賞口（始動口）
４９ 電動チューリップ
１１１ 特別図柄用乱数発生部（特別図柄用乱数発生手段）
１１２ａ 第１特別図柄用乱数取得部（第１特別図柄用乱数取得手段）
１１２ｂ 第２特別図柄用乱数取得部（第２特別図柄用乱数取得手段）
１１３ａ 第１特別図柄当否判定部（第１特別図柄当否判定手段）
１１３ｂ 第２特別図柄当否判定部（第２特別図柄当否判定手段）
１１６ａ 第１特別図柄高確率判定テーブル（第１高確率判定テーブル）
１１６ｂ 第２特別図柄高確率判定テーブル（第２高確率判定テーブル）
１１７ａ 第１特別図柄低確率判定テーブル（第１低確率判定テーブル）
１１７ｂ 第２特別図柄低確率判定テーブル（第２低確率判定テーブル）
１１９ａ 第１特別図柄抽選部（第１電子抽選手段）
１１９ｂ 第２特別図柄抽選部（第２電子抽選手段）
１４０ 遊技状態設定部（遊技状態設定手段）
１６０ 当たり遊技制御部（当たり遊技制御手段）
１７１ 普通図柄用乱数発生部（普通図柄用乱数発生手段）
１７２ 普通図柄用乱数取得部（普通図柄用乱数取得手段）
１７３ 普通図柄当否判定部（普通図柄当否判定手段）
１７５ 普通図柄高確率判定テーブル
１７６ 普通図柄低確率判定テーブル
１７７ 普通図柄抽選部（普通図柄抽選手段）
２２０ 演出表示制御部（演出表示制御手段）
２６２ａ〜ｇ 連荘時停止図柄テーブル（個別停止態様テーブル）
２６３ 引き戻し時停止図柄テーブル（共通停止態様テーブル）

Claims (1)

1. 遊技球が流下する遊技領域を有する遊技盤と、前記遊技領域に設けられた第１始動口と、この第１始動口に遊技球が入賞したことを契機に特別図柄に係る電子抽選を行う第１電子抽選手段と、前記遊技領域のうち前記第１始動口から離れて設けられた第２始動口と、この第２始動口に遊技球が入賞したことを契機に特別図柄に係る電子抽選を行う第２電子抽選手段と、前記遊技領域に設けられ、遊技球が内部を通過可能なスルーチャッカと、このスルーチャッカを遊技球が通過したことを契機に普通図柄に係る電子抽選を行う普通図柄抽選手段と、前記第２始動口の入口に設けられ、前記普通図柄抽選手段による電子抽選で普図当たりに当選した場合に開閉して、遊技球の前記第２始動口への入賞を容易にする電動チューリップと、前記第１電子抽選手段および前記第２電子抽選手段による電子抽選に用いられ、特別図柄用の乱数を発生させる特別図柄用乱数発生手段と、前記普通図柄抽選手段による電子抽選に用いられ、普通図柄用の乱数を発生させる普通図柄用乱数発生手段と、複数の演出図柄を変動させた後に停止させる演出態様を表示すると共に、前記第１電子抽選手段ならびに前記第２電子抽選手段による抽選結果を、前記複数の演出図柄の停止態様によって表示する演出表示装置と、この演出表示装置の表示状態を制御する演出表示制御手段とを備えたパチンコ機であって、
   前記第１電子抽選手段は、前記特別図柄用乱数発生手段により発生した乱数の中から１つの特別図柄用乱数を前記第１始動口に遊技球が入賞したことを契機に取得する第１特別図柄用乱数取得手段と、この第１特別図柄用乱数取得手段により取得した特別図柄用乱数が特図当たりであるか否かを判定するために用いるテーブルであって、特図当たりに当選する確率が低い第１低確率判定テーブルと、この第１低確率判定テーブルより特図当たりに当選する確率が高い第１高確率判定テーブルと、前記第１低確率判定テーブルおよび前記第１高確率判定テーブルの何れか一方を参照して当否を判定する第１特別図柄当否判定手段とを有し、
   前記第２電子抽選手段は、前記特別図柄用乱数発生手段により発生した乱数の中から１つの特別図柄用乱数を前記第２始動口に遊技球が入賞したことを契機に取得する第２特別図柄用乱数取得手段と、この第２特別図柄用乱数取得手段により取得した特別図柄用乱数が特図当たりであるか否かを判定するために用いるテーブルであって、特図当たりに当選する確率が低い第２低確率判定テーブルと、この第２低確率判定テーブルより特図当たりに当選する確率が高い第２高確率判定テーブルと、前記第２低確率判定テーブルおよび前記第２高確率判定テーブルの何れか一方を参照して当否を判定する第２特別図柄当否判定手段とを有し、
   前記普通図柄抽選手段は、前記普通図柄用乱数発生手段により発生した乱数の中から１つの普通図柄用乱数を、前記スルーチャッカを遊技球が通過したことを契機に取得する普通図柄用乱数取得手段と、この普通図柄用乱数取得手段により取得した普通図柄用乱数が普図当たりであるか否かを判定するために用いる判定テーブルであって、普図当たりに当選する確率が低い普通図柄低確率判定テーブルと、この普通図柄低確率判定テーブルより普図当たりに当選する確率が高い普通図柄高確率判定テーブルと、前記普通図柄低確率判定テーブルおよび前記普通図柄高確率判定テーブルの何れか一方を参照して当否を判定する普通図柄当否判定手段とを有し、
   特別図柄に係る遊技状態として、前記第１特別図柄当否判定手段が前記第１低確率判定テーブルを参照し、前記第２特別図柄当否判定手段が前記第２低確率判定テーブルを参照する特図通常遊技状態と、前記第１特別図柄当否判定手段が前記第１高確率判定テーブルを参照し、前記第２特別図柄当否判定手段が前記第２高確率判定テーブルを参照する確率変動状態とが設定され、
   普通図柄に係る遊技状態として、前記普通図柄当否判定手段が前記普通図柄低確率判定テーブルを参照する普図通常遊技状態と、前記普通図柄当否判定手段が前記普通図柄高確率判定テーブルを参照する時短遊技状態とが設定されていると共に、
   所定条件を達成することにより、特別図柄に係る遊技状態を前記特図通常遊技状態と前記確率変動状態の何れかに設定し、普通図柄に係る遊技状態を前記普図通常遊技状態と前記時短遊技状態の何れかに設定する遊技状態設定手段と、この遊技状態設定手段によって設定された遊技状態のもとで行われた遊技で、前記第１電子抽選手段による抽選結果が特図当たりとなった場合または前記第２電子抽選手段による抽選結果が特図当たりとなった場合に、通常の遊技に比べて遊技者に有利な当たり遊技を提供する当たり遊技制御手段とを備え、
   前記特図通常遊技状態のもとで行われた遊技で特図当たりに当選し、その当選から数えて予め定めたＮ回（ただし、Ｎは３以上の自然数）の特図当たりに当選するまでの間の特別図柄に係る遊技状態を前記遊技状態設定手段が前記確率変動状態に設定すると共に、Ｎ回目の当選に基づいて提供された前記当たり遊技後の特別図柄に係る遊技状態を前記遊技状態設定手段が前記特図通常遊技状態に設定することにより、前記当たり遊技制御手段がＮ回の前記当たり遊技を１セットとして提供可能なパチンコ機において、
   前記特図当たりの種類として、不利特図当たりと、この不利特図当たりより遊技者にとって有利な有利特図当たりとが設けられ、
   前記第１電子抽選手段による抽選では、前記不利特図当たりと前記有利特図当たりの何れかに当選するよう設定される一方、前記第２電子抽選手段による抽選では、前記有利特図当たりに当選するよう設定されており、
   前記遊技状態設定手段は、普通図柄に係る遊技状態が前記普図通常遊技状態であって、今回の当選に係る特図当たりの種類が前記不利特図当たりであることに加えて、今回の当選が１回目からＮ−１回目に該当する場合には、当該不利特図当たりに基づく当たり遊技の終了後に、普通図柄に係る遊技状態を予め定めた遊技回数だけ前記時短遊技状態とするよう設定し、普通図柄に係る遊技状態が前記時短遊技状態であって、今回の当選に係る特図当たりの種類が前記不利特図当たりであることに加えて、今回の当選が１回目からＮ−１回目に該当する場合には、当該不利特図当たりに基づく当たり遊技の終了後に、普通図柄に係る遊技状態を次回の特図当たりに当選するまで前記時短遊技状態とするよう設定し、普通図柄に係る遊技状態が前記時短遊技状態であって、今回の当選に係る特図当たりの種類が前記不利特図当たりであることに加えて、今回の当選がＮ回目に該当する場合には、当該不利特図当たりに基づく当たり遊技の終了後に、普通図柄に係る遊技状態を予め定めた遊技回数だけ前記時短遊技状態とするよう設定する一方、
   前記遊技状態設定手段は、今回の当選に係る特図当たりの種類が前記有利特図当たりであることに加えて、今回の当選が１回目からＮ−１回目である場合には、当該有利特図当たりに基づく当たり遊技の終了後に、普通図柄に係る遊技状態を次回の特図当たりに当選するまで前記時短遊技状態とするよう設定し、今回の当選に係る特図当たりの種類が前記有利特図当たりであることに加えて、今回の当選がＮ回目である場合には、当該有利特図当たりに基づく当たり遊技の終了後に、普通図柄に係る遊技状態を予め定めた遊技回数だけ前記時短遊技状態とするよう設定し、
   前記複数の演出図柄の停止態様の中には、前記第１電子抽選手段または前記第２電子抽選手段による抽選結果が特図当たりであることを示す停止態様であって、その停止態様が前記演出表示装置に表示されると、今回の特図当たりを除いて、あと予め定めたＡ回（ただし、Ａは、２≦Ａ＜Ｎを満たす自然数）だけ前記有利特図当たりに続けて当選することができる旨を示す連荘停止態様と、その停止態様が前記演出表示装置に表示されると、それ以降に前記有利特図当たりに何回当選することができるか不明である旨を示す単発停止態様とが含まれ、
   １回目からＮ回目までの特図当たりのうち、最初の前記有利特図当たりの当選がＭ回目（ただし、Ｍは、１≦Ｍ≦Ｎを満たす自然数）である場合に、そのＭ回目からＮ回目までの全ての特図当たり当選時の前記停止態様を、前記連荘停止態様と前記単発停止態様の何れにするかを予め定めた個別停止態様テーブルが、Ｍの値が１からＮのそれぞれに対応するようにＮ個設けられると共に、
   Ｎ回目に当選した特図当たりに基づく当たり遊技の終了後に提供される前記時短遊技状態のもとで行われた遊技において特図当たりに当選した場合に、その特図当たりからＮ回目までの全ての特図当たり当選時の前記停止態様を、前記連荘停止態様と前記単発停止態様の何れにするかを予め定めた共通停止態様テーブルが設けられ、
   前記個別停止態様テーブルのうち、Ｍが、１≦Ｍ≦Ｎ−Ａを満たす場合に対応づけられた個別停止態様テーブルのそれぞれには、前記連荘停止態様と前記単発停止態様の表示順序が互いに異なる複数の表示順序パターンが記憶され、当該複数の表示順序パターンは、１セットを構成するＮ回の特図当たりのうち残りの当たり回数がＡ回となった場合には、その残りＡ回の特図当たり当選時の停止態様は必ず前記単発停止態様とするよう決められている一方、Ｍが、Ｎ−Ａ＜Ｍ≦Ｎを満たす場合に対応づけられた個別停止態様テーブルのそれぞれには、全て前記単発停止態様で表示される表示順序パターンが記憶されており、
   前記共通停止態様テーブルには、前記連荘停止態様と前記単発停止態様の表示順序が互いに異なる複数の共通表示順序パターンが記憶され、当該複数の共通表示順序パターンは、１回目の特図当たり当選時の停止態様が前記連荘停止態様であるパターンと前記単発停止態様であるパターンとを含んで構成されていると共に、前記複数の共通表示順序パターンのそれぞれは、１セットを構成するＮ回の特図当たりのうち残りの当たり回数がＡ回となった場合には、その残りＡ回の特図当たり当選時の停止態様は必ず前記単発停止態様とするよう決められており、
   前記演出表示制御手段は、１回目からＮ回目までの特図当たりのうち、最初に前記有利特図当たりに当選して以降、Ｎ回目の特図当たりに当選するまでの間の各特図当たりの当選時の前記停止態様を前記個別停止態様テーブルに従って前記演出表示装置に表示するよう制御すると共に、
   Ｎ回目に当選した特図当たりに基づく当たり遊技終了後に提供される前記時短遊技状態のもとで行われた遊技において特図当たりに当選した場合には、その当選からＮ回目までの特図当たりの当選時の前記停止態様を前記共通停止態様テーブルに従って前記演出表示装置に表示するよう制御する
   ことを特徴とするパチンコ機。

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