JP2011027878A - 多階調フォトマスク、多階調フォトマスクの製造方法、及びパターン転写方法 - Google Patents

多階調フォトマスク、多階調フォトマスクの製造方法、及びパターン転写方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2011027878A
JP2011027878A JP2009171827A JP2009171827A JP2011027878A JP 2011027878 A JP2011027878 A JP 2011027878A JP 2009171827 A JP2009171827 A JP 2009171827A JP 2009171827 A JP2009171827 A JP 2009171827A JP 2011027878 A JP2011027878 A JP 2011027878A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
semi
transparent
light
film
transparent layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009171827A
Other languages
English (en)
Inventor
Ryoichi Yanai
涼一 柳井
Masayuki Miyoshi
将之 三好
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hoya Corp filed Critical Hoya Corp
Priority to JP2009171827A priority Critical patent/JP2011027878A/ja
Priority to TW099123196A priority patent/TW201113634A/zh
Priority to KR1020100070958A priority patent/KR20110010071A/ko
Priority to CN2010102382144A priority patent/CN101963753B/zh
Publication of JP2011027878A publication Critical patent/JP2011027878A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F1/00Originals for photomechanical production of textured or patterned surfaces, e.g., masks, photo-masks, reticles; Mask blanks or pellicles therefor; Containers specially adapted therefor; Preparation thereof
    • G03F1/54Absorbers, e.g. of opaque materials
    • G03F1/58Absorbers, e.g. of opaque materials having two or more different absorber layers, e.g. stacked multilayer absorbers
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/20Exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/2022Multi-step exposure, e.g. hybrid; backside exposure; blanket exposure, e.g. for image reversal; edge exposure, e.g. for edge bead removal; corrective exposure
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
    • H01L21/027Making masks on semiconductor bodies for further photolithographic processing not provided for in group H01L21/18 or H01L21/34
    • H01L21/0271Making masks on semiconductor bodies for further photolithographic processing not provided for in group H01L21/18 or H01L21/34 comprising organic layers
    • H01L21/0273Making masks on semiconductor bodies for further photolithographic processing not provided for in group H01L21/18 or H01L21/34 comprising organic layers characterised by the treatment of photoresist layers
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
    • H01L21/027Making masks on semiconductor bodies for further photolithographic processing not provided for in group H01L21/18 or H01L21/34
    • H01L21/0271Making masks on semiconductor bodies for further photolithographic processing not provided for in group H01L21/18 or H01L21/34 comprising organic layers
    • H01L21/0273Making masks on semiconductor bodies for further photolithographic processing not provided for in group H01L21/18 or H01L21/34 comprising organic layers characterised by the treatment of photoresist layers
    • H01L21/0274Photolithographic processes

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)

Abstract

【課題】半透光部の透過率を微調整でき、露光光に対する半透光部の透過率の波長依存性を選択できる。
【解決手段】遮光部、透光部、及び半透光部を含む所定の転写パターンが透明基板上に形成された多階調フォトマスクであって、遮光部は、透明基板上に半透光膜及び遮光膜が積層されてなり、透光部は透明基板が露出してなり、半透光部は、透明基板上に形成された半透光膜が露出してなり、半透光膜は、第1半透光層と第1半透光層上に積層された第2半透光層を備え、半透光部を構成する第2半透光層の膜厚が、遮光部を構成する第2半透光層の膜厚より小さくなるように減膜されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば液晶表示装置等のフラットパネルディスプレイ(Flat Panel Display:以下FPDと呼ぶ)等の製造に用いられる多階調フォトマスク、該多階調フォトマスクの製造方法、及びパターン転写方法に関する。
例えば液晶表示装置に使用されるTFT(薄膜トランジスタ)基板は、遮光部及び透光部からなる転写パターンが透明基板上に形成されたフォトマスクを用い、例えば5回〜6回のフォトリソグラフィ工程を経て製造されてきた。近年、フォトリソグラフィ工程数を削減するため、遮光部、半透光部、透光部を含む転写パターンが透明基板上に形成された多階調フォトマスクが用いられるようになってきた。
特開2007−249198号公報
上記の多階調フォトマスクには、その半透光部に、所望の露光光透過率を有する半透光膜を形成したものが知られている。通常、さまざまなFPD用マスクを製造するに際し、半透光部の透過率(中心値及び分布の許容範囲)が仕様として決定され、例えば、i線の透過率を代表波長として、この波長に対する透過率が仕様として指定されることなどがある。こうした仕様は、マスクユーザが行おうとする薄膜加工の条件に基づいて決定される。殊に、マスクユーザにとっては、確立された薄膜加工条件の範囲内で再現性よく正確な加工を行うためには、マスクの透過率が精緻に制御されていることが非常に重要となる。一方、様々な透過率仕様のフォトマスクを用意する際、目標透過率を得るためには、用いる半透光膜の材料組成と膜厚とをそれぞれ選択する必要がある。ここで、半透光膜の透過率を微調整するために、新規の材料組成を選択することは効率的でないとの観点から、材料組成を決定したのち、膜厚によって半透光膜の透過率を調整することが考えられる。しかしながら、この調整によって、各マスクに定められる透過率仕様(中心値、分布)を確実に充足することは、必ずしも容易ではない。
ところで、発明者らの検討によれば、FPD用多階調フォトマスクの製造においては、ある波長における半透光部の透過率制御のみでなく、その透過率波長依存性もまた考慮し、最適なものを選択することが、マスクユーザにとって極めて重要であることが見出された。
マスクユーザが使用する露光機が備える光源は、一般にi線〜g線の範囲の光を照射するが、装置による個体差があり、i線の強度が相対的に大きいものや、g線の強度が相対的に大きいものなどがあり、さらには光源の経時による変化もある。このため、使用する露光機によって多階調フォトマスクに照射される露光光の波長分布は異なり、それらによって被転写体上に設けられたレジスト膜の受ける光の強度(露光光量)が変化する。つまり、露光光の波長分布により、被転写体上に得られるレジストパターンの形状や残膜量が変わってしまう。
この点のみからすれば、多階調フォトマスクに用いる半透光膜は、透過率の波長依存性
が小さい(つまり露光波長範囲における透過率の波長依存性のカーブがフラットである)ことが好ましいとも考え得る。しかし、発明者らによると、そのような半透光膜が有利とは限らない。
例えば、多階調フォトマスクの形成された転写パターンを、露光機を用いて被転写体上のレジスト膜に転写しようとするとき、転写パターンに含まれるパターンの線幅によって、実際にレジストに届く露光光の強度は異なる。これは、前記パターンの線幅が微小になり、露光光の波長に近づくほど、露光光が解像しなくなるためである。すなわち、例えば10μm未満の線幅を含む転写パターンであるとき、露光光の波長範囲のうち長波長側(g線側)の光ほど、このパターンを解像しにくく、レジスト膜にとどく光強度は小さい。
したがって、代表波長(たとえばi線)における透過率を精緻に制御した半透光膜を使用するだけでは、マスクを使用したパターン転写によって得られるレジストパターン形状を決定することにはならないし、透過率の波長依存性が小さい膜材を使用したとしても、実際のレジストパターン形状は安定しない。
一方で、多階調フォトマスクの半透光部に用いる半透光膜は、その素材に由来する分光透過特性を有する。そのことから、露光光波長(i線〜g線を含む)の範囲で、所望の透過率の波長依存性をもつ半透光膜とその膜厚を選択すれば、得ようとする透過率が得られるばかりでなく、上記したパターン線幅に起因する波長依存性や、露光条件の分光特性を相殺し、または緩和し、被転写体上に所望のレジスト残膜をもつレジストパターンが安定して形成できる。換言すれば、所定のパターン線幅をもち、所定の透過率(膜固有の透過率)を有する半透光膜を用いて形成した半透光部の、実効的な露光光透過率の波長依存性を小さくすることは有用であるが、このためには、使用する膜の透過率と波長依存性をそれぞれ、所望値の範囲に制御する自由度が必要なのである。
更には、いったん確立した被転写体(薄膜など)の加工条件をそのままにして、新たな多階調フォトマスクを求める際には、従来のフォトマスクと等しい分光特性をもつ多階調フォトマスクを得る必要がある。この場合にも、単に多階調フォトマスクのもつ透過率波長依存性を小さくするのではなく、所望値の範囲に制御することが有用である。
すなわち、半透光部における透過率の絶対値とともに、その波長依存性を、所望範囲に制御することが有利であることが見出された。
但し、従来の多階調フォトマスクにおいては、露光光に対する半透光部の透過率の波長依存性を任意に選択することは困難であった。半透光部に用いる膜材を決定すれば、その透過率は膜厚によって制御できるが、透過率波長依存性を所望のカーブに制御することは容易ではない。そこで、発明者らは、透過率の絶対値とともに、透過率波長依存性傾向も所望範囲内のものを得ることができるフォトマスクの製造方法について検討した。そして、発明者らは、実際のFPD生産工程において、好ましく使用される多階調フォトマスクの分光特性を検討した結果、本発明をなした。
すなわち本発明は、半透光部の透過率を微調整でき、露光光に対する半透光部の透過率の波長依存性を任意に選択できる多階調フォトマスク、及び該多階調フォトマスクの製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、前記多階調フォトマスクを用いることで、FPDの製造歩留りを改善し、製造コストを低減させることができるパターン転写方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、遮光部、透光部、及び半透光部を含む所定の転写パターンが透
明基板上に形成された多階調フォトマスクであって、前記遮光部は、前記透明基板上に半透光膜及び遮光膜が積層されてなり、前記透光部は、前記透明基板が露出してなり、前記半透光部は、前記透明基板上に形成された前記半透光膜が露出してなり、前記半透光膜は、第1半透光層と、前記第1半透光層上に積層された第2半透光層とを備え、前記半透光部を構成する前記第2半透光層の膜厚が、前記遮光部を構成する前記第2半透光層の膜厚より小さくなるように減膜されている多階調フォトマスクである。
本発明の第2の態様は、前記半透光部を構成する前記第1半透光層と減膜された前記第2半透光層により、波長が365nmから436nmの範囲の光に対する前記半透光部の透過率が、1%以上10%以下の波長依存性を有する第1の態様に記載の多階調フォトマスクである。
本発明の第3の態様は、波長が365nmから436nmの範囲の光に対して、前記半透光部を構成する前記第2半透光層の透過率の波長依存性と、前記半透光部を構成する前記第1半透光層の透過率の波長依存性と、が互いに異なる第1又は第2の態様に記載の多階調フォトマスクの製造方法である。
本発明の第4の態様は、前記半透光部を構成する前記第2半透光層の膜厚が、前記遮光部を構成する前記第2半透光層の膜厚の97%未満になるように減膜されている第1から第3のいずれかの態様に記載の多階調フォトマスクである。
本発明の第5の態様は、波長が365nm以上436nm以下の光に対して、前記半透光部を構成する前記第1半透光層と第2半透光層の積層としての透過率が3%以上60%以下である第1又は第2の態様に記載の多階調フォトマスクである。
本発明の第6の態様は、前記透明基板上に形成された前記第1半透光層が露出してなる高透過率半透光部を更に備える第1〜第5のいずれかの態様に記載の多階調フォトマスクである。
本発明の第7の態様は、前記第2半透光層はモリブデンシリサイド又はその化合物を含む第1〜第6のいずれかの態様に記載の多階調フォトマスクである。
本発明の第8の態様は、前記第1半透光層及び前記第2半透光層が互いのエッチング条件に対して耐性を有する第1〜第7のいずれかの態様に記載の多階調フォトマスクである。
本発明の第9の態様は、透明基板上に形成した半透光膜及び遮光膜をそれぞれパターニングすることにより、遮光部、透光部、および所定の透過率を有する半透光部を含む転写パターンが形成された多階調フォトマスクを製造する方法において、透明基板上に、第1半透光層、第2半透光層を含む半透光膜が形成され、さらに、遮光膜が積層されたフォトマスクブランクを用意し、前記半透光膜および遮光膜をそれぞれパターニングすることにより、遮光部、透光部、半透光部を形成する工程を含み、前記半透光部を形成する際に、第1半透光層の上に形成された、第2半透光層を所定量減膜することにより、前記第1半透光層と減膜された第2半透光層の積層によって、前記所定の透過率を有する半透光部とする多階調フォトマスクの製造方法である。
本発明の第10の態様は、前記第2半透光層膜を減膜する工程では、前記遮光膜がエッチングされることで露出した前記第2半透光層に薬液を接触させる第9の態様に記載の多階調フォトマスクの製造方法である。
本発明の第11の態様は、第1〜第10のいずれかに記載の多階調フォトマスクを介して被転写体に露光光を照射し、前記被転写体上に形成されているレジスト膜に前記転写パターンを転写する工程を有するパターン転写方法である。
本発明によれば、半透光部の透過率を微調整でき、露光光に対する半透光部の透過率の波長依存性を選択できる多階調フォトマスク、及び該多階調フォトマスクの製造方法を提供することが可能となる。また、本発明によれば、前記多階調フォトマスクを用いることで、FPDの製造歩留りを改善し、製造コストを低減させることができるパターン転写方法を提供することが可能となる。
(a)は本発明の一実施形態に係る多階調フォトマスクの部分断面図(模式図)であり、(b)は該多階調フォトマスクを用いたパターン転写工程によって被転写体上に形成されるレジストパターンの部分断面図である。 本発明の一実施形態に係る多階調フォトマスクの製造工程のフローを例示する概略図である。 (a)は本発明の他の実施形態に係る多階調フォトマスクの部分断面図(模式図)であり、(b)は該多階調フォトマスクを用いたパターン転写工程によって被転写体上に形成されるレジストパターンの部分断面図である。 本発明の他の実施形態に係る多階調フォトマスクの製造工程のフローを例示する概略図である。 クロムを含む材料からなる薄膜の透過率の波長依存性と、モリブデンシリサイド系材料からなる薄膜の透過率の波長依存性と、をそれぞれ例示するグラフ図である。
<本発明の一実施形態>
以下に、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1(a)は本実施形態に係る多階調フォトマスク100の部分断面図(模式図)であり、図1(b)は該多階調フォトマスク100を用いたパターン転写工程によって被転写体1上に形成されるレジストパターン4pの部分断面図である。図2は、本実施形態に係る多階調フォトマスク100の製造工程のフローを例示する概略図である。図3は、クロムを含む材料からなる薄膜の透過率の波長依存性と、モリブデンシリサイド又はその化合物からなる薄膜の透過率の波長依存性と、をそれぞれ例示するグラフ図である。
(1)多階調フォトマスクの構成
図1(a)に示す多階調フォトマスク100は、例えば液晶表示装置(LCD)の薄膜トランジスタ(TFT)、カラーフィルタ、プラズマディスプレイパネル(PDP)などを製造するために用いられる。ただし、図1、図2はフォトマスクの積層構造を例示するものであり、実際のパターンは、これと同一とは限らない。
多階調フォトマスク100は、該多階調フォトマスク100の使用時に露光光を遮光(光透過率が略0%)させる遮光部121と、露光光の透過率を3〜60%(十分に広い透光部の透過率を100%としたとき。以下同様)、好ましくは5〜50%程度に低減させる半透光部122と、露光光を100%透過させる透光部124と、を含む転写パターンを備えている。上記で、十分に広いとは、露光光学系の解像度に対して十分に広い、すなわちパターンの線幅の変化が透過率に影響しない広さをいい、例えば20μm四方以上の広さをいう。
遮光部121は、ガラス基板等の透明基板110上に半透光膜111及び遮光膜112が順に積層されてなる。また、半透光部122は、透明基板110上に形成された半透光膜111の上面が露出してなる。なお、半透光膜111は、順に積層された第1半透光層111a及び第2半透光層111bを備えている。すなわち、遮光部121は、ガラス基板等の透明基板110上に第1半透光層111a、第2半透光層111b、及び遮光膜112が順に積層されてなる。また、半透光部122は、透明基板110上に第1半透光層111a及び第2半透光層111bが順に積層されると共に、第2半透光層111bの上面が露出してなる。そして、透光部124は、ガラス基板等の透明基板110の上面が露出してなる。なお、第1半透光層111a、第2半透光層111b、及び遮光膜112がパターニングされる様子については後述する。
透明基板110は、例えば石英(SiO)ガラスや、SiO,Al,B,RO,RO等を含む低膨張ガラス等からなる平板として構成されている。透明基板110の主面(表面及び裏面)は、研磨されるなどして平坦且つ平滑に構成されている。透明基板110は、例えば一辺が300mm以上の方形とすることができ、例えば一辺が2000〜2400mmの矩形とすることができる。透明基板110の厚さは例えば3mm〜20mmとすることができる。
遮光膜112は、クロム(Cr)を主成分とする。なお、遮光膜112の表面にCr化合物(CrO、CrC,CrN等)の層を設ければ、その表面に反射抑制機能を持たせることが出来る。遮光膜112は、例えば硝酸第2セリウムアンモニウム((NHCe(NO)及び過塩素酸(HClO)を含む純水からなるクロム用エッチング液を用いてエッチング可能なように構成されている。
第1半透光層111aは、例えばクロム(Cr)を含む材料からなり、例えば窒化クロム(CrN)、酸化クロム(CrO)、酸窒化クロム(CrON)、炭化クロム(CrC)、フッ化クロム(CrF)等からなる。第1半透光層111aは、上述のクロム用エッチング液を用いてエッチング可能なように構成されている。また、第1半透光層111aは、フッ素(F)系のエッチング液(又はエッチングガス)に対するエッチング耐性を有し、後述するようにフッ素(F)系のエッチング液(又はエッチングガス)を用いて第2半透光層111bをエッチングする際のエッチングストッパ層として機能することができる。
第2半透光層111bは、モリブデンシリサイド又はその化合物からなり、例えばMoSi、MoSi、MoSiN、MoSiON、MoSiCON等からなることができる。第2半透光層111bは、フッ素(F)系のエッチング液(又はエッチングガス)を用いてエッチング可能なように構成されている。また、第2半透光層111bは、クロム用エッチング液(又はエッチングガス)に対するエッチング耐性を有することが好ましい。
多階調フォトマスク(3階調フォトマスク)100を用いたパターン転写工程によって被転写体1に形成されるレジストパターン4pの部分断面図を図1(b)に例示する。レジストパターン4pは、被転写体1に形成されたポジ型レジスト膜4に多階調フォトマスク100を介して露光光を照射し、現像することにより形成される。被転写体1は、基板2と、基板2上に順に積層された金属薄膜や絶縁層、半導体層など任意の被加工層3a〜3cとを備えており、ポジ型レジスト膜4は被加工層3c上に均一な厚さで予め形成されているものとする。なお、被加工層3bは被加工層3cのエッチングに対して耐性を有し、被加工層3aは被加工層3bのエッチングに対して耐性を有するように構成されることができる。
多階調フォトマスク100を介してポジ型レジスト膜4に露光光を照射すると、遮光部
121では露光光が透過せず、また、半透光部122、透光部124の順に露光光の光量が段階的に増加する。そして、ポジ型レジスト膜4は、遮光部121、半透光部122、のそれぞれに対応する領域で膜厚が順に薄くなり、透光部124に対応する領域で除去される。このようにして、被転写体1上に膜厚が段階的に異なるレジストパターン4pが形成される。
レジストパターン4pが形成されたら、レジストパターン4pに覆われていない領域(透光部124に対応する領域)にて露出している被加工層3c〜3aを表面側から順次エッチングして除去する(第1エッチング)ことができる。そして、レジストパターン4pをアッシング(減膜)して膜厚が薄い領域(半透光部122に対応する領域)を除去し、新たに露出した被加工層3c,3bを順次エッチングして除去する(第2エッチング)ことができる。このように、膜厚が段階的に異なるレジストパターン4pを用いることで、従来のフォトマスク2枚分の工程を実施することができ、マスク枚数を削減でき、フォトリソグラフィ工程を簡略化できる。
(2)半透光部の透過率、及びその波長依存性
上述したように、本実施形態に係る半透光部122は、透過率の波長依存性が互いに異なる第1半透光層111aと第2半透光層111bとが順に積層されることで構成されている。そして、減膜により第2半透光層111bの厚さを調整することで、露光光に対する半透光部122の透過率を微調整したり、該透過率の波長依存性を任意に選択したりできるように構成されている。すなわち、本実施形態に係る第2半透光層111bは、減膜されることで半透光部122の透過率を微調整したり、該透過率の波長依存性を任意に選択したりする調整層として機能するように構成されている。
まず、半透光部122の透過率の微調整について説明する。
モリブデンシリサイド又はその化合物からなる第2半透光層111bは、その表面に例えば、フッ素(F)系のエッチング液等の薬液を作用させて減膜することができる。更に、第2半透光層111bの表面にアルカリ又は酸等の薬液を接触させることにより同様な調整が行える。本実施形態では、後述するように半透光部122を構成する第2半透光層111bに薬液を供給することにより、係る第2半透光層111bの膜厚Tbを、遮光部121を構成する第2半透光層111bの膜厚(すなわち、後述するフォトマスクブランク100bが備える第2半透光層111bの膜厚)Taよりも減膜して、半透光部122の透過率を容易に微調整している。
具体的には、半透光部122を構成する第2半透光層111bの減膜量を、例えば、遮光部121を構成する第2半透光層111aの膜厚Taの3%以上95%以下とする。すなわち、半透光部122を構成する第2半透光層111bの膜厚Tbを、遮光部121を構成する第2半透光層111aの膜厚Taの5%超97%未満になるように減膜する。そして、波長が365nm〜436nmの光に対して、半透光部122を構成する第2半透光層111b単独での透過率を5%以上80%以下、より好ましくは7%以上70%以下とする。なお、遮光部121を構成する第2半透光層111aの膜厚Taとは、後述する加工前のフォトマスクブランク100bが備える第2半透光層111bの膜厚と同じである。この結果、第1、第2半透光層の積層としての上記波長光に対する透過率は、3%以上60%以下、より好ましくは5%以上50%以下となる。このとき、第1半透光層の単独での透過率は、5〜80%とすることができ、好ましくは7〜70%とすることができる。
次いで、半透光部122の透過率の波長依存性の選択について説明する。
図3は、クロム(Cr)を含む材料(第1半透光層111aを構成する材料)からなる薄膜の透過率の波長依存性と、モリブデンシリサイド又はその化合物(第2半透光層111bを構成する材料)からなる薄膜の透過率の波長依存性と、をそれぞれ例示するグラフ図である。図3の横軸は露光光(薄膜に照射される光)の波長(nm)を示し、縦軸は露光光が照射された薄膜の光透過率(%)を示している。図3の×印は、クロム(Cr)を含む材料(ここではCrN)からなる薄膜の透過率を例示しており、図3の◆印は、モリブデンシリサイド又はその化合物からなる薄膜の透過率を例示している。
図3によれば、波長が365nm〜436nmを含む露光光(例えば、i線、h線、g線を含む水銀灯からの露光光)に対して、半透光部122を構成する第2半透光層(モリブデンシリサイド又はその化合物からなる薄膜)111bの透過率の波長依存性と、半透光部122を構成する第1半透光層(クロム(Cr)を含む材料からなる薄膜)111aの透過率の波長依存性と、は互いに異なることが分かる。すなわち、いずれの材料であっても、波長が長くなるほど透過率が上昇する波長依存性を有するが、第2半透光層111bを構成するモリブデンシリサイド又はその化合物の透過率の波長依存性は比較的大きく、第1半透光層111aを構成するクロム(ここではCrN)を含む材料の透過率は波長依存性が比較的小さいことが分かる。尚、他の素材を選択すれば、波長依存性が更に大きいものを使用することも可能である。
上述したように、被転写体上に常に同量の露光量を与えるには、半透光部の透過率の波長依存性は単に小さければ良いとは限らず、積極的に変化させることが有効な場合がある。すなわち、同じ線幅の半透光部122を有する転写パターンを用いた場合であっても、露光光の波長分布によって、被転写体上に解像しうる露光光の強度が増大したり低下したりする(転写パターンに起因する波長依存性)。発明者らの知見によれば、半透光部122の実効的な透過率は、露光光に対する半透光部122に用いた半透光膜の透過率波長依存性だけでなく、転写パターンに起因する透過率波長依存性を同時に考慮する必要がある。そして、被転写体上に常に同量の露光量を与えるには、露光光の波長分布を考慮して、半透光部の透過率の波長依存性を積極的に変化させることが必要な場合がある。しかしながら、従来の多階調フォトマスクにおいては、露光光に対する半透光部の透過率の波長依存性を任意に選択することは困難であった。
これに対し、本実施形態によれば、半透光部122を、クロム(Cr)を含む材料からなる第1半透光層111a、及びモリブデンシリサイド又はその化合物からなる第2半透光層111bを順に積層することで構成している。また、図3に示すように、波長が365nm〜436nmの波長を含む露光光に対して、半透光部122を構成する第2半透光層111bの透過率の波長依存性と、第1半透光層111aの透過率の波長依存性と、は互いに異なっている。そのため、半透光部122を構成する第2半透光層111bの厚さと、第1半透光層111aの厚さと、の比率を調整することで、半透光部122の透過率とともにその波長依存性を選択する自由度をもつことができる。例えば、半透光部122を構成する第2半透光層111bの厚さを、第1半透光層111aの厚さに対して相対的に薄く構成することで、半透光部122の透過率の波長依存性を比較的フラットに操作することが可能となる。また、逆に半透光部122を構成する第2半透光層111bの厚さを、第1半透光層111aの厚さに比べて厚く構成することで、半透光部122の透過率の波長依存性を増大させる(モリブデンシリサイド又はその化合物からなる薄膜の透過率の波長依存性に近づける)ことが可能となる。
なお、波長が365nm〜436nmの波長光に対して、半透光部122を構成する第2半透光層111bの透過率の波長依存性と、第1半透光層111aの透過率の波長依存性とは、図3のようにこれらを直線に近似して描いた際に、傾きが例えば1.5%以上異なることが好ましい。そして、半透光部122を構成する第2半透光層111bの厚さと
、第1半透光層111aの厚さと、の比率を調整することで、上記波長光に対する半透光部122の透過率を、1%以上10%以下の所望の波長依存性を有するように構成する。すなわち、上記波長光に対する半透光部122の透過率の変動を、1%以上であって10%以下の所望の数値に制御することができる。実際の転写パターンを形成した多階調フォトマスク100においては、転写パターンに依存する半透光部122の波長依存性が生じるが、これを相殺し、または緩和し、安定性の高い転写条件とするためには、半透光部122の波長依存成が1%以上10%以下の範囲内であること望ましい。
(3)多階調フォトマスクの製造方法
続いて、本実施形態に係る多階調フォトマスク100の製造方法について、図2を参照しながら説明する。
(フォトマスクブランク準備工程)
まず、図2(a)に例示するように、透明基板110上に第1半透光層111a、第2半透光層111b、遮光膜112がこの順に形成され、最上層に第1のレジスト膜131が形成されたフォトマスクブランク100bを準備する。なお、第1のレジスト膜131は、ポジ型フォトレジスト材料或いはネガ型フォトレジスト材料により構成することが可能である。以下の説明では、第1のレジスト膜131がポジ型フォトレジスト材料より形成されているものとする。第1のレジスト膜131は、例えばスピン塗布やスリットコータ等の手法を用いて形成することが出来る。
(第1パターニング工程)
次に、レーザ描画機等により描画露光を行い、第1のレジスト膜131の一部を感光させ、スプレー方式等の手法により第1のレジスト膜131に現像液を供給して現像し、遮光部121の形成予定領域を覆う第1のレジストパターン131pを形成する。第1のレジストパターン131pが形成された状態を図2(b)に例示する。
次に、形成した第1のレジストパターン131pをマスクとして遮光膜112をエッチングし、第2半透光層111bの上面を部分的に露出させる。そして、第1のレジストパターン131pを剥離して除去した後、残留している遮光膜112及び露出した第2半透光層111bの上面をそれぞれ覆う第2のレジスト膜132を形成する。第2のレジスト膜132は、ポジ型フォトレジスト材料或いはネガ型フォトレジスト材料により構成することが可能である。以下の説明では、第2のレジスト膜132がポジ型フォトレジスト材料より形成されているものとする。第2のレジスト膜132は、例えばスピン塗布やスリットコータ等の手法を用いて形成することが出来る。第2のレジスト膜132が形成された状態を図2(c)に例示する。
(第2パターニング工程)
次に、レーザ描画機等により描画露光を行い、第2のレジスト膜132の一部を感光させ、上記手法により第2のレジスト膜132に現像液を供給して現像し、遮光部121、半透光部122の形成予定領域をそれぞれ覆う第2のレジストパターン132pを形成する。第2のレジストパターン132pが形成された状態を図2(d)に例示する。
次に、形成した第2のレジストパターン132pをマスクとして第1半透光層111aと第2半透光層とを順にエッチングし、透明基板110の上面を部分的に露出させる。そして、第2のレジストパターン132pを除去する。
(第2半透光層の減膜工程)
次に、第2半透光層111bの上面に薬液(ここでは、酸またはアルカリを使用)を供給して、第2半透光層111bの膜厚を減膜し、半透光部122の透過率を微調整して、
本実施形態に係る多階調フォトマスク100の製造方法を終了する。なお、本工程では、半透光部122を構成する第2半透光層111bの膜厚Tbが、遮光部121を構成する第2半透光層111aの膜厚Ta(すなわち、図2(a)に示す加工前のフォトマスクブランク100bが備える第2半透光層111bの膜厚)の97%未満になるように減膜する。好ましくは、半透光部122を構成する第2半透光層111bの減膜量を、遮光部121を構成する第2半透光層111aの膜厚Ta(すなわち、図2(a)に示す加工前のフォトマスクブランク100bが備える第2半透光層111bの膜厚)の3%以上95%以下とする。尚、上記の態様においては、第2半透光層の減膜工程を、フォトマスク製造工程の最終段階としたが、前記第1のレジストパターン131pをマスクとした遮光膜112のエッチング後に行ってもよい。第2半透光層111bを減膜させるための薬液としては、フッ素(F)系のエッチング液、酸、アルカリなどを使用することができる。
(4)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、以下に示す1つまたは複数の効果を奏する。
(a)本実施形態によれば、半透光部122を、クロム(Cr)を含む材料からなる第1半透光層111a、及びモリブデンシリサイド又はその化合物からなる第2半透光層111bを順に積層することで構成している。そして、モリブデンシリサイド又はその化合物からなる第2半透光層111bを、減膜することにより目標の膜厚に調整している。ここでは薬液との接触により減膜することが可能である。
これにより、半透光部122の透過率を容易に微調整することが可能となる。更に、第1半透光層111aと第2半透光層111bの積層によって、半透光部122の透過率の絶対値のみでなく、その波長依存性を調整することができる。これにより、FPD等の製造に用いる多階調フォトマスク100の転写パターンに応じ、および/又は露光条件に応
じて、半透光部122の透過率波長依存性を整えることが可能となる。そのため、FPD等の製造歩留りを改善することが可能となる。また、各多階調フォトマスク100に併せた種々の条件(露光条件、被転写体のレジスト現像条件、エッチング条件)出し作業に要する時間を短縮でき、FPD等の製造コストを抑えることが可能となる。
(b)上述したように、発明者らの知見によれば、半透光部122に使用する半透光膜の透過率波長依存性は、単に小さければ良いとは限らず、実効的な透過率の波長依存性を制御するためには、これらを所望値に積極的に変化させることが有効な場合がある。
これに対し、本実施形態によれば、第1半透光部122を、クロム(Cr)を含む材料からなる第1半透光層111a、及びモリブデンシリサイド又はその化合物からなる第2半透光層111bを順に積層することで構成している。すなわち、波長依存性の異なる膜を、それぞれ膜厚を選択して積層することで、得られる半透光部122の波長依存性を制御することができる。
また、複数枚の多階調フォトマスク100の半透光部122の透過率を揃える(例えば、図3に例示するような透過率直線の傾きを1%以内に揃える)ことができ、各多階調フォトマスク100に併せた、被転写体の加工条件(露光条件、被転写体のレジスト現像条件、エッチング条件)を共通化し、または条件出し作業に要する時間を短縮でき、FPD等の製造コストを抑えることが可能となる。
また、既に使用している多階調フォトマスク100の寿命に伴って多階調フォトマスク100の代替品を用意したり、FPDの増産に伴って該多階調フォトマスク100の追加品を用意したりする場合、既に使用している多階調フォトマスク100の透過率の波長依存性と、代替品や追加品に係る多階調フォトマスク100の透過率の波長依存性と、を揃
える必要がある。本実施形態によれば、透過率の波長依存性を容易に揃えることができる。そのため、FPDの製造歩留りを改善させることが出来る。
<本発明の他の実施形態>
本実施形態に係る多階調フォトマスク100’は、4階調フォトマスクとして構成されている点が上述の実施形態と異なる。
図3(a)は本実施形態に係る多階調フォトマスク200の部分断面図(模式図)であり、図3(b)は該多階調フォトマスク100’を用いたパターン転写工程によって被転写体上に形成されるレジストパターンの部分断面図である。図4は本実施形態に係る多階調フォトマスクの製造工程のフローを例示する概略図である。
(1)多階調フォトマスクの構成
本実施形態に係る多階調フォトマスク100’は、該多階調フォトマスク100’の使用時に露光光を遮光(光透過率が略0%)させる遮光部121と、露光光の透過率を20〜80%(十分に広い透光部の透過率を100%としたとき。以下同様)、好ましくは20〜40%程度に低減させる第1半透光部122と、露光光の透過率を20〜80%、好ましくは30〜60%程度に低減させる第2半透光部123と、露光光を100%透過させる透光部124と、を含む転写パターンを備えている。このように、露光光に対する第1半透光部122の透過率は、露光光に対する第2半透光部123の透過率よりも小さく構成されている。すなわち、第1半透光部122は低透過率半透光部として構成され、第2半透光部123は高透過率半透光部として構成されている。上記で、十分に広いとは、露光光学系の解像度に対して十分に広い、すなわちパターンの線幅の変化が透過率に影響しない広さをいい、例えば20μm四方以上の広さをいう。
遮光部121は、上述の実施形態と同様に、ガラス基板等の透明基板110上に半透光膜111及び遮光膜112が順に積層されてなる。また、第1半透光部122は、上述の実施形態の半透光部122と同様に、透明基板110上に形成された半透光膜111の上面が露出してなる。なお、半透光膜111は、順に積層された第1半透光層111a及び第2半透光層111bを備えている。すなわち、遮光部121は、ガラス基板等の透明基板110上に第1半透光層111a、第2半透光層111b、及び遮光膜112が順に積層されてなる。また、第1半透光部122は、ガラス基板等の透明基板110上に第1半透光層111a及び第2半透光層111bが順に積層されると共に、第2半透光層111bの上面が部分的に露出してなる。また、第2半透光部123は、透明基板110上に形成された第1半透光層111aの上面が部分的に露出してなる。そして、透光部124は、上述の実施形態と同様に、ガラス基板等の透明基板110の上面が部分的に露出してなる。なお、第1半透光層111a、第2半透光層111b、及び遮光膜112がパターニングされる様子については後述する。
透明基板110、遮光膜112、第1半透光層111a、及び第2半透光層111bの構成は、上述の実施形態と同じである。
多階調フォトマスク(4階調フォトマスク)100’を用いたパターン転写工程によって被転写体1に形成されるレジストパターン4p’の部分断面図を図3(b)に例示する。レジストパターン4pは、被転写体1に形成されたポジ型レジスト膜4に多階調フォトマスク100を介して露光光を照射し、現像することにより形成される。被転写体1は、基板2と、基板2上に順に積層された金属薄膜や絶縁層、半導体層など任意の被加工層3a〜3cとを備えており、ポジ型レジスト膜4は被加工層3c上に均一な厚さで予め形成されているものとする。なお、被加工層3bは被加工層3cのエッチングに対して耐性を有し、被加工層3aは被加工層3bのエッチングに対して耐性を有するように構成される
ことができる。
多階調フォトマスク100’を介してポジ型レジスト膜4に露光光を照射すると、遮光部121では露光光が透過せず、また、第1半透光部122、第2半透光部123、透光部124の順に露光光の光量が段階的に増加する。そして、ポジ型レジスト膜4は、遮光部121、第1半透光部122、第2半透光部123のそれぞれに対応する領域で膜厚が順に薄くなり、透光部124に対応する領域で除去される。このようにして、被転写体1上に膜厚が段階的に異なるレジストパターン4p’が形成される。
レジストパターン4p’が形成されたら、レジストパターン4p’に覆われていない領域(透光部124に対応する領域)にて露出している被加工層3c〜3aを表面側から順次エッチングして除去する(第1エッチング)ことができる。そして、レジストパターン4p’をアッシング(減膜)して最も膜厚が薄い領域(第2半透光部123に対応する領域)を除去し、新たに露出した被加工層3c,3bを順次エッチングして除去する(第2エッチング)。そして、レジストパターン4p’を更にアッシング(減膜)して次に膜厚が薄い領域(第1半透光部122に対応する領域)を除去し、新たに露出した被加工層3cをエッチングして除去する(第3エッチング)。このように、膜厚が段階的に異なるレジストパターン4p’を用いることで、従来のフォトマスク3枚分の工程を実施することができ、マスク枚数を削減でき、フォトリソグラフィ工程を簡略化できる。
(2)多階調フォトマスクの製造方法
続いて、本実施形態に係る多階調フォトマスク100’の製造方法について、図4を参照しながら説明する。
(フォトマスクブランク準備工程)
まず、図4(a)に例示するように、透明基板110上に第1半透光層111a、第2半透光層111b、遮光膜112がこの順に形成され、最上層に第1のレジスト膜131が形成されたフォトマスクブランク100bを準備する。
(第1パターニング工程)
次に、レーザ描画機等により描画露光を行い、第1のレジスト膜131の一部を感光させ、スプレー方式等の手法により第1のレジスト膜131に現像液を供給して現像し、遮光部121の形成予定領域を覆う第1のレジストパターン131pを形成する。第1のレジストパターン131pが形成された状態を図4(b)に例示する。
次に、形成した第1のレジストパターン131pをマスクとして遮光膜112をエッチングし、第2半透光層111bの上面を部分的に露出させる。そして、第1のレジストパターン131pを剥離などして除去した後、残留している遮光膜112及び露出した第2半透光層111bの上面をそれぞれ覆う第2のレジスト膜132を形成する。第2のレジスト膜132が形成された状態を図4(c)に例示する。
(第2パターニング工程)
次に、レーザ描画機等により描画露光を行い、第2のレジスト膜132の一部を感光させ、スプレー方式等の手法により第2のレジスト膜132に現像液を供給して現像し、遮光部121及び第1半透光部122の形成予定領域をそれぞれ覆う第2のレジストパターン132pを形成する。第2のレジストパターン132pが形成された状態を図4(d)に例示する。
次に、形成した第2のレジストパターン132pをマスクとして第2半透光層111bをエッチングし、第1半透光層111aの上面を部分的に露出させる。そして、第2のレ
ジストパターン132pを剥離などして除去した後、残留している遮光膜112、第2半透光層111b、及び露出した第1半透光層111aの上面をそれぞれ覆う第3のレジスト膜133を形成する。第3のレジスト膜133の構成は、第1のレジスト膜131や第2のレジスト膜132と同じである。第3のレジスト膜133が形成された状態を図4(e)に例示する。
(第3パターニング工程)
次に、レーザ描画機等により描画露光を行い、第3のレジスト膜133の一部を感光させ、スプレー方式等の手法により第3のレジスト膜133に現像液を供給して現像し、遮光部121、第1半透光部122、及び第2半透光部123の形成予定領域をそれぞれ覆う第3のレジストパターン133pを形成する。第3のレジストパターン133pが形成された状態を図4(f)に例示する。
次に、形成した第3のレジストパターン133pをマスクとして第1半透光層111aをエッチングし、透明基板110の上面を部分的に露出させる。そして、第3のレジストパターン133pを剥離などして除去する。
(第2半透光層の減膜工程)
次に、第2半透光層111bの上面に薬液(ここでは、酸またはアルカリを使用)を供給して、第2半透光層111bの膜厚を減膜し、半透光部122の透過率を微調整して、本実施形態に係る多階調フォトマスク100の製造方法を終了する。なお、本工程では、半透光部122を構成する第2半透光層111bの膜厚Tbが、遮光部121を構成する第2半透光層111aの膜厚Ta(すなわち、図2(a)に示す加工前のフォトマスクブランク100bが備える第2半透光層111bの膜厚)の97%未満になるように減膜する。好ましくは、半透光部122を構成する第2半透光層111bの減膜量を、遮光部121を構成する第2半透光層111aの膜厚Ta(すなわち、図2(a)に示す加工前のフォトマスクブランク100bが備える第2半透光層111bの膜厚)の3%以上95%以下とする。尚、上記の態様においては、第2半透光層の減膜工程を、フォトマスク製造工程の最終段階としたが、前記第1のレジストパターン131pをマスクとした遮光膜112のエッチング後に行ってもよい。第2半透光層111bを減膜させるための薬液としては、フッ素(F)系のエッチング液、酸、アルカリなどを使用することができる。
本実施形態に係る多階調フォトマスク100’によっても、上述の実施形態と同様の効果を奏することが可能である。すなわち、第1半透光部122の透過率を容易に微調整することが可能であり、第1半透光部122の透過率の波長依存性を制御することが可能である。
以上、本発明の実施の形態を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
例えば、上述の実施形態では、第1、第2半透光層を有する半透光膜について説明したが、この他に他の半透光層を形成してもよく、または他の機能膜が多階調フォトマスクの構成部分として、上記膜とともに積層されていてもよく、上記膜の間に介在してもよい。
100 多階調フォトマスク
100’ 多階調フォトマスク
100b フォトマスクブランク
110 透明基板
111 半透光膜
111a 第1半透光層
111b 第2半透光層
113 遮光膜
121 遮光部
122 半透光部、第1半透光部
123 第2半透光部
124 透光部

Claims (11)

  1. 遮光部、透光部、及び半透光部を含む所定の転写パターンが透明基板上に形成された多階調フォトマスクであって、
    前記遮光部は、前記透明基板上に半透光膜及び遮光膜が積層されてなり、
    前記透光部は、前記透明基板が露出してなり、
    前記半透光部は、前記透明基板上に形成された前記半透光膜が露出してなり、
    前記半透光膜は、第1半透光層と、前記第1半透光層上に積層された第2半透光層とを備え、前記半透光部を構成する前記第2半透光層の膜厚が、前記遮光部を構成する前記第2半透光層の膜厚より小さくなるように減膜されている
    ことを特徴とする多階調フォトマスク。
  2. 前記半透光部を構成する前記第1半透光層と減膜された前記第2半透光層により、波長が365nmから436nmの範囲の光に対する前記半透光部の透過率が、1%以上10%以下の波長依存性を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の多階調フォトマスク。
  3. 波長が365nmから436nmの範囲の光に対して、前記半透光部を構成する前記第2半透光層の透過率の波長依存性と、前記半透光部を構成する前記第1半透光層の透過率の波長依存性と、が互いに異なる
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の多階調フォトマスク。
  4. 前記半透光部を構成する前記第2半透光層の減膜量を、前記遮光部を構成する前記第2半透光層の膜厚の3%以上95%以下とする
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の多階調フォトマスク。
  5. 波長が365nm以上436nm以下の光に対して、前記半透光部を構成する前記第1半透光層と第2半透光層の積層としての透過率が3%以上60%以下である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の多階調フォトマスク。
  6. 前記透明基板上に形成された前記第1半透光層が露出してなる高透過率半透光部を更に備える
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の多階調フォトマスク。
  7. 前記第2半透光層はモリブデンシリサイド又はその化合物を含む
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の多階調フォトマスク。
  8. 前記第1半透光層及び前記第2半透光層が互いのエッチング条件に対して耐性を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の多階調フォトマスク。
  9. 透明基板上に形成した半透光膜及び遮光膜をそれぞれパターニングすることにより、遮光部、透光部、および所定の透過率を有する半透光部を含む転写パターンが形成された多階調フォトマスクを製造する方法において、
    透明基板上に、第1半透光層、第2半透光層を含む半透光膜が形成され、さらに、遮光膜が積層されたフォトマスクブランクを用意し、
    前記半透光膜および遮光膜をそれぞれパターニングすることにより、遮光部、透光部、半透光部を形成する工程を含み、
    前記半透光部を形成する際に、第1半透光層の上に形成された第2半透光層を所定量減膜することにより、前記第1半透光層と減膜された第2半透光層の積層によって前記所定の透過率を有する半透光部とする
    ことを特徴とする多階調フォトマスクの製造方法。
  10. 前記第2半透光層膜を減膜する工程では、前記遮光膜がエッチングされることにより露出した前記第2半透光層に薬液を接触させる
    ことを特徴とする請求項9に記載の多階調フォトマスクの製造方法。
  11. 請求項1〜8に記載の多階調フォトマスク、または請求項9または10の製造方法による多階調フォトマスクを介し、i線〜g線の光を含む露光光を照射することにより、被転写体上に形成されているレジスト膜に前記転写パターンを転写する工程を有する
    ことを特徴とするパターン転写方法。
JP2009171827A 2009-07-23 2009-07-23 多階調フォトマスク、多階調フォトマスクの製造方法、及びパターン転写方法 Pending JP2011027878A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009171827A JP2011027878A (ja) 2009-07-23 2009-07-23 多階調フォトマスク、多階調フォトマスクの製造方法、及びパターン転写方法
TW099123196A TW201113634A (en) 2009-07-23 2010-07-14 Multitone photomask, method of manufacturing the multitone photomask, and pattern transfer method
KR1020100070958A KR20110010071A (ko) 2009-07-23 2010-07-22 다계조 포토마스크, 다계조 포토마스크의 제조 방법, 및 패턴 전사 방법
CN2010102382144A CN101963753B (zh) 2009-07-23 2010-07-23 多色调光掩模、多色调光掩模的制造方法和图案转印方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009171827A JP2011027878A (ja) 2009-07-23 2009-07-23 多階調フォトマスク、多階調フォトマスクの製造方法、及びパターン転写方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011027878A true JP2011027878A (ja) 2011-02-10

Family

ID=43516683

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009171827A Pending JP2011027878A (ja) 2009-07-23 2009-07-23 多階調フォトマスク、多階調フォトマスクの製造方法、及びパターン転写方法

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP2011027878A (ja)
KR (1) KR20110010071A (ja)
CN (1) CN101963753B (ja)
TW (1) TW201113634A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018508835A (ja) * 2015-01-05 2018-03-29 マーシュピアル ホールディングス エルエルシー マルチトーンレベルフォトマスク{multi−tone amplitude photomask}

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6157832B2 (ja) * 2012-10-12 2017-07-05 Hoya株式会社 電子デバイスの製造方法、表示装置の製造方法、フォトマスクの製造方法、及びフォトマスク
CN102955354B (zh) 2012-11-01 2015-01-07 合肥京东方光电科技有限公司 一种掩膜板及其制备方法
CN103034045B (zh) * 2012-12-12 2015-06-03 京东方科技集团股份有限公司 一种半色调掩模板及其制造方法
CN108227368A (zh) 2018-01-17 2018-06-29 京东方科技集团股份有限公司 一种掩模板、显示基板以及显示装置
JP2022135083A (ja) * 2021-03-04 2022-09-15 株式会社エスケーエレクトロニクス 多階調フォトマスクの製造方法及び多階調フォトマスク

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7312004B2 (en) * 2004-03-18 2007-12-25 Photronics, Inc. Embedded attenuated phase shift mask with tunable transmission
TWI432885B (zh) * 2006-02-20 2014-04-01 Hoya Corp 四階光罩製造方法及使用此種方法中之光罩坯料板
US20080182179A1 (en) * 2007-01-25 2008-07-31 Allied Integrated Patterning Corp. Gray tone mask and method for manufacturing the same

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018508835A (ja) * 2015-01-05 2018-03-29 マーシュピアル ホールディングス エルエルシー マルチトーンレベルフォトマスク{multi−tone amplitude photomask}

Also Published As

Publication number Publication date
KR20110010071A (ko) 2011-01-31
CN101963753A (zh) 2011-02-02
CN101963753B (zh) 2012-07-25
TW201113634A (en) 2011-04-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5839744B2 (ja) フラットパネルディスプレイ製造用フォトマスクの製造方法、およびフラットパネルディスプレイの製造方法
JP7276778B2 (ja) フォトマスクの製造方法、フォトマスク、及び表示装置の製造方法
CN110824828B (zh) 光掩模和显示装置的制造方法
TWI461837B (zh) 多調式光罩、多調式光罩之製造方法、及圖案轉印方法
JP2011215226A (ja) 多階調フォトマスク、多階調フォトマスクの製造方法、多階調フォトマスク用ブランク及びパターン転写方法
JP2011027878A (ja) 多階調フォトマスク、多階調フォトマスクの製造方法、及びパターン転写方法
KR20170113083A (ko) 위상 시프트 마스크 블랭크, 위상 시프트 마스크 및 표시 장치의 제조 방법
JP4934236B2 (ja) グレートーンマスクブランク、グレートーンマスクの製造方法及びグレートーンマスク、並びにパターン転写方法
JP5541997B2 (ja) フラットパネルディスプレイ製造用多階調フォトマスクの製造方法、フラットパネルディスプレイ製造用フォトマスクブランク、及びパターン転写方法
TW200921266A (en) Method of manufacturing a gray tone mask, gray tone mask, and method of transferring a pattern
JP5336226B2 (ja) 多階調フォトマスクの製造方法
TW201019045A (en) Multi-tone photomask, pattern transfer method and method of producing a display device using the multi-tone photomask
US11022875B2 (en) Mask blank, phase shift mask, and method of manufacturing semiconductor device
TWI422963B (zh) 多階調光罩及其製造方法、及圖案轉印方法
KR101893638B1 (ko) 포토마스크의 제조 방법 및 표시 장치의 제조 방법
JP2009204934A (ja) 5階調フォトマスクの製造方法及び5階調フォトマスク、並びにパターン転写方法
US20210048740A1 (en) Mask blank, phase shift mask, and method of manufacturing semiconductor device
TW201940961A (zh) 光罩基底、相偏移光罩及半導體裝置之製造方法
CN107229181B (zh) 相移掩模坯板、相移掩模及显示装置的制造方法
JP2009237419A (ja) 多階調フォトマスク及びその製造方法、並びにパターン転写方法
JP4615032B2 (ja) 多階調フォトマスクの製造方法及びパターン転写方法
JP5233802B2 (ja) 階調マスクおよび階調マスクの製造方法
JP2014115675A (ja) 表示装置製造用多階調フォトマスク、表示装置製造用多階調フォトマスクの製造方法、及び表示装置の製造方法
JP4848071B2 (ja) 5階調フォトマスクの製造方法及びパターン転写方法
TW201823855A (zh) 光罩之製造方法、光罩、及顯示裝置之製造方法