以下、発明の実施の形態例を、図面を参照して説明する。図1および図2に示すように、本発明の実施の形態例に係るパチンコ機Pは、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた本体枠2と、本体枠2の内側に収容された遊技盤3と、本体枠2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられ、中央に大きく開口部8が形成されたガラス扉4と、このガラス扉4の開口部8に取り付けられた透明なガラス板10と、本体枠2の下側に開閉自在に配設され、遊技球を収容する受皿5を有する前面ボード6と、本体枠2の下部に設けられた発射装置9と、前面ボード6に取り付けられたハンドル7等を具備している。さらに、ガラス扉4の上部にはスピーカ20が左右に1個ずつ取り付けられており、遊技に関する様々な効果音を発している。
また、図3に示すように、このパチンコ機Pは、背面側に、主制御処理部11と、副制御処理部を構成する演出制御処理部12a、特別図柄表示制御部12b、ランプ制御処理部12c、払出制御処理部12e、および普通図柄表示制御部12fと、発射制御処理部13と、賞球払出装置14等を備えている。続いて、図1〜図5を参照して、本実施形態に係るパチンコ機Pの構成を詳しく説明していくことにする。
遊技盤3は、その盤面に遊技領域31を有しており、本体枠2に装着した後、ガラス板10から遊技領域31を観察することができる。遊技領域31は、遊技球を滑走させるガイドレール32と遊技球規制レール33によって略円形状となるように区画形成されており、発射装置9によって打ち出された遊技球はこの遊技領域31内を流下する。また、遊技領域31内には、特別図柄表示装置17と、演出表示装置34と、スルーチャッカ21と、普通図柄表示装置22と、アタッカー式電動チューリップ(普通電動役物)49と、ステージ36と、第1始動入賞口(第1始動口)37a、第2始動入賞口(第2始動口)37b、および第3始動入賞口(第3始動口)37cと、一般入賞口38と、アウト口39と、遊技釘(図示せず)と、風車(図示せず)と、第1アタッカー装置41aと、第2アタッカー装置41b等が設けられている。
なお、遊技盤3の盤面構成について説明を補足すると、本実施形態では、図2に示すように、第1始動入賞口37aと第3始動入賞口37cは比較的近接した位置に設けられているが、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bとは左右方向に間隔を空けて設けられており、発射装置9の発射強度が弱〜中のとき(所謂、ぶっこみ狙いで遊技球を発射した場合)には、遊技球は演出表示装置34の左側を流下して第1始動入賞口37aに入賞する可能性はあるが、第2始動入賞口37bには入賞することがないように設定されている。それに対して、発射装置9の発射強度を強にして遊技球を発射する(所謂、右打ちを行う)と、遊技球を第2始動入賞口37bに入賞させることができるが、右打ちを行うと、遊技球を第1始動入賞口37aに入賞させることは困難となるように設定されている。なお、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞するためには、後述するアタッカー式電動チューリップ49が開放される必要がある。
また、第1アタッカー装置41aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞して特図当たりに当選した場合に作動し、第2アタッカー装置41bは、第2始動入賞口37bまたは第3始動入賞口37cに遊技球が入賞して特図当たりに当選した場合に作動するものである。第1アタッカー装置41aは遊技盤3の下方の左側に寄った位置に、第2アタッカー装置41bは遊技盤3の下方の右側に寄った位置に、それぞれ設けられている。そして、右打ちをしないと、第2アタッカー装置41bに遊技球を入賞させることはできない配置構成となっている。さらに、第2アタッカー装置41bのやや上方の位置に、第2始動入賞口37bが設けられており、右打ちしていれば、アタッカー式電動チューリップ49が開放されると、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞し、アタッカー式電動チューリップ49が閉じた状態で第2アタッカー装置41bが開放されると、大入賞口42bに遊技球が入賞することができる。
また、第3始動入賞口37cに遊技球を入賞させるためには、図2のワープ入口59に遊技球を入れて、かつ、回転体50の特定孔51a,51b(図4参照)に遊技球を入れることが必要であり、それ以外では、図示しない釘が邪魔して第3始動入賞口37cに遊技球が入賞することはない構成となっている。なお、回転体50の詳細については、後述する。
演出表示装置34は、遊技盤3の略中央部に設けられ、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、または第3始動入賞口37cに遊技球が入賞することを契機に行われた特別図柄に係る電子抽選の結果に基づいて所定の演出態様を表示するものであって、本実施形態では液晶表示装置が用いられている。この演出表示装置34には、画面全体に背景画像が表示されるほか、所定の演出態様の一部として、特別図柄表示装置17に変動表示される特別図柄と同期をとってダミー図柄(演出図柄)が変動表示されるようになっている。なお、この演出表示装置34には、保留球乱数が保留球乱数記憶部(メモリ)115a、115bに記憶された場合に保留表示(保留球乱数が記憶された旨の表示)を行うための表示領域が区画形成されている。つまり、この表示領域の部分が保留球表示装置34aとなっているのである。
また、特別図柄表示装置17は、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、または第3始動入賞口37cに遊技球が入賞することを契機に行われた特別図柄に係る電子抽選の結果を表示するためのものであって、より具体的には、抽選結果を、特別図柄(数字や絵柄)を変動させた後に停止させるといった態様で表示するものである。この特別図柄表示装置17は、本実施形態では7セグメント表示器が用いられており、演出表示装置34を見ている遊技者の視界に同時に入らないように遊技盤3の右下部分に離れて設けられている。そして、7セグメント表示器を点滅表示させることにより特別図柄が変動し、その点滅が停止して点灯表示に変わることで特別図柄の変動が停止する。この点滅中の時間が、特別図柄の変動時間である。
なお、本実施形態では、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づく遊技よりも、第2始動入賞口37bまたは第3始動入賞口37cに遊技球が入賞したことに基づく遊技を優先して実行し、かつ、第2始動入賞口37bと第3始動入賞口37cとでは入賞順に遊技を実行するようになっているので、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bと第3始動入賞口37cの全ての抽選結果を同時に表示することはない。よって、3つの始動入賞口37a、37b、37cに遊技球が入賞したことに基づく抽選の結果を1つの特別図柄表示装置17で表示している。
スルーチャッカ21は、遊技球が通過可能なゲート構造を成しており、その内部には遊技球が通過したことを検知する磁気センサタイプのスルーチャッカ検知センサ46が内蔵されている。また、このスルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に行われる普通図柄に係る電子抽選の結果を表示するための普通図柄表示装置22が、特別図柄表示装置17の隣に設けられている。この普通図柄表示装置22は、本実施形態では、二つのLEDランプで構成されており、普図当たりのときに一方のLEDランプが点灯し、ハズレのときには他方のLEDランプが点灯するようになっている。なお、2つのLEDランプを交互に点滅表示させることにより普通図柄が変動し、その点滅が停止して点灯表示に変わることで普通図柄の変動が停止する。この点滅中の時間が、普通図柄の変動時間である。
アタッカー式電動チューリップ49は、第2始動入賞口37bの入口を塞ぐようにして設けられ、水平な軸を中心として前後方向に開閉する板状の蓋部材を備えており、図示しないソレノイドを駆動することにより蓋部材が水平軸回りに回動する構成となっている。そして、蓋部材が開いた状態では第2始動入賞口37bが露呈され、その第2始動入賞口37bに遊技球を入賞させることができる構成となっている。即ち、アタッカー式電動チューリップ49が開放されない限り、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することはない。なお、第2始動入賞口37bの開口面積は、後述する大入賞口42の開口面積より小さくなっている。
次に、演出表示装置34の下方に配置されたステージ36、およびこのステージ36に設けられた回転体50について、図4を用いて詳しく説明する。まず、ステージ36は、上段ステージ36aと下段ステージ36bの二段ステージの構成となっており、遊技球は上段ステージ36aを転動した後に、下段ステージ36bへと落下し、この下段ステージ36bを転動しながら下方へと落下する。上段ステージ36aには、略中央に回転体50と、ワープ入口59から入った遊技球を回転体50に導く導入路53と、この導入路53に回転体50を介して連通し、下段ステージ36bへと遊技球を誘導する二つの誘導路54a,54bとを備えている。また、下段ステージ36bは、表面に波状の凹凸が形成された形状をなしており、誘導路54a、54bから下段ステージ36bの左右の端部に導かれた遊技球は、この下段ステージ36b上を転がりながら凹凸により失速し、手前側に落下して遊技領域31に戻るようになっている。
回転体50は、二つの特定孔51a,51bと、四つの一般孔52a〜52dの合計六つの孔が形成されている。これら特定孔と一般孔は、それぞれ遊技球が1個入る程度の大きさを成しており、一般孔52a〜52dに入った遊技球は、一般孔の内部に保持された状態で回転体50の回転に伴って移動していく。そして、誘導路54a,54bの入口まで到達すると、保持されていた遊技球は、誘導路54a,54bへ向かって転がっていき、誘導路54a,54b上を転動しながら下段ステージ36bへと落下する。
一方、特定孔51a、51bに遊技球が入ると、特定孔の内部に保持された状態で回転体50の回転に伴って移動していき、高確率ルート55へと誘導されるようになっている。この高確率ルート55の出口は、第3始動入賞口37cの上方近傍の位置に配置されているため、特定孔51a,51bに入った遊技球は、この高確率ルート55を転動し、高い確率で第3始動入賞口37cに入賞することとなる。なお、回転体50は図示しないモータの回転により、図4のX方向に一定速度でゆっくり回転している。
第1アタッカー装置41aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞することを契機に行われる特別図柄に係る電子抽選の結果、特図当たりとなって大当たり遊技に移行した場合に所定回数開放される装置である。この第1アタッカー装置41aは、水平な軸を中心として前後方向に開閉する板状の蓋部材を備えており、図示しないソレノイドを駆動することにより蓋部材が水平軸回りに回動する構成となっている。そして、蓋部材が開いた状態では遊技領域31の下部に設けられた大入賞口42aが露呈され、その大入賞口42aに遊技球を入賞させることができる構成となっている。
つまり、第1アタッカー装置41aは、常態では蓋部材が大入賞口42aを閉じているため、大入賞口42aに遊技球が入賞することはないが、上記したように、大当たり遊技に移行すると、蓋部材が開放されて大入賞口42aが露呈されるため、遊技球を大入賞口42a内に入賞させることが可能となるのである。そして、大入賞口42aに遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。即ち、遊技者は、大入賞口42aに遊技球を入賞させることによって出玉を獲得できるのである。また、大入賞口42aは、横長な長方形の開口であり、第1アタッカー装置41aの蓋部材は、この大入賞口42の形状とほぼ同じ形状を成している。
また、第2アタッカー装置41bは、大入賞口42bを覆うようにして遊技領域31内に設けられており、第2始動入賞口37bまたは第3始動入賞口37cに遊技球が入賞することを契機に行われる特別図柄に係る電子抽選の結果、特図当たりとなって大当たり遊技に移行した場合に所定回数開放されるものである。この第2アタッカー装置41bの構成は第1アタッカー装置41aと同じであるため、ここでの説明は省略する。
なお、本実施形態では、第1アタッカー装置41aおよび第2アタッカー装置41bの開放回数は2ラウンド(R)に統一されているが、遊技者が賞球を獲得できるラウンド、所謂、出玉有りのラウンドの回数が特別図柄の種類によって異なっている。これについては、後ほど詳しく説明する。
また、一般入賞口38に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。そして、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、第3始動入賞口37c、一般入賞口38、およびアタッカー装置41の何れにも入らなかった遊技球は、アウト口39から回収される。なお、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、第3始動入賞口37c、一般入賞口38、大入賞口42の内部にはそれぞれ遊技球の通過を検知するためのセンサ43a,43b,43c,44,45(図5参照)が設けられている。
前面ボード6には遊技球を収容するとともに、外部に排出可能な受皿5が取り付けられている。この受皿5は、遊技者が投入した遊技球を収容するだけでなく、賞球払出装置14から賞球として払い出された遊技球も収容可能となっている。また、遊技球を遊技領域31に向けて発射するための発射装置9が本体枠2の下部に取り付けられており、受皿5に収容されている遊技球がこの発射装置9に1個ずつ供給される。そして、前面ボード6の右下に取り付けられたハンドル7を回動させると、その回動量に応じた発射強度で発射装置9が遊技球を遊技領域31へと発射することができるようになっている。また、図1に示すように、受皿5の側部には、遊技者が押下操作するタッチボタン60が設けられている。
主制御処理部11は、遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられている。この主制御装置11は、CPU(Central Processing Unit)と、予め定められた制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)と、生成された処理情報の一時記憶及び記憶した情報の削除を行うRAM(Random Access Memory)等とにより構成されている。このCPUがROMに格納された各種プログラムやデータを読み込んで実行することにより、遊技に関する主要な処理が行われる。
具体的には、図5に示すように、主制御処理部11は、始動入賞口37a,37b,37cに遊技球が入賞したことを契機に特別図柄の当否に係る抽選を行う特別図柄抽選処理部(特別図柄抽選手段)110と、この特別図柄抽選処理部110が判定した抽選結果に応じて特別図柄の種類を抽選で決定する特別図柄種類決定処理部(特別図柄種類決定手段)120と、特別図柄の変動時間に関するコマンドである特別図柄変動パターンコマンドを決定するための特別図柄変動パターン(PT)コマンド決定部130と、所定条件が成立したことに基づいて、特別図柄に係る遊技状態および普通図柄に係る遊技状態をそれぞれ設定する遊技状態設定部(遊技状態設定手段)140と、特別図柄抽選処理部110による抽選結果の判定が特図当たりとなった場合に、特別図柄種類決定処理部120で決定した特別図柄の種類に応じてアタッカー装置41(のソレノイド)を作動させて大当たり遊技に移行する大当たり遊技制御部(大当たり遊技制御手段)160とを備えている。
さらに、主制御処理部11は、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に普通図柄の当否に係る抽選を行う普通図柄抽選処理部(普通図柄抽選手段)170と、普通図柄の変動時間に関するコマンドである普通図柄変動パターンコマンドを決定するための普通図柄変動パターン(PT)コマンド決定部190と、アタッカー式電動チューリップ49の作動を制御する電動チューリップ作動制御部180とを備えている。
特別図柄抽選処理部110は、図6に示すように、周期的(例えば2ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成する特別図柄当否判定用乱数発生部111と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、特別図柄に係る抽選を行って当否を判定するための第1特別図柄当否抽選部119aと、第2始動入賞口37bまたは第3始動入賞口37cに遊技球が入賞したことを契機に、特別図柄に係る抽選を行って当否を判定するための第2特別図柄当否抽選部119bとを備えて構成されている。なお、第2特別図柄当否抽選部119bは、第2始動入賞口37bと第3始動入賞口37cのどちらに遊技球が入賞しても同じ条件で抽選を行っている。
第1特別図柄当否抽選部119aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43aからの検知信号が主制御処理部11に入力されたタイミングで)、特別図柄当否判定用乱数発生部111で発生した特別図柄当否判定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する第1特別図柄当否判定用乱数取得部112aと、この第1特別図柄当否判定用乱数取得部112aが取得した乱数が特図当たりであるか否かを、第1特別図柄高確率判定テーブル116aまたは第1特別図柄低確率判定テーブル117aを参照して決定する第1特別図柄当否判定部113aと、第1特別図柄当否判定用乱数取得部112aが乱数を取得したときに特別図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を特別図柄に係る保留球乱数として最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aとを備えている。
ここで、第1特別図柄高確率判定テーブル116aは、第1特別図柄低確率判定テーブル117aよりも特図当たりとなる確率が高くなっており、より詳しく言うと、第1特別図柄高確率判定テーブル116aは、特図当たりの当選確率が1/3(例えば、300個の特別図柄当否判定用の乱数のうち100個が当たり)、第1特別図柄低確率判定テーブル117aは、特図当たりの当選確率が1/30(例えば、300個の特別図柄当否判定用の乱数のうち10個が当たり)に設定されている。つまり、第1特別図柄高確率判定テーブル116aの方が、第1特別図柄低確率判定テーブル117aに比べて10倍特図当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。
第2特別図柄当否抽選部119bも第1特別図柄当否抽選部119aと同様に、第2始動入賞口37bまたは第3始動入賞口37cに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43bまたはセンサ43cからの検知信号が主制御処理部11に入力されたタイミングで)、特別図柄当否判定用乱数発生部111で発生した特別図柄当否判定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する第2特別図柄当否判定用乱数取得部112bと、この第2特別図柄当否判定用乱数取得部112bが取得した乱数が特図当たりであるか否かを、第2特別図柄高確率判定テーブル116bまたは第2特別図柄低確率判定テーブル117bを参照して決定する第2特別図柄当否判定部113bと、第2特別図柄当否判定用乱数取得部112bが乱数を取得したときに特別図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を特別図柄に係る保留球乱数として最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第2特別図柄用保留球乱数記憶部115bとを備えている。なお、第2特別図柄用保留球乱数記憶部115bが記憶することのできる保留球乱数は、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に取得したものと第3始動入賞口37cに遊技球が入賞したことを契機に取得したものとの合計で最大4個までである。
ここで、第2特別図柄高確率判定テーブル116bは、第2特別図柄低確率判定テーブル117bよりも特図当たりとなる確率が高くなっており、より詳しく言うと、第2特別図柄高確率判定テーブル116bは、特図当たりの当選確率が1/3(例えば、300個の特別図柄当否判定用の乱数のうち100個が当たり)、第2特別図柄低確率判定テーブル117bは、特図当たりの当選確率が1/30(例えば、300個の特別図柄当否判定用の乱数のうち10個が当たり)に設定されている。つまり、第2特別図柄高確率判定テーブル116bの方が、第2特別図柄低確率判定テーブル117bに比べて10倍特図当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。
そして、第1特別図柄当否抽選部119aが第1特別図柄低確率判定テーブル117aを参照して特別図柄の当否に係る抽選を行い、第2特別図柄当否抽選部119bが第2特別図柄低確率判定テーブル117bを参照して特別図柄の当否に係る抽選を行う遊技状態が、本発明の「特図通常遊技状態」に相当し、第1特別図柄当否抽選部119aが第1特別図柄高確率判定テーブル116aを参照して特別図柄の当否に係る抽選を行い、第2特別図柄当否抽選部119bが第2特別図柄高確率判定テーブル116bを参照して特別図柄の当否に係る抽選を行う遊技状態が、本発明の「確率変動状態」に相当する。
なお、これ以降の説明において、便宜上、第1特別図柄当否抽選部119aが第1特別図柄低確率判定テーブル117aを参照して特別図柄の当否に係る抽選を行い、第2特別図柄当否抽選部119bが第2特別図柄低確率判定テーブル117bを参照して特別図柄の当否に係る抽選を行う遊技状態のことを、単に「特図低確」といい、第1特別図柄当否抽選部119aが第1特別図柄高確率判定テーブル116aを参照して特別図柄の当否に係る抽選を行い、第2特別図柄当否抽選部119bが第2特別図柄高確率判定テーブル116bを参照して特別図柄の当否に係る抽選を行う遊技状態のことを、単に「特図高確」ということにする。
また、本実施形態では、第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aと第2特別図柄用保留球乱数記憶部115bの両方に保留球乱数が記憶されている場合には、第2特別図柄用保留球乱数記憶部115bに記憶されている保留球乱数の方が優先して読み出されて当たりであるか否かの判定が行なわれ、その判定に従って遊技が進行するような制御がなされている。つまり、特別図柄抽選処理部110によって、第2始動入賞口37bまたは第3始動入賞口37cに遊技球が入賞したことに基づく遊技が、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づく遊技よりも優先するような処理が行なわれているのである。
なお、詳しくは後述するが、本実施形態では、特図高確でのゲーム数は、最大で12ゲームと定められている。つまり、本実施形態に係るパチンコ機Pは、12ゲームで特図高確が終了する回数切り確変機であり、別言すれば、ST12回のST機である。また、本実施形態に係るパチンコ機Pは、特図当たりの連荘回数の上限が50回に設定された所謂リミッタ機でもある。
次に、特別図柄種類決定処理部120について説明する。上述した特別図柄抽選処理部110が特図当たりに当選しているか否かを決定するものであるのに対して、特別図柄種類決定処理部120は、特別図柄の種類を決定するためのものである。つまり、本実施形態では、特別図柄に関する大当たり/ハズレの決定は特別図柄抽選処理部110によって行われるが、大当たりの内容(種別、実質ラウンド数、電サポ回数)は特別図柄種類決定処理部120によって決定される構成となっている。なお、上記した大当たりの内容についての詳細は後述する。
特別図柄種類決定処理部120は、図7に示すように、周期的(例えば2ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態例では0〜254までの範囲)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成する特別図柄種類決定用乱数発生部121と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、抽選により特別図柄の種類を決定するための第1特別図柄種類抽選部129aと、第2始動入賞口37bまたは第3始動入賞口37cに遊技球が入賞したことを契機に、抽選により特別図柄の種類を決定するための第2特別図柄種類抽選部129bとを備えて構成されている。なお、第2特別図柄種類抽選部129bは、第2始動入賞口37bと第3始動入賞口37cのどちらに遊技球が入賞しても同じ条件で抽選を行っている。
第1特別図柄種類抽選部129aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43aからの検知信号が主制御処理部11に入力されたタイミングで)、特別図柄種類決定用乱数発生部121で発生した特別図柄種類決定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する第1特別図柄種類決定用乱数取得部122aと、この第1特別図柄種類決定用乱数取得部122aが取得した乱数から、第1特別図柄種類決定テーブル125aを参照して特別図柄の種類を決定する第1特別図柄種類決定部123aと、第1特別図柄種類決定用乱数取得部122aが乱数を取得したときに特別図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第1特別図柄種類決定用乱数記憶部124aとを備えている。
第1特別図柄種類決定テーブル125aは、図8に示すように、特別図柄種類決定用の乱数と特別図柄の種類とが予め対応付けられたテーブル構成を成している。具体的には、2R通常図柄、2R確変図柄A,B,Cの合計4種類の特別図柄が第1特別図柄種類決定テーブル125aに格納されており、これら4種類の特別図柄のそれぞれに特別図柄種類決定用乱数0〜254までの値が対応付けられている。そして、各特別図柄に割り当てる特別図柄種類決定用乱数値の範囲が異なるテーブル構成となっているから、特別図柄のそれぞれが第1特別図柄種類決定部123aに選択される確率は異なるものとなる。
より詳細に説明すると、第1特別図柄種類決定テーブル125aに格納された4種類の特別図柄のうち、特別図柄種類決定用乱数の値が0〜1までのものに対して「2R通常図柄」が対応付けられており、当該乱数値が2に対して「2R確変図柄A」が、当該乱数値が3〜41までのものに対して「2R確変図柄B」が、当該乱数値が42〜254までのものに対して「2R確変図柄C」が、それぞれ対応付けられている。
この図8(a)から明らかなように、「2R通常図柄」に対応付けられた乱数の個数は、全体で255個の特別図柄種類決定用乱数のうち2個であるから、「2R通常図柄」が選択される確率は、2/255x100=0.8%である。その他の特別図柄の選択確率についても同様にして求められ、「2R確変図柄A」の選択確率は0.4%、「2R確変図柄B」の選択確率は15.3%、「2R確変図柄C」の選択確率は83.5%となっている。このことから、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞して特図当たりに当選した場合には、8割以上の確率で「2R確変図柄C」が選択されるということになる。
また、第2特別図柄種類抽選部129bも第1特別図柄種類抽選部129aと同様に、第2始動入賞口37bまたは第3始動入賞口37cに遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口検知センサ43b,43cからの検知信号が主制御処理部11に入力されたタイミングで)、特別図柄種類決定用乱数発生部121で発生した特別図柄種類決定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する第2特別図柄種類決定用乱数取得部122bと、この第2特別図柄種類決定用乱数取得部122bが取得した乱数から、第2特別図柄種類決定テーブル125bを参照して特別図柄の種類を決定する第2特別図柄種類決定部123bと、第2特別図柄種類決定用乱数取得部122bが乱数を取得したときに特別図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を最大4個まで(別言すれば、所定個数である4個の上限まで)記憶する第2特別図柄種類決定用乱数記憶部124bとを備えている。なお、第2特別図柄種類決定用乱数記憶部124bが記憶することのできる乱数は、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に取得したものと第3始動入賞口37cに遊技球が入賞したことを契機に取得したものとの合計で最大4個までである。
第2特別図柄種類決定テーブル125bは、図9に示すように、特別図柄種類決定用の乱数と特別図柄の種類とが予め対応付けられたテーブル構成を成している。この第2特別図柄種類決定テーブル125bは、第1特別図柄種類決定テーブル125aと同様の構成をしており、「2R通常図柄」が選択される確率は0.8%、「2R確変図柄」が選択される確率は99.2%となっている。
次に、普通図柄抽選処理部170について説明する。この普通図柄抽選処理部170は、図13に示すように、乱数を発生させる普通図柄用当否判定用乱数発生部171と、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に普通図柄に係る抽選を行って当否を判定するための普通図柄当否抽選部177とを備えて構成されている。普通図柄当否判定用乱数発生部171は、特別図柄当否判定用乱数発生部111より発生する乱数は少ないが、乱数を発生させるための構成は同じである。また、普通図柄当否抽選部177は、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に(スルーチャッカ検知センサ46からの検知信号が主制御処理部11に入力されたタイミングで)、普通図柄当否判定用乱数発生部171で発生した普通図柄当否判定用の乱数を1つ取得(ラッチ)する普通図柄当否判定用乱数取得部172と、この普通図柄当否判定用乱数取得部172が取得した乱数が普図当たりであるか否かを、判定テーブルを参照して決定する普通図柄当否判定部173と、普通図柄当否判定用乱数取得部172が乱数を取得したときに普通図柄が変動中である場合に、この取得した乱数を上限4個まで普通図柄に係る保留球乱数として記憶する普通図柄用保留球乱数記憶部174と、判定テーブルとして、普図当たりに当選する確率が低い普通図柄低確率判定テーブル176と、この普通図柄低確率判定テーブル176よりも普図当たりに当選する確率が高い普通図柄高確率判定テーブル175とを備えている。
ここで、普通図柄高確率判定テーブル175は、普通図柄低確率判定テーブル176よりも普図当たりとなる確率が高くなっており、より詳しく言うと、普通図柄高確率判定テーブル175は、普図当たりの当選確率が1/1.1、普通図柄低確率判定テーブル176は、普図当たりの当選確率が1/120に設定されている。つまり、普通図柄高確率判定テーブル175の方が、普通図柄低確率判定テーブル176に比べて格段に普図当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。そして、普通図柄高確率判定テーブル175を参照して抽選が行われると、殆どの場合、普図当たりに当選することになる。
そして、普通図柄当否抽選部177が普通図柄低確率判定テーブル176を参照して普通図柄に係る抽選を行う遊技状態が、本発明の「普図通常遊技状態」に相当し、普通図柄当否抽選部177が普通図柄高確率判定テーブル175を参照して普通図柄に係る抽選を行う遊技状態が、本発明の「時短遊技状態」に相当する。
なお、これ以降の説明において、便宜上、普通図柄当否抽選部177が普通図柄低確率判定テーブル176を参照して普通図柄に係る抽選を行う遊技状態のことを、単に「普図低確」といい、普通図柄当否抽選部177が普通図柄高確率判定テーブル175を参照して普通図柄に係る抽選を行う遊技状態のことを、単に「普図時短」ということにする。
また、電動チューリップ作動制御部180は、普通図柄抽選処理部170による抽選で普図当たりに当選した旨のコマンドに基づいて、アタッカー式電動チューリップ49のソレノイドに通電して開閉するよう制御している。この電動チューリップ作動制御部180は、普図時短中は、1回の普図当たりに対して、アタッカー式電動チューリップ49を開放時間2.9秒で2回開放するよう制御し、普図低確中は、1回の普図当たりに対して、アタッカー式電動チューリップ49を開放時間0.2秒で1回開放するよう制御している。よって、普図時短中は、上述したように、普通図柄抽選処理部170による抽選が行われる度に、殆ど普図当たりに当選し、その当選によりアタッカー式電動チューリップ49が2.9秒x2回開放されるため、遊技者は、アタッカー式電動チューリップ49内に遊技球を入賞させることができる。従って、普図時短中は、遊技球を殆ど減らすことなく遊技を行うことができる。
次に、本実施形態に係るパチンコ機Pは、「通常モード」と、「チャンスモード」と、「連荘モード」と、「引戻しモード」との4つの遊技モード(遊技状態)が予め設定されている(図16参照)。「通常モード」は、特図高確および普図低確の遊技状態から成り、通常滞在するモードであって、本発明の第1遊技状態に相当するものである。「チャンスモード」は、特図低確および普図低確の遊技状態から成り、本発明の第2遊技状態に相当するものである。「連荘モード」は、特図高確および普図時短の遊技状態から成り、本発明の第3遊技状態に相当するものである。「引戻しモード」は、特図低確および普図時短の遊技状態から成るモードである。
本実施形態では、先に述べた特別図柄の種類が決定されると、その特別図柄と上記の各遊技モードとから、大当たり種別、実質ラウンド数(大当たりラウンド数)、および電サポ回数(時短回数)が決まるようになっている。これについて、図8および図9を参照しながら、以下、詳しく説明を行っていくことにする。
図8および図9に示すように、各特別図柄は、それぞれ、大当たり種別、実質ラウンド数、および電サポ回数を規定した大当たりパターンが予め対応付けられている。
ここで、「大当たり種別」とは、大当たり遊技後の特別図柄に係る遊技状態を特図低確とする「通常当たり」と、特図高確とする「確変当たり」との何れにするかを定めたものである。通常当たりの場合には、その後の遊技状態が特図低確となるので、なかなか次の特図当たりに当選しないが、確変当たりの場合、その後の遊技状態が特図高確となるので、直ぐに次の特図当たりに当選する可能性が高い。
また、「実質ラウンド数」とは、本発明の「大当たりラウンド数」に相当するものであって、大当たり遊技中に出玉有りのラウンド数が何回実行されるかを定めたものである。本実施形態では、詳しくは後述するが、出玉有りのラウンド数が、0ラウンド(回)と2ラウンドの2種類設けられている。ここで、出玉有りのラウンド数が0ラウンドとは、アタッカー装置41a,bが開閉するものの、遊技球の入賞が困難なくらい「高速」で開閉するため、賞球の獲得が見込めない場合のことを意味している。なお、図8,9において、「R」はラウンド数の意味である。
また、「電サポ回数」とは、アタッカー式電動チューリップ49によるサポートを受けながら遊技を行うことができる遊技回数のことであり、より詳しくは、遊技状態が普図時短の状態で、特別図柄抽選処理部110による抽選を行うことのできる回数(遊技回数)のことであり、本発明における「時短回数」に相当するものである。なお、本実施形態では、電サポ回数は、0回、12回、および23回の3種類が設けられている。
このように、大当たりパターンは、通常当たりと確変当たりの何れかの大当たり種別と、0R、2Rの何れかの実質ラウンド数と、0回、12回、23回の何れかの電サポ回数とが規定された内容で構成されているのである。
ここで、電サポ回数は、特図当たり時の遊技モードによって異なっており、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合と、第2始動入賞口37bまたは第3始動入賞口37cに遊技球が入賞した場合とで、特別図柄に対応する大当たりパターンは異なるものとなっている。このことについて、以下、詳しく説明する。
第1特別図柄種類決定テーブル125aを参照して特別図柄が決定される場合には、その選択肢は、図8(a)に示す通り、「2R通常図柄」、「2R確変図柄A」、「2R確変図柄B」、および「2R確変図柄C」の4種類である。これら4種類の何れに対応する大当たりパターンであっても、実質ラウンド数は0ラウンドと規定されている。そのため、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞して、その入賞に係る抽選で特図当たりに当選した場合には、第1アタッカー装置41aが高速で開閉するラウンド遊技が2回行われて、賞球は0個(つまり、出玉無し)の大当たり遊技が実行されることになる。
ただし、電サポ回数は各特別図柄の種類に応じて異なるものとなっている。具体的には、図8(b)に示すように、特図当たり時の遊技モードがチャンスモードの場合、2R確変図柄Aと2R確変図柄Bについては電サポが12回付与されるが、それ以外の特別図柄については、電サポは0回である。特図当たり時の遊技モードが連荘モードの場合、2R通常図図柄については電サポが23回付与され、2R確変図柄A〜Cについては電サポが12回付与される。また、特図当たり時の遊技モードが通常モードの場合、2R確変図柄Aについては電サポが12回付与されるが、それ以外の特別図柄については、電サポは0回である。
ここで、チャンスモードの場合、電サポの付与される特別図柄は、2R確変図柄Aと2R確変図柄Bであり、これら2つの図柄が選択される確率は、図8(a)から、0.4%+15.3%=15.7%であり、このチャンスモードでの特図当たりの当選確率は、特図低確なので1/30である。よって、チャンスモードで電サポ付きの特図当たりに当選する確率(第2合成確率)は、15.7/100x1/30=15.7/3000=0.52%である。一方、通常モードの場合、電サポが付与される特別図柄は2R確変図柄Aのみであり、これが選択される確率は、0.4%であり、この通常モードでの特図当たりの当選確率は、特図高確なので1/3である。よって、通常モードで電サポ付きの特図当たりに当選する確率(第1合成確率)は、0.4/100x1/3=0.13%である。また、図8(a)から明らかなように、通常モードの場合、電サポが付与されない特別図柄は2R通常図柄のみであり、これが選択される確率は、0.8%であり、この通常モードでの特図当たりの当選確率は、特図高確なので1/3である。よって、通常モードで電サポ無しの特図当たりに当選する確率(第3合成確率)は、0.8/100x1/3=0.26%である。
つまり、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞して特図当たりに当選した場合に、その当選に係る大当たり遊技後に電サポが付与される確率、別言すれば、連荘モードに移行する確率は、通常モード(0.13%)よりチャンスモード(0.52%)の方が高いということになる。このように、本実施形態では、特図高確の通常モードよりも特図低確のチャンスモードの方が、時短回数が12回付与されて連荘モードに移行する確率が高いので、遊技者にとって有利である。
なお、連荘モード、引戻しモード、リミッタ(50回)到達時の場合、何れの特別図柄であっても電サポは12回または23回付与されるように設定してある。
一方、第2特別図柄種類決定テーブル125bを参照して特別図柄が決定される場合には、その選択肢は、図9(a)に示す通り、「2R通常図柄」および「2R確変図柄」の2種類である。これら2種類の何れに決定された場合であっても、それぞれに対応する大当たりパターンに規定された実質ラウンド数は2ラウンドである。よって、第2始動入賞口37bまたは第3始動入賞口37cに遊技球が入賞して、その入賞に係る抽選で特図当たりに当選した場合には、第2アタッカー装置41bが最大で30秒開閉するラウンド遊技が2回行われて、約60個の賞球を獲得できる大当たり遊技が実行されることになる。
そして、図9(b)に示すように、何れの遊技モードであっても、電サポ回数は12回または23回に決定されるようになっている。そのため、例えば、連荘モードでは、特図高確となっているので、電サポが12回付与されれば、かなりの確率で特図当たりに当選し、その殆どが2R確変図柄となるので、2R確変図柄が連荘することになる。
ここで、上記した実質ラウンド数について説明を補足すると、本実施形態の大当たり遊技は、第1アタッカー装置41aおよび第2アタッカー装置41bが所定回数だけ開閉するラウンド遊技を複数回連続して行う構成となっている。1回のラウンド遊技は、ラウンド遊技開始後にアタッカー装置41a,bが開き、露呈した大入賞口42a,bに所定個数の遊技球が入賞すること、またはラウンド遊技が開始されてから所定時間が経過したことの何れかの終了条件(ラウンド終了条件)が成立すると終了する。そして、本実施形態では、特別図柄の何れが選択されても、必ずラウンド遊技が2回(ラウンド)行われるが、2回のラウンド遊技のうち、遊技者が賞球を獲得することのできるラウンド遊技の回数、つまり、出玉有りのラウンド遊技の回数が特別図柄の種類によって異なるものとなっている。なお、このアタッカー装置41a,bの作動を制御して、特別図柄の種類に応じたラウンド数の大当たり遊技を提供しているのが、大当たり遊技制御部160である。大当たり遊技制御部160は、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞して特図当たりに当選した場合には、第1アタッカー装置41aを開閉し、第2始動入賞口37bまたは第3始動入賞口37cに遊技球が入賞して特図当たりに当選した場合には、第2アタッカー装置41bが開閉するように制御している。
実質ラウンド数が2Rの場合の1回のラウンド遊技は、第2アタッカー装置41bが1回開放し、その開放時間が最大30秒間に設定され、ラウンド終了条件が、大入賞口42bに10個の遊技球が入賞すること、またはラウンド遊技が開始されてから30秒が経過したことの何れかが成立したことに設定された内容のものである。このラウンド遊技が2ラウンド分行われるため、遊技者は約60個の賞球を獲得することができる。
一方、実質ラウンド数が0Rの場合の1回のラウンド遊技は、第1アタッカー装置41aが1回開放し、その開放時間が最大0.2秒間に設定され、ラウンド終了条件が、大入賞口42aに10個の遊技球が入賞すること、またはラウンド遊技が開始されてから2秒が経過したことの何れかが成立したことに設定された内容のものである。この場合、第1アタッカー装置41aが開放している時間が非常に短いため、大入賞口42aに遊技球を入賞させることは困難である。そのため、遊技者は賞球を獲得することができない。
続いて、図16を参照しながら、図5の遊技状態設定部140が行う遊技モードの移行について説明する。上述したように、本実施形態では、遊技モードとして、通常モード、チャンスモード、引戻しモード、および連荘モードの4つの遊技モードが設けられており、遊技状態設定部140は、所定条件(M1〜M11)が成立したことに基づいて、4つの遊技モード間で遊技モードの移行を行っている。なお、電源投入時やRAMクリア時のような初期状態では、チャンスモードが設定されるようになっている。
通常モードからチャンスモードに移行(昇格)するための条件(M1):
(M1−1)
通常モードでのゲーム回数がST回数である12ゲームに到達したこと(なお、通常モードでは、特図当たりの当選確率が1/3と高確率なので、特図当たりに当選することなく12ゲームに到達する可能性はかなり低い)。
(M1−2)
特図当たりの連荘回数がリミッタである50回に到達したこと。
(M1−3)
特図当たりに当選し、特別図柄の種類が「2R通常図柄」となったこと。
チャンスモードから通常モードに移行(転落)するための条件(M2):
特図当たりに当選し、特別図柄の種類が「2R確変図柄C」となったこと。
通常モードから連荘モードに移行(昇格)するための条件(M3):
(M3−1)
特図当たりに当選し、特別図柄の種類が「2R確変図柄A」となったこと(なお、通常モードで2R確変図柄Aに当選する確率は、0.4%(図8(a)参照)であるから、このM3−1が成立する可能性はかなり低いことになる)。
(M3−2)
第3始動入賞口37cに入賞して特図当たりに当選し、特別図柄の種類が「2R確変図柄」となったこと(なお、第3始動入賞口37cに遊技球が入賞することは稀であるが、通常モードは特図高確なので、第3始動入賞口37cに遊技球が入賞した場合には、かなりの確率で連荘モードに移行することになる)。
チャンスモードから連荘モードに移行(昇格)するための条件(M4):
(M4−1)
特図当たりに当選し、特別図柄の種類が「2R確変図柄A,B」の何れかとなったこと。
(M4−2)
第3始動入賞口37cに入賞して特図当たりに当選し、特別図柄の種類が「2R確変図柄」となったこと(なお、第3始動入賞口37cに遊技球が入賞することは稀であり、チャンスモードは特図低確なので、第3始動入賞口37cに遊技球が入賞した場合であっても、連荘モードに移行する確率はかなり低い)。
連荘モードからチャンスモードに移行(転落)するための条件(M5):
連荘モードでのゲーム回数がST回数である12ゲームに到達したこと(なお、連荘モードでは、特図当たりの当選確率が1/3と高確率なので、特図当たりに当選することなく12ゲームに到達する可能性はかなり低い)。
連荘モードから引戻しモードに移行(転落)するための条件(M6):
(M6−1)
特図当たりの連荘回数がリミッタである50回に到達したこと。
(M6−2)
特図当たりに当選し、特別図柄の種類が「2R通常図柄」となったこと。
引戻しモードから連荘モードに移行(昇格)するための条件(M7):
(M7−1)
特図当たりに当選し、特別図柄の種類が「2R確変図柄A,B,C」の何れかとなったこと。
(M7−2)
第2始動入賞口37bまたは第3始動入賞口37cに入賞して特図当たりに当選し、特別図柄の種類が「2R確変図柄」となったこと(なお、引戻しモードは普図時短の状態なので、右打ちをしていれば、大抵は第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することになるが、特図低確なので特図当たりに当選する確率は低い)。
引戻しモードからチャンスモードに移行(転落)するための条件(M8):
引戻しモードでのゲーム回数が所定の時短回数(23回)に到達したこと。
なお、通常モードで2R確変図柄B,Cに当選した場合(M9)には、遊技モードは通常モードのままとなる(移行しない)。同様に、チャンスモードで2R通常図柄に当選した場合(M10)には、遊技モードはチャンスモードのままとなり、引戻しモードで2R通常図柄に当選した場合(M12)には、遊技モードは引戻しモードのままとなる。
また、連荘モードで2R確変図柄に当選した場合(M11)には、遊技モードは連荘モードのままとなる。つまり、連荘モード中は、特図高確、普図時短の状態であるため、アタッカー式電動チューリップ49が頻繁に開閉し、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞可能となる。そして、1/3の確率で特図当たりに当選し、その当選での特別図柄の種類は、99.2%の確率で2R確変図柄となる(図9参照)。よって、一度、連荘モードに移行すると、2R確変図柄が連荘し、約60個の賞球が最大でリミッタ回数である50回分獲得できることになる。
このように、本実施形態では、連荘モードに移行すると出玉を獲得できるが、通常モードから条件(M3)を成立させて直接連荘モードに移行させる第1ルートと、通常モードから条件(M1)を成立させていったんチャンスモードに移行させ、そのチャンスモードで条件(M4)を成立させて連荘モードに移行させる場合の第2ルートとがある。そして、上述したように、第1ルートと第2ルートとでは、第1ルートが成立する確率(第1合成確率)は、0.13%で、第2ルートが成立する確率は0.52%となっているので、第2ルートの方が有利である。つまり、特図高確の通常モードよりも、特図低確のチャンスモードに移行した方が連荘モードに移行する可能性が高まるのである。
次に、特別図柄の変動時間を決定するための処理について説明する。特別図柄変動パターンコマンド決定部130は、図10に示すように、特別図柄に係る変動パターンコマンドの決定に用いる変動パターン用乱数を発生させるための特別図柄変動パターン用乱数発生部131と、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことに基づいて特別図柄に係る変動パターン(PT)コマンドを決定するための第1特別図柄変動パターン抽選部130aと、第2始動入賞口37bまたは第3始動入賞口37cに遊技球が入賞したことに基づいて変動パターン(PT)コマンドを決定するための第2特別図柄変動パターン抽選部130bとを備えて構成されている。
特別図柄変動パターン用乱数発生部131は、周期的(例えば2ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(0〜9まで)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成するものである。
第1特別図柄変動パターン抽選部130aは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に、特別図柄変動パターン用乱数発生部131にて発生した特別図柄変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する第1特別図柄変動パターン用乱数取得部132aと、この第1特別図柄変動パターン用乱数取得部132aが取得した乱数から、特別図柄共通変動パターンコマンドテーブル134を参照して特別図柄に係る変動パターンコマンドを決定する第1特別図柄変動パターン決定部135aと、特別図柄が変動中の場合に、第1特別図柄変動パターン用乱数取得部132aが取得した乱数を上限4個まで記憶する第1特別図柄変動パターン用乱数記憶部133aとを備えて構成されている。なお、第1特別図柄変動パターン抽選部130aは、第1始動入賞口37aに遊技球が1個入賞すると、第1特別図柄当否抽選部119aと同様に、その入賞につき1つの特別図柄変動パターン用乱数を取得する。
第2特別図柄変動パターン抽選部130bも第1特別図柄変動パターン抽選部130aと同様に、第2始動入賞口37bまたは第3始動入賞口37cに遊技球が入賞したことを契機に、特別図柄変動パターン用乱数発生部131にて発生した特別図柄変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する第2特別図柄変動パターン用乱数取得部132bと、この第2特別図柄変動パターン用乱数取得部132bが取得した乱数から、特別図柄共通変動パターンコマンドテーブル134を参照して特別図柄に係る変動パターンコマンドを決定する第2特別図柄変動パターン決定部135bと、特別図柄が変動中の場合に、第2特別図柄変動パターン用乱数取得部132bが取得した乱数を上限4個まで記憶する第2特別図柄変動パターン用乱数記憶部133bとを備えて構成されている。なお、第2特別図柄変動パターン抽選部130bは、第2始動入賞口37bまたは第3始動入賞口37cに遊技球が1個入賞すると、第2特別図柄当否抽選部119bと同様に、その入賞につき1つの特別図柄変動パターン用乱数を取得する。
特別図柄共通変動パターンコマンドテーブル134は、第1特別図柄変動パターン抽選部130aおよび第2特別図柄変動パターン抽選部130bの両方の抽選部が共通で用いるテーブルであって、図11に示すように、変動パターンテーブルA(通常モード)134a、変動パターンテーブルB(チャンスモード)134b、変動パターンテーブルC(引戻しモード)134c、変動パターンテーブルD(連荘モード)134dの合計4つのテーブルを備えている。これらのテーブルは、さらに、複数の小テーブルを備えて構成されている。例えば、図12に示すように、変動パターンテーブルA(通常モード)134aは、当たりテーブル134a−1、保留1〜3用ハズレテーブル134a−2、および保留4用ハズレテーブル134a−3の3つの小テーブルを備えている。
当たりテーブル134a−1は、特別図柄当否抽選部119a,119bによる抽選で特図当たりに当選した場合に参照される小テーブルであり、保留1〜3用ハズレテーブル134a−2は、特別図柄当否抽選部119a,119bによる抽選でハズレであって、特別図柄用保留球乱数記憶部115a,115bに記憶されている保留球乱数の個数が1〜3個までの場合に参照される小テーブルであり、保留4用ハズレテーブル134a−3は、特別図柄当否抽選部119a,119bによる抽選でハズレであって、特別図柄用保留球乱数記憶部115a,115bに記憶されている保留球乱数の個数が4個(上限)の場合に参照される小テーブルである。
それぞれの小テーブル134a−1,2,3は、特別図柄の変動パターン用乱数と特別図柄の変動パターンNo.が予め対応づけられた構成となっている。そのため、特別図柄変動パターン用乱数が決まると、それぞれの小テーブルを参照すれば、その変動パターン用乱数に対応する変動パターンNo.(特別図柄に係る変動パターンコマンド)が自ずと決まり、その変動パターンNo.に対応する特別図柄の変動時間が決まるようになっている。
各小テーブルに記憶されている特別図柄の変動時間について説明すると、まず、当たりテーブル134a−1には、30秒から120秒までの変動時間が記憶されている。保留1〜3用ハズレテーブル134a−2には、10秒〜120秒までの変動時間が記憶されているが、当たりテーブル134a−1と比べて相対的に短い変動時間が多く含まれている。保留4用ハズレテーブル134a−3には、2秒〜45秒までの変動時間が記憶されている。保留1〜3用ハズレテーブル134a−2と保留4用ハズレテーブル134a−3とを比較すると、保留4用ハズレテーブル134a−3の方が保留1〜3用ハズレテーブル134a−2に比べて相対的に短い変動時間が記憶されている。
本実施形態では、特図当たり時に選択可能な全ての変動パターンNo.1〜10で大当たりコマンドが構成され、ハズレ時に選択可能な変動パターンNo.11〜30のうち、リーチになる変動パターンNo.15〜No.20、およびNo.28〜No.30(図18参照)でリーチハズレコマンドが構成され、それ以外の変動パターンNo.で通常のハズレコマンドが構成されている。
なお、詳しい説明は省略するが、変動パターンテーブルB〜Dについても同様に、それぞれ複数の小テーブルが設けられており、各小テーブルは、変動パターンテーブルに応じた特有の変動パターンNo.の構成となっている。よって、遊技開始時に参照する変動パターンテーブルがA〜Gの何れであるかによって、演出表示装置34に表示される演出の特徴が異なるものとなる。
なお、変動パターンテーブルA(通常モード)134aは、遊技状態が通常モードのときに参照され、変動パターンテーブルB(チャンスモード)134bは、遊技状態がチャンスモードのときに参照され、変動パターンテーブルC(引戻しモード)134cは、遊技状態が引戻しモードのときに参照され、変動パターンテーブルD(連荘モード)134dは、遊技状態が連荘モードのときに参照されるものである。
次に、普通図柄変動パターンコマンド決定部190は、図14に示すように、普通図柄変動パターンコマンドの決定に用いる普通図柄変動パターン用乱数を発生させる普通図柄変動パターン用乱数発生部191と、普通図柄に係る変動パターン(PT)コマンドを決定するための普通図柄変動パターン抽選部196と、を備えて構成されている。
普通図柄変動パターン抽選部196は、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に、普通図柄変動パターン用乱数発生部191にて発生した普通図柄変動パターン用の乱数の中から1つの乱数を取得する普通図柄変動パターン用乱数取得部192と、この普通図柄変動パターン用乱数取得部192が取得した乱数から、普通図柄変動パターンコマンドテーブル194を参照して普通図柄に係る変動パターンコマンドを決定する普通図柄変動パターン決定部195と、普通図柄が変動中の場合に、普通図柄変動パターン用乱数取得部192が取得した乱数を上限4個まで記憶する普通図柄変動パターン用乱数記憶部193とを備えて構成されている。なお、普通図柄変動パターンコマンド決定部190は、スルーチャッカ21を遊技球が1個通過すると、その通過につき1つの普通図柄変動パターン用乱数を取得する。
普通図柄変動パターン用乱数発生部191は、周期的(例えば2ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば0〜4まで)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数を生成するものである。
普通図柄変動パターンコマンドテーブル194には、図15に示すように、普通図柄の変動時間が長い普図変動テーブルA(194−1)と短い普図変動テーブルB(194−2)の2つの普図変動テーブルが記憶されている。それぞれのテーブルは、普通図柄変動パターン用乱数と普通図柄変動パターンNo.とが予め対応づけられた構成となっている。そのため、普通図柄変動パターン用乱数が決まると、それぞれのテーブルを参照すれば、その変動パターン用乱数に対応する変動パターンNo.(普通図柄に係る変動パターンコマンド)が自ずと決まり、その変動パターンNo.に対応する普通図柄の変動時間が決まるようになっている。
ここで、本実施形態では、普図変動テーブルA(194−1)を参照すると何れの普通図柄変動パターン用乱数の値であっても、普通図柄の変動時間は30秒となり、普図変動テーブルB(194−2)を参照すると何れの普通図柄変動パターン用乱数の値であっても、普通図柄の変動時間は0.6秒となっている。
このように普通図柄の変動時間が遊技状態に応じて異なるようになっているから、本実施形態では、例えば、普通図柄の当選確率が高確率状態の、引戻しモードおよび連荘モードでは、普通図柄が0.6秒間変動した後にアタッカー式電動チューリップ49が開閉するといった現象が繰り返し発生することになる。一方、通常モードとチャンスモードの場合、普通図柄の変動時間が30秒と長いうえ、普通図柄の当選確率が低確率な状態であるため、なかなかアタッカー式電動チューリップ49は開放しない。
このように構成された主制御処理部11は、第1始動入賞口37aに入賞したことを契機に行われる遊技の開始に際して、第1特別図柄変動パターン抽選部130aで決定された特別図柄変動パターンコマンドを演出制御処理部12aに送信すると共に、第1特別図柄当否抽選部119aによる抽選に当選した場合には第1特別図柄種類抽選部129aで決定された特別図柄の種類に関するコマンドも演出制御処理部12aに送信している。同様に、主制御処理部11は、第2始動入賞口37bまたは第3始動入賞口37cに入賞したことを契機に行われる遊技の開始に際して、第2特別図柄変動パターン抽選部130bで決定された特別図柄変動パターンコマンドを演出制御処理部12aに送信すると共に、第2特別図柄当否抽選部119bによる抽選に当選した場合には第2特別図柄種類抽選部129bで決定された特別図柄の種類に関するコマンドも演出制御処理部12aに送信している。
また、スルーチャッカ21を遊技球が通過した場合には、普通図柄変動パターン抽選部196で決定された普通図柄変動パターンコマンドおよび普通図柄当否抽選部177の抽選結果に係るコマンドを普通図柄表示制御部12fに送信している。
ここで、主制御処理部11から演出制御処理部12aに対して送信される遊技用のコマンドは、特別図柄の種類に関するコマンドと特別図柄変動パターンコマンドとを含んで構成されたものと、特別図柄変動パターンコマンドは含まれるものの特別図柄の種類に関するコマンドは含まれずに構成されたものの両方があるが、以下の説明において、これら遊技用のコマンドを一括りに「遊技コマンド」と言うことにする。
次に、この遊技コマンドの中身について説明する。遊技コマンドは、「No.?」または「No.?+?図柄」の何れかで構成されている。遊技コマンドのうち「No.?」は、第1特別図柄変動パターン抽選部130aまたは第2特別図柄変動パターン抽選部130bが決定した特別図柄に係る変動パターンコマンドを示し、遊技コマンドのうち「?図柄」は、第1特別図柄種類抽選部129aまたは第2特別図柄種類抽選部129bが決定した特別図柄の種類に関するコマンドを示している。
例えば、変動パターンテーブル134aが参照された場合には、図12に示すように、変動パターンNo.1〜No.30の何れかが決定されることになるが、変動パターンNo.1〜No.10は当たりテーブル(134a−1)を参照していることから、「No.1」〜「No.10」の各コマンドは大当たりコマンドであり、変動パターンNo.11〜No.30は、保留1〜3用ハズレテーブル(134a−2)または保留4用ハズレテーブル(134a−3)を参照していることから、「No.11」〜「No.30」の各コマンドはハズレコマンドである。また、特別図柄の種類に関するコマンドは、図8,9等に示すように、「2R通常図柄」、「2R確変図柄(A,B,C)」のコマンドから成るものである。
よって、遊技コマンドに変動パターン「No.1」〜「No.10」の何れかの情報が含まれていれば、その遊技コマンドは大当たりコマンドであり、「?図柄」のコマンドを確認すれば、その遊技コマンドが、確変当たりか通常当たりの何れであるか、実質ラウンド数が何回であるか、電サポ回数が何回であるかが分かる。また、遊技コマンドに変動パターン「No.11」〜「No.30」の何れかの情報が含まれていれば、その遊技コマンドはハズレコマンドであることが分かる。このことは、変動パターンテーブルB〜Dが参照された場合の遊技コマンドについても同様である。なお、詳しい説明は省略するが、本実施形態では、遊技コマンドを解析すれば、変動パターンテーブルA〜Dの何れを参照したものかが分かるような符号が遊技コマンドに記されている。
続いて、主制御処理部11からの指令(コマンド)を受けて各種装置を制御する副制御処理部について説明する。副制御処理部を構成する演出制御処理部12a、特別図柄表示制御部12b、ランプ制御処理部12c、払出制御処理部12e、および普通図柄表示制御部12fは、遊技盤3の裏面に支持部材等を介して設けられ、主制御処理部11が生成した処理情報に従って、演出表示装置34やスピーカ20、その他の演出装置(LED装置など)などの制御を行う装置である。
演出制御処理部12aは、図17に示すように、処理部として、演出態様を決定するための演出態様決定部210と、この演出態様決定部210が決定した演出態様を演出表示装置34に表示するよう制御する演出表示制御部220と、始動入賞口37a,b,cに遊技球が入賞して保留球乱数が記憶される毎に、保留球表示装置34aに所定の態様で保留球表示を行う保留球表示制御部230と、を備えている。また、演出制御処理部12aは、記憶部として、複数種類の演出パターン(演出態様)が記憶された演出テーブルA〜Dと、演出表示装置34に表示する背景画像が記憶された複数の背景画像テーブルA〜Dを備えている。
演出態様決定部210は、遊技の開始時に、当該遊技に係る遊技コマンドに基づいて、演出態様記憶部260に記憶されている演出テーブルA〜Dを参照しながら、今回用いる演出パターンを決定する。ここで、演出テーブルA(通常モード)261aは、変動パターンテーブルA(通常モード)134aに基づく遊技コマンドが入力された場合に参照され、同様に、演出テーブルB(チャンスモード)261bは、変動パターンテーブルB(チャンスモード)134bに基づく遊技コマンドが入力された場合に、演出テーブルC(引戻しモード)261cは、変動パターンテーブルC(引戻しモード)134cに基づく遊技コマンドが入力された場合に、演出テーブルD(連荘モード)261dは、変動パターンテーブルD(連荘モード)134dに基づく遊技コマンドが入力された場合に、それぞれ参照されるようになっている。
これら演出テーブルA〜Dのうち演出テーブルA(通常モード)261aの構成を示したものが図18である。図18に示すように、演出テーブルA(通常モード)261aは、遊技コマンドに演出パターンが対応付けられた構成となっている。例えば、遊技コマンドNo.1+「図柄」には、変動時間30秒の「ノーマルリーチA1」と「ノーマルリーチA2」が対応する演出パターンとして記憶されており、遊技コマンドNo.13には、変動時間10秒の「リーチなしB」が対応する演出パターンとして記憶されている。
そして、例えば、遊技コマンドとして「No.15」が演出制御処理部12aに送られてきた場合には、演出態様決定部210は、遊技コマンド「No.15」に対応する演出パターン「ノーマルリーチA1」または「ノーマルリーチA2」の中から一方の演出パターンを抽選により決定する。なお、演出テーブルB〜Dは、それぞれ演出パターンの内容は異なるものの、その構成は演出テーブルAと同様であるため、それらの図示および説明は省略する。
さらに、演出表示制御部220は、演出態様決定部210が決定した演出パターンを表示するだけでなく、演出表示装置34の背景画像を表示する制御も行っている。背景画像は、背景画像テーブルA(通常モード)262a、背景画像テーブルB(チャンスモード)262b、背景画像テーブルC(引戻しモード)262c、および背景画像テーブルD(連荘モード)262dのそれぞれに記憶されており、演出表示制御部220は、遊技状態に応じて何れかの背景画像テーブルを参照して、演出表示装置34に背景画像を表示している。
具体的には、演出表示制御部220は、変動パターンテーブルA(通常モード)134aに基づく遊技コマンドが入力された場合には、背景画像テーブルA(通常モード)262aに記憶されている背景画像を演出表示装置34に表示する。また、演出表示制御部220は、変動パターンテーブルB(チャンスモード)134bに基づく遊技コマンドが入力された場合には、背景画像テーブルB(チャンスモード)262bに記憶されている背景画像を演出表示装置34に表示する。同様にして、演出表示制御部220は、変動パターンテーブルC(引戻しモード)134cに基づく遊技コマンドが入力された場合には、背景画像テーブルC(引戻しモード)262cに記憶されている背景画像を演出表示装置34に表示し、変動パターンテーブルD(連荘モード)134dに基づく遊技コマンドが入力された場合には、背景画像テーブルD(連荘モード)262dに記憶されている背景画像を演出表示装置34に表示する。
図5に説明を戻すと、特別図柄表示制御部12bは、主制御処理部11から出力された遊技コマンドに基づき、特別図柄表示装置17に特別図柄を所定の時間だけ変動させた後に停止させる態様で表示する。また、普通図柄表示制御部12fは、主制御処理部11から出力された、普通図柄に係る抽選の当否結果のコマンドと普通図柄変動パターンコマンドとに従って、普通図柄表示措置22に普通図柄を所定時間だけ変動表示させた後、所定の態様で停止表示させる。なお、普通図柄表示制御部12fは、上記した特別図柄表示制御部12bによる表示制御と比べて表示する図柄の対象が相違するものの、表示制御の基本構成はほぼ同じである。また、ランプ制御処理部12cは、主制御処理部11からコマンドを受けて各種ランプや電飾の点灯制御を行うものである。
払出制御処理部12eは、CRユニットからの信号を受けて遊技球を遊技者に貸し出すように賞球払出装置14を制御する他、主制御処理部11からの払出指令を受けて、所定個数の賞球を遊技者に対して払い出すように賞球払出装置14を制御する。この賞球払出装置14は、遊技球を1個ずつ保持する切欠きが形成されたスプロケット(図示せず)と、このスプロケットを回転させるモータ(図示せず)とを備えて構成されている。そして、モータの回転を制御することにより、必要な数だけ賞球を払い出すことができるようになっている。具体的には、始動入賞口検知センサ43a、43b、一般入賞口検知センサ44、大入賞口検知センサ45等が遊技球の通過を検知したら、賞球払出装置14は主制御処理部11を経由して受けたコマンドに基づき遊技球を払い出す。
発射制御処理部13は、ハンドル7の回動量に応じて、発射装置9に対する作動の制御を行う装置である。より具体的に言うと、発射装置9に対して通電させたり、通電を停止したり、あるいは、通電電流を変化させるといった制御処理を行う。なお、この発射制御処理部13は、払出制御処理部12eと接続されており、CRユニットが接続されていない場合に発射停止信号が受信されるようになっている。
次に、本発明の実施の形態例に係るパチンコ機Pの特別図柄に係る遊技処理の手順について図19を参照して説明するが、第1始動入賞口37aに入賞した場合と、第2始動入賞口37bまたは第3始動入賞口37cに遊技球が入賞した場合とで遊技に関する処理は同じであるため、以下では、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合について説明することとする。
図19に示すように、遊技球が第1始動入賞口37aに入賞したか否かを主制御処理部11は判断する(ステップS1)。入賞した場合(ステップS1でYes)には、第1特別図柄当否判定用乱数取得部112aは特別図柄当否判定用の乱数を取得し、第1特別図柄種類決定用乱数取得部122aは特別図柄種類決定用の乱数を取得し、第1特別図柄変動パターン用乱数取得部132aは特別図柄変動パターン用の乱数を取得する(ステップS2)。特別図柄が変動中の場合(ステップS3でYes)には、ステップS2で取得した特別図柄当否判定用乱数を第1特別図柄用保留球乱数記憶部115aに、特別図柄種類決定用乱数を第1特別図柄種類決定用乱数記憶部124aに、特別図柄変動パターン(PT)用乱数を第1特別図柄変動パターン用乱数記憶部133aに、それぞれ記憶して(ステップS4)、ステップS3の手前まで戻って、今回の入賞に係る遊技が開始するまで待機する。
一方、特別図柄が変動中でない場合、即ち、遊技の順番が来た場合(ステップS3でNo)には、ステップS5に進んで特図当たり判定処理を行う。つまり、取得した特別図柄当否判定用乱数が特図当たりであるか否かを第1特別図柄当否判定部113aが判断する。次いで、ステップS6に進んで、特別図柄種類決定処理を行う。具体的には、ステップS5での特図当たり判定処理の結果、特図当たりと判定された場合には、第1特別図柄種類決定部124aが、ステップS2で取得した特別図柄種類決定用乱数に基づいて、その特図当たりに対する特別図柄の種類を決定する。即ち、図8を参照して、4種類の特別図柄の中から1つの特別図柄を、このステップS6で決定する。
このステップS6において特別図柄の種類が決定されることにより、今回の特図当たりが確変当たりと通常当たりの何れであるか、大当たり遊技における実質ラウンド数が何回であるか、および、大当たり遊技終了後の電サポ回数が何回であるかが決定されることになる。なお、図示しないが、本実施形態では、ステップS5でハズレと判定された場合であっても、ステップS6において、一旦、特別図柄種類決定処理が行われて特別図柄の種類に係るコマンドが決定されるが、ステップS5でハズレと判定されたことをもって、その決定に係る特別図柄の種類に関するコマンドは破棄されるようにプログラムが組まれている。よって、ステップS5でハズレの場合、演出制御処理部12aに出力される遊技コマンドに特別図柄の種類に係るコマンドが含まれることはない。勿論、ステップS5でハズレの場合には、ステップS6の処理をジャンプする構成としても構わない。
次いで、ステップS7で特別図柄変動パターンコマンド決定処理を行う。この特別図柄変動パターンコマンド決定処理では、取得した特別図柄変動パターン用乱数に基づいて、第1特別図柄変動パターン決定部135aは、変動パターンテーブルA〜Dの何れかを参照して変動パターンNo.(変動パターンコマンド)を決定する。
次いで、ステップS8にて、演出態様決定処理を行う。この演出態様決定処理では、演出態様決定部210が、演出テーブルA〜Dの何れかを参照して、遊技コマンドに対応する演出パターンを今回の遊技に用いる演出パターンに決定する。また、このとき、演出表示制御部230は、演出表示装置34に表示する背景画像を、入力された遊技コマンドに基づき、背景画像テーブルA〜Dの何れかを参照して決定する。
次いで、ステップS9で、特別図柄の変動が開始され、演出表示制御部220が演出表示装置34にステップS8で決定された演出パターンおよび背景画像を表示する。次いで、ステップS10で特別図柄の変動が停止され、それと同期して、演出パターンの表示が停止される。
次いで、停止した特別図柄が特図当たりの組合せで確定している場合(ステップS11でYes)は、大当たり遊技制御部160は、特別図柄の種類に応じた所定の開閉パターンで第1アタッカー装置41aを開放して大当たり遊技を提供する(ステップS12)。次いで、ステップS13にて、遊技状態設定部140は、次の遊技における特別図柄および普通図柄の遊技状態を設定する。即ち、図16に示すフローに従って、遊技モードを通常モード、チャンスモード、連荘モード、または引戻しモードに設定する。
このステップS13で、次回の遊技における遊技状態が設定されると、1回の遊技に係る処理が終了する。また、ステップS11でNoの場合は、大当たり遊技が提供されることなくステップS13に進んで、次遊技の遊技状態が設定される。なお、ステップS1でNoの場合は遊技が行われることなく終了となる。
以上、説明したように、本実施形態によれば、通常モードから直接連荘モードに移行する場合と、通常モードからチャンスモードを経由して連荘モードに移行する場合の2ルートが設けられているので、出玉を獲得できるまでの道のりが多様化され、遊技性が向上する。また、第3始動入賞口37cを設けているので、いきなり連荘モードに移行する場合もあり得るため、趣向性はより一層高まる。
なお、上記した実施の形態例では第3始動入賞口37cを設けたが、この第3始動入賞口37cを必ずしも設けなくても良い。また、アタッカー式電動チューリップ49の代わりに、従来からある2つの羽根部材が開閉するタイプの電動チューリップを採用することもできる。また、第1アタッカー装置41aと第2アタッカー装置41bとを別個に設ける代わりに、1つのアタッカー装置を兼用することもできる。