JP2011026209A - 貼付剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、粘着剤としてアクリル系粘着剤を含有する膏体層が支持体に対して優れた投錨性を有し、皮膚への貼着中に剥がれがない一方、皮膚からの剥離を容易に行え、皮膚刺激が少なく、伸縮性を必要とする部位に好適に用いることができる貼付剤を提供する。
【解決手段】 本発明の貼付剤は、不織布、織布又は編布からなる支持体の一面に膏体層が積層一体化されてなる貼付剤であって、上記膏体層は、酸性の消炎鎮痛作用薬物又はその塩と、酸化亜鉛と、数平均分子量1万以下のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールと、アクリル系粘着剤とを含有し、且つ、炭素数が10以下の脂肪族ジカルボン酸と炭素数が3以下の脂肪族アルコールとのジエステル体、及び/又は、流動パラフィンを所定量づつ含有していることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、局所に適用する貼付剤に関し、詳細には、粘着剤としてアクリル系粘着剤を含有し且つ膏体層が不織布、織布又は編布からなる支持体に対して優れた投錨性を有し、皮膚への貼着中に剥離しない一方、皮膚からの剥離を容易に行え、皮膚刺激の少ない貼付剤に関する。
従来から、不織布、織布又は編布から構成されている支持体の一面に膏体層を積層一体化してなる貼付剤において、支持体と膏体層との接触面積が小さいことに起因して、支持体に対する膏体層の投錨性が不足するという問題点が生じている。
そこで、膏体層に可塑剤を大量に添加して膏体層を柔らかくし、膏体層を支持体に沈みこませて投錨性を確保する方法があるが、膏体層が支持体に沈み込んだ分だけ膏体層の厚みが薄くなるため、貼付剤の粘着力が不足するという別の問題点を生じる。
この問題点を解決するために、膏体層に適度な弾性を付与して膏体層が支持体に沈み込まないようにすることが考えられるが、膏体層の支持体に対する投錨性が不足する。
これを解決するために、膏体層を構成する粘着剤としてスチレン−イソプレン−スチレン共重合体などのゴム系粘着剤を用い、このゴム系粘着剤を支持体上にホットメルト塗工法で積層一体化させる方法が挙げられる。
ホットメルト塗工法では、膏体層が支持体に必要以上に沈み込まないように、膏体層に適度な弾性を付与した場合でも、熱く柔らかい状態の膏体層を支持体上に積層一体化させているので、膏体層が支持体の繊維に絡みつき易く良好な投錨性が得られる。
しかしながら、ゴム系粘着剤の極性が低いため、薬物によっては膏体中における溶解性が不足し、期待する薬物の経皮吸収量と薬効が得られないといった問題点を有している。更に、薬物を含有している塗工液を支持体への塗工時に高温に長時間に亘って晒すために薬物が分解し、所望の薬物濃度を有する貼付剤が得られなかったり、或いは、薬物の分解物が皮膚刺激を引き起こしたりするといった問題点が生じることがある。
一方、膏体層を構成する粘着剤としてアクリル系粘着剤を用いた場合には、膏体層を支持体の一面に積層一体化させるにあたって溶剤塗工法を用いる。この方法では、塗工体は低温で支持体上に積層されるので、膏体層の支持体への投錨性が不足するため、他の解決方法を行う必要がある。
そこで、特許文献1〜4に提案されているように、膏体層を積層一体化させる支持体面に下塗り剤を塗布する方法があるが、医薬品である貼付剤に下塗り剤を使用する場合、皮膚に対する安全性や膏体層中に含まれる薬物の安定性確保の点から下塗り剤の種類や塗布量に制限がある場合が多い。
又、他の解決方法として、膏体層を積層一体化させる支持体面の繊維を熱融着一体化させて連続層を形成する方法が挙げられる。確かに、支持体の表面に連続層を形成することによって、膏体層と支持体との間の接触面積が増加し、膏体層の支持体に対する投錨性が向上するものの、支持体の表面に形成された連続層が支持体の伸縮性を低下させるため、貼付剤を肘や膝などの関節部に貼付した場合に貼付剤が容易に剥離するといった問題点を生じる。
以上のように、膏体層を構成している粘着剤としてアクリル粘着剤を用いた場合、不織布、織布又は編布から構成されている支持体への膏体層の投錨性を確保し、皮膚への適度な粘着物性を有する貼付剤は得られていない。
又、消炎鎮痛作用薬物が膏体層中に析出して固体状態で分散している場合、消炎鎮痛作用薬物の融点が低いか、或いは、消炎鎮痛作用薬物が膏体層中の溶解剤などと共融して消炎鎮痛作用薬物の見かけの融点が下降していると、貼付剤の保存中に消炎鎮痛作用薬物の膏体層中における析出状態が変化し、膏体層中における消炎鎮痛作用薬物の分散が不均一になるという問題点がある。
そこで、膏体層中において消炎鎮痛作用薬物を飽和溶解度以下、即ち、溶解状態で保持することで、膏体層中における消炎鎮痛作用薬物の分散の不均一の問題が生じないようにすることが考えられるが、一般に、薬物の膏体層からの放出性は、膏体層中において薬物が飽和状態のときに最も高く、飽和状態から溶解量が低下するにつれて薬物の放出性は低下する。
薬物の膏体層からの放出性を低下させないようにしながら薬物を膏体中に拡散分散させつつ、貼付剤の保存中に膏体層中における薬物の分散の不均一を発生させないようにする方法として、薬物をエステル化、アミド化することによって、薬物の融点及び溶解拡散性を変化させる方法が考えられるが、薬物をエステル化、アミド化すると、皮膚に対する薬物の親和性が変化し、その結果、期待する薬効が得られなくなることが多い。
その他の方法として、膏体層中の粘着剤や添加物を変えることによって、薬物の膏体層中における溶解拡散性を下げる方法も考えられるが、多くの場合、膏体層からの薬物の放出性も低下するため期待する薬効が得られない。
特開平5−310559号公報 特開平8− 92074号公報 特開2000−327955号公報 特開2004− 18393号公報
本発明は、酸性の消炎鎮痛作用薬物又はその塩(以下、総称して「消炎鎮痛作用薬物類」ということがある)が膏体層中に均一な状態に析出し分散した状態で含有されており、消炎鎮痛作用薬物類の経皮吸収性が高く、更に、粘着剤としてアクリル系粘着剤を含有する膏体層が不織布、織布又は編布からなる支持体に対して優れた投錨性を有し、皮膚への貼着中に剥がれがない一方、皮膚からの剥離を容易に行え、皮膚刺激が少なく、伸縮性を必要とする部位に好適に用いることができる貼付剤を提供する。
本発明の貼付剤は、不織布、織布又は編布からなる支持体の一面に膏体層が積層一体化されてなる貼付剤であって、上記膏体層は、酸性の消炎鎮痛作用薬物又はその塩0.1〜10重量%と、酸化亜鉛0.5〜10重量%と、数平均分子量1万以下のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール5〜15重量%と、アクリル系粘着剤とを含有し、且つ、炭素数が10以下の脂肪族ジカルボン酸と炭素数が3以下の脂肪族アルコールとのジエステル体15重量%以下、及び/又は、流動パラフィン25重量%以下を含有していることを特徴とする。
貼付剤を構成している支持体は、不織布、織布又編布から構成されている。なお、支持体には、その一部に不織布、織布又編布以外の構成が含まれていてもよい。上記支持体は、貼付剤に自己支持性を付与するための強度を有し且つ肘や膝などの関節部のような可動部位に貼付剤を貼付した場合に可動部位の動きに合わせて伸縮可能な伸縮性を有しておればよい。
支持体を構成している繊維の素材としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体などのポリオレフィン系樹脂、ナイロンなどのポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS共重合体)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS共重合体)、レーヨン、綿などが挙げられ、ポリエステル系樹脂が好ましい。なお、繊維の素材は、単独で用いられても二種以上が併用されもよい。
上記支持体の一面には膏体層が積層一体化されている。この膏体層は、酸性の消炎鎮痛作用薬物又はその塩0.1〜10重量%と、酸化亜鉛0.5〜10重量%と、数平均分子量1万以下のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール5〜15重量%と、アクリル系粘着剤とを含有し、且つ、炭素数が10以下の脂肪族ジカルボン酸と炭素数が3以下の脂肪族アルコールとのジエステル体15重量%以下、及び/又は、流動パラフィン25重量%以下を含有している。
酸性の消炎鎮痛作用薬物としては、特に限定されず、例えば、インドメタシン、フェルビナク、ケトプロフェンなどが挙げられる。又、酸性の消炎鎮痛作用薬物の塩としては、特に限定されず、例えば、ジクロフェナクナトリウム、ロキソプロフェンナトリウムなどが挙げられる。なお、酸性の消炎鎮痛作用薬物又はその塩は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
酸性の消炎鎮痛作用薬物又はその塩の膏体中における含有量は、少ないと、皮膚への吸収量が低下して期待する消炎鎮痛効果が得られず、多いと、膏体層の表面に析出する消炎鎮痛作用薬物類の結晶が多くなり過ぎて粘着剤の露出が減るために貼付剤に必要な粘着力が得られないので、0.1〜10重量%に限定され、0.5〜5重量%が好ましい。
酸化亜鉛の膏体層中における含有量は、少ないと、貼付剤の保存中に消炎鎮痛作用薬物類の析出状態が変化し、膏体層中において消炎鎮痛作用薬物類の分散が不均一となる虞れがあり、多いと、膏体層の表面に分散する酸化亜鉛が多くなり過ぎて粘着剤の露出が減るために貼付剤に必要な粘着力が得られないので、0.5〜10重量%に限定され、2〜8重量%が好ましい。
膏体層中には、数平均分子量1万以下のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールが含有されている。ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールとしては、例えば、ポリオキシエチレン(3)ポリオキシプロピレン(17)グリコール、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(20)グリコール、ポリオキシエチレン(42)ポリオキシプロピレン(67)グリコール、ポリオキシエチレン(54)ポリオキシプロピレン(39)グリコール、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、ポリオキシエチレン(120)ポリオキシプロピレン(40)グリコールなどが挙げられる。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールの数平均分子量は、低いと、膏体層を構成しているアクリル系粘着剤との相溶性が低下して膏体層からポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールが滲出し、高いと、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールが消炎鎮痛作用薬物類の吸収促進剤として作用しないため、消炎鎮痛作用薬物類の経皮吸収量が低下するので、1万以下に限定され、300〜5000が好ましい。ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールの数平均分子量は、高速液体クロマトフラフィーを用いてゲルパーミエーションクロマトグラフィー法によって測定されたポリエチレングリコール換算数平均分子量をいう。なお、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールの数平均分子量は、例えば、カラム(昭和電工社製 商品名「Shodex OHpak SB−806M HQ 8.0×300mm」)、カラム温度:室温、移動相:水、流速1.0ミリリットル/分、検出器:RIの条件で測定することができる。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールの膏体層中における含有量は、少ないと、貼付剤の皮膚への粘着力が強くなり剥離時に皮膚刺激を起こし、或いは、消炎鎮痛作用薬物類の経皮吸収量が低下し、多いと、貼付剤の保存中に膏体層からポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールが滲出し、膏体層中の消炎鎮痛作用薬物類の濃度が増加することによって、新たに消炎鎮痛作用薬物類の結晶が斑点上に膏体層の表面に析出するので、5〜15重量%に限定され、8〜15重量%が好ましい。
更に、膏体層中には、炭素数が10以下の脂肪族ジカルボン酸と炭素数が3以下の脂肪族アルコールとのジエステル体、又は、流動パラフィンの何れか一方或いは双方が含有されている。
炭素数が10以下の脂肪族ジカルボン酸としては、特に限定されず、例えば、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸などが挙げられ、アジピン酸、セバシン酸が好ましい。脂肪族ジカルボン酸の炭素数は、多いと、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールとの相溶性が低下し、膏体層中において均一性が損なわれるので、10以下に限定される。
炭素数が3以下の脂肪族アルコールとしては、特に限定されず、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコールが挙げられ、エチルアルコール、イソプロピルアルコールが好ましい。脂肪族アルコールの炭素数は、多いと、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールとの相溶性が低下し、膏体層中において均一性が損なわれるので、3以下に限定される。
膏体層中におけるジエステル体の含有量は、多いと、貼付剤の保存中に膏体層からジエステル体が滲出し、膏体層中の消炎鎮痛作用薬物類の濃度が増加することによって、新たに消炎鎮痛作用薬物類の結晶が斑点上に膏体層の表面に析出するので、15重量%以下に限定される。
膏体層中における流動パラフィンの含有量は、多いと、膏体層が過度に可塑化されて貼付剤として適度な貼付性を得ることができないので、25重量%以下に限定される。
膏体層中にジエステル体及び流動パラフィンを含有する場合、膏体層中におけるジエステル体と流動パラフィンの合計含有量は、少ないと、膏体層の支持体への投錨性が低下することがあり、多いと、膏体層を過度に可塑化し、貼付剤として適度な粘着物性を得ることができないことがあるので、5〜30重量%が好ましく、15%〜30重量%がより好ましい。
又、膏体層中には粘着剤としてアクリル系粘着剤が含有されている。このようなアクリル系粘着剤としては、特に限定されないが、アルキル基の炭素数が2以上のアルキル(メタ)アクリレート成分を含有し且つピロリドン基を含有しないアクリル系重合体が好ましく、アルキル基の炭素数が2〜18のアルキル(メタ)アクリレート成分を含有し且つピロリドン基を含有しないアクリル系重合体がより好ましく、2−エチルヘキシルメタクリレート成分を60〜90重量%含有し且つ炭素数が2〜18のアルキルアクリレート成分を1〜40重量%含有するアクリル系重合体が特に好ましい。なお、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート又はアクリレートを意味する。
アルキル基の炭素数が2以上のアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
本発明の貼付剤の膏体層中の薬物の損失防止や膏体層を保護する目的で、貼付剤の膏体層の表面に剥離紙を剥離可能に積層一体化させておくのが好ましい。
上記剥離紙としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどからなる樹脂フィルムや紙などが挙げられ、膏体層と対向させる面に離型処理が施されていることが好ましい。なお、上記剥離紙は単層からなるものであっても、複数層からなるものであってもよい。
又、上記剥離紙のバリア性を向上させる目的で、剥離紙にアルミ箔やアルミ蒸着の層を設けたものであってもよい。更に、上記剥離紙が紙からなる場合、剥離紙のバリア性を向上させる目的で、剥離紙にポリビニルアルコールなどの樹脂を含浸させてもよい。
次に、本発明の貼付剤の製造方法を説明する。上記貼付剤の製造方法は、特に限定されないが、例えば、ジエステル体又は流動パラフィンの何れか一方或いは双方、酸性の消炎鎮痛作用薬物又はその塩、酸化亜鉛、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール及びアクリル系粘着剤と、必要に応じて添加される添加剤とを酢酸エチルなどの溶剤中に加え、均一になるまで攪拌して膏体層溶液を得る。この膏体層溶液をコーターによって支持体の一面に均一に塗工した後に、乾燥させることにより支持体の一面に膏体層を積層一体化し、必要に応じて剥離紙を、剥離紙の離型処理が施された面が膏体層に対向した状態となるように積層一体化させる方法や、上述と同様の塗工法によって剥離紙の離型処理が施された面上に膏体層溶液を塗工し、乾燥させることにより、剥離紙上に膏体層を形成し、この膏体層上に支持体を重ね合わせ、膏体層を支持体の一面に転写させて積層一体化させる方法などが挙げられる。
本発明の貼付剤は、上述の構成を有しているので、酸性の消炎鎮痛作用薬物又はその塩が長期間に亘って安定的に膏体層中に均一に析出し分散した状態で含有されているので、酸性の消炎鎮痛作用薬物又はその塩の経皮吸収性が高い。
又、本発明の貼付剤は、粘着剤としてアクリル系粘着剤を含有する膏体層が不織布、織布又は編布からなる支持体に対して優れた投錨性を有し、皮膚への貼着中に剥がれがない一方、皮膚からの剥離を容易に行え、皮膚刺激が少なく、しかも、肘や膝などの可動部位のように伸縮性を必要とする部位に好適に用いることができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例1〜6、比較例1〜4)
ドデシルメタクリレート13重量部、2−エチルヘキシルメタクリレート78重量部、2−エチルヘキシルアクリレート9重量部、及び、酢酸エチル50重量部からなる反応液を40リットルの重合機に供給して重合機内を80℃の窒素雰囲気とした。そして、上記反応液にベンゾイルパーオキサイド0.5重量部をシクロヘキサン50重量部に溶解させてなる重合開始剤溶液を24時間かけて加えながら重合させ、重合後さらに酢酸エチルを加えて、アクリル系粘着剤の含有量が35重量%のアクリル系粘着剤溶液を得た。
インドメタシン、酸化亜鉛、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(20)グリコール(アデカ社製 商品名「プルロニックL−44」、数平均分子量:2200)、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、流動パラフィン(カネダ社製 商品名「ハイコールM−72」)、ポリエチレングリコール(数平均分子量:1500)及びアクリル系粘着剤溶液を膏体層中における重量比率が表1、2に示した通りとなるように混合し、更に、不揮発分濃度が23重量%になるように酢酸エチルを加えた後に均一になるまで混合して膏体層溶液を得た。
次に、シリコン離型処理が施された厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用意し、このポリエチレンテレフタレートフィルムのシリコン離型処理面に、上記膏体層溶液を塗布し、膏体層溶液を60℃で30分間に亘って乾燥させることにより、ポリエチレンテレフタレートフィルムのシリコン離型処理面に表1、2に示す厚さの膏体層が形成された積層体を作製した。
そして、目付が100g/m2の伸縮性を有する編布を支持体として用意し、この支持体の一面と、上記積層体の膏体層とが対向するように重ね合わせて、積層体の膏体層を支持体の一面に転写して積層一体化させることによって貼付剤を製造した。なお、貼付剤の膏体層中における各成分の含有量を表1、2に示した。表1、2中の各成分の含有量は、膏体層中における重量%で示した。
得られた貼付剤について、吸収性、剥がれ、皮膚刺激性、ボールタック、剥離力、投錨性、結晶分散均一性及び安定性を下記の要領で測定し、その結果を表1、2に示した。
(吸収性)
貼付剤から面積が10cm2の平面正方形状の試験片を2枚打ち抜いた。一方の試験片の膏体層を酢酸エチルに溶解させてHPLC(高速液体クロマトグラフィ)を用いてインドメタシン量を測定し、試験前インドメタシン量(μg/cm2)とした。
他方の試験片からポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離して膏体層を全面的に露出した状態とした後、試験片を試験者の上腕部に24時間に亘って貼着した。試験片を試験者の上腕部から剥離した後、試験片の膏体層を酢酸エチルに溶解させてHPLC(高速液体クロマトグラフィ)を用いてインドメタシン量を測定し、試験後インドメタシン量(μg/cm2)とした。
試験前インドメタシン量から試験後インドメタシン量を引いた値を吸収量(μg/cm2)とし、吸収性の指標とした。
(剥がれ)
貼付剤から面積が30cm2の平面正方形状の試験片を打ち抜いた。試験片からポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離して膏体層を全面的に露出した状態とした後、試験片を試験者の上腕部に貼着して8時間経過した時点において、貼付剤が皮膚から剥離している部分の面積(剥離面積)を測定し、この剥離面積が試験片全体の面積に対して占める割合を算出して下記基準に基づいて評価した。
◎・・・剥離面積が5%未満であった。
○・・・剥離面積が5%以上で且つ10%未満であった。
△・・・剥離面積が10%以上で且つ30%未満であった。
×・・・剥離面積が30%以上であった。
(皮膚刺激性)
貼付剤から面積が30cm2の平面正方形状の試験片を打ち抜いた。試験片からポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離して膏体層を全面的に露出した状態とした後、試験片を試験者の上腕部に貼着して12時間経過した時点において、皮膚表面の状態を目視観察して下記基準に基づいて評価した。
◎・・・紅斑なし
○・・・ごく弱い紅斑があった。
×・・・明瞭な紅斑があった。
(ボールタック)
貼付剤から一辺が40mmの平面正方形状の試験片を切り出した。一方、医薬品製造販売指針2005(第IV部医薬品の製造販売承認申請、第1章 粘着力試験)に記載の試験器を用意した。この試験器の傾斜面を水平面に対して30°の角度でもって傾斜した状態に保持した。
次に、試験片からポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離して膏体層を全面的に露出した状態とした後、試験器の傾斜面上に試験片をその膏体層が上方を向いた状態にして載置した。しかる後、試験片の上端とこの上端から傾斜面の傾斜方向に5mmだけ下方に位置する部分との間にある上端部分、及び、試験片の下端とこの下端から傾斜面の傾斜方向に5mmだけ上方に位置する部分との間にある下端部分とを紙で被覆し、試験片の上下端部を除いた膏体層部分を露出した状態とした。なお、露出した膏体層部分の上下幅は、試験器の傾斜面に沿って30mmであった。
続いて、試験器の傾斜面の上端から医薬品製造販売指針2005(第IV部医薬品の製造販売承認申請、第1章 粘着力試験)にて定められた1号〜10号のスチールボールを順次、転がして、試験片における露出した膏体層部分に5秒以上停止するボールの号数を測定した。
(剥離力、投錨性)
貼付剤から幅15mm、長さ35mmの平面長方形状の試験片を切り出した。試験片の膏体層上のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離除去して膏体層を全面的に露出させた。次に、試験片の長さ方向の端部5mmにその全幅に亘ってポリエステルフィルムを貼着した後、試験片をその膏体層によってフェノール樹脂製の試験板の中央部に全面的に貼着させた。
続いて、試験片上に2000gのゴムローラを1分に300mmの速さで2回通過させた後、試験片を試験板に貼着させた状態で25℃±3℃にて40分間に亘って放置した。
次に、ポリエステルフィルムの自由端を180°折り返してポリエステルフィルムを引っ張ることによって1分間に300mmの速さで試験片を試験板上から連続的に引き剥がし、レオメーターを用いて180°引き剥がし力を測定した。
得られたチャートにおいて、測定開始から試験片が試験板から全て剥離するまでの時間の20%の部分及び80%の部分に縦軸に平行な直線を描いた。20%の部分及び80%の部分に描いた直線間にある区間を横軸方向に三等分するための直線を縦軸に平行に描き、上記四本の直線と記録線とが交差する点における180°引き剥がし力を読み取り、この四点の180°引き剥がし力の相加平均値を剥離力とした。
更に、剥離力の測定後の試験片において、支持体と膏体層との積層状態を目視観察し、下記基準に基づいて投錨性を評価した。
◎・・・膏体層が支持体上に全面的に積層一体化されていた。
○・・・膏体層が支持体上に全面的に積層一体化されていたが、膏体層の一部にピンホ
ールがあった。
△・・・膏体層が支持体から一部剥離しており、膏体層が支持体から剥離していた面積
が試験板上に貼着させた試験片の全面積に対して5%未満であった。
×・・・膏体層が支持体から一部剥離しており、膏体層が支持体から剥離していた面積
が試験板上に貼着させた試験片の全面積に対して5%以上であった。
(結晶分散均一性、安定性)
貼付剤から面積10cm2の試験片を6枚打ち抜き、各試験片からポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離して膏体層を全面的に露出した状態とした。次に、内面がポリエチレンとされたアルミニウム製の袋を二枚用意し、各アルミニウム製の袋のそれぞれに3枚の試験片を投入した。そして、一方のアルミニウム製の袋を4℃にて30日間に亘って保存すると共に、他方のアルミニウム製の袋を60℃にて30日間に亘って保存した。
しかる後、アルミニウム製の袋内の試験片を取り出した。6枚の試験片の膏体層の表面を目視観察し、6枚の試験片の全てについて、インドメタシンの結晶が膏体層の表面に均一に分散していた場合を「○」とし、インドメタシンの結晶が膏体層の表面に不均一に分散していた試験片が一枚でも存在した場合を「×」と結晶分散均一性を評価した。
次に、上記アルミニウム製の袋内から取り出した試験片の膏体層を酢酸エチルに溶解させ、HPLC(高速液体クロマトグラフィ)を用いてインドメタシンの量を測定した。各アルミニウム製の袋毎に、試験片の膏体層中のインドメタシン量の相加平均値を算出し、この相加平均値をインドメタシン量とした。
そして、4℃にて保存したアルミニウム製の袋内の試験片における膏体層中のインドメタシン量を、60℃にて保存したアルミニウム製の袋内の試験片の膏体層中のインドメタシン量で除して100を乗じた値を変化率とし、安定性の指標とした。
なお、変化率が95%以上である場合、極めて優れた安定性を有していると判断できる。変化率が90%以上で且つ95%未満である場合、優れた安定性を有していると判断できる。
Figure 2011026209
Figure 2011026209

Claims (3)

  1. 不織布、織布又は編布からなる支持体の一面に膏体層が積層一体化されてなる貼付剤であって、上記膏体層は、酸性の消炎鎮痛作用薬物又はその塩0.1〜10重量%と、酸化亜鉛0.5〜10重量%と、数平均分子量1万以下のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール5〜15重量%と、アクリル系粘着剤とを含有し、且つ、炭素数が10以下の脂肪族ジカルボン酸と炭素数が3以下の脂肪族アルコールとのジエステル体15重量%以下、及び/又は、流動パラフィン25重量%以下を含有していることを特徴とする貼付剤。
  2. アクリル系粘着剤が、アルキル基の炭素数が2以上のアルキル(メタ)アクリレート成分を含有するアクリル系重合体を含み、このアクリル系重合体はピロリドン基を含有しないことを特徴とする請求項1に記載の貼付剤。
  3. ジエステル体が、アジピン酸ジイソプロピル又はセバシン酸ジエチルを含有することを特徴とする請求項1に記載の貼付剤。
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