JP2011021625A - 油圧アクチュエータ駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 戻り油の一部を再生して油圧アクチュエータの動作速度を速くすることができ、エネルギ効率を向上することができるようにする。
【解決手段】 弁ハウジング7内に設けた再生弁20を、一対の主管路5A,5B(油路9A,9B)間に設けられパイロット圧による差圧が大きくなると油路9A,9B間を短絡通路13を介して短絡させるスプール弁26と、このスプール弁26に付設され油路9A,9B間で圧油の再生方向とは逆向きに圧油が流れるのを阻止するスリーブ式逆止弁32とにより構成する。スプール27とスリーブ33とにより、油路9A,9B間が短絡通路13を介して連通されたときには、油圧シリンダ3の油室Aから一方の主管路5Aを介して排出されてくる戻り油(圧油)を他方の主管路5B側へと短絡させて再生することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば油圧ショベル等の建設機械に搭載され、油圧アクチュエータの出口側から入口側に向けて圧油を再生して供給するのに好適に用いられる油圧アクチュエータ駆動装置に関する。
一般に、油圧ショベル等の建設機械には、例えばアームシリンダ等の油圧シリンダが設けられている。そして、該油圧シリンダの伸長または縮小速度を増速させるために、油圧シリンダの出口側から入口側に向けて圧油を再生して供給する再生回路を備えた油圧アクチュエータ駆動装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この種の従来技術による油圧アクチュエータ駆動装置では、油圧ポンプから油圧シリンダに供給する圧油の方向を切換える方向制御弁と前記油圧シリンダとの間に再生弁を設け、前記油圧シリンダの出口側から戻り油となって排出される圧油を該再生弁により再生し、この再生油を前記油圧シリンダの入口側に還流させるように供給する。
これにより、油圧シリンダの出口側から排出される圧油(戻り油)は、その大部分がタンクに戻されることなく再生弁を介して油圧シリンダの入口側に供給されるため、圧油の無駄な消費を防ぐことができる。しかも、油圧シリンダの入口側には油圧ポンプからの圧油に加えて前記再生油も供給されるので、油圧シリンダの動作速度を再生油の流量分だけ速くすることができる。
特開平8−4055号公報
ところで、上述した従来技術では、方向制御弁と油圧シリンダとの間に設ける再生弁を、所謂ポペット弁を用いて構成している。このため、再生弁(ポペット弁)の開弁時には、圧油の流れ方向がポペット弁の前,後でほぼ垂直な方向に変更され、例えば乱流又は乱流に近い流れ状態となって、ポペット弁の前,後での圧力損失が無視できない大きさとなる。
即ち、油圧シリンダの出口側から入口側へと圧油を再生して供給する場合に、再生弁(ポペット弁)の前,後で圧力損失が大きくなると、これに影響されて再生油の流量が低下してしまう。これにより、油圧シリンダの動作速度を速くする上での無駄なエネルギ消費を招き、圧油の再生効率を向上することが難しくなるという問題がある。
一方、タンクへと戻される圧油(戻り油)に対し大なる絞りを用いてタンクに排出される油の流量を減らすようにすれば、前記再生油の流量を相対的に増やすことは可能である。しかし、この場合には、前記絞りの前,後で大きな圧力損失が生じると、これは熱エネルギとして消費されるために、油圧回路全体のエネルギ効率が低下してしまい、有効な圧油の再生回路を実現することができないという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、チェック弁の機能を備えながら、油圧アクチュエータの動作速度を圧油の再生により速くすることができ、エネルギ効率を向上することができると共に、有効な圧油の再生回路を実現することができるようにした油圧アクチュエータ駆動装置を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明は、油圧ポンプから油圧アクチュエータに圧油を供給する一対の主管路と、該各主管路に設けられ前記油圧ポンプから油圧アクチュエータに供給する圧油の方向を切換える方向制御弁と、該方向制御弁と前記油圧アクチュエータとの間に設けられ前記油圧アクチュエータから排出される圧油を再生して前記油圧アクチュエータに供給する再生弁と、該再生弁をパイロット圧によって切換制御するため前記油圧アクチュエータと方向制御弁との間で該再生弁の前,後に前記パイロット圧となる差圧を発生させる絞りと、前記油圧アクチュエータと方向制御弁との間に位置して該絞りと並列に接続され前記油圧アクチュエータに向けて圧油が流通するのを許し逆向きの流れを阻止する逆止弁とを備えてなる油圧アクチュエータ駆動装置に適用される。
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記再生弁は、前記方向制御弁と前記油圧アクチュエータとの間に位置して前記各主管路の途中に配設される弁ハウジングと、該弁ハウジング内に設けられ常時は前記一対の主管路間を遮断する閉弁位置となり、前記パイロット圧による差圧が大きくなると開弁位置に切換わって前記各主管路間を途中位置で短絡させるスプール弁と、前記一対の主管路間で前記圧油の再生方向とは逆向きに圧油が流れるのを阻止する逆止弁とを備え、該逆止弁は、前記スプール弁の周囲に摺動可能に取付けられた筒状のスリーブと、前記一対の主管路のうち一方側の主管路で発生した圧力を信号圧として前記スプール弁とは独立して前記スリーブを遮断方向に移動させる第1の信号経路と、前記一対の主管路のうち他方側の主管路で発生した圧力を信号圧として前記スプール弁とは独立して前記スリーブを連通方向に移動させる第2の信号経路とを有したスリーブ式逆止弁として構成したことにある。
また、請求項2の発明によると、前記弁ハウジングには、前記各主管路の一部を構成する一対の油路と、該各油路の間を連通させる短絡通路と、該短絡通路に連通すると共に互いに同軸をなして配置されたスプール摺動穴およびスリーブ摺動穴とを設け、前記スプール弁は、前記弁ハウジングのスプール摺動穴内に挿嵌され前記短絡通路を連通,遮断するための油穴が径方向に貫通して設けられたスプールと、該スプールの両端側に形成され前記絞りの前,後のパイロット圧を受圧する2つの受圧部と、該2つの受圧部のうち一方の受圧部側に設けられ前記スプールを閉弁方向に向けて付勢する弁ばねとを有する構成とし、前記スリーブ式逆止弁は、前記スリーブを前記スプールの外周と前記スリーブ摺動穴との間に挿嵌する構成とし、前記スリーブには、前記スプールの油穴を前記短絡通路に対して連通,遮断する径方向穴を形成する構成としている。
さらに、請求項3の発明によると、前記弁ハウジングには、前記スリーブとスプールとの軸方向変位を許し回転方向の変位を規制する廻止め手段を設ける構成としている。
上述の如く、請求項1の発明によれば、再生弁をスプール弁とスリーブ式逆止弁とにより構成しているので、例えば従来技術で述べたポペット弁のように大きな圧力損失が生じるのを防ぐことができ、再生油の流量低下を抑えることによって、油圧アクチュエータの動作速度を再生油により速くすることができる。この場合、スプール弁は、その前,後のパイロット圧による差圧が大きくなると一対の主管路間を遮断する閉弁位置から開弁位置へと切換り、前記各主管路の間を途中位置で短絡させるため、油圧アクチュエータの出口側から一方の主管路を介して排出されてくる圧油を他方の主管路側へと短絡させて再生することができ、このときの再生油を油圧アクチュエータの入口側へと連続的に供給することができる。
このため、スプール弁の前,後に差圧(パイロット圧)を生じさせる絞りにより、余分な絞り抵抗(圧力損失)を発生させる必要がなくなり、回路全体のエネルギ効率を向上することができる。また、スプール弁に付設された筒状のスリーブからなるスリーブ式逆止弁は、前記一対の主管路間で前記圧油の再生方向とは逆向きに圧油が流れるのを阻止するので、本来の再生方向にのみ圧油を流通させることができ、方向制御弁による圧油の供給方向に従って油圧アクチュエータを安定して駆動することができる。従って、油圧アクチュエータの動作速度を必要に応じて速くすることができ、有効な圧油の再生回路を実現することができる。
また、請求項2に記載の発明によると、スプール弁のスプールには、スプール摺動穴の径方向に貫通して延びる油穴を設け、弁ハウジングの一対の油路間に設けた短絡通路をスプールの油穴により連通,遮断する構成としているので、スプール弁の開弁時には、前記短絡通路とスプールの油穴とを一直線に並べるように連通でき、両者間を流れる圧油の抵抗を小さくでき、圧力損失の発生を最小に抑えることができる。また、スリーブ式逆止弁は、スプールの外周とスリーブ摺動穴との間に筒状のスリーブを挿嵌することにより構成でき、弁ハウジング内で同軸をなすスプール摺動穴とスリーブ摺動穴とにスプールとスリーブとをコンパクト配置することができる。そして、一対の主管路間の圧力差に従ってスリーブを摺動変位させることにより、スリーブ式逆止弁を開,閉することができ、その開弁時にはスリーブに形成した径方向穴により、前記スプールの油穴を前記短絡通路に対して直線的に連通させることができる。
さらに、請求項3の発明によると、弁ハウジングに設けた廻止め手段によりスリーブとスプールとが回転方向に変位するのを規制できる。このため、弁ハウジング内でスリーブとスプールとが回転方向で位置ずれするのを防止でき、開弁時の流路抵抗を小さく抑えた状態に保持することができる。
本発明の実施の形態による油圧アクチュエータ駆動装置が適用された油圧シリンダ駆動用の油圧回路図である。 図1中の再生弁装置等を示す縦断面図である。 再生弁装置を図2中の矢示 III−III 方向から拡大してみた断面図である。 油圧シリンダを伸長方向に駆動するときの再生弁装置を示す図2と同様位置での縦断面図である。 油圧シリンダを縮小方向に駆動し始めたときの再生弁装置を示す図2と同様位置での縦断面図である。 油圧シリンダを縮小方向に駆動して圧油の再生を行っているときの再生弁装置を示す図2と同様位置での縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態による油圧アクチュエータ駆動装置を、油圧シリンダ駆動用の油圧回路に適用した場合を例に挙げ、添付図面を参照して詳細に説明する。
ここで、図1ないし図6は本発明の実施の形態を示している。図中、1はタンク2と共に油圧源を構成する油圧ポンプで、該油圧ポンプ1は、例えば可変容量型の斜板式、斜軸式またはラジアルピストン式の油圧ポンプにより構成され、エンジン等の原動機(図示せず)によって回転駆動される。そして、油圧ポンプ1は、タンク2内から吸込んだ油液を圧油として後述の油圧シリンダ3等に向けて吐出する。
また、油圧ポンプ1は、斜板または斜軸等からなる容量可変部1Aを有し、該容量可変部1Aはサーボ機構(図示せず)により傾転駆動される。これにより、油圧ポンプ1は、そのポンプ容量(圧油の吐出流量)が容量可変部1Aの傾転角に応じて増減されるものである。
3は油圧アクチュエータとしての油圧シリンダで、該油圧シリンダ3は、建設機械としての油圧ショベルに設ける作業装置(図示せず)のうち、例えばアームシリンダを構成するものである。そして、油圧シリンダ3は、その外郭をなすチューブ3Aと、該チューブ3A内に摺動可能に挿嵌され、チューブ3A内をボトム側の油室Aとロッド側の油室Bとに画成したピストン3Bと、基端側が該ピストン3Bに固着され先端側がチューブ3A外に突出したロッド3Cとにより構成されている。
4は油圧ポンプ1、タンク2と油圧シリンダ3との間に設けられた方向制御弁で、該方向制御弁4は、例えば4ポート3位置の油圧パイロット式方向制御弁により構成され、その両側には一対の油圧パイロット部4A,4Bが設けられている。そして、方向制御弁4は、一対の流出入ポートが後述の主管路5A,5Bを介して油圧シリンダ3の油室A,Bに接続されている。
ここで、方向制御弁4は、運転室内に設けた操作レバー装置(図示せず)の手動操作によって発生したパイロット圧が、油圧パイロット部4A,4Bに供給されることにより、これに応じて中立位置(イ)から切換位置(ロ),(ハ)のいずれかに切換えられる。そして、方向制御弁4は、中立位置(イ)にある間は油圧ポンプ1、タンク2と油圧シリンダ3との間を遮断し、圧油の給排を停止させて油圧シリンダ3を停止状態に保持する。
また、方向制御弁4が、中立位置(イ)から切換位置(ロ),(ハ)のいずれかに切換えられると、油圧ポンプ1から吐出された圧油が油圧シリンダ3の油室A,Bに給排される。これにより、油圧シリンダ3は、ロッド3Cをチューブ3Aから伸長する方向、またはロッド3Cがチューブ3A内に縮小する方向に伸縮駆動されるものである。
5A,5Bは油圧シリンダ3の油室A,Bと方向制御弁4との間に接続して設けられた一対の主管路を示している。ここで、一方の主管路5Aは、油圧シリンダ3の油室Aと方向制御弁4との間に設けられ、他方の主管路5Bは、油圧シリンダ3の油室Bと方向制御弁4との間に設けられている。そして、一対の主管路5A,5Bの途中には再生弁装置6が設けられている。
次に、本実施の形態で採用した油圧シリンダ3用の再生弁装置6について、図2および図3を参照して説明する。ここで、再生弁装置6は、後述の弁ハウジング7、再生弁20(スプール弁26およびスリーブ式逆止弁32)、絞りとしての絞り通路21および逆止弁22等により構成されている。
7は再生弁装置6の本体部分(外殻)を構成する弁ハウジングで、該弁ハウジング7は、図2〜図6に示すように四角形状のブロック体として形成されたハウジング本体8と、後述のプラグ栓17等とにより構成されている。そして、ハウジング本体8には、後述する一対の油路9A,9B、スプール摺動穴10、スリーブ摺動穴12および短絡通路13等が設けられている。
9A,9Bはハウジング本体8に設けられた一対の油路で、該油路9A,9Bは、主管路5A,5Bの一部を構成している。ここで、一対の油路9A,9Bのうち一方の油路9Aは、図2に示すようにハウジング本体8内にクランク状なして形成された短尺通路部9A1 、長尺通路部9A2 、これらの通路部9A1 ,9A2 に位置する連絡通路部9A3 により構成されている。
即ち、油路9Aの短尺通路部9A1 と長尺通路部9A2 は、ハウジング本体8の幅方向(左,右方向)に離間してハウジング本体8の長さ方向(互いに平行な方向)に延び、短尺通路部9A1 に対して長尺通路部9A2 は、例えば3〜5倍程度に長い直線状通路として形成されている。そして、油路9Aの連絡通路部9A3 は、短尺通路部9A1 と長尺通路部9A2 とを連通させるため前記長さ方向と直交する横方向(ハウジング本体8の幅方向)に延びて形成されている。
また、他方の油路9Bは、ハウジング本体8の長さ方向に直線状に延びる通路として形成され、油路9Aの短尺通路部9A1 、長尺通路部9A2 とは左,右方向に離間して平行に延びている。そして、油路9Bは、後述のスプール摺動穴10(スリーブ摺動穴12)を挟んで一方の油路9Aの長尺通路部9A2 とは反対側となる位置に配設されている。
10はハウジング本体8内に設けられたスプール摺動穴で、該スプール摺動穴10は、図2、図3中に示すように、油路9Aの長尺通路部9A2 と油路9Bとの間に位置してハウジング本体8内を長さ方向に延びる円形穴として形成され、例えば油路9Aの短尺通路部9A1 と同軸をなしてほぼ一直線上に延びるように配設されている。そして、スプール摺動穴10内には後述のスプール27が挿嵌され、スプール27とスプール摺動穴10とは、図3に示すように後述の短絡通路13よりも大径に形成されている。
ここで、スプール摺動穴10は、その軸方向一側が円錐形状をなす底部10A(図3参照)となり、該底部10Aと油路9Aの短尺通路部9A1 との間には、小径な絞り孔11が形成されている。そして、この絞り孔11は、スプール摺動穴10の一側を短尺通路部9A1 に常時連通させるものである。また、スプール摺動穴10の軸方向他側は、後述のプラグ栓17内に形成された有蓋な摺動穴19により構成されるものである。そして、スプール摺動穴10(摺動穴19を含む)は、後述のスプール27と共にスプール弁26を構成するものである。
12はハウジング本体8内に設けられたスリーブ摺動穴で、該スリーブ摺動穴12は、図2、図3中に示すようにスプール摺動穴10と同軸上に位置して所定の寸法分だけ大径に形成された円形穴により構成されている。そして、スリーブ摺動穴12も、油路9Aの長尺通路部9A2 と油路9Bとの間に位置してハウジング本体8内を長さ方向に延びて形成されている。
即ち、スプール摺動穴10とスリーブ摺動穴12とは、ハウジング本体8内を長さ方向に延びる段付穴として形成され、このうちの大径穴部側がスリーブ摺動穴12となり、小径穴部側がスプール摺動穴10を構成するものである。そして、スリーブ摺動穴12内には、後述のスプール27との間にスリーブ33が摺動可能に挿嵌して設けられるものである。
13はハウジング本体8内に設けられた短絡通路で、この短絡通路13は、スプール摺動穴10(スリーブ摺動穴12)の軸線と直交する方向に延びる横方向通路として形成されている。そして、短絡通路13は、一対の油路9A,9B間を途中位置で後述の再生弁20を介して短絡(連通)させるものである。即ち、短絡通路13は、その一方側が油路9Aの長尺通路部9A2 に連通し、他方側が油路9Bに連通している。そして、短絡通路13は、長さ方向の中間部位がスプール摺動穴10、スリーブ摺動穴12と交差するように連通している。
14はハウジング本体8内に設けられたパイロット通路で、該パイロット通路14は、油路9Aの長尺通路部9A2 を後述の受圧室31に連通させる横方向の小径な通路として形成されている。そして、パイロット通路14は、油路9Aの長尺通路部9A2 に発生した圧力(パイロット圧)を後述の受圧室31に供給し、スプール27にパイロット圧を受圧させるものである。
15はハウジング本体8内に設けられた第2の信号経路を構成するパイロット通路で、該パイロット通路15は、短絡通路13とパイロット通路14との間に位置し、油路9Aの長尺通路部9A2 を後述の環状油室36に連通させる横方向の小径な通路として形成されている。そして、パイロット通路15は、油路9Aの長尺通路部9A2 に発生した圧力(信号圧としてのパイロット圧)を後述の環状油室36に供給し、スリーブ33にパイロット圧を受圧させるものである。
16はハウジング本体8内に設けられた第1の信号経路を構成するパイロット通路で、該パイロット通路16は、スリーブ摺動穴12(後述のスリーブ33)を挟んでパイロット通路15とは反対側に位置し、油路9Bを後述の環状油室35に連通させる横方向の小径な通路として形成されている。そして、パイロット通路16は、油路9Bに発生した圧力(信号圧としてのパイロット圧)を後述の環状油室35に供給し、スリーブ33にパイロット圧を受圧させるものである。
17はハウジング本体8と共に弁ハウジング7を構成するプラグ栓で、該プラグ栓17は、例えばスプール摺動穴10の軸方向他側(スプール摺動穴10を挟んで絞り孔11とは反対側)を閉塞するため、ハウジング本体8に着脱可能に螺着して設けられている。ここで、プラグ栓17は、例えばスリーブ摺動穴12の軸方向に延びる挿嵌蓋部18を有し、該挿嵌蓋部18の内側中央には、スプール摺動穴10の一部を構成する有蓋な摺動穴19が形成されている。そして、プラグ栓17の摺動穴19内には、後述のスプール27が摺動可能に挿嵌されるものである。
20は弁ハウジング7内に設けられた再生弁で、この再生弁20は、油圧シリンダ3の主管路5A,5B(油路9A,9B)間に介在して設けられた後述のスプール弁26およびスリーブ式逆止弁32等により構成されている。そして、再生弁20は、油圧シリンダ3の油室Aから油路9A側に戻り油となって排出される圧油の一部(大部分)を、図6中の矢示Pa3,Pb3方向に沿って再生させ、再生した圧油(再生油)を油路9B側に短絡通路13を介して供給する。
これにより、油圧シリンダ3の油室Aから主管路5A(油路9A)側に排出される圧油は、その大部分がタンク2に戻されることなく再生弁20、短絡通路13を介して油圧シリンダ3の主管路5B(油路9B)入口側に供給されるため、圧油の無駄な消費を抑えることができる。しかも、油圧シリンダ3の主管路5B(油路9B)側には、油圧ポンプ1からの圧油に加えて前記再生油も供給されるので、油圧シリンダ3は、ロッド3Cがチューブ3A内に向けて縮小するときの動作速度を再生油の流量分だけ速くできるものである。
21は油路9Aの長尺通路部9A2 と連絡通路部9A3 との間に設けられた絞りとしての絞り通路で、該絞り通路21は、後述の逆止弁体23に形成された径方向の小孔(複数個)により構成されている。ここで、絞り通路21は、油路9Aの長尺通路部9A2 と連絡通路部9A3 との間に位置して後述の逆止弁22と並列に接続される関係(図1参照)に配置されている。そして、油路9Aの長尺通路部9A2 と連絡通路部9A3 との間には、逆止弁22の閉弁時に絞り通路21による絞り作用で、その前,後に差圧(再生弁20を切換えるためのパイロット圧)が発生するものである。
22は油路9Aの長尺通路部9A2 と連絡通路部9A3 との間に位置してハウジング本体8に着脱可能に設けられた逆止弁を示している。この逆止弁22は、図2に示すように逆止弁体23、弁体カバー24および弱ばね25からなり、該弱ばね25により逆止弁体23を常時閉弁方向に向けて付勢している。そして、逆止弁体23は、長尺通路部9A2 と連絡通路部9A3 との間で油路9Aの途中部位を開,閉する。
この場合、逆止弁体23は、油圧ポンプ1から吐出された圧油が油圧シリンダ3の油室Aに向けて流通(連絡通路部9A3 から長尺通路部9A2 に向けて圧油が流通)するのを許し、逆向きの流れを阻止する。即ち、逆止弁22は、油路9A内で長尺通路部9A2 から連絡通路部9A3 に向けて圧油が流通するのを、逆止弁体23により阻止する。
しかし、逆止弁体23には、その径方向に複数の小孔からなる絞り通路21が穿設されているので、圧油の一部は絞り通路21を介して長尺通路部9A2 から連絡通路部9A3 に向けて流通することができる。そして、このときの圧油は、逆止弁22の閉弁時に絞り通路21による絞り作用で前,後差圧によるパイロット圧を発生するものである。
26は弁ハウジング7内に設けられた再生弁20の主要部を構成するスプール弁で、該スプール弁26は、ハウジング本体8のスプール摺動穴10とプラグ栓17の摺動穴19内に摺動可能に挿嵌して設けられたスプール27と、該スプール27の両端側に形成された後述の受圧室29,31と、後述の弁ばね30とにより構成されている。
この場合、スプール摺動穴10内に挿嵌されたスプール27は、図3に示すように短絡通路13の穴径より大きな外径寸法に形成されている。そして、スプール27には、その長さ方向(軸方向)中間部位に径方向の貫通穴からなる油穴28が穿設され、該油穴28は、図2、図3に示すように短絡通路13と等しい穴径(または、短絡通路13よりも大きな穴径)をもって形成されている。
ここで、スプール弁26は、図1中に示す閉弁位置(a)と開弁位置(b)との間でパイロット圧に従って切換わり、その開弁位置(b)では、図6に示す如く油穴28が短絡通路13と一直線上に並ぶ位置まで、スプール27がスプール摺動穴10内を軸方向に変位する。また、スプール27の外周面には、図3に示すように軸方向に細長く延びる長溝27Aが形成され、この長溝27Aには後述の廻止めピン39が挿嵌されている。
また、スプール27の軸方向一側面は、後述の受圧室29内に臨む一方側の受圧部27Bとなり、この受圧部27Bは、短尺通路部9A1 内に発生したパイロット圧を受圧するものである。さらに、スプール27の軸方向他側面は、後述の受圧室31内に臨む他方側の受圧部27Cとなり、この受圧部27Cは、長尺通路部9A2 内に発生したパイロット圧を受圧するものである。
29はスプール摺動穴10の底部10Aとスプール27との間に形成されパイロット圧を受圧する一方の受圧室で、該受圧室29は、油路9Aの短尺通路部9A1 と絞り孔11を介して連通している。そして、受圧室29内には、短尺通路部9A1 内に発生した圧力がパイロット圧として供給され、このパイロット圧をスプール27の受圧部27Bに受圧させるものである。
30は受圧室29内に設けられた弁ばねで、該弁ばね30は、スプール摺動穴10の底部10Aとスプール27との間に予め撓み変形した状態(プリセット状態)で配設されている。そして、弁ばね30は、スプール27を後述の受圧室31側に向けて常時付勢し、これによりスプール弁26は、図1に示す閉弁位置(a)に保持されるものである。
31はプラグ栓17の有蓋な摺動穴19とスプール27との間に形成された他方の受圧室で、該受圧室31は、図2に示すようにパイロット通路14を介して油路9Aの長尺通路部9A2 に常時連通している。そして、受圧室31内には、長尺通路部9A2 内に発生した圧力がパイロット圧として供給され、このパイロット圧はスプール27の受圧部27Cで受圧される。
そして、受圧室31内の圧力(パイロット圧)が大きく上昇したときに、スプール27は弁ばね30に抗してスプール摺動穴10、摺動穴19内を受圧室29側に向けて軸方向に変位し、これによりスプール弁26は、図1に示す閉弁位置(a)から開弁位置(b)に切換わるものである。
32はスプール弁26と共に再生弁20を構成するスリーブ式逆止弁を示し、該スリーブ式逆止弁32は、スプール弁26に付設された円筒状の筒体からなるスリーブ33を備えている。そして、該スリーブ33は、ハウジング本体8のスリーブ摺動穴12とスプール27の外周との間に摺動可能に挿嵌して設けられ、両者の間で軸方向に独立して摺動変位するものである。
ここで、スリーブ33は、スプール27の油穴28と等しい穴径(または、油穴28よりも大きな穴径)をもった一対の径方向穴34を有し、該各径方向穴34は、スリーブ33の軸方向変位によりスプール27の油穴28を短絡通路13に対して連通,遮断させる。これにより、スリーブ33は、後述の如く逆止弁(スリーブ式逆止弁32)として働くものである。
そして、スリーブ式逆止弁32の開弁時には、図6に示す如く径方向穴34が油穴28および短絡通路13と一直線上に並ぶ位置まで、スリーブ33がスリーブ摺動穴12内を軸方向に変位する。また、スリーブ33には、スプール27の長溝27A(図3参照)と同様に軸方向に細長く延びるスリット33Aが形成され、このスリット33Aには後述の廻止めピン39が挿嵌されている。
35はスリーブ摺動穴12の軸方向一側とスリーブ33との間に形成された一方側の環状油室で、該環状油室35は、図2に示すようにハウジング本体8内の油路9Bにパイロット通路16を介して連通し、パイロット通路16と共に第1の信号経路を構成している。そして、環状油室35内には、油路9B内に発生した圧力がパイロット圧として供給され、このパイロット圧はスリーブ33の一側端面で受圧されるものである。
36は他方側の環状油室を示し、該環状油室36は、スリーブ摺動穴12の軸方向他側(プラグ栓17の挿嵌蓋部18の先端面)とスリーブ33との間に環状を成して形成され、油路9Aの長尺通路部9A2 とパイロット通路15を介して連通している。環状油室36は、パイロット通路15と共に第2の信号経路を構成している。そして、環状油室36内には、長尺通路部9A2 内に発生した圧力がパイロット圧として供給され、このパイロット圧はスリーブ33の他側端面で受圧されるものである。
ここで、スリーブ式逆止弁32のスリーブ33は、環状油室35,36内のパイロット圧を受圧することにより、両油室35,36間の圧力差に従ってスリーブ摺動穴12内を軸方向に変位する。即ち、一対の油路9A,9Bのうち油路9B内の圧力が油路9Aの長尺通路部9A2 よりも高い圧力(パイロット圧)のときには、スリーブ式逆止弁32のスリーブ33が閉弁位置となり、油路9Bから油路9A側に向けて圧油が流通するのを阻止する。
しかし、油路9B内の圧力よりも油路9Aの長尺通路部9A2 側が高い圧力(パイロット圧)となったときには、環状油室35,36間の圧力差に従ってスリーブ33が環状油室35側に向けて摺動変位する。そして、スリーブ33の径方向穴34が、図6に示すようにスプール27の油穴28および短絡通路13と一直線上に並ぶ位置まで、スプール27とスリーブ33とが軸方向に変位したときには、スリーブ式逆止弁32が開弁位置となり、油路9Aの長尺通路部9A2 側から油路9B側に向けて圧油が流通するのを許すものである。
37は短絡通路13の開口端側を閉塞したプラグで、該プラグ37は、図2に示すようにハウジング本体8の右側面側に着脱可能に螺着され、短絡通路13を外側から閉塞するものである。
38は廻止め手段を構成する他のプラグで、該プラグ38には、図3に示すように廻止めピン39が一体に設けられている。そして、廻止めピン39の先端側は、スリーブ33のスリット33Aに径方向外側から挿嵌されると共に、スプール27の長溝27Aにも挿嵌されている。これにより廻止めピン39は、スリーブ33がスリーブ摺動穴12内で回転(自転)方向に変位するのを規制すると共に、スプール27がスプール摺動穴10内で回転するのを規制し、スプール27およびスリーブ33が軸方向に変位するのを許すものである。
これにより、スプール弁26とスリーブ式逆止弁32との開弁時には、図6に示す如く短絡通路13、油穴28および径方向穴34が一直線上に並ぶ位置に配置することができる。即ち、廻止めピン39は、スプール27の油穴28とスリーブ33の径方向穴34とが、短絡通路13の伸長方向(軸線方向)とは異なる方向に配向されるのを防ぐものである。
本実施の形態による再生弁装置6が適用された油圧シリンダ駆動用の油圧回路は、上述の如き構成を有するもので、次に、その動作について説明する。
まず、エンジン等の原動機(図示せず)により油圧ポンプ1を起動した初期状態では、方向制御弁4が図1、図2に示す如く中立位置(イ)に保持される。このため、油圧ポンプ1から油圧シリンダ3側に向けて圧油が供給されることはなく、方向制御弁4が中立位置(イ)にある間は、油圧シリンダ3が停止した状態となる。
次に、方向制御弁4を、図4に示す如く中立位置(イ)から切換位置(ロ)に切換えたときには、油圧ポンプ1から吐出された圧油が弁ハウジング7の油路9A内に向けて矢示Pa1方向に供給される。そして、このときの圧油により逆止弁22の逆止弁体23は、図4に示す如く弱ばね25に抗して開弁し、油路9Aの短尺通路部9A1 、連絡通路部9A3 から長尺通路部9A2 に向けて圧油が流通する。
このため、油圧ポンプ1から吐出された圧油は、矢示Pa1方向に流通することにより主管路5Aを介して油圧シリンダ3の油室Aに供給され、油圧シリンダ3のロッド3Cは、チューブ3Aから伸長する方向に駆動される。そして、油圧シリンダ3の油室Bからは圧油が戻り油となって主管路5B側に排出され、このときの戻り油は、弁ハウジング7の油路9B内を矢示Pb1方向に向けて流通しつつ、タンク2内へと戻される。
また、油圧シリンダ3のロッド3Cが伸長方向に駆動される間では、弁ハウジング7のスリーブ摺動穴12内に挿嵌して設けたスリーブ33は、油路9Bに連通する一方の環状油室35が他方の環状油室36よりも低圧となるので、環状油室35,36間の圧力差に従ってスリーブ摺動穴12内を環状油室35側に向けて摺動変位する(図4参照)。しかし、この場合には、スプール弁26のスプール27が図1、図4に示す如く、受圧室29,31間の圧力差と弁ばね30の付勢力に従って閉弁状態に保持されている。
このため、スリーブ33の径方向穴34が短絡通路13に連通しても、スプール27によって短絡通路13は遮断されたままとなり、油路9Aの長尺通路部9A2 と油路9Bとが、短絡通路13を介して連通(短絡)されることはない。従って、油圧シリンダ3の伸長時に圧油の一部が短絡通路13、スプール弁26等を介して再生されることはない。
次に、方向制御弁4を、例えば図5に示すように中立位置(イ)から切換位置(ハ)に切換えたときには、油圧ポンプ1から吐出された圧油が弁ハウジング7の油路9B内に向けて矢示Pb2方向に供給される。そして、このときの圧油は、矢示Pb2方向に流通することにより主管路5Bを介して油圧シリンダ3の油室Bに供給され、油圧シリンダ3のロッド3Cは、チューブ3A内に向けて縮小する方向に駆動される。
また、油圧シリンダ3の油室Aからは、油液(圧油)が戻り油となって主管路5A側に排出され、このときの戻り油は、弁ハウジング7の油路9A内を矢示Pa2方向に向けて流通する。しかし、この場合には、油路9Aの長尺通路部9A2 と連絡通路部9A3 との間が逆止弁22の逆止弁体23により遮断されているので、一部の戻り油のみが絞り通路21を介して連絡通路部9A3 、短尺通路部9A1 側に流れ、タンク2側に排出される。
そして、油圧シリンダ3の油室Aから油路9Aの長尺通路部9A2 内に矢示Pa2方向へと戻された戻り油の大部分は、逆止弁22により長尺通路部9A2 内に堰き止められる。これにより、油路9Aのうち絞り通路21よりも上流側に位置する長尺通路部9A2 内には、下流側の短尺通路部9A1 よりも高い圧力(パイロット圧)が発生する。
これにより、スプール弁26の受圧室31には、パイロット通路14を通じて高い圧力のパイロット圧が供給され、油路9Aの短尺通路部9A1 と絞り孔11を介して連通している受圧室29よりも、受圧室31の方が高圧となる。このため、スプール弁26のスプール27は、弁ばね30に抗して受圧室29側に摺動変位する。
しかし、方向制御弁4を図5に示すように中立位置(イ)から切換位置(ハ)に切換えた初期段階では、油路9B(環状油室35)側の圧力が油路9Aの長尺通路部9A2 (環状油室36)側の圧力よりも高い。このため、弁ハウジング7内のスリーブ33(スリーブ式逆止弁32)は、環状油室35,36間の圧力差に従って閉弁状態に保持され、スリーブ33の径方向穴34は、図5に示す如くスプール27の油穴28および短絡通路13からスリーブ摺動穴12の軸方向に離間した位置に配置されている。これにより、油路9Aの長尺通路部9A2 と油路9Bとが短絡通路13を介して連通(短絡)されることはない。
一方、油路9Aの長尺通路部9A2 側では、絞り通路21による絞り作用で戻り油の圧力(パイロット圧)が漸次上昇している。そして、長尺通路部9A2 側の圧力が油路9B側よりも高くなると、環状油室35,36間の圧力差に従ってスリーブ33が環状油室35側に向けて摺動変位し、スリーブ33の径方向穴34は、図6に示す如くスプール27の油穴28および短絡通路13と一直線上に並ぶ位置まで移動する。
この結果、スリーブ式逆止弁32が閉弁状態から開弁状態に切換り、既に開弁状態に切換っているスプール弁26により、油路9Aの長尺通路部9A2 と油路9Bとが短絡通路13を介して連通(短絡)される。そして、油圧シリンダ3の油室Aから油路9Aの長尺通路部9A2 内に戻された戻り油の大部分は、図6中に示す矢示Pa3方向へと短絡通路13内に向けて還流され、この還流油は、短絡通路13から油路9B側へと矢示Pb3方向に流れることにより再生される。
このように、スプール弁26とスリーブ式逆止弁32とは、油圧シリンダ3の油室A(出口側)から一方の主管路5Aを介して排出されてくる戻り油(圧油)を他方の主管路5B側へと短絡させて再生でき、図6中の矢示Pa3から矢示Pb3方向に短絡して流れる再生油を、油圧シリンダ3の油室B(入口側)へと連続的に供給することができる。
そして、このときの矢示Pb3方向に流れる再生油は、油圧ポンプ1から油路9B側に供給される圧油と合流し、大流量となって油圧シリンダ3の油室B内に供給される。このため、油圧シリンダ3の駆動速度を再生油の流量分だけ速くすることができ、油圧シリンダ3のロッド3Cをチューブ3A内に向けて縮小させる速度を再生油により増速することができる。
かくして、本実施の形態によれば、弁ハウジング7内に設けた再生弁20を、一対の主管路5A,5B(油路9A,9B)間に設けられ常時は油路9A,9B間を遮断する閉弁位置(a)となり、パイロット圧による差圧が大きくなると開弁位置(b)に切換わって油路9A,9B間を途中位置で短絡通路13を介して短絡させるスプール弁26と、該スプール弁26に付設され一対の主管路5A,5B(油路9A,9B)間で圧油の再生方向とは逆向きに圧油が流れるのを阻止するスリーブ式逆止弁32とにより構成している。
そして、再生弁20のスプール弁26は、その前,後のパイロット圧による差圧が大きくなると、図1に示す閉弁位置(a)から開弁位置(b)へと切換り、油路9A,9Bの間を途中位置で短絡通路13を介して短絡させる。このため、油圧シリンダ3の油室A(出口側)から一方の主管路5Aを介して排出されてくる戻り油(圧油)を他方の主管路5B側へと短絡させて再生でき、図6中の矢示Pa3から矢示Pb3方向に還流される再生油を、油圧シリンダ3の油室B(入口側)へと連続的に供給することができる。
しかも、スプール弁26のスプール27には、スプール摺動穴10の径方向に貫通して延びる油穴28を設け、弁ハウジング7の一対の油路9A,9B間に設けた短絡通路13をスプール27の油穴28により連通,遮断する構成としている。このため、スプール弁26の開弁時には、図6に示すように短絡通路13とスプール27の油穴28とを一直線に並べるように連通でき、両者間を流れる圧油の抵抗を小さくでき、圧力損失の発生を最小に抑えることができる。これにより、例えば従来技術で述べたポペット弁のように大きな圧力損失が生じるのを防ぐことができ、再生油の流量低下を抑えて、油圧シリンダ3の動作速度を再生油により速くすることができる。
また、スプール弁26に付設された筒状のスリーブ33からなるスリーブ式逆止弁32は、一対の主管路5A,5B(油路9A,9B)間で圧油の再生方向とは逆向きに圧油が流れるのを阻止するので、本来の再生方向にのみ圧油を流通させることができ、方向制御弁4による圧油の供給方向に従って油圧シリンダ3を安定して駆動することができる。
特に、スリーブ式逆止弁32は、スプール27の外周とスリーブ摺動穴12との間に筒状のスリーブ33を挿嵌することにより構成でき、弁ハウジング7内で同軸をなすスプール摺動穴10とスリーブ摺動穴12とにスプール27とスリーブ33とをコンパクトに配置することができる。そして、一対の主管路5A,5B(油路9A,9B)間の圧力差に従ってスリーブ33を摺動変位させることにより、スリーブ式逆止弁32を開,閉することができ、その開弁時にはスリーブ33に形成した径方向穴34により、図6に示す如くスプール27の油穴28を短絡通路13に対して直線的に連通させることができる。
また、弁ハウジング7には、図3に示すように廻止めピン39を有するプラグ38を設ける構成としているので、スプール摺動穴10内のスプール27とスリーブ摺動穴12内のスリーブ33とが回転方向に変位するのを廻止めピン39により規制することができる。このため、弁ハウジング7内でスプール27の油穴28とスリーブ33の径方向穴34とが回転方向で位置ずれするのを防止でき、開弁時の流路抵抗(油穴28と径方向穴34とを流通する再生油の流路抵抗)を小さく抑えた状態に保持することができる。
従って、本実施の形態によれば、スプール弁26の前,後(受圧室29,31間)に差圧(パイロット圧)を生じさせる絞り、即ち絞り通路21による絞り抵抗(圧力損失)を必要以上に大きくすることなく、再生油の流量を十分に確保することができ、回路全体のエネルギ効率を向上することができる。
これにより、油圧シリンダ3の動作速度を速くする上での無駄なエネルギ消費を防ぐことができ、圧油の再生効率を向上することができる。そして、油圧シリンダ3の動作速度を再生油の流量分だけ速くすることができ、有効な圧油の再生回路を実現することができる。
なお、前記実施の形態では、逆止弁22の逆止弁体23に絞りとしての絞り通路21を設ける場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば図2に示す油路9Aの長尺通路部9A2 と連絡通路部9A3 との間に、逆止弁22(逆止弁体23)から離間して絞り通路を設ける構成としてもよく、要は、長尺通路部9A2 と連絡通路部9A3 との間に絞りと逆止弁と並列に接続して設ける構成とすればよいものである。
また、前記実施の形態では、油圧シリンダ3を縮小方向に駆動するときに戻り油の一部を再生弁装置6により再生させる構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば油圧シリンダを伸長方向に駆動するときに戻り油の一部を再生させ、油圧シリンダの動作速度を伸長方向で速くする構成としてもよいものである。
また、前記実施の形態では、例えば油圧ショベル等の作業装置に設けるアームシリンダ等の油圧シリンダ3を駆動する油圧回路に、再生弁装置6を適用する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えばブームシリンダまたはバケットシリンダ等の駆動用油圧回路に再生弁装置を適用してもよい。また、油圧モータ等の油圧アクチュエータを駆動する油圧回路に本発明を適用してもよいものである。
さらに、前記実施の形態では、建設機械の代表例として油圧ショベルを例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限ものではなく、例えば油圧シリンダ、油圧モータ等の油圧アクチュエータを駆動する油圧回路を備えた種々の建設機械、産業機械等にも適用できるものである。
1 油圧ポンプ
2 タンク
3 油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)
3A チューブ
3B ピストン
3C ロッド
4 方向制御弁
5A,5B 主管路
6 再生弁装置
7 弁ハウジング
8 ハウジング本体
9A,9B 油路
10 スプール摺動穴
12 スリーブ摺動穴
13 短絡通路
14,15,16 パイロット通路
15 パイロット通路(第2の信号経路)
16 パイロット通路(第1の信号経路)
17 プラグ栓
19 摺動穴(スプール摺動穴)
20 再生弁
21 絞り通路(絞り)
22 逆止弁
23 逆止弁体
25 弱ばね
26 スプール弁
27 スプール
27A 長溝
27B,27C 受圧部
28 油穴
29,31 受圧室
30 弁ばね
32 スリーブ式逆止弁(逆止弁)
33 スリーブ
33A スリット
34 径方向穴
35 環状油室(第1の信号経路)
36 環状油室(第2の信号経路)
38 プラグ(廻止め手段)
39 廻止めピン
A,B 油室

Claims (3)

  1. 油圧ポンプから油圧アクチュエータに圧油を供給する一対の主管路と、該各主管路に設けられ前記油圧ポンプから油圧アクチュエータに供給する圧油の方向を切換える方向制御弁と、該方向制御弁と前記油圧アクチュエータとの間に設けられ前記油圧アクチュエータから排出される圧油を再生して前記油圧アクチュエータに供給する再生弁と、該再生弁をパイロット圧によって切換制御するため前記油圧アクチュエータと方向制御弁との間で該再生弁の前,後に前記パイロット圧となる差圧を発生させる絞りと、前記油圧アクチュエータと方向制御弁との間に位置して該絞りと並列に接続され前記油圧アクチュエータに向けて圧油が流通するのを許し逆向きの流れを阻止する逆止弁とを備えてなる油圧アクチュエータ駆動装置において、
    前記再生弁は、
    前記方向制御弁と前記油圧アクチュエータとの間に位置して前記各主管路の途中に配設される弁ハウジングと、
    該弁ハウジング内に設けられ常時は前記一対の主管路間を遮断する閉弁位置となり、前記パイロット圧による差圧が大きくなると開弁位置に切換わって前記各主管路間を途中位置で短絡させるスプール弁と、
    前記一対の主管路間で前記圧油の再生方向とは逆向きに圧油が流れるのを阻止する逆止弁とを備え、
    該逆止弁は、前記スプール弁の周囲に摺動可能に取付けられた筒状のスリーブと、前記一対の主管路のうち一方側の主管路で発生した圧力を信号圧として前記スプール弁とは独立して前記スリーブを遮断方向に移動させる第1の信号経路と、前記一対の主管路のうち他方側の主管路で発生した圧力を信号圧として前記スプール弁とは独立して前記スリーブを連通方向に移動させる第2の信号経路とを有したスリーブ式逆止弁として構成したことを特徴とする油圧アクチュエータ駆動装置。
  2. 前記弁ハウジングには、前記各主管路の一部を構成する一対の油路と、該各油路の間を連通させる短絡通路と、該短絡通路に連通すると共に互いに同軸をなして配置されたスプール摺動穴およびスリーブ摺動穴とを設け、
    前記スプール弁は、前記弁ハウジングのスプール摺動穴内に挿嵌され前記短絡通路を連通,遮断するための油穴が径方向に貫通して設けられたスプールと、該スプールの両端側に形成され前記絞りの前,後のパイロット圧を受圧する2つの受圧部と、該2つの受圧部のうち一方の受圧部側に設けられ前記スプールを閉弁方向に向けて付勢する弁ばねとを有する構成とし、
    前記スリーブ式逆止弁は、前記スリーブを前記スプールの外周と前記スリーブ摺動穴との間に挿嵌する構成とし、前記スリーブには、前記スプールの油穴を前記短絡通路に対して連通,遮断する径方向穴を形成してなる請求項1に記載の油圧アクチュエータ駆動装置。
  3. 前記弁ハウジングには、前記スリーブとスプールとの軸方向変位を許し回転方向の変位を規制する廻止め手段を設ける構成としてなる請求項1または2に記載の油圧アクチュエータ駆動装置。
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