JP6861751B2 - 車体前部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車体前部構造に関する。
特許文献1には、車両の前突時において、前突荷重によって後退するエンジンをダッシュパネルに取り付けられたダッシュカバーに当接させ、ダッシュカバーを変形させることによって前突荷重(衝突エネルギー)を吸収する構造が記載されている。
実開平5−1669号公報
近年、環境保護の観点等から、エンジンをモータ(電動モータ)に置き換えた、電気自動車等の車両が開発されつつある。かかる車両では、モータの後側に補器部品が設けられている。また、かかる車両には、小型化のニーズがあるため、補器部品とダッシュパネルとの距離が小さく設定されている。そのため、車両の前突時には、補器部品がダッシュパネルに衝突し、破損するおそれがある。
本発明は、前記した事項に鑑みて創案されたものであり、車両の前突時において、モータの補器部品を保護するとともに衝突エネルギーを好適に吸収することが可能な車体前部構造を提供することを課題とする。
前記した課題を解決するため、本発明の車体前部構造は、前後方向に延びるサブフレームと、前記サブフレームに固定されるマウントと、前記マウントを介して前記サブフレームに支持されるモータと、前記モータの後側に設けられる当該モータの補機部品と、前記サブフレームの後端部が固定される固定部と、前記補機部品と前記固定部との間において、車体の内部空間を前後に区画するダッシュパネルと、を備え、前記サブフレームにおける前記モータの支持部と前記後端部との間には、第一の易変形部が形成されており、前記ダッシュパネルには、第二の易変形部が形成されており、前記補機部品と前記第二の易変形部との間には、前記サブフレーム及び前記モータの少なくとも一方に支持されたプロテクタが配置されており、前記マウントは、前記サブフレームに前突荷重が入力された場合に、前記固定部と当接可能な位置に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、車両の前突時において、補器部品を保護するとともに衝突エネルギーを好適に吸収することができる。
本発明の実施形態に係る車体前部構造を示す側面図である。 本発明の実施形態に係る車体前部構造を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る車体前部構造を模式的に示す平面図である。 本発明の実施形態に係る車体前部構造による補機部品の保護を説明するための模式的な側面図である。 本発明の実施形態に係る車体前部構造による補機部品の保護を説明するための模式的な側面図である。 本発明の実施形態に係る車体前部構造による補機部品の保護を説明するための模式的な側面図である。 本発明の実施形態に係る車体前部構造による補機部品の保護を説明するための模式的な側面図である。
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。上下、前後、左右(車幅方向)といった方向を示す用語は、車両の乗員(運転者)を基準とする。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る車体前部構造1は、モータを駆動源とする電気自動車の構造であって、バンパ2と、左右一対のフロントサイドフレーム3,3と、左右一対のアッパメンバ4,4と、を備える。ここで、図1は、後記する左側の前後辺部23及びマウント9を通る矢状面(前後方向及び上下方向を含み、左右方向とは直交する平面)を断面として、車体前部構造1を左から見た側面図である。すなわち、図1には、左右一対のフロントサイドフレーム3,3及びアッパメンバ4,4のうち、右側のものが図示されている。
<バンパ>
バンパ(バンパビーム)2は、車両(自動車)の前端部において車幅方向に延設される金属製又は樹脂製の構造部材(骨格部材)である。
<フロントサイドフレーム>
フロントサイドフレーム3は、バンパ2の車幅方向端部近傍から後方に延設される金属製又は樹脂製の構造部材である。フロントサイドフレーム3(後記するダッシュパネルよりも前となる部位)は、正面視(上下方向及び左右方向を含む平面)で略矩形状の閉断面形状を呈する。かかるフロントサイドフレーム3は、例えば、当該フロントサイドフレーム3の車幅方向内部を構成するインナパネルと、当該フロントサイドフレーム3の車幅方向外部を構成するアウタパネルと、を溶接等で接合することによって形成されている。フロントサイドフレーム3の後記するダッシュパネル10よりも後となる部位は、上側に開口を有する略U字形状を呈し、車室の床面を構成するフロアパネルの下面に対して溶接等によって接合されている。
<アッパメンバ>
アッパメンバ4は、バンパ2の車幅方向端部(フロントサイドフレーム3よりも車幅方向外方)から後方かつ上方に延設される金属製又は樹脂製の構造部材である。アッパメンバ4は、正面視で略矩形状の閉断面形状を呈する。かかるアッパメンバ4は、例えば、当該アッパメンバ4の車幅方向内部を構成するインナパネルと、当該アッパメンバ4の車幅方向外部を構成するアウタパネルと、を溶接等で接合することによって形成されている。アッパメンバ4の前端部は、連結部材(図示せず)を介してフロントサイドフレーム3に連結されており、アッパメンバ4の後端部は、フロントピラーの高さ方向中間部(ベルトライン近傍)に対して溶接等によって接合されている。
また、図1及び図2に示すように、車体前部構造1は、サブフレーム5と、モータ6と、補機部品7と、マウント8と、マウント9,9と、ダッシュパネル10と、左右一対のフロントクロスメンバ11,11と、ダッシュクロスメンバ12と、を備える。図2は、後記する左側の前後辺部23及びマウント9を通る矢状面を断面として、車体前部構造1を左上から見た斜視図である。なお、図2において、バンパ2、左右一対のフロントサイドフレーム3、左右一対のアッパメンバ4、ダッシュパネル10、左右一対のフロントクロスメンバ11及びダッシュクロスメンバ12は、省略されている。
<サブフレーム>
サブフレーム5は、モータ6を支持するための金属製又は樹脂製の構造部材である。サブフレーム5は、フロントサイドフレームから下方に延設される左右一対の上下辺部21と、上下辺部21,21の下端部間に架設される横辺部22と、上下辺部21から後方に延設される左右一対の前後辺部23,23と、を備える。
前後辺部23は、正面視で略矩形状の閉断面形状を呈する。かかる前後辺部23は、例えば、当該前後辺部23の下部を構成するロアパネルと、当該前後辺部23の上部を構成するアッパパネルと、を溶接等で接合することによって形成されている。前後辺部23の後端部は、固定部としてのフロントクロスメンバ11に対してボルト締結等によって固定されている。
<モータ>
モータ(電動モータ)6は、車両の動力源であり、マウント8及びマウント9,9を介してサブフレーム5に支持・搭載されている。モータ6は、図示しない蓄電池からの電力で駆動し、車両の駆動輪を回転させる。
<補機部品>
補機部品7は、蓄電池からの電力で駆動するモータ6の補機(いわゆる高電圧部品)であり、モータ6の後側に配置されている。補機部品7は、モータ6及び/又はマウント9にボルト締結等によって固定されている。補機部品7としては、家庭用コンセント等のAC電源からの電力によって、モータ6に電力を供給するための蓄電池(バッテリ、図示せず)を充電するための充電器(CHG)、非接触型の整流器、蓄電池からの電力によって駆動し、モータ6を冷却するための冷媒を圧縮する圧縮機(E−COMP)、蓄電池からの電力によって駆動し、モータ6を加熱するヒータ(E−HTR)等が挙げられる。また、補器部品7としては、その他、蓄電池からの電流を交流(三相交流)に変換したり蓄電池への電流を直流に変換したりするインバータや、蓄電池から(又は蓄電器へ)の電流の電圧を調整(低減又は増大)するコンバータ等を有するPCU(Power Control Unit)、モータ6や補器部品等を含む車両の電装部品を制御するECU(Electrical Control Unit)等も挙げられる。
<マウント>
マウント8は、モータ6の前端部かつ車幅方向中間部をサブフレーム5の横辺部22に対して支持する部材である。マウント9は、モータ6の後端部かつ車幅方向端部をサブフレーム5の前後辺部23に対して支持する部材である。マウント9は、補機部品7も支持する。
マウント9は、前後辺部23の上壁部にボルト締結等によって固定されるサブフレーム側部材9aと、サブフレーム側部材9aから後方に突出する軸部9bと、を備える。また、マウント9は、モータ6及び補機部品7にボルト締結等によって固定されるモータ側部材9cと、モータ側部材9cによって保持されるブッシュ9dと、を備える。マウント9は、ブッシュ9dに軸部9bが挿通されることによって、モータ6とサブフレーム5とを連結する。モータ6の振動は、サブフレーム5(前後辺部23)に伝達される際に、マウント9のブッシュ9dによって減衰される。モータ側部材9cの下部は、サブフレーム5に前突荷重が入力されて第一の易変形部Aが圧潰又は屈曲変形した場合に、フロントクロスメンバ11と当接する。モータ側部材9cの上部には、プロテクタ13が取り付けられている。
<ダッシュパネル>
図1に示すように、ダッシュパネル10は、車体の内部区間を前後に区画する金属製の板状部材である。ダッシュパネル10は、車幅方向及び上下方向に延在する本体壁部10aと、本体壁部10aの下端部から下斜め後方に延設される傾斜壁部10bと、傾斜壁部10bの下端部から後方に延設される下壁部10cと、を一体に備える。車体の内部空間のうち、本体壁部10a及び傾斜壁部10bの前方は、モータ6等が収容される動力室を構成し、本体壁部10aの及び傾斜壁部10b後方は、乗員が乗り込む車室を構成する。下壁部10cの後端部は、左右一対のサイドシル間に架設されたフロアパネルの前端部に対して、溶接等によって接合されている。なお、サイドシルは、車室の車幅方向端部かつ下端部において前後方向に延設される金属製の構造部材である。また、フロアパネルは、車室の床面を構成する金属製の部材である。
<フロントクロスメンバ>
フロントクロスメンバ11は、フロントサイドフレーム3及びサイドシル間に架設されており、車幅方向に延びて上側に開口を有する略U字形状を呈する金属製の構造部材である。フロントクロスメンバ11は、ダッシュパネル10における傾斜壁部10bの下端部の前面及び下壁部10cの下面に取り付けられており、傾斜壁部10b及び下壁部10cと協働して側面視で略矩形状の閉断面を構成する。フロントクロスメンバ11は、下壁部11aと、下壁部11aの前端部から上方に延設される前壁部11bと、下壁部11aの後端部から上方に延設される後壁部11cと、を一体に備える。また、フロントクロスメンバ11は、前壁部11bの上端部から上方に延設されるフランジ部11dと、後壁部11cの上端部から後方に延設されるフランジ部11eと、を一体に備える。フランジ部11dは、傾斜壁部10bの前面に対して溶接等によって接合されており、フランジ部11eは、下壁部10cの下面に対して溶接等によって接合されている。
<ダッシュクロスメンバ>
ダッシュクロスメンバ12は、左右一対のサイドシル間に架設されており、車幅方向に延びて前側に開口を有する略U字形状を呈する金属製の構造部材である。ダッシュクロスメンバ12は、ダッシュパネル10の本体壁部10a及び傾斜壁部10bの後面に取り付けられており、本体壁部10aと協働して側面視で略矩形状の閉断面を構成する。ダッシュクロスメンバ12は、後壁部12aと、後壁部12aの下端部から前方に延設される下壁部12bと、後壁部12aの上端部から前方に延設される上壁部12cと、を一体に備える。また、ダッシュクロスメンバ12は、下壁部12bの前端部から下方に延設されるフランジ部12dと、上壁部12cの前端部から上方に延設されるフランジ部12eと、を一体に備える。フランジ部12d,12eは、本体壁部10aの後面に対して溶接等によって接合されている。
<プロテクタ>
車体前部構造1は、プロテクタ13を備える。プロテクタ13は、左右一対のマウント9,9を介してサブフレーム5(左右一対の前後辺部23)に支持されており、補機部品7の上部と後記するダッシュパネル10の第二の易変形部Bとの間に設けられている。プロテクタ13は、補機部品7を保護するための金属製部材である。プロテクタ13は、左右一対のマウント9,9の上部間に架設されており、上下方向及び車幅方向に延在する本体壁部13aと、本体壁部13aの下端部から前方に延設されるフランジ部13bと、本体壁部13aの上端部から前方に延設されるフランジ部13cと、を一体に備える。本体壁部13aは、正面視でマウント9,9の上部の間に配置されており、側面視でマウント9,9の下部(フロントクロスメンバ11と当接する部位)よりも高く、かつ、本体壁部13aの上部が後記する第二の易変形部Bと略同じ高さとなるように配置されている。フランジ部13b,13cの車幅方向両端部は、それぞれ、マウント9のモータ側部材9cの後面に対してボルト締結によって固定されている。
すなわち、プロテクタ13は、ボルト及びマウント9のモータ側部材9cと協働して側面視で略矩形状の閉断面を構成する。プロテクタ13は、後記するダッシュパネル10の第二の易変形部Bと比較して、高剛性を有する。
プロテクタ13は、サブフレーム5(左右一対の前後辺部23)及びモータ6の少なくとも一方によって、直接的又は間接的に支持されていればよい。例えば、プロテクタ13は、モータ6の後部にボルト締結等によって直接的に支持される構成であってもよい。本実施形態では、プロテクタ13は、マウント9を介してサブフレーム5に支持されており、また、マウント9を介してモータ6にも支持されている。
本実施形態において、プロテクタ13は、当該プロテクタ13の車幅方向両端部を構成する部材と、当該プロテクタ13の車幅方向中間部を構成する部材と、をボルト締結等によって互いに固定することによって形成されている。車幅方向両端部を構成する部材は、鋳造成形によって形成されており、車幅方向中間部を構成する部材と比較して高剛性を有する。車幅方向中間部を構成する部材は、車幅方向両端部を構成する部材と比較して薄肉に形成されており、軽量化を実現している。なお、プロテクタ13は、前記したように3つの部材を組み合わせた構成に限定されず、一体に形成されてもよい。また、プロテクタ13は、樹脂製部材であってもよい。
≪第一の易変形部≫
サブフレーム5の前後辺部23において、マウント9(サブフレーム側部材9a)の取付部位と後端部(フロントクロスメンバ11の取付部位)との間には、第一の易変形部Aが形成されている。第一の易変形部Aは、前突荷重によって比較的変形(圧潰、屈曲変形等)しやすい部位であって、本実施形態では、バンパ2に前突荷重が入力された場合に、優先的に屈曲変形する部位である。第一の易変形部Aは、前から順に、第一の折れ部A1と、第二の折れ部A2と、を有する。
第一の折れ部A1は、下壁部が上壁部に対して相対的に脆弱に形成されることによって、上に凸となるように屈曲変形する部位である。第一の折れ部A1は、前後辺部23の下壁部において、上方に窪む凹部、稜線等を車幅方向に延設する、及び/又は、前後辺部23の上壁部に補強部材を設けることによって形成可能である。
第二の折れ部A2は、上壁部が下壁部に対して相対的に脆弱に形成されることによって、下に凸となるように屈曲変形する部位である。第二の折れ部A2は、前後辺部23の上壁部において、下方に窪む凹部、稜線等を車幅方向に延設する、及び/又は、前後辺部23の下壁部に補強部材を設けることによって形成可能である。
≪第二の易変形部≫
ダッシュパネル10において、傾斜壁部10bにおけるフロントクロスメンバ11の取付部位とダッシュクロスメンバ12の取付部位との間には、第二の易変形部Bが形成されている。第二の易変形部Bは、各クロスメンバ11,12による補強が無く、さらに、ダッシュパネル10が薄肉化されているため、比較的変形しやすい部位であって、バンパ2に前突荷重が入力された場合に、プロテクタ13の本体壁部13aが当接することによって変形(例えば、屈曲変形)する部位である。
<補機部品の保護構造>
図3に示すように、左右一対のマウント9,9は、補機部品7の車幅方向側方に設けられている。したがって、左右一対のマウント9,9は、車両の側突時において、補機部品7を衝突物から保護することができる。
また、プロテクタ13は、左右一対のマウント9,9に架設されており、補機部品7の上部とダッシュパネル10の第二の易変形部Bとの間に配置されている。平面視でモータ6とプロテクタ13とによって囲まれた空間には、補機部品7に加えて、補機部品7に電力を供給するためのハーネス、補機部品7に冷媒(例えば、水等)を供給するための配管等が収容されている。マウント9(モータ側部材9c)の後面は、補機部品7よりも後方に位置する。
バンパ2(図1参照)に前突荷重が入力されると、フロントサイドフレーム3,3が屈曲変形することによって前突荷重を吸収する。続いて、図4A及び図4Bに示すように、サブフレーム5(前後辺部23)における第一の易変形部Aが側面視でZ字形状(図4D参照)を呈するように屈曲変形することによって、マウント9、当該マウント9によって支持されたモータ6及び補機部品7、並びに、プロテクタ13が後退する(図4A→図4B)。
続いて、図4Cに示すように、第一の易変形部Aが屈曲変形し続けている間に、プロテクタ13(本体壁部13aの上部)がダッシュパネル10の第二の易変形部Bに当接し、第二の易変形部Bを変形させる。続いて、図4Dに示すように、マウント9の後面(モータ側部材9cにおいてブッシュ9dが設けられている部位)がフロントクロスメンバ11(前壁部11b)に当接し、モータ6及び補機部品7の後退が規制される。
このように、車体前部構造1は、第一の易変形部A及び第二の易変形部Bの変形によって前突荷重(衝突エネルギー)を吸収するとともに、プロテクタ13によって補機部品7を保護する。
本発明の実施形態に係る車体前部構造1は、前後方向に延びるサブフレーム5と、前記サブフレーム5に支持されるモータ6と、前記モータ6の後側に設けられる当該モータ6の補機部品7と、前記サブフレーム5の後端部が固定される固定部(フロントクロスメンバ11)と、前記補機部品7と前記固定部との間において、車体の内部空間を前後に区画するダッシュパネル10と、を備え、前記サブフレーム5における前記モータ6の支持部と前記後端部との間には、第一の易変形部Aが形成されており、前記ダッシュパネル10には、第二の易変形部Bが形成されており、前記補機部品7と前記第二の易変形部Bとの間には、前記サブフレーム5及び前記モータ6の少なくとも一方に支持されたプロテクタ13が配置されていることを特徴とする。
したがって、車体前部構造1は、車両、特にフロントオーバーハングが短い小型化された車両の前突時において、プロテクタ13によって補機部品7を保護するとともに、第一の易変形部A及び第二の易変形部Bが変形することによって衝突エネルギーを好適に吸収することができる。
また、車体前部構造1は、前記プロテクタ13が、前記第二の易変形部Bよりも高剛性であることを特徴とする。
したがって、車体前部構造1は、車両の前突時において、プロテクタ13によって補機部品7を好適に保護するとともに、第二の易変形部Bが変形することによって衝突エネルギーをより好適に吸収することができる。
また、車体前部構造1は、前記サブフレーム5に固定されて前記モータ6を支持するマウント9を備え、前記マウント9は、前記サブフレーム5に前突荷重が入力された場合に、前記固定部と当接可能な位置に設けられていることを特徴とする。
したがって、車体前部構造1は、マウント9と固定部との当接によって補機部品7の後退を規制し、補機部品7に加えて車室(乗員空間)をも保護することができる。
また、車体前部構造1は、前記プロテクタ13が、前記マウント9の後面に取り付けられていることを特徴とする。
したがって、車体前部構造1は、プロテクタ13がマウント9を基準としてモータ6と対向する位置に配置されているので、プロテクタ13がマスダンパとして機能し、モータ6の振動を抑制することができる。
また、車体前部構造1は、前記マウント9が、前記補機部品の車幅方向側方に設けられていることを特徴とする。
したがって、車体前部構造1は、車両の側突時において、マウント9によって補機部品7を衝突物から保護することができる。
また、車体前部構造1は、前記マウント及び前記プロテクタが、側面視で閉断面形状を呈することを特徴とする。
したがって、車体前部構造1は、プロテクタ13がダッシュパネル10における第二の易変形部Bに当接し、ダッシュパネル10からの荷重入力(反力)がプロテクタ13を介してマウント9に伝達される際に、荷重部位の剛性が高められていて荷重伝達効率が向上しているので、前突時の衝突エネルギーをより効率的に吸収することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変形可能である。
1 車体前部構造
5 サブフレーム
6 モータ
7 補機部品
9 マウント
10 ダッシュパネル
11 フロントクロスメンバ(固定部)
13 プロテクタ
A 第一の易変形部
B 第二の易変形部

Claims (5)

  1. 前後方向に延びるサブフレームと、
    前記サブフレームに固定されるマウントと、
    前記マウントを介して前記サブフレームに支持されるモータと、
    前記モータの後側に設けられる当該モータの補機部品と、
    前記サブフレームの後端部が固定される固定部と、
    前記補機部品と前記固定部との間において、車体の内部空間を前後に区画するダッシュパネルと、
    を備え、
    前記サブフレームにおける前記モータの支持部と前記後端部との間には、第一の易変形部が形成されており、
    前記ダッシュパネルには、第二の易変形部が形成されており、
    前記補機部品と前記第二の易変形部との間には、前記サブフレーム及び前記モータの少なくとも一方に支持されたプロテクタが配置されており、
    前記マウントは、前記サブフレームに前突荷重が入力された場合に、前記固定部と当接可能な位置に設けられている
    ことを特徴とする車体前部構造。
  2. 前記プロテクタは、前記マウントの後面に取り付けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の車体前部構造。
  3. 前記マウントは、前記補機部品の車幅方向側方に設けられている
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車体前部構造。
  4. 前記マウント及び前記プロテクタは、側面視で閉断面形状を呈する
    ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の車体前部構造。
  5. 前記プロテクタは、前記第二の易変形部よりも高剛性である
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の車体前部構造。
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