JPH09193257A - レンズの成形方法及び成形型及びレンズ及び走査光学系 - Google Patents

レンズの成形方法及び成形型及びレンズ及び走査光学系

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JPH09193257A
JPH09193257A JP656296A JP656296A JPH09193257A JP H09193257 A JPH09193257 A JP H09193257A JP 656296 A JP656296 A JP 656296A JP 656296 A JP656296 A JP 656296A JP H09193257 A JPH09193257 A JP H09193257A
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lens
molding
optical system
cooling
mold
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Hiroshi Nakanishi
弘 中西
Yukihisa Baba
幸久 馬場
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Abstract

(57)【要約】 【課題】レーザの偏光方向に対して問題となる角度をも
った配向及び熱応力を少なくして、スポットの形状を良
好にするレンズの成形方法を提供する。 【解決手段】走査光学系に使用されるレンズの成形方法
であって、レンズの素材を成形金型3,4,7,8内で所
望の形状に成形する際、素材の冷却時にレンズの走査方
向に対して略直交する方向に固化が進行するように冷却
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレンズの成形方法、
及びその成形に使用される型、及びその成形方法により
成形されたレンズ、及びそのレンズを組み込んだ走査光
学系に関するものである。
【0002】
【従来の技術】走査光学系に使用されるレンズとして
は、図11に示す様に半導体レーザー101と回転多面
鏡104の間に配置されるコリメータレンズ102、シ
リンドリカルレンズ103や、回転多面鏡104とドラ
ム110の間に配置されるfθレンズを構成する球面レ
ンズ105、トーリックレンズ106などがある。な
お、走査光学系にはシリンドリカルレンズを回転多面鏡
104とドラム110の間に配置する例もある。
【0003】従来、これらのレンズには、ガラスを材料
とする研磨レンズが使用されていたが、近年、コストダ
ウンや光学性能の向上の目的で、非球面形状が容易に作
れる成形によりプラスチックモールドレンズ(射出成形
または射出圧縮成形または圧縮成形により成形)やガラ
スモールドレンズ(プレス成形または射出成形により成
形)を製造し、使用する傾向にある。
【0004】また、プラスチックモールドレンズでは従
来よりアクリル(PMMA)樹脂が用いられているが、
最近になって吸湿時のピント変動の問題に対する対策と
して、アクリル樹脂より吸湿性の低いポリカーボネート
樹脂やオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂が用いられる
様になってきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例の様に、プラスチックまたはガラスの成形によりレ
ンズを製作する場合、成形時の冷却過程における熱応力
及び配向によりレンズ内に複屈折が発生し、スポット形
状を肥大化させるという問題がある。また、プラスチッ
クモールド成形の場合、アクリル樹脂以外(たとえばポ
リカーボネート樹脂やオレフィン系樹脂、スチレン系樹
脂)を使用した場合、分子構造上から、レンズの複屈折
がさらに大きく発生するという問題がある。
【0006】この問題点について、図5に示すようなト
ーリックレンズ11を成形する場合を例に挙げて詳しく
説明する。トーリックレンズ11は、図11に示す走査
光学系の中の106にあたるものである。図5におい
て、13,14はレンズの光学面であり、12は光学面
としては機能しないレンズの側面である。また、X軸方
向を光軸方向、Y軸方向を主走査方向、Z軸方向を副走
査方向と呼ぶ。一点鎖線b1〜b2の間が使用される光
学領域(レーザービームが走査される領域)であり、こ
のレンズは主走査方向のレンズ全長が100mmであ
る。
【0007】図5のレンズを真上すなわちZ軸方向から
見た図が図6で、レンズの中心で最も厚肉のところを横
切るC−C断面の形状を示したものが図7(a)であ
る。ここで光軸方向の厚みd3は15mmである。使用
される光学領域中の両端付近の最も薄肉のところを光軸
方向に平行にカットしたD−D断面の形状を示したもの
が図7(b)で、ここで光軸方向の厚みd4は5mmで
ある。また副走査方向のレンズ高さh2は10mmであ
る。
【0008】ところで、このレンズをプラスチックモー
ルドあるいはガラスモールドにより成形する場合、型の
中に入ったプラスチック材料(あるいはガラス材料)
は、型の中に入った(射出した)初期は型の温度より高
い。そして、そのプラスチック(あるいはガラス)の熱
は次第に型にうばわれていって、プラスチック(あるい
はガラス)は型に接している所から徐々に冷却固化して
いく。レンズの厚肉の所の内部は最後に冷却固化してい
くのであるが、プラスチック(あるいはガラス)は冷却
していくにつれて収縮していくので、その収縮時に、表
面層付近のすでに冷却固化してしまったプラスチック
(あるいはガラス)を内部に引き寄せようとする。この
ときプラスチック(あるいはガラス)の分子(あるいは
原子)は内部に向かって並ぼうとする。これが配向であ
る。また、冷却固化してしまったレンズの表層付近に
は、この内部収縮によりストレスが発生する。これが熱
応力である。
【0009】図6、図7(a)、図7(b)にその配向
及び熱応力の発生の様子を矢印で記入してある。この熱
応力の向きはレンズの肉厚の変化するところ、具体的に
は図6におけるC−C断面とD−D断面の中間の所で、
図6に示した様に光軸方向に対し斜めの向きとなる。半
導体レーザの偏光方向は一般に主走査方向か副走査方向
であるので、この偏光方向に対し、配向及び熱応力方向
が0度か90度でなくて傾きをもつ場合、その角度と熱
応力の大きさに比例して、レンズ内には複屈折が観察さ
れる。
【0010】図8は図10の様にしてレンズ内の複屈折
をX軸方向から観察した結果である。図10において、
21は光源、22,23は偏光板、24はレンズ、25
は目(=観察位置)であり、偏光板22,23の偏光軸
の向きはレンズの主走査方向と副走査方向にあわせてク
ロスニコルの状態にしてある。図8において白地のとこ
ろは複屈折が比較的少なくΔnが10-6オーダーである
が、斜線をひいて示したところは複屈折が大きく観察さ
れるところでΔnが10-5オーダーである。図8に示す
様にレンズの厚肉部(中央部)と薄肉部(周辺部)にお
いては偏光軸の向きとレンズ内の配向及び熱応力の向き
が一致あるいは90度の角度をもっているので、複屈折
は少なく見えるが、厚肉部と薄肉部の中間のところ、す
なわち図8において15で示す位置では、配向及び熱応
力の向きが偏光軸の向きに対し傾きを持っているので、
斜線で示す所に複屈折が多く発生する。
【0011】図9は、図8の15で示す位置を通過した
レーザのスポット形状を示したものであるが、本来、破
線の様にほぼ円形状をしていなければならないものが、
複屈折の影響をうけて副走査方向に長い楕円形状とな
り、光量も落ちて、シャープさにかけるスポットとなっ
てしまう。
【0012】従って、本発明は上述した課題に鑑みてな
されたものであり、その第1の目的は、レーザの偏光方
向に対して問題となる角度をもった配向及び熱応力を少
なくして、スポットの形状を良好にするレンズの成形方
法を提供することである。
【0013】また、本発明の第2の目的は、スポットの
形状の良好なレンズを成形するときに用いる成形型を提
供することである。
【0014】また、本発明の第3の目的は、光学性能の
すぐれた走査光学系を提供する事である。
【0015】さらに、本発明の第4の目的は、スポット
形状が良好で且つ吸湿時におけるピント変動の少ない光
学性能のすぐれたレンズを提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決し目
的を達成するために、本発明に係わるレンズの成形方法
は、走査光学系に使用されるレンズの成形方法であっ
て、前記レンズの素材を成形金型内で所望の形状に成形
する際、前記素材の冷却時に前記レンズの走査方向に対
して略直交する方向に固化が進行するように冷却するこ
とを特徴としている。
【0017】また、この発明に係わるレンズの成形方法
において、前記レンズの素材はプラスチックであること
を特徴としている。
【0018】また、この発明に係わるレンズの成形方法
において、前記プラスチックは、ポリカーボネート樹脂
または変性ポリカーボネート系樹脂であることを特徴と
している。
【0019】また、この発明に係わるレンズの成形方法
において、前記プラスチックは、ノルボルネン樹脂また
はオレフィン系樹脂であることを特徴としている。
【0020】また、この発明に係わるレンズの成形方法
において、前記プラスチックは、スチレン系樹脂である
ことを特徴としている。
【0021】また、この発明に係わるレンズの成形方法
において、前記レンズの素材はガラスであることを特徴
としている。
【0022】また、本発明に係わるレンズの成形型は、
走査光学系に使用されるレンズを成形するための成形型
であって、前記レンズの光学面を成形するための鏡面部
を有する一対の鏡面駒と、前記レンズの光学面以外の側
面を成形するための型部材と、前記鏡面駒に設けられた
第1の温調手段と、前記型部材に設けられた第2の温調
手段とを具備し、前記第2の温調手段は、前記第1の温
調手段よりも低い温度で前記型部材の温度を調節するこ
とを特徴としている。
【0023】また、本発明に係わるレンズの成形型は、
走査光学系に使用されるレンズを成形するための成形型
であって、前記レンズの光学面を成形するための鏡面部
を有する一対の鏡面駒と、前記レンズの光学面以外の側
面を成形するための型部材とを具備し、前記型部材は、
前記一対の鏡面駒の材料よりも熱伝導率の大きい材料か
ら形成されていることを特徴としている。
【0024】また、本発明に係わるレンズは、走査光学
系に使用されるレンズであって、前記レンズの素材を成
形金型内で所望の形状に成形する際、前記素材の冷却時
に前記レンズの走査方向に対して略直交する方向に固化
が進行するように冷却して成形されたことを特徴として
いる。
【0025】また、本発明に係わる走査光学系は、レン
ズの素材を成形金型内で所望の形状に成形する際、前記
素材の冷却時に前記レンズの走査方向に対して略直交す
る方向に固化が進行するように冷却して成形したレンズ
を組み込んだことを特徴としている。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0027】図1は、図2に示した走査光学系に使用さ
れるレンズ11をプラスチックモールド成形するときに
用いる型の主要部を、図2におけるA−A断面で表した
ものである。
【0028】なお、このレンズ11は図11に示す走査
光学系の全体図の中のトーリックレンズ106である。
ここではトーリックレンズ106について説明するが、
以下の説明はコリメータレンズ102、シリンドリカル
レンズ103、球面レンズ105でも同じ走査光学系の
レンズなので、同様にあてはまるものである。また、走
査光学系も図11に示す形態だけのものではなく、中に
はシリンドリカルレンズが回転多面鏡104とドラム1
10の間に配置されるものもあり、この様なシリンドリ
カルレンズにおいても適用可能であることは言うまでも
ない。また、本発明は、本発明を用いて成形されたレン
ズを組み込んだ図11のような構成の走査光学系を含む
ものである。
【0029】図1及び図2において、1は固定側鏡面
駒、2は可動側鏡面駒、3は固定側型部材、4は可動側
型部材であり、固定側鏡面駒1、可動側鏡面駒2、及び
可動側型部材4で囲まれたキャビティ5の中に、溶融さ
れた樹脂が成形機のノズル(図示せず)からスプルー2
6、ランナー27、ゲート28を通って射出され、その
後冷却固化されて型から取り出され、レンズ11となる
わけである。
【0030】固定側鏡面駒1は、鏡面に研磨された面9
を有し、また、可動側鏡面駒2も同様に鏡面に研磨され
た面10を有し、それらの面を成形時に成形素材に転写
することによって、レンズ11の光学面13及び14を
形成する。固定側鏡面駒1及び可動側鏡面駒2の中には
それぞれ温調手段としてヒーター7,8が埋め込まれて
おり、可動側型部材4の中には別の温調手段として、水
管6が形成されている。また、固定側型部材3及び可動
側型部材4内にも水管29,30が配置されている。ヒ
ーター7,8はヒーターコントローラ(図示せず)によ
ってコントロールされ、また水管6,29,30に流れる
温調媒体もそれぞれ金型温調機(図示せず)によってコ
ントロールされる。
【0031】具体的には、例えばポリカーボネート樹脂
を用いた成形においては、ヒータ7,8の設定温度は1
40℃、また水管6に流れる温調媒体の温度は100℃
に制御される(従来例では、鏡面駒及び型部材は、とも
に120℃の均一温度に設定されていた)。この様にキ
ャビティ5の周辺に温度分布をつけると、キャビティ5
内に射出された樹脂の冷却は、温度の低い可動側型部材
4の中の水管6を流れる媒体によって支配的におこなわ
れる様になる。つまり、レンズ11でいう所の副走査方
向に沿う方向、すなわち側面12からレンズの内部に向
かう方向の冷却が支配的となる。従って、キャビティ5
の中の樹脂は高さが略等しい副走査方向からごく周辺部
を除いて略一様に冷却されるため、図6に示した様な、
光軸方向の厚みの違いによる厚肉部の冷却収縮に伴って
発生するレンズ中央部へ向かう配向及び熱応力は低減さ
れ、無視できるレベルとなる。
【0032】従って主走査方向の使用される光学領域b
1〜b2において、レンズ内の配向及び熱応力の向きは
副走査方向にほぼそろうことになり、半導体レーザの偏
光方向(一般に主走査方向か副走査方向)に対し、角度
はほぼ0度か90度となる。
【0033】そのため、図8に示す従来の場合と異な
り、本実施形態では図4に示すように複屈折が発生して
いる領域がごく周辺部のみとなって、使用される光学領
域においては、複屈折は問題ないレベルとなる。そし
て、レーザのスポット形状を肥大化させることもなく、
光学性能のすぐれたレンズとなるのである。ここで図4
での複屈折の観察の仕方は、前述の図8の場合と同様で
ある。またここでは、温調部材として、ヒーター及び水
管を用いた例を示したが、ヒートパイプやエアーなど、
他の温調手段であってもさしつかえない。
【0034】また、レンズに使用されるプラスチックの
材質としては、従来はアクリル樹脂が大半をしめていた
が、アクリル樹脂は、吸湿しやすく、吸湿するとレンズ
内に密度の分布ができる。この密度の分布は屈折率の分
布となり、吸湿してから飽和に至る過程において、屈折
率分布の様子が変化することから、ピント変動をおこ
し、初期光学性能は優れていても、湿度変動で光学性能
が悪化するという問題が発生する。そのため、近年では
アクリル樹脂よりも吸湿の少ない、図12に示すような
ポリカーボネート樹脂、変性ポリカーボネート樹脂、ノ
ルボルネン樹脂、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂を
使用する様になってきたが、これらの樹脂はその分子構
造中にベンゼン環や五員環構造等をもち、配向しやす
く、また、剛直な構造であるがために応力をためやす
く、複屈折が大きく発生するという問題をかかえてい
た。
【0035】しかしながら、走査光学系においては、レ
ンズ内に配向及び応力が発生しても、それが半導体レー
ザの偏光方向と一致もしくは90度の角度であれば問題
ない。
【0036】本実施形態のように副走査方向からの冷却
を支配的にさせることにより、レンズ内の配向及び熱応
力の向きは、副走査方向を向くことになり、複屈折の問
題がなくなるのである。そのため、本実施形態において
は、図12に示したような材料を問題なく使用すること
が可能である。
【0037】(他の実施形態)また他の実施形態として
図3に示す様に、レンズの側面12に接する型部材36
を鏡面駒1,2の材質より熱伝導率の大きい材質で構成
するのも有効である。
【0038】熱伝導率の大きい材質を側面12に接する
部分に配置することにより、キャビティ5内の樹脂の冷
却は熱の伝わりやすい側面12からレンズの中心部に向
かって進行する(すなわち副走査方向に沿って進行す
る)ことになり、前述同様レンズ内の配向及び熱応力の
向きは副走査方向を向くこととなって、問題なくなるの
である。
【0039】ここでたとえば鏡面駒1,2の材質として
はSUS420J2などのステンレス系金属(熱伝導率
0.05〜0.06cal/cm・sec・℃)があげ
られ、側面12に接する型部材36の材質は銅合金や黄
銅などの銅系金属(熱伝導率0.3〜0.5cal/c
m・sec・℃)があげられる。
【0040】なお、本発明は、その主旨を逸脱しない範
囲で、上記実施形態を修正又は変形したものに適用可能
である。
【0041】例えば、上記実施形態ではプラスチックモ
ールド成形を例に挙げて説明したが、型を用いた成形で
あれば、複屈折が発生するメカニズムが同様であるの
で、ガラスモールド(プレス)成形にもあてはまり、ま
た、ガラスとプラスチックの複合材料等であってもさし
つかえない。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
レンズの副走査方向に冷却固化を進行させることによ
り、肉厚の変化している光軸方向よりも肉厚が略等しい
副走査方向の冷却が先に進行し、副走査方向からレンズ
全体がほぼ均一に冷却固化して、光軸方向の厚みの違い
による厚肉部の冷却収縮に伴って発生するレンズ厚肉部
の中心部へ向かう配向及び熱応力を低減させることがで
きる。これにより、レーザの偏光方向に対して問題とな
る複屈折が低減化されて、スポット径の肥大化を少なく
できるという効果があり、光学性能のすぐれたレンズが
成形できるという効果がある。
【0043】また、鏡面駒と型部材とに別々の温調手段
を設けることにより、レンズの副走査方向からレンズ全
体を冷却させることが可能となり、ゆえに、光軸方向の
厚みの違いによる厚肉部の冷却収縮に伴って発生するレ
ンズ厚肉部の中心部へ向かう配向及び熱応力を低減させ
ることができる。これにより、レーザの偏光方向に対し
て問題となる複屈折が低減化されてスポット径の肥大化
を少なくできるという効果があり、光学性能のすぐれた
レンズが成形できるという効果がある。
【0044】また、鏡面駒の材質より熱伝導率の高い材
料を型部材に使用することにより、レンズの副走査方向
からレンズ全体を冷却させることが可能となり、ゆえに
光軸方向の厚みの違いによる厚肉部の冷却収縮に伴って
発生するレンズ厚肉部の中心部へ向かう配向及び熱応力
を低減させることができる。これにより、レーザの偏光
方向に対して問題となる複屈折が低減化されてスポット
径の肥大化を少なくできるという効果があり、光学性能
のすぐれたレンズが成形できるという効果がある。
【0045】また、上記のレンズを走査光学系に用いれ
ば、上記のように複屈折の少ないレンズの作用により、
高い光学性能をもった走査光学系が提供できるという効
果が奏される。
【0046】さらに、上記のレンズの材質にポリカーボ
ネート樹脂、変性ポリカーボネート樹脂、ノルボルネン
樹脂、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂を用いること
により、湿度によるピント変動の影響を低減することが
できるという効果がある。
【0047】
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の成形型の主要部を説明する図であ
る。
【図2】一実施形態の成形型の全体図である。
【図3】他の実施形態に係る成形型の主要部を説明する
図である。
【図4】レンズの複屈折の様子を説明する図である。
【図5】一実施形態の成形型で成形されるレンズの形状
を示す図である。
【図6】図5に示したレンズの冷却時の収縮方向(=配
向方向)をX−Y断面で表した図である。
【図7】冷却時の収縮方向(=配向方向)の図6のC−
C断面及びD−D断面での様子を表した図である。
【図8】従来の成形方法で成形したレンズの複屈折の様
子を説明する図である。
【図9】従来の成形方法で成形したレンズのレーザスポ
ットの様子を説明する図である。
【図10】レンズの複屈折の観察方法を説明する図であ
る。
【図11】走査光学系の構成を説明する図である。
【図12】一実施形態でレンズに使用される材料を示し
た図である。
【符号の説明】
1 固定側鏡面駒 2 可動側鏡面駒 3 固定側型部材 4 可動側型部材 5 キャビティ 6 水管 7,8 ヒーター 9,10 鏡面部 11,24 レンズ 12 側面 13,14 光学面 22,23 偏光板 101 半導体レーザー 102 コリメーターレンズ 103 シリンドリカルレンズ 104 回転多面鏡 105 球面レンズ 106 トーリックレンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 69:00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走査光学系に使用されるレンズの成形方
    法であって、 前記レンズの素材を成形金型内で所望の形状に成形する
    際、前記素材の冷却時に前記レンズの走査方向に対して
    略直交する方向に固化が進行するように冷却することを
    特徴とするレンズの成形方法。
  2. 【請求項2】 前記レンズの素材はプラスチックである
    ことを特徴とする請求項1に記載のレンズの成形方法。
  3. 【請求項3】 前記プラスチックは、ポリカーボネート
    樹脂または変性ポリカーボネート系樹脂であることを特
    徴とする請求項2に記載のレンズの成形方法。
  4. 【請求項4】 前記プラスチックは、ノルボルネン樹脂
    またはオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項
    2に記載のレンズの成形方法。
  5. 【請求項5】 前記プラスチックは、スチレン系樹脂で
    あることを特徴とする請求項2に記載のレンズの成形方
    法。
  6. 【請求項6】 前記レンズの素材はガラスであることを
    特徴とする請求項1に記載のレンズの成形方法。
  7. 【請求項7】 走査光学系に使用されるレンズを成形す
    るための成形型であって、 前記レンズの光学面を成形するための鏡面部を有する一
    対の鏡面駒と、 前記レンズの光学面以外の側面を成形するための型部材
    と、 前記鏡面駒に設けられた第1の温調手段と、 前記型部材に設けられた第2の温調手段とを具備し、 前記第2の温調手段は、前記第1の温調手段よりも低い
    温度で前記型部材の温度を調節することを特徴とするレ
    ンズの成形型。
  8. 【請求項8】 走査光学系に使用されるレンズを成形す
    るための成形型であって、 前記レンズの光学面を成形するための鏡面部を有する一
    対の鏡面駒と、 前記レンズの光学面以外の側面を成形するための型部材
    とを具備し、 前記型部材は、前記一対の鏡面駒の材料よりも熱伝導率
    の大きい材料から形成されていることを特徴とするレン
    ズの成形型。
  9. 【請求項9】 走査光学系に使用されるレンズであっ
    て、 前記レンズの素材を成形金型内で所望の形状に成形する
    際、前記素材の冷却時に前記レンズの走査方向に対して
    略直交する方向に固化が進行するように冷却して成形さ
    れたことを特徴とするレンズ。
  10. 【請求項10】 レンズの素材を成形金型内で所望の形
    状に成形する際、前記素材の冷却時に前記レンズの走査
    方向に対して略直交する方向に固化が進行するように冷
    却して成形したレンズを組み込んだことを特徴とする走
    査光学系。
JP656296A 1996-01-18 1996-01-18 レンズの成形方法及び成形型及びレンズ及び走査光学系 Withdrawn JPH09193257A (ja)

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