JP2011023968A - 照明装置、この照明装置を備える画像読取り装置、この画像読取り装置を備える画像形成装置 - Google Patents

照明装置、この照明装置を備える画像読取り装置、この画像読取り装置を備える画像形成装置 Download PDF

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Tomohiko Okada
知彦 岡田
Kenji Tanaka
健二 田中
Mitsuharu Yoshimoto
光晴 芳本
Shoichi Fukutome
正一 福留
Yasuhiro Sudo
康裕 数藤
Kenji Nakanishi
健二 中西
Hisashi Yamanaka
久志 山中
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Abstract

【課題】原稿の端部段差の影が生じないように該原稿を照明する。
【解決手段】原稿基準ラインLと重なる位置にあるLED82nの光軸Xは、正面方向から見たときに主走査ラインBに対して垂直の向きになっている。また、原稿基準ラインLよりも左側の各LED82(n-1)、82(n-2)、…の光軸Xは、正面方向から見たときに原稿基準ラインLに向くように、主走査ラインBと直交する垂線に対して一定の傾斜角度αで傾斜している。同様に、原稿基準ラインLよりも右側の各LED82 (n+1)、82(n+2)、…の光軸Xも、正面方向から見たときに原稿基準ラインLに向くように、主走査ラインBと直交する垂線に対して一定の傾斜角度αで傾斜している。LED82 (n-2)は、原稿MSの外側寄りから左側端部近傍への斜めの光を照射して、この光により原稿押えマット79の表面上の原稿MSの左側端部段差の影を照明する。このため、この影の部分が明るくなって、この影がほぼ消される。
【選択図】図10

Description

本発明は、原稿読取り装置により読取られる原稿を照明する照明装置、この照明装置を備える画像読取り装置、この画像読取り装置を備える画像形成装置に関する。
この種の照明装置は、画像読取り装置に搭載されて用いられるものであって、原稿の読取り走査方向(主走査方向)と平行に列設された複数の発光素子(例えばLED)を備え、これらの発光素子により原稿を照明する。画像読取り装置は、照明装置により照明されている原稿を主走査方向に沿って繰り返し走査しつつ、原稿を副走査方向にも走査して、原稿全体を読取る。この読取った原稿の画像は、プリンター等に出力されて、記録用紙に記録される。
図27は、従来の照明装置を上方から見て概略的に示す平面図である。図27に示すように主走査方向Aに沿って2枚の基板101が配置され、各基板101上にそれぞれのLEDアレイ102が搭載され、各基板101間にスリットStが設けられている。
図28(a)は、図27の照明装置の各LEDアレイ102を適用した画像読取り装置を正面から見て模式的に示す図である。この画像読取り装置は、照明装置の各LEDアレイ102の他に、原稿が載置されるプラテンガラス111、及び原稿押えマット112等を備えている。プラテンガラス111上に原稿が載置されていない状態では、各LEDアレイ102の光がプラテンガラス111を介して原稿押えマット112の白色表面に入射し、この白色表面で反射された反射光がプラテンガラス111を介して図27のスリットStに入射する。この反射光は、更にミラーやレンズ等の光学系を通じてCCD等のラインセンサへと導かれ、ラインセンサにより光電変換される。このとき、ラインセンサは、原稿押えマット112の白色表面を読取る。
図28(a)に示すようにプラテンガラス111上に原稿MSが載置された状態では、各LEDアレイ102の光がプラテンガラス111を介して原稿MSの表面に入射し、この原稿表面で反射された反射光がプラテンガラス111、スリットSt、及び光学系を通じてラインセンサへと導かれる。このとき、ラインセンサは、原稿表面を読取る。
また、画像読取り装置においては、図29(a)に示すようにプラテンガラス111上に、ラインセンサによる読取りの主走査方向Aと直交する原稿基準ラインLを設定しており、プラテンガラス111上で原稿基準ラインLに沿って原稿MSを載置している。例えば、プラテンガラス111の中央に原稿基準ラインLを設定し、原稿MSの中心を原稿基準ラインLに重ね合わせる。これにより、プラテンガラス111上の原稿の読取り範囲が特定され、原稿の読取りを正確に行うことができる。
一方、LEDアレイ102を構成する複数のLED103は、間隔を開けて配置されている。また、図27に示すように上方から見ると、LEDアレイ102の各LED103の光軸Xが原稿基準ラインLと平行に設定されている。更に、図28(a)に示すように各LED103は、光軸Xを中心とする放射角の範囲で光を出射しており、光軸Xの方向で出射光の強度が最も高くなる。このため、図28(b)に示すように原稿押えマット112の白色表面で反射された反射光の強度は、LEDアレイ102の各LED103の光軸Xの近傍で高くなり、各LED103の間隔に応じたムラが生じる。
ここで、2個のLED103間の中央付近では、該各LED103の光が共に照射されている。このため、図29(a)に示すように2個のLED103間に原稿MSの端部が配置されたときには、一方のLED103の光が原稿MSの端部に差し込んで、原稿MSの端部段差の影MS1が現れる。また、他方のLED103の光が影MS1に照射されても、他方のLED103の光軸Xに対する該光の出射角が大きくて、この光の強度が弱いため、影MS1が消えることはない。
この場合、図29(b)に示すように原稿MS及び原稿押えマット112で反射された反射光の強度は、原稿MSの端部段差の影MS1の箇所で低くなる。このため、ラインセンサにより読取られた原稿MSの画像には、原稿MSの端部段差の影MS1が現れ、原稿MSの画像が黒く縁取られたように記録用紙に記録される。
また、特許文献1では、LEDアレイと原稿間にレンズアレイを配置して、LEDアレイの光をレンズアレイにより拡散して、原稿をより均一に照明するようにしている。
しかしながら、特許文献1のようにLEDアレイの光を単に拡散するだけでは、図28(a)及び図29(a)に示すような各LED103の放射角を広げることと同義であって、図29(b)に示すような原稿MSの端部段差の影を消すことができない。また、特許文献1では、LEDの光の拡散方向を原稿の端部段差の影が生じ易い方向に設定しているようでもあり、原稿の端部段差の影を消すことを想定していないことは明らかである。
特開2000−138796号公報
このように従来は、LEDアレイの各LEDの光軸Xを原稿基準ラインと平行に設定していたので、2個のLED間に原稿の端部が配置されたときには、一方のLEDの光が原稿の端部に差し込むと、原稿の端部段差の影が現れ、ラインセンサにより読取られた原稿の画像に該原稿の端部段差の影が現れた。
また、特許文献1のようにLEDアレイの光をレンズアレイにより拡散して、原稿をより均一に照明するだけでは、原稿の端部段差の影を消すことができなかった。
そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、原稿の端部段差の影が生じないように該原稿を照明することが可能な照明装置、この照明装置を備える画像読取り装置、この画像読取り装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の照明装置は、原稿を読取る方向の主走査方向と平行に列設された複数の発光素子を備え、これらの発光素子により原稿を照明する照明装置であって、前記原稿が前記主走査方向と直交する原稿基準ラインに沿って位置合わせされるものとすると、前記各発光素子の光軸が原稿基準ラインに向くように傾けられている。
また、前記各発光素子の間隔が不均一である。
更に、前記光軸が原稿基準ラインに向くように傾けられた発光素子は、前記原稿基準ラインから前記主走査方向に離間して配置されている。
また、前記光軸が原稿基準ラインに向くように傾けられた発光素子は、前記原稿基準ラインからの離間距離に応じて該光軸の傾きを設定されている。
更に、前記光軸が原稿基準ラインに向くように傾けられた発光素子は、前記原稿基準ラインからの離間距離が長くなる程、前記原稿基準ラインに向けるために設定される前記発光素子の光軸の傾斜角度を大きくされている。
また、原稿の主走査方向と平行に列設された前記各発光素子の列を2列設け、一方の列の各発光素子の位置と他方の列の各発光素子の位置が前記主走査方向に互い違いにずらされている。
更に、主走査方向と直交する傾斜中心ラインの両側に複数の発光素子を振分けて配置し、前記傾斜中心ラインの一方側に配置された発光素子の光軸を該傾斜中心ラインに向くように傾け、かつ前記傾斜中心ラインの他方側に配置された他の発光素子の光軸を該傾斜中心ラインに向くように傾けており、前記傾斜中心ラインと前記原稿基準ラインを主走査方向にずらしている。
また、前記各発光素子と前記原稿間に配置された光拡散部材を備えている。
更に、前記原稿基準ラインに向くように傾けられた発光素子の光軸が、該発光素子の発光面中心を通って主走査ラインと直交する線分に対して傾斜角度αで傾斜しているとすると、前記傾斜角度αは、前記発光素子の放射角βの1/2以上に設定されている。
また、前記光軸が原稿基準ラインに向くように傾けられた発光素子は、該発光素子の放射角を規定するレンズもしくは反射鏡を有している。
一方、本発明の画像読取り装置は、上記本発明の照明装置を備えている。
また、本発明の画像形成装置は、上記本発明の画像読取り装置を備えている。
このような本発明の照明装置では、原稿が主走査方向と直交する原稿基準ラインに沿って位置合わせされるものとすると、主走査方向に列設された各発光素子は、光軸が原稿基準ラインに向くように傾けられている。この光軸が原稿基準ラインに向くように傾けられた発光素子と原稿基準ライン間に原稿の端部が配置されたならば、この発光素子の光軸が原稿の端部にも向くことになり、この発光素子により原稿の端部近傍が明るく照明される。このため、原稿基準ライン寄りの他の発光素子の光が原稿の端部に差し込んでも、原稿の端部段差の影が生じ難くなる。
また、発光素子の光軸を傾けたことが原因となって、照明ムラが生じることがあるので、各発光素子の間隔を不均一にすることにより照明ムラを解消している。
例えば、原稿基準ラインから主走査方向に離間して配置された発光素子については、この発光素子と原稿基準ライン間に原稿の端部が配置されるので、その光軸を原稿基準ラインに向くように傾けることが有効である。
また、原稿基準ラインからの離間距離が長くなる程、原稿基準ラインに向けるために設定される発光素子の光軸の傾斜角度を大きくしている。これによっても照明ムラが解消される。
更に、原稿の主走査方向と平行に列設された各発光素子の列を2列設け、一方の列の各発光素子の位置と他方の列の各発光素子の位置を主走査方向に互い違いにずらしている。これによっても照明ムラが解消される。
また、傾斜中心ラインの一方側に配置された発光素子の光軸を該傾斜中心ラインに向くように傾け、かつ傾斜中心ラインの他方側に配置された他の発光素子の光軸を該傾斜中心ラインに向くように傾けており、傾斜中心ラインと原稿基準ラインを主走査方向にずらしている。この場合は、原稿の配置位置が原稿基準ラインからずれていても、発光素子により原稿の端部近傍が明るく照明されて、原稿の端部段差の影が生じ難くなる。
更に、各発光素子と原稿間に光拡散部材を配置している。これによっても照明ムラが解消される。
また、原稿基準ラインに向くように傾けられた発光素子の光軸が、該発光素子の発光面中心を通って主走査ラインと直交する線分に対して傾斜角度αで傾斜しているとすると、傾斜角度αを発光素子の放射角βの1/2以上に設定している。この場合は、発光素子の光の殆どが原稿基準ラインに向けて照射されることになり、この発光素子の光が原稿基準ラインとは逆方向に照射されることはなく、この逆方向の光により原稿の端部段差の影が生じることもない。このような発光素子の光軸の傾斜角度の設定は、特に放射角を規定するレンズもしくは反射鏡を有する発光素子に有効である。
一方、本発明の画像読取り装置は、上記本発明の照明装置を備えていることから、同様の作用効果を奏する。
また、本発明の画像形成装置についても、上記本発明の画像読取り装置を備えていることから、同様の作用効果を奏する。
本発明の画像読取り装置の一実施形態を適用した画像形成装置を示す断面図である。 本実施形態の画像読取り装置を示す断面図である。 画像読取り装置における第1走査ユニットを示す斜視図である。 図3の第1走査ユニットを側方から見て示す断面図である。 図3の第1走査ユニットの照明装置における2列のLEDアレイを示す平面図である。 図3の第1走査ユニットを正面から見て示す断面図である。 2枚の基板上のLEDアレイによる照明状態を示す断面図である。 プラテンガラス上の原稿基準ラインの一例を示す平面図である。 (a)は原稿押えマットの白色表面を照明した状態を正面方向から見て模式的に示す図であり、(b)は原稿押えマットの白色表面上の主走査ラインで反射された反射光の強度分布を示すグラフである。 (a)は原稿押えマットの白色表面及び原稿を照明した状態を正面方向から見て模式的に示す図であり、(b)は原稿押えマットの白色表面及び原稿上の主走査ラインで反射された反射光の強度分布を示すグラフである。 第1走査ユニットの照明装置の第1変形例を上方向から見て示す平面図である。 (a)は図11の照明装置近傍を正面から見て示す断面図であり、(b)は原稿押えマットの白色表面上の主走査ラインで反射された反射光の強度分布を示すグラフである。 第1走査ユニットの照明装置の第2変形例を上方向から見て示す平面図である。 (a)は図13の照明装置近傍を正面から見て示す断面図であり、(b)は原稿押えマットの白色表面上の主走査ラインで反射された反射光の強度分布を示すグラフである。 (a)は第1走査ユニットの照明装置の第3変形例を上方向から見て示す平面図であり、(b)は(a)の照明装置近傍を正面から見て示す断面図である。 第1走査ユニットの照明装置の第4変形例を上方向から見て示す平面図である。 第1走査ユニットの照明装置の第5変形例を上方向から見て示す平面図である。 第1走査ユニットの照明装置の第6変形例を上方向から見て示す平面図である。 第1走査ユニットの照明装置の第7変形例を上方向から見て示す平面図である。 プラテンガラス上の原稿基準ラインの他の例を示す平面図である。 第1走査ユニットの照明装置の第8変形例を上方向から見て示す平面図である。 第1走査ユニットの照明装置の第9変形例を上方向から見て示す平面図である。 図22の照明装置近傍を側方から見て示す断面図である。 第1走査ユニットの照明装置の第10変形例を上方向から見て示す平面図である。 LEDアレイの放射角を模式的に示す図である。 (a)は凸レンズによりLEDの放射角を狭した素子を示す断面図であり、(b)は凹面鏡によりLEDの放射角を狭した素子を示す断面図である。 従来の照明装置を上方から見て概略的に示す平面図である。 (a)は図27の照明装置を適用した画像読取り装置を正面から見て模式的に示す図であり、(b)は原稿押えマットの白色表面上の主走査ラインで反射された反射光の強度分布を示すグラフである。 (a)は図28(a)の画像読取り装置のプラテンガラス上に原稿をセットした状態を示す図であり、(b)は原稿押えマットの白色表面及び原稿上の主走査ラインで反射された反射光の強度分布を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の一実施形態を示す断面図である。この画像形成装置100は、レーザ露光装置1、現像装置2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナ装置4、中間転写ベルト装置8、定着装置12、用紙搬送経路S、給紙トレイ10、及び用紙排出トレイ15等を備えて構成されており、この画像形成装置100の本体上部に付設の画像読取り装置101により読取られた原稿の画像又は外部から受信した画像をカラーもしくは単色で記録用紙に記録形成する。
画像形成装置100において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたもの、又は単色(例えばブラック)を用いたモノクロ画像に応じたものである。従って、現像装置2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナ装置4は各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれがブラック、シアン、マゼンタ、及びイエローに対応付けられて、4つの画像形成ステーションPa、Pb、Pc、Pdが構成されている。
感光体ドラム3は、画像形成装置100のほぼ中央に配置されている。
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、接触型であるローラ型やブラシ型の帯電器のほか、チャージャー型の帯電器が用いられる。
レーザ露光装置1は、レーザダイオード及び反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)であり、帯電された感光体ドラム3表面を画像データに応じて露光して、その表面に画像データに応じた静電潜像を形成する。
現像装置2は、感光体ドラム3上に形成された静電潜像を(K、C、M、Y)のトナーにより現像し、感光体ドラム3表面にトナー像を形成する。クリーナ装置4は、現像及び画像転写後に感光体ドラム3表面に残留したトナーを除去及び回収する。
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルト装置8は、中間転写ベルト7、中間転写ベルト駆動ローラ21、従動ローラ22、中間転写ローラ6、及び中間転写ベルトクリーニング装置9を備えている。
中間転写ベルト駆動ローラ21、中間転写ローラ6、従動ローラ22等は、中間転写ベルト7を張架して支持し、中間転写ベルト7を矢印C方向に周回移動させる。
中間転写ローラ6は、中間転写ベルト7近傍に回転可能に支持され、中間転写ベルト7を介して感光体ドラム3に押圧されると共に、転写バイアスを印加され、感光体ドラム3表面のトナー像を中間転写ベルト7に転写する。中間転写ローラ6は、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面は、導電性の弾性材(例えばEPDM、発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、記録用紙に対して均一に高電圧を印加することができる。
中間転写ベルト7は、各感光体ドラム3に接触するように設けられており、各感光体ドラム3表面のトナー像を中間転写ベルト7に順次重ねて転写することによって、カラーのトナー像(各色のトナー像)を形成する。この転写ベルトは、厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端ベルト状に形成されている。
上述の様に各感光体ドラム3表面のトナー像は、中間転写ベルト7で積層され、画像データによって示されるカラーのトナー像となる。このように積層された各色のトナー像は、中間転写ベルト7と共に搬送され、中間転写ベルト7と接触する2次転写装置11の転写ローラ11aによって記録用紙上に転写される。
中間転写ベルト7と2次転写装置11の転写ローラ11aとは相互に圧接されて、ニップ域を形成する。また、2次転写装置11の転写ローラ11aには、中間転写ベルト7上の各色のトナー像を記録用紙に転写させるための電圧(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加される。さらに、そのニップ域を定常的に得るために、2次転写装置11の転写ローラ11aもしくは中間転写ベルト駆動ローラ21の何れか一方を硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラ、または発泡性樹脂ローラ等)としている。
また、2次転写装置11によって中間転写ベルト7上のトナー像が記録用紙上に完全に転写されず、中間転写ベルト7上にトナーが残留することがあり、この残留トナーが次工程でトナーの混色を発生させる原因となる。このため、中間転写ベルトクリーニング装置9によって残留トナーを除去及び回収する。中間転写ベルトクリーニング装置9には、例えばクリーニング部材として、中間転写ベルト7に接触して残留トナーを除去するクリーニングブレードが設けられており、クリーニングブレードが接触する部位で、従動ローラ22により中間転写ベルト7裏側が支持されている。
給紙トレイ10は、記録用紙を格納しておくためのトレイであり、画像形成装置100の下部に設けられて、トレイ内の記録用紙を供給する。
画像形成装置100には、給紙トレイ10から供給された記録用紙を2次転写装置11や定着装置12を経由させて用紙排出トレイ15に送るための、Sの字形状の用紙搬送経路Sが設けられている。この用紙搬送経路Sに沿って、用紙ピックアップローラ16、用紙レジストローラ14、定着装置12、及び記録用紙を搬送する搬送ローラ等が配置されている。
用紙ピックアップローラ16は、給紙トレイ10の端部に設けられ、給紙トレイ10から記録用紙を1枚ずつ用紙搬送経路Sに供給する呼び込みローラである。搬送ローラは、記録用紙の搬送を促進補助するための小型のローラであり、複数個設けられている。
用紙レジストローラ14は、搬送されて来た記録用紙を一旦停止させて、記録用紙の先端を揃え、中間転写ベルト7と2次転写装置11の転写ローラ11a間のニップ域で中間転写ベルト7上のカラーのトナー像が記録用紙に転写されるように、感光体ドラム3及び中間転写ベルト7の回転にあわせて、記録用紙をタイミングよく搬送する。
例えば、用紙レジストローラ14は、記録用紙の先端を検出するレジスト前検知スイッチ(図示せず)の検出出力に基づき、中間転写ベルト7と2次転写装置11の転写ローラ11a間のニップ域で中間転写ベルト7上のカラーのトナー像の先端が記録用紙の画像形成領域の先端に合うように、記録用紙を搬送する。
定着装置12は、加熱ローラ31及び加圧ローラ32等を備えている。加熱ローラ31及び加圧ローラ32は、中間転写ベルト7と2次転写装置11の転写ローラ11a間のニップ域を通過して来た記録用紙を挟み込んで搬送する。
加熱ローラ31は、図示しない温度検出器の検出出力に基づき、制御部によって所定の定着温度となるように制御されており、加圧ローラ32と共に記録用紙を熱圧着することにより、記録用紙に転写されたトナー像を溶融、混合、圧接し、記録用紙に対して熱定着させる機能を有している。
各色のトナー像の定着後の記録用紙は、搬送ローラによって用紙排出トレイ15上にフェイスダウンで排出される。
次に、図2を参照しつつ、図1の画像形成装置100の本体上部に搭載された画像読取り装置101を説明する。図2は、画像読取り装置101を拡大して示す断面図である。
この画像読取り装置101は、下側の第1読取り部41と、上側の原稿搬送部42とを備えている。
上側の原稿搬送部42は、その奥一辺をヒンジ(図示せず)により下側の第1読取り部41の奥一辺に枢支され、その手前部分を上下させることにより開閉される。原稿搬送部42が開かれたときには、下側の第1読取り部41のプラテンガラス44が開放され、このプラテンガラス44上に原稿が載置される。
第1読取り部41は、プラテンガラス44、第1走査ユニット45、第2走査ユニット46、結像レンズ47、及びCCD(Charge Coupled Device)48等を備えている。第1走査ユニット45は、照明装置51、及び第1反射ミラー52を備えており、副走査方向へと原稿サイズに応じた距離だけ一定速度Vで移動しながら、プラテンガラス44上の原稿を照明装置51のLEDアレイ81によって露光し、その反射光を第1反射ミラー52により反射して第2走査ユニット46へと導き、これにより原稿表面の画像を副走査方向に走査する。第2走査ユニット46は、第2及び第3反射ミラー53、54を備えており、第1走査ユニット45に追従して速度V/2で移動しつつ、原稿の反射光を第2及び第3反射ミラー53、54により反射して結像レンズ47へと導く。結像レンズ47は、原稿の反射光をCCD48に集光して、原稿表面の画像をCCD48上に結像させる。CCD48は、原稿の画像を繰り返し主走査方向に走査し、その度に、1主走査ラインのアナログ画像信号を出力する。
第1及び第2走査ユニット45、46には、それぞれのプーリー(図示せず)が設けられており、これらのプーリーにワイヤー(図示せず)が架け渡され、このワイヤーがステッピングモータにより駆動されて、第1及び第2走査ユニット45、46が同期移動される。
また、下側の第1読取り部41は、静止原稿だけではなく、原稿搬送部42により搬送されている原稿表面の画像を読取ることができる。この場合は、図2に示すように第1走査ユニット45を原稿読取りガラス65下方の読取り位置に移動し、第1走査ユニット45の位置に応じて第2走査ユニット46を位置決めし、この状態で、原稿搬送部42による原稿の搬送を開始する。
原稿搬送部42では、ピックアップローラ55を原稿トレイ56上の原稿に押し当て回転させて、原稿を引き出し、原稿を原稿搬送路57を通じて搬送し、原稿を第1読取り部41の原稿読取りガラス65と読取りガイド板66間に通過させ、更に原稿を第2読取り部43に通過させて排紙ローラ58から排紙トレイ49へと搬送する。原稿搬送路57に沿って、原稿をその先端を揃えてから搬送するレジストローラ62や、原稿を搬送する搬送ローラ63が配置されている。
この原稿の搬送に際し、第1走査ユニット45の照明装置51のLEDアレイ81により原稿表面を原稿読取りガラス65を介して照明し、原稿表面からの反射光を第1及び第2走行ユニット45、46の各反射ミラーにより結像レンズ47へと導き、原稿表面からの反射光を結像レンズ47によりCCD48に集光させ、原稿表面の画像をCCD48上に結像させ、これにより原稿表面の画像を読取る。
また、原稿搬送部42により搬送されている原稿表面の画像を読取ると同時に、原稿搬送部42に内蔵の第2読取り部43により原稿裏面の画像を読取ることができる。この第2読取り部43は、プラテンガラス44の上方に配置されており、密着イメージセンサ(Contact Image Sensor、以下CISと称する)73と、原稿が通過する第1ガラス板74とを備えている。CIS73は、原稿裏面を照明するLEDアレイ83、画素毎に、原稿の反射光を集光するセルフォック(登録商標)レンズアレイ72、及びセルフォックレンズアレイ72を通じて受光した原稿の反射光を光電変換してアナログの画像信号を出力するラインセンサ73Sを備えている。第1読取り部41の原稿読取りガラス65上を通過した原稿は、第2読取り部43の第1ガラス板74上を通過して排紙トレイ49へと排出されるが、この第1ガラス板74上の通過に際し、LEDアレイ83により原稿裏面が照明され、原稿裏面からの反射光がセルフォックレンズアレイ72を介してラインセンサ73Sに入射し、ラインセンサ73Sにより原稿裏面の画像が読取られる。
このようにCCD48及びCIS73により読取られた原稿の画像は、CCD48及びCIS73からアナログ画像信号として出力され、このアナログ画像信号がデジタル画像信号にA/D変換される。そして、このデジタル画像信号は、種々の画像処理を施されてから画像形成装置100のレーザ露光装置1へと送受され、画像形成装置100において画像が記録用紙に記録され、この記録用紙が複写原稿として出力される。
ところで、プラテンガラス44上の原稿を第1走査ユニット45の照明装置51のLEDアレイ81により照明しているが、LEDアレイ81からの光の出射方向によっては、原稿の端部段差の影が生じることがある。この場合は、原稿の端部段差の影が原稿と共に読取られてしまい、この原稿の画像が黒く縁取られたように記録用紙に記録される。
そこで、本実施形態の画像読取り装置101では、プラテンガラス44上の原稿の端部段差の影が生じないように、照明装置51のLEDアレイ81からの光の出射方向を設定している。
次に、そのような照明装置51のLEDアレイ81からの光の出射方向を設定するための構成を説明する。
まず、第1走査ユニット45の構成を説明する。図3は、第1走査ユニット45を示す斜視図である。また、図4は、第1走査ユニット45を示す断面図である。
図3及び図4から明らかなように、第1走査ユニット45は、移動走査フレーム77と、移動走査フレーム77上に搭載された照明装置51とを備えている。
移動走査フレーム77は、副走査方向に移動走査されるものであって、その両端77aが滑動自在に支持され、先に述べたようにプーリー、ワイヤー、及びステッピングモータにより駆動される。また、移動走査フレーム77には、第1反射ミラー52が設けられており、この第1反射ミラー52が主走査方向と平行にかつ走査面(プラテンガラス44の表面)に対して45°傾斜して配置されている。
移動走査フレーム77の前端部77bが上側に折れ曲がり、この前端部77bに開口スリット77cが形成されている。また、移動走査フレーム77の後部にはドライバ回路78が搭載されている。
照明装置51は、原稿の照明等を行うものであって、主走査方向と平行なスリットStを有しており、このスリットStの長手方向両側に主走査方向と平行な細長い形状の各基板76が固定されている。
図5は、第1走査ユニット45の照明装置51における2列のLEDアレイを示す平面図である。図5から明らかなように各基板76には、主走査方向Aに列設された複数のLED82からなるLEDアレイ81がそれぞれ搭載されている。各LED82がそれぞれの基板76の配線パターンに接続され、各基板76の配線パターンがハーネス(図示せず)を通じて移動走査フレーム77のドライバ回路78に接続されている。ドライバ回路78は、ハーネス及び各基板76の配線パターンを通じて各LED82へと電力を供給し、各LED82を点灯及び消灯制御する。
図6は、第1走査ユニット45を正面から見て示す断面図である。図6からも明らかなように基板76及び基板76上のLEDアレイ81は、主走査方向Aに沿って設けられており、LEDアレイ81の光がプラテンガラス44を介して原稿MSに照射される。
また、各基板76の表面が白色にされていることから、図7に示すように各LED82の光が原稿に直接照射されるだけではなく、各基板76の表面で反射された光も原稿へと照射されて、原稿に対する照射光量が増大されている。
図3及び図4に示すように照明装置51のスリットStの直下に第1反射ミラー52が位置決めされており、各基板76のLEDアレイ81が発光すると、各LEDアレイ81の光が上方に出射されてプラテンガラス44又は原稿読取りガラス65を通じて原稿MSに照射され、原稿MSからの反射光がプラテンガラス44又は原稿読取りガラス65を通じてスリットStに入射し、この反射光がスリットStを通じて第1反射ミラー52に入射して反射され、この反射光が移動走査フレーム77の前端部77bの開口スリット77cを通じて第2走査ユニット46の第2反射ミラー53へと出射される。
ここで、画像読取り装置101においては、図8に示すようにCCD48による読取りの主走査方向Aと直交し、つまり副走査方向Fと平行であって、かつプラテンガラス44の中央を通る原稿基準ラインLを設定しており、プラテンガラス44上に原稿基準ラインLに沿って原稿Pを載置している。詳しくは、プラテンガラス44先端側の原稿ガイド95に原稿基準ラインLに重なるマークMを印しておき、原稿ガイド95に原稿Pの先端を揃えると共に、原稿Pの先端中心を原稿基準ラインLのマークMに一致させて、原稿Pの中心を原稿基準ラインLに重ね合わせるようにしている。従って、原稿基準ラインLがプラテンガラス44の中央を副走査方向Fに通り、原稿先端が原稿ガイド95に揃えられて、原稿Pがプラテンガラス44の中央に配置される。
こうして原稿を位置合わせした後、原稿搬送部42を閉じて、原稿搬送部42の底面側の原稿押えマット79を原稿に重ね合わせ、原稿MSを固定し、プラテンガラス44に対する外乱光の侵入を防止する。
そして、先に述べたように第1及び第2走査ユニット45、46を副走査方向Fに走査しつつ、プラテンガラス44上の原稿を第1走査ユニット45の照明装置51のLEDアレイ81によって露光し、その反射光を第1及び第2走査ユニット45、46の複数のミラーにより反射して結像レンズ47へと導き、原稿表面の画像をCCD48上に結像させて、CCD48により原稿表面の画像を読取る。
このとき、原稿MSの中心が原稿基準ラインLに重ね合わせられ、プラテンガラス44上で原稿MSが位置合わせされていることから、原稿の読取りが正確に行われる。
さて、図5に示すように上方から見ると、LEDアレイ81の各LED82は、主走査ラインBに沿って等間隔に配置されている。また、原稿基準ラインLと重なる位置にあるLED82は、その光軸Xが該原稿基準ラインLと平行になるように配置されている。更に、原稿基準ラインL両側の他の各LED82は、それらの光軸Xが該原稿基準ラインLに向くように傾けて配置されている。尚、LEDなどの発光素子では、指向特性における光束が最も強くなる方向が光軸とされる。
図9(a)は、原稿押えマット79の白色表面を照明した状態を正面方向から見て模式的に示す図である。尚、図9(a)においては、原稿基準ラインLと重なる位置にあるLEDに符号82nを付し、原稿基準ラインLよりも左側の各LEDに符号82(n-1)、82(n-2)、…を付し、原稿基準ラインLよりも右側の各LEDに符号82(n+1)、82(n+2)、…を付している。
図9(a)に示すように原稿基準ラインLと重なる位置にあるLED82nの光軸Xは、正面方向から見たときに主走査ラインBに対して垂直の向きになっている。また、原稿基準ラインLよりも左側の各LED82(n-1)、82(n-2)、 …の光軸Xは、正面方向から見たときに原稿基準ラインLに向くように、LEDの発光面中心を通って主走査ラインと直交する線分に対して一定の傾斜角度α(LEDの発光面中心周りに主走査ラインBに沿って扇形に開く角度)で傾斜している。同様に、原稿基準ラインLよりも右側の各LED82 (n+1)、82(n+2)、…の光軸Xも、正面方向から見たときに原稿基準ラインLに向くように、LEDの発光面中心を通って主走査ラインと直交する線分に対して一定の傾斜角度αで傾斜している。
図9(b)は、図9(a)に示すように原稿押えマット79の白色表面を照明した状態において白色表面上の主走査ラインBで反射された反射光の強度分布を示すグラフである。
図9(b)に示すように原稿基準ラインLの近傍領域Jで反射光の強度が高くなっている。これは、原稿基準ラインLと重なる位置にあるLED82nの光が原稿基準ラインLの近傍領域Jに照射されるだけではなく、左側及び右側の2個のLED82(n-1)、82(n+1)の光軸Xが原稿基準ラインLに向いていることから、これらのLED82(n-1)、82(n+1)の光も原稿基準ラインLの近傍領域Jに照射されるためである。
また、原稿基準ラインLの近傍領域Jよりも左側は、原稿基準ラインLよりも左側の各LED82(n-1)、82(n-2)、…により略均一に照明されている。同様に、近傍領域Jよりも右側は、原稿基準ラインLよりも右側の各LED82(n+1)、82(n+2)、…により略均一に照明されている。更に、近傍領域Jの左側及び右側のいずれにおいても、各LED82(n-1)、82(n-2)、…の光軸X上及び各LED82 (n+1)、82(n+2)、…の光軸X上において該各LEDの照明強度が高く、反射光の強度も高くなって、反射光の強度が各LEDの光軸の位置に応じて変化している。
ここで、CCD48により読取られる主走査ラインBの幅は、結像レンズ47により拡大されて、LEDアレイ81の主走査方向幅と略同じである。また、CCD48は、原稿押えマット79の白色表面上の主走査ラインBで反射された反射光を主走査ラインBに沿う各画素の諧調として順次読取り、各画素の諧調を示すそれぞれの出力を順次出力する。従って、主走査ラインBに沿う各画素の諧調を順次読取ったCCD48の出力は、図9(b)の反射光の強度と同様に変化する。
尚、原稿押えマット79の白色表面で反射された反射光の強度にムラがあっても、シェーディング補正によりCCD48の出力が補正されて、反射光の強度ムラに応じた出力変動成分がキャンセルされる。
図10(a)は、原稿押えマット79の白色表面及び原稿MSを照明した状態を正面方向から見て模式的に示す図である。図10(b)は、原稿押えマット79の白色表面及び原稿MS上の主走査ラインBで反射された反射光の強度分布を示すグラフである。
図10(a)においては、原稿MSの先端の中心を原稿基準ラインLのマークに一致させて、原稿MSの中心を原稿基準ラインLに重ね合わせ、プラテンガラス44上に原稿MSを載置している。
原稿MSの表面は、原稿基準ラインLと重なる位置にあるLED82n及び左側及び右側の2個のLED82(n-1)、82(n+1)により照明される。
また、原稿MSの左側端部は、原稿基準ラインLよりも左側のLED82(n-1)の光軸XとLED82(n-2)の光軸X間にあり、これらのLED82(n-1)と82(n-2)により照明されている。より内側のLED82(n-1)は、原稿MSの左側端部に対して略垂直な光を照射しているが、原稿MSの内側寄りから左側端部への斜めの光をも照射しているので、原稿MSの左側端部段差の影が原稿押えマット79の表面に形成される可能性がある。ただし、より外側のLED82 (n-2)は、その光軸Xが原稿基準ラインLの向きに傾斜していることから、原稿MSの外側寄りから左側端部近傍への斜めの光を照射して、この光により原稿押えマット79表面上の原稿MSの左側端部段差の影を照明する。このため、この影の部分が明るくなって、この影がほぼ消される。
同様に、原稿MSの右側端部は、原稿基準ラインLよりも右側のLED82(n+1)の光軸XとLED82(n+2)の光軸X間にあり、これらのLED82(n+1)と82(n+2)により照明されている。より内側のLED82(n+1)は、原稿MSの内側寄りから右側端部への斜めの光を照射しているので、原稿MSの右側端部段差の影が原稿押えマット79の表面に形成される可能性がある。ところが、より外側のLED82 (n+2)は、その光軸Xが原稿基準ラインLの向きに傾斜していることから、原稿MSの外側寄りから右側端部近傍への斜めの光を照射して、この光により原稿押えマット79表面上の原稿MSの右側端部段差の影を照明し、この影をほぼ消し去る。
このように原稿基準ラインLと重なる位置にあるLED82n及び左側及び右側の2個のLED82(n-1)、82(n+1)により原稿MSの表面が照明され、原稿MSの左側端部段差の影がより外側のLED82 (n-2)からの斜めの光によりほぼ消され、原稿MSの右側端部段差の影がより外側のLED82 (n+2)からの斜めの光によりほぼ消される。このため、図10(b)に示すように原稿押えマット79の白色表面及び原稿MS上の主走査ラインBで反射された反射光の強度が殆ど変化せず、原稿MSの端部段差の影による反射光の強度低下が殆ど無い。そして、CCD48は、原稿押えマット79の白色表面及び原稿MSで反射された反射光を主走査ラインBに沿う各画素の諧調として順次読取って、各画素の諧調を示すそれぞれの出力を順次出力するので、このCCD48の出力にも原稿MSの端部段差の影によるレベル低下が殆ど無い。
図10(b)の反射光の強度分布を、図29(b)に示す従来の照明装置により照明したときの反射光の強度分布と比較しても明らかなように、本実施形態の方が、原稿MSの端部段差の影による反射光の強度低下が生じ難く、CCD48の出力にも影の影響が殆ど現れない。このため、CCD48により読取られた原稿MSの画像に、原稿MSの端部段差の影が現れず、原稿MSの画像が黒く縁取られることもない。
尚、図10(a)、(b)においては、原稿MSの左側端部が原稿基準ラインLよりも左側の各LED82(n-1)、82(n-2)の光軸X間にあり、原稿MSの右側端部が原稿基準ラインLよりも右側の各LED82(n+1)、82(n+2)の光軸X間にあるが、原稿MSの幅が広くなって、原稿MSの左側端部が原稿基準ラインLよりも左側の他の各LED82の光軸X間にあり、原稿MSの右側端部が原稿基準ラインLよりも右側の他の各LEDの光軸X間にある場合も、左側の他の各LED82の光軸Xが原稿基準ラインLに向くように傾斜し、右側の他の各LED82の光軸Xも原稿基準ラインLに向くように傾斜していることから、原稿MSの端部段差の影が現れず、CCD48の出力にも影の影響が殆どでない。
また、原稿MSの幅や配置位置によっては、原稿MSの端部にLED82の光が垂直に入射することがあるが、この場合は、この端部段差の影が生じない。
更に、図9(a)及び図10(b)においては、1列のLEDアレイ81の各LED82の光軸Xを示しているが、図5の2列のLEDアレイ81のいずれについても、各LED82の光軸Xの向きを原稿基準ラインLに向くように設定しているので、原稿MSの端部段差の影が現れることはない。
このように本実施形態では、図9(a)に示すように原稿基準ラインLと重なる位置にあるLED82nの光軸Xを主走査ラインBに対して垂直の向きとし、また原稿基準ラインLよりも左側の各LED82(n-1)、82(n-2) …の光軸Xを原稿基準ラインLに向くように傾斜させ、原稿基準ラインLよりも右側の各LED82(n+1)、82(n+2) …の光軸Xを原稿基準ラインLに向くように傾斜させているので、図10(a)に示すように原稿MSの表面を照明するだけではなく、原稿MSの両端部のより外側から該両端部の段差近傍を照明して、この両端部の段差近傍の影を略消すことができる。
次に、図11乃至図26を参照しつつ、第1走査ユニット45の照明装置51における各LEDアレイ81の変形例を説明する。
図11は、第1走査ユニット45の照明装置51の第1変形例を上方向から見て示す平面図である。また、図12(a)は、図11の照明装置51近傍を正面から見て示す断面図であり、図12(b)は、図12(a)に示すように原稿押えマット79の白色表面を照明した状態において白色表面上の主走査ラインBで反射された反射光の強度分布を示すグラフである。
この第1変形例では、図9(a)のLEDアレイ81における原稿基準ラインLと重なる位置にあるLED82nを省略している。このため、左側及び右側の2個のLED82(n-1)、82(n+1)の光が原稿基準ラインLの近傍領域Jに照射されるだけであり、原稿基準ラインLの近傍領域Jで反射光の強度が格別に高くなることはなく、つまり照明ムラが格別に大きくならず、よってCCD48の出力が大きく変化することもない。
先に述べたように原稿押えマット79の白色表面で反射された反射光の強度にムラがあっても、シェーディング補正によりCCD48の出力が補正されるが、第1及び第2走査ユニット45、46の走査位置の誤差等によりCCD48の読取り位置が主走査方向にずれると、シェーディング補正にも誤差が生じるので、図12(b)に示すように原稿押えマット79の白色表面で反射された反射光の強度分布をより平坦にして、シェーディング補正の補正レベルを抑えた方が好ましい。
図13は、第1走査ユニット45の照明装置51の第2変形例を上方向から見て示す平面図である。また、図14(a)は、図13の照明装置51近傍を正面から見て示す断面図であり、図14(b)は、図14(a)に示すように原稿押えマット79の白色表面を照明した状態において白色表面上の主走査ラインBで反射された反射光の強度分布を示すグラフである。
この第2変形例では、原稿基準ラインLの左右に、正面方向から見たときに主走査ラインBに対して垂直に向くような光軸Xを持つ2個のLED82na、82nbを設けている。
画像読取り装置101により読取られる原稿の最小幅として、例えば名刺サイズの幅を想定する。この場合は、名刺サイズの原稿の中心を原稿基準ラインLに重ねて、該原稿を配置すると、原稿基準ラインL近傍にある2個のLED82na、82nbの光により原稿の中央付近が照明されるが、この照明によって原稿の端部段差の影が生じることは殆どない。このため、2個のLED82na、82nbの光軸が主走査ラインBに対して垂直に向いても構わない。
また、LED82naよりも左側の各LED82(n-1)、82(n-2) …の光軸Xを、正面方向から見たときに原稿基準ラインLに向くように傾斜させ、LED82nbよりも右側の各LED82(n+1)、82(n+2) …の光軸Xを、正面方向から見たときに原稿基準ラインLに向くように傾斜させている。これにより、原稿の両端部のより外側から該両端部の段差近傍を照明して、この両端部の段差近傍の影を略消すことができる。
更に、LED82naとその左隣のLED82(n-1)の間隔を、各LED82(n-1)、82(n-2) …、82(n+1)、82(n+2) …の間隔よりも広げ、同様にLED82nbとその右隣のLED82(n+1)の間隔を、各LED82(n-1)、82(n-2) …、82(n+1)、82(n+2) …の間隔よりも広げている。
このため、LED82naにより照明される領域Jaに、その左隣のLED82(n-1)の光が照射されず、この領域Jaで反射光の強度が格別に高くなることがなく、CCD48により読取られた主走査ラインBの各画素の諧調が大きく変化することもない。同様に、LED82nbにより照明される領域Jbに、その右隣のLED82(n+1)の光が照射されず、この領域Jbで反射光の強度が格別に高くなることはない。
図15(a)は、第1走査ユニット45の照明装置51の第3変形例を上方向から見て示す平面図である。また、図15(b)は、照明装置51の近傍を正面から見て示す断面図である。
この第3変形例では、原稿基準ラインLと重なる位置にあるLED82nよりも左側の各LED82(n-1)、82(n-2)、…の光軸Xを原稿基準ラインLに向くように傾斜させているが、LED82nからの離間距離が長くなる程、原稿基準ラインLに向けるためのLEDの光軸Xの傾斜角度αを大きくして、LEDの光軸Xを原稿基準ラインLにより向けている。また、LED82nから離れる程、各LEDの間隔を長くしている。
同様に、原稿基準ラインLと重なる位置にあるLED82nよりも右側の各LED82(n+1)、82(n+2) …についても、LED82nからの離間距離が長くなる程、LEDの光軸Xの傾斜角度αを大きくして、LEDの光軸Xを原稿基準ラインLにより向けている。また、LED82nから離れる程、各LEDの間隔を長くしている。
従って、原稿基準ラインLと重なる位置にあるLED82nの左隣のLED82(n-1)の傾斜角度αが小さく、そのLED82nの右隣のLED82(n+1)の傾斜角度αも小さい。
ここで、図9(a)に示すようにLED82nの左隣のLED82(n-1)の傾斜角度αが大きく、LED82nの右隣のLED82(n+1)の傾斜角度αも大きい場合は、先に述べたように該各LED82n、82(n-1)、82(n+1)の光が原稿基準ラインLの近傍領域Jに照射されて、近傍領域Jで反射光の強度が高くなり、照明ムラが格別に大きくなる。
ところが、第3変形例では、左側1番目及び右側1番目の各LED82(n-1)、82(n+1)の光軸Xの傾斜角度αが小さいことから、該各LED82(n-1)、82(n+1)の光が原稿基準ラインLの近傍領域Jに殆ど照射されず、近傍領域Jで反射光の強度が格別に高くならず、照明ムラが抑えられる。
また、左側2番目以降の各LED82(n-2)、82(n-3)、…の光軸Xの傾斜角度αが徐々に大きくされ、かつ各LEDの間隔が徐々に長くされていることから、いずれのLED82についても、LED82の光がより内側のLEDの光の照射領域に殆ど照射されず、特定の照射領域で反射光の強度が格別に高くならず、照明ムラが抑えられる。同様に、右側2番目以降の各LED82(n+2)、82(n+3)、…の光軸Xの傾斜角度αが徐々に大きくされ、かつ各LEDの間隔が徐々に長くされていることから、いずれのLED82についても、LED82の光がより内側のLEDの光の照射領域に殆ど照射されず、特定の照射領域で反射光の強度が格別に高くならない。これにより、全てのLED82による照明領域全体で照明ムラが抑えられる。
勿論、左側の各LED82(n-1)、82(n-2)、…の光軸Xを原稿基準ラインLに向くように傾斜させ、右側の各LED82(n+1)、82(n+2) …の光軸Xも原稿基準ラインLに向くように傾斜させているので、原稿の端部段差の影が殆ど生じずに済む。
図16は、第1走査ユニット45の照明装置51の第4変形例を上方向から見て示す平面図である。
この第4変形例では、2列のLEDアレイ81の一方について、図9(a)のLEDアレイ81と同様に原稿基準ラインLと重なる位置にあるLED82nの光軸Xを主走査ラインBに対して垂直の向きに設定し、左側の各LED82(n-1)、82(n-2) …の光軸Xを原稿基準ラインLに向くように傾斜させ、右側の各LED82(n+1)、82(n+2) …の光軸Xも原稿基準ラインLに向くように傾斜させている。また、2列のLEDアレイ81の他方について、従来と同様に全てのLED82の光軸Xを主走査ラインBに対して垂直の向きに設定している。
このため、一方のLEDアレイ81の各LED82による主走査ラインB上のそれぞれの照射領域と他方のLEDアレイ81の各LED82による主走査ラインB上のそれぞれの照射領域が相互にずれ、より均一な照明が可能になる。
勿論、一方のLEDアレイ81における左側の各LED82(n-1)、82(n-2) …の光軸X及び右側の各LED82(n+1)、82(n+2) …の光軸Xを原稿基準ラインLに向くように傾斜させているので、原稿の端部段差の影が殆ど生じずに済む。
図17は、第1走査ユニット45の照明装置51の第5変形例を上方向から見て示す平面図である。
この第5変形例では、2列のLEDアレイ81の一方について、図9(a)のLEDアレイ81と同様に原稿基準ラインLと重なる位置にあるLED82nの光軸Xを主走査ラインBに対して垂直の向きに設定し、左側の各LED82(n-1)、82(n-2) …の光軸Xを原稿基準ラインLに向くように傾斜させ、右側の各LED82(n+1)、82(n+2) …の光軸も原稿基準ラインLに向くように傾斜させている。また、2列のLEDアレイ81の他方について、図11のLEDアレイ81と同様に原稿基準ラインLと重なる位置にあるLED82nを省略している。
また、一方のLEDアレイ81の各LED82の位置と他方のLEDアレイ81の各LED82の位置を、主走査方向Aに互い違いにずらしている。すなわち、一方のLEDアレイ81の各LED82と他方のLEDアレイ81の各LED82を千鳥足状に配置している。
このように各LEDアレイ81間で各LED82を互い違いに配置することにより、より均一な照明が可能になる。
勿論、いずれのLEDアレイ81においても、左側の各LED82(n-1)、82(n-2) …の光軸X及び右側の各LED82(n+1)、82(n+2) …の光軸Xを原稿基準ラインLに向くように傾斜させているので、原稿の端部段差の影が殆ど生じずに済む。
図18は、第1走査ユニット45の照明装置51の第6変形例を上方向から見て示す平面図である。
この第6変形例では、図3乃至図6の2列のLEDアレイ81のうちの一方を省略して、1列のLEDアレイ81だけを設けている。
このように1列のLEDアレイ81だけを設けても、左側の各LED82(n-1)、82(n-2) …の光軸X及び右側の各LED82(n+1)、82(n+2) …の光軸Xを原稿基準ラインLに向くように傾斜させているので、原稿の端部段差の影が殆ど生じることはない。
図19は、第1走査ユニット45の照明装置51の第7変形例を上方向から見て示す平面図である。
この第7変形例では、原稿基準ラインLをプラテンガラス44の片側一辺44aの近傍に設定している。この場合は、図20に示すようにプラテンガラス44片側の原稿ガイド96から僅かに離れて副走査方向Fと平行な原稿基準ラインLを設定し、プラテンガラス44先端側の原稿ガイド95に原稿の先端を揃えると共に、プラテンガラス44片側の原稿ガイド96に原稿Pの片側一辺を揃えて、原稿Pの片側一辺を原稿基準ラインLと平行にしている。従って、原稿Pがプラテンガラス44の片側寄りに配置される。
また、原稿基準ラインLと重なる位置にあるLED82nの光軸Xを主走査ラインBに対して垂直の向きに設定し、原稿基準ラインLよりも左側の各LED82(n-1)、82(n-2)については、LED82nからの離間距離が長くなる程、正面から見たときのLEDの光軸Xの傾斜角度αを大きくして、LEDの光軸Xを原稿基準ラインLにより向け、かつ各LEDの間隔を長くしている。同様に、原稿基準ラインLよりも右側の各LED82 (n+1)、82(n+2)、…についても、LED82nからの離間距離が長くなる程、正面から見たときのLEDの光軸Xの傾斜角度αを大きくして、LEDの光軸Xを原稿基準ラインLにより向け、かつ各LEDの間隔を長くしている。
原稿基準ラインLとプラテンガラス44の片側一辺44a間に、原稿の片側端部が配置された状態では、原稿の片側端部が原稿基準ラインLよりも左側のLED82(n-1)もしくは82(n-2)により照明されるので、この片側端部段差の影が生じることはない。また、原稿の他の片側端部は、原稿基準ラインLよりも右側の(n+1)、82(n+2)、…の少なくとも1つにより照明されるので、この他の片側端部段差の影も生じることはない。
図21は、第1走査ユニット45の照明装置51の第8変形例を上方向から見て示す平面図である。
この第8変形例でも、原稿基準ラインLをプラテンガラス44の片側一辺44aの近傍に設定しており、原稿の先端をプラテンガラス44の先端側一辺に重ねて揃えると共に、原稿の片側端部をプラテンガラス44の片側一辺もしくは原稿基準ラインLに沿わせて、原稿を配置する。
また、原稿基準ラインLと重なる位置にあるLED82nの光軸Xを主走査ラインBに対して垂直の向きに設定し、原稿基準ラインLよりも左側の各LED82(n-1)、82(n-2)については、LED82nからの離間距離が長くなる程、LEDの光軸Xの傾斜角度αを大きくし、かつ各LEDの間隔を長くしている。同様に、原稿基準ラインLよりも右側の各LED82 (n+1)、82(n+2)、…についても、LED82nからの離間距離が長くなる程、LEDの光軸Xの傾斜角度αを大きくし、かつ各LEDの間隔を長くしている。
ただし、主走査ラインBに対して垂直の向きの光軸Xを持つLED82nを通って、LEDアレイ81(主走査ラインB)と直交する直線を傾斜中心ラインLkとすると、この傾斜中心ラインLkを原稿基準ラインLよりも右側にずらして配置している。
傾斜中心ラインLkの左側には、それぞれの光軸Xが傾斜中心ラインLkに向く各LED82(n-1)、82(n-1)を配置し、傾斜中心ラインLkの右側には、それぞれの光軸Xが傾斜中心ラインLkに向く各LED82(n+1)、82(n+1)、…を配置している。このような傾斜中心ラインLkを原稿基準ラインLよりも右側にずらして配置しているため、原稿基準ラインLよりも左側の一方のLED82(n-1)の光軸Xは、傾斜中心ラインLkに向いていても、原稿基準ラインLとは逆方向に向くことになり、原稿基準ラインLよりも左側の他方のLED82(n-2)の光軸Xだけが原稿基準ラインLに向いている。
原稿基準ラインLよりも右側の各LED82 (n+1)、82(n+2)、…については、LED82nからの離間距離が長くなる程、LEDの光軸Xの傾斜角度αが大きくなって、LEDの光軸Xが原稿基準ラインLにより向いている。
このような構成では、原稿の片側端部が原稿基準ラインLとプラテンガラス44の片側一辺44a間に配置されると、原稿の片側端部が原稿基準ラインLよりも左側のLED82(n-2)により照明されるので、この片側端部段差の影が生じることはない。
また、原稿の片側端部が原稿基準ラインLと傾斜中心ラインLk間に配置されたときには、原稿基準ラインLよりも左側の一方のLED82(n-1)の光軸Xが原稿基準ラインLとは逆方向に向いているため、原稿の片側端部がそのLED82(n-1)により照明され、この片側端部段差の影が生じることはない。
すなわち、LEDアレイ81と直交する傾斜中心ラインLkを原稿基準ラインLからずらしたことにより、原稿の片側端部段差の影が生じないような該原稿の配置範囲が広がる。
尚、このようにLEDアレイ81と直交する傾斜中心ラインLkを原稿基準ラインLからずらすという構成は、図9(a)等に示すようにプラテンガラス44の中央を原稿基準ラインLについても適用して、同様の効果を得ることができる。
図22は、第1走査ユニット45の照明装置51の第9変形例を上方向から見て示す平面図である。また、図23は、図22の照明装置51近傍を示す断面図である。
この第9変形例では、図3乃至図6の各LEDアレイ81とプラテンガラス44上側の主走査ラインB間にそれぞれの光拡散シート85を配置している。この光拡散シート85は、LEDアレイ81の各LED82からの光を適宜に拡散させて、プラテンガラス44上の主走査ラインBに対する照明ムラを減少させる。
また、光拡散シート85による光拡散の程度は、原稿基準ラインLに向くように傾斜した光軸Xを持つLEDの指向性を大きく損なわないように設定されている。このため、そのように傾斜した光軸Xを持つLEDの光が原稿の端部近傍の照射されることに変わりなく、原稿の端部段差の影が殆ど生じることはない。
図24は、第1走査ユニット45の照明装置51の第10変形例を上方向から見て示す平面図である。
この第10変形例では、原稿基準ラインLと重なる位置にあるLED82nの光軸Xを主走査ラインBに対して垂直の向きに設定している。また、原稿基準ラインLよりも左側の各LED82(n-1)、82(n-2)、 …の光軸Xを、LEDの発光面中心を通って主走査ラインと直交する線分に対して一定の傾斜角度α(LEDの発光面中心周りに主走査ラインBに沿って扇形に開く角度)で傾斜させ、同様に、原稿基準ラインLよりも右側の各LED82 (n+1)、82(n+2)、…の光軸Xを、LEDの発光面中心を通って主走査ラインと直交する線分に対して一定の傾斜角度αで傾斜させている。そして、各LED82(n-1)、82(n-2)、 …及び82 (n+1)、82(n+2)、…の傾斜角度αをLEDの放射角βの1/2以上に設定している。
図25に示すようにLED82の放射角βは、該LED82の光軸X上の最大光強度Sgに対して1/e2(eは自然対数の底)の光強度以上を維持する放射範囲の角度とする。
このような構成では、原稿基準ラインLよりも左側の各LED82(n-1)、82(n-2)、 …の光の全てが主走査ラインBと直交する垂線よりも原稿基準ラインL側に向いて照射されるので、原稿の端部段差に影が生じることはない。同様に、原稿基準ラインLよりも右側の各LED82 (n+1)、82(n+2)、…の光の全てが主走査ラインBと直交する垂線よりも原稿基準ラインL側に向いて照射されるので、原稿の端部段差に影が生じることはない。
ただし、LED82の放射角βが180°以上の場合は、LED82の光軸Xが主走査ラインBと平行になるか主走査ラインBとは逆方向に向いてしまって、LED82による照明の効率が低下するため、LED82の放射角βが180°未満であることが望ましく、LED82の放射角βがより狭いことが好ましい。
例えば、図26(a)に示すようにLED82の発光面を凸レンズ91で覆って、凸レンズ91により放射角βを狭した砲弾型素子を適用することが考えられえる。あるいは、図26(b)に示すようにLED81の発光面を凹面鏡92に向けて、凹面鏡92により放射角βを狭した素子を適用する。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態及び変形例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと解される。
例えば、第2読取り部43のLEDアレイ83の各LED84についても、本発明を適用して、同様の効果を達成することができる。
1 レーザ露光装置
2 現像装置
3 感光体ドラム
4 クリーナ装置
5 帯電器
8 中間転写ベルト装置
10 給紙トレイ
11 2次転写装置
12 定着装置
44 プラテンガラス
45、45A 第1走査ユニット
46 第2走査ユニット
47 結像レンズ
48 CCD(Charge Coupled Device)
51 照明装置
52 第1反射ミラー
53 第2反射ミラー
54 第3反射ミラー
65 原稿読取りガラス
76 基板
77 移動走査フレーム
78 ドライバ回路
81、83 LEDアレイ
82、84 LED
100 画像形成装置
101 画像読取り装置

Claims (12)

  1. 原稿を読取る方向の主走査方向と平行に列設された複数の発光素子を備え、これらの発光素子により原稿を照明する照明装置であって、
    前記原稿が前記主走査方向と直交する原稿基準ラインに沿って位置合わせされるものとすると、
    前記各発光素子の光軸が原稿基準ラインに向くように傾けられたことを特徴とする照明装置。
  2. 請求項1に記載の照明装置であって、
    前記各発光素子の間隔が不均一であることを特徴とする照明装置。
  3. 請求項1又は2に記載の照明装置であって、
    前記光軸が原稿基準ラインに向くように傾けられた発光素子は、前記原稿基準ラインから前記主走査方向に離間して配置されたことを特徴とする照明装置。
  4. 請求項3に記載の照明装置であって、
    前記光軸が原稿基準ラインに向くように傾けられた発光素子は、前記原稿基準ラインからの離間距離に応じて該光軸の傾きを設定されたことを特徴とする照明装置。
  5. 請求項4に記載の照明装置であって、
    前記光軸が原稿基準ラインに向くように傾けられた発光素子は、前記原稿基準ラインからの離間距離が長くなる程、前記原稿基準ラインに向けるために設定される前記発光素子の光軸の傾斜角度を大きくされたことを特徴とする照明装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1つに記載の照明装置であって、
    原稿の主走査方向と平行に列設された前記各発光素子の列を2列設け、一方の列の各発光素子の位置と他方の列の各発光素子の位置が前記主走査方向に互い違いにずらされたことを特徴とする照明装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1つに記載の照明装置であって、
    主走査方向と直交する傾斜中心ラインの両側に複数の発光素子を振分けて配置し、前記傾斜中心ラインの一方側に配置された発光素子の光軸を該傾斜中心ラインに向くように傾け、かつ前記傾斜中心ラインの他方側に配置された他の発光素子の光軸を該傾斜中心ラインに向くように傾けており、
    前記傾斜中心ラインと前記原稿基準ラインを主走査方向にずらしたことを特徴とする照明装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1つに記載の照明装置であって、
    前記各発光素子と前記原稿間に配置された光拡散部材を備えることを特徴とする照明装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1つに記載の照明装置であって、
    前記原稿基準ラインに向くように傾けられた発光素子の光軸が、該発光素子の発光面中心を通って主走査ラインと直交する線分に対して傾斜角度αで傾斜しているとすると、
    前記傾斜角度αは、前記発光素子の放射角βの1/2以上に設定されたことを特徴とする照明装置。
  10. 請求項9に記載の照明装置であって、
    前記光軸が原稿基準ラインに向くように傾けられた発光素子は、該発光素子の放射角を規定するレンズもしくは反射鏡を有することを特徴とする照明装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1つに記載の照明装置を備える画像読取り装置。
  12. 請求項11に記載の画像読取り装置を備える画像形成装置。
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