JP2006284993A - プラスチック光学部品及びプラスチック光学部品の成形方法 - Google Patents

プラスチック光学部品及びプラスチック光学部品の成形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複屈折、GI(屈折率分布)等を低減させることができ、光学面の面精度の向上及び成形サイクルの短縮により低コスト化を図ることが可能となるプラスチック光学部品及びプラスチック光学部品の成形方法を提供する。
【解決手段】射出成形または射出圧縮成形によって製作されたプラスチック光学部品であって、前記プラスチック光学部品は、該光学部品の長手方向と直交する断面形状において、一方の対向面に光学面16,17を、他方の対向面に非光学面18,19を備え、前記光学面と非光学面とが接する角部に、該角部の変位を拘束する拘束部、例えば前記光学面と隣接する前記非光学面における光学面近傍に凹部または凸部(12,13,14,15)が形成された構成とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、プラスチック光学部品及びプラスチック光学部品の成形方法に関し、例えばカメラ、ファクシミリ、レーザービームプリンタ、複写機、携帯電話などの光学式画像記録装置の光学系に用いられる透過型レンズ、内部反射を利用したプリズム、反射系光学部品、等のプラスチック光学部品及びプラスチック光学部品の成形方法に関するものである。
従来、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を所定形状に形成された金型内に充填した後、冷却または加熱することにより成形されたプラスチック光学部品は、例えばカメラ、VTRカメラ、レーザービームプリンタ、複写機、ファクシミリ、液晶プロジェクター、CDピックアップなどの光学系部品に広く利用されてきた。
このようなプラスチック光学部品には、画像を高精度に保つために光学面の形状精度はサブミクロンの精度が要求されると同時に、複屈折、GI(屈折率分布)などを低く抑えて内部の均一性を向上させること、あるいは低コスト化を図ること、等が要求されてきた。
このようなことから、従来においては、プラスチック光学部品の作成に際し、熱可塑性樹脂による射出成形を用いることにより、形状精度の向上、あるいは低コスト化への対応等が図られてきた。
例えば、特許文献1のように、樹脂を金型内に射出充填する前に金型自体の温度をその樹脂のガラス転移点温度以上に加熱し、徐々に金型温度を低下させることで光学部品全体の温度差を最小にすることで、成形時の収縮量を減少させるとともに、光学部品内部に発生する温度差に起因する収縮歪み、即ち、残留応力の発生を低減する手法が採られてきた。
また、特許文献2のように、一度ガラス転移点以下に冷却された光学部品を金型内に保持したままガラス転移点以上に再加熱することで、限られた空間内で比容積の増大により膨張することで発生する圧力と加熱により一度凍結された内部歪みが解除され、光学的に均一な光学部品を製作するという方法が採られてきた。
特許第2537231号公報 特許第2799239号公報
しかしながら、従来の手法では、プラスチック光学部品に対する形状精度、あるいは複屈折、GI(屈折率分布)の低減などに対して一段と厳しくなってきている近年における要求に応えることが困難である。
例えば、従来の手法によって作成された光学素子については、図29にその断面のGI(屈折率分布)をマハテェンダー干渉計で観察した様子が示されているように、表面部近傍にGI(屈折率分布)の高い部分が鮮明に認められ、このような高いGI(屈折率分布)のものでは近年における厳しい要求に応えることは困難である。
また、上記特許文献1、2等の従来例では、光学部品を成形する1サイクルの中で熱容量の大きい金型を加熱し、さらに光学部品内の温度分布を抑えながら冷却する必要があるので、成形時間が長時間化する傾向にあり、製作コストが高くなり、近年の低コスト化の要求に答えることは困難である。
本発明は、上記課題に鑑みて、複屈折、GI(屈折率分布)等を低減させることができ、光学面の面精度の向上及び成形サイクルの短縮により低コスト化を図ることが可能となるプラスチック光学部品及びプラスチック光学部品の成形方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、以下のように構成したプラスチック光学部品及びプラスチック光学部品の成形方法を提供するものである。
すなわち、本発明のラスチック光学部品は、射出成形または射出圧縮成形によって製作されたプラスチック光学部品であって、
前記プラスチック光学部品は、該光学部品の長手方向と直交する断面形状において、一方の対向面に光学面を、他方の対向面に非光学面を備え、
前記光学面と非光学面とが接する角部に、該角部の変位を拘束する拘束部が形成されていることを特徴としている。
また、本発明のプラスチック光学部品の成形方法は、上記したプラスチック光学部品を成形するプラスチック光学部品の成形方法であって、
前記プラスチック光学部品を金型を用いて射出成形または射出圧縮成形するに際し、前記非光学面を形成する金型の温度を前記光学面を形成する金型の温度よりも高く設定して成形することを特徴としている。
本発明によれば、複屈折、GI(屈折率分布)等を低減させることができ、光学面の面精度の向上及び成形サイクルの短縮により低コスト化を図ることが可能となるプラスチック光学部品の成形方法及びプラスチック光学部品を実現することができる。
上記構成により、前述した本発明の課題が達成されるが、それは本発明者が鋭意研究した結果によるつぎのような知見に基づくものである。
光学部品内部の屈折率分布を低減させるため、プラスチック光学部品の成形外表面一部に樹脂収縮に伴う凹部(窪み)、所謂ヒケを発生させ、このようなヒケの発生により残留応力を低減させることで屈折率分布を低減させる方法として、例えばつぎのような方法を採ることが可能である。
(1)冷却過程において、ヒケを発生させたい部位に気体を封入することで、他の部分よりも熱伝達を鈍くし、局部的にヒケを発生させる方法。
(2)冷却過程で、ヒケを発生させたい部位の金型駒を強制的に樹脂から離反させて空間を発生させ、この発生した空間による断熱層の役割により、金型から離反した部位の熱伝達が急激に低下することで樹脂の硬化を遅延させ、この遅延のために金型より離反した部位の成形収縮によりヒケを発生させる方法。
(3)冷却過程で、ヒケを生じさせたい部位の金型にヒーターを配置し、このヒーターに通電し、上記ヒケを生じさせたい部位の温度を他の部位よりも高温に保持することで、温度が低い部位がアンカーとなり冷却に伴って収縮することによって、ヒーターで加熱した部位にヒケを発生させる方法。
しかしながら、(1)の方法は外部よりキャビティ内に気体を導入するための気体導入路の設置、樹脂圧力以上の導入圧力を発生させる圧力発生装置等の付帯設備が必要になると共に、気体の導入タイミングの選定等の成形条件の設定が複雑であり、樹脂温度、金型温度、射出充填圧力、保圧力などの変動によりキャビティ内に導入した気体が移動して光学面に浸入するなどの不具合が発生するという問題が生じる。
また、(2)の方法は、金型駒を成形中に駆動させる金型構造や駆動源が必要となり、煩雑であるばかりか金型駒が摺動可能な隙間が必要であるため、射出充填の際に樹脂がこの隙間に侵入してバリが発生することとなり、連続成形した際にバリが金型内に残留して金型駒の隙間に挟まり、摺動性を悪化させる不具合が発生し、また金型メンテナンス負荷が大きくなるという問題が生じる。
また、(3)の方法は、金型内にヒーターを内蔵させる必要があり、金型構造が複雑になるばかりか、ヒーターの加熱により局部的な変形が発生するという問題が生じる。
このようなことから、本発明者は以上のような問題の発生しない方法を鋭意研究した結果、矩形断面のプラスチック成形品において、冷却状態に異方性のない場合には、長辺側が短辺側に比してヒケ量が大きくなることを見出し、光学素子の断面形状において必要な光学面の幅寸法を短辺側とし、非光学面の寸法を長辺側として、光学面の幅寸法より非光学面の寸法を大きくすることで、内部歪みが少なく光学面の面精度が高精度な光学素子を得ることが可能となるという知見を得た。また、その際、冷却固化する際に、断面形状におけるコーナー部の移動に拘束を設けることで、内部の残留応力分布に均一性を持たせることが可能であること、長辺側の金型温度を短辺側の金型温度よりも高く設定すると、長辺側のヒケ量が増大し、短辺側のヒケ量が減少すること、等が見出された。本発明はこれらの知見に基づいて完成されたものである。
以下に、これらの詳細を明らかにするため、従来例の長尺光学素子を例に採りあげて説明する。
図17に従来例の長尺光学素子を示す。長尺光学素子の材質としては、ポリメタアクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィン系樹脂などの光学用途樹脂が用いられる。
従来光学素子の断面形状は、図18に示すように光学面に曲率を有した矩形形状をしており、射出成形または射出圧縮成形により成形される際、例えば図8に示す金型が用いられ、金型のキャビティ内に不図示のスプルー、ランナー、ゲートを通じて充填された樹脂は、射出成形機の射出シリンダーにより負荷された圧力によりキャビティ401内にパッキングされ、樹脂表面と接する金型キャビティ401内壁との間で熱の伝達が行われ樹脂が冷却されることで略キャビティ形状の固化されて所望の光学素子として成形される。
熱可塑性樹脂の場合、この冷却固化の際に圧力と温度の低下に伴う非容積変化が発生する特性を有しており、一般的にPVT線図として圧力―比容積―温度の関係で表現されている。非容積が変化するということは、体積が変化するということで冷却固化の進行に伴って樹脂の寸法が収縮することを示している。
キャビティ401内の樹脂が、一様に内部に温度差が生じない状態で冷却されていくと光学素子内の樹脂は一様に収縮するので、冷却固化に際して応力が発生することはないが、樹脂の熱伝導率が低いためにトーリックレンズの長手方向と直交する断面で温度分布をみると、図19に示すように、表面層から内部に向かって温度分布が発生することとなる。
このように、冷却固化時に温度差が発生すると、特にガラス転移点温度付近で温度差が発生すると、先にガラス転移点よりも低い温度になった樹脂は分子鎖が絡み合い互いに固定された状態となり動くことができなくなって、ガラス転移点温度以上の樹脂は分子鎖同士が互いにすり抜けることができ、ある程度動くことができる状態というふうに一つの光学素子内で異種の特性をもつ状態が発生する。
このようなことから、先に、ガラス転移点温度よりも低い温度になった部分、例えば図19の温度分布がついた場合では表面層が先にガラス転移点よりも低くなり、冷却の進行により比容積の変化に伴う収縮が発生する。しかし、表面層が収縮しても、まだガラス転移点温度以上である内部の分子鎖は、まだ自由に移動できる状態にあるので表面層の収縮した分だけ内部の樹脂が表面層の収縮挙動に追随することができる。
しかしながら、内部領域もガラス転移点温度以下になった時点で、内部の樹脂も自由な動きができなくなり、比容積変化にともなう収縮が発生する。
表面層の固化に遅れて固化が始まった内部の樹脂は収縮したいにもかかわらず、既に固化して剛性の上がっている表面層の抵抗を受ける。
これを、図18に示す断面の横方向と縦方向に分けて考えると次のようになる。
まず、横方向の収縮について検討する。ここで、図19の温度分布に従って表面層が既にガラス転移点温度以下になっている状況において、樹脂の表面層側からより内部側に向けて段階的に第1段階から第10段階までの段階において、第2段階から第10段階までの内部領域の温度はまだガラス転移点温度以上で順次ガラス転移点以下に冷却されていく段階を考えると、第2段階から第10段階の部分は冷却に伴い発生する収縮により横方向に収縮しようとするが樹脂の表面層の上下の剛性が高くなった部分がつっかえとなり、思うように収縮できない状態となる。したがって、樹脂の表面層は内部領域における第2段階から第10段階の部分の収縮により圧縮応力が加わり、これらの内部領域の部分は冷却される温度差分、その材料の特性上、収縮しなければならない量を自由に収縮できないことから、引張り応力が発生することになる。
また、図19の縦方向についても同様に考えると、樹脂の表面層の部分の左右の部分には縦方向に圧縮応力が、また内部領域における第2段階から第10段階の部分には縦方向に引張り応力が発生することになる。
以上を、樹脂の粘弾性特性、P−V−T線図による比容積変化、熱伝導率、比熱などの諸特性を考慮して市販の非線形構造解析プログラムABAQUSにより冷却固化後の残留応力を計算し、プラスチックレンズの断面で自由収縮した場合の縦方向の応力成分の分布を図21に、横方向の応力成分の分布を図22に示す。計算条件は、樹脂をシクロオレフィン系樹脂とし、射出時の樹脂温度を270℃、金型温度は130℃、金型内で150秒冷却した後金型から取り出して室温23℃に30分放置した。変位拘束条件は、自由収縮条件を設定している。
このときの光学素子の断面における変形状態を図20に示す。
図20において、光学面は図中の上下面であり、左右の面が非光学面に相当する。図中の点線は収縮前の形状を示している。
以上のことから、冷却時に金型からの拘束がまったくなければ、断面形状において長辺側の面の収縮量が大きくなり、ヒケた状態となることが見出された。これは、表面からの固化層の厚さが上下面と左右面で同じであると考えると、梁の撓み量とヒケ量を模式的に同等と考えることができる。即ち、固化した表面層以外の光学素子内部が均一に収縮するので、両端支持梁に分布荷重が負荷された状態と一致する。このとき、梁の撓み量hは、梁の長さLの3乗に比例することは自明であるので、梁が長いほど、言い換えれば辺の長さが長いほど撓み量は長くなる。このようなメカニズムで、矩形断面の成形品の場合、冷却状態に異方性のない場合は、長辺側が短辺側に比してヒケ量が大きくなることが見出された。
図30と図31は、従来例のガラス転移点温度付近での冷却勾配を緩く(冷却時間を長くする)する成形方法で成形したもののGI(屈折率分布)をマハテェンダー干渉計で観察した結果で、図30が冷却時間3分のもの、図31が冷却時間8分のもので、同様の成形工程を前記計算手法で計算し残留応力分布と比較すると冷却条件によるGIの改善状況と残留応力分布の変化が良く対応していることを確認することができる。
さらに、検討の結果、長辺側の金型温度を短辺側の金型温度よりも高く設定すると、長辺側のヒケ量が増大し、短辺側のヒケ量が減少することが見出された。図23は、光学面に相当する上下面の金型温度を130℃、非光学面にあたる左右面の金型温度を135℃に設定した場合の変形状態を計算した結果を示したものである。その際のプラスチックレンズの断面で自由収縮した場合の縦方向の応力成分の分布を図24に、横方向の応力成分の分布を図25に示す。
冷却条件は、冷却時間を150秒とし、その後23℃の雰囲気下に30分間放置するものとする。
光学面と非光学面の金型温度を130℃の一定温度に設定したときの変形状態を示した図20と比べて図23の方が非光学面にあたる左右面のヒケ量が増大し、光学面にあたる上下面のヒケ量が低減していることがわかる。
これは、左右面の金型温度を上下面に比べて高温に設定することで、左右面の固化が上下面に比べて遅れた結果、上下面の固化領域が左右面に比べて広がり、剛性が高い領域が上下面のほうが広くなったことで、先に剛性の高まった上下面を基準にして全体の収縮が進行していくためである。
また、冷却固化する際に、断面形状におけるコーナー部の移動に拘束を設けることで、内部の残留応力分布に均一性を持たせることが可能であることを見出した。図26は、上下面の金型温度を130℃、左右面の金型温度を130℃に設定し、冷却時間150秒、冷却終了後23℃の雰囲気に30分間放置した後の変形状態を表している。断面形状上のコーナー部の変位を拘束することで収縮のバランスが崩れ、横方向のヒケ量が減少し、縦方向のヒケ量が増大している。
しかしながら、図27に示す横方向の応力成分σxの分布は、コーナーを拘束したことで応力レベル自体は高くなっているものの拘束されているコーナー部近傍を除いては均一になっている。さらに、図28に示す縦方向の応力成分σyもコーナー部を拘束した影響でコーナーからコーナーに繋がる応力分布が発生しているものの光線が通過する中央部領域は均一な応力分布となることが判明した。
本発明者は、以上の知見に基づいて、光学面の面精度を確保しつつ光線が通過する内部の均一性を、低コストで確保できる本発明のプラスチック光学部品の成形方法及びプラスチック光学部品を完成させるに到ったのである。
以上のことから本発明の実施の形態においては、射出成形または射出圧縮成形によって製作されたプラスチック光学部品を、この光学部品の長手方向と直交する断面形状において、一方の対向面に光学面を、他方の対向面に非光学面を備えた構成とし、前記光学面と非光学面とが接する角部に、この角部の変位を拘束する拘束部として、前記光学面と隣接する前記非光学面における光学面近傍に形成された凹部または凸部を形成する構成を採ることができる。これにより光学面の法線方向収縮を低減させ、非光学面の収縮量を増大させて光学部品内部のGI(屈折率分布)を低減させることが可能となる。
また、このように前記光学面と隣接する前記非光学面における光学面近傍に前記凹部または凸部を形成すると共に、光学面の光線有効領域外の光学面長手方向中心対称線に対して線対称となる位置に凹部または凸部を形成する構成を採ることができる。これにより光学面の法線方向収縮を低減させ、非光学面の収縮量を増大させて光学部品内部のGI(屈折率分布)を低減させることが可能となり、さらに光学面表面のヒケを低減させることができる。
また、前記角部の変位を拘束する拘束部として、前記光学面と前記非光学面とが接する角部に、これら光学面及び非光学面に対して180度以下の角度を持つように凸部を形成する構成を採ることができる。これにより光学面の法線方向収縮を低減させ、非光学面の収縮量を増大させて光学部品内部のGI(屈折率分布)を低減させることが可能となる。
また、複数の光学面の各法線ベクトルを同一面内に含有する断面形状において、非光学面にあたる断面形状を光学素子の内部からみて凸形状とする構成を採ることができる。これにより光学面の収縮を補い、光学面の面精度悪化を防止することができる。
また、本発明の実施の形態においては、前記プラスチック光学部品において、前記一方の対向面に形成された光学面と光学面間の対向距離が、他方の対向面に形成された非光学面と非光学面間の対向距離よりも長い距離に設定して構成することができる。これを言い換えれば、プラスチック光学部品の構成として、断面形状において横方向寸法Wよりも縦方向寸法Hを大きくし、必要な光学面の幅をW、非光学面の寸法をHに設定するようにした構成を採ることができる。これにより安定して寸法の大きいHの面の収縮量が大きくなるように成形することができるので、必要な光学面の幅をW、非光学面の寸法をHに設定することで、内部歪みの少ない光学面の面精度が高精度な光学素子を得ることができる。
また、プラスチック光学部品の成形方法として、非光学面を構成する金型駒と光学面を構成する金型駒及び金型駒を支持する抱き駒の温度調節用水管を別々に構成し、温度調節水の設定によって温度光学面を構成する金型駒に流す温度調節水温度よりも非光学面を構成する金型駒に流す温度を高く設定することで、より安定的な成形を保障し、光学面の収縮量を低減させて光学面の面精度を向上させることができる。
以下に、本発明の実施例について説明する。
[実施例1]
本発明の実施例1においては、上記した本発明及びその実施形態を適用し、プラスチックレンズとして、縦寸法は20mm、横寸法は15mmで、全長110mmのLBP用fθレンズを構成した。
図1に本発明のプラスチックレンズの斜視図を示す。また、図2にその断面形状を示す。
図1及び図2において、11はLBP用fθレンズ、16と17は光学有効面で、光線が効率よく透過するような良好な面粗さをしている光線有効領域で幅が7mmに形成されている。
また、18,19は光学有効面16,17の左右に位置する非光学面である。
12,13,14,15は非光学面の光学面近傍に形成された溝であり、これらの溝12,13,14,15の溝断面形状は幅3mm、深さ1.5mmとされている。また、溝12と13、溝14と15の間隔は10mmに設定されている。ここで、上記非光学面に形成された溝12,13,14,15は光学素子の断面における縦方向の収縮を拘束して、矩形断面のコーナーを拘束したのと同様の効果で光学素子内部の応力分布を均一にし、これによりGI(屈折率分布)の低減が可能とされる。
図4に本実施例のプラスチックレンズの成形に用いる金型の断面図を示す。
図4において、101は、固定側取り付け板、103は固定側鏡面駒を収めた抱き駒、104は固定側受け板である。
105は固定側受け板104と固定側抱き駒103を温度制御する温度調節水を供給する水管入り口、106は固定側受け板104と固定側抱き駒103を温度制御する温度調節水を供給する水管出口である。
107は可動側のキャビティを構成し、光学素子の第一の非光学面を形成するスライド駒が射出圧力に押されて移動するのを防ぐ第一のロッキング駒、108は可動側のキャビティを構成し、光学素子の第二の非光学面を形成するスライド駒が射出圧力に押されて移動するのを防ぐ第二のロッキング駒である。
また、201は樹脂が充填されるキャビティ、202は光学素子の第一の非光学面を形成するスライド駒、203は光学素子の第二の非光学面を形成するスライド駒、204は第一のスライド駒の温度を制御する温度調節水を流す水管、205は第二のスライド駒の温度を制御する温度調節水を流す水管である。
206は可動側の第二の光学面を形成する鏡面駒を含んだ可動側抱き駒、207は可動側抱き駒を温度制御するための温度調節水を流す温度調節水管出口、208は可動側抱き駒を温度制御するための温度調節水を流す温度調節水管入り口、209は冷却固化した光学素子を金型から離型させるためのエジェクターピン、210はエジェクターピンを駆動させるエジェクタープレート、211は可動側金型を射出成形機に固定する可動側取り付け板である。
本実施例では、レンズ材質はシクロオレフィン系樹脂を使用し、射出充填時の樹脂温度は270℃、射出圧力は、65Mpa、金型温度は、光学面16を形成する固定側抱き駒103,固定側受け板104の温度を130℃に、光学面17を形成する可動側抱き駒206の温度を130℃に、非光学面18,19を形成するスライド駒202、203の温度を135℃に設定してある。
このような、断面形状の光学素子とすることで、冷却時に金型温度を強制的に変動させて光学素子内に温度分布が極小になるように長時間かけて冷却しなくても、内部のGI(屈折率分布)が低レベルで、しかも光学面の面精度が高精度な光学素子を短時間で生産することができ、これにより低コスト化を図ることが可能となる。
光学面の面精度については、その光学素子に要求される精度によって異なるが、光学面に多少の収縮が発生するので、高精度な面精度が要求されるにしたがって、要求を満足するように金型形状に収縮量を予め見込んだ形状にすることが必要となってくる。本実施例の断面形状に設定した光学素子は、成形後において最終的には図3に示すような変形形状になる。また、内部のGI(屈折率分布)も均一な領域が溝の配置により変動するので、本実施例では光線有効系が7mmとなっている。
[実施例2]
本発明の実施例2においては、上記した本発明及びその実施形態を適用し、プラスチックレンズとして、縦寸法は20mm、横寸法は15mmで、全長125mmのLBP用fθレンズを構成した。
図5に本発明のプラスチックレンズの斜視図を示す。また、図6にその断面形状を示す。
図5及び図6において、21はLBP用fθレンズ、211と213は光学有効面で、光線が効率よく透過するような良好な面粗さをしている光線有効領域で幅が7mmに形成されている。
26,27,28,29は、光学有効面111,113の領域外の光学面、すなわち光学面の光線有効領域外の光学面に形成された溝であり、これらの溝26,27,28,29の溝断面形状は、幅2mm、深さ1mmとされている。
112,114は光学有効面111,113の左右に位置する非光学面で、非光学面112,114には溝22,23,24,25が形成されており、溝22と23、溝24と25の間隔は10mmに設定されている。
ここで、非光学面に設けた溝22,23,24,25は光学素子の断面における縦方向の収縮を拘束して、矩形断面のコーナーを拘束したのと同様の効果で光学素子内部の応力分布を均一にし、これによりGI(屈折率分布)の低減が可能とされる。
また、光学面の光線有効領域外に形成された溝26,27,28,29は光学面111、113が冷却固化に伴う収縮により断面中央部の樹脂の収縮に引っ張られて光学面表面形状がヒケることを低減させる働きをしている。
本実施例のような断面形状とすることで、冷却時に金型温度を強制的に変動させて光学素子内に温度分布が極小になるように長時間かけて冷却しなくても、内部のGI(屈折率分布)が低レベルで、しかも光学面の面精度が高精度な光学素子を短時間で生産することができ、これにより低コスト化を図ることが可能となる。
光学面の面精度については、その光学素子に要求される精度によって異なるが、光学面に多少の収縮が発生するので、高精度な面精度が要求されるにしたがって、要求を満足するように金型形状に収縮量を予め見込んだ形状にすることが必要となってくる。本実施例の断面形状に設定した光学素子は成形後において最終的には図7に示すような変形形状になる。
また、内部のGI(屈折率分布)も均一な領域が溝の配置により変動するので、本実施例では光線有効系が5mmなので、溝の配置を上記のように設定したが、光線有効領域がもっと広く必要な場合には、それに応じて溝の間隔を広げるか、光学素子の幅を広げる必要が生じてくる。
図8に本実施例のプラスチックレンズの成形に用いる金型の断面図を示す。
図8において、301は、固定側取り付け板、303は固定側鏡面駒を収めた抱き駒、304は固定側受け板である。
305は固定側受け板304と固定側抱き駒303を温度制御する温度調節水を供給する水管入り口であり、306は固定側受け板304と固定側抱き駒303を温度制御する温度調節水を供給する水管出口である。
307は可動側のキャビティを構成し、光学素子の第一の非光学面を形成するスライド駒が射出圧力に押されて移動するのを防ぐ第一のロッキング駒であり、308は可動側のキャビティを構成し、光学素子の第二の非光学面を形成するスライド駒が射出圧力に押されて移動するのを防ぐ第二のロッキング駒である。
401は樹脂が充填されるキャビティ、402は光学素子の第一の非光学面を形成するスライド駒、403は光学素子の第二の非光学面を形成するスライド駒、404は第一のスライド駒の温度を制御する温度調節水を流す水管である。
405は第二のスライド駒の温度を制御する温度調節水を流す水管、406は可動側の第二の光学面を形成する鏡面駒を含んだ可動側抱き駒、407は可動側抱き駒を温度制御するための温度調節水を流す温度調節水管出口、408は可動側抱き駒を温度制御するための温度調節水を流す温度調節水管入り口、409は、冷却固化した光学素子を金型から離型させるためのエジェクターピン、410は、エジェクターピンを駆動させるエジェクタープレート、411は可動側金型を射出成形機に固定する可動側取り付け板である。
[実施例3]
本発明の実施例3においては、上記した本発明及びその実施形態を適用し、プラスチックレンズとして、縦寸法は20mm、横寸法は15mmで、全長110mmのLBP用fθレンズを構成した。
図9に本発明のプラスチックレンズの斜視図を示す。また、図10にその断面形状を示す。
図9及び図10において、51はLBP用fθレンズ、50と56は光学有効面で、光線が効率よく透過するような良好な面粗さをしている光線有効領域で幅が7mmに形成されている。
52,53,54,55は、光学面と非光学面が接する角部に形成された突起であり、これらの突起52,53,54,55は幅3mm、高さ2.0mmとされている。また、左右の非光学面57,58及び光学面との相対角度は180度以下、ここでは135度とされている。
ここで、光学面50,56と非光学面57,58の境界コーナー部に設けた突起は、光学素子の断面における縦方向の収縮を拘束して、矩形断面のコーナーを拘束したのと同様の効果で光学素子内部の応力分布を均一にするとともに、光学面50,56の収縮を抑える効果があり、光学面50,56が断面縦方向に収縮(ヒケる)するのを抑えて、金型面の転写性を向上させて光学面としての面精度を高精度に仕上げることを可能としている。図10の断面図において点線は、光線透過領域を示しており、この領域において複屈折、GI(屈折率分布)を低レベルにする必要がある。本実施例の場合は、レンズの幅が20mmで光線有効領域が幅7mmであるので、コーナー部の影響でGI(屈折率分布)が不均一となる領域がこの光線透過領域にかからないように設定されている。
図11に本実施例のプラスチックレンズの成形に用いる金型の断面図を示す。図11において、501は、固定側取り付け板、503は固定側鏡面駒を収めた抱き駒、504は固定側受け板、505は固定側受け板504と固定側抱き駒503を温度制御する温度調節水を供給する水管入り口であり、506は固定側受け板304と固定側抱き駒503を温度制御する温度調節水を供給する水管出口である。
507は可動側のキャビティを構成し、光学素子の第一の非光学面を形成するスライド駒が射出圧力に押されて移動するのを防ぐ第一のロッキング駒であり、508は可動側のキャビティを構成し、光学素子の第二の非光学面を形成するスライド駒が射出圧力に押されて移動するのを防ぐ第二のロッキング駒である。
601は樹脂が充填されるキャビティ、602は光学素子の第一の非光学面を形成するスライド駒、603は光学素子の第二の非光学面を形成するスライド駒、604は第一のスライド駒の温度を制御する温度調節水を流す水管、605は第二のスライド駒の温度を制御する温度調節水を流す水管、606は可動側の第二の光学面を形成する鏡面駒を含んだ可動側抱き駒、607は可動側抱き駒を温度制御するための温度調節水を流す温度調節水管出口、608は可動側抱き駒を温度制御するための温度調節水を流す温度調節水管入り口、609は、冷却固化した光学素子を金型から離型させるためのエジェクターピン、610は、エジェクターピンを駆動させるエジェクタープレート、611は可動側金型を射出成形機の固定する可動側取り付け板である。
図12に成形されたレンズを取り出すために型開きした状態を示す。金型のパーティングを開くとアンギュラーピン509、510とスライド駒602,603とが接触し、スライド駒602,603が可動側抱き駒606上を成形されたレンズ612から遠ざかるようにスライドする。この機構により離型時に無理な力をレンズに加えて局部的な変形、残留応力の発生を防止することができる。
本実施例では、レンズ材質はオレフィン系樹脂を使用し、射出充填時の樹脂温度は270℃、射出圧力は、60Mpa、金型温度は、光学面50を形成する固定側抱き駒503,固定側受け板504の温度を130℃に、光学面56を形成する可動側抱き駒606の温度を130℃に、非光学面57,58を形成するスライド駒602、603の温度を132℃に設定してある。
このような、断面形状の光学素子とすることで、冷却時に金型温度を強制的に変動させて光学素子内に温度分布が極小になるように長時間かけて冷却しなくても内部のGIが低レベルでしかも光学面の面精度が高精度な光学素子を短時間で、すなわち低コストで生産することが可能となる。
光学面の面精度については、その光学素子に要求される精度によって異なるが、光学面に多少の収縮が発生するので、高精度な面精度が要求されるにしたがって、要求を満足するように金型形状に収縮量を予め見込んだ形状にすることが必要となってくる。
[実施例4]
本発明の実施例4においては、上記した本発明及びその実施形態を適用し、プラスチックレンズとして、縦寸法は縦寸法は20mm、光学面の横寸法は15mm、非光学面の最大横寸法は18mmで、全長115mmLBP用fθレンズを構成した。
図13に本発明のプラスチックレンズの斜視図を示す。また、図14にその断面形状を示す。
図13及び図14において、30はLBP用fθレンズ、40と41は光学有効面で、光線が効率よく透過するような良好な面粗さをしている光線有効領域で幅が9mmに形成されている。
31,34,36,37は、光学有効面40,41の領域外の光学面、すなわち光学面の光線有効領域外の光学面に形成された溝であり、これらの溝31,34,36,37の溝断面形状は、幅2mm、深さ1mmとされている。
42,43は光学有効面40,41の左右に位置する非光学面で、非光学面42,43には溝32,33,38,39が形成されており、溝32と33、溝38と39の間隔は15mmに設定されている。
ここで、非光学面に設けた溝32,33,38,39は光学素子の断面における縦方向の収縮を拘束して、矩形断面のコーナーを拘束したのと同様の効果で光学素子内部の応力分布を均一にし、これによりGI(屈折率分布)の低減が可能とされる。
また、光学面の光線有効領域外に設けた溝31,34,36,37は光学面40,41が冷却固化に伴う収縮により断面中央部の樹脂の収縮に引っ張られて光学面表面形状がヒケることを低減させる働きをしている。
また、非光学面42,43は縦方向中央部の幅が光学面40,41の幅よりも3mmほど広くなるようなシリンドリカル面になっており、光学面40,41の収縮をこの部分の樹脂が移動して吸収し、光学面40,41の面精度を高精度に保つ働きをしている。
本実施例のような断面形状とすることで、冷却時に金型温度を強制的に変動させて光学素子内に温度分布が極小になるように長時間かけて冷却しなくても内部のGIが低レベルでしかも光学面の面精度が高精度な光学素子を短時間で、すなわち低コストで生産することが可能となる。
光学面の面精度については、その光学素子に要求される精度によって異なるが、光学面に多少の収縮が発生するので、高精度な面精度が要求されるにしたがって、要求を満足するように金型形状に収縮量を予め見込んだ形状にすることが必要となってくる。本実施例の断面形状に設定した光学素子は成形後において最終的には図15に示すような変形形状になる。
また、内部のGI(屈折率分布)も均一な領域が溝の配置により変動するので、本実施例では光学面幅15mmに対して光線有効系が9mmと広いので、溝部の拘束による応力発生領域が光線有効領域に干渉する恐れがあったので、非光学面をシリンドリカル面として肉厚にすることで、応力の緩和をさせたものである。
図16に本実施例のプラスチックレンズの成形に用いる金型の断面図を示す。図16において、701、固定側取り付け板、703は固定側鏡面駒を収めた抱き駒、704は固定側受け板である。
705は固定側受け板704と固定側抱き駒703を温度制御する温度調節水を供給する水管入り口であり、
706は固定側受け板704と固定側抱き駒703を温度制御する温度調節水を供給する水管出口である。
707は可動側のキャビティを構成し、光学素子の第一の非光学面を形成するスライド駒が射出圧力に押されて移動するのを防ぐ第一のロッキング駒であり、708は可動側のキャビティを構成し、光学素子の第二の非光学面を形成するスライド駒が射出圧力に押されて移動するのを防ぐ第二のロッキング駒である。
801は樹脂が充填されるキャビティ、802は光学素子の第一の非光学面を形成するスライド駒、803は光学素子の第二の非光学面を形成するスライド駒、804は第一のスライド駒の温度を制御する温度調節水を流す水管、805は第二のスライド駒の温度を制御する温度調節水を流す水管、806は可動側の第二の光学面を形成する鏡面駒を含んだ可動側抱き駒である。
807は可動側抱き駒を温度制御するための温度調節水を流す温度調節水管出口、808は可動側抱き駒を温度制御するための温度調節水を流す温度調節水管入り口、809は、冷却固化した光学素子を金型から離型させるためのエジェクターピン、810は、エジェクターピンを駆動させるエジェクタープレート、811は可動側金型を射出成形機に固定する可動側取り付け板である。
本発明の実施例1におけるプラスチックレンズの斜視図。 本発明の実施例1におけるプラスチックレンズの断面形状を示す図。 本発明の実施例1におけるプラスチックレンズの成形後の断面形状を示す図。 本発明の実施例1におけるプラスチックレンズの成形に用いる金型の断面図。 本発明の実施例2におけるプラスチックレンズの斜視図。 本発明の実施例2におけるプラスチックレンズの断面形状を示す図。 本発明の実施例2におけるプラスチックレンズの成形後の断面形状を示す図。 本発明の実施例2におけるプラスチックレンズの成形に用いる金型の断面図。 本発明の実施例3におけるプラスチックレンズの斜視図。 本発明の実施例3におけるプラスチックレンズの断面形状を示す図。 本発明の実施例3におけるプラスチックレンズの成形に用いる金型の断面図。 本発明の実施例3におけるプラスチックレンズの成形に用いる金型の断面図。 本発明の実施例4におけるプラスチックレンズの斜視図。 本発明の実施例4におけるプラスチックレンズの断面形状を示す図。 本発明の実施例4におけるプラスチックレンズの成形後の断面形状を示す図。 本発明の実施例4におけるプラスチックレンズの成形に用いる金型の断面図。 従来例におけるプラスチックレンズの斜視図。 本発明の実施の形態のプラスチックレンズの断面において熱の移動と樹脂の収縮を説明する図。 本発明の実施の形態を説明するプラスチックレンズの断面の冷却時における温度分布を示した図。 本発明の実施の形態において、プラスチックレンズの断面で自由収縮した場合の変形状態を説明する図。 本発明の実施の形態において、プラスチックレンズの断面で自由収縮した場合の縦方向の応力成分の分布を説明する図である。 本発明の実施の形態において、プラスチックレンズの断面で自由収縮した場合の横方向の応力成分の分布を説明する図。 本発明の実施の形態において、金型温度に分布がある状態で自由収縮した場合の変形状態を説明する図である。 本発明の実施の形態において、金型温度に分布がある状態で自由収縮した場合の縦方向の応力成分の分布を説明する図である。 本発明の実施の形態において、金型温度に分布がある状態で自由収縮した場合の横方向の応力成分の分布を説明する図である。 本発明の実施の形態において、コーナー部の変位を拘束して収縮した場合の変形状態を説明する図である。 本発明の実施の形態において、コーナー部の変位を拘束して収縮した場合の横方向応力状態を説明する図である。 本発明の実施の形態において、コーナー部の変位を拘束して収縮した場合の縦方向応力状態を説明する図である。 従来例におけるGI(屈折率分布)測定例を示す図。 従来例における冷却時間3分の場合のGI(屈折率分布)測定例を示す図。 従来例における冷却時間8分の場合のGI(屈折率分布)測定例を示す図。
符号の説明
11:LBP用fθレンズ
12,13,14,15:溝
16,17:光学有効面
18,19:非光学面
101:固定側取り付け板
103:抱き駒
104:固定側受け板
105:水管入り口
106:水管出口
107:第一のロッキング駒
108:第二のロッキング駒
201:キャビティ
202:スライド駒
203:スライド駒
204,205:水管
206:可動側抱き駒
207:温度調節水管出口
208:温度調節水管入り口
209:エジェクターピン
210:エジェクタープレート
211:可動側取り付け板

Claims (8)

  1. 射出成形または射出圧縮成形によって製作されたプラスチック光学部品であって、
    前記プラスチック光学部品は、該光学部品の長手方向と直交する断面形状において、一方の対向面に光学面を、他方の対向面に非光学面を備え、
    前記光学面と非光学面とが接する角部に、該角部の変位を拘束する拘束部が形成されていることを特徴とするプラスチック光学部品。
  2. 前記角部の変位を拘束する拘束部が、前記光学面と隣接する前記非光学面における光学面近傍に形成された凹部または凸部であることを特徴とする請求項1に記載のプラスチック光学部品。
  3. 前記光学面と隣接する前記非光学面における光学面近傍に前記凹部または凸部が形成されると共に、光学面の光線有効領域外の光学面長手方向中心対称線に対して線対称となる位置に凹部または凸部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のプラスチック光学部品。
  4. 前記角部の変位を拘束する拘束部が、前記光学面と前記非光学面とが接する角部に、これら光学面及び非光学面に対して180度以下の角度を持つように形成された凸部であることを特徴とする請求項1に記載のプラスチック光学部品。
  5. 前記プラスチック光学部品は、前記一方の対向面に形成された光学面と光学面間の対向距離が、他方の対向面に形成された非光学面と非光学面間の対向距離よりも長い距離に設定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のプラスチック光学部品。
  6. 前記非光学面は、断面形状において前記プラスチック光学部品の内部からみて凸形状とされていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のプラスチック光学部品。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のプラスチック光学部品を成形するプラスチック光学部品の成形方法であって、
    前記プラスチック光学部品を金型を用いて射出成形または射出圧縮成形するに際し、前記非光学面を形成する金型の温度を前記光学面を形成する金型の温度よりも高く設定して成形することを特徴とするプラスチック光学部品の成形方法。
  8. 前記非光学面を形成する金型の温度を前記光学面を形成する金型の温度よりも高く設定するに当たり、前記非光学面を形成する金型駒と光学面を形成する金型駒及び金型駒を支持する抱き駒の温度調節用水管をそれぞれ別々に構成し、
    これらの温度調節水の設定温度によって、光学面を形成する金型駒に流す温度調節水温度よりも非光学面を形成する金型駒に流す温度を高く設定するようにしたことを特徴とする請求項7に記載のプラスチック光学部品の成形方法。
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