JP2011025718A - 重荷重用ラジアルタイヤ - Google Patents

重荷重用ラジアルタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP2011025718A
JP2011025718A JP2009170320A JP2009170320A JP2011025718A JP 2011025718 A JP2011025718 A JP 2011025718A JP 2009170320 A JP2009170320 A JP 2009170320A JP 2009170320 A JP2009170320 A JP 2009170320A JP 2011025718 A JP2011025718 A JP 2011025718A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
belt
tire
plies
ply
pair
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009170320A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Tsuda
訓 津田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2009170320A priority Critical patent/JP2011025718A/ja
Publication of JP2011025718A publication Critical patent/JP2011025718A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Abstract

【課題】ベルトプライの種類の削減を図り、プランジャー強度及びトレッド耐久性を維持しながら軽量化を達成する重荷重用タイヤを提供する。
【解決手段】ベルト層7は、半径方向内側の内ベルト部10と、外側の外ベルト部12からなる。内ベルト部10は、タイヤ軸方向の一方、他方に位置ズレした一対の内ベルトプライ10A、10Bからなり、タイヤ赤道C上に内ベルト重なり部11を有して連結され、外ベルト部12は、タイヤ軸方向の一方、他方に位置ズレした一対の外ベルトプライ12A、12Bからなり、タイヤ赤道C上に外ベルト重なり部13を有して連結される。内ベルトプライ10A、10Bと、外ベルトプライ12A、12Bとは、それぞれタイヤ周方向に対して15〜25°の角度で配列させたスチールプライからなり、かつ内ベルトプライ10A、10Bのベルトコードの傾斜向きは、外ベルトプライ12A、12Bのベルトコードの傾斜向きと相違する。
【選択図】図3

Description

本発明は、2種類のベルトプライでベルト層を形成でき、ベルトプライの種類の削減を図りうるとともに、プランジャー強度(タイヤ強度)及びトレッド耐久性を維持しながら軽量化を達成しうる重荷重用ラジアルタイヤに関する。
重荷重用ラジアルタイヤのベルト層には、従来、図6に示す如き構造が一般に使用されている(例えば特許文献1参照。)。
具体的には、4枚のベルトプライを用いるとともに、カーカス側の第1のベルトプライa1では、タイヤ周方向に対するベルトコードのコード角度α1を45〜70°(例えば50°)と比較的大きく、かつ第2、第3、第4のベルトプライa2〜a4では、コード角度α2〜α4を10〜40°(例えば19°)と小さく設定している。又第1のベルトプライa1のベルトコードを、第2のベルトプライa2のベルトコードとは同方向、かつ第3、第4のベルトプライa3、a4のベルトコードとは逆方向に配列するとともに、第2のベルトプライa2が最大巾をなし、かつ第1のベルトプライa1のプライ巾は、第3のベルトプライa3と略同巾、かつ第4のベルトプライa4よりも大に設定している。
ここで、前記第2、第3のベルトプライa2、a3は、コード角度α2、α3が小、かつベルトコード同士が互いに交差して拘束し合うため、ベルトプライのうちで最も補強効果の高いワーキングプライとして機能し、トレッド部の略全巾を高い剛性とタガ効果とを有して強固に補強する。又第1のベルトプライa1は、前記ワーキングプライとカーカスプライとの中間のコード角度α1を有し、前記カーカスプライとの間の歪みを緩和する機能を有する。又第4のベルトプライa4は、主としてトレッド面からの衝撃に対してワーキングプライが破壊しないように保護する機能を有する。
特開H11−222008号公報
しかしながらこのようなベルト構造では、プライ巾、及び/又はコード角度が異なる4種類ものベルトプライが必要となるため、生産効率や管理効率に劣るという問題がある。
他方、近年の燃費性の向上促進のために、重荷重用ラジアルタイヤにおいても軽量化の要求が高まりつつあり、特にタイヤ重量の中でも大きなウエートを占めるベルト層における軽量化が強く望まれている。しかし、ベルト層には大きな荷重が作用するため、安易な軽量化は、ベルト破壊を誘発しプランジャー強度(タイヤ強度)を損ねるという結果を招く。
本発明は、ベルト層を2種類のベルトプライで形成でき、ベルトプライの種類数の削減により生産効率や管理効率の向上を図りうるとともに、プランジャー強度(タイヤ強度)及びトレッド耐久性を維持しながら軽量化を達成しうる重荷重用ラジアルタイヤを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本願請求項1の発明は、トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るカーカスと、前記カーカスのタイヤ半径方向外側かつ前記トレッド部の内部に配されるベルト層とを具える重荷重用ラジアルタイヤであって、
前記ベルト層は、半径方向内側の内ベルト部と、その半径方向外側に配される外ベルト部とからなり、
前記内ベルト部は、タイヤ軸方向の一方、他方に位置ズレした一対の内ベルトプライからなり、しかも一方の内ベルトプライと、他方の内ベルトプライとは、タイヤ赤道側となる内端部同士が半径方向内外で重なり合うことにより、タイヤ赤道上に内ベルト重なり部を有して連結され、
かつ前記外ベルト部は、タイヤ軸方向の一方、他方に位置ズレした一対の外ベルトプライからなり、しかも一方の外ベルトプライと、他方の外ベルトプライとは、タイヤ赤道側となる内端部同士が半径方向内外で重なり合うことにより、タイヤ赤道上に外ベルト重なり部を有して連結されるとともに、
前記一対の内ベルトプライと、一対の外ベルトプライとは、それぞれスチール製のベルトコードをタイヤ周方向に対して15〜25°の角度で配列させたスチールプライからなり、
かつ前記一対の内ベルトプライのベルトコードの傾斜の向きは、前記一対の外ベルトプライのベルトコードの傾斜の向きと相違するとともに、
前記内ベルト重なり部のタイヤ軸方向の重なり巾WA、および前記外ベルト重なり部のタイヤ軸方向の重なり巾WBは、それぞれトレッド接地巾TWの30〜60%の範囲であり、しかも前記一対の内ベルトプライの外端間のタイヤ軸方向距離である内ベルト部の巾Wi、および前記一対の外ベルトプライの外端間のタイヤ軸方向距離である外ベルト部の巾Woは、それぞれトレッド接地巾TWの85%以上としたことを特徴としている。
又請求項2の発明では、前記ベルト層とカーカスとの間に、厚さが1.0〜2.0mmかつ複素弾性率Eが8.0〜11.0Mpaの保護ゴム層を介在させたことを特徴としている。
又請求項3の発明では、前記保護ゴム層は、損失正接tanδが0.115〜0.155であることを特徴としている。
又請求項4の発明では、前記一対の内ベルトプライと前記一対の外ベルトプライとは、ベルトコードおよびコード打ち込み本数が互いに等しいことを特徴としている。
本明細書において、ゴムの複素弾性率Eおよび損失正接tanδは、JIS−K6394の規定に準じて、次に示される条件で(株)岩本製作所製の「粘弾性スペクトロメータ」を用いて測定した値である。初期歪み(10%)、振幅(±1%)、周波数(10Hz)、変形モード(引張)、測定温度(70℃)。
本発明は叙上の如きベルト構造を採用することにより、内ベルトプライと外ベルトプライとの2種類のベルトプライによってベルト層を形成できる。そのため、このベルトプライの種類数の削減により生産効率や管理効率を向上することが可能となる。又それと同時に、プランジャー強度(タイヤ強度)及びトレッド耐久性を維持しながら軽量化を達成することができる。
本発明の重荷重用ラジアルタイヤの一実施例を示す断面図である。 トレッド部を拡大して示す断面図である。 (A)、(B)は、内ベルト部と外ベルト部とを示す概念図である。 ベルト層のコード配列を説明する概念図である。 カバーゴム層を説明する部分拡大図である。 従来のベルト層のコード配列を説明する概念図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。図1は、本発明の重荷重用ラジアルタイヤが、トラック、バス用のチューブレスタイヤである場合の断面図である。
図1において、重荷重用ラジアルタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつ前記トレッド部2の内部に配されるベルト層7とを具える。
前記カーカス6は、スチール製のカーカスコードをタイヤ周方向に対して例えば75〜90°の角度で配列した1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aから形成される。このカーカスプライ6Aは、前記ビードコア5、5間を跨るプライ本体部6aの両端に、前記ビードコア5の廻りで折り返されるプライ折返し部6bを具える。そして前記プライ本体部6aとプライ折返し部6bとの間には、前記ビードコア5から半径方向外側に先細状にのびるビード補強用のビードエーペックスゴム8が配される。
次に、前記ベルト層7は、図2、4に示すように、半径方向内側の2層の内ベルト部10と、その半径方向外側に配される2層の外ベルト部12とから形成される。
このうち前記内ベルト部10は、図3(A)に概念的に示すように、タイヤ軸方向の一方、他方に位置ズレした一対の内ベルトプライ10A、10Bからなり、しかも、一方の内ベルトプライ10Aと、他方の内ベルトプライ10Bとは、タイヤ赤道側となる内端部10AE、10BE同士が半径方向内外で互いに重なり合うことにより、タイヤ赤道C上に内ベルト重なり部11を有して連結される。
言い換えると、一対の内ベルトプライ10A、10Bは、それぞれ、前記内ベルト重なり部11をなす内端部10AE、10BEと、その残部となる主プライ部分10A0、10B0とから構成される。そして、本例では、一対の内ベルトプライ10A、10Bは、前記内端部10AE、10BEのうちで、半径方向外側となる内端部(本例では内端部10BE)と、前記主プライ部分10A0、10B0とが同一高さで整一するように、重ね合わされている。即ち、半径方向内側となる内端部(本例では内端部10AE)が、その厚さだけ半径方向内側に膨出するように、一対の内ベルトプライ10A、10Bが重ね合わされる。
ここで、前記一対の内ベルトプライ10A、10Bには、スチール製のベルトコードをタイヤ周方向に対して15〜25°の角度θ1(図4に示す。)で配列させた実質的に同一のスチールプライが使用される。又前記内ベルト重なり部11のタイヤ軸方向の重なり巾WAの巾中心、及び一対の内ベルトプライ10A、10Bの外端間のタイヤ軸方向距離である内ベルト部10の巾Wiの巾中心は、それぞれタイヤ赤道Cに実質的に一致している。
次に、前記外ベルト部12は、図3(B)に概念的に示すように、タイヤ軸方向の一方、他方に位置ズレした一対の外ベルトプライ12A、12Bからなり、しかも、一方の外ベルトプライ12Aと、他方の外ベルトプライ12Bとは、タイヤ赤道側となる内端部12AE、12BE同士が半径方向内外で互いに重なり合うことにより、タイヤ赤道C上に外ベルト重なり部13を有して連結される。
言い換えると、一対の外ベルトプライ12A、12Bは、それぞれ、前記外ベルト重なり部13をなす内端部12AE、12BEと、その残部となる主プライ部分12A0、12B0とから構成される。そして、本例では、一対の外ベルトプライ12A、12Bは、前記内端部12AE、12BEのうちで、半径方向内側となる内端部(本例では内端部12AE)と、前記主プライ部分12A0、12B0とが同一高さで整一するように、重ね合わされている。即ち、半径方向外側となる内端部(本例では内端部12BE)が、その厚さだけ半径方向外側に膨出するように、一対の外ベルトプライ12A、12Bが重ね合わされる。
ここで、前記一対の外ベルトプライ12A、12Bには、スチール製のベルトコードをタイヤ周方向に対して15〜25°の角度θ2(図4に示す。)で配列させた実質的に同一のスチールプライが使用される。又前記外ベルト重なり部13のタイヤ軸方向の重なり巾WBの巾中心、及び一対の外ベルトプライ12A、12Bの外端間のタイヤ軸方向距離である外ベルト部12の巾Woの巾中心は、それぞれタイヤ赤道Cに実質的に一致している。
前記内ベルト部の巾Wi、及び外ベルト部の巾Woは、それぞれトレッド接地巾TWの85%以上であって、本例では、内ベルト部10の巾Wiは、外ベルト部12の巾Woよりも大に設定される。このとき前記巾Wi、Woの差Wi−Woは6mm以上、即ち、内ベルトプライ10Aと外ベルトプライ12Aとの外端、及び内ベルトプライ10Bと外ベルトプライ12Bとの外端が、それぞれタイヤ軸方向に少なくとも3mm以上の距離X1で互いに離間していることが好ましい。なお図5に拡大して示すように、前記内、外ベルトプライ10A、10B、12A、12Bの各外端は、低弾性のカバーゴム層20によってU字状に被覆保護されるとともに、このカバーゴム層20により、外ベルトプライ12A、12Bの各外端を、内ベルトプライ10A、10Bから1.5mm以上の距離X2で離間している。そしてこの距離X1、X2の離間と、前記カバーゴム層20とによって、前記内、外ベルトプライ10A、10B、12A、12Bの各外端に集中する応力を緩和し、ベルト端剥離を抑制する。
これに対して前記内外ベルト重なり部11、13では、各重なり巾WA、WBが、それぞれトレッド接地巾TWの30〜60%の範囲に設定される。
このような本実施形態のベルト構造では、前記図3の如く、
前記内ベルト部10のうちで、
(1)半径方向内側に膨出する内端部10AEが、コード角度をθ1とした巾WAの巾狭のプライ状体14を構成し、又
(2)同一高さで整一する内端部10BEと主プライ部分10A0、10B0とが互いに協働して、コード角度をθ1、しかも前記プライ状体14とはコードの傾斜方向を同方向とした巾Wiの巾広のプライ状体15を構成している。
又外ベルト部12においては、
(3)同一高さで整一する内端部12AEと主プライ部分12A0、12B0とが互いに協働して、コード角度をθ2、しかも前記プライ状体14、15とはコードの傾斜方向を逆方向とした巾Woの巾広のプライ状体16を構成し、又
(4)半径方向外側に膨出する内端部12BEが、コード角度をθ2、しかも前記プライ状体16とはコードの傾斜方向を同方向とした巾WBの巾狭のプライ状体17を構成している。
ここで、前記巾広のプライ状体15、16は、従来のベルト構造における第2、3ベルトプライa2、a3と同様、コード角度θ1、θ2が15〜25°と小であり、かつコード同士が互いに交差して拘束し合う。そのため、ベルト層7におけるワーキングプライとして機能でき、トレッド部2の略全巾を高い剛性とタガ効果とを有して強固に補強しうる。
又前記巾狭のプライ状体17は、従来のベルト構造における第4ベルトプライa4と同様、コード角度θ2が15〜25°と小、かつコードの傾斜方向が前記プライ状体15と同方向である。そのため、保護プライとして機能し、トレッド面からの衝撃に対して前記ワーキングプライが破壊しないように保護しうる。
又前記巾狭のプライ状体14は、コード角度θ1が15〜25°と小であるため周方向の剛性が高く、拘束力に優れる。そのため、巾WAが従来の第1ベルトプライa1に比して狭く設定された場合にも、ベルト層7全体としては、従来のベルト構造と略同レベルのタガ効果を発揮し、タイヤの寸法安定性を維持することができる。しかもプライ状体14は、巾WAが狭いため、カーカスプライとの間に生じる歪みも小さく、しかもこの歪みが、ワーキングプライであるプライ状体15の外端に与える影響(即ち剪断力の発生)も低く抑えることができる。従って、コード角度θ1を15〜25°と低く設定した場合にも、従来のベルト構造と略同レベルで、ベルト端剥離を抑制でき、トレッド耐久性を維持しうる。
又本実施形態のベルト構造では、トレッド中央部においては、前記内、外ベルト重なり部11、13によりベルトプライ4枚分の強度を有するため、プランジャー強度や、耐衝撃性能についても、従来のベルト構造と略同レベルを確保することができる。
このように、 このように本実施形態のベルト構造は、従来に匹敵するプランジャー強度、耐衝撃性能、及びトレッド耐久性を発揮しうるベルト層7を、最大でも2種類のベルトプライによって形成でき、このベルトプライの種類数の削減により生産効率や管理効率の向上を達成しうる。しかも、プライ状体14が、これに相当する従来の第4ベルトプライa4よりも巾狭となるため、その分、軽量化、さらには軽量化よる転がり抵抗の低下や燃費性の向上に貢献することができる。
なお本例の如く、前記一対の内ベルトプライ10A、10Bと、前記一対の外ベルトプライ12A、12Bとは、ベルトコードおよびコード打ち込み本数も互いに等しく、即ち4枚のベルトプライ10A、10B、12A、12Bを、同一のプライ材料(プライ巾のみ異なる。)を用いて形成することができる。この場合、生産効率や管理効率のさらなる向上が図れる。又さらには、4枚のベルトプライ10A、10B、12A、12Bは、そのプライ巾自体も同一、即ち1種類のベルトプライによってベルト層7を形成できる。この場合には、前記重なり巾WA、WBを違えることで、巾Wi、Woを相違させることができる。
ここで、前記巾Wi、Woがトレッド接地巾TWの85%を下回ると、トレッドショルダー部分において剛性が不足し、優れた操縦安定性をうることができない。なお巾Wi、Woが大きすぎると、前記内、外ベルトプライ10A、10B、12A、12Bの各外端と、バットレス面との間隔が過小となって、前記外端を起点として亀裂損傷を招く傾向となる。従って巾Wi、Woの上限はトレッド接地巾TWの98%以下が好ましい。
又前記重なり巾WAがトレッド接地巾TWの30%を下回ると、プライ状体14によるタガ効果が不充分となり、ベルト端における剪断歪みが大きくなってベルト端剥離に不利となる。逆に60%を上回った場合にも、カーカスプライとの間の歪み、およびこの歪みによる影響が増すため、トレッド耐久性の向上は見込めず、しかもタイヤの軽量化が達成できなくなる。又前記重なり巾WBがトレッド接地巾TWの30%を下回ると、ワーキングプライへの保護が不充分となり、逆に60%を越えても保護効果の向上は見込めず、しかもタイヤの軽量化が達成できなくなる。
次に、前記ベルト層7とカーカス6との間には、厚さが1.0〜2.0mmの保護ゴム層21(図2に示す。)が配される。この保護ゴム層21は、複素弾性率E1が8.0〜11.0MPa、かつ損失正接tanδが0.115〜0.155の低弾性のゴムからなり、トレッド面からの衝撃が、ベルト層7からカーカス6に伝わるのを緩和し、プランジャー強度を高めるのに役立つ。
前記複素弾性率E1が8.0MPaを下回る、或いは厚さが2.0mmを上回ると、トレッド部2の剛性が減じて操縦安定性の低下を招く。逆に、複素弾性率E1が11.0MPaを上回る、損失正接tanδが0.115を下回る、或いは厚さが1.0mmを下回る場合には、衝撃緩和効果が充分発揮できず、プランジャー強度の向上が見込めなくなる。又損失正接tanδが0.155を上回ると、発熱性が高まり、走行時に温度が上昇してタイヤの耐久性を低下させる。
又前記保護ゴム層21では、そのタイヤ軸方向の巾WCが120〜160mmの範囲、かつ前記重なり巾WA以上であるのが好ましい。前記巾WCが120mm未満、および重なり巾WAより小では、衝撃緩和効果が充分発揮できず、逆に160mmを越えると、タイヤショルダー部の発熱が高くなるという不利を招く。なお保護ゴム層21は、前記重なり巾WAを越えた部分では、カーカス6に接して配される。
又前記保護ゴム層21のタイヤ軸方向外端には、前記ベルト層7とカーカス6との間を通ってタイヤ軸方向外側にのびる断面三角形状のベルトクッションゴム22(図2に示す。)が配される。このベルトクッションゴム22は、複素弾性率E2が2.5〜4.5MPaの範囲、かつ前記保護ゴム層21の複素弾性率E1よりも小なゴムから形成され、ベルト層7の姿勢を維持するとともに、ベルト端における歪みを緩和させる効果がある。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1に示す構成を有するタイヤサイズが11R22.5の重荷重用ラジアルタイヤを、表1の仕様に基づき試作するとともに、各試供タイヤのタイヤ強度、トレッド耐久性、低転がり抵抗性についてテストし、その結果を比較した。各タイヤともベルト構造以外は実質的に同仕様である。
(1)タイヤ強度:
試供タイヤをリム(7.50×22.5)にリム組みし、内圧700kPaを充填した条件の下で、JIS D4230に準じたプランジャー破壊試験を行った(プランジャー径38mm、押し込み速度50.0m/s )。その時の破壊エネルギーを、従来例1を100とした指数で比較した。数値が大きいほどタイヤ強度が高く良好である。
(2)トレッド耐久性:
試供タイヤを、リム(7.50×22.5)、内圧(700kPa)、荷重(25.42KN)、速度(50km/h)の条件にてドラム上で走行させ、ベルト層に起因する損傷が発生するまでの走行時間を、従来例1を100とした指数で比較した。数値が大きいほど耐久性が高く良好である。
(3)低転がり抵抗性:
転がり抵抗試験機を用い、試供タイヤを、リム(7.50×22.5)、内圧(700kPa)、荷重(25.42KN)、速度(80km/h)の条件にて走行させた時の転がり抵抗性を、従来例1を100とした指数で比較した。数値が大きいほど転がり抵抗が低く良好である。
Figure 2011025718
テストの結果、実施例のタイヤは、タイヤ強度、及びトレッド耐久性を維持しながら軽量化を達成でき、転がり抵抗を低減しうるのが確認できる。
1 重荷重用ラジアルタイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
7 ベルト層
10 内ベルト部
10AE、10BE 内端部
10A、10B 内ベルトプライ
11 内ベルト重なり部11
12 外ベルト部
12AE、12BE 内端部
12A、12B 外ベルトプライ
12 外ベルト部
13 外ベルト重なり部
21 保護ゴム層

Claims (4)

  1. トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るカーカスと、前記カーカスのタイヤ半径方向外側かつ前記トレッド部の内部に配されるベルト層とを具える重荷重用ラジアルタイヤであって、
    前記ベルト層は、半径方向内側の内ベルト部と、その半径方向外側に配される外ベルト部とからなり、
    前記内ベルト部は、タイヤ軸方向の一方、他方に位置ズレした一対の内ベルトプライからなり、しかも一方の内ベルトプライと、他方の内ベルトプライとは、タイヤ赤道側となる内端部同士が半径方向内外で重なり合うことにより、タイヤ赤道上に内ベルト重なり部を有して連結され、
    かつ前記外ベルト部は、タイヤ軸方向の一方、他方に位置ズレした一対の外ベルトプライからなり、しかも一方の外ベルトプライと、他方の外ベルトプライとは、タイヤ赤道側となる内端部同士が半径方向内外で重なり合うことにより、タイヤ赤道上に外ベルト重なり部を有して連結されるとともに、
    前記一対の内ベルトプライと、一対の外ベルトプライとは、それぞれスチール製のベルトコードをタイヤ周方向に対して15〜25°の角度で配列させたスチールプライからなり、
    かつ前記一対の内ベルトプライのベルトコードの傾斜の向きは、前記一対の外ベルトプライのベルトコードの傾斜の向きと相違するとともに、
    前記内ベルト重なり部のタイヤ軸方向の重なり巾WA、および前記外ベルト重なり部のタイヤ軸方向の重なり巾WBは、それぞれトレッド接地巾TWの30〜60%の範囲であり、しかも前記一対の内ベルトプライの外端間のタイヤ軸方向距離である内ベルト部の巾Wi、および前記一対の外ベルトプライの外端間のタイヤ軸方向距離である外ベルト部の巾Woは、それぞれトレッド接地巾TWの85%以上としたことを特徴とする重荷重用ラジアルタイヤ。
  2. 前記ベルト層とカーカスとの間に、厚さが1.0〜2.0mmかつ複素弾性率Eが8.0〜11.0Mpaの保護ゴム層を介在させたことを特徴とする請求項1記載の重荷重用ラジアルタイヤ。
  3. 前記保護ゴム層は、損失正接tanδが0.115〜0.155であることを特徴とする請求項2記載の重荷重用ラジアルタイヤ。
  4. 前記一対の内ベルトプライと前記一対の外ベルトプライとは、ベルトコードおよびコード打ち込み本数が互いに等しいことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の重荷重用ラジアルタイヤ。
JP2009170320A 2009-07-21 2009-07-21 重荷重用ラジアルタイヤ Pending JP2011025718A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009170320A JP2011025718A (ja) 2009-07-21 2009-07-21 重荷重用ラジアルタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009170320A JP2011025718A (ja) 2009-07-21 2009-07-21 重荷重用ラジアルタイヤ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011025718A true JP2011025718A (ja) 2011-02-10

Family

ID=43635008

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009170320A Pending JP2011025718A (ja) 2009-07-21 2009-07-21 重荷重用ラジアルタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011025718A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016187980A (ja) * 2015-03-30 2016-11-04 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62137204A (ja) * 1985-12-11 1987-06-20 Bridgestone Corp 操向車輪用重荷重ラジアルタイヤ
JPH07242102A (ja) * 1993-11-29 1995-09-19 Bridgestone Corp 重荷重用空気入りタイヤ
JPH08244407A (ja) * 1995-03-07 1996-09-24 Sumitomo Rubber Ind Ltd 重荷重車用ラジアルタイヤ
JP2004359145A (ja) * 2003-06-06 2004-12-24 Bridgestone Corp ランフラットタイヤ
JP2005212742A (ja) * 2004-02-02 2005-08-11 Sumitomo Rubber Ind Ltd 重荷重用タイヤ

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62137204A (ja) * 1985-12-11 1987-06-20 Bridgestone Corp 操向車輪用重荷重ラジアルタイヤ
JPH07242102A (ja) * 1993-11-29 1995-09-19 Bridgestone Corp 重荷重用空気入りタイヤ
JPH08244407A (ja) * 1995-03-07 1996-09-24 Sumitomo Rubber Ind Ltd 重荷重車用ラジアルタイヤ
JP2004359145A (ja) * 2003-06-06 2004-12-24 Bridgestone Corp ランフラットタイヤ
JP2005212742A (ja) * 2004-02-02 2005-08-11 Sumitomo Rubber Ind Ltd 重荷重用タイヤ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016187980A (ja) * 2015-03-30 2016-11-04 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4934178B2 (ja) 重荷重用空気入りタイヤ
JP6398722B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5049050B2 (ja) 重荷重用タイヤ
CN106541788B (zh) 重载用轮胎
JP5216304B2 (ja) 建設車両用空気入りタイヤ
JP2012061892A (ja) 重荷重用タイヤ
JP5066245B2 (ja) 重荷重用タイヤ
JP5973772B2 (ja) ランフラットタイヤ
JP2009061822A (ja) 重荷重用タイヤ
JP6089641B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2019189038A (ja) 空気入りタイヤ
JP5399778B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2011016337A (ja) 重荷重用ラジアルタイヤの製造方法
JP2012218528A (ja) 重荷重用タイヤ
JP5886057B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6612549B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5324951B2 (ja) 重荷重用空気入りタイヤ
JP5564031B2 (ja) 重荷重用タイヤ
JP2011025718A (ja) 重荷重用ラジアルタイヤ
JP2012086638A (ja) 重荷重用空気入りタイヤ
JP2786804B2 (ja) 高速重荷重用タイヤ
JP5069510B2 (ja) 重荷重用タイヤ
JP6147574B2 (ja) 重荷重用空気入りタイヤ
JP6268037B2 (ja) ランフラットラジアルタイヤ
JP2007210566A (ja) 空気入りランフラットラジアルタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120508

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130522

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130528

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130703

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130917