JP2011022320A - プラスチック光学素子及び光学ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】高い形状精度及び複屈折の小さいプラスチック光学素子を提供し、また該プラスチック光学素子を用いた性能の優れた光学ユニットを提供する。
【解決手段】金型により成形されてなり、1つ以上の光学面1と、非光学面2とから構成されるプラスチック光学素子10において、前記光学面1に隣接する非光学面2の該光学面1との境界部分の少なくとも一部に該非光学面2側に突出する凸形状部分13を有し、該凸形状部分13の非光学面2側の根元の少なくとも一部に前記金型からの不完全転写部であるひけ12を有する。
【選択図】図7

Description

本発明は、金型により成形されるプラスチック光学素子及びレーザ走査光学装置などの光学ユニットに関するものである。
レンズやプリズムなどの光学素子は光学面形状や内部の複屈折に関して高い精度が求められる為、従来はガラス製のものが主流であった。しかし近年、光学面設計形状の自由度や量産性に優れていることから、プラスチック製の光学素子が増加してきている。特にレーザプリンタなどに用いられるfθレンズにおいては、素子の箇所によって肉厚の異なる偏肉形状の光学素子が多く設計されている。
図1に、従来のプラスチック光学素子の一種であるfθレンズの構成例を示す。図1(a)はプラスチック光学素子の外観斜視図、図1(b)はその長手方向中央の断面図である。
プラスチック光学素子90は、長手方向の中央が厚肉となるように孤状に湾曲させた上下面である光学面1,1と、対向配置された平面状の側面である非光学面2,2と、を有する偏肉形状に作製されている。ここで、プラスチック光学素子90の断面である樹脂部分4において、光学面1,1は成形時に金型鏡面が転写されてなる部分である。
このようなプラスチック光学素子の成形においては、取出し時の応力変形、および内部の複屈折を低減するために、低圧の射出成形を行わなければならない。ただし、低圧射出成形においては、成形不具合の一つである、金型からの不完全転写領域(以下、“ひけ”とも表現する。)の発生が問題となる。ひけ発生のメカニズムとしては、図2に示すように、低圧射出成形過程において樹脂収縮により成形品体積がキャビティ体積以下になる時に、キャビティすなわち金型部材(以下、“入子”とも表現する。)5,6の継ぎ目からエア7を引き込み、樹脂部分4の光学面表面が金型部材6より剥離してこれが微小な不完全転写領域となる。
この低圧の成形における、ひけの問題を解決する為に、特許文献1では、通気口部と転写部に圧力差を発生させて、ひけを非光学面に誘導することで、光学面のひけ発生を防止する方法が提案されている。
ただし、この成形工法においては、ひけの誘導領域が制御しきれず、光学面にまでひけが広がってしまう不具合があった。例えば、図3に示すように、金型部材5に設けた通気口8から導入されたエア7が金型部材5と樹脂部分4との間を通って金型部材6と樹脂部分4の間に回りこみ、金型部材6から樹脂部分4の光学面表面を剥離させ不完全転写領域となっていた。
また、誘導したひけが非光学面に広がったとしても、素子の取り付け基準とする領域まで広がった場合、この光学素子を使用する光学ユニットへの位置決め精度が悪化し、光学ユニットの性能低下を引き起こしていた。さらに、光学素子の肉厚が場所によって異なる場合、場所ごとの樹脂冷却速度が異なり、その結果、樹脂圧力の低下速度が異なるため、ひけを誘導する際に、樹脂を剥離させるタイミングを場所ごと変化させねばならない困難さもあった。例えば、肉厚部を剥離させる為に樹脂圧力が低下したタイミングで剥離を行っても、既に薄肉部の樹脂は固化しており、ひけを誘導する効果が得られなかった。逆に、薄肉部の樹脂圧力が低下したタイミングで剥離を行っても、厚肉部ではまだ樹脂圧力が高く、同一圧力では剥離できずひけを誘導できない不具合が生じた。
また、特許文献2では、金型のキャビティを構成する入子の一部を成形中に摺動させて、非光学面の樹脂を剥離させる方法が提案されている。これは、上記の偏肉による場所ごとの樹脂圧力差については考慮されているが、ひけの誘導領域の制御性は特許文献1の場合と同様であり、やはり誘導したひけが、光学面及び取り付け基準領域まで広がってしまう不具合があった。例えば、図4に示すように、摺動金型入子である金型部材9を移動させて空隙9aを形成して、樹脂部分4の空隙9aに面する領域にひけを発生させるが、その領域からエア7が金型部材5と樹脂部分4との間を通って金型部材6と樹脂部分4の間に回りこみ、金型部材6から樹脂部分4の光学面表面を剥離させ不完全転写領域となっていた。
また、光学面にリブを有する成形品の場合には、低圧成形における別の不具合がある。例えば、図5に示すように、金型内樹脂の収縮過程において、リブ11周辺の金型(金型部材5,6)に接する面積が樹脂体積に対して大きくなる為、その部分の樹脂が冷却され、その結果、金型部材5,6の継ぎ目より、エア7を巻き込みリブ11に沿った光学面の周囲においてひけ92を発生してしまうことがあった。このひけ92が光学面の光学有効領域に達すると、光学特性に悪影響を及ぼす不具合があった。
なお、特許文献3では、このリブ周囲のひけを光学有効領域外に設けることで、光学有効領域の転写性を確保する方法が提案されているが、この場合も同様にひけの誘導領域が制御しきれず、非光学有効領域から光学有効領域にまでひけが広がってしまう不具合があった。例えば、図6に示すように、金型部材6に設けた通気口8から導入されたエア7が光学面のリブの根元の非光学有効領域に誘導され、ひけ92が形成されるが、エア7がさらに金型部材6と樹脂部分4との間を通ることによりひけ92が光学有効領域にまで広がり、金型部材6から樹脂部分4の光学面表面を剥離させ不完全転写領域となっていた。
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、光学面に不完全転写領域(ひけ)を発生させずに安定した低圧射出成形を行うことで、高い形状精度及び複屈折の小さいプラスチック光学素子を提供し、また該プラスチック光学素子を用いた性能の優れた光学ユニットを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために提供する本発明は、以下の通りである。
〔1〕 金型により成形されてなり、1つ以上の光学面(光学面1)と、非光学面(非光学面2)とから構成されるプラスチック光学素子において、前記光学面に隣接する非光学面の該光学面との境界部分の少なくとも一部に該非光学面側に突出する凸形状部分(凸形状部分13)を有し、該凸形状部分の非光学面側の根元の少なくとも一部に前記金型からの不完全転写部(ひけ12)を有することを特徴とするプラスチック光学素子(プラスチック光学素子10,10A,10B,10C,20,20A,30、図7,図12〜図16、図18)。
〔2〕 前記凸形状部分の根元の不完全転写部は、金型による樹脂成形時に凸形状部分となる部分の根元に気体を吹き付けて形成されてなることを特徴とする前記〔1〕に記載のプラスチック光学素子。
〔3〕 前記凸形状部分は、前記光学面に隣接する非光学面の該光学面との境界部分の全域に設けられてなることを特徴とする前記〔1〕に記載のプラスチック光学素子(プラスチック光学素子10A,10B,10C、図12,図13,図16)。
〔4〕 前記凸形状部分と前記非光学面との間に、該非光学面よりも広い面を有する駄肉部分(駄肉14)を備えることを特徴とする前記〔1〕に記載のプラスチック光学素子(プラスチック光学素子20,20A、図14,図15)。
〔5〕 前記凸形状部分の一部は、前記光学面を形成する金型部分により成形されてなることを特徴とする前記〔1〕に記載のプラスチック光学素子(図8)。
〔6〕 前記凸形状部分は、少なくとも1つの側面に抜き勾配を有することを特徴とする前記〔1〕に記載のプラスチック光学素子(図11)。
〔7〕 前記非光学面は、前記凸形状部分の根元の不完全転写部とは別に、前記金型からの不完全転写部を有することを特徴とする前記〔1〕に記載のプラスチック光学素子(プラスチック光学素子10C、図16)。
〔8〕 前記〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載のプラスチック光学素子を備えることを特徴とする光学ユニット(光学ユニット40、図19)。
〔9〕 前記凸形状部分を当該光学ユニットに前記プラスチック光学素子を位置決めして組み込むための基準として用いることを特徴とする前記〔8〕に記載の光学ユニット(図20〜図22)。
本発明のプラスチック光学素子によれば、凸形状部分の非光学面側の根元に不完全転写部(ひけ)を設けることにより、隣接する光学面にひけが発生することを防止することができ、形状精度が高く複屈折率の小さいプラスチック光学素子を提供することができる。
また、本発明の光学ユニットによれば、本発明のプラスチック光学素子を用いるので、光学特性に優れ、レーザ走査光学装置に用いた場合には従来にない高画質の画像を得ることができる。
従来のプラスチック光学素子の構成例を示す概略図である。 図1のプラスチック光学素子の金型成形時の状態を示す断面図である。 従来のひけ誘導成形時の状態(1)を示す断面図である。 従来のひけ誘導成形時の状態(2)を示す断面図である。 従来のひけ誘導成形時の状態(3)を示す断面図である。 従来のひけ誘導成形時の状態(4)を示す断面図である。 本発明に係るプラスチック光学素子の構成例(1)を示す概略図である。 図7のプラスチック光学素子の金型成形時の状態(1)を示す断面図である。 図7のプラスチック光学素子の金型成形時の状態(2)を示す断面図である。 凸形状部分に抜き勾配がないプラスチック光学素子の金型成形時の状態を示す断面図である。 本発明に係るプラスチック光学素子における凸形状部分の抜き勾配の例を示す断面図である。 本発明に係るプラスチック光学素子の構成例(2)を示す概略図である。 本発明に係るプラスチック光学素子の構成例(3)を示す概略図である。 本発明に係るプラスチック光学素子の構成例(4)を示す概略図である。 本発明に係るプラスチック光学素子の構成例(5)を示す概略図である。 本発明に係るプラスチック光学素子の構成例(6)を示す概略図である。 プラスチック光学素子のひけ誘導成形時に誘導したひけが深くなった状態を示す断面図である。 本発明に係るプラスチック光学素子の構成例(7)を示す概略図である。 本発明に係る光学ユニットの構成例を示す概略図である。 本発明に係る光学ユニットへの本発明のプラスチック光学素子の取り付け例(1)を示す概略図である。 本発明に係る光学ユニットへの本発明のプラスチック光学素子の取り付け例(2)を示す概略図である。 本発明に係る光学ユニットへの本発明のプラスチック光学素子の取り付け例(3)を示す概略図である。
本発明に係るプラスチック光学素子は、金型により成形されてなり、1つ以上の光学面と、非光学面とから構成されるプラスチック光学素子において、前記光学面に隣接する非光学面の該光学面との境界部分に1つ以上の凸形状部分を有し、該凸形状部分が設けられた非光学面の少なくとも一部に前記金型からの不完全転写部を有するものであり、とくに前記光学面に隣接する非光学面の該光学面との境界部分の少なくとも一部に該非光学面側に突出する凸形状部分を有し、該凸形状部分の非光学面側の根元の少なくとも一部に前記金型からの不完全転写部を有することを特徴とするものである。
以下に、本発明に係るプラスチック光学素子の実施の形態について図面を参照して説明する。
なお、以下の実施の形態において、透明性が要求される光学素子を成形するために使用される樹脂として、軟化温度がそのガラス転移温度である非晶性樹脂、例えばポリメタアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式アクリル樹脂、環状ポリオレフィンコポリマー(例、日本ゼオン(株)、商品名:ゼオネックス)等が挙げられる。
図7は、本発明に係るプラスチック光学素子の第1実施形態における構成を示す斜視図である。
プラスチック光学素子10は、偏肉形状のfθレンズであって、長手方向の中央が厚肉となるように孤状に湾曲させた上下面である光学面1,1と、該光学面1,1に隣接するとともに対向配置された平面状の側面である非光学面2,2と、を有する。このプラスチック光学素子10をレーザプリンタ等に組み込まれて使用される場合には、光学面1,1の下面から上面に向かってレーザ光が透過するようになる。
ここで、光学面1,1は、プラスチック光学素子10成形時に金型の鏡面が転写されてなる光学鏡面である。
また、非光学面2,2はそれぞれ、光学面1,1との境界部分のうち、長手方向中央領域の厚肉部分であって成形時に収縮量が大きくなる部分に、非光学面2,2側に突出する凸形状部分13を有している。また、凸形状部分13は、非光学面2から突出するように光学面1を延長させた側面を有する。さらに、凸形状部分13が設けられた非光学面2,2それぞれの少なくとも一部、ここでは凸形状部分13の根元には、金型からの不完全転写部(ひけ)12を有している。
図8に、プラスチック光学素子10の成形時の金型内における断面構成を示す。ここでは、図8(a)は図7の断面3に対応する断面図であり、図8(b)は図8(a)の左上部分の拡大図である。
プラスチック光学素子10を製造するための射出成形用金型は、プラスチック光学素子10の光学面1,1を転写形成する転写面を備えた一対の金型部材6,6と、非光学面2,2を転写形成する転写面を有し金型部材6,6の両側面側に位置する一対の金型部材5,5と、を備え、各転写面間で形成される空間によってキャビディが形成されている。
また、該キャビティにおいて、図中上側の左右2箇所、下側の左右2箇所の計4箇所に凸形状部分13となる空間が設けられており、該凸形状部分13となる空間は、一部が光学面1を形成する金型部材6で構成され、残りが非光学面2を形成する金型部材5で構成されている。
また、金型部材5は、4つの凸形状部分13それぞれの根元となる部分まで通じるエアスリットである通気口8を有する。
プラスチック光学素子10の成形はつぎのように行われる。
まず、図8に示した構成の射出成形用金型を射出成形機にセットし、該金型を使用樹脂の溶融温度未満の温度に加熱して保持する。つぎに、射出成形機から軟化温度以上に加熱され溶融した樹脂部分4をキャビティ内に射出して充填する。このとき、樹脂部分4は射出圧力により、金型部材6の転写面に密着するとともに凸形状部分となる空間まで充填される。
つぎに、キャビティ内に導入された樹脂部分4を軟化温度以下に冷却し、固化させる。同時に、金型部材5に形成されている通気口8から所定圧力の気体として圧縮空気であるエア7を送り込み、凸形状部分13の非光学面2側の根元で金型部材5から樹脂部分4を剥離させ不完全転写部分であるひけ12を形成する(図8(b))。
ついで、固化したプラスチック光学素子10を射出成形用金型から取り出し、室温にて放冷する。
光学面1側面である非光学面2に凸形状部分13を設ける金型構成とすると、金型内樹脂収縮過程において、凸形状部分13は金型に接する面積が樹脂体積に対して大きくなる為、樹脂冷却が促進され、キャビティ内において優先的に収縮を始める。例えば、この凸形状部分13が収縮を始めるタイミングで、凸形状部分13の根元にエアを吹き付けて、強制的に金型壁面から剥離させることでこの箇所に金型からの不完全転写部(ひけ)12を誘導する。すると、ひけ12は収縮速度の速い凸形状部分13に沿った形で成長する。またさらに、ひけ12が広がるとしても、段差が無く広がりやすい非光学面2の方向に広がる為、光学面1にひけが広がることは無く、結果的に高いひけ誘導領域の制御性が得られる。また、樹脂の収縮に伴い、金型入子継ぎ目からのエアを巻き込もうとするのを、前記凸形状部分13に沿った、剥離された面が自由に動くことで補い、従来リブに沿って光学面に発生してしまっていたひけ、及び金型入子継ぎ目からエアを引き込んで発生するひけを抑えることができる。
これにより、低圧の射出成形が可能となり、成形残留応力の低下により、取り出し後の形状変形が抑えられることで、光学面1が高い形状精度のプラスチック光学素子10を得ることができる。また、内部応力を低くすることで、複屈折発生を抑制した成形品を得ることができる。なお、本発明の効果は、ひけを凸形状部分13に隣接した非光学面2に設けることであり、ひけ発生方法の如何には関係しない。
なお、凸形状部分13の一部は、光学面1を形成する金型部分(金型部材6)により成形されてなることが好ましい。これはつぎのような理由による。すなわち、例えば図9に示すように、凸形状部分13がすべて非光学面2を形成する金型部材5により成形される射出成形用金型の構成とすると、金型部材5,6の継ぎ目(入子継ぎ目)が凸形状部分13の根元であって光学面1の近くに位置するようになり、図2に示したような入子継ぎ目からエアを引き込むことに起因する微小な不完全転写領域が発生しやすくなる。これに対して、本発明では、凸形状部分13の一部が金型部材6で成形されるようにしているため、入子継ぎ目を光学面1から遠ざけることができ、前記微小な不完全転写領域の発生を抑制することができる。とくに、図8に示すように、凸形状部分13の先端まで金型部材6で形成されるようにすることにより、入子継ぎ目を凸形状部分13の先端に位置させることで、光学面1から遠ざけるとともに非光学面2側に近づけることになり、入子継ぎ目からエアを引き込むことによる微小な不完全転写領域(図2)及びリブの収縮によりエアを引き込むことによるひけ(図5)を効果的に抑制することができる。
また、凸形状部分13の少なくとも1つの側面について、断面形状として凸形状部分13の根元が太く、先端に行くほど細くなるような抜き勾配を設けることが好ましい。これはつぎのような理由による。すなわち、例えば図10に示すように、凸形状部分13の側面について抜き勾配を設けず、断面形状として凸形状部分13の太さが同じとなるような金型構成とした場合、前述したような本発明のひけ誘導効果は得られるが、成形中に凸形状部分13の側面は樹脂の収縮に伴い、非光学面転写用の金型部材5に食いつくようになる(図10(a))。すると、この状態で成形品取り出し時(型開き時)に非光学面転写用の金型部材5を図中矢印方向に抜くと、金型に食いついた凸形状部分13の側面を摺動抵抗をもって擦りながら動作するため(図10(b))、凸形状部分13には金型部材5移動方向に引張る応力が作用する。そのため、この応力の作用により凸形状部分13を中心に成形品を変形させてしまい(成形品とられ変形と称する)、光学面1の形状精度を劣化させてしまう結果となってしまった。これに対して、本発明では、金型部材(例えば金型部材5)を抜く際に、凸形状部分13の摺動抵抗が作用する側面部分に勾配(抜き勾配)を設けることにより、金型部材引抜時の摺動抵抗に起因する応力を軽減させ、前記樹脂の食いつきによる成形品とられ変形を防止することができ、高い形状精度の光学面及び外形の成形品を得ることが可能となる。
なお、凸形状部分13の抜き勾配を付与した断面形状としては、例えば側面を斜面とし先端部分を平坦面とした台形形状(図11(a))や、側面を斜面とし鋭角な先端部分とした三角形状(図11(b))や、側面を円弧形状としたもの(図11(c))などが挙げられ、いずれも同一の効果が得られる。
つぎに、図12に、本発明に係るプラスチック光学素子の第2実施形態における構成を示す。図12(a)は本発明に係るプラスチック光学素子の斜視図であり、図12(b)は図12(a)の断面3に対応するプラスチック光学素子10Aの成形時の金型内における断面図である。
図12(a)に示すように、プラスチック光学素子10Aにおいて、非光学面2,2はそれぞれ、光学面1,1との境界部分の長さ方向の全域に、非光学面2,2側に突出する凸形状部分13を有している。さらに、非光学面2,2それぞれの凸形状部分13の根元には、金型からの不完全転写部(ひけ)12を有している。それ以外の部分は、図7に示すプラスチック光学素子10と同じである。
また、図12(b)に示す断面構成は、図8(a)と同じであり、第1実施形態と同様の形成方法によりプラスチック光学素子10Aを形成する。したがって、第1実施形態のプラスチック光学素子10と同様の効果が得られ、光学面1の形状・複屈折ともに高精度な成形品であるプラスチック光学素子10Aを得ることが可能である。なお、金型の入子継ぎ目(金型部材5,6の継ぎ目)全域にわたって、光学面1と非光学面2の境界部分に該非光学面2から突出するように光学面1を延長させた側面を有する凸形状部分13を設けることで、入子継ぎ目からのエア巻き込みを全域でもれなく吸収できるので、低圧成形においても第1実施形態の場合(図8)より効果的に微小な不完全転写領域の発生を防止することができる。
また、凸形状部分13の少なくとも1つの側面には、第1実施形態と同様に、抜き勾配を設けるが、このときにプラスチック光学素子10Aの長手方向において、厚肉部分・薄肉部分共に凸形状部分13の大きさを等しくしておけば、凸形状部分13の収縮速度は場所に寄らず一定となる為、プラスチック光学素子10Aの場所による肉厚の変化によらず一定のタイミングで安定したひけ誘導を行うことができる。これにより、低圧の射出成形においても光学面1にひけが発生するのを防止できるため、成形残留応力の低下による、取り出し時の形状変形及び内部応力による複屈折発生を抑制することができ、光学面の形状・複屈折ともに高精度な成形品を得ることができる。
つぎに、図13に、本発明に係るプラスチック光学素子の第3実施形態における構成を示す。図13(a)は本発明に係るプラスチック光学素子の斜視図であり、図13(b)は図13(a)の断面3に対応するプラスチック光学素子10Bの成形時の金型内における断面図、図13(c)は図13(b)の左上部分の拡大図である。
図13(a)に示すように、プラスチック光学素子10Bにおいて、非光学面2,2はそれぞれ、光学面1,1との境界部分の長さ方向の全域に、非光学面2,2側に突出するとともに、その先端が光学面1側に突出するように断面が略L字型の形状を呈する凸形状部分13を有している。それ以外の部分は、図12に示すプラスチック光学素子10Aと同じである。このように凸形状部分13の先端を光学面1側に突出するリブ11とすることにより、光学面1の保護が可能となっている。
また、図13(b),(c)に示す断面構成は、凸形状部分13先端のリブ11を除いて、図8(a),(b)及び図12(b)と同じであり、第1実施形態と同様の形成方法によりプラスチック光学素子10Bを形成する。これにより、第2実施形態のプラスチック光学素子10Aと同様の効果が得られ、光学面1の形状・複屈折ともに高精度な成形品であるプラスチック光学素子10Bを得ることが可能である。
なお、成形中に、凸形状部分13の非光学面2側の根元にエア7の圧力を用いて優先的にひけ12を形成することにより、図5のように従来リブを有することで、光学面側に発生してしまっていたひけを吸収することが可能となり、低圧の射出成形においても光学面1にひけが広がることを防止することができる。
つぎに、図14に、本発明に係るプラスチック光学素子の第4実施形態における構成を示す。図14(a)は本発明に係るプラスチック光学素子の斜視図であり、図14(c)は図14(b)の断面3に対応するプラスチック光学素子20の成形時の金型内における断面図である。
図14(a)に示すように、光学機能部分(レンズ部分)が薄肉で、凸形状部分13を非光学面2に設けるのが困難な場合、光学機能部分のいずれかの非光学面(図14では光学機能部分の長手方向両端の非光学面2)に該非光学面2の面積より広い面を有する駄肉14を設けた上で、該駄肉14に光学面1表面の延長線上に一側面が位置するように凸形状部分13を設けるとよい。すなわち、駄肉14を介して凸形状部分13を設けることとなるが、非光学面2側の凸形状部分13の根元が光学面1に隣接するようにすることで、第1実施形態のものと同等の構成となる。なお、図14の場合、製品の形状により金型部材が複雑化して継ぎ目の多くなる成形品長手方向の端部に凸形状部分13を設けている。
この実施形態においても、図14(c)に示すように、第1実施形態と同様の形成方法によりプラスチック光学素子20を形成する。このとき、成形中に凸形状部分13の非光学面2側の根元を通気口8から導入されるエア7の圧力を用いて優先的に剥離させてひけ12を誘導することにより、第1実施形態のプラスチック光学素子10と同様の効果が得られ、低圧成形においても、入子継ぎ目からのエア巻き込みを誘導したひけが吸収され、成形残留応力の低下による、取り出し時の形状変形及び内部応力による複屈折発生を抑制することができ、光学面の形状・複屈折ともに高精度な成形品を得ることができる。
つぎに、図15に、本発明に係るプラスチック光学素子の第5実施形態における構成を示す。図15(a)は本発明に係るプラスチック光学素子の斜視図であり、図15(c)は図15(b)の断面3に対応するプラスチック光学素子20Aの成形時の金型内における断面図である。
図15(a)に示すように、プラスチック光学素子20Aにおいて、光学機能部分の短手方向端部の非光学面2,2に光学面1側に突出するリブ11を設けている。それ以外の部分は、図14に示すプラスチック光学素子20と同じである。光学面1側に突出するリブ11及び駄肉14により、光学面1の保護が可能となっている。
また、図15(c)に示す断面構成は、図14(c)と同じであり、第1実施形態と同様の形成方法によりプラスチック光学素子20Aを形成する。これにより、第4実施形態のプラスチック光学素子20と同様の効果が得られ、光学面1の形状・複屈折ともに高精度な成形品であるプラスチック光学素子20Aを得ることが可能である。
つぎに、図16に、本発明に係るプラスチック光学素子の第6実施形態における構成を示す。図16(a)は本発明に係るプラスチック光学素子の斜視図であり、図16(b)は図16(a)の断面3に対応するプラスチック光学素子10Cの成形時の金型内における断面図である。
図16(a)に示すように、プラスチック光学素子10Cにおいて、非光学面2,2のいずれか一方の非光学面2は、ひけ12とは別に、光学面1,1の孤状に湾曲させた領域に対応する領域において金型からの不完全転写部(ひけ)12’を有している。それ以外の部分は、図12に示すプラスチック光学素子10Aと同じである。
また、図16(b)に示す断面構成においても、第1実施形態と同様の形成方法によりプラスチック光学素子10Cを形成するが、一方の非光学面2に対応する金型部材9を一方向(図16(b)では右方向)に移動させて空隙9aを形成して、樹脂部分4の空隙9aに面する領域にひけ12’を発生させる。それ以外は、図8(a),図12(b)の断面構成と同じである。
成形圧力を低く設定するほど、樹脂の充填量が小さくなる為、誘導するひけ体積が増える。この時、第1,2実施形態のように凸形状部分13によるひけ誘導のみの場合、図17に示すように、誘導したひけ12は光学面側に向けて深くなってしまう。ひけ12の深さが深くなりすぎると、プラスチック光学素子の光学有効範囲にまでひけが達してしまい、光学特性として不具合を生じる。そのため、この凸形状部分13によるひけ誘導においては、成形圧力の下限が存在することになる。
そこで、本実施形態では、非光学面2のひけ12とは別の領域にさらにひけ12’を誘導することにより、ひけ誘導面積が広くなり、低圧で成形してひけ体積が大きくなった場合にも、凸形状部分13の根元とは別の領域でひけ12’を誘導することで、成形品のひけ誘導領域総面積が大きくなり、浅く広くひけを吸収することができる。この結果、図17のような局所的に深いひけにはなりにくい。このように凸形状部分13のみのひけ誘導成形よりも、成形圧力の下限がより広がるため、さらに形状精度が高く、複屈折の低い成形品の提供が可能となる。
また、従来のひけ誘導工法において問題となっていた誘導したひけの光学面1への広がりにおいても、本発明の凸形状部分13の根元に誘導されたひけ領域が障壁となり、ひけ12’が光学面1にまで広がるのを防止することができる。
以上のように、第2実施形態のプラスチック光学素子10Aと同様の効果に加えて、従来のヒケ誘導効果も合わせることにより、より高い光学面ひけ発生防止効果を得ることができる。また、金型の入子継ぎ目(金型部材5,6の継ぎ目)全域にわたって、光学面1と非光学面2の境界部分に該非光学面2から突出するように光学面1を延長させた側面を有する凸形状部分13を設けることで、より効果的に入子継ぎ目からのエア巻き込みによる微小な不完全転写領域の発生を防止することができる。これにより、第2実施形態の場合よりも更に低圧で成形しても、光学面1にひけは発生せず、より複屈折が低く形状精度の優れた成形品であるプラスチック光学素子10Cを得ることが可能である。
つぎに、図18に、本発明に係るプラスチック光学素子の第7実施形態における構成を示す。図18(a)は本発明に係るプラスチック光学素子の斜視図であり、図18(b)は図18(a)のプラスチック光学素子30の成形時の金型内における断面図である。
図18(a)に示すように、プラスチック光学素子30は、上面が凸状の円形の光学面1と、下面が凹状の円形の光学面1と、側面が円形の光学面1,1の外周に沿った筒状の非光学面2と、からなる円レンズであり、カメラレンズなどに使用される。本発明は光学素子の形状によらず有効であり、前述したfθレンズのみならず、このような円レンズにも適用可能である。
ここで、非光学面2は、光学面1,1との境界に当たる円周部分それぞれに、非光学面2側に突出する凸形状部分13を有している。また、凸形状部分13は、非光学面2から突出するように光学面1を延長させた側面を有する。さらに、凸形状部分13の非光学面2側の根元には、金型からの不完全転写部(ひけ)12を有している。
この実施形態においても、図18(b)に示すように、第1実施形態と同様の形成方法によりプラスチック光学素子30を形成する。このとき、成形中に凸形状部分13の非光学面2側の根元を通気口8から導入されるエア7の圧力を用いて優先的に剥離させてひけ12を誘導することにより、第1実施形態のプラスチック光学素子10と同様の効果が得られ、低圧成形においても、入子継ぎ目からのエア巻き込みを誘導したひけが吸収され、成形残留応力の低下による、取り出し時の形状変形及び内部応力による複屈折発生を抑制することができ、光学面の形状・複屈折ともに高精度な成形品であるプラスチック光学素子30を得ることができる。
つぎに、本発明に係る光学ユニットについて説明する。
図19は、レーザプリンタやデジタル複写機に搭載される光学ユニット40の概略図である。この光学ユニット40は光源としての半導体レーザ41、該半導体レーザ41からの光を所定角度範囲で等角速度的に偏向する偏向面を有する変更手段としての回転多面鏡42、回転多面鏡42にて偏向された光を等速度的な光に変換する光学系としてのレーザ走査光学系43、及び該レーザ走査光学系43からの光の方向を変更する折り返しミラー44等を備えている。
ここで、レーザ走査光学系43には走査レンズとして本発明のプラスチック光学素子10,20が使用されている。あるいは、プラスチック光学素子10A〜10C,20Aを用いてもよい。また、必要に応じてプラスチック光学素子30を用いてもよい。
光学ユニット40の動作を以下に示す。
半導体レーザ41から出射された光は、回転多面鏡42の偏向面近傍に一旦結像される。回転多面鏡42は一定の角速度で図中の矢印C方向に回転しており、偏向面近傍に結像された光は回転多面鏡42の回転に伴って等角速度的に偏向される。
偏向された光は、プラスチック光学素子10,20を順次透過することで等速度的な光に変換され、折り返しミラー44で反射されて走査対象である感光体45表面を走査する。例えば光学ユニット40がデジタル複写機に使用された場合には、半導体レーザ41の光は、複写画像に対応する画像情報によって、その光強度が変調されており、この光が感光体45表面に結像することによって、感光体表面に複写画像の静電潜像が形成される。
光学ユニット40がこのような構成であることから、プラスチック光学素子10,20や走査ミラー等で構成されるレーザ走査光学系43の精度、例えば光学面の形状精度、光学素子の配置精度等が、複写画像品質に大きな影響を与えることになる。従って、本発明に係る光学ユニットを用いたレーザプリンタやデジタル複写機では、前述した本発明のプラスチック光学素子10,20(あるいは10A〜10C,20A,30)を使用していることから、光学ユニットに固定された実使用状態において、設計形状との形状誤差が小さく、複屈折も小さいため、設計時の光学的機能を有しており、その結果として正確な走査が可能となり、高画質の画像を形成することができる。特に、カラーレーザプリンタやカラーデジタル複写機に適用した場合に、色ずれの少ない高画質のカラー画像を形成することができる。
このように、本発明のプラスチック光学素子を走査レンズとして使用することで、焦点位置ずれが少なく、光学特性に優れ、従来にない高画質を達成できるレーザ走査光学装置を製造することができる。
図20に、光学ユニット40に図13に示したプラスチック光学素子10Bを組み込んだ構成を示す。
プラスチック光学素子10Bの凸形状部分13は根元に形成したひけ12のひけ誘導の効果により、光学面1と同様に高い成形転写性が得られており、形状精度が優れている。ここでは、この特長を利用して、凸形状部分13の一部を光学ユニット40に該プラスチック光学素子10Bを位置決めして組み込むための取り付け基準としている。すなわち、凸形状部分13の非光学面2側に突出した面を取り付け基準として光学ユニットの底板16上に設けた3つのベース部材19に当接するようにしてプラスチック光学素子10Bが長手方向の3点で支持されるようにすることにより、高さ方向(Z方向)の位置決めを行っている。また、凸形状部分13の光学面1側に突出した先端部分を取り付け基準として光学ユニットの底板16上に立設した2つの棒状部材18に当接するようにしてプラスチック光学素子10Bが長手方向両端の2点で支持されるようにすることにより、底板16の板面方向の一方向(Y方向)の位置決めを行っている。また、一方の凸形状部分13の長手方向端部を取り付け基準として光学ユニットの底板16上に設けた1つのベース部材17の側面に当接するようにしてプラスチック光学素子10Bが長手方向の1点で支持されるようにすることにより、底板16の板面方向でY方向に直交する方向(X方向)の位置決めを行っている。このように、凸形状部分13の一部をX方向・Y方向・Z方向それぞれの取り付け基準としているため、本発明のプラスチック光学素子の高精度な位置決めが可能となり、結果として高品質の光学ユニットを提供することができる。
なお、本発明の光学ユニットでは凸形状部分13の一部を適宜使用することであって、凸形状部分13の種類、形状の如何によらない。
図21に、光学ユニット40に図15に示したプラスチック光学素子20Aを組み込んだ構成を示す。
プラスチック光学素子20Aの凸形状部分13は、プラスチック光学素子10,10A〜10C,20と同様、根元に形成したひけ12のひけ誘導の効果により、光学面1と同様に高い成形転写性が得られており、形状精度が優れている。また、ひけ12を誘導した部分である駄肉14も、光学面1・凸形状部分13と同様にひけ誘導の効果で高い転写性が得られている。さらに、駄肉14と連設された非光学面2も同様にひけ誘導の効果で高い転写性が得られている。ここでは、駄肉14におけるプラスチック光学素子20Aの短手方向の端面14a及び端面14a近傍の非光学面2の領域(図21(a))を、取り付け基準面として光学ユニットの底板16上に設けた2つのベース部材19に当接するようにしてプラスチック光学素子20Aが長手方向の2点で支持されるようにすることにより、高さ方向(Z方向)の位置決めを行っている(図21(b),(c)。また、凸形状部分13の一方の光学面1側の面を取り付け基準として光学ユニットの底板16上に立設した2つの棒状部材18に当接するようにしてプラスチック光学素子20Aが長手方向両端の2点で支持されるようにすることにより、底板16の板面方向の一方向(Y方向)の位置決めを行っている。また、一方の凸形状部分13の長手方向端部を取り付け基準として光学ユニットの底板16上に設けた1つのベース部材17の側面に当接するようにしてプラスチック光学素子20Aが長手方向の1点で支持されるようにすることにより、底板16の板面方向でY方向に直交する方向(X方向)の位置決めを行っている。このように、凸形状部分13、駄肉14及び非光学面2それぞれの一部をX方向・Y方向・Z方向それぞれの取り付け基準としているため、本発明のプラスチック光学素子の高精度な位置決めが可能となり、結果として高品質の光学ユニットを提供することができる。
図22に、光学ユニット40に図18に示したプラスチック光学素子30を組み込んだ構成を示す。
プラスチック光学素子30の凸形状部分13は、プラスチック光学素子10,10A〜10C,20,20Aと同様、根元に形成したひけ12のひけ誘導の効果により、光学面1と同様に高い成形転写性が得られており、形状精度が優れている。ここでは、この特長を利用して、凸形状部分13の一部を光学ユニット40に該プラスチック光学素子30を位置決めして組み込むための取り付け基準としている。すなわち、凸形状部分13の非光学面2側に突出した面を取り付け基準として光学ユニットの底板16に当接するようにしてプラスチック光学素子30が2点で支持されるようにすることにより、高さ方向(Z方向)の位置決めを行っている。また、凸形状部分13の光学面1側の側面13aを取り付け基準として光学ユニットの底板16上とベース部材17上それぞれに設けた2つの板状部材18の端面に当接するようにしてプラスチック光学素子30が円形状の側面13aの円周上の2点で支持されるようにすることにより、底板16の板面方向の一方向(Y方向)の位置決めを行っている。また、2つの凸形状部分13の突出方向端部を取り付け基準として光学ユニットの底板16上に直立して設けた1つのベース部材17の側面に当接するようにしてプラスチック光学素子30が2点で支持されるようにすることにより、底板16の板面方向でY方向に直交する方向(X方向)の位置決めを行っている。このように、凸形状部分13の一部をX方向・Y方向・Z方向それぞれの取り付け基準としているため、本発明のプラスチック光学素子の高精度な位置決めが可能となり、結果として高品質の光学ユニットを提供することができる。
なお、これまで本発明を図面に示した実施形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
1 光学面
2 非光学面
3 断面
4 樹脂部分(成形品断面部分)
5 非光学面転写用金型部材(金型入子)
6 光学面転写用金型部材(金型入子)
7 エア(圧縮空気)
8 通気口(エアスリット)
9 摺動金型部材(金型入子)
9a 空隙
10,10A,10B,10C,20,20A,30,90 プラスチック光学素子
11 リブ
12,12’,92 ひけ(不完全転写部)
13 凸形状部分
13a 側面
14 駄肉
14a 端面
16 底板
17 X方向位置決め基準
18 Y方向位置決め基準
19 Z方向位置決め基準
40 光学ユニット
41 半導体レーザ
42 回転多面鏡
43 レーザ走査光学系
44 折返しミラー
45 感光体
特開平6−304973号公報 特開平11−28745号公報 特開2006−133709号公報

Claims (9)

  1. 金型により成形されてなり、1つ以上の光学面と、非光学面とから構成されるプラスチック光学素子において、
    前記光学面に隣接する非光学面の該光学面との境界部分の少なくとも一部に該非光学面側に突出する凸形状部分を有し、
    該凸形状部分の非光学面側の根元の少なくとも一部に前記金型からの不完全転写部を有することを特徴とするプラスチック光学素子。
  2. 前記凸形状部分の根元の不完全転写部は、金型による樹脂成形時に凸形状部分となる部分の根元に気体を吹き付けて形成されてなることを特徴とする請求項1に記載のプラスチック光学素子。
  3. 前記凸形状部分は、前記光学面に隣接する非光学面の該光学面との境界部分の全域に設けられてなることを特徴とする請求項1に記載のプラスチック光学素子。
  4. 前記凸形状部分と前記非光学面との間に、該非光学面よりも広い面を有する駄肉部分を備えることを特徴とする請求項1に記載のプラスチック光学素子。
  5. 前記凸形状部分の一部は、前記光学面を形成する金型部分により成形されてなることを特徴とする請求項1に記載のプラスチック光学素子。
  6. 前記凸形状部分は、少なくとも1つの側面に抜き勾配を有することを特徴とする請求項1に記載のプラスチック光学素子。
  7. 前記非光学面は、前記凸形状部分の根元の不完全転写部とは別に、前記金型からの不完全転写部を有することを特徴とする請求項1に記載のプラスチック光学素子。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のプラスチック光学素子を備えることを特徴とする光学ユニット。
  9. 前記凸形状部分を当該光学ユニットに前記プラスチック光学素子を位置決めして組み込むための基準として用いることを特徴とする請求項8に記載の光学ユニット。
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