JP5066245B2 - 重荷重用タイヤ - Google Patents

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本発明は、トレッド部の耐久性を向上した重荷重用タイヤに関する。
例えば下記の特許文献1には、ベルト層端部におけるルースの発生を防止してトレッド耐久性を向上したタイヤが提案されている。このタイヤでは、図4に示すように、カーカスaの半径方向外側に配されるベルト層bを、カーカス側から順次重なる第1、第2、第3のベルトプライb1〜b3を含む3枚以上のベルトプライで形成し、かつ前記ベルト層bのタイヤ軸方向両外端部とカーカスaとの間に断面三角形状のベルトクッションゴムcを設けるとともに、前記第3のベルトプライb3の外端部を第2のベルトプライb2から離間させるために半径方向外方に屈曲させている。
ここで、重荷重用タイヤでは一般に、第2、第3のベルトプライb1、b2のベルトコードは、タイヤ赤道Cに対して10〜40°の小角度で傾斜し、かつタイヤ赤道Cに対する傾斜の向きが相違する。そのためトレッド変形時、この第2、第3のベルトプライb1、b2間に面方向の剪断力が大きく作用し、プライ端を起点としたプライ間剥離を招く傾向にある。そこで、前記提案のタイヤでは、前記第2、第3のベルトプライb2、b3間の第3のベルトプライb3の外端における厚さd2を、第1のベルトプライb1の外端におけるベルトクッションゴムcの厚さd1よりも大に設定し、前記ベルト層bの端部に作用する歪みを、前記ベルトクッションゴムcと、第2、第3のベルトプライb2、b3間のゴムeとで協働して分散緩和させることを提案している。
しかしながらこのような提案では、トレッド耐久性を充分満足しうるレベルまで高めることは難しく、さらなる改善が強く望まれている。
特開平11−222008号公報
そこで本発明は、前記ベルトクッションゴムの損失正接を減じるとともに、第3のベルトプライのベルトコードの外端から溝底仮想線までの半径方向距離Laと、第2のベルトプライのベルトコードの外端から溝底仮想線までの半径方向距離Lcと、第3のベルトプライのベルトコードの外端を通る半径方向線Y1上でのベルトクッションゴムのゴム厚さLbと、第2のベルトプライのベルトコードの外端を通る半径方向線Y2上でのベルトクッションゴムのゴム厚さLdと、第3のベルトプライのベルトコードの外端から第2のベルトプライのベルトコードまでの離間距離Leとの関係を規制することを基本として、ベルトプライの外端を起点とした剥離損傷を抑制でき、トレッド耐久性を向上しうる重荷重用タイヤを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本願請求項1の発明は、トレッド面にトレッド溝が形成されたトレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るカーカス、このカーカスのタイヤ半径方向外側かつトレッド部の内部に配されるベルト層、及び該ベルト層のタイヤ軸方向両外端部と前記カーカスとの間の隔たりを埋める断面略三角形状のベルトクッションゴムを有する重荷重用タイヤであって、
前記ベルト層は、カーカス側から半径方向外側に向かって順次重なりかつベルトコードをタイヤ赤道に対して傾斜配列させた第1、第2、第3のベルトプライを含み、
前記第2のベルトプライは、第1、第3のベルトプライよりもタイヤ軸方向幅が大、かつ第2、第3のベルトプライは、ベルトコードのタイヤ赤道に対する角度αが10〜40°かつタイヤ赤道に対する傾斜の向きが逆向きをなし、しかも前記第3のベルトプライの外端部は、第2のベルトプライから離間するように半径方向外方に屈曲するとともに、
前記ベルトクッションゴムの損失正接(tan δ1)を、前記第3のベルトプライの外端部と第2のベルトプライとの間の間隙部に配されるゴムの損失正接(tan δ2)、及び前記ベルト層の半径方向外側に配されかつトレッド面をなすトレッドゴムの損失正接(tan δ3)よりも小とし、
しかも、前記第3のベルトプライのベルトコードのタイヤ軸方向外端から、前記トレッド溝のうちで最深のトレッド溝の溝底を通ってトレッド面と平行にのびる溝底仮想線までの半径方向距離をLa、
前記第2のベルトプライのベルトコードのタイヤ軸方向外端から、前記溝底仮想線までの半径方向距離をLc、
前記第3のベルトプライのベルトコードのタイヤ軸方向外端を通る半径方向線Y1上での前記ベルトクッションゴムのゴム厚さをLb、
前記第2のベルトプライのベルトコードのタイヤ軸方向外端を通る半径方向線Y2上での前記ベルトクッションゴムのゴム厚さをLd、
前記第3のベルトプライのベルトコードの外端から、第2のベルトプライのベルトコードまでの離間距離をLeとした時、下記の式(1)〜(4)を充足することを特徴としている。
0.3 ≦La/Lb≦0.63 −−−(1)
0.57≦Lc/Ld≦0.83 −−−(2)
0.75≦La/Le≦1.25 −−−(3)
Le≧2.5mm −−−(4)
又請求項2の発明では、前記ベルトクッションゴムの損失正接(tan δ1)は、0.06以下であることを特徴としている。
なお前記ゴムの損失正接は、JIS−K6394の規定に準じて、次に示される条件で(株)岩本製作所製の「粘弾性スペクトロメータ」を用いて測定した値である。
・初期歪み(10%)、
・振幅(±1%)、
・周波数(10Hz)、
・変形モード(引張)、
・測定温度(70℃)。
本発明は叙上の如く、ベルトクッションゴムの損失正接(tan δ1)を、第3のベルトプライの外端部と第2のベルトプライとの間の間隙部に配されるゴムの損失正接(tan δ2)、及びトレッドゴムの損失正接(tan δ3)よりも小としている。
ここで、トレッドショルダー部では、走行時のゴムの動きが最も大きくなるため発熱量が大であり、その結果、ゴムが熱劣化を起こして硬化しベルトコードとの接着性を低下させる傾向がある。従って、トレッドショルダー部において、ゴムボリュームが大きい前記ベルトクッションゴムの損失正接(tan δ1)を減じて発熱量を抑えることにより、前記熱劣化に起因するベルトコードとゴムとの接着性低下を抑えることができる。
他方、第2、第3のベルトプライ間の剥離損傷を抑えるために、第3のベルトプライのベルトコードの外端から第2のベルトプライのベルトコードまでの離間距離Leを充分に確保することが必要である。しかし、この離間距離Leが大きくなると、
(ア) 第3のベルトプライのベルトコードの外端がトレッド面側に近づき、路面からの入力が吸収され難くなって前記外端で生じる歪みが大きくなる、或いは、
(イ) 第2のベルトプライのベルトコードの外端がカーカス側に近づき、ベルトクッションゴムの厚さが減じて低発熱の効果が減じるため、トレッドショルダー部における発熱量が増し、ゴムの熱劣化を充分に抑えることができなくなるという問題が生じる。
そこで本発明では、第3のベルトプライのベルトコードの外端から溝底仮想線までの半径方向距離Laと、第2のベルトプライのベルトコードの外端から溝底仮想線までの半径方向距離Lcと、第3のベルトプライのベルトコードの外端を通る半径方向線Y1上でのベルトクッションゴムのゴム厚さLbと、第2のベルトプライのベルトコードの外端を通る半径方向線Y2上でのベルトクッションゴムのゴム厚さLdと、第3のベルトプライのベルトコードの外端から第2のベルトプライのベルトコードまでの離間距離Leとにおいて、下記式(1)〜(4)を充足させている。これにより、路面からの入力を吸収緩和して第3のベルトプライの外端に作用する応力を抑える効果、第2、3のベルトプライ間に発生する剪断力を緩和する効果、及びトレッドショルダー部におけるゴム発熱を減じて熱劣化を抑える効果を、それぞれバランスよく効果的に発揮させることができ、トレッド耐久性を向上させることができる。
本発明の重荷重用タイヤの一実施例を示す断面図である。 そのトレッドショルダー部を拡大して示す断面図である。 ベルトコードの配列状態を示す展開図である。 従来の重荷重用タイヤのトレッド構造を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。図1において、本実施形態の重荷重用タイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至るカーカス6、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内部に配されるベルト層7、及び該ベルト層7のタイヤ軸方向両外端部7Eと前記カーカス6との間の隔たりを埋める断面略三角形状のベルトクッションゴム10を具える。
又前記トレッド部2の外面であるトレッド面2Sには、ウエットグリップ性能を確保するため、本例では、タイヤ周方向にのびる周方向溝Gaを含むトレッド溝Gが、種々のパターン模様にて形成される。なお本明細書では、前記トレッド溝Gのうちで最深のトレッド溝Gの溝底を通ってトレッド面2Sと平行にのびる輪郭線を溝底仮想線Zと呼ぶ。
次に、前記カーカス6は、カーカスコードをタイヤ赤道Cに対して例えば70〜90°の角度で配列した少なくとも1枚、本例では1枚のカーカスプライ6Aから形成される。このカーカスプライ6Aは、前記ビードコア5、5間を跨るプライ本体部6aの両端に、前記ビードコア5の廻りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返されて係止されるプライ折返し部6bを一連に具える。又このプライ本体部6aとプライ折返し部6bとの間には、前記ビードコア5から半径方向外側に先細状にのびるビードエーペックスゴム8が充填され、ビード部4からサイドウォール部3にかけて補強される。
又前記ベルト層7は、カーカス側から半径方向外側に向かって順次重なりかつベルトコードをタイヤ赤道Cに対して傾斜配列させた第1、第2、第3のベルトプライ7A、7B、7Cを含む。本例では、ベルトコードとしてスチールコードが用いられるとともに、前記第3のベルトプライ7Cの半径方向外側に、第4のベルトプライ7Dを重置させた4枚構造のものが例示される。
このベルトプライのうち、前記第1のベルトプライ7Aは、図3に示すように、ベルトコードを、タイヤ赤道Cに対して例えば45〜70°の比較的大きな角度θaで傾斜配列させている。また第2、第3、第4のベルトプライ7B、7C、7Dは、ベルトコードをタイヤ赤道Cに対して10〜40°の小さな角度θbで傾斜配列させている。又第2のベルトプライ7Bのベルトコードのタイヤ赤道Cに対する傾斜の向きは、第1のベルトプライ7Bのベルトコードのタイヤ赤道Cに対する傾斜の向きとは同方向であり、前記第3、第4のベルトプライ7C、7Dのベルトコードのタイヤ赤道Cに対する傾斜の向きとは逆方向としている。
このように前記ベルト層7では、コード角度θbが小さい第2、第3のベルトプライ7B、7Cのベルトコードが互いに交差するため、タイヤ周方向への拘束力が高まり、タガ効果を有してトレッド部2を強固に補強しうる。又第1のベルトプライ7Aは、そのベルトコードが、カーカスプライ6Aのカーカスコードと、前記第2のベルトプライ7Bのベルトコードとの中間のコード角度を有するため、カーカスプライ6Aと第2のベルトプライ7Bとの間の剪断歪みを緩和しながらベルト剛性を高めトレッド部2をさらに補強する。
又前記ベルト層7では、第2のベルトプライ7Bのタイヤ軸方向幅W2が最も幅広をなすとともに、第1、第3のベルトプライ7A、7Cのタイヤ軸方向幅W1、W3を、前記幅W2よりも例えば5〜20mm程度巾狭としている。これにより、補強効果を高く維持しながらプライ端での応力集中の緩和を図っている。なお前記第4のベルトプライ7Dは、最も小巾で形成され、主としてトレッド部2の表面のカット損傷を防止する役目を担う。
又図2に拡大して示すように、カーカス6がトレッド端側で円弧状に湾曲することにより、ベルト層7のタイヤ軸方向外端部7Eは、タイヤ軸方向外側に行くにつれてカーカス6から次第に離間するとともに、その離間部Kには、該離間部Kを埋める断面三角形状のベルトクッションゴム10が形成される。このベルトクッションゴム10は、ベルト層7の形状を適正に維持するとともに、前記第1、第2のベルトプライ7A、7Bの各外端での応力集中を緩和する。
又前記第3のベルトプライ7Cの外端部7Ceは、第2のベルトプライ7Bから離間するように半径方向外方に屈曲し、この第3のベルトプライ7Cの外端部と第2のベルトプライ7Bとの間の間隙部Mには、該間隙部Mを埋める充填ゴム11が配される。この充填ゴム11は、ベルトコード(スチールコード)との接着性、及びゴム弾性特性に優れたゴムからなり、第3のベルトプライ7Cの外端部7Ceと第2のベルトプライ7Bとの離間状態を維持するとともに、接着性に劣るベルトコードの切断端(外端)を被覆保護する。
そして本実施形態のタイヤ1では、前記ベルトクッションゴム10を、その損失正接(tan δ1)が、充填ゴム11の損失正接(tan δ2)、及びトレッドゴム2Gの損失正接(tan δ3)よりも小な低発熱ゴムで形成している。これにより、トレッドショルダー部Tshにおける温度上昇を抑え、ゴムの熱劣化に起因するベルトコードとゴムとの接着性低下を抑制する。
そのためには、ベルトクッションゴム10の損失正接(tan δ1)を、0.06以下、さらには0.05以下とするのが好ましい。しかし損失正接(tan δ1)が小さすぎると、ゴム弾性特性が減じ、破断強度を損ねるほかトレッドショルダー部Tshが変形しやすくなるなど操縦安定性にも悪影響を与える。従って、損失正接(tan δ1)の下限値は0.02以上が好ましい。これに対して、前記充填ゴム11及びトレッドゴム2Gでは、高いゴム弾性特性が要求されるなど損失正接よりもゴム弾性特性が優先され、従って従来タイヤと同様、充填ゴム11の損失正接(tan δ2)を0.10以上、又トレッドゴム2Gの損失正接(tan δ3)を0.09以上としている。
ここで、第3のベルトプライ7Cのベルトコードの外端から第2のベルトプライ7Cのベルトコードまでの離間距離Leが大きいほど、第2、第3のベルトプライ7B、7C間の剪断力の緩和のためには好ましい。しかし、前記離間距離Leが大きくなると、
(ア) 第3のベルトプライ7Cのベルトコードの外端がトレッド面2S側に近づき、路面からの入力が吸収され難くなって前記外端で生じる歪みが大きくなる、或いは、
(イ) 第2のベルトプライ7Bのベルトコードの外端がカーカス6側に近づき、ベルトクッションゴム10の厚さが減じて低発熱の効果が減じるため、トレッドショルダー部Tshにおける発熱量が増すという問題が生じる。
従って、トレッド耐久性を向上させるためには、路面からの入力を吸収緩和して第3のベルトプライ7Cの外端に作用する応力を抑える効果、第2、3のベルトプライ7B、7C間に発生する剪断力を緩和する効果、及びトレッドショルダー部Tshにおけるゴム発熱を減じて熱劣化を抑える効果を、それぞれバランスよく効果的に発揮させることが必要である。
そのために本発明では、第3のベルトプライ7Cのベルトコードの外端から前記溝底仮想線Zまでの半径方向距離Laと、第2のベルトプライ7Bのベルトコードの外端から前記溝底仮想線Zまでの半径方向距離Lcと、第3のベルトプライ7Cのベルトコードの外端を通る半径方向線Y1上でのベルトクッションゴム10のゴム厚さLbと、第2のベルトプライ7Bのベルトコードの外端を通る半径方向線Y2上でのベルトクッションゴム10のゴム厚さLdと、前記離間距離Leとにおいて、下記式(1)〜(4)を充足させている。
0.3 ≦La/Lb≦0.63 −−−(1)
0.57≦Lc/Ld≦0.83 −−−(2)
0.75≦La/Le≦1.25 −−−(3)
Le≧2.5mm−−−(4)
ここで、離間距離Leが2.5mmを下回ると、第2、3のベルトプライ7B、7C間に発生する剪断力を充分緩和することができなくなり、第2、3のベルトプライ7B、7Cにコード端ルースが発生し易くなって剥離損傷を誘発する。
又前記比La/Lbが0.63を上回る、及び前記比Lc/Ldが0.83を上回る場合には、路面からの入力に対する緩和効果は発揮されるものの、ベルトクッションゴム10のゴム厚さの減少を招き、トレッドショルダー部Tshにおけるゴムの熱劣化を抑える効果が不充分となってゴム接着性が低下し、剥離損傷を誘発する。
又前記比La/Lbが0.3を下回る、及び前記比Lc/Ldが0.57を下回る場合には、逆にベルトクッションゴム10によるゴムの熱劣化を抑える効果は発揮されるものの、路面からの入力に対する緩和効果が充分発揮されなくなる、或いは離間距離Leが不充分となって第2、3のベルトプライ7B、7C間の剪断力を充分緩和することができなくなり、プライ端に作用する歪みが大きくなって剥離損傷を誘発する。
又前記La/Leが0.75を下回る場合には、第2、3のベルトプライ7B、7C間の剪断力の緩和効果は発揮されるものの、路面からの入力に対する緩和効果が不充分となってプライ端の歪みが大となり剥離損傷を誘発する。逆に、前記La/Leが1.25を上回る場合には、路面からの入力に対する緩和効果は発揮されるものの、第2、3のベルトプライ7B、7C間の剪断力の緩和効果が不充分となり、プライ端の歪みが大となって剥離損傷を誘発する。
従って、上記式(1)〜(4)を充足することにより、トレッド耐久性を総合的に向上させることが可能となる。
なお前記図2では、カーカスプライ6Aのトッピングゴム、及びベルトプライ7A〜7Dのトッピングゴムは、ゴム厚さが小であるため省略して描かれているが、前記距離La、Lc、Leには前記トッピングゴムのゴム厚が含まれる。又前記トレッドゴム2Gは、ベルト層7の半径方向外側に配されかつトレッド面2Sをなすゴムであって、例えばキャップ層、ベースゴム層など複数層で形成される場合には、複数層のうちで最も損失正接の高いゴムの損失正接を、前記トレッドゴム2Gの損失正接(tan δ3)として採用する。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
本発明の効果を確認するため、図1に示す内部構造をなす重荷重用タイヤ(11.00R20)を、表1の仕様に基づき試作するとともに、各試供タイヤのスラット試験、及び発熱性試験を行い、その結果を比較した。
なお表1に記載以外は、実質的に同仕様である。共通仕様は下記の通りである。
<カーカス>
・プライ数−−−1枚
・コード材質−−−スチールコード
・コード角度−−−90°(タイヤ赤道に対する角度)
<ベルトプライ>
・プライ数−−−4枚
・コード材質−−−スチールコード
・コード角度−−−50R°/18R°/18L°/18L°(第1→第4のベルトプライの順で記載。「R」はタイヤ赤道に対するコードの傾斜方向が右上がり、「L」は左上がりを意味する。)
<損失正接>
・ベルトクッションゴムの損失正接(tan δ1)−−−0.048
・充填ゴムの損失正接(tan δ2)−−−0.128
・トレッドゴムの損失正接(tan δ3)−−−0.106
(1)スラット試験:
タイヤを、リム(7.50VT×20)、内圧(1000kPa)、荷重(28.92kN)の条件にて、外周面に衝撃用のスラットを突出させたドラム上で、速度40km/hにて走行させ、タイヤのトレッド部に損傷が発生するまでの走行距離を測定した。そして走行距離を実施例1を100とする指数で表示した。数値が大きい程良好である。なお前記スラットは、タイヤ軸方向の断面が、高さ25.4mm、上辺30mm、底辺70mmの台形形状をなす周方向長さが65mmの突起であり、前記スラットの中心がベルト層7の外端に位置するように取り付けている。
(2)発熱性試験:
タイヤを、リム(8.00×20)、内圧(725kPa)、荷重(23.68kN)の条件、かつ室温35℃の環境下にて、外周面が平滑なドラム上で、速度80km/hにて2時間走行させた時のトレッド部の温度を測定した。前記温度は、第2のベルトプライの半径方向内側、しかも第1のベルトプライの外端よりタイヤ軸方向内側に3mmの距離、かつカーカスから半径方向外側に2mmの距離を隔たった位置にて測定した。そして測定温度を実施例1を100とする指数で表示した。数値が大きいほど低温であり良好である。
Figure 0005066245
表1に示すように実施例のタイヤは、機械的要因によるベルトプライ外端を起点とした剥離損傷、及び熱的要因による接着力低下によるベルトプライの剥離損傷を抑制でき、トレッド耐久性を向上しうるのが確認できる。
2 トレッド部
2G トレッドゴム
2S トレッド面
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
7 ベルト層
7A〜7C 第1、第2、第3のベルトプライ
10 ベルトクッションゴム
11 ゴム
C タイヤ赤道
G トレッド溝
Z 溝底仮想線

Claims (2)

  1. トレッド面にトレッド溝が形成されたトレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るカーカス、このカーカスのタイヤ半径方向外側かつトレッド部の内部に配されるベルト層、及び該ベルト層のタイヤ軸方向両外端部と前記カーカスとの間の隔たりを埋める断面略三角形状のベルトクッションゴムを有する重荷重用タイヤであって、
    前記ベルト層は、カーカス側から半径方向外側に向かって順次重なりかつベルトコードをタイヤ赤道に対して傾斜配列させた第1、第2、第3のベルトプライを含み、
    前記第2のベルトプライは、第1、第3のベルトプライよりもタイヤ軸方向幅が大、かつ第2、第3のベルトプライは、ベルトコードのタイヤ赤道に対する角度αが10〜40°かつタイヤ赤道に対する傾斜の向きが逆向きをなし、しかも前記第3のベルトプライの外端部は、第2のベルトプライから離間するように半径方向外方に屈曲するとともに、
    前記ベルトクッションゴムの損失正接(tan δ1)を、前記第3のベルトプライの外端部と第2のベルトプライとの間の間隙部に配されるゴムの損失正接(tan δ2)、及び前記ベルト層の半径方向外側に配されかつトレッド面をなすトレッドゴムの損失正接(tan δ3)よりも小とし、
    しかも、前記第3のベルトプライのベルトコードのタイヤ軸方向外端から、前記トレッド溝のうちで最深のトレッド溝の溝底を通ってトレッド面と平行にのびる溝底仮想線までの半径方向距離をLa、
    前記第2のベルトプライのベルトコードのタイヤ軸方向外端から、前記溝底仮想線までの半径方向距離をLc、
    前記第3のベルトプライのベルトコードのタイヤ軸方向外端を通る半径方向線Y1上での前記ベルトクッションゴムのゴム厚さをLb、
    前記第2のベルトプライのベルトコードのタイヤ軸方向外端を通る半径方向線Y2上での前記ベルトクッションゴムのゴム厚さをLd、
    前記第3のベルトプライのベルトコードの外端から、第2のベルトプライのベルトコードまでの離間距離をLeとした時、下記の式(1)〜(4)を充足することを特徴とする重荷重用タイヤ。
    0.3 ≦La/Lb≦0.63 −−−(1)
    0.57≦Lc/Ld≦0.83 −−−(2)
    0.75≦La/Le≦1.25 −−−(3)
    Le≧2.5mm −−−(4)
  2. 前記ベルトクッションゴムの損失正接(tan δ1)は、0.06以下であることを特徴とする請求項記載の重荷重用タイヤ。
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