JP2011020623A - 電気自動車の搭載構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】モータユニット10を、サスペンションメンバ70を介してモータルームERの下部に配置して車体側部材に弾性支持し、インバータ50を、モータユニット10の上下方向上側に空間250をもって車体200に固定し、車載空調装置の冷媒を圧縮するコンプレッサ80を、空間250内に配置してモータユニットハウジング11に取り付けたことを特徴とする電気自動車の搭載構造とした。
【選択図】図3
Description
また、コンプレッサを車体に支持する場合、通常、コンプレッサ駆動時の振動が車体に伝達されないように防振構造を介して車体に組み付ける。
したがって、コンプレッサ専用の防振構造を用いるものと比較して、構成を簡略化することができる。
本発明の実施の形態の電気自動車の搭載構造は、駆動源としてのモータ(M)と、該モータ(M)に駆動電流を供給するインバータ(50)と、車載空調装置の冷媒を圧縮するコンプレッサ(80)とを、モータルーム(ER)内に配置する電気自動車の搭載構造において、前記モータ(M)は、車体側部材に弾性支持し、前記インバータ(50)は、前記モータ(M)に対して車両上下方向上側に、空間(250)をもって配置し、前記コンプレッサ(80)は、前記空間(250)内に配置して前記モータ(M)を収容するモータハウジング(11)に取り付けたことを特徴とする電気自動車の搭載構造である。
まず、実施例1の電気自動車の搭載構造の概略を図1および図2に基づいて説明する。なお、図1は実施例1の電気自動車の搭載構造の主要部を示す側面図であり、図2は実施例1の電気自動車の搭載構造の主要部を示す平面図である。
次に、車体前部の車体構造の概略を説明する。
図5は車体200の前部の構造を示しており、車室RMの車両前方にモータルームERが形成されている。このモータルームERと車室RMとは、図6に示すダッシュロアパネル210で区画されており、ダッシュロアパネル210の上部には、カウルトップパネル211が溶接により接合されているとともに、エクステンションカウルトップパネル212が締結されている。なお、モータルームERの上面は、フードパネル220で覆われている。
モータユニット10、コンバータ40、インバータ50の支持構造を説明する。
モータユニット10は、車体200に対して、サスペンションメンバ(車体側部材)70を介して車体に弾性支持されており、コンバータ40およびインバータ50は、部品搭載フレーム部材240を介して車体200に固定されている。
モータユニット10は、二重弾性支持構造で車体200に支持されており、以下に詳細に説明する。
モータユニット10と車体200との間に介在されたサスペンションメンバ70は、図外のサスペンションをマウントするための部材であり、図3に示すように、箱断面形状の金属製フレームを略四角形の枠状に結合して形成されている。そして、このサスペンションメンバ70の四隅部分が、車体200の下面に、インシュレータ71を介在させて弾性支持されている。なお、このインシュレータ71は、車両上下方向に延在された軸と外筒との間に、弾性材を介在させたものを用いている。また、このサスペンションメンバ70は、図外のサスペンション装置を支持する機能を兼用している。なお、弾性材としては、ゴムを用いているが、ばね、シリコーン、ナイロンなどの他の弾性材を用いてもよい。
側部マウント部材72は、モータユニット10の車両前方左右の2箇所を弾性支持しており、車両上下方向を向いた軸と外筒に前述の弾性材を介在させた構造となっている。
後部マウント部材73は、モータユニット10の車両後方端部の車幅方向略中央部分を支持するもので、車両水平方向を向いた軸と外筒の間に前述の弾性材を介在させた構造となっている。
部品搭載フレーム部材240によるコンバータ40とインバータ50との支持構造について図5,7,8に基づいて説明する。
各フレーム部材241〜243は、それぞれ、モータルームERにおいて車幅方向に延在されるもので、前側クロスメンバ241と下側クロスメンバ243との車幅方向両端部には、サイドメンバ231,232にボルトで締結されるウエルドナット(図示省略)を備えた締結部241a,241b,243a,243bを備えている。
この縦置き配置により、コンバータ40は、その上端がインバータ50の上端よりもわずかに低く、一方、その下端は、インバータ50の下端よりも低く、モータユニット10よりもわずかに高く配置されている。さらに、このコンバータ40の車両後方のダッシュロアパネル210には、後述するフロアトンネル部217が形成されてその下端位置が高くなっており、コンバータ40の下端は、ダッシュロアパネル210の下端よりも僅かに低い位置に配置されている。なお、フロアトンネル部217は、動力源として内燃機関を搭載した車両において、排気系を導くために形成されており、本実施例1の車両の車体200は、動力源として内燃機関を搭載する車両と共用されている。
図1に示すように、モータルームERの前端部の前部空間270には、車両用空調装置(図示省略)の放熱を行うコンデンサや、コンバータ40やインバータ50を含む発熱部の冷却を行なう冷却装置(図示省略)のラジエータを含む放熱器91と、この放熱器91に送風するファン装置92とが、車両前後方向に並設されている。なお、図において201は、フロントバンパである。
次に、モータユニット10、走行用バッテリ20、充電器30、コンバータ40、インバータ50、充電ポート60を結ぶ配線について説明する。
交流充電ハーネス101は、車両前端の家庭用充電ポート62と、車両後部の充電器30とを接続するもので、図1に示すように、モータルームERを、車両前後方向に横切り、フロアトンネル部217(図11参照)を通り、走行用バッテリ20の車両上方を通過して、充電器30に接続されている。
そして、両コネクタ54,14に接続する三相交流ハーネス106は、モータユニット10とインバータ50との間の空間250の上部右前側端部から下部左後側端部に向けて、車両上下方向、車両左右方向、車両前後方向の3方向に斜めに延在されている。
空間250内において、モータユニットハウジング11のモータユニット側コネクタ14の車両前方側の位置にコンプレッサ80が取り付けられている。このコンプレッサ80は、図示を省略した空調装置において冷媒を圧縮するのに用いられるもので、図14に示すように、モータユニットハウジング11の上部であって車両前左側の端部に締結された支持ブラケット81に締結されることでモータユニットハウジング11に取り付けられている。なお、コンプレッサ80のハウジングおよび支持ブラケット81は、アルミニウム製であり、モータユニットハウジング11に金属製の締結部材で締結されることにより、モータユニットハウジング11を介して車体200にアースされている。
次に、実施例1の作用について説明する。
モータユニット10は、サスペンションメンバ70を介して両マウント部材72,73およびインシュレータ71により車体200に二重に弾性支持されている。
車両の前面衝突により車体200が車両後方へ変形した場合、放熱器91およびファン装置92などが後退する。そして、車体200がさらに車両後方へ変形して、モータユニット10、インバータ50およびこれを支持する部品搭載フレーム部材240などが車両後方に移動した場合、この移動に伴ってコンバータ40も部品搭載フレーム部材240と共に車両後方に移動する。
上述のような車両前面衝突によりコンバータ40が、ダッシュロアパネル210に衝突したときには、コンバータ40の面当り部41が、ダッシュロアパネル210の受け面214に面当たりする。よって、コンバータ40とダッシュロアパネル210とが点や線で当たるような局部当たりした場合と比べて、荷重が分散されてコンバータ40のハウジングの破損を抑制できる。
したがって、コンバータ40とインバータ50とを車両上下方向に積層したものと比較して、走行用バッテリ20とコンバータ40との車両前後方向距離を近付けることができ、両者20,40を接続する低圧直流ハーネス104の長さを短くできる。
これにより、低圧直流ハーネス104を短くできる分だけ、製造コスト、重量を軽減でき、かつ、低圧直流ハーネス104の抵抗値を抑え、通電時のエネルギ損失を抑えることが可能となり、かつ、低圧直流ハーネス104の配索作業が容易となる。加えて、コンバータ40をインバータ50と積層したものと比較して、車両上下方向寸法を抑えて、フードパネル220の高さに対する制約を軽減して設計自由度を向上させことができる。
これによっても、低圧直流ハーネス104の長さを短くでき、上述のように、製造コスト、重量の軽減、通電時のエネルギ損失軽減、低圧直流ハーネス104の配索作業の容易化が可能となる。
したがって、コンバータ側第1コネクタ42を、コンバータ40の車両上下方向の中間部や上部に設けたものと比較して、低圧直流ハーネス104の車両上下方向への配索代を少なくできる。よって、低圧直流ハーネス104を、いっそう短くでき、その分、製造コスト、重量を軽減できるとともに、低圧直流ハーネス104の取り回しおよび配索作業が容易になる。
加えて、コンバータ40を縦置きしたことで、コンバータ40の重量中心を下げて車両重量配分上有利にすることができ、かつ、車両前後方向寸法を抑えて、コンパクトな配置が可能となる。
同様に、車幅方向でも、コンバータ40の全体およびインバータ50の全体近くが、モータユニット10を車両上方に投影させた範囲内に収まっているため、車両側面衝突時の車体変形スペースの確保もできる。
したがって、車両前面衝突によりコンバータ40とダッシュロアパネル210とが接触した際に、コンバータ側第1コネクタ42およびそれに接続された低圧直流ハーネス104が、ダッシュロアパネル210と車載部品との間に挟まれにくくなり、低圧直流ハーネス104の破損を、いっそう抑制できる。
したがって、コンプレッサ80の専用の防振構造が不要であり、コンプレッサ80の専用の防振構造を用いるものと比較して、構成を簡略化し、コストおよび重量を軽減できるとともに、省スペース化を図ることができる。しかも、車体200に対して、モータユニット10用とサスペンション装置用との直列の二重の防振構造となっているため、一重の防振よりも高い防振性能を得ることができる。
したがって、車両の前面衝突時ならびに側面衝突時に、コンプレッサ80がモータユニット10よりも先に車体200と干渉する量を少なく抑え、衝突時の車体200の変形代(衝撃吸収スペース)を確保することができる。
加えて、空間250にコンプレッサ80を設けたことで、空間250の外部にコンプレッサ80を設けたものと比較して、コンパクトに配置できる。
このように、コンプレッサ80や前側クロスメンバ241を利用して、モータユニット側コネクタ14、インバータ側第2コネクタ54および三相交流ハーネス106の保護を行うことができるため、これらを保護するプロテクタが不要となり、その分、構成を簡略化して、コスト、重量、組付手間を省くことができる。
したがって、モータユニット10とインバータ50とを接続する三相交流ハーネス106の長さを確保でき、両者10,50を近接して配置したものと比較して、モータユニット10が車体200に対して変位した際の三相交流ハーネス106の単位長さあたりの変形量を小さく抑えることができ、モータユニット10の変位による三相交流ハーネス106の経時的な劣化による破損を抑制できる。
したがって、高圧直流充電ハーネス103を直線状に配置することができる。このように高圧直流充電ハーネス103を直線状に配索させた場合、屈曲配索したものと比較して、配索作業性が向上し、また、配索長さが短くなることから、コスト、重量、エネルギ損失を軽減できる。
したがって、充電時の充電ポート60への外部電源の抜き差し作業が、コンバータ40の上方に設けたものよりも、容易に行なうことができる。
しかも、外部電源の充電ポート60への接続状態を、運転席から目視可能であり、外部電源を接続させたまま車両を発進させる不具合の発生を抑制できる。加えて、フロントバンパ201の変形の範囲で衝撃吸収可能な車両の軽前面衝突時には、充電ポート60の破損を回避できる。
したがって、急速充電ポート61と充電コネクタ40cとを接続する高圧直流充電ハーネス103を、車両上下方向への変位量、車幅方向でも変位量を抑えた直線状に配索可能である。
よって、高圧直流充電ハーネス103を、いっそう直線状に配索でき、コスト、重量、エネルギ損失を軽減でき、かつ、配索作業性を向上できる。
なお、空間250は、上下にインバータ50とモータユニット10とが配置されているため、車両衝突時に、車体200の変形が、空間250に及びにくく、この空間250を通って配索された各ハーネス101,103,106,107は、空間250の外部を配索したものよりも、破損を抑制できる。
したがって、交流充電ハーネス101の車両上下方向および車幅方向の変位量を抑えて直線状に配索できた。よって、車両上下方向や車幅方向に折り曲げて配索するものと比較して、交流充電ハーネス101の長さを短くして、コスト、重量、エネルギ損失を軽減でき、かつ、配索作業性を向上できる。
しかも、家庭用充電ポート62は、コンバータ40の車両左側端縁部に対向させているため、コンバータ40を迂回する交流充電ハーネス101の車幅方向への変位量を抑えることができる。
14 モータユニット側コネクタ
50 インバータ
80 コンプレッサ
106 三相交流ハーネス(ハーネス)
200 車体
250 空間
ER モータルーム
M モータ
Claims (4)
- 駆動源としてのモータと、該モータに駆動電流を供給するインバータと、車載空調装置の冷媒を圧縮するコンプレッサとを、モータルーム内に配置する電気自動車の搭載構造において、
前記モータは、車体側部材に弾性支持し、
前記インバータは、前記モータに対して車両上下方向上側に、空間をもって配置し、
前記コンプレッサは、前記空間内に配置して前記モータを収容するモータハウジングに取り付けたことを特徴とする電気自動車の搭載構造。 - 請求項1に記載の電気自動車の搭載構造において、
前記コンプレッサは、全体容積の半分以上の部分である主要部を、前記モータハウジングの車両前後方向外側端よりも内側に配置したことを特徴とする電気自動車の搭載構造。 - 請求項1または請求項2に記載の電気自動車の搭載構造において、
前記コンプレッサは、全体容積の半分以上の部分である主要部を、前記モータハウジングの車幅方向外側端よりも内側に配置したことを特徴とする電気自動車の搭載構造。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電気自動車の搭載構造において、
前記モータは、前記インバータとハーネスで電気的に接続され、
前記コンプレッサは、前記ハーネスを前記モータに接続するモータ側コネクタの車両前後方向外側に配置したことを特徴とする電気自動車の搭載構造。
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