JP5751796B2 - 光学素子の製造方法および光学素子 - Google Patents

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本発明は高精度が要求される光学素子成形品を射出成形や射出圧縮成形などで製造する際の光学素子の成形方法および光学素子に関するものである。特にレーザービームプリンタや複写機の走査光学系に用いられるfθレンズなどのような角型プラスチック光学素子の成形方法および光学素子に関するものである。
近年、レーザー走査光学系に用いられるfθレンズなどの光学素子においては、プリンタや複写機の高性能化、省スペース化に伴い、副走査方向のレンズの幅をレンズの肉厚よりも小さくしたレンズの実用化が強く求められている。このように副走査方向のレンズの幅を小さくし、レンズを薄型化した場合、複屈折や内部屈折率分布などの光学性能が悪化することがわかっており、その対策が重要になっている。特にこの問題は樹脂材料からなる光学素子において顕著に表れる。複屈折が大きいと光がレンズを透過する際に異常光が発生し、ビームスポットの変形、回転、肥大などの問題が起こる。また屈折率分布は樹脂特有の粘弾性特性により緩和挙動を示すので、これにより屈折率分布が大きいレンズは時間経過とともにスポット位置が変動するという問題がある。
これらの光学性能悪化の要因は、樹脂の冷却収縮過程における冷却速度の局部的な差により成形品内部に発生する内部歪によるものであることが知られている。従来技術において内部歪を低減し光学性能を向上させる手法や、複屈折の影響が出ない方向に樹脂を配向させることで光学性能を向上させる手法が開示されている。
例えば特許文献1では、金型内における第1冷却工程で光学面から先に冷却し、さらに金型から取り出した後に第2冷却工程で徐冷することで、内部の屈折率分布を低減する技術が開示されている。
特許文献2では、機能駒をガラス転移点(以下Tgと記す)以下とし、かつ側面駒の一部をTg以上(Tg+30)以下とした状態のまま成形品の取り出しを行うことでヒケを非光学部のみに発生させることにより、内部歪を低減する技術が開示されている。
特許文献3では、金型内において光軸方向と略直交する方向に固化が進行するように冷却することにより、製品として使用する際のレーザー偏光方向に対して問題となる角度を持った配向を少なくし、複屈折の影響を少なくする技術が開示されている。
一方でプラスチック光学素子の光学面には回折格子や反射防止機能を持った微細形状が設けられることがある。このような微細形状を設けることができるのは素子材料としてプラスチックを選定する上で大きなメリットの一つとなっており、それは角型プラスチック光学素子でも同様である。微細形状を精度よく形成するためには金型形状を忠実に素子表面に転写することが必要であり、金型温度をガラス転移温度付近まで高くするなど対策が取られる。しかしながら金型温度を高くすることにより成形サイクルが長くなりコスト高になるという問題が発生する。従来技術においてこの問題を解決するために、成形前に金型の微細形状部分を予め加熱し樹脂射出後に低温で冷却する、ヒートサイクル成形という手法が開示されている。
特許文献4では高周波誘導加熱を利用し型表面のみを成形前に急速加熱することで、高い転写性と生産性を両立する手法が開示されている。
特開2002−283352号公報 特開2006−150734号公報 特開平9−193257号公報 特公平1−22128号公報
本発明が解決しようとする課題は上記二つの課題、すなわち光学性能の改善、特に複屈折の低減と微細形状の高転写性を同時に満足することにある。
上記特許文献1には、金型内で光学面から先に冷却する手法として機能駒を側面駒よりも低温にする手法が開示されている。しかし、この方法には金型をTg以上に加熱する工程がないため、複屈折を改善することは難しい。またTg未満に温調された側面駒よりもさらに低温にした機能駒によって成形するため、微細形状の転写性も十分に得られないという問題があった。
また上記引用文献2には、側面駒の温度をTg以上(Tg+30)以下とした状態で、樹脂を充填、冷却、取出しを行うことが記載されている。しかし、側面をひけさせるため側面駒の温度がTg以上の時成形品を金型から取出すことが必要であり、そのため光学素子の光学面の形状精度が安定せず、近年求められるようになった光学性能を満たすために更なる改善が求められていた。
また上記引用文献3のように、光軸方向と直交方向に樹脂を配向させた場合、製品使用時のレーザー偏光方向に対する複屈折の影響が少なからず残り、近年求められるようになった光学性能を満たすために更なる改善が求められていた。
また上記引用文献4には高転写性を実現するための手法を開示したものであるが、光学性能に対する考慮がされておらず、近年求められている光学性能を満たすために更なる改善が求められていた。
本出願に係わる発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、低コストで光学性能に優れた光学素子および光学素子を成形する方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明の光学素子の製造方法は、光学面を形成する機能駒と、前記光学面と隣接する側面を形成する側面駒と、を有する金型を用いて光学素子を成形する光学素子の製造方法であって、前記機能駒と前記側面駒とに囲まれた空間である前記金型のキャビティに、樹脂を射出し充填する射出充填工程と、前記金型を冷却し、前記キャビティに充填された樹脂を冷却する金型冷却工程と、前記冷却された樹脂を前記金型から取り出す工程と、を有し、前記金型冷却工程において、前記側面駒の温度Tgまで冷却された時、前記機能駒の温度(Tg−30)℃以上(Tg−5)℃以下となるように前記金型を冷却することを特徴とする。
また、本発明の光学素子は、上記光学素子の製造方法を用いて製造された光学素子であって、光軸方向の肉厚よりも副走査方向の肉厚の方が小さく、前記副走査方向よりも主走査方向に長い光学面を有し、前記光軸方向から見た光学有効領域内における複屈折の主軸角差が20度以下であって、かつ、前記光軸方向から見た前記光学有効領域内における複屈折の主軸角差は、側面方向から見た複屈折の主軸角差よりも小さいことを特徴とする。
以上説明したように本発明の成形方法によれば、側面駒の温度がTgとなったときに前記機能駒の温度が(Tg−30)℃以上(Tg−5)℃以下になるように金型を冷却する。これにより金型内での冷却方向は図3(b)のようになり、樹脂の配向方向もこの方向にならい、素子性能として必要となる光軸方向から見た複屈折を改善できる。また、光学素子を十分冷却してから金型から取り出すことが可能となり、光学面の形状精度も向上する。よって、光学性能に優れた光学素子を成形することが可能となる。
成形中の温度履歴を表す図 光学素子の一例の概略斜視図 図2中A断面の金型内における樹脂の冷却方向を表す図 射出成形用金型の概略断面図 複屈折とビームスポットの関係を表す図 成形品中における樹脂の配向の方向を表す図 観察方向(光軸方向、側面方向)と主軸角差の関係を表す図 機能駒温度と転写性の関係を表す図
(第一の実施形態)
図1は本発明の第一の実施形態における光学素子の成形方法の特徴を最もよく表す図面であり、成形中の時間経過に伴う金型温度の変化を表している。1は機能駒の温度履歴、2は側面駒の温度履歴である。aは金型(キャビティ)内に樹脂が射出充填された時間を示す。bは側面駒11の温度が再びTgとなる時間を示す。cは金型が開く時間を示す。図2は本発明の光学素子の一例であるfθレンズ3の斜視図を示す。X方向のレンズの肉厚よりもZ方向のレンズの肉厚の方が小さく、Z方向よりもY方向に長い光学面を有する。fθレンズ3は、例えば、レーザービームプリンタのスキャナユニットに使用されるレンズであり、ポリゴンミラー等の光偏向器によって偏向されたレーザーを感光ドラム上に等速走査させつつ結像させるレンズである。4は光線が透過する光学面、5は光学面と隣接する非光学面、すなわち側面である。光学面には、光学有効領域(画像形成に有効な光線が通過する領域)と非光学有効領域(画像形成に有効でない光線が通過する領域)が存在する。本明細書においては、図2におけるX方向を光軸方向、Y方向を主走査方向、Z方向を副走査方向、光学面と隣接する非光学面5を側面と称することにする。fθレンズ3は熱可塑性プラスチックを用いて製造されることが多く、例えば日本ゼオン社製ZEONEX(登録商標)や三井化学社製APEL(登録商標)、JSR社製ARTON(登録商標)などを用いて射出成形により製造される。
図4は本発明の一実施形態における光学素子の成形方法で用いる射出成形用金型6一例を示す断面図であって、図2に示したfθレンズ3のA断面を金型とともに示している。
射出成形用金型6は固定側金型7と可動側金型8を備え、固定側金型7および可動側金型8はそれぞれ、光学面4を形成するための機能駒9、10を備えている。さらに可動側金型8は光学面と隣接する側面5を形成する側面駒11を備えており、前記機能駒と、前記側面駒とに囲まれた空間であるキャビティ15を形成する。固定側金型7および可動側金型8はそれぞれ第一の温度調節手段(例えば水管)14を備え、金型外に配置された温度調節装置(不図示)によりそれぞれの金型の温度を制御する。側面駒11は第二の温度調節手段(例えばカートリッジヒーター)12と温度センサー13を備え、金型外に配置された温度調節装置(不図示)により側面駒の温度を制御する。
次に本発明の光学素子の成形方法の一実施形態について、図1に基いて説明する。
(溶融樹脂を射出充填する工程)
まず、光学素子の光学面を形成するための機能駒9、10と、側面を形成する側面駒11とに囲まれた空間である前記キャビティ15に、溶融樹脂を射出充填する。図1において、aは金型(キャビティ)内に樹脂が射出充填された時間を指す。充填と同時に側面駒11に備えた第二の温度調節手段12を用いて側面駒11を加熱する。なお本明細書における同時とは、例えば数秒以内における同時を意味する。側面駒11の温度を第二の温度調節手段12の熱により上昇させ、使用樹脂材料のガラス転移温度Tg以上に加熱する。
(金型冷却工程)
その後、第二の温度調節手段12への通電を停止する、もしくは電力量を減らすことにより金型を冷却し始める。側面駒11は冷却され、側面駒11の温度が再びTgとなる時間bのときに機能駒9、10の温度が(Tg−30)℃以上(Tg−5)℃以下となるように第一の温度調節手段(例えば水管)14によって金型温度を制御する。例えば使用樹脂材料のガラス転移温度Tg=137℃である場合は107℃以上132℃以下に金型温度を制御する。
金型の冷却中、側面駒の温度がTgとなったときに機能駒の温度が(Tg−30)℃以上(Tg−5)℃以下である状態を経過させることにより、成形品の光軸方向から見た複屈折を低減させることができることを本願発明者は見出した。成形中の金型温度が上記状態にあるとき、側面駒が接する部分の樹脂の温度はTg以上である。すなわち光学素子の側面5を形成する樹脂は未固化状態になる。一方、機能駒が接する部分の樹脂の温度はTg未満であり、光学素子の光学面4を形成する樹脂は固化状態とすることができる。これにより、光学面4から中心部に向けて冷却固化されることになる。図3(b)は、この時の樹脂の配向方向を示したものである。図3(b)において、光学面4から中心部に向けて樹脂が配向されることがわかる。これにより、fθレンズをレーザーが透過する方向において、複屈折の影響が小さくなり、光学性能が向上する。それに対し、比較例として、図3(a)に、機能駒と側面駒の温度をいずれも使用樹脂材料のガラス転移温度Tgより低い温度として、通常の射出成形を行った際の金型内に射出された樹脂の配向方向を矢印で示した。通常の射出成形においては、レンズ肉厚よりも副走査方向幅の方が小さいレンズの場合、冷却は表面積の大きい側面方向を主として進むため、主として光軸とは直交方向に冷却が進んでしまい、樹脂の配向もこの方向にならってしまい、複屈折の影響を受けやすい。また、側面駒の温度がTgとなったときの機能駒の温度が(Tg−5)℃よりも高い場合、成形品のレンズ高さがレンズ肉厚よりも小さい薄型レンズでは、光軸方向から見た複屈折を十分に低減させることができないことが実験よりわかった。側面駒の温度がTgとなったときの機能駒の温度が(Tg−30)℃未満である場合は、機能駒と側面駒に温度差がつき過ぎてしまっている。そのためその後の冷却過程で、側面駒の付近の冷却速度が機能駒付近の冷却速度に比べて速くなってしまい、内部の屈折率分布がつき過ぎてしてしまう。これを避ける為には、金型全体をゆっくり冷却しなければならず、成形サイクルが長くなり、成形コストが高くなるという問題が発生する。
(光学素子を金型から取り出す工程)
その後、十分に金型内で冷却した後、時間cで光学素子を金型から取り出すことにより光学面の形状精度を崩すことなく離型することができる。また、金型から光学素子を取り出す際、機能駒9、10と側面駒11の温度差が10℃以下の状態で取り出すようにすると、一段と光学面の形状精度が向上することがわかった。これは以下のような理由によるものと考えられる。図4(b)は成形品を取り出すために金型を開いた状態を示している。この図に示したとおり、型開き中は側面駒11が金型のほかの部位と接触する面積が減少する。金型のほかの部位は温度調節水管14により温度を制御されているが、側面駒11は金型が開いている間、金型のほかの部位と接触する面積が減少しているため温度調節水管14より受ける制御の影響が小さくなる。よって、予め金型が開く時間cの段階で機能駒と側面駒の温度差を10℃以下にしておくことで、温度調節水管14から受ける影響を小さくすることができる。結果として再現性のよりよい成形を実現することができるため、光学面の形状精度も一段と向上する。また、成形品を金型から取り出す際には機能駒と側面駒の温度差を10℃以下とすることにより、型開閉に伴う各金型部材の温度変化を抑えることができる。各金型部材の温度が安定するまで待つ時間を設けなくとも安定した成形を行うことが可能となる。また、図1の実施形態においては、金型温度にあまり差がない状態で成形品を取り出すことができるので、次のサイクルに向けて金型温度の調整時間が短くて済み、必要以上にサイクルが長くなることを抑制し低コストでの成形が可能となる。
(第二の実施形態)
次に、本発明の第二の実施形態における光学素子の成形方法について説明する。上記第一の実施形態と同一部分はその説明を省略する。
第一の実施形態との違いは、溶融樹脂を射出充填する工程に関するものである。第一の実施形態においては、第二の温度調節手段に通電し加熱し始めるタイミングを、充填と同時に行なう場合について記載したが、図1(b)に示すように充填の前でもよい。図1(a)同様、図1(b)において、1は機能駒の温度履歴、2は側面駒の温度履歴を示す。aは金型(キャビティ)内に樹脂が射出充填された時間を示す。bは、金型が冷却され、側面駒11の温度が再びTgとなる時間を示す。cは金型が開く時間を示す。図1(b)に示す第二の実施形態においては、側面駒の温度が予めTg以上になるように加熱してある。この実施形態によれば予め側面駒を加熱するために時間を要するが、機能駒、側面駒の温度が安定した状態で樹脂をキャビティ内に射出できるため、より安定性に優れた成形を行うことが可能となる。
(第三の実施形態)
次に、本発明の第三の実施形態における光学素子の成形方法について説明する。上記第一の実施形態及び第二の実施形態と同一部分はその説明を省略する。
本実施形態における第一の実施形態との違いは、溶融樹脂を射出充填する工程および金型を冷却する工程に関するものである。本実施形態においてはまず、光学素子の光学面を形成するための機能駒9、10と、側面を形成する側面駒11を(Tg−10)℃以上に加熱した状態で、機能駒と側面駒とに囲まれた空間である前記キャビティ15に、溶融樹脂を射出充填する。本実施形態における金型の温度変化を図1(c)に示す。第二の実施形態との違いは、第二の実施形態においては、金型内に樹脂が射出充填される時間aの時点で、機能駒と側面駒の間に温度差が発生しているが、本実施形態では、機能駒も側面駒もその温度が(Tg−10)℃以上でありかつ温度差がほとんどない。このように、射出充填時の機能駒および側面駒の金型温度を(Tg−10)℃以上に保つ。これにより、溶融樹脂表面のみが急速に冷やされることによる表面に形成される変質層(スキン層)の形成を防ぐことができ、微細形状をより高精度に転写することが可能となる。充填と同時に側面駒11に備えた第二の温度調節手段12を用いて側面駒11を加熱し、少なくとも側面駒11の温度を第二の温度調節手段12の熱により上昇させTg以上に加熱する。
本実施形態においては、光学素子の光学面を形成するための機能駒9、10と、側面を形成する側面駒11を(Tg−10)℃以上に加熱した状態で、キャビティ15に、溶融樹脂を射出充填する例を記載した。しかし、図1(d)に示すように、機能駒および側面駒の金型温度をTg以上に加熱した状態で、キャビティ15に溶融樹脂を射出充填する方がより好ましい。これにより、スキン層の形成を確実に阻止することができる。
次に、樹脂を射出充填し保圧工程が完了した後、機能駒9、10から優先的に冷却する。図1(d)、図(e)においてdは保圧工程が完了した時間を指す。第一の温度調節手段14の温度を低下させることにより金型全体を冷却し始めると同時に第二の温度調節手段12により側面駒を加熱することにより、側面駒の温度を低下させずに機能駒のみ冷却する。その後第二の温度調節手段12への通電を停止する、もしくは電力量を減らすことにより側面駒11を冷却し始める。側面駒11の温度がTgとなる時間bのときに鏡面駒9、10の温度が(Tg−30)以上(Tg−5)以下となるように第一の温度調節手段14によって金型温度を制御する。例えば使用樹脂材料のガラス転移温度Tg=137℃である場合は107℃以上137℃未満に金型温度を制御する。あるいは側面駒に設けた第二の温度調節手段の代わりに、機能駒に別の温度調節手段を設け機能駒のみを冷却することもできる。この場合、時間dにおいて別の温度調節手段によって機能駒の冷却を開始し、その後第一の温度調節手段によって金型全体を冷却することにより側面駒の冷却を開始する。また、機能駒9、10を優先的に冷却するタイミングは図1(e)に示したように、保圧工程完了前、つまり、射出充填が完了した後でもよい。この場合、冷却を早いタイミングで始められるため生産性が上がるという利点があるが、保圧工程完了後に冷却を開始する場合のほうが転写性は優れる。
その後、十分に金型を冷却し成形品を金型から取り出すことで、微細形状を転写し、かつ複屈折の小さい良好な光学素子を得ることができる。
本実施形態によれば、射出充填前に機能駒をTg以上に加熱するほうが転写性にすぐれる。しかし、(Tg−10)℃以上であれば十分な転写性を得られるとともに、射出充填時の金型温度を低く設定できるため、より生産性の優れる製造方法を提供することができる。
(光学素子)
次に、本発明の光学素子について説明する。
(第四の実施形態)
本発明の光学素子の一例について、第四の実施形態として説明する。図2(a)は前述したように、本発明の光学素子の一例であるfθレンズ3の斜視図を示す。X方向のレンズ肉厚よりもZ方向のレンズ肉厚の方が小さく、Y方向に長手の光学面を有する。fθレンズ3は、例えば、レーザービームプリンタのスキャナユニットに使用されるレンズであり、ポリゴンミラー等の光偏向器によって偏向されたレーザーを感光ドラム上に等速走査させつつ結像させるレンズである。4は光線が透過する光学面、5は光学面と隣接する非光学面、すなわち側面である。光学面には、光学有効領域(画像形成に有効な光線が通過する領域)と非光学有効領域(画像形成に有効でない光線が通過する領域)が存在する。レーザーは、光学面4の光学有効領域から、ある光束径を持って入射し、光軸方向(X軸方向)にレンズを透過して、感光ドラム上に、あるスポット径で結像する。本発明の光学素子であると、そのスポット径は、変形も回転も肥大もなく、優れた光学性能が得られる。具体的には、光軸方向から見た光学有効領域内における複屈折の主軸角差が20度以下であると、複屈折の影響を最小限に抑えることができ、スポットの肥大化を防ぐことができることを本願発明者は見出した。本明細書において、主軸とは、樹脂の配向の方向である複屈折の方向のことを言い、主軸角差とは、光学有効領域内における、最大の主軸方向の角差のことを言う。加えて、前記光軸方向から見た光学有効領域内における複屈折の主軸角差が、側面方向から見た複屈折の主軸角差よりも小さいことも複屈折の影響を最小限に抑えるためには必要である。これは、レンズとして機能するZ軸方向の幅、すなわち光学有効領域内において樹脂の配向の方向である、複屈折の方向が大きく異なるような場合に、複屈折による異常光が大きく発生してしまうためであると考えられる。複屈折はプラスチックの高分子鎖の配向や内部応力によって引き起こされ、射出成形においては、高分子鎖の配向は射出流動時のせん断応力や冷却時の熱応力によって発生する。しかし薄肉成形品とは異なり、fθレンズのような厚肉成型品の場合、射出流動時のせん断応力の影響は小さいため、主に熱応力によって配向が決定され、この配向の方向によって複屈折の方向、すなわち主軸が決まるためであると考えられる。また、主軸は樹脂温度がTg以上であれば熱応力によって方向が変わるが、Tg以下においては熱応力を受けてもその方向は変わらないため、側面駒の金型温度をTg以上に上げておくことが必要である。
次に、本発明を適用した成形品の配向の様子と主軸角差を図6、図7を用いて具体的に説明する。図6において、図6(a)は本発明による成形品を光軸方向から観察した図、図6(b)はそれを側面方向から観察した図である。図6(a)のように、本発明の光学素子では光軸と同じ方向、すなわち紙面上から下方向に樹脂が配向する。図6(b)のように側面方向から観察するとレンズの外形形状に従って配向している様子がわかる。
次に本発明の光学素子の主軸角差を光軸方向、側面方向それぞれから観察した結果を図7(a)に示す。主軸方向は平行ニコル回転法によって求められる。具体的には試料の上下に偏光板を置き、単一波長光束を照射する。この状態で上下の偏光板を平行ニコルの状態に保ちつつ回転させる。このときの光束照射側とは反対側における透過光強度の角度依存性を調べることにより主軸方向を求めることができる。このような測定を行うには例えば王子計測機器社製位相差測定装置KOBRA(商標登録未確認)シリーズなどを用いることができる。主軸角差を求めるには上記のようにして得られた、副走査方向光学有効域内における最大の主軸方向の角差を取ればよい。横軸は成形品長手方向位置、縦軸は主軸角差を表し、光束径と同じ幅の主軸角差を光軸方向、側面方向それぞれから観察した結果である。本発明の光学素子の主軸角差を観察方向で比較すると、光軸方向から観察した主軸角差の方が側面方向から観察したものよりも小さくなっており、かつ20度以下となっていることがわかる。すなわち、本発明の適用によって樹脂の配向方向を変化させ、fθレンズ中をレーザーが透過する際の複屈折の影響が小さいレンズが得られることがわかる。
(第五の実施形態)
本発明の光学素子の一例について、第五の実施形態として説明する。上記第四の実施形態と同一部分はその説明を省略する。
図2(b)は、本発明の光学素子の一例であるfθレンズ3の斜視図を示す。第四の実施形態で説明したfθレンズとの違いは、対向する機能面4のうちのどちらか一面もしくは両面には回折格子や微細突起形状などの微細形状が設けられていることである。回折格子は収差の低減を、微細突起形状は反射防止を目的に設けられることが多いが、その転写が不十分である場合、それぞれの目的において支障を来す。特に本発明の第3の実施形態に示す成形方法を用いると、その転写性は十分確保され、それぞれの目的を達成することができる。
図7(b)は本発明によって得られた光学素子の主軸角差と機能駒と側面駒の温度をいずれもTgより低い温度として、通常の射出成形を行った際の主軸角差(従来技術として図示)を比較した図である。横軸は成形品長手方向位置、縦軸は主軸角差を表し、光学有効領域における主軸角差を比較している。従来技術による光学素子の主軸角差は最大で20度以上であるのに対し、本発明による光学素子の主軸角差は20度以下であることがわかる。すなわち、本発明の適用によって樹脂の配向方向をより光軸方向に変化させ、fθレンズ中をレーザーが透過する際の複屈折の影響が小さいレンズが得られることがわかる。
(実施例1)
図1(a)に示した金型温度履歴で光学素子を成形した。樹脂材料として、Tgが137℃である日本ゼオン社製ZEONEX(登録商標) E48Rを用いた。
金型の冷却中、側面駒の温度がTgとなったとき(図1における時間b)の機能駒の温度が、107℃、127℃、及び132℃になるように調整して、それぞれ成形を行ない、得られた光学素子の複屈折の主軸角差、屈折率分布を測定した。機能駒の温度はカートリッジヒーターからの熱と温調水管の温度がバランスして時間bにおいて前記温度となるように温調水管の温度を調節した。
(比較例1)
金型の冷却中、側面駒の温度がTgとなったとき(図1における時間b)の機能駒の温度が、97℃及び134℃になるように調整して、それぞれ成形を行なった以外は、実施例1同様の方法で成形を行った。
(実施例1と比較例1の比較)
実施例1及び比較例1の側面駒の温度がTgになった時の機能駒の温度が異なる光学素子それぞれについて、複屈折の主軸角差と屈折率分布の関係を表1に示した。
以上のように、側面駒の温度がTgとなった時間bにおける機能駒の温度が132℃以上となると主軸角差が20度より大きくなってしまい、実際にレーザーを透過させた際のスポット肥大が顕著となった。図5(a)は複屈折が大きい機能駒温度134℃の条件で成形したレンズを用いて結像させたスポット画像を示している。図5(b)は複屈折が小さい機能駒温度127℃の条件で成形したレンズを用いて結像させたスポット画像を示している。図5(a)に見られるように、複屈折が大きくなったことにより発生した異常光の影響によりスポットの形状が変形しスポット径も大きくなった。
また時間bにおける機能駒の温度が107℃未満となった場合には、屈折率分布が大きくなってしまい、時間経過によるピント位置の移動量が大きなってしまった。
(実施例2)
金型の冷却中、側面駒の温度がTgとなったとき(図1における時間b)の機能駒の温度を、127℃とし、実施例1同様の方法で成形を行なった。離型時(図1における時間c)における機能駒と側面駒の温度差を、5℃及び10℃に調整して、それぞれ得られた光学素子の成形ばらつきの関係を測定した。機能駒と側面駒の温度差はカートリッジヒーターへの電力供給量や通電を止めるタイミングを調節して、前記温度差となるようにした。
(比較例2)
機能駒と側面駒の温度差が、15℃となるように離型した以外は、実施例2同様の方法で成形を行なった。
(実施例2と比較例2の比較)
実施例2及び比較例2の離型時(図1における時間c)における機能駒と側面駒の温度差が異なる光学素子それぞれについて、成形ばらつきの関係を表2に示した。
以上のように、時間cにおける機能駒と側面駒の温度差が10℃よりも大きくなると成形品の形状ばらつきが大きくなり、各ショットごとのスポット位置がばらつくことがわかった。
ここで成形した複屈折、屈折率分布、成形ばらつきが小さいレンズはレーザービームが感光体上にスポットする際に、複屈折の影響によってスポット径の肥大を招くことなく良好なスポットを実現することができた。よって走査光学系の光学性能としては十分満足できるものであった。
(実施例3)
樹脂材料に、Tgが131℃であるJSR社製ARTON(登録商標) D4531を用いた以外は、実施例1同様の方法で成形し、それぞれ得られた光学素子の複屈折の主軸角差、屈折率分布を測定した。
(比較例3)
樹脂材料に、Tgが131℃であるJSR社製ARTON(登録商標) D4531を用いた以外は、比較例1同様の方法で成形し、それぞれ得られた光学素子の複屈折の主軸角差、屈折率分布を測定した。
(実施例3と比較例3の比較)
実施例3及び比較例3の側面駒の温度がTgになった時の機能駒の温度が異なる光学素子それぞれについて、複屈折の主軸角差と屈折率分布の関係を表3に示した。
以上のように、側面駒の温度がTgとなった時間bにおける機能駒の温度が126℃以上となると複屈折が大きくなってしまった。複屈折が大きくなったことにより発生した異常光の影響によりスポットの形状が変形しスポット径も大きくなった。
また時間bにおける機能駒の温度が101℃未満となった場合には、屈折率分布が大きくなってしまい、時間経過によるピント位置の移動量が大きなってしまった。
(実施例4)
金型の冷却中、側面駒の温度がTgとなったとき(図1における時間b)の機能駒の温度を、121℃とし、実施例3同様の方法で成形を行なった。離型時(図1における時間c)における機能駒と側面駒の温度差を、5℃及び10℃に調整して、それぞれ得られた光学素子の成形ばらつきの関係を測定した。
(比較例4)
機能駒と側面駒の温度差が、15℃となるように離型した以外は、実施例4同様の方法で成形を行なった。
(実施例4と比較例4の比較)
実施例4及び比較例4の離型時(図1における時間c)における機能駒と側面駒の温度差が異なる光学素子それぞれについて、成形ばらつきの関係を表4に示した。
以上のように、時間cにおける機能駒と側面駒の温度差が10℃よりも大きくなると成形品の形状ばらつきが大きくなり、各ショットごとのスポット位置がばらつくことが多くなることがわかった。
ここで成形した複屈折、屈折率分布、成形ばらつきが小さいレンズはレーザービームが感光体上にスポットする際に、複屈折の影響によってスポット径の肥大を招くことなく良好なスポットを実現することができた。よって走査光学系の光学性能としては十分満足できるものであった。
(実施例5)
図1(d)に示した金型温度履歴で光学面の一面に反射防止のために微細突起形状を有する光学素子を成形した。微細突起形状を形成するために、機能駒表面には径200nm、深さ800nmの穴を全面に設けておく。樹脂材料として、Tgが137℃である日本ゼオン社製ZEONEX(登録商標) E48Rを用いた。射出充填前(図1における時間a)の機能駒の温度が130℃となるように調整し、かつ金型の冷却中、側面駒の温度がTgとなったとき(図1(d)における時間b)の鏡面駒の温度が、132℃になるように調整して、成形を行った。得られた光学素子の微細突起形状の格子高さ、複屈折の主軸角差および屈折率分布を測定した。機能駒の温度は温調水管の温度を低下させることにより冷却を開始し、同時にカートリッジヒーターによって側面駒を加熱することで側面駒の冷却を遅らせた。またカートリッジヒーターからの熱と温調水管の温度がバランスして時間bにおいて前記温度となるように温調水管の温度を調節した。
(実施例6)
射出充填前(図1における時間a)の機能駒の温度が140℃になるように調整し、かつ金型の冷却中、側面駒の温度がTgとなったとき(図1(d)における時間b)の鏡面駒の温度が、それぞれ107℃、127℃、132℃になるように調整した。それ以外は、実施例5と同様の方法で成形を行なった。
(比較例5)
射出充填前(図1における時間a)の機能駒の温度が120℃になるように調整した以外は、実施例5と同様の方法で成形を行なった。
(比較例6)
射出充填前(図1における時間a)の機能駒の温度が140℃になるように調整し、かつ金型の冷却中、側面駒の温度がTgとなったとき(図1(d)における時間b)の鏡面駒の温度が、それぞれ97℃及び134℃になるように調整した。それ以外は、実施例5と同様の方法で成形を行なった。
(実施例5、6、比較例5の比較)
側面駒の温度がTgとなったとき(図1(d)における時間b)の鏡面駒の温度が、132℃となるように成形した時の、射出充填前の機能駒の温度が異なる光学素子それぞれの突起高さを表5に示した。
以上のように、射出充填前の機能駒の温度が127℃未満となると格子高さが極端に低くなってしまい、十分な反射防止機能を発揮しなかった。また射出充填前の機能駒温度が130℃の場合でも十分な転写性が得られていることが分かるが、射出充填前の機能駒温度を140℃とすることでさらに良好な転写性が得られていることが分かった。
(実施例6と比較例6の比較)
射出充填前(図1における時間a)の機能駒の温度が140℃になるように調整し、かつ側面駒の温度がTgになった時(図1(d)の時間b)の機能駒の温度が異なる光学素子それぞれについて、複屈折の主軸角差と屈折率分布の関係を表6に示した。
以上のように、側面駒の温度がTgとなった時間cにおける機能駒の温度が132℃より大きくなると主軸角差が20度より大きくなってしまい、実際にレーザーを透過させた際のスポット肥大が顕著となった。複屈折が大きくなったことにより発生した異常光の影響によりスポットの形状が変形しスポット径も大きくなってしまった。
また時間bにおける機能駒の温度が107℃未満となった場合には、屈折率分布が大きくなってしまい、時間経過によるピント位置の移動量が大きなってしまった。
(実施例7)
図1(c)に示した金型温度履歴で光学面の一面に収差低減のために回折格子形状を有する光学素子を成形した。樹脂材料として、Tgが131℃であるJSR社製ARTON(登録商標) D4531を用いた。射出充填前(図1(c)における時間a)の機能駒の温度が124℃となるように調整し、かつ金型の冷却中、側面駒の温度がTgとなったとき(図1(c)における時間b)の鏡面駒の温度が128℃になるように調整して、成形を行った。得られた光学素子の微細突起形状の格子高さ、複屈折の主軸角差および屈折率分布を測定した。温調水管の温度を124℃に設定し、射出充填と同時にカートリッジヒーターによって側面駒をTg以上に加熱した。その後、カートリッジヒーターへの通電を停止し時間bにおける昨日駒の温度が前記温度となるように温調水管の温度を調節した。
(比較例7)
射出充填前(図1(c)における時間a)の機能駒の温度が114℃となるように調整すること、および温調水管の温度を114℃に設定すること以外は実施例7と同様の方法で成形を行なった。
(実施例7と比較例7の対比)
射出充填前の機能駒の温度が異なる光学素子それぞれの格子形状の稜線の有無を表7に示した。
以上のように、射出充填前の機能駒の温度が121℃未満となると格子形状を転写することが不可能となり稜線が確認できなかった。図8(a)は機能駒温度を124℃としたときの格子形状の転写の模様を拡大して示したものであり、図8(b)は機能駒温度を114℃としたときの格子形状の転写の模様を拡大して示したものである。図8(a)では格子形状の山の部分まで転写し稜線が確認できるのに対し、図8
(b)では転写が不十分であるため稜線が確認できないことがわかる。
本実施例によれば、第一の温調手段として温調水管を一定温度に保ち、第二の温調手段として側面駒に設けたカートリッジヒーターの温度を成形中に調節するだけでよいので、簡便な装置構成で実現することが可能となる。
ここで成形した複屈折、屈折率分布が小さいレンズはレーザービームが感光体上にスポットする際に、複屈折の影響によってスポット径の肥大を招くことなく良好なスポットを実現することができた。さらに格子形状の転写性がよかったレンズは環境温度の変動などによって生じる収差などが小さく良好な光学性能を維持することができた。よって走査光学系の光学性能としては十分満足できるものであった。
1 機能駒の温度履歴
2 側面駒の温度履歴
3 プラスチック光学素子
4 光学面
5 側面
6 射出成形用金型
7 固定側金型
8 可動側金型
9 固定側機能駒
10 可動側機能駒
11 側面駒
12 カートリッジヒーター
13 側面駒温度制御用センサー
14 温度調節水管
15 レンズキャビティ

Claims (7)

  1. 光学面を形成する機能駒と、前記光学面と隣接する側面を形成する側面駒と、を有する金型を用いて光学素子を成形する光学素子の製造方法であって、
    前記機能駒と前記側面駒とに囲まれた空間である前記金型のキャビティに、樹脂を射出し充填する射出充填工程と、
    前記金型を冷却し、前記キャビティに充填された樹脂を冷却する金型冷却工程と、
    前記冷却された樹脂を前記金型から取り出す工程と、を有し、
    前記金型冷却工程において、前記側面駒の温度がTgまで冷却された時、前記機能駒の温度が(Tg−30)℃以上(Tg−5)℃以下となるように前記金型を冷却することを特徴とする光学素子の製造方法。
  2. 前記射出充填工程における前記側面駒は、前記樹脂のガラス転移温度Tgより高い温度に加熱されていることを特徴とする請求項1記載の光学素子の製造方法。
  3. 前記射出充填工程における前記樹脂を射出する時の前記機能駒の温度は、(Tg−10)℃以上であることを特徴とする請求項1または2記載の光学素子の製造方法。
  4. 前記射出充填工程における前記樹脂を射出する時の前記機能駒の温度は、Tg以上であることを特徴とする請求項1または2記載の光学素子の製造方法。
  5. 前記射出充填工程は、保圧工程を含み、前記保圧工程完了まで、前記機能駒の温度はTg以上であることを特徴とする請求項4記載の光学素子の製造方法。
  6. 前記金型から取り出す工程は、前記機能駒と前記側面駒の温度差が10℃以下となった時、前記金型から前記樹脂を取り出すことを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の光学素子の製造方法。
  7. 請求項1乃至6いずれか一項記載の光学素子の製造方法を用いて製造された光学素子であって、
    光軸方向の肉厚よりも副走査方向の肉厚の方が小さく、前記副走査方向よりも主走査方向に長い光学面を有し、
    前記光軸方向から見た光学有効領域内における複屈折の主軸角差が20度以下であって、かつ、前記光軸方向から見た前記光学有効領域内における複屈折の主軸角差は、側面方向から見た複屈折の主軸角差よりも小さいことを特徴とする光学素子。
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