JP2011020970A - ホウ素化合物およびこれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

ホウ素化合物およびこれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Abstract

【課題】電圧変化率が小さく、耐久性が高い有機EL素子を提供する。
【解決手段】有機EL素子の電荷輸送材料として、下記式(1)で表されるホウ素化合物を用いる。
Figure 2011020970

(式(1)中、−Aは、それぞれ独立に、炭素原子数1〜20のアルキル基または特定の構造式で示される基を表す。ただし、3つの−Aのうち少なくとも2つの−Aは、それぞれ独立に、特定の構造式で示される基を表し、かつ3つの−Aは、同時に同一の基を表さない。−R1は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、芳香族を含有するホウ素化合物に関する。より詳しくは、本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下「有機EL素子」とも記す。)の電荷輸送材料として好適である芳香族を含有するホウ素化合物に関する。
有機薄膜を用いた電界発光(エレクトロルミネッセンス)素子、すなわち有機EL素子は、通常、基板上に、陽極、陰極、およびこれら両極間に設けられた少なくとも発光層を含む有機層を有するものである。該有機層としては、発光層以外にも、正孔注入層(陽極バッファ層)、正孔輸送層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層などが設けられる。通常、これらの層を陽極と陰極との間に積層することにより有機EL素子が構成されている。
例えば、特許文献1には、下記式(I−13),(I−18)および(I−32)で表されるホウ素化合物が開示され、2つの電極間に挟持された有機層を有する有機EL素子において、有機層の少なくとも1層に該ホウ素化合物の少なくとも1種を含有する場合、該ホウ素化合物は、発光材料としても電子輸送材料としても有効であることが記載されている。
Figure 2011020970
しかしながら、特許文献1に記載の有機EL素子は、電圧変化および耐久性の点で改善の余地が認められる。
特開2003−31367号公報
本発明は、電圧変化が低く、耐久性が高い有機EL素子を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、有機EL素子の電荷輸送材料として特定の芳香族環構造を有するホウ素化合物を用いた場合に、該有機EL素子が、薄膜形成時または通電時においても、結晶化した該ホウ素化合物の析出がなく、電圧変化率が小さく保たれ、耐久性が高いことを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、たとえば以下の[1]〜[8]に関する。
[1]下記式(1)で表されることを特徴とするホウ素化合物。
Figure 2011020970
(式(1)中、−Aは、それぞれ独立に、炭素原子数1〜20のアルキル基または下記式(a)または(b)で示される基を表す。
Figure 2011020970
[式(a),(b)中、−R2は、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。]
ただし、3つの−Aのうち少なくとも2つの−Aは、それぞれ独立に、上記式(a)または(b)で示される基を表し、かつ3つの−Aは、同時に同一の基を表さない。
−R1は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表す。
ただし、6つの−R1のうち少なくとも4つの−R1は、メチル基を表す。)
[2]下記式(2)で表されることを特徴とする[1]に記載のホウ素化合物。
Figure 2011020970
(式(2)中、−A1は、炭素原子数1〜20のアルキル基または上記式(a)または(b)で示される基を表し、−A2は、上記式(a)または(b)で示される基を表し、−R1は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表す。
ただし、−A1および−A2は、同時に同一の基を表さず、6つの−R1のうち少なくとも4つの−R1は、メチル基を表す。)
[3]下記式(4)〜(7)のいずれかで表されることを特徴とする[2]に記載のホウ素化合物。
Figure 2011020970
[4]下記式(3)で表されることを特徴とする[1]に記載のホウ素化合物。
Figure 2011020970
(式(3)中、−A1は、炭素原子数1〜20のアルキル基または上記式(a)または(b)で示される基を表し、−A2および−A3は、それぞれ独立に、上記式(a)または(b)で示される基を表し、−R1は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表す。
ただし、−A1、−A2および−A3は、同時に同一の基を表さず、6つの−R1のうち少なくとも4つの−R1は、メチル基を表す。)
[5]下記式(8)で表されることを特徴とする[4]に記載のホウ素化合物。
Figure 2011020970
[6][1]〜[5]のいずれかに記載のホウ素化合物からなることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子用電荷輸送材料。
[7]陽極と陰極との間に1以上の発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス素子であって、該発光層の少なくとも1層が、[6]に記載の電荷輸送材料を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
[8]極大発光波長が、500nm以上であることを特徴とする[7]に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
本発明のホウ素化合物を有機EL素子の電荷輸送材料として用いた場合、薄膜形成時または通電時においても、結晶化した該ホウ素化合物の析出がなく、電圧変化率が小さく保たれ、耐久性が高い有機EL素子が得られる。
さらに、本発明のホウ素化合物を有機EL素子の電荷輸送材料として用い、例えば、イリジウム錯体を有機EL素子の発光層に使用される材料(以下「発光材料」とも記す。)として用いた場合、イリジウム錯体の極大発光波長が500nm以上(可視光の緑色〜赤色に対応する領域)であると、特に電圧変化率が小さく安定した性能を有する有機EL素子が得られる。
図1は、本発明の有機EL素子の一態様の概略断面図である。 図2は、本発明の有機EL素子の一態様(キャビティーを備える有機EL素子)の概略断面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
<ホウ素化合物>
本発明のホウ素化合物は、下記式(1)で表されることを特徴とする。
Figure 2011020970
(式(1)中、−Aは、それぞれ独立に、炭素原子数1〜20のアルキル基または下記式(a)または(b)で示される基を表す。
Figure 2011020970
[式(a),(b)中、−R2は、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。]
ただし、3つの−Aのうち少なくとも2つの−Aは、それぞれ独立に、上記式(a)または(b)で示される基を表し、かつ3つの−Aは、同時に同一の基を表さない。
−R1は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表す。
ただし、6つの−R1のうち少なくとも4つの−R1は、メチル基を表す。)
上記「炭素原子数1〜20のアルキル基」としては、例えば、メチル基、エチル基、i−プロピル基、ヒドロキシエチル基、メトキシメチル基、トリフルオロメチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基等が挙げられる。
上記「炭素原子数1〜6のアルキル基」としては、該「炭素原子数1〜20のアルキル基」のうち、炭素原子数が1〜6のものが例示できる。
上記式(1)中の6つの−R1のうち、少なくとも4つの−R1、好ましくは少なくとも5つの−R1、特に好ましくはすべての−R1が、メチル基を表すと、大気中での化合物の安定性が向上し、取り扱いが容易であるため好適である。
上記式(1)中の−Aが、ホウ素原子に対してパラ位でベンゼン環と結合していると、有機EL素子の電荷輸送材料としてこのようなホウ素化合物を用いた場合に、該有機EL素子が、電圧変化率が小さく保たれ、耐久性が高く、安定した性能を有することから好適である。
さらに、該ホウ素化合物を有機EL素子の電荷輸送材料として用い、イリジウム錯体を有機EL素子の発光材料として用いた場合、イリジウム錯体の極大発光波長が500nm以上であると、特に電圧変化率が小さく安定した性能を有する有機EL素子が得られるため好ましい。
上記式(1)で表されるホウ素化合物は、有機EL素子の電荷輸送材料として使用する場合、2.75〜3.90eVのバンドギャップを有することが好ましく、さらには、2.95〜3.65eVのバンドギャップを有することが好ましい。バンドギャップが上記範囲内にあることによって、有機EL素子の発光効率を向上させることができる。
上記バンドギャップとは、化合物のイオン化ポテンシャルと電子親和力との差を表し、イオン化ポテンシャルおよび電子親和力は、真空準位を基準として決定される。イオン化ポテンシャルは、化合物のHOMO(最高被占分子軌道)レベルにある1個の電子を真空準位に放出する際に必要となるエネルギーとして定義され、電子親和力は、真空準位にある1個の電子を化合物のLUMO(最低空分子軌道)レベルに取り込む際に放出されるエネルギーとして定義される。
なお、上記ホウ素化合物のバンドギャップ、すなわちイオン化ポテンシャルと電子親和力との差は、ホウ素化合物の吸収スペクトルの吸収端から換算することが可能であり、具体的には以下のようにして求めることができる。
本発明のホウ素化合物をガラス上に蒸着したときの蒸着膜(厚さ100nm)の吸収スペクトルを測定し、その吸収端の波長Y(nm)をX(eV)に換算する。このときに、以下の換算式を使用する。
X=1240/Y
上記ホウ素化合物は、下記式(2)で表されることが好ましい。
Figure 2011020970
(式(2)中、−A1は、炭素原子数1〜20のアルキル基または上記式(a)または(b)で示される基を表し、−A2は、上記式(a)または(b)で示される基を表し、−R1は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表す。
ただし、−A1および−A2は、同時に同一の基を表さず、6つの−R1のうち少なくとも4つの−R1は、メチル基を表す。)
上記式(2)中の−A1および−A2が、同時に同一の基を表さないと、このようなホウ素化合物を有機EL素子用電荷輸送材料として用いた際、薄膜形成時または通電時においても、結晶化した該ホウ素化合物の析出がなく、電圧変化率が小さく保たれ、耐久性が高い有機EL素子が得られることから好適である。
上記式(2)中の−A2が、同時に上記式(a)または(b)で示される基を表すと、耐久性が向上することから好適である。
さらに、上記式(2)で表されるホウ素化合物は、下記式(4)〜(7)のいずれかで表されることが好ましい。
Figure 2011020970
上記式(4)〜(7)のいずれかで表されるホウ素化合物は、固体状態において蛍光強度を有する化合物であり、電場発光性にも優れていることから、発光材料としても好適である。また、金属電極からの電子注入性および電子輸送性に非常に優れているため、他の発光材料を用いた素子において、電荷輸送材料として使用した場合、優れた発光効率が得られる。さらに、該ホウ素化合物は、スピンコート等で成膜しても結晶化することなく、電圧変化率が小さい安定した膜が得られる。
なお、下記式(4’)〜(7’)それぞれで表されるホウ素化合物は、ホウ素に結合するベンゼン環の、ホウ素の結合位置に対してメタ位にメチル基が置換している点で、上記式(4)〜(7)それぞれで表されるホウ素化合物と構造が異なり、下記式(4’)〜(7’)のいずれかで表されるホウ素化合物は、該メチル基による立体障害のため、ホウ素に結合するベンゼン環と該ベンゼン環に結合するベンゼン環との間のねじれが大きい、すなわち、ベンゼン環同士の共鳴が切断され易いため、このようなホウ素化合物を有機EL素子用電荷輸送材料として用いた際、耐久性に劣る場合がある。
一方、該メチル基の立体障害がない、上記式(4)〜(7)のいずれかで表されるホウ素化合物は、隣接するベンゼン環同士のねじれが小さく、共鳴し易いため、このようなホウ素化合物を有機EL素子用電荷輸送材料として用いた際、耐久性に優れる。特に、該有機EL素子の極大発光波長が500nm以上の場合、500nm未満の場合と比較して耐久性は顕著に優れる。
Figure 2011020970
上記ホウ素化合物は、下記式(3)で表されることも好ましい。
Figure 2011020970
(式(3)中、−A1は、炭素原子数1〜20のアルキル基または上記式(a)または(b)で示される基を表し、−A2および−A3は、それぞれ独立に、上記式(a)または(b)で示される基を表し、−R1は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表す。
ただし、−A1、−A2および−A3は、同時に同一の基を表さず、6つの−R1のうち少なくとも4つの−R1は、メチル基を表す。)
上記式(3)中の−A1、−A2および−A3が、同時に同一の基を表さないと、このようなホウ素化合物を有機EL素子用電荷輸送材料として用いた際、該ホウ素化合物をスピンコート等で成膜しても結晶化による析出がない点で望ましい。
さらに、上記式(3)で表されるホウ素化合物は、下記式(8)で表されることが好ましい。
Figure 2011020970
(ホウ素化合物の製造方法)
本発明のホウ素化合物の製造方法としては、例えば、−R1がすべてメチル基を表す上記式(3)の場合、下記工程(i)〜(iii)を含む製造方法が挙げられるが、本発明はこれに限定されない。
工程(i):下記式(A−1)で表される化合物およびマグネシウムを原料として用いて、下記式(G−1)で表されるグリニャール試薬(G−1)を調製し、下記式(A−2)で表される化合物およびマグネシウムを原料として用いて、下記式(G−2)で表されるグリニャール試薬(G−2)を調製し、下記式(A−3)で表される化合物およびマグネシウムを原料として用いて、下記式(G−3)で表されるグリニャール試薬(G−3)を調製する工程。
工程(ii):不活性ガス雰囲気下、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体(BF3Et2O)と、該グリニャール試薬(G−1)および該グリニャール試薬(G−2)とを反応させることによって、下記式(M)で表される反応中間体(M)を得る工程。
工程(iii):不活性ガス雰囲気下、該反応中間体(M)と、該グリニャール試薬(G−3)とを反応させることによって、上記式(1)で表されるホウ素化合物を得る工程。
Figure 2011020970
(式(A−1)〜(A−3)および(G−1)〜(G−3)中、−A1、−A2および−A3は、それぞれ上記式(3)中の−A1、−A2および−A3と同義であり、Xは、それぞれ独立に、ハロゲン原子を表す。)
Figure 2011020970
(式(M)中、−A1および−A2は、それぞれ上記式(3)中の−A1および−A2と同義である。)
[工程(i)]
工程(i)とは、上記式(A−1)で表される化合物およびマグネシウムを原料として用いて、上記式(G−1)で表されるグリニャール試薬(G−1)を調製し、
上記式(A−2)で表される化合物およびマグネシウムを原料として用いて、上記式(G−2)で表されるグリニャール試薬(G−2)を調製し、
上記式(A−3)で表される化合物およびマグネシウムを原料として用いて、上記式(G−3)で表されるグリニャール試薬(G−3)を調製する工程である。
すなわち、工程(i)は、まず、下記「溶液(i)」、下記「溶液(A−1)」、下記「溶液(A−2)」および下記「溶液(A−3)」をそれぞれ調製し、
次いで「溶液(i)」に「溶液(A−1)」を滴下することによって「グリニャール試薬(G−1)」を調製し、「溶液(i)」に「溶液(A−2)」を滴下することによって「グリニャール試薬(G−2)」を調製し、「溶液(i)」に「溶液(A−3)」を滴下することによって「グリニャール試薬(G−3)」を調製する工程である。
上記式(A−1)〜(A−3)および(G−1)〜(G−3)中のXは、ハロゲン原子を表し、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられ、Xとしては、反応性の観点から、臭素原子が好ましい。
「溶液(i)」は、不活性ガス雰囲気下、マグネシウムおよび活性化剤が、エーテル系溶媒に浸漬されている状態にして加熱する、好ましくは撹拌しながら加熱することによって調製することができる。
「不活性ガス」としては、例えば、窒素、アルゴンなどが挙げられる。
なお、工程(i)〜(iii)いずれの工程も、不活性ガス雰囲気下で反応を行なうものであり、下記の工程(ii)および(iii)で使用される「不活性ガス」は、工程(i)で使用する不活性ガスと同じものであることが好ましい。
「活性化剤」としては、例えば、ヨウ素、1,2−ジブロモエタン、ヨードメタンなどが挙げられる。
「エーテル系溶媒」としては、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピランなどが挙げられる。これらのうち、反応性の観点から、THFが好ましく、特に脱水させたものが好ましい。
反応温度は、通常−20〜200℃、好ましくは0〜160℃である。
反応時間は、通常5〜600分間、好ましくは60〜300分間である。
「溶液(A−1)」は、上記式(A−1)で表される化合物を、上記「エーテル系溶媒」に溶解させて調製することができる。該溶液(A−1)の濃度は、通常0.01〜10モル/L、好ましくは0.1〜5モル/Lである。
「溶液(A−2)」は、上記式(A−2)で表される化合物を、上記「エーテル系溶媒」に溶解させて調製することができる。
「溶液(A−3)」は、上記式(A−3)で表される化合物を、上記「エーテル系溶媒」に溶解させて調製することができる。
「溶液(i)」と「溶液(A−1)」との反応温度は、通常−100〜100℃、好ましくは−80〜80℃であり、反応時間は、通常5〜600分間、好ましくは30〜300分間である。なお、溶液(A−2)および溶液(A−3)を用いる場合も、溶液(A−1)と同様であることが好ましい。
[工程(ii)]
工程(ii)とは、不活性ガス雰囲気下、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体(BF3Et2O)と、上記グリニャール試薬(G−1)および上記グリニャール試薬(G−2)とを反応させることによって、上記式(M)で表される反応中間体(M)を得る工程である。
該BF3Et2Oは、溶媒に溶解させて用いることが好ましく、そのような溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、THFなどが挙げられ、これらのうち、トルエン、キシレンが好ましく、特に脱水したもの(脱水トルエン、脱水キシレン)が好ましい。
該BF3Et2Oが該溶媒に溶解した溶液の濃度は、通常0.01〜10モル/L、好ましくは0.1〜5モル/Lである。
脱水トルエン溶液中のBF3Et2O1モルに対する、該グリニャール試薬(G−1)および該グリニャール試薬(G−2)の合計添加量は、通常0.85〜1.15モル、好ましくは0.95〜1.05モルである。該グリニャール試薬(G−1)および該グリニャール試薬(G−2)の合計添加量が上記範囲内であると、(定量的に反応中間体Mが生成するため)であるため好適である。
なお、該グリニャール試薬(G−1)と該グリニャール試薬(G−2)とは、それぞれ同じ量(モル)を用いることが好ましい。
反応温度は、通常−100〜100℃、好ましくは0〜80℃である。
反応時間は、通常5〜600分間、好ましくは30〜300分間である。
[工程(iii)]
工程(iii)とは、不活性ガス雰囲気下、上記反応中間体(M)と、上記グリニャール試薬(G−3)を反応させることによって、上記式(1)で表されるホウ素化合物を得る工程である。
反応条件は、上記工程(ii)と同様であることが好ましい。
該反応中間体(M)1モルに対する、該グリニャール試薬(G−3)の添加量は、通常1.0〜3.0モル、好ましくは1.05〜2モルである。該グリニャール試薬(G−3)の添加量が上記範囲内であると、上記式(1)の化合物が収率良く得られるため好適である。
上記式(1)中、−A1、−A2および−A3のうちA1のみが異なり、A2およびA3が同一の場合は、例えば、下記工程(i)〜(iii)を含む製造方法を用いることができる。
工程(i):下記式(A−1)で表される化合物およびマグネシウムを原料として用いて、下記式(G−1)で表されるグリニャール試薬(G−1)を調製し、下記式(A−2)で表される化合物およびマグネシウムを原料として用いて、下記式(G−2)で表されるグリニャール試薬(G−2)を調製する工程。
工程(ii):不活性ガス雰囲気下、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体(BF3Et2O)と、該グリニャール試薬(G−1)とを反応させることによって、下記式(M)で表される反応中間体(M’)を得る工程。
工程(iii):不活性ガス雰囲気下、該反応中間体(M’)と、該グリニャール試薬(G−2)とを反応させることによって、上記式(1)で表されるホウ素化合物を得る工程。
Figure 2011020970
(式(A−1)〜(A−2)および(G−1)〜(G−2)中、−A1、−A2は、それぞれ上記式(3)中の−A1、−A2と同義であり、Xは、それぞれ独立に、ハロゲン原子を表す。)
Figure 2011020970
(式(M’)中、−A1は、上記式(3)中の−A1と同義である。)
<有機EL素子>
本発明の有機EL素子としては、例えば、図1に示すような、一対の電極(陽極2および陰極6)間に有機層(正孔輸送層3、発光層4および電子輸送層5)を有する有機EL素子などが挙げられる。
該有機層は、必要に応じて、陽極バッファ層、陰極バッファ層なども含んでいてもよい。
本発明の有機EL素子が有する構造としては、図1に示す有機EL素子の構造(下記(iv)に対応する。)の他に、例えば、下記(i)〜(iii)および(v)などが挙げられる。
(i)陽極/発光層/陰極、
(ii)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極、
(iii)陽極/発光層/電子輸送層/陰極、
(iv)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極、および
(v)陽極/陽極バッファ層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極バッファ層/陰極。
本発明のホウ素化合物は、いずれの層中に含有されていてもよいが、発光層または電子輸送層に含有されていることが好ましく、発光層に含有されていることが特に好ましい。
また、本発明の有機EL素子は、薄膜形成時または通電時においても、結晶化した該ホウ素化合物の析出がなく、電圧変化率が小さく保たれ、耐久性が高い。
特に、本発明の有機EL素子は、イリジウム錯体などの発光材料の極大発光波長が500nm以上(可視光の緑色〜赤色に対応する領域)であると、電圧変化率が小さい安定した性能を有する。
また、本発明の有機EL素子としては、国際公開第01/06577号パンフレットに記載されているような有機EL素子、すなわち、図2に示すような、正孔注入電極層36、電子注入電極層40、および正孔注入電極層36と電子注入電極層40との間に挿入された誘電体層38を備え、少なくともこれらの電極層の内の1つおよび該誘電体層38を通って延びる、正孔注入電極領域42、電子注入電極領域46および誘電体領域44を備える内部キャビティー表面を有するキャビティー34を備える有機EL素子であって、上述の本発明のホウ素化合物を含有する有機層50が、該内部キャビティー表面の正孔注入電極領域42および電子注入電極領域46と電気的に接触している有機EL素子(キャビティーを備える有機EL素子)も挙げられる。
前者の有機EL素子の製造方法は、一対の電極間に有機層を有する有機EL素子の製造方法であって、一方の上記電極上に、本発明のホウ素化合物を含む上記有機層を形成する工程、および上記有機層上に他方の上記電極を形成する工程を含んでいる。
また、後者の有機EL素子は、国際公開第01/06577号パンフレットに記載されているような製造方法、すなわち、正孔注入電極層36、電子注入電極層40、および正孔注入電極層36と電子注入電極層40との間に挿入された誘電体層38を備え、少なくともこれらの電極層の内の1つおよび該誘電体層38を通って延びる、正孔注入電極領域42、電子注入電極領域46および誘電体領域44を備える内部キャビティー表面を有するキャビティー34を備える積層構造を形成する工程、ならびに該内部キャビティー表面の正孔注入電極領域42および電子注入電極領域46と電気的に接触するように、上述の本発明の有機EL素子材料を含有する有機層50を該内部キャビティー表面に形成する工程を含む製造方法により製造できる。
本発明の有機EL素子材料を含有する有機層の形成方法としては、例えば、塗布法、インクジェット法等の方法が挙げられる。
(発光層)
発光層は、電極または電子輸送層、正孔輸送層から注入されてくる電子および正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であってもよい。
発光材料は、本発明のホウ素化合物、蛍光もしくは燐光を発する有機化合物、または錯体が好適である。また、本発明のホウ素化合物を有機EL素子の電子輸送層に使用する場合、発光材料は、有機EL素子の発光層に使用される公知のものの中から適宜選択して用いることもできる。このような発光材料は、主に有機化合物であり、所望の色調により、例えば、Macromol.Synth.,125巻,17〜25頁に記載の化合物等を用いることができる。発光材料は、発光性能の他に、正孔輸送機能や電子輸送機能を併せ持っていてもよく、正孔輸送材料や電子輸送材料のほとんどが、発光材料としても使用できる。
発光材料は、p−ポリフェニレンビニレンやポリフルオレンのような高分子材料でもよく、さらに上記発光材料を高分子鎖に導入したもの、または、上記発光材料を高分子の主鎖とした高分子材料を使用してもよい。
上記燐光を発する錯体のうち、イリジウム錯体がより好ましい。上記イリジウム錯体としては、具体的に、以下のような錯体(E−1)〜(E−39)が好適である。
Figure 2011020970
Figure 2011020970
Figure 2011020970
Figure 2011020970
これらのうち、より好ましくはE−1、E−2、E−4、E−15、E−16、E−17、E−19、E−26およびE−32のいずれかで表される化合物であり、さらに好ましくは、E−2、E−17およびE−32のいずれかで表される化合物である。上記発光材料は、1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、発光層にはドーパント(ゲスト物質)を併用してもよく、有機EL素子のドーパントとして使用される公知のものの中から任意のものを選択して用いることができる。ドーパントの具体例としては、例えば、キナクリドン、DCM、クマリン誘導体、ローダミン、ルブレン、デカシクレン、ピラゾリン誘導体、スクアリリウム誘導体、ユーロピウム錯体、イリジウム錯体、プラチナ錯体等がその代表例として挙げられる。発光層は、上記化合物を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法などの公知の薄膜化法により製膜して形成することができる。発光層の膜厚は特に制限はないが、通常は5nm〜5μmの範囲で選ばれる。発光層は、これらの発光材料の1種または2種以上からなる一層構造であってもよいし、あるいは、同一組成または異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。また、発光層は、特開昭57−51781号公報に記載されているように、樹脂などの結着材とともに上記発光材料を溶剤に溶かして溶液としたのち、これをスピンコート法などにより薄膜化して形成することができる。
(正孔輸送層)
正孔輸送層は、陽極より注入された正孔を発光層に伝達する機能を有し、正孔輸送層を陽極と発光層の間に介在させることにより、より低い電界で多くの正孔が発光層に注入される。そのうえ、発光層に陰極、陰極バッファ層または電子輸送層より注入された電子は、発光層と正孔輸送層の界面に存在する電子の障壁により、発光層内の界面に累積され発光効率が向上するなど発光性能の優れた素子となる。この正孔輸送層の材料(以下「正孔注入材料」または「正孔輸送材料」とも記す。)については、上記の好ましい性質を有するものであれば特に制限はなく、従来、光導伝材料において、正孔の電荷注入輸送材料として慣用されているものやEL素子の正孔輸送層に使用される公知のものの中から任意のものを選択して用いることができる。正孔輸送材料は、正孔の注入もしくは輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであってもよく、特に重合性官能基を有する置換基を含む正孔輸送性の重合性化合物が好ましく、これらのうちカルバゾール構造またはトリフェニルアミン構造を含むことがより好ましい。これらの化合物を高分子鎖に導入した、または、これらの化合物を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
上記重合性官能基は、ラジカル重合性、カチオン重合性、アニオン重合性、付加重合性および縮合重合性の官能基のいずれであってもよい。これらのうちで、ラジカル重合性の官能基は、重合体の製造が容易であるため好ましい。なお、上記重合性官能基を有する置換基は、重合性官能基そのものも含む。
具体的には、上記重合性官能基を有する置換基としては、下記一般式(9)で表される置換基が好ましい。
Figure 2011020970
上記式(9)中、R701は、水素原子または炭素原子数1〜12のアルキル基を表す。
上記炭素原子数1〜12のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基などが挙げられる。これらのうちで、電子輸送能および正孔輸送能に優れることから、R701は水素原子であることが好ましい。
7は、単結合または下記式(X71)〜(X74)のいずれかで表される基を表す。
Figure 2011020970
式中、RX71は、単結合または炭素原子数1〜12のアルキレン基を表し、RX72は、単結合、炭素原子数1〜12のアルキレン基またはフェニレン基を表す。なお、上記式(1)において、RX71はAに結合し、RX72はビニル基に結合することが好ましい。このようなX7によれば、電圧変化率が小さく、耐久性が高い有機EL素子が得られる。
上記炭素原子数1〜12のアルキレン基として、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、t−ブチレン基、アミレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、デシレン基、2−エチルヘキシレン基、ドデシレン基などが挙げられる。これらのうち、好ましくは炭素原子数1〜6のアルキレン基、より好ましくは炭素原子数1〜3のアルキレン基である。
これらのうちで、X7は、単結合または炭素原子数1〜7のアルキレン基であることが好ましく、単結合であることがより好ましい。
上記カルバゾール構造またはトリフェニルアミン構造を含む重合性化合物としては、重合性官能基を有する置換基を含む、N,N’−ジフェニル−N,N’−(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’ジアミン(TPD)、N,N,N’,N’−テトラキス(3−メチルフェニル)−1,1’−(3,3‘−ジメチル)ビフェニル−4,4’ジアミン(HMTPD)、4、4’,4’’−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、9−ビニルカルバゾール、9−エチルカルバゾール、4,4’−ビスカルバゾリルビフェニル(CBP)、4,4’−ビスカルバゾリル−2,2’−ジメチルビフェニル(CDBP)などが挙げられる。これらのうち、好ましくは9−ビニルカルバゾール、9−エチルカルバゾール、CBPおよびCDBP、より好ましくは9−エチルカルバゾールおよびCDBPである。上記正孔輸送性の重合性化合物は、1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、下記一般式(10)および(11)で表される正孔輸送性の重合性化合物も、電子輸送能および正孔輸送能および光物性に優れることから本発明に好適である。
Figure 2011020970
上記式(10)中、R501〜R524のうち少なくとも1つは重合性官能基を有する置換基を表し、該重合性官能基を有する置換基ではないR501〜R524は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数1〜10のアルキル基によって置換されていてもよいアミノ基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、カルバゾリル基およびシリル基からなる群より選ばれる原子または置換基を表す。
上記原子または置換基の具体例としては、上述した原子または置換基が挙げられる。上記カルバゾリル基は、メチル基、エチル基、t−ブチル基、メトキシ基などの置換基を有していてもよい。
501〜R505、R506〜R510、R511〜R515、R516〜R520およびR521〜R523のうち、環を構成する2つの炭素原子を介して隣り合う2つの基は、互いに結合して縮合環を形成してもよい。
Figure 2011020970
上記式(11)中、R601〜R633のうち少なくとも1つは重合性官能基を有する置換基を表し、該重合性官能基を有する置換基ではないR601〜R633は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数1〜10のアルキル基によって置換されていてもよいアミノ基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、およびシリル基からなる群より選ばれる原子または置換基を表す。
上記原子または置換基の具体例としては、上述した原子または置換基が挙げられる。
601〜R605、R606〜R610、R611〜R615、R616〜R620、R621〜R625、R626〜R630のうち、環を構成する2つの炭素原子を介して隣り合う2つの基は、互いに結合して縮合環を形成していてもよい。
これらのうちで、上記式(10)で表される重合性化合物では、R501〜R505、R506〜R510、R511〜R515、R516〜R520のそれぞれにおいて、少なくとも1つは水素原子以外の上記原子または置換基であることが好ましい。なお、この場合、重合性官能基あるいは上記原子または置換基ではないR501〜R524は、水素原子である。また、上記式(11)で表される重合性化合物では、R601〜R605、R606〜R610、R611〜R615、R616〜R620、R621〜R625、R626〜R630のそれぞれにおいて、少なくとも1つは水素原子以外の上記原子または置換基であることが好ましい。なお、この場合、重合性官能基あるいは上記原子または置換基ではないR601〜R633は、水素原子である。
上記重合性官能基を有する置換基としては、上記一般式(9)で表される置換基が好ましい。R701は、水素原子または炭素原子数1〜12のアルキル基を表す。R701の好ましい範囲およびその理由は、実施の形態1で述べた電子輸送性の重合性化合物の場合と同じである。X7は、単結合または上記式(X71)〜(X74)で表される基を表す。X7の好ましい範囲および理由は、実施の形態1で述べた電子輸送性の重合性化合物の場合と同じである。
上記正孔輸送性の重合性化合物としては、より具体的には、下記式(12−1)〜(12−11)に示す化合物が挙げられる。これらのうち、下記式(12−4)、(12−8)および(12−9)に示す化合物が好ましい。
Figure 2011020970
上記正孔輸送性の重合性化合物は、1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記式(10)で表される化合物は、例えば、m−フェニレンジアミン誘導体とハロゲン化アリールとのパラジウム触媒置換反応またはジアリールアミンとm−ジブロモベンゼン誘導体とのパラジウム触媒置換反応によって製造できる。置換反応の具体的な方法については、例えばTetrahedron Letters、1998年、39巻、2367頁などに記載されている。
また、上記式(11)で表される化合物は、例えば、1,3,5−トリアミノベンゼンとハロゲン化アリールとのパラジウム触媒置換反応またはジアリールアミンと1,3,5−トリハロゲン化ベンゼンとのパラジウム触媒置換反応によって製造できる。置換反応の具体的な方法については、例えばTetrahedron Letters、1998年、39巻、2367頁などに記載されている。
このような正孔輸送性の重合性化合物を重合してなる高分子化合物の重量平均分子量は、通常1,000〜2,000,000であり、好ましくは5,000〜500,000であることが望ましい。重量平均分子量がこの範囲にあると、該高分子化合物が有機溶媒に可溶であり、均一な薄膜を得られるため好ましい。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって、テトラヒドロフランを溶媒として、40℃で測定される値である。
また、p型−Si、p型−SiCなどの無機化合物も正孔輸送材料として使用することができる。
正孔輸送層は、上記正孔輸送材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法などの公知の方法により薄膜化することにより形成することができる。正孔輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度である。この正孔輸送層は、上記材料の1種または2種以上からなる一層構造であってもよく、同一組成または異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
(電子輸送層)
電子輸送層は、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよく、その材料としては従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができる。電子輸送層に用いられる材料(以下「電子輸送材料」とも記す。)の例としては、本発明の化合物以外にも、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレンペリレンなどの複素環テトラカルボン酸無水物、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタンおよびアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体などが挙げられる。さらに、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料として用いることができる。さらに、これらの材料を高分子鎖に導入した、または、これらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。また、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(Znq)など、およびこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、GaまたはPbに置き替わった金属錯体も電子輸送材料として用いることができる。その他、8−キノリノール誘導体(メタルフリー)もしくはメタルフタロシアニン、またはそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基などで置換されているものも電子輸送材料として好ましく用いることができる。また、発光層の材料として用いられるジスチリルピラジン誘導体も電子輸送材料として用いることができるし、正孔輸送層と同様に、n型−Si、n型−SiCなどの無機半導体も電子輸送材料として用いることができる。電子輸送層は、上記化合物を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法などの公知の薄膜化法により製膜して形成することができる。電子輸送層の膜厚は特に制限はないが、通常は5nm〜5μmの範囲で選ばれる。この電子輸送層は、電子輸送材料の一種または二種以上からなる一層構造であってもよいし、あるいは、同一組成または異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
(バッファ層)
さらに、陽極と発光層または正孔輸送層との間や陰極と発光層または電子輸送層との間にはバッファ層(電極界面層)を存在させてもよい。バッファ層とは、電圧変化の低下や発光効率の向上を図るために電極と有機層間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日、エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(第123頁〜第166頁)に詳細に記載されており、バッファ層には陽極バッファ層と陰極バッファ層とがある。陽極バッファ層は、特開平9−45479号公報、特開平9−260062号公報、特開平8−288069号公報等にもその詳細が記載されており、具体例として、銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニンバッファ層、酸化バナジウムに代表される酸化物バッファ層、アモルファスカーボンバッファ層、ポリアニリン(エメラルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子を用いた高分子バッファ層等が挙げられる。陰極バッファ層は、特開平6−325871号公報、特開平9−17574号公報、特開平10−74586号公報等にもその詳細が記載されており、具体的にはストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属バッファ層、フッ化リチウムに代表されるアルカリ金属化合物バッファ層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物バッファ層、酸化アルミニウムに代表される酸化物バッファ層等が挙げられる。特に、本発明の有機EL素子において、陰極バッファ層が存在した場合、大きな電圧変化率の低下や発光効率の向上が得られた。上記バッファ層はごく薄い膜であることが望ましく、素材にもよるが、その膜厚は0.1〜100nmの範囲が好ましい。さらに、上記基本構成層の他に必要に応じてその他の機能を有する層を積層してもよく、例えば、特開平11−204258号公報、特開平11−204359号公報および「有機EL素子とその工業化最前線」(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)の第237頁等に記載されている正孔阻止(正孔ブロック)層などのような機能層を有していてもよい。
(電極)
次に、電極について説明する。有機EL素子の電極は、陰極と陽極とからなる。陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物を電極物質とした陽極が好ましい。このような電極物質の具体例としてはAuなどの金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnOなどの導電性透明材料が挙げられる。陽極は、蒸着やスパッタリングなどの方法によりこれらの電極物質の薄膜を形成し、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成することによって得ることができる。また、パターン精度をあまり必要としない場合(100μm以上程度)には、電極物質を所望の形状のマスクを介して蒸着したり、スパッタリングしてパターンを形成してもよい。陽極より発光を取り出す場合には、陽極の光透過率は10%より大きいことが望ましく、また、陽極のシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。陽極の膜厚は材料にもよるが、通常、10nm〜1μm、好ましくは10nm〜200nmの範囲で選ばれる。一方、陰極には、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(以下「電子注入性金属」とも記す。)、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属などが挙げられる。これらの中で、電子注入性および酸化などに対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、リチウム/アルミニウム混合物などが好適である。さらに、本発明の有機EL素子に用いる陰極としては、アルミニウム合金が好ましく、特に、アルミニウム含有量が90質量%以上100質量%未満、最も好ましくは95質量%以上100質量%未満のアルミニウム合金が好ましい。これらのアルミニウム合金を用いることにより有機EL素子の発光寿命や、最高到達輝度を非常に向上させることができる。陰極は、蒸着やスパッタリングなどの方法により、上記の電極物質の薄膜を形成させることにより作製することができる。陰極のシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜1μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。なお、発光した光を透過させ取り出すために、有機EL素子の陽極または陰極のいずれか一方が透明または半透明であれば発光効率が向上し好都合である。
(基板)
本発明の有機EL素子は、通常、基板上に形成される。好ましく用いられる基板は、ガラス、プラスチックなどであり、特にその種類は限定されない。また、基板に光透過性が求められるときには透明の基板が用いられる。本発明のエレクトロルミネッセンス素子に好ましく用いられる基板としては、例えば、ガラス板、石英板、プラスチックフィルムを挙げることができる。光透過性プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルム等が挙げられる。
<有機EL素子の製造方法>
次に、本発明の有機EL素子製造方法を、先に挙げた陽極/陽極バッファ層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極バッファ層/陰極からなる有機EL素子を例として以下に説明する。他の構造を有する本発明の有機EL素子も以下の説明を参考にして容易に作製することができる。まず、基板上に陽極用物質からなる薄膜を1μm以下、好ましくは10〜200nmの範囲の膜厚になるように、例えば、蒸着やスパッタリングなどの方法により形成し陽極を作製する。次に、この上に陽極バッファ層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、陰極バッファ層の材料からなる薄膜を順次形成する。これらの薄膜の形成方法としては、上記したスピンコート法、キャスト法、蒸着法などがあるが、均質な膜が得られやすく、かつ、ピン正孔が生成しにくいなどの点から、真空蒸着法またはスピンコート法が好ましい。これらの層の形成には、層ごとに異なる製膜法を採用してもよい。蒸着法を用いて膜を形成する場合、蒸着条件は、使用する化合物の種類、分子堆積膜の目的とする結晶構造、会合構造などにより異なるが、一般的には、ボート加熱温度50〜450℃、真空度10-6〜10-2Pa、蒸着速度0.01〜50nm/秒、基板温度−50〜300℃、膜厚5nm〜5μmの範囲で適宜選ぶことが望ましい。これらの層を形成した後、その上に陰極用物質からなる薄膜を1μm以下、好ましくは50〜200nmの範囲の膜厚になるように、例えば、蒸着やスパッタリングなどの方法により形成し陰極を設けることにより、所望のEL素子が得られる。有機EL素子は、一回の真空引きで一貫して正孔輸送層から陰極まで作製するのが好ましいが、途中で取り出して異なる製膜法を施してもよい。しかし、その際には作業を乾燥不活性ガス雰囲気下で行なう等の配慮が必要となる。また、作製順序を逆にして、陰極、陰極バッファ層、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、陽極バッファ層、陽極の順に作製することも可能である。このようにして得られた有機EL素子に、陽極を+、陰極を−の極性として電圧5〜40V程度の直流電圧を印加すると、発光が観測できる。また、逆の極性で電圧を印加しても電流は流れずに発光はまったく生じない。さらに、交流電圧を印加する場合には、陽極が+、陰極が−の状態になったときのみ発光する。なお、印加する交流の波形は任意でよい。
本発明の有機EL素子は、照明用や露光光源のような一種のランプとして使用してもよいし、画像を投影するタイプのプロジェクション装置や、静止画像や動画像を直接視認するタイプの表示装置(ディスプレイ)として使用してもよい。動画再生用の表示装置として使用する場合、駆動方式は単純マトリクス(パッシブマトリクス)方式でも、アクティブマトリクス方式でもどちらでもよい。また、異なる発光色を有する有機EL素子を2種以上使用することにより、フルカラー表示装置とすることが可能である。
次に、本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
[調製例1]
下記式(12−8)で表される正孔輸送性の重合性化合物を用いて、以下の手順に従い正孔輸送性の重合体を調製した。
Figure 2011020970
密閉容器に、上記式(12−8)で表される正孔輸送性の重合性化合物300mgを入れ、脱水トルエン10mLを加えた後、ラジカル重合開始剤V−601(和光純薬工業製)のトルエン溶液(0.1M、100μL)を加え、凍結脱気操作を5回繰り返した。真空のまま密閉し、60℃で60時間撹拌した。反応後、反応液をアセトン250mL中に滴下して沈殿を生じさせた。さらにトルエン−アセトンでの再沈殿精製を2回繰り返して精製した後、50℃で一晩真空乾燥し、白色の固体として正孔輸送性の重合体270mgを得た。得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算のGPC測定より75,000であった。
[実施例1]
下記式(4)〜(8)のいずれかで表されるホウ素化合物を、以下の手順に従い調製した。
Figure 2011020970
(グリニャール試薬1の調製)
窒素雰囲気下、250mLの4つ口フラスコに、マグネシウム(0.60g)、ヨウ素(2mg)および脱水テトラヒドロフラン(THF)(5mL)を仕込み、室温でヨウ素の色が見えなくなるまで撹拌した。
この反応溶液に、4−ブロモ−3,5−ジメチルテルフェニル(8.09g)を脱水THF(120mL)に溶解させた溶液20mLを添加し、油浴温度70℃で20分撹拌し、さらに4−ブロモ−3,5−ジメチルテルフェニルが溶解した残りの溶液100mLを、油浴温度70℃のまま滴下した。
滴下後、そのままの温度で120分間撹拌し、グリニャール試薬1を調製した。
調整したグリニャール試薬1は滴定(例えば、「有機化学実験のてびき1」((株)化学同人)の38ページに記載されている方法などを参照。)によって濃度を確認した。
(グリニャール試薬2の調製)
窒素雰囲気下、100mLの4つ口フラスコに、マグネシウム(0.60g)、ヨウ素(2mg)および脱水テトラヒドロフラン(THF)(5mL)を仕込み、室温でヨウ素の色が見えなくなるまで撹拌した。
この反応溶液に、4−ブロモ−3,5−ジメチルビフェニル(6.26g)を脱水THF(30mL)に溶解させた溶液を、反応温度67〜70℃で滴下した。
滴下後、67〜70℃で120分間撹拌し、グリニャール試薬2を調製した。
調整したグリニャール試薬2は滴定(例えば、「有機化学実験のてびき1」((株)化学同人)の38ページに記載されている方法などを参照。)によって濃度を確認した。
(上記式(4)で表されるホウ素化合物の調製)
窒素雰囲気下、300mLの4つ口フラスコに、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体(BF3Et2O)(1.42g、10mmol)と脱水キシレン(20mL)とを仕込んだ。
この溶液に、先に調製したグリニャール試薬1を20mmol添加し、油温70℃で3時間撹拌した。
さらに、この反応溶液に、1Mメシチルマグネシウムブロミド(シグマ アルドリッチ ジャパン(株)製)THF溶液(13mL)を添加し、油温160℃で3時間撹拌した。
得られた反応溶液を放冷後、該溶液に水を少しずつ加え(計20mL)、さらに10%塩酸を20mL、酢酸エチルを80mL加えた。
有機層を抽出し、有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。乾燥剤をろ別した後、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーおよび再結晶法にて精製し、上記式(4)で表されるホウ素化合物を3.55g(収率:55%)得た。
NMR(500MHz,CDCl3);2.1-2.3ppm(m,21H,CH3)、7.0ppm(s,4H,ArH)、7.3-7.8ppm(m,20H)
(上記式(5)で表されるホウ素化合物の調製)
「上記式(4)で表されるホウ素化合物の調製」において、1MメシチルマグネシウムブロミドTHF溶液の代わりに、先に調製したグリニャール試薬2(15mmol)を用いた以外は、「上記式(3)で表されるホウ素化合物の調製」と同様にして、上記式(5)で表されるホウ素化合物3.54g(収率:50%)を得た。
NMR(500MHz,CDCl3);2.1-2.3ppm(m,18H,CH3)、7.0ppm(s,6H,ArH)、7.3-7.8ppm(m,23H)
(上記式(6)で表されるホウ素化合物の調製)
「上記式(4)で表されるホウ素化合物の調製」において、グリニャール試薬1の代わりにグリニャール試薬2を用いた以外は、「上記式(4)で表されるホウ素化合物の調製」と同様にして、上記式(6)で表されるホウ素化合物2.51g(収率:51%)を得た。
NMR(500MHz,CDCl3);2.1-2.3ppm(m,21H,CH3)、7.0ppm(s,4H,ArH)、7.3-7.8ppm(m,12H)
(上記式(7)で表されるホウ素化合物の調製)
「上記式(4)で表されるホウ素化合物の調製」において、グリニャール試薬1の代わりにグリニャール試薬2を、1MメシチルマグネシウムブロミドTHF溶液の代わりに、先に調製したグリニャール試薬1(15mmol)を用いた以外は、「上記式(4)で表されるホウ素化合物の調製」と同様にして、上記式(7)で表されるホウ素化合物3.34g(収率:53%)を得た。
NMR(500MHz,CDCl3);2.1-2.3ppm(m,18H,CH3)、7.0ppm(s,6H,ArH)、7.3-7.8ppm(m,19H)
(上記式(8)で表されるホウ素化合物の調製)
窒素雰囲気下、300mLの4つ口フラスコに、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体(BF3Et2O)(1.42g、10mmol)と脱水キシレン(20mL)とを仕込んだ。
この溶液に、1MメシチルマグネシウムブロミドTHF溶液(10mL)を−78℃で添加し、同温で3時間撹拌した後、徐々に反応温度を室温まであげた。
この反応溶液に、グリニャール試薬2(10mmol)を室温で添加し、油温70℃で1時間撹拌した。さらにグリニャール試薬1(15mmol)を加え、油温150℃で3時間撹拌し、「上記式(4)で表されるホウ素化合物の調製」と同様に精製を行い、上記式(8)で表されるホウ素化合物2.58g(収率:48%)を得た。
NMR(500MHz,CDCl3);2.1-2.3ppm(m,21H,CH3)、7.0ppm(s,4H,ArH)、7.3-7.8ppm(m,16H)
[比較例1]
下記式(14)〜(17)のいずれかで表されるホウ素化合物を、以下の手順に従い調製した。
Figure 2011020970
(上記式(14)で表されるホウ素化合物の調製)
窒素雰囲気下、200mLの4つ口フラスコに、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体(BF3Et2O)(1.42g)と脱水キシレン(20mL)とを仕込んだ。
この溶液に、グリニャール試薬2(35mmol)を添加し、油温150℃で3時間撹拌した。
得られた反応溶液を放冷後、該溶液に水を少しずつ加え(計20mL)、さらに10%塩酸を20mL、酢酸エチルを80mL加えた。
有機層を抽出し、有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。乾燥剤をろ別した後、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーおよび再結晶法にて精製し、上記式(134)で表されるホウ素化合物を3.10g(収率:80%)得た。
NMR(500MHz,CDCl3);2.1ppm(s,18H,CH3)、7.0ppm(s,6H,ArH)、7.3-7.6ppm(m,15H)
(上記式(15)で表されるホウ素化合物の調製)
特許文献1(特開2003−31367号公報)に記載されている方法にしたがい、上記式(15)で表されるホウ素化合物を調製した。
(上記式(16)で表されるホウ素化合物の調製)
Figure 2011020970
スキーム1において、4−ブロモ−m−キシレンとフェニルホウ酸とから得られる2,4−ジメチルビフェニルを臭素化し、3,5−ジブロモ−2,4−ジメチルビフェニルを合成した。この3,5−ジブロモ−2,4−ジメチルビフェニルとフェニルホウ酸とを反応させ、3−ブロモ−5−フェニル−2,4−ジメチルビフェニルを得た。
この3−ブロモ−5−フェニル−2,4−ジメチルビフェニルからグリニャール試薬を調製し、「上記式(14)で表されるホウ素化合物の調製」と同様にして反応・精製し、上記式(16)で表されるホウ素化合物を得た。
(上記式(17)で表されるホウ素化合物の調製)
Figure 2011020970
スキーム2において、ジブロモデュレンと1,1’:3’,1”−テルフェニル−5’−ホウ酸との反応から得られる化合物(18)からグリニャール試薬を調製した。
これと1Mの2,6−ジメチルフェニルマグネシウムブロミド(シグマ アルドリッチ ジャパン(株)製)THF溶液を用い、「上記式(4)で表されるホウ素化合物の調製」と同様にして反応・精製し、上記式(17)で表されるホウ素化合物を得た。
[実施例2〜6]
調製例1で得られた正孔輸送性の重合体とホウ素化合物と下記式(E−2)で表されるイリジウム錯体とを用いて、以下の手順に従って有機EL素子1〜5を作製した。
Figure 2011020970
はじめに、25mm×25mmのガラス基板の一方の面に、陽極となる幅4mmの2本のITO(酸化インジウム錫)電極がストライプ状に形成されたITO付き基板(ニッポ電機、Nippo Electric Co., LTD.)のITO(陽極)上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)・ポリスチレンスルホン酸(バイエル社製、商品名「バイトロンP」)をスピンコート法により、回転数3,500rpm、塗布時間40秒の条件で塗布した後、真空乾燥器で減圧下、60℃で2時間乾燥を行い、陽極バッファ層を形成した。得られた陽極バッファ層の膜厚は約50nmであった。
次に、発光層を形成するための塗布溶液を調製した。調製例1で得られた正孔輸送性の重合体(43mg)と、ホウ素化合物(42mg)と上記式(E−32)で表されるイリジウム錯体(5mg)とをトルエン(和光純薬工業製、特級)(2,910mg)に溶解し、得られた溶液を孔径0.2μmのフィルターで濾過して塗布溶液とした。次に、陽極バッファ層上に、調製した塗布溶液をスピンコート法により、回転数3,000rpm、塗布時間30秒の条件で塗布し、室温(25℃)にて30分間乾燥することにより、発光層を形成した。得られた発光層の膜厚は約100nmであった。
次に、発光層を形成した基板を蒸着装置内に載置し、セシウムを蒸着速度0.01nm/sで2nmの厚さに蒸着し(セシウム源としては、サエスゲッターズ社製アルカリメタルディスペンサーを使用)、続いて、陰極としてアルミニウムを蒸着速度1nm/sで250nmの厚さに蒸着した。セシウムとアルミニウムとの層は、陽極の延在方向に対して直交する2本の幅3mmのストライプ状に形成し、1枚のガラス基板当たり、縦4mm×横3mmの有機EL素子1〜5をそれぞれ4個ずつ作製した。
有機EL素子1〜5を作製する際に用いたホウ素化合物およびイリジウム錯体を表1に示す。
有機EL素子1〜5それぞれに、プログラマブル直流電圧/電流源(TR6143、(株)アドバンテスト社製)を用いて電圧を印加して発光させた。
その発光輝度を、輝度計(BM−8、(株)トプコン社製)を用いて測定した。作製した有機EL素子1〜5それぞれの最高輝度(cd/m2)、外部量子効率(%)、発光開始電圧(V)、1,000cd/m2で発光させた場合の電圧変化(相対値100時間後/初期)および耐久性(室温で、一定の直流電流で発光させ、初期輝度(1,000cd/m2)が50%に低下するまでに要する時間を測定する駆動寿命試験を行い、下記の比較例2で作製した有機EL素子の場合を1.0としたときの相対値を示す。)を表2に示す。なお、各値は、1枚の基板に形成された4個の有機EL素子1〜5それぞれの平均値を表す。
[実施例7〜11]
上記式(E−2)で表されるイリジウム錯体の代わりに、下記式(E−32)で表されるイリジウム錯体を用いた以外は、それぞれ実施例2〜6と同様の手順に従い、それぞれ有機EL素子6〜10を作製した。
Figure 2011020970
有機EL素子6〜10をそれぞれ作製する際に用いたホウ素化合物およびイリジウム錯体を表1に示す。
有機EL素子6〜10それぞれに、プログラマブル直流電圧/電流源(TR6143、(株)アドバンテスト社製)を用いて電圧を印加して発光させた。
それぞれの発光輝度を、輝度計(BM−8、(株)トプコン社製)を用いて測定した。作製した有機EL素子6〜10それぞれの最高輝度(cd/m2)、外部量子効率(%)、発光開始電圧(V)、1,000cd/m2で発光させた場合の電圧変化(相対値:100時間後/初期)および耐久性(室温で、一定の直流電流で発光させ、初期輝度(1,000cd/m2)が50%に低下するまでに要する時間を測定する駆動寿命試験を行い、下記の比較例3で作製した有機EL素子の場合を1.0としたときの相対値を示す。)を表2に示す。
[実施例12〜16]
上記式(E−2)で表されるイリジウム錯体の代わりに、下記式(E−17)で表されるイリジウム錯体を用いた以外は、それぞれ実施例2〜6と同様の手順に従い、それぞれ有機EL素子11〜15を作製した。
Figure 2011020970
有機EL素子11〜15をそれぞれ作製する際に用いたホウ素化合物およびイリジウム錯体を表1に示す。
有機EL素子11〜15それぞれに、プログラマブル直流電圧/電流源(TR6143、(株)アドバンテスト社製)を用いて電圧を印加して発光させた。
それぞれの発光輝度を、輝度計(BM−8、(株)トプコン社製)を用いて測定した。作製した有機EL素子11〜15それぞれの最高輝度(cd/m2)、外部量子効率(%)、発光開始電圧(V)、1,000cd/m2で発光させた場合の電圧変化(相対値:100時間後/初期)および耐久性(室温で、一定の直流電流で発光させ、初期輝度(1,000cd/m2)が50%に低下するまでに要する時間を測定する駆動寿命試験を行い、下記の比較例4で作製した有機EL素子の場合を1.0としたときの相対値を示す。)を表2に示す。
[比較例2〜4]
実施例2,7,12において、ホウ素化合物の代わりに、下記式(13)で表されるPBDを用いた以外は実施例2,7,12と同様の手順に従って、それぞれ有機EL素子16〜18を作製した。
Figure 2011020970
有機EL素子16〜18それぞれを作製する際に用いた化合物およびイリジウム錯体を表1に示す。
有機EL素子16〜18それぞれに、プログラマブル直流電圧/電流源(TR6143、(株)アドバンテスト社製)を用いて電圧を印加して発光させた。
その発光輝度を、輝度計(BM−8、(株)トプコン社製)を用いて測定した。作製した有機EL素子16〜18それぞれの最高輝度(cd/m2)、外部量子効率(%)、発光開始電圧(V)、1,000cd/m2で発光させた場合の電圧変化(相対値100時間後/初期)および耐久性(室温で、一定の直流電流で発光させ、初期輝度(1,000cd/m2)が50%に低下するまでに要する時間を測定する駆動寿命試験を行い、それぞれを1.0とした。)を表2に示す。
[比較例5〜7]
実施例2,7,12において、ホウ素化合物として、上記式(14)で表されるホウ素化合物を用いた以外は実施例2,7,12と同様の手順に従って、それぞれ有機EL素子19〜21を作製した。
有機EL素子19〜21それぞれに、プログラマブル直流電圧/電流源(TR6143、(株)アドバンテスト社製)を用いて電圧を印加して発光させた。
その発光輝度を、輝度計(BM−8、(株)トプコン社製)を用いて測定した。作製した有機EL素子19〜21それぞれの最高輝度(cd/m2)、外部量子効率(%)、発光開始電圧(V)、1,000cd/m2で発光させた場合の電圧変化(相対値100時間後/初期)および耐久性(室温で、一定の直流電流で発光させ、初期輝度(1,000cd/m2)が50%に低下するまでに要する時間を測定する駆動寿命試験を行い、上記の比較例2〜4それぞれで作製した有機EL素子の場合を1.0としたときの相対値を示す。)を表2に示す。
[比較例8〜10]
実施例2,7,12において、ホウ素化合物として、上記式(15)で表されるホウ素化合物を用いた以外は実施例2,7,12と同様の手順に従って、それぞれ有機EL素子22〜24を作製した。
有機EL素子22〜24それぞれに、プログラマブル直流電圧/電流源(TR6143、(株)アドバンテスト社製)を用いて電圧を印加して発光させた。
その発光輝度を、輝度計(BM−8、(株)トプコン社製)を用いて測定した。作製した有機EL素子22〜24それぞれの最高輝度(cd/m2)、外部量子効率(%)、発光開始電圧(V)、1,000cd/m2で発光させた場合の電圧変化(相対値100時間後/初期)および耐久性(室温で、一定の直流電流で発光させ、初期輝度(1,000cd/m2)が50%に低下するまでに要する時間を測定する駆動寿命試験を行い、上記の比較例2〜4それぞれで作製した有機EL素子の場合を1.0としたときの相対値を示す。)を表2に示す。
[比較例11〜13]
実施例2,7,12において、ホウ素化合物として、上記式(16)で表されるホウ素化合物を用いた以外は実施例2,7,12と同様の手順に従って、それぞれ有機EL素子25〜27を作製した。
有機EL素子25〜27それぞれに、プログラマブル直流電圧/電流源(TR6143、(株)アドバンテスト社製)を用いて電圧を印加して発光させた。
その発光輝度を、輝度計(BM−8、(株)トプコン社製)を用いて測定した。作製した有機EL素子25〜27それぞれの最高輝度(cd/m2)、外部量子効率(%)、発光開始電圧(V)、1,000cd/m2で発光させた場合の電圧変化(相対値100時間後/初期)および耐久性(室温で、一定の直流電流で発光させ、初期輝度(1,000cd/m2)が50%に低下するまでに要する時間を測定する駆動寿命試験を行い、上記の比較例2〜4それぞれで作製した有機EL素子の場合を1.0としたときの相対値を示す。)を表2に示す。
[比較例14〜16]
実施例2,7,12において、ホウ素化合物として、上記式(17)で表されるホウ素化合物を用いた以外は実施例2,7,12と同様の手順に従って、それぞれ有機EL素子28〜30を作製した。
有機EL素子28〜30それぞれに、プログラマブル直流電圧/電流源(TR6143、(株)アドバンテスト社製)を用いて電圧を印加して発光させた。
その発光輝度を、輝度計(BM−8、(株)トプコン社製)を用いて測定した。作製した有機EL素子28〜30それぞれの最高輝度(cd/m2)、外部量子効率(%)、発光開始電圧(V)、1,000cd/m2で発光させた場合の電圧変化(相対値100時間後/初期)および耐久性(室温で、一定の直流電流で発光させ、初期輝度(1,000cd/m2)が50%に低下するまでに要する時間を測定する駆動寿命試験を行い、上記の比較例2〜4それぞれで作製した有機EL素子の場合を1.0としたときの相対値を示す。)を表2に示す。
Figure 2011020970
Figure 2011020970
[実施例17〜19]
国際公開第01/06577号パンフレットに記載されている実施例1と同様にして、深さ0.2〜0.4μm、直径6μmのキャビティーを有する基板を作製した。
次に、調製例1で得られた正孔輸送性の重合体と表3に記載のホウ素化合物およびイリジウム錯体を用いたことを除いては実施例1と同様にして塗布溶液を調製した。続いて、この基板のキャビティーを有する側の表面に、調製した塗布溶液を実施例1と同様にして塗布および乾燥することにより、発光層(図2における、有機層50)を形成し、それぞれ有機EL31〜33を作製した。
なお、上記塗布溶液として、具体的には、調製例1で得られた正孔輸送性の重合体(43mg)とホウ素化合物(4)(42mg)と表3に記載のイリジウム錯体(5mg)とをトルエン(和光純薬工業製、特級)(2910mg)に溶解し、得られた溶液を孔径0.2μmのフィルターで濾過することによって調製した。
有機EL素子31〜33それぞれに、プログラマブル直流電圧/電流源(TR6143、(株)アドバンテスト社製)を用いて電圧を印加して発光させた。
その発光輝度を、輝度計(BM−8、(株)トプコン社製)を用いて測定した。作製した有機EL素子28〜30それぞれの最高輝度(cd/m2)、外部量子効率(%)、発光開始電圧(V)、1,000cd/m2で発光させた場合の電圧変化(相対値100時間後/初期)および耐久性(室温で、一定の直流電流で発光させ、初期輝度(1,000cd/m2)が50%に低下するまでに要する時間を測定する駆動寿命試験を行い、下記の比較例17〜19それぞれで作製した有機EL素子の場合を1.0としたときの相対値を示す。)を表4に示す。
[比較例17〜19]
実施例17〜19において、ホウ素化合物(4)を(15)に変更した以外は実施例17〜19と同様にして、それぞれ有機EL素子34〜36を作製した。
有機EL素子34〜36それぞれに、プログラマブル直流電圧/電流源(TR6143、(株)アドバンテスト社製)を用いて電圧を印加して発光させた。
その発光輝度を、輝度計(BM−8、(株)トプコン社製)を用いて測定した。作製した有機EL素子34〜36それぞれの最高輝度(cd/m2)、外部量子効率(%)、発光開始電圧(V)、1,000cd/m2で発光させた場合の電圧変化(相対値100時間後/初期)および耐久性(室温で、一定の直流電流で発光させ、初期輝度(1,000cd/m2)が50%に低下するまでに要する時間を測定する駆動寿命試験を行い、それぞれを1.0とした。)を表4に示す。
Figure 2011020970
Figure 2011020970
表2と4より、本発明のホウ素化合物が用いられた有機EL素子1〜15、および31〜33(実施例2〜16、および17〜19)においては、最高輝度が高く、外部量子効率が良いことがわかる。また耐久性も改善されることが明らかとなった。
本発明の有機EL素子は、照明用や露光光源のような一種のランプとして使用してもよいし、画像を投影するタイプのプロジェクション装置や、静止画像や動画像を直接視認するタイプの表示装置(ディスプレイ)として使用してもよい。動画再生用の表示装置として使用する場合、駆動方式は単純マトリクス(パッシブマトリクス)方式でも、アクティブマトリクス方式でもどちらでもよい。また、異なる発光色を有する本発明の有機EL素子を2種以上使用することにより、フルカラー表示装置とすることが可能である。
1・・・基板
2・・・陽極
3・・・正孔輸送層
4・・・発光層
5・・・電子輸送層
6・・・陰極
30・・・有機EL素子
32・・・基板
34・・・キャビティー
36・・・正孔注入電極層
38・・・誘電体層
40・・・電子注入電極層
42・・・正孔注入電極領域
44・・・誘電領域
46・・・電子注入電極領域
50・・・有機層
52・・・電源

Claims (8)

  1. 下記式(1)で表されることを特徴とするホウ素化合物。
    Figure 2011020970
    (式(1)中、−Aは、それぞれ独立に、炭素原子数1〜20のアルキル基または下記式(a)または(b)で示される基を表す。
    Figure 2011020970
    [式(a),(b)中、−R2は、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。]
    ただし、3つの−Aのうち少なくとも2つの−Aは、それぞれ独立に、上記式(a)または(b)で示される基を表し、かつ3つの−Aは、同時に同一の基を表さない。
    −R1は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表す。
    ただし、6つの−R1のうち少なくとも4つの−R1は、メチル基を表す。)
  2. 下記式(2)で表されることを特徴とする請求項1に記載のホウ素化合物。
    Figure 2011020970
    (式(2)中、−A1は、炭素原子数1〜20のアルキル基または上記式(a)または(b)で示される基を表し、−A2は、上記式(a)または(b)で示される基を表し、−R1は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表す。
    ただし、−A1および−A2は、同時に同一の基を表さず、6つの−R1のうち少なくとも4つの−R1は、メチル基を表す。)
  3. 下記式(4)〜(7)のいずれかで表されることを特徴とする請求項2に記載のホウ素化合物。
    Figure 2011020970
  4. 下記式(3)で表されることを特徴とする請求項1に記載のホウ素化合物。
    Figure 2011020970
    (式(3)中、−A1は、炭素原子数1〜20のアルキル基または上記式(a)または(b)で示される基を表し、−A2および−A3は、それぞれ独立に、上記式(a)または(b)で示される基を表し、−R1は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表す。
    ただし、−A1、−A2および−A3は、同時に同一の基を表さず、6つの−R1のうち少なくとも4つの−R1は、メチル基を表す。)
  5. 下記式(8)で表されることを特徴とする請求項4に記載のホウ素化合物。
    Figure 2011020970
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のホウ素化合物からなることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子用電荷輸送材料。
  7. 陽極と陰極との間に1以上の発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス素子であって、該発光層の少なくとも1層が、請求項6に記載の電荷輸送材料を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 極大発光波長が、500nm以上であることを特徴とする請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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