以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
(本実施形態に係る画像形成装置の構成)
まず、本実施形態に係る画像形成装置の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。
本実施形態に係る画像形成装置10は、図1に示されるように、原稿Gの画像を読み取る画像読取装置11と、用紙等の記録媒体Pに画像を記録する画像記録装置21と、を備えている。画像読取装置11は、画像形成装置10の上部に配置され、画像記録装置21は、画像形成装置10の下部に配置されている。なお、図中に示す矢印UPは、鉛直方向上方を示している。
画像読取装置11は、原稿Gの画像を読み取り、その読み取った画像を画像信号に変換するように構成されている。画像記録装置21は、画像読取装置11が変換した画像信号に基づいて記録媒体Pへ画像を記録するように構成されている。以下に、画像読取装置11及び画像記録装置21の具体的構成を説明する。
(本実施形態に係る画像記録装置21の構成)
まず、本実施形態に係る画像記録装置21の構成について説明する。
画像記録装置21は、図1に示されるように、用紙等の記録媒体Pが収容される複数の記録媒体収容部80と、記録媒体Pに画像を形成する画像形成部27と、複数の記録媒体収容部80から画像形成部27へ記録媒体Pを搬送する搬送部29と、画像形成部27によって画像が形成された記録媒体Pが排出される第1排出部69、第2排出部72及び第3排出部76と、画像記録装置21の各部の動作を制御する制御部71と、を備えている。
画像形成部27は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー画像を形成する画像形成ユニット30Y、30M、30C、30Kと、画像形成ユニット30Y、30M、30C、30Kで形成されたトナー画像が転写される中間転写体の一例としての中間転写ベルト32と、画像形成ユニット30Y、30M、30C、30Kで形成されたトナー画像を中間転写ベルト32に転写するための第1転写部材の一例としての第1転写ロール46と、第1転写ロール46によって中間転写ベルト32に転写されたトナー画像を中間転写ベルト32から記録媒体Pへ転写するための第2転写部材の一例としての第2転写ロール60と、第2転写ロール60によって中間転写ベルト32から記録媒体Pへ転写されたトナー画像を記録媒体Pに定着させる定着装置64と、を備えている。
画像形成ユニット30Y、30M、30C、30Kは、水平方向に対して傾斜した状態で、画像記録装置21の上下方向中央部に並んで配置されている。また、画像形成ユニット30Y、30M、30C、30Kは、図2に示されるように、形成されたトナー画像を保持する像保持体として、一方向(図1における反時計方向)へ回転する感光体ドラム34をそれぞれ有している。
各感光体ドラム34の周囲には、感光体ドラム34の回転方向上流側から順に、感光体ドラム34を帯電させる帯電装置36と、帯電装置36によって帯電した感光体ドラム34を露光して感光体ドラム34に静電潜像を形成する露光装置40と、露光装置40によって感光体ドラム34に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像装置42と、感光体ドラム34に形成されたトナー画像が中間転写ベルト32に転写された後に感光体ドラム34に残留しているトナーを除去する除去装置44と、が設けられている。
露光装置40は、制御部71(図1参照)から送られた画像信号に基づき静電潜像を形成するようになっている。制御部71から送られる画像信号としては、画像読取装置11で生成された画像信号や制御部71が外部装置から取得した画像信号がある。
中間転写ベルト32は、図1に示されるように、画像形成ユニット30Y、30M、30C、30Kの上側に配置されており、中間転写ベルト32に駆動力を付与する駆動ロール48と、第2転写ロール60に対向する対向ロール50と、中間転写ベルト32に張力を付与する張力付与ロール54と、第1従動ロール56と、第2従動ロール58とに予め定められた張力で巻き掛けられている。
中間転写ベルト32は、駆動ロール48によって回転力が付与され、感光体ドラム34と接触しながら一方向(図1におけるA方向)へ循環移動するようになっている。
中間転写ベルト32を挟んで駆動ロール48と対向する対向位置には、中間転写ベルト32に残留したトナーを除去するための除去装置52が設けられている。
また、中間転写ベルト32の上方には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の現像装置42へ供給される各色のトナーを貯留するトナーカートリッジ38Y、38M、38C、38Kが設けられている。
第1転写ロール46は、中間転写ベルト32を挟んで感光体ドラム34に対向している。第1転写ロール46と感光体ドラム34との間が、感光体ドラム34に形成されたトナー画像が中間転写ベルト32に転写される第1転写位置とされている。
第2転写ロール60は、中間転写ベルト32を挟んで対向ロール50と対向している。第2転写ロール60と対向ロール50との間が、中間転写ベルト32に転写されたトナー画像が記録媒体Pに転写される第2転写位置とされている。
搬送部29は、記録媒体収容部80の各々に収容された記録媒体Pを送り出す送出ロール88と、送出ロール88に送り出された記録媒体Pが搬送される搬送路62と、搬送路62に沿って配置され送出ロール88によって送り出された記録媒体Pを第2転写位置へ搬送する搬送ロール90、92、94が、設けられている。
定着装置64は、第2転写位置より搬送方向下流側に配置されており、第2転写位置で転写されたトナー画像を記録媒体Pへ定着させる。
定着装置64よりも搬送方向下流側には、トナー画像が定着された記録媒体Pを搬送する搬送ロール66が設けられている。この搬送ロール66の搬送方向下流側には、記録媒体Pの搬送方向を切り替える切替部材68が設けられている。この切替部材68の搬送方向下流側には、切替部材68によって切り替えられた搬送方向の一方側(図1における右側)に搬送される記録媒体Pを第1排出部69に排出する第1排出ロール70が設けられている。
また、切替部材68の搬送方向下流側には、切替部材68によって切り替えられた搬送方向の他方側(図1における上側)に搬送される記録媒体Pを搬送する搬送ロール73と、搬送ロール73によって搬送される記録媒体Pを第2排出部72に排出する第2排出ロール74と、搬送ロール73によって搬送される記録媒体Pを第3排出部76に排出する第3排出ロール78と、が設けられている。
定着装置64の側方には、搬送ロール73を逆転させることで反転された記録媒体Pが搬送される反転搬送路100が形成されている。反転搬送路100には、反転搬送路100に沿って複数の搬送ロール102が設けられている。これらの搬送ロール102によって搬送された記録媒体Pは、搬送ロール94によって、再度第2転写位置へ送り込まれるようになっている。
次に、本実施形態に係る画像記録装置21における、記録媒体Pへ画像を形成する画像形成動作について説明する。
本実施形態に係る画像記録装置21では、複数の記録媒体収容部80のいずれかから送り出された記録媒体Pが、搬送ロール90、92、94によって第2転写位置へ送り込まれる。
一方、画像形成ユニット30Y、30M、30C、30Kでは、画像読取装置11又は外部装置から取得した画像信号に基づき露光装置40が静電潜像を感光体ドラム34に形成し、その静電潜像に基づくトナー画像が形成される。画像形成ユニット30Y、30M、30C、30Kで形成された各色のトナー画像は、第1転写位置にて中間転写ベルト32に重ねられて、カラー画像が形成される。そして、記録媒体Pは、第2転写位置にて中間転写ベルト32に形成されたカラー画像が転写される。
トナー画像が転写された記録媒体Pは、定着装置64へ搬送され、転写されたトナー画像が定着装置64により定着される。記録媒体Pの片面へのみ画像を形成する場合は、トナー画像が定着された後、記録媒体Pは、第1排出部69、第2排出部72及び第3排出部76のいずれかに排出される。
記録媒体Pの両面へ画像を形成する場合には、片面に画像が形成された後、記録媒体Pは、搬送ロール73によって反転されて、反転搬送路100へ送り込まれる。さらに、反転搬送路100から搬送ロール94によって、再度第2転写位置へ送り込まれ、反対面側に上記と同様に画像が形成され、記録媒体Pの両面へ画像が形成される。以上のように、一連の画像形成動作が行われる。
なお、画像記録装置21の構成としては、上記の構成に限られず、例えば、中間転写体を有さない直接転写型の画像記録装置やインクジェット方式による画像記録装置でもよく、画像が記録可能な画像記録装置であれば上記構成以外の画像記録装置であってもよい。
(本実施形態に係る画像読取装置11の構成)
次に、画像読取装置11の構成について説明する。
画像読取装置11は、図3に示されるように、原稿Gを搬送する原稿搬送装置12と、原稿搬送装置12によって搬送される原稿Gの画像を読み取る画像読取部14と、を備えている。原稿搬送装置12は、画像読取装置11の上部に配置され、画像読取部14は、画像読取装置11の下部に配置されている。
原稿搬送装置12は、原稿Gが収容される原稿収容部13と、原稿Gが排出される原稿排出部33と、原稿収容部13から原稿排出部33へ原稿Gを搬送する搬送部16とを備えている。
搬送部16は、原稿収容部13に収容された原稿Gを原稿収容部13から送り出す送出ロール15と、送出ロール15に送り出された原稿Gを搬送方向下流側へ搬送する複数の搬送ロール25と、搬送ロール25に搬送された原稿Gを原稿排出部33に排出する排出ロール35とを備えて構成されている。複数の搬送ロール25及び排出ロール35は、原稿収容部13から送り出された原稿Gが搬送される搬送路23に沿って配置されている。
画像読取部14は、原稿搬送装置12によって搬送されている原稿Gと、後述の第1プラテンガラス43Aに載せられた原稿Gとの両方の画像を読み取るように構成されており、各構成部品が収容される筐体41を備えている。
この筐体41の上部には、原稿Gが載せられると共にその原稿Gの画像を読み取るための光Lを透過する第1透過部材の一例として第1プラテンガラス43Aと、原稿搬送装置12によって搬送されている原稿Gを読み取るための光Lを透過する第2透過部材の一例としての第2プラテンガラス43Bとが設けられている。
原稿搬送装置12は、画像読取部14に対して開閉可能に取り付けられており、原稿搬送装置12が開放された状態において、第1プラテンガラス43A上に原稿Gが載せられるようになっている。
画像読取部14は、光Lを原稿Gの被読取面(画像面)へ照射する光照射ユニット17と、光照射ユニット17から原稿Gの被読取面へ光Lが照射されて原稿Gの被読取面で反射した反射光Lを導く導光ユニット19と、導光ユニット19によって導かれた光Lの光学像を結像する結像レンズ24と、結像レンズ24によって結像された光学像を検出する検出部26とを備えている。
光照射ユニット17は、第1プラテンガラス43Aに沿って移動可能な移動体の一例としての第1キャリッジ18と、第1キャリッジ18に設けられ原稿Gに光Lを照射する光照射部59と、第1キャリッジ18に設けられ原稿Gで反射した反射光Lを反射する第1ミラー75とを備えている。なお、光照射ユニット17の具体的な構成は、後述する。
導光ユニット19は、第1プラテンガラス43Aに沿って移動可能な他の移動体の一例としての第2キャリッジ22と、第2キャリッジ22に設けられ第1ミラー75で反射した反射光Lを反射する第2ミラー45Aと、第2キャリッジ22に設けられ第2ミラー45Aで反射した反射光Lを結像レンズ24へ反射する第3ミラー45Bとを備えている。
検出部26は、結像レンズ24によって結像された光Lを光電変換するCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の光電変換素子で構成されている。
検出部26によって得られた電気信号は、検出部26と電気的に接続された画像処理装置28に送られるようになっている。画像処理装置28ではその電気信号が画像処理され、画像処理された電気信号(画像信号)が制御部71(図1参照)を介して露光装置40(図2参照)に送られるようになっている。
(光照射ユニット17の構成)
次に、光照射ユニット17の構成について説明する。
光照射ユニット17は、上述したように、第1プラテンガラス43Aに沿って副走査方向(図4におけるX方向)に移動可能な移動体の一例としての第1キャリッジ18を備えている(図4参照)。この第1キャリッジ18は、原稿Gが第1プラテンガラス43Aに載せられた状態においては、原稿Gの被読取面に沿って移動するようになっている。
第1キャリッジ18は、図5に示されるように、主走査方向(図5におけるY方向)に沿って長尺状に形成されたキャリッジ本体47と、キャリッジ本体47の長手方向両端部に配置された一対の支持部材49とを備えている。この一対の支持部材49は、画像読取部14の筐体41(図3参照)に設けられたフレーム(図示省略)に、第1プラテンガラス43Aに沿って副走査方向(図5におけるX方向)へ移動可能に支持されている。キャリッジ本体47及び一対の支持部材49は、例えば、板金から形成されている。
キャリッジ本体47は、主走査方向(図5におけるY方向)に間隔をあけて対向配置された一対の側板55A及び側板55Bと、この側板55A及び側板55Bの間に配置され側板55A及び側板55Bと一体に形成された側壁39、第1上壁51及び第2上壁53とを備えている。
この第1上壁51及び第2上壁53は、副走査方向(図5におけるX方向)に間隔をあけて配置されると共に、主走査方向(図5におけるY方向)に沿って長尺状に形成されている。また、第1上壁51及び第2上壁53は、原稿搬送装置12を搬送される原稿Gの画像を読み取る場合において第2プラテンガラス43Bと対向し、第1プラテンガラス43Aに載せられた原稿Gの画像を読み取る場合において第1プラテンガラス43Aと対向するようになっている。
第2上壁53は、第1上壁51側の副走査方向一端部が折り曲げられて、傾斜面53Aが形成されている(図4参照)。
なお、側板55A、55Bの主走査方向の間隔は、原稿G(図1参照)の主走査方向の画像形成領域の幅よりも大きくなっている。
また、第1キャリッジ18の側壁39には、図4に示されるように、原稿Gの被読取面へ光Lを照射する光照射部59が、第1キャリッジ18に取り付けられた他の部品(例えば、後述の導光部材65)とは独立して着脱可能に第1キャリッジ18に取り付けられる取付部材の一例としてのブラケット57を介して取り付けられる。なお、光照射部59の第1キャリッジ18への具体的な取付構造は、後述する。
光照射部59は、図6に示されるように、主走査方向(図6におけるY方向)に沿って延びる回路基板59Aと、原稿Gの被読取面へ向けて発光する発光部の一例としての発光素子61とを備えて構成されている。この発光素子61は、主走査方向に沿って一定間隔で回路基板59Aに複数配置されている。
発光素子61としては、例えば、LED(Light Emitting Diode)素子が用いられる。回路基板59Aは、その長手方向一端部に接続されたフレキシブル基板63を介して制御部71(図1参照)から給電されるようになっている。
なお、複数の発光素子61は、一定間隔で配置される場合に限られず、例えば、回路基板59Aの長手方向両端部において、長手方向中央部よりも間隔が狭くされて配置される構成であっても良い。
また、発光素子61としては、LEDに限られず、有機EL(Electro Luminescence)素子や、無機EL素子等、他の発光素子を適用してもよい。
ブラケット57は、図4に示されるように、第1プラテンガラス43A及び第2プラテンガラス43Bに対して傾斜して各発光素子61を支持しており、発光素子61から原稿Gに向けて出射された光Lは、原稿Gの表面に対して斜め方向から入射されるようになっている。
また、発光素子61の光Lの出射側には、図4及び図6に示されるように、発光素子61からの光Lを原稿Gへ導く導光部材65が、発光素子61の光Lの出射面に対向して配置されている。導光部材65は、主走査方向に沿って長尺に形成されると共に、主走査方向の両端部が側板55A、55Bで支持されている。なお、導光部材65の第1キャリッジ18への具体的な取付構造については、後述する。
導光部材65は、第1キャリッジ18の内部に配置されている。具体的には、第1上壁51の下方側であって、側壁39よりも後述の反射板79側に配置されている。
導光部材65は、例えば、アクリル樹脂で形成されており、発光素子61から入射された光Lを内部で全反射させて、発光素子61からの光Lを原稿G(図1参照)の読取位置近くまで導くようになっている。
導光部材65は、上記のように光Lを内部で全反射させることで、発光素子61と対向する面とは反対側の光出射面65Aにおいて、発光素子61からの光Lを出射するようになっており、光出射面65Aにおける少なくとも主走査方向の光量分布のばらつきが抑えられている。
なお、導光部材65は、光照射部59から入射した光Lを読取位置近くまで導くため、光量が減衰しにくい材料で成形することが好ましい。導光部材65の他の材料としては、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、ガラス等がある。
導光部材65の光出射面65Aには、導光部材65から出射された光Lを拡散させる拡散板67が接合されている。拡散板67は、例えば、アクリル樹脂で形成されており、拡散板67の光Lの出射面には、導光部材65の光出射面65Aから入射した光Lを拡散させる凹凸(回折パターン)が主走査方向に沿って形成されている。この回折パターンの形状を変化させることより、拡散板67から出射した光Lは、円形又は楕円形に整形される。なお、拡散板67の他の材料としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ガラス等がある。
一方、拡散板67から副走査方向に離れた位置には、拡散板67から出射された光Lの一部を原稿G(図1参照)へ反射する反射板79が配置されている。反射板79は、主走査方向に沿って延びる鏡面体であり、光Lの反射面とは反対側の面が第2上壁53(図4参照)の傾斜面53Aに固定されている。
また、導光部材65及び拡散板67の下方側には、原稿Gで反射された光Lを第2キャリッジ22の第2ミラー45A(図3参照)に導く第1ミラー75が設けられている。第1ミラー75は、側板55A、55B(図4参照)に形成された穴部に両端部が挿通されて保持されている。
なお、光照射ユニット17は、上記の構成に限られず、上記以外の形状や構成部品で構成されていても良い。
次に、本実施形態に係る画像読取装置11における、原稿Gの画像を読み取る画像読取動作について説明する。
画像読取装置11では、第1プラテンガラス43Aに載せられた原稿Gの画像を読み取る場合には、図3に示されるように、光照射ユニット17の第1キャリッジ18と導光ユニット19の第2キャリッジ22とが、例えば、移動距離2:1の割合で移動方向(矢印X方向)に移動する。
このとき、光照射ユニット17の光照射部59から原稿Gの被読取面に光Lが照射される。具体的には、図4に示されるように、光照射部59の各発光素子61から光Lが出射され、出射された光Lは、導光部材65の内部を全反射しながら進み、拡散板67で拡散される。拡散板67で拡散された光Lの一部は、第2プラテンガラス43Bを通って原稿Gに照射され、拡散板67で拡散された光Lのうち反射板79へ拡散した光Lは、反射板79で反射された後に第2プラテンガラス43Bを通って原稿Gに照射される。このように、光照射ユニット17では、副走査方向の一方側(図4における右側)及び他方側(図4における左側)から原稿Gへ光Lが照射される。
原稿Gに照射された光Lは、原稿Gの被読取面で反射された後に、第1ミラー75、第2ミラー45A、第3ミラー45Bの順に反射されて結像レンズ24に導かれる。結像レンズ24に導かれた光Lは、検出部26の受光面に結像される。
なお、第2キャリッジ22の移動距離が第1キャリッジ18の移動距離の半分となっていることで、原稿Gの被読取面から検出部26までの光Lの光路長が変化しないようになっている。
検出部26は1次元のセンサであり、副走査方向(第1キャリッジ18の移動方向)と交差する主走査方向における原稿Gの1ライン分を同時に処理している。画像読取部14では、この主走査方向の1ラインの読み取りが終了した後、副走査方向に第1キャリッジ18を移動させて原稿Gの次のラインを読み取る。これを原稿Gの全体に亘って実行することで、1ページの読み取りが完了する。
一方、原稿搬送装置12によって搬送される原稿Gの画像を読み取る場合には、図3に示されるように、第1キャリッジ18と第2キャリッジ22が、画像読取部14の一端部(図3における左端部)に示す実線の読み取り位置に停止した状態で位置する。
この読み取り位置において、まず、搬送されてきた原稿Gの1ライン目で反射された光Lが結像レンズ24で結像され、検出部26によって画像が検出される。即ち、1次元のセンサである検出部26によって主走査方向の1ライン分を同時に処理した後、搬送される原稿Gの次の主走査方向の1ラインが読み取られる。そして、原稿Gの後端が第2プラテンガラス43Bの読み取り位置を通過することによって、副走査方向に亘って原稿Gの1ページの読み取りが完了する。
(光照射部59の第1キャリッジ18への取付構造)
次に、光照射部59の第1キャリッジ18への取付構造について説明する。
光照射部59を第1キャリッジ18の側壁39に着脱可能に取り付けるためのブラケット57は、図4に示されるように、副走査方向に沿った断面が主走査方向の部分的に逆レ字状に形成されており、板体である板金から構成されている。
具体的には、ブラケット57は、光照射部59を支持する支持板85と、支持板85に一体に形成され第1キャリッジ18の側壁39に取り付けられる取付板86と、を備えて構成されている。
支持板85には、図7に示されるように、その長手方向に沿って配置された複数(本実施形態では、4つ)のねじ孔82が形成されている。光照射部59の回路基板59Aには、ねじ孔82に対応して複数(本実施形態では、4つ)の貫通孔83が形成されている。図8に示されるように、貫通孔83に挿し通されたボルト84がねじ孔82にねじ込まれることにより、光照射部59の回路基板59Aが支持板85に固定される。
取付板86は、支持板85の長手方向一端側(図9における右上側)に配置された取付板86Aと、支持板85の長手方向他端側(図9における左下側)に配置された取付板86Bと、を備えて構成されている。
取付板86A、86Bには、ブラケット57の着脱の際にブラケット57が他の部品(例えば、導光部材65)側へ移動するのを規制する規制手段の一例としての爪部92が、それぞれ形成されている。
取付板86A、86Bに形成された爪部92は、それぞれ、ブラケット57の長手方向中央側に配置されている。すなわち、取付板86A、86Bに形成された爪部92は、取付板86Aの取付板86B側及び取付板86Bの取付板86A側に形成されている。
爪部92は、それぞれ、取付板86A、86Bの下端部から上方に向けて突出しており、第1キャリッジ18の側壁39が、爪部92の先端部から2つの爪部92と取付板86A、86Bとの間に差し込まれるようになっている。
2つの爪部92と取付板86A、86Bとの間に差し込まれた側壁39は、爪部92の基端部に当って、それ以上の差込みが規制される。
また、2つの爪部92と取付板86A、86Bとの間に差し込まれた側壁39は、2つの爪部92と取付板86A、86Bとで挟まれ、ブラケット57の取付板86A、86Bの厚み方向への移動(図4における導光部材65側への移動)が規制される。
なお、側壁39が2つの爪部92と取付板86A、86Bとの間に差し込まれた状態において、ブラケット57の側壁39の長手方向に沿った移動は、許容される。
また、取付板86A、86Bには、被保持部の一例としての凸部91が、取付板86A、86Bの長手方向中央部にそれぞれ形成されている。
第1キャリッジ18の側壁39には、凸部91を保持する保持部の一例としての切欠部95が形成されている。切欠部95は、開口端が側壁39の下端に形成されると共に、側壁39の長手方向一方側(図9における左下側)に屈曲している。これにより、切欠部95は、爪部92による規制がなされない主走査方向へブラケット57が移動するように、側壁39の下端から切欠部95に進入した凸部91を、側壁39の長手方向一方側(図9における左下側)である切欠部95の奥側へ案内するようになっている。切欠部95の奥側に案内された凸部91は、切欠部95の奥側において切欠部95の内壁に上下側から挟まれると共に、側壁39の長手方向一方側への移動が規制された状態に保持されるようになっている。これにより、ブラケット57が側壁39に対して位置決めされる。
なお、保持部としては、切欠部95に限られず、例えば、溝部や長孔であっても良く、被保持部を保持するものであれば、切欠部95以外の構成であってもよい。また、被保持部としては、凸部91に限られず、保持部に保持されるものであれば、凸部91以外の構成であってもよい。また、切欠部95が、被保持部としてブラケット57に形成され、凸部91が保持部として側壁39に形成される構成であってもよい。
また、第1キャリッジ18の側壁39には、発光素子61を第1キャリッジ18に固定するための発光部固定部材の一例としてのボルト87が挿し通される貫通孔93が形成されている。
取付板86A、86Bには、貫通孔93に対応して、ねじ孔89がブラケット57の長手方向の端側(凸部91を挟んで爪部92とは反対側)に形成されている。凸部91が切欠部95に保持された状態において、ねじ孔89と貫通孔93とが重なるようになっている。これにより、凸部91が切欠部95に保持された状態において、貫通孔93に挿し通されたボルト87が、ねじ孔89にねじ込まれることにより、取付板86A、86Bが側壁39に固定される。
一方、支持板85は、取付板86に対して傾斜しており、側壁39に取付板86が取り付けられることにより、各発光素子61は、原稿Gの被読取面に対して傾斜して配置される。
支持板85の長手方向中央部には、第1ミラー75に接触して第1ミラー75の振動を抑制するための振動抑制部材96を支持する支持部97が形成されている。この支持部97は、支持板85と一体に形成されており、側壁39に対して、ブラケット57と一体に着脱されるようになっている。振動抑制部材96としては、例えば、スポンジなどの多孔質部材や、ゴムなどの弾性部材などが用いられる。
なお、ブラケット57は、上記の構成に限られず、上記以外の形状や配置によって構成されていても良い。また、規制手段としては、ブラケット57に形成される爪部92に限られず、側壁39側に形成される部材であっても良く、爪部92以外の形状や配置によって構成されていても良い。
次に、ブラケット57を第1キャリッジ18の側壁39に取り付ける取付動作について説明する。
まず、図10に示すように、第1キャリッジ18から取り外されている状態のブラケット57を、第1キャリッジ18の側壁39の下端から上方へ移動させて、図11に示すように、凸部91を切欠部95に差し込むと共に、取付板86A、86Bと2つの爪部92との間に側壁39を差し込む(図4参照)。
凸部91が切欠部95に差し込まれると、図11に示されるように、凸部91は、切欠部95における凸部91の差込方向奥側(図11における上側)の内壁に当たって、ブラケット57の差込方向(上方)への移動が規制される。また、取付板86A、86Bと2つの爪部92との間に側壁39が差し込まれると、図11に示されるように、側壁39の下端が、爪部92の基端部に当たって、ブラケット57の差込方向(上方)への移動が規制される。
取付板86A、86Bと2つの爪部92との間に側壁39が差し込まれた状態においては、取付板86(側壁39)の厚み方向に沿ったブラケット57の移動が阻止される一方、取付板86(側壁39)の長手方向に沿った移動は、許容される。
次に、第1キャリッジ18を側壁39の長手方向一方側(図12における左側)に移動させる。この移動により、凸部91が切欠部95の奥側に案内され、凸部91が切欠部95の奥側で保持される。凸部91が切欠部95に保持された状態において、貫通孔93とねじ孔89とが重なり、貫通孔93に挿し通されたボルト87をねじ孔89にねじ込むことにより、取付板86A、86Bが側壁39に固定される。
このように、ブラケット57を第1キャリッジ18の側壁39に取り付ける際に、取付板86(側壁39)の厚み方向に沿ったブラケット57の移動が規制されることにより、図4に示されるように、側壁39から見て、側壁39の厚み方向側にある他の部品(例えば、導光部材65)に発光素子61が接触するのが抑制される。
(導光部材65の第1キャリッジ18への取付構造)
次に、導光部材65の第1キャリッジ18への取付構造について説明する。
導光部材65は、図13に示されるように、第1キャリッジ18の斜め上方から第1上壁51と第2上壁53との間を通して側板55A、55Bに向けて移動されて、側板55A、55Bに取り付けられるようになっている。
導光部材65の長手方向両端部には、図14に示されるように、導光部材65の側板55A、55Bへの取付状態において(図4参照)、発光素子61に対向する入射面65B側に段部124が形成されている。段部124は、導光部材65からその長手方向の両端側へ突出しており、発光素子61に対向する端面124Aを有している。
また、導光部材65の側板55A、55Bへの取付状態において(図17及び図20参照)、導光部材65の側板55A、55Bに対向する対向面(下面)65Cには、半球状の突起部126が、その導光部材65の長手方向両端部に形成されている。
一方、側板55A及び側板55Bには、図13、図15及び図18に示されるように、導光部材65の長手方向一端部及び他端部の下面65Cがそれぞれ載せられる載せ部130、132がそれぞれ形成されている。
図15及び図16に示されるように、側板55Aには、導光部材65の長手方向一端部の下面65Cに形成された突起部126が嵌り、突起部126の移動を規制する円状の貫通孔134が形成されている。この貫通孔134に突起部126が嵌ることにより、導光部材65の長手方向一端部が位置決めされる。
また、図16に示されるように、側板55Aには、導光部材65の長手方向一端部の段部124の端面124Aに当って、導光部材65の発光素子61側への移動を規制する規制部の一例としてのストッパ140が形成されている。
さらに、図17に示されるように、側板55Aの側面に配置された支持部材49には、ボルト87の固定方向とは異なる方向へ導光部材65を固定する導光部材固定部材の一例としての板バネ部材144が設けられている。板バネ部材144は、載せ部130に載せられた導光部材65の長手方向一端部を、その載せ部130に押し付けて、導光部材65を側板55Aに固定するようになっている。詳細には、板バネ部材144は、一端部が支持部材49にボルト148で固定されると共に他端部が導光部材65の長手方向一端部を載せ部130に押し付けて、導光部材65を固定するようになっている。
一方、側板55Bには、図18及び図19に示されるように、導光部材65の長手方向他端部の下面65Cに形成された突起部126が嵌り、発光素子61側及びその反対側への突起部126の移動を規制する貫通孔136が形成されている。貫通孔136は、導光部材65の長手方向に長い長孔になっており、導光部材65の長手方向に沿った突起部126の移動を許容するようになっている。
これにより、導光部材65が熱膨張等によりその長手方向に伸び縮みした場合でもあっても、突起部126が貫通孔136内を移動するようになっている。
また、図19に示されるように、側板55Bには、導光部材65の長手方向他端部の段部124の端面124Aに当って、導光部材65の発光素子61側への移動を規制する規制部の一例としてのストッパ142が形成されている。
さらに、図20に示されるように、側板55Bの側面に配置された支持部材49には、載せ部132に載せられた導光部材65の長手方向他端部を、その載せ部132に押し付けて、導光部材65を側板55Bに固定する板バネ部材146が設けられている。詳細には、板バネ部材146は、一端部が支持部材49にボルト148で固定されると共に他端部が導光部材65の長手方向他端部を載せ部132に押し付けて、導光部材65を固定するようになっている。
次に、導光部材65を第1キャリッジ18の側板55A、55Bに取り付ける取付動作について説明する。
まず、図13に示すように、第1キャリッジ18から取り外されている状態の導光部材65は、第1キャリッジ18の斜め上方から第1上壁51と第2上壁53との間を通して側板55A及び側板55Bに向けて移動されて、導光部材65の長手方向両端部が、側板55Aの載せ部130及び側板55Bの載せ部132に載せられる。
導光部材65の長手方向両端部が載せ部130及び載せ部132に載せられた状態においては、図16及び図19に示されるように、導光部材65の段部124の端面124Aがストッパ140、142に当って、導光部材65の発光素子61側への移動が規制される。これにより、導光部材65が発光素子61に接触するのが抑制される。
そして、図17及び図20に示されるように、一端部が支持部材49に固定された板バネ部材144、146の他端部で導光部材65の長手方向両端部をそれぞれ、載せ部130、132に押し付けて、導光部材65を側板55A、55Bに固定する。以上のように、導光部材65が第1キャリッジ18の側板55A、55Bに取り付けられる。
また、導光部材65を側板55A、55Bに取り付ける際には、反射板79が第1キャリッジ18から取り外された状態となっており、導光部材65が側板55A及び側板55Bに取り付けられた後に、反射板79が第1キャリッジ18に取り付けられる。なお、導光部材65の取り付けの際において反射板79が干渉しない構成であれば、反射板79を第1キャリッジ18に取り付けた後に導光部材65を取り付ける取付手順であってもよい。
上述したように、光照射部59の第1キャリッジ18への取付構造及び導光部材65の第1キャリッジ18への取付構造によれば、発光素子61を有する光照射部59はブラケット57を介して第1キャリッジ18の側壁39に取り付けられるのに対して、導光部材65は、発光素子61とは独立して別個に第1キャリッジ18の側板55A、55Bの載せ部130、132に取り付けられる。したがって、発光素子61は、第1キャリッジ18の側壁39が位置決めの基準となり、導光部材65は、側板55A、55Bの載せ部130、132が位置決めの基準となり、発光素子61及び導光部材65は、それぞれ、別部材に位置決めされる。
また、発光素子61を有する光照射部59は、第1キャリッジ18の下方から上方へ移動されることにより、ブラケット57を介して側壁39に取り付けられ、側壁39から下方へ移動されることにより第1キャリッジ18から取り外される。すなわち、光照射部59の着脱方向は、上下方向(図4におけるA方向)となっており、第1キャリッジ18に対して下方側から着脱される。
これに対して、導光部材65は、第1上壁51及び第1上壁53の間から斜め下方へ移動されることにより側板55A、55Bに取り付けられ、側板55A、55Bから斜め上方へ移動されることにより、第1キャリッジ18から取り外される。すなわち、導光部材65の着脱方向は、斜め方向(図4におけるB方向)となっており、第1キャリッジ18に対して上方側から着脱される。
また、発光素子61を有する光照射部59はブラケット57を介して第1キャリッジ18の側壁39の厚み方向に沿ってボルト87が固定されるのに対して、導光部材65は、側壁39に対して傾斜する載せ部130、132に、板バネ部材144、146によって押し付けられて固定される。すなわち、光照射部59の固定方向に対して異なる方向に、導光部材65が第1キャリッジ18に固定される。
なお、本実施形態では、導光部材65から出射される光Lは、拡散板67によって拡散されて均一化されるので、拡散板67がない構成に比べて、発光素子61及び導光部材65の第1キャリッジ18に対する組み付け精度が要求されない。
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、種々の変形、変更、改良が可能である。