JP2011025786A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トレッド12をリブパターンとし、センターリブ18には、一端が第1切欠22を介して第1周方向溝14に連結され他端がリブ内で終端する第1サイプ26と、一端が第2切欠24を介して第2周方向溝16に連結され他端がリブ内で終端する第2サイプ28を形成する。ウエット路においては、リブ踏面と路面との間の水が、各サイプに取り込まれ、切欠を介して周方向溝へと排水されるので、ウエット性能が確保される。片側開口サイプである第1サイプ26、及び第2サイプ28は、ドライ路面での制動時、路面との摩擦によって過度のめくり上がりが生じることが無いため、十分な制動性能が発揮される。また、トレッド12をリブパターンとしているので、転がり抵抗が少ない。
【選択図】図1
Description
しかしながら、乾燥路において、路面との摩擦によってブロックのラグ溝側のエッジがめくり上がると、十分な制動性能を得ることが難しくなる。また、ブロックは接地時の変形が大きいため、転がり抵抗を低減することが難しい。また、転がり抵抗を低減するため、トレッドの材質は種々変更されている。
なお、リブパターンは陸部を横断するラグ溝が無いため、ブロックパターンに比較して転がり抵抗は少ないが、ブロックパターンと同様のウエット性能を得ることが難しい。
空気入りタイヤを車両に装着してウエット路を走行させると、片側開口サイプを形成したリブにおいては、リブ踏面と路面との間の水が、片側開口サイプに取り込まれ、片側開口サイプに取り込まれた水は、タイヤ周方向に沿って延びている部分からタイヤ周方向に対して傾斜して延びている部分を介してリブ側部の周方向溝へと排水されるので、ウエット性能が確保される。
リブには片側開口サイプが形成されているが、この片側開口サイプはリブを横断していないため、リブの剛性低下は抑えられている。
剛性の高いリブは、リブを構成するゴムの変形が少ないため、ブロックや、ラグ溝等によって分断された陸部を備えた空気入りタイヤに比較して転がり抵抗を小さくすることができ、また耐摩耗性も向上する。
さらに、本発明の片側開口サイプはタイヤ周方向に沿って延びて一方の端部がリブ内で終端しているため、制動時、路面との摩擦によって片側開口サイプの終端部分において過度のめくり上がりが生じることは無い。
したがって、乾燥路において十分な制動性能が発揮される。
請求項2に記載の空気入りタイヤでは、1つのリブに対して、リブ幅方向両側に片側開口サイプが形成されているため、1つのリブに対して多くの片側開口サイプを配置でき、排水性能が向上する。
リブ幅方向一方側に配置される片側開口サイプと、リブ幅方向他方側に配置される片側開口サイプとが互いに反対方向を向いていることで、リブ全体で見た時に排水性に関する方向性が無くなる。即ち、タイヤとして車両装着時のタイヤ回転方向の指定が無くなり、タイヤローテンションが容易になる。
リブの側部に切欠を形成し、片側開口サイプを切欠を介して周方向溝に連結することで、排水性が向上する。
トレッド平面視で鋭角形状とされた鋭角部は、剛性が低く、路面との摩擦によってエッジ部分がめくれ上がり易くなるため、鋭角先端側に向けてリブ高さが低くなる傾斜面を形成することで、めくり上がりを抑制することができる。
鋭角部分におけるめくり上がりを防止するために、鋭角部分を全て除去する方法も考えられるが、鋭角部分を除去するとリブ剛性が低下してしまう。このため、リブ剛性を出来る限り確保したい部位、例えば、トレッドの中でも接地圧の最も高いタイヤ赤道面付近では、鋭角部分に傾斜面を形成することが好ましい。
請求項2に記載の空気入りタイヤは上記の構成としたので、排水性能を向上することができる。また、サイプ数を多くした場合のリブの亀裂を抑制することができる。
請求項4に記載の空気入りタイヤは上記の構成としたので、排水性能が向上する。
請求項6に記載の空気入りタイヤは上記の構成としたので、接地圧の高い領域にて、リブ剛性を確保しつつ、鋭角部分のめくり上がりを抑制することができる。
図1に示すように、本実施形態の空気入りタイヤ10のトレッド12には、タイヤ赤道面CL上にタイヤ周方向に沿って延びる第1周方向溝14が形成されている。この第1周方向溝14のタイヤ幅方向両外側にはタイヤ周方向に沿って延びる第2周方向溝16が形成されており、第1周方向溝14と第2周方向溝16との間にタイヤ周方向に沿って連続して延びるセンターリブ18が夫々区画されている。
また、トレッド12には、第2周方向溝16のタイヤ幅方向外側に、タイヤ周方向に沿って連続して延びるショルダーリブ20が区画されている。
センターリブ18には、タイヤ赤道面側に第1周方向溝14に開口する第1切欠22が形成され、タイヤ赤道面側とは反対側に第2周方向溝16に開口する第2切欠24が形成されている。第1切欠22、及び第2切欠24は、共にその長さは短く、周方向溝側とは反対側の端部がリブ内で終端している。
本実施形態では、直線部26Aと連結部26Bとは、サイプ内で水がスムーズに流れる様に湾曲部を介して連結されている。
本実施形態では、第1サイプ26の直線部26Aの一部分(終端側)と、第2サイプ28の直線部28Aの一部分(終端側)とが、タイヤ幅方向に見てオーバーラップしている。
ショルダーリブ20には、その幅方向中央部分に、タイヤ周方向に沿って延びる短い周方向細溝32がタイヤ周方向に沿って複数形成されている。また、ショルダーリブ20には、周方向細溝32と周方向細溝32との間に、ショルダーリブ20の幅方向中央側からトレッド端外側(ショルダー側)へ延びる屈曲した2本1組の第1ショルダーサイプ34が形成され、また、ショルダーリブ20の幅方向中央と第2周方向溝16との間に、タイヤ幅方向に対して傾斜する2本1組の第2ショルダーサイプ36が、第1ショルダーサイプ34の延長線上に形成されている。
なお、タイヤ赤道面CLを挟んで右側のショルダーリブ20と左側のショルダーリブ20とでは、第1ショルダーサイプ34、第2ショルダーサイプ36の傾斜方向が逆方向に設定されている。
次に、本実施形態の空気入りタイヤ10の作用を説明する。
ウエット路面では、第1サイプ26、第2サイプ28がセンターリブ18のリブの踏面と路面との間の水を吸水して、第1切欠22、及び第2切欠24を介して第1周方向溝14、及び第2周方向溝16に順次排水され、ウエット性能が確保される。
また、図1に示すように、第1のサイプ26の終端と第2のサイプ28の終端とをタイヤ幅方向、かつタイヤ周方向に離間させているので、終端間の亀裂発生を抑えることができる。
前記第1の実施形態では、第1サイプ26の直線部26Aがリブ中心線よりも第1周方向溝14側に配置され、第2サイプ28の直線部28Aがリブ中心線よりも第2周方向溝側に配置されていたが、図3に示すように、第1サイプ26の直線部26Aがリブ中心線よりも第2周方向溝16側に配置され、第2サイプ28の直線部28Aがリブ中心線よりも第1周方向溝14側に配置されていても良い。
第1サイプ26及び第2サイプ28がセンターリブ18に形成されていたが、第1サイプ26及び第2サイプ28を、ショルダーリブ20に形成しても良い。
本発明の効果を確かめるために、本発明の適用された実施例の空気入りタイヤ、及び比較例の空気入りタイヤを用意し、各供試タイヤについて転がり抵抗、ドライ路面(乾燥路面)での制動性能試験、ウエット路面での制動性能試験を実施すると共に、耐摩耗性能の評価を行った。
比較例の空気入りタイヤ:図4に示すトレッドパターンを有する空気入りタイヤである。なお、図4において、符号100はトレッド、符号100Eは接地端、符号102、104は周方向溝、符号106はラグ溝、符号108、110はリブ、符号112、114はサイプである。なお、ネガティブ比は、実施例と同等に設定されている。
12 トレッド
14 第1周方向溝
16 第2周方向溝
18 センターリブ
20 ショルダーリブ
22 第1切欠
24 第2切欠
26 第1サイプ
26A 直線部
26B 連結部
28 第2サイプ
28A 直線部
28B 連結部
30 鋭角部分
30A 傾斜面
Claims (6)
- 路面に接地するトレッドと、
前記トレッドに形成される周方向溝によって区画され、タイヤ周方向に沿って連続して延びる複数のリブと、
複数の前記リブの内の少なくとも一つに形成されタイヤ周方向に沿って延びる複数の片側開口サイプと、
を備え、
前記片側開口サイプは、一端がリブ内で終端し、他端が1つの前記周方向溝にのみ連結され、さらに一端側がタイヤ周方向に沿って延び、他端側がタイヤ周方向に対して傾斜して延びている、空気入りタイヤ。 - 前記リブには、リブ幅方向両側に前記片側開口サイプが形成され、
リブ幅方向一方側に配置される前記片側開口サイプと、リブ幅方向他方側に配置される前記片側開口サイプとは、タイヤ幅方向に離間して配置されていると共に、タイヤ周方向に沿って延びる一端側部分がリブ幅方向から見てオーバーラップしている、請求項1に記載の空気入りタイヤ。 - リブ幅方向一方側に配置される前記片側開口サイプと、リブ幅方向他方側に配置される前記片側開口サイプとは、他端側のタイヤ周方向に対して傾斜している部分のタイヤ周方向に対する向きが互いに反対方向を向いている、請求項2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記リブの側部には、一端側が前記周方向溝に開口し、他端側がリブ内で終端しかつ前記片側開口サイプに連結する切欠が形成されている、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記切欠と前記リブの側面との間に形成されるトレッド平面視で鋭角形成とされた鋭角部には、鋭角先端側に向けてリブ高さが低くなる傾斜面が形成されている、請求項4に記載の空気入りタイヤ。
- 最もタイヤ赤道面に近い前記周方向溝に連結される前記切欠に隣接する前記鋭角部に、前記傾斜面が形成されている、請求項5に記載の空気入りタイヤ。
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