JP2011020335A - ガスバリア性シート、ガスバリア性シートの製造方法、封止体、及び装置 - Google Patents

ガスバリア性シート、ガスバリア性シートの製造方法、封止体、及び装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2011020335A
JP2011020335A JP2009166806A JP2009166806A JP2011020335A JP 2011020335 A JP2011020335 A JP 2011020335A JP 2009166806 A JP2009166806 A JP 2009166806A JP 2009166806 A JP2009166806 A JP 2009166806A JP 2011020335 A JP2011020335 A JP 2011020335A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
gas barrier
barrier sheet
sealed
hygroscopic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009166806A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5463771B2 (ja
Inventor
Tatsuji Nakajima
達司 中嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2009166806A priority Critical patent/JP5463771B2/ja
Publication of JP2011020335A publication Critical patent/JP2011020335A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5463771B2 publication Critical patent/JP5463771B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Abstract

【課題】吸湿膜の利点を損なうことなく、より高いガスバリア性を有する構造のガスバリア性シート、このガスバリア性シートの製造方法、このガスバリア性シートを用いた封止体、及びこの封止体を用いた装置を提供する。
【解決手段】基板7上に配置された被封止物5の少なくとも上面及び側面を封止するガスバリア性シート1Aであって、ガスバリア性シート1Aが、基材2と、基材2の上に設けられたガスバリア膜3と、ガスバリア膜3の上に設けられた吸湿膜4と、を有し、吸湿膜4を被封止物5の上面及び側面を被覆する大きさに形成することによって、上記課題を解決する。
【選択図】図3

Description

本発明は、ガスバリア性シート、このガスバリア性シートの製造方法、このガスバリア性シートを用いた封止体、及びこの封止体を用いた装置に関する。
有機EL(Organic Electro−Luminescence)素子等のディスプレイの封止構造についての検討は従来から行われている。例えば、フレキシブルディスプレイや電子デバイスの実現のためには、水蒸気に対して高いガスバリア性能を持ったガスバリア性シートの開発が求められている。また、高いガスバリア性能を実現しても、封止材料や基材からの脱ガス(主に水蒸気)もあり、このガスを吸収する機能を有するガスバリア性シートの開発も求められている。
特許文献1には、フィルム基材の少なくとも片面に、ガスバリア層、吸湿層を順次積層してなるガスバリア性積層体と、このガスバリア性積層体自体からなる前面板等を表示素子の前面の表面に設けた表示素子と、が紹介されている。同文献は、表示素子用途として用いるに十分なガスバリア機能(防湿性能)を持ち、かつ、素子内の防湿環境を維持することでのできるバリア性積層体及びその積層体を用いた表示素子を提供することを目的としている。
特開2006−168298号公報(請求項1,7、第0008段落、第0022段落、第0025段落、第0029段落〜第0031段落、及び図1,2)
特許文献1においては、同文献の図1,2や実施例の記載等をみてわかるように、ガスバリア層の全面を吸湿層で覆ったガスバリア性積層体を用い、このガスバリア性積層体上に透明導電層、有機発光媒体層、陰極層、接着層、封止層を順次積層してなる有機EL表示素子を用いている。
しかしながら、本発明者の検討によれば、特許文献1のように、ガスバリア性積層体の表面全体及び裏面全体に形成された吸湿層(以下、「吸湿膜」という場合がある。)を用いると、有機EL表示素子(以下、「有機ELディスプレイ素子」という場合がある。)の側面から吸湿膜へ水蒸気が侵入しやすくなるために、吸湿膜を介して被封止物たる有機ELディスプレイ素子に水蒸気が到達してダークスポット等の画像欠陥がかえって発生しやすくなる課題、及び水蒸気の侵入による膨潤により吸湿膜が剥がれやすくなる課題が存在することが判明した。
ここで、有機ELディスプレイ素子の側面から吸湿膜への水分の侵入についてより詳しく説明する。図5は、従来の封止体を示す模式的断面図である。従来の封止体30は、ガスバリア性積層体をフィルム基板31に用い、フィルム基板31と封止フィルム33との間に発光機能層32が封止された形態を有する。そして、フィルム基板31の上面全面に吸湿膜34が形成され、フィルム基板31は、吸湿膜34と発光機能層32とが接するように配置されている。ところが、吸湿膜34はその名のとおり水分を吸収する性質を有するので、封止体30の構造では、図5の矢印に示すように、吸湿膜34の側面(有機ELディスプレイ素子の側面)から水蒸気が侵入し、吸湿膜34を介して、発光機能層32に水蒸気が侵入し、発光機能層32が劣化する傾向となる。このため、フィルム基板31及び封止フィルム33自体のガスバリア性(水蒸気遮断性)が確保されている場合においても、実際には水蒸気が発光機能層32に侵入することとなり、発光機能層32におけるダークスポット等の不具合の発生が起こりやすくなる。また、吸湿膜34の側面(有機ELディスプレイ素子の側面)から水蒸気が侵入しやすくなって吸湿膜34が膨潤しやすくなるために、吸湿膜34がフィルム基板31から剥がれやすくなる現象も発生する。そこで、封止材料や基材からの脱ガス(主に水蒸気)を吸収する吸湿膜の利点を損なうことなく、より高いガスバリア性を有するガスバリア性シート及びその製造方法、さらには、このガスバリア性シートを用いた封止体、及びこうした封止体を用いた有機ELディスプレイ等の装置の開発が課題となっている。また、太陽電池等でも同様の課題がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その第1の目的は、吸湿膜の利点を損なうことなく、より高いガスバリア性を有する構造のガスバリア性シートを提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その第2の目的は、上記のガスバリア性シートの製造方法を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その第3の目的は、上記のガスバリア性シートを用いた封止体を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、上記の封止体を用いた装置を提供することにある。
本発明者は、基材上にガスバリア膜が設けられたガスバリア性シートにおいて、ガスバリア膜上に形成される吸湿膜の大きさを、発光機能層等の被封止物の上面及び側面を覆う程度にすることにより、封止材料や基材からの脱ガス(主に水蒸気)を吸収する吸湿膜の利点を損なうことなく、より高いガスバリア性を有するガスバリア性シートを得ることができることを見出した。そして、こうしたガスバリア性シートを被封止物の封止に適用することにより、より高いガスバリア性を有する構造の封止体、装置が得られることを見出した。
上記課題を解決するための本発明のガスバリア性シートは、基板上に配置された被封止物の少なくとも上面及び側面を封止するガスバリア性シートであって、該ガスバリア性シートが、基材と、該基材の上に設けられたガスバリア膜と、該ガスバリア膜の上に設けられた吸湿膜と、を有し、該吸湿膜が前記被封止物の上面及び側面を被覆する大きさに形成されている、ことを特徴とする。
この発明によれば、ガスバリア性シートが、基材と、基材の上に設けられたガスバリア膜と、ガスバリア膜の上に設けられた吸湿膜と、を有し、この吸湿膜が被封止物の上面及び側面を被覆する大きさに形成されているので、吸湿膜の側面からの水蒸気の侵入が遮断されやすくなり、その結果、吸湿膜の利点を損なうことなく、より高いガスバリア性を有する構造のガスバリア性シートを提供することができる。
本発明のガスバリア性シートの好ましい態様においては、前記吸湿膜が、樹脂に、平均粒径が200nm以下のアルカリ土類金属又はアルカリ土類金属の酸化物の粒子を分散することにより形成される。
この発明によれば、吸湿膜が、樹脂に、平均粒径が200nm以下のアルカリ土類金属又はアルカリ土類金属の酸化物の粒子を分散することにより形成されるので、分散された所定の粒径のアルカリ土類金属又はアルカリ土類金属の酸化物の粒子が効率的に水蒸気を吸収しやすくなり、その結果、吸湿膜をより良好に機能させやすくなる。
本発明のガスバリア性シートの好ましい態様においては、前記吸湿膜が多孔質である。
この発明によれば、吸湿膜が多孔質であるので、水蒸気の吸着面積が拡大されるとともに吸水膨潤が発生しにくくなり、その結果、吸湿膜の吸水性が向上するとともに吸湿膜が剥がれにくくなる。
本発明のガスバリア性シートの好ましい態様においては、前記基材と前記ガスバリア膜との間に平坦化膜を設ける。
この発明によれば、基材とガスバリア膜との間に平坦化膜を設けるので、ガスバリア膜の平坦性が向上し、その結果、ガスバリア性シートのガスバリア性をより向上させやすくなる。
上記課題を解決するための本発明のガスバリア性シートの製造方法は、基板上に配置された被封止物の少なくとも上面及び側面を封止するガスバリア性シートの製造方法であって、基材上にガスバリア膜を形成するガスバリア膜形成工程と、前記ガスバリア膜の上に、印刷法により吸湿膜を前記被封止物の上面及び側面を被覆する大きさに形成する吸湿膜形成工程と、を有する、ことを特徴とする。
この発明によれば、基材上にガスバリア膜を形成するガスバリア膜形成工程と、ガスバリア膜の上に、印刷法により吸湿膜を被封止物の上面及び側面を被覆する大きさに形成する吸湿膜形成工程と、を有するので、吸湿膜の側面からの水蒸気の侵入が遮断されやすくなり、その結果、吸湿膜の利点を損なうことなく、より高いガスバリア性を有する構造のガスバリア性シートの製造方法を提供することができる。
本発明のガスバリア性シートの製造方法の好ましい態様においては、前記印刷法が、スクリーン印刷、グラビア印刷、及びオフセット印刷のいずれかである。
この発明によれば、印刷法が、スクリーン印刷、グラビア印刷、及びオフセット印刷のいずれかであるので、吸湿膜を所定の大きさに形成することが工業的に行いやすくなり、その結果、より工業生産に適したガスバリア性シートの製造方法を提供することができる。
本発明のガスバリア性シートの製造方法の好ましい態様においては、前記吸湿膜形成工程において、硬化性樹脂の材料に平均粒径が200nm以下のアルカリ土類金属又はアルカリ土類金属の酸化物の粒子を分散した塗布液を、前記印刷法で印刷した後に、前記硬化性樹脂の材料を硬化することにより前記吸湿膜を形成する。
この発明によれば、吸湿膜形成工程において、硬化性樹脂の材料に平均粒径が200nm以下のアルカリ土類金属又はアルカリ土類金属の酸化物の粒子を分散した塗布液を、印刷法で印刷した後に、硬化性樹脂の材料を硬化することにより吸湿膜を形成するので、分散された所定の粒径のアルカリ土類金属又はアルカリ土類金属の酸化物の粒子が効率的に水蒸気を吸収しやすくなり、その結果、吸湿膜をより良好に機能させやすくなる。
本発明のガスバリア性シートの製造方法の好ましい態様においては、前記吸湿膜形成工程において、前記吸湿膜を多孔質に形成する操作を行う。
この発明によれば、吸湿膜形成工程において、吸湿膜を多孔質に形成する操作を行うので、水蒸気の吸着面積が拡大されるとともに吸水膨潤が発生しにくくなり、その結果、吸水性が向上するとともに剥がれにくい吸湿膜を形成することができる。
本発明のガスバリア性シートの製造方法の好ましい態様においては、前記基材と前記ガスバリア膜との間に平坦化膜を設ける平坦化膜形成工程を有する。
この発明によれば、基材とガスバリア膜との間に平坦化膜を設ける平坦化膜形成工程を有するので、ガスバリア膜の平坦性が向上し、その結果、ガスバリア性シートのガスバリア性をより向上させやすくなる。
上記課題を解決するための本発明の封止体は、基板と、該基板上に配置された被封止物と、該被封止物上に配置された本発明のガスバリア性シートと、を有する封止体であって、前記ガスバリア性シートの吸湿膜が、前記被封止物の上面及び側面を被覆するとともに、前記ガスバリア性シートにおける前記吸湿膜が形成されていない領域が、前記基板に接着されている、ことを特徴とする。
この発明によれば、ガスバリア性シートの吸湿膜が、被封止物の上面及び側面を被覆するとともに、ガスバリア性シートにおける吸湿膜が形成されていない領域が、基板に接着されているので、吸湿膜の側面から侵入する水蒸気が遮断されやすくなり、その結果、より高いガスバリア性を有する構造の封止体を提供することができる。
本発明の封止体の好ましい態様においては、前記被封止物が、有機ELディスプレイ素子、液晶ディスプレイ素子、又は太陽電池素子である。
この発明によれば、被封止物が、有機ELディスプレイ素子、液晶ディスプレイ素子、又は太陽電池素子であるので、高いガスバリア性を必要とする被封止物を採用することになり、その結果、本発明を適用する意義が大きくなる。
上記課題を解決するための本発明の装置は、本発明の封止体を有することを特徴とする。
この発明によれば、本発明の装置が本発明の封止体を有するので、吸湿膜の側面から侵入する水蒸気が遮断されやすくなり、その結果、より高いガスバリア性を有する構造の装置を提供することができる。
本発明のガスバリア性シートによれば、より高いガスバリア性を有する構造のガスバリア性シートを提供することができる。
本発明のガスバリア性シートの製造方法によれば、より高いガスバリア性を有する構造のガスバリア性シートの製造方法を提供することができる。
本発明の封止体によれば、より高いガスバリア性を有する構造の封止体を提供することができる。
本発明の装置によれば、より高いガスバリア性を有する構造の装置を提供することができる。
本発明のガスバリア性シートの一例を示す模式的な断面図である。 本発明のガスバリア性シートの他の一例を示す模式的な断面図である。 本発明の封止体の一例を示す模式的な断面図である。 本発明の封止体の他の一例を示す模式的な断面図である。 従来の封止体を示す模式的断面図である。
次に、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
(ガスバリア性シート)
図1は本発明のガスバリア性シートの一例を示す模式的な断面図である。
ガスバリア性シート1Aは、基材2と、基材2の上に設けられたガスバリア膜3と、ガスバリア膜3の上に設けられた吸湿膜4と、を有し、吸湿膜4が被封止物の上面及び側面を被覆する大きさに形成されている。そして、ガスバリア性シート1Aは、図1には図示しない、基板上に配置された被封止物に対し、吸湿膜4を被封止物にかぶせるようにして封止を行う。これにより、吸湿膜4の側面からの水蒸気の侵入が遮断されやすくなり、その結果、吸湿膜4の利点を損なうことなく、より高いガスバリア性を有する構造のガスバリア性シート1Aを提供することができる。なお、吸湿膜4の端部での水蒸気の侵入が遮断されやすくなるメカニズムの詳細は後述する。また、被封止体の詳細も後述するが、好ましくは有機ELディスプレイ素子、液晶ディスプレイ素子、又は太陽電池素子を用いる。これにより、高いガスバリア性を必要とする被封止物を採用することになり、本発明を適用する意義が大きくなる。
ガスバリア性シート1Aは、より具体的には、図1に示すように、ガスバリア膜3上の一部に吸湿膜4が設けられ、吸湿膜4は、図1には図示しない被封止物の上面と側面とを被覆できる程度の大きさとされている。吸湿膜4を設けるのは、封止材料や基材2からの脱ガス(主に水蒸気)を吸収するためである。この点につきより詳しく説明すると、ガスバリア膜3で遮断しきれない水蒸気を吸収する役目を吸湿膜4に持たせるのである。すなわち、基材2は、後述するように数十〜数百μmのオーダーの厚さを有する一方で、ガスバリア膜3は、後述するように数十nm〜数μmオーダーの厚さに形成される。このため、基材2の表面のサブミクロンオーダーの凹凸やゴミをガスバリア膜3で完全に被覆することができない場合がある。そうなると、基材2から侵入する水蒸気をガスバリア膜3で遮断しきれず、有機ELディスプレイ素子等の封止物に水蒸気が侵入することになる。そこで、ガスバリア膜3上に吸湿膜4を設けて、ガスバリア膜3又は基材2から漏れてくる水蒸気を吸収する。その結果、より高いガスバリア性を達成できるようになる。ところが、吸湿膜は積極的に水蒸気を吸収する機能を有する。このため、ガスバリア膜3の全面に設けると、吸湿膜の側面からの水蒸気の侵入が促進されるので、被封止物への水蒸気の侵入がかえって助長されて被封止物を劣化させることとなる。また、吸湿膜が必要以上に水分を吸収する結果、吸湿膜が剥がれやすくなる。そこで、本発明においては、吸湿膜4を所定の大きさに制御して、側面からの水蒸気の侵入を遮断している。以下、ガスバリア性シート1Aの各構成要素について説明する。
基材2としては、各種の基材を用いることができ、主にはシート状やフィルム状、巻き取りロール状のものが用いられるが、具体的な用途や目的等に応じて、非フレキシブル基板やフレキシブル基板を用いることができる。例えば、ガラス基板、硬質樹脂基板、ウエハ、プリント基板、様々なカード、樹脂シート等の非フレキシブル基板を用いてもよいし、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、シクロポリオレフィン(CPO)、ポリアリレート(PAR)、ポリプロピレン(PP)、及びポリアミド(PA)等のフレキシブル基板を用いてもよい。基材2が樹脂製である場合、高分子基材であれば特に制限はない。これらのうち、例えば、ディスプレイ用途では透明である程度の耐熱性が必要とされるので、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーポネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、透明ポリイミド(PI)、シクロポリオレフィン(CPO)、及びポリアリレート(PAR)を用いることが好ましい。基材2が樹脂製である場合、用いる樹脂としては上記例示した樹脂を適宜混合して用いてもよい。また、基材2が樹脂製である場合、好ましくは100℃以上、特に好ましくは150℃以上の耐熱性を有するものが適当である。
こうした樹脂製の基材2としては、具体的には、非晶質シクロポリオレフィン樹脂フィルム(例えば、日本ゼオン株式会社のゼオネックス(登録商標)やゼオノア(登録商標)、JSR株式会社のARTON等)、ポリカーボネートフィルム(例えば、帝人化成株式会社のピュアエース等)、ポリエチレンテレフタレートフィルム(例えば、東洋紡績株式会社製のA4100、帝人化成株式会社製のもの等)、ポリエチレンナフタレートフィルム(例えば、帝人デュポンフィルム株式会社のテオネックス(登録商標)等)の市販品を挙げることができる。
基材2の厚さは、可撓性及び形態保持性の観点から、通常10μm以上、好ましくは50μm以上、また、通常200μm以下、好ましくは150μm以下、より好ましくは100μm以下とする。
基材2を含むガスバリア性シート1Aを、例えば、有機ELディスプレイ素子等のディスプレイ装置の発光面や映像面側に設ける場合には、基材2は透明であることが好ましい。基材2とともにガスバリア膜3等の他の膜を透明とすることにより、ガスバリア性シート1Aを透明とすることが可能となる。より具体的には、例えば400nm〜700nmの範囲内での基材2の平均光透過度が80%以上の透明性を有するように構成することが好ましい。こうした光透過度は基材2の材質と厚さに影響されるので両者を考慮して構成される。
基材2の表面は、所定の平滑性を有することが好ましい。具体的には、基材2の表面の算術平均粗さ(Ra)は、通常0.3nm以上とする。この範囲とすれば、基材2に適度な表面粗さを付与することができ、基材2を巻き取りロールとした際に互いに接触する基材2同士の接触面に滑りが生じにくくなる。また、基材2の表面の算術平均粗さ(Ra)は、通常100nm以下、好ましくは50nm以下、より好ましくは30nm以下とする。この範囲とすれば、基材2の平滑性が向上し、有機ELディスプレイ等の表示素子を作製する際に発生することのある短絡を抑制できる利点が発揮されやすくなる。算術平均粗さ(Ra)は、JIS B 0601−2001(ISO4287−1997準拠)に従って測定すればよい。なお、基材2の表面が上記のような算術平均粗さ(Ra)を有する場合には、ガスバリア膜3で基材2の表面を被覆できない箇所が出てくる場合があるので、吸湿膜4を用いる意義が大きくなる。
基材2は、熱に対して変形しにくいことが好ましい。ガスバリア性シート1Aが有機ELディスプレイ素子に適用される場合には、ヒートサイクル試験のような加熱・冷却のストレスに対してもガスバリア性シート1Aが変形しないことが求められるからである。具体的には、基材2の線膨張係数は、通常5ppm/℃以上、また、通常80ppm/℃以下、好ましくは50ppm/℃以下とする。線膨張係数の測定は、従来公知の方法を用いて行えばよく、例えばTMA法(熱機械分析法)を挙げることができる。TMA法に用いる測定装置としては、例えば、示差膨張方式熱機械分析装置であるリガク 製 CN8098F1を用いることができる。
基材2として樹脂製のものを用いる場合には、その製造方法も従来公知の一般的な方法により製造することが可能である。また、樹脂製の基材2を用いる場合には、延伸フィルムを用いてもよい。延伸の方法も従来公知の一般的な方法を用いればよい。延伸倍率は、基材2の原料となる樹脂に合わせて適宜選択することできるが、縦軸方向及び横軸方向にそれぞれ2〜10倍とすることが好ましい。
基材2の表面は、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、グロー放電処理、粗面化処理、加熱処理、薬品処理、易接着処理等の表面処理を行ってもよい。こうした表面処理の具体的な方法は従来公知のものを適宜用いることができる。
ガスバリア膜3は、所定のガスバリア性を発揮できる材料から構成されればよい。こうした材料としては特に制限はないが、ガスバリア膜3は、窒化珪素、酸化珪素、及び酸窒化珪素から選ばれる少なくとも1つを含有することが好ましい。これにより、ガスバリア膜3のガスバリア性をより高くしやすくなる。なお、酸化珪素、窒化珪素、酸窒化珪素の組成は、それぞれ化学量論比である必要はない。あくまで珪素を酸化、窒化、酸窒化したものであり、その組成は化学量論比からずれていてもよい。
例えば、有機ELディスプレイ素子においては、水蒸気透過率で10−6g/m/day程度のガスバリア性が求められる場合があるが、ガスバリア膜3の材料に、窒化珪素、酸化珪素、及び酸窒化珪素のいずれを用いることにより、上記高度なガスバリア性を得やすくなる。
ガスバリア膜3に用いる、窒化珪素はSiNで表される組成であり、aは通常0.7以上、1.4以下とする。また、酸化珪素はSiOで表される組成であり、bは通常1.5以上、1.8以下とする。さらに、酸窒化珪素はSiNで表される組成であり、cは通常0.7以上、1.2以下、dは通常0.1以上、0.5以下とする。
ガスバリア膜3中の、窒化珪素、酸化珪素、及び酸窒化珪素の含有量は、通常95原子%以上、好ましくは99.9原子%以上とする。ガスバリア膜3には、窒化珪素、酸化珪素、及び酸窒化珪素の他、不純物や添加剤としてSi、N、O以外の元素や物質を含有してもよい。具体的には、成膜中に基材2を樹脂製とした場合における基材成分、又はその他の有機物である炭素がガスバリア膜3に含まれていてもよい。
ガスバリア膜3の組成は、通常、XPS(X線光電子分光法)により測定することができる。本発明においては、XPS(VG Scientific社製ESCA LAB220i−XL)により測定した。X線源としては、Ag−3d−5/2ピーク強度が300Kcps〜1McpsとなるX線源であるMgKα線を用い、直径約1mmのスリットを使用した。測定は、測定に供した試料面の法線上に検出器をセットした状態で行い、適正な帯電補正を行った。測定後の解析は、上述のXPS装置に付属されたソフトウエアEclipseバージョン2.1を使用し、Si:2p、N:1s、O:1s、C:1sのバインディングエネルギーに相当するピークを用いて行った。このとき、C:1sのピークのうち、炭化水素に該当するピークを基準として、各ピークシフトを修正し、ピークの結合状態を帰属させた。各ピークに対して、シャーリーのバックグラウンド除去を行い、ピーク面積に各元素の感度係数補正(C=1.0に対して、Si=0.87、N=1.77、O=2.85)を行い、原子数比を求めた。
ガスバリア膜3の厚さは、通常5nm以上、好ましくは10nm以上、より好ましくは20nm以上、また、通常10μm以下、好ましくは1μm以下、より好ましくは200nm以下、さらに好ましくは150nm以下とする。上記範囲とすれば、ガスバリア性を確保しつつ、透明性が高く、クラックが入りにくくするとともに生産性を高くしやすくなる。
吸湿膜4は、所定の吸湿性を有する材料から構成されればよい。こうした材料としては特に制限はないが、樹脂に、平均粒径が200nm以下のアルカリ土類金属又はアルカリ土類金属の酸化物の粒子を分散することにより形成される材料を用いることが好ましい。これにより、分散された所定の粒径のアルカリ土類金属又はアルカリ土類金属の酸化物の粒子が効率的に水蒸気を吸収しやすくなり、その結果、吸湿膜4をより良好に機能させやすくなる。より具体的には、アルカリ土類金属やアルカリ土類金属の酸化物は吸湿材料として機能するところ、こうした材料を樹脂中に分散させることにより、吸湿膜4中に吸湿材料が均一性をもって存在するようになるので、吸湿膜4の吸湿性を確保しやすくなる。なお、吸湿膜4中で吸湿材料たるアルカリ土類金属やアルカリ土類金属の酸化物が分散して存在しているか否かは、例えば、吸湿膜4の断面を走査電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)で観察することにより確認することができる。
吸湿膜4に用いるアルカリ土類金属として、より好ましくは、Mg、Ca、Sr、及びBaを挙げることができるが、さらに好ましくはCa又はSrである。また、吸湿膜4に用いるアルカリ土類金属の酸化物としてより好ましくは、Mg酸化物、Ca酸化物、Sr酸化物、及びBa酸化物を挙げることができるが、さらに好ましくはCa酸化物又はSr酸化物である。Ca、Sr、及びこれら元素の酸化物を分散させた吸湿膜4は、一度水分を吸収すると加熱しても当該水分が吸湿膜4の外に出てきにくく、水分の保持力が高いので、ガスバリア性フィルムに用いるのに適している。この傾向は、Ca酸化物、Sr酸化物を用いた場合により顕著となる。これは、おそらく、Ca酸化物及びSr酸化物が水と吸着して水酸化物に変化するためである。なお、吸湿膜4に用いる粒子の材料として一般的なゼオライトも使用することは可能であるが、ゼオライトを分散させた吸湿膜は、加熱すると水分が膜外に排出されて被封止物を劣化させる場合があるので、ゼオライトを用いる場合には注意が必要である。
吸湿膜4に用いるアルカリ土類金属又はアルカリ土類金属の酸化物の粒子の平均粒径は200nm以下とすることが好ましい。これは、ディスプレイ用途にガスバリア性シート1Aを用いる場合には、通常ガスバリア性シート1Aの透明性が要求されるので、可視光の下限近傍の波長(380nm)よりも粒径を小さくする必要があるからである。平均粒径は、上述のとおり、好ましくは200nm以下とするが、より好ましくは175nm以下、さらに好ましくは150nm以下、また、通常1nm以上とする。また、平均粒径とは、吸湿膜4の断面を観察して測定される平均値、又は吸湿膜4を形成するための材料(塗布液やインク等)を粒度分布測定装置にて測定した値をいい、例えば、キュムラント法やヒストグラム法で測定することができる。
吸湿膜4中のアルカリ土類金属又はアルカリ土類金属の酸化物の粒子の含有量は、所望の吸湿性(吸水特性)を付与しつつ吸湿膜4の機械的強度を確保する観点から、通常5重量%以上、好ましくは10重量%以上、また、通常90重量以下、好ましくは80重量%以下とする。
吸湿膜4に用いる樹脂は、特に制限はないが、工業生産上好ましいのは硬化性樹脂である。硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂と光硬化性樹脂とに大きく分けることができるが、いずれを用いてもよい。硬化性樹脂としては特に制限はないが、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、及びポリエステル樹脂等を用いることがより好ましい。これら材料のうち、透湿度が低く、耐熱性が良好となる観点から、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、及びアクリロニトリル樹脂を用いることがさらに好ましく、アクリル樹脂を用いることが特に好ましい。硬化性樹脂は、モノマー又はオリゴマー等の状態を有する硬化性樹脂の材料を硬化させることによって得ることができる。こうした硬化性樹脂の材料としては、硬化性樹脂としてアクリル樹脂を例にとって説明すると、例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これら多官能アクリル樹脂のうち、膜応力が小さく、表面平坦性の観点から、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。水分を速やかに吸湿粒子で吸収するため、樹脂は水を速やかに透過し、かつ水が吸着しにくいことが重要である。
吸湿膜4は、上記樹脂やアルカリ土類金属又はアルカリ土類金属の酸化物の粒子以外の材料をさらに含有していてもよい。こうした材料としては、例えば、所望の機能(硬化性、耐酸化性、可塑性等)を発揮させるための添加剤を挙げることができる。こうした材料は、その発揮する機能に応じて適宜含有量を制御すればよい。
吸湿膜4は多孔質であるであることが好ましい。これにより、水蒸気の吸着面積が拡大されるとともに吸水膨潤が発生しにくくなり、その結果、吸湿膜4の吸水性が向上するとともに吸湿膜4が剥がれにくくなる。より具体的には、吸湿膜4を多孔質にすることにより、膜破壊が抑制されるようになる。
吸湿膜4の厚さは、通常30nm以上、好ましくは100nm以上、また、通常100μm以下、好ましくは50μm以下、より好ましくは30μm以下とする。この範囲とすれば、吸湿膜4の吸湿能力を確保しつつ、生産効率も確保しやすくなる。
図2は、本発明のガスバリア性シートの他の一例を示す模式的な断面図である。ガスバリア性シート1Bは、基材2の上に平坦化膜15が設けられ、平坦化膜15の上にガスバリア膜3が設けられ、ガスバリア膜3の上の吸湿膜4が設けられている。すなわち、ガスバリア性シート1Bは、基材2とガスバリア膜3との間に平坦化膜15を設けられていること以外は、ガスバリア性シート1Aと同様の構成を採用している。平坦化膜15の採用により、ガスバリア膜3の平坦性が向上し、その結果、ガスバリア性シート1Bのガスバリア性をより向上させやすくなる。また、平坦化膜15により、応力緩和の機能を付与することもできる。
平坦化膜15に用いる材料としては、所定の平坦性を得ることができるものであれば特に制限はなく、例えば、アクリレートを含む高分子化合物(アクリル樹脂)を挙げることができる。より具体的には、例えば、スチレン、フェノール、エポキシ、ニトリル、アクリル、アミン、エチレンイミン、エステル、シリコーン、アルキルチタネート化合物、イオン高分子錯体等、光硬化あるいは熱硬化性の樹脂を用いることができる。また、平坦化膜15の材料としては、高分子化合物と金属アルコキシドの加水分解生成物の混合物等を含む、高分子化合物を適宜使用することもできる。
平坦化膜15の厚さは、通常100nm以上、好ましくは300nm以上、また、通常10μm以下、好ましくは5μm以下とする。この範囲とすれば、所望の平坦性と応力緩和の機能が付与されやすくなる。
以上、本発明のガスバリア性シートについて説明したが、ガスバリア性シートの層構成は、上記例示に限られるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々のバリエーションを採用することができる。例えば、ガスバリア性シートの少なくとも片面にハードコート膜を設けることもできる。ハードコート膜は、通常、基材において、ガスバリア膜が設けられた側とは反対側の面に設けられる。また、基材とガスバリア膜との間にアンカーコート剤膜を設けてもよい。この他、必要に応じて、反射防止膜、帯電防止膜、防汚膜、防眩膜、及びカラーフィルタを適宜用いることもできる。こうした、ハードコート膜、平滑化膜、アンカーコート剤膜、反射防止膜、帯電防止膜、防汚膜、防眩膜、及びカラーフィルタ等の各層は、特に説明したもの以外は従来公知のものを適宜用いればよい。こうした層は、いずれもハードコート膜の表面に形成されることが多いが、反射防止機能や視野角制御機能をハードコート膜に付随することもできる。これらのうち、反射防止膜、帯電防止膜、防汚膜、防眩膜、カラーフィルタは、光学粘着剤を介して本発明のガスバリア性シートと貼り合わせることで、所望の機能を得てもよい。
(ガスバリア性シートの製造方法)
本発明のガスバリア性シートの製造方法は、基板上に配置された被封止物の少なくとも上面及び側面を封止するガスバリア性シートの製造方法であって、基材上にガスバリア膜を形成するガスバリア膜形成工程と、ガスバリア膜の上に、印刷法により吸湿膜を被封止物の上面及び側面を被覆する大きさに形成する吸湿膜形成工程と、を有する。これにより、吸湿膜の側面からの水蒸気の侵入が遮断されやすくなり、その結果、吸湿膜の利点を損なうことなく、より高いガスバリア性を有する構造のガスバリア性シートの製造方法を提供することができる。
ガスバリア膜形成工程では、基材上にガスバリア膜を形成する。基材の材料や製法等、またガスバリア膜に用いる材料についてはガスバリア性シートで説明したとおりであるので、重複を避けるためここでの説明は省略する。
ガスバリア膜の形成方法は特に制限はないが、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、Cat−CVD法、プラズマCVD法、大気圧プラズマCVD法等を用いればよい。こうした形成方法は、成膜材料の種類、成膜のしやすさ、工程効率等を考慮して選択すればよい。これら形成方法のうち好ましくはスパッタリング法を用いる。
スパッタリング法は、真空チャンバー内にターゲットを設置し、高電圧をかけてイオン化した希ガス元素(通常はアルゴン)をターゲットに衝突させて、ターゲット表面の原子をはじき出し、基材に付着させ、ガスバリア膜を得る方法である。このとき、チャンバー内に窒素ガスや酸素ガスを流すことにより、アルゴンガスによってターゲットからはじき出された元素と、窒素や酸素とを反応させてガスバリア膜を形成する、反応性スパッタリング法を用いてもよい。スパッタリング法としては、例えば、DC2極スパッタリング、RF2極スパッタリング、3極・4極スパッタリング、ECRスパッタリング、イオンビームスパッタリング、及びマグネトロンスパッタリング等を挙げることができるが、工業的にはマグネトロンスパッタリングを用いることが好ましい。
スパッタリング法は、工業的には巻取り成膜機構をもったスパッタ装置を用いて行われる。こうしたスパッタ装置は従来公知のものを適宜用いることができる。
吸湿膜形成工程では、ガスバリア膜の上に、印刷法により吸湿膜を被封止物の上面及び側面を被覆する大きさに形成する。吸湿膜を所定の大きさに形成する印刷法は特に制限はなく、パターンニング印刷ができるものであればよい。こうした方法としては、好ましくは、スクリーン印刷、グラビア印刷、及びオフセット印刷のいずれかを用いる。これにより、吸湿膜を所定の大きさに形成することが工業的に行いやすくなり、その結果、より工業生産に適したガスバリア性シートの製造方法を提供することができる。
スクリーン印刷は、従来公知の方法を用いることができる。例えば、吸湿膜を形成するだけの所定の大きさの版が形成されたステンシルを例えばガスバリア膜の上に設置して、スキージを往復させることにより、吸湿膜形成用の塗布液(インク)をスクリーンの紗の下に押し出し印刷を行えばよい。スクリーン印刷は、インクの濃度を高くすることができる利点があるので、相対的に厚い吸湿膜を形成することができる利点がある。
グラビア印刷は、従来公知の方法を用いることができる。例えば、吸湿膜を形成する大きさの凹部が形成されたシリンダー状の版に、ファニッシャーロールを用いて吸湿膜形成用の塗布液(インク)を転写して、凹部以外のインキをドクターで掻き落とされた後に、凹部に残ったインクを例えばガスバリア膜の上に転写すればよい。グラビア印刷は、高速印刷が可能なので、生産効率を上げやすくなる利点がある。
オフセット印刷は、従来公知の方法を用いることができる。例えば、平板な版上に油・水それぞれと親和性の高い部分を作成し、油と親和性の高い部分を吸湿膜と同じ大きさに形成し、この油と親和性の高い部分へ吸湿膜形成用の塗布液(インク)を乗せた後に、これを例えばガスバリア膜の上に転写すればよい。オフセット印刷も工業生産的に非常に有効な方法である。
吸湿膜形成工程では、硬化性樹脂の材料に平均粒径が200nm以下のアルカリ土類金属又はアルカリ土類金属の酸化物の粒子を分散した塗布液(インク)を、上記印刷法で印刷した後に、硬化性樹脂の材料を硬化することにより吸湿膜を形成する方法を採用することが好ましい。これにより、分散された所定の粒径のアルカリ土類金属又はアルカリ土類金属の酸化物の粒子が効率的に水蒸気を吸収しやすくなり、その結果、吸湿膜をより良好に機能させやすくなる。
上記方法において、平均粒径が200nm以下のアルカリ土類金属又はアルカリ土類金属の酸化物の粒子や、硬化性樹脂を形成するための硬化性樹脂の材料については、ガスバリア性シートで説明したとおりであるので、重複を避けるためここでの説明は省略する。
塗布液(インク)は、通常、アルカリ土類金属又はアルカリ土類金属の酸化物の粒子を液体状の硬化性樹脂の材料に分散させたものを用いるが、粘度調整のために、さらに所定の溶媒を適宜加えてもよい。こうした溶媒としては、例えば、メタノール、イソプロパノール(IPA)、及びメチルエチルケトン(MEK)等の低沸点溶媒や、トルエン、及びブタノール等の高沸点溶媒を挙げることができる。塗布液中の溶媒の含有量は、所望する吸湿膜の厚さにもよるが、通常10重量%以上、90重量%以下とする。また、塗布液中のアルカリ土類金属又はアルカリ土類金属の酸化物の粒子の含有量は、吸湿膜の吸湿性を確保するために、通常5重量%以上、50重量%以下とする。さらに、塗布液中の硬化性樹脂の材料の含有量は、吸湿膜を所定の厚さにする観点から、通常1重量%以上、40重量%以下とする。
こうした得た塗布液を上記印刷法で、例えばガスバリア膜上に印刷する。その後、硬化性樹脂の材料を硬化させることにより吸湿膜が形成される。硬化は、硬化性樹脂の材料に応じて、光硬化又は熱硬化の操作を適宜行えばよい。こうした硬化方法は従来公知の技術を適宜用いることができる。また、塗布液中の溶媒を揮発させるために、所定の熱処理を適宜行ってもよい。
吸湿膜形成工程では、吸湿膜を多孔質に形成する操作をさらに行うことが好ましい。これにより、水蒸気の吸着面積が拡大されるとともに吸水膨潤が発生しにくくなり、その結果、吸水性が向上するとともに剥がれにくい吸湿膜を形成することができる。
吸湿膜を多孔質に形成する操作は、特に制限されず従来公知の方法を適宜用いればよい。こうした方法としては、例えば、所定の抽出溶媒を上記塗布液に分散させて吸湿膜を形成した後に、この溶媒を抽出するもの(溶媒抽出法)を挙げることができる。また、微粒子セラミック成分を含む場合は、樹脂成分を減少させると、微粒子間の空隙を埋める樹脂が不足し、吸湿膜を多孔質に形成することができる。
本発明のガスバリア性シートの製造方法においては、基材とガスバリア膜との間に平坦化膜を設ける平坦化膜形成工程をさらに設けることが好ましい。これにより、ガスバリア膜の平坦性が向上し、その結果、ガスバリア性シートのガスバリア性をより向上させやすくなる。
平坦化膜に用いる材料については、ガスバリア性シートで説明したとおりであるので、重複を避けるためここでの説明は省略する。
平坦化膜の形成方法は、用いる材料によって適宜選択すればよい。例えば、アクリレートを含む高分子化合物(アクリル樹脂)のような硬化性樹脂で平坦化膜を形成する場合には、上記吸湿膜の形成方法に倣って、液体状の硬化性樹脂の材料等に必要に応じて所定の溶媒を配合し、これを、例えば基材上に塗布・硬化させることによって得ることができる。塗布の方法は、例えば、グラビア印刷法、グラビアリバース法、ダイコート法、3本ロール法、コンマコート法、及びスライドコート法等を適宜用いればよい。また、硬化の方法は、上記吸湿膜の形成方法で説明した熱硬化、光硬化のいずれの方法を用いることができる。
(封止体)
図3は、本発明の封止体の一例を示す模式的な断面図である。
封止体10Aは、基板7と、基板7上に配置された被封止物5と、被封止物5上に配置されたガスバリア性シート1Aと、を有し、ガスバリア性シート1Aの吸湿膜4が、被封止物5の上面及び側面を被覆するとともに、ガスバリア性シート1Aにおける吸湿膜4が形成されていない領域が、基板7に接着されている。これにより、吸湿膜4の側面から侵入する水蒸気が遮断されやすくなり、その結果、より高いガスバリア性を有する構造の封止体10Aを提供することができる。
封止体10Aにおける、吸湿膜4の側面から侵入する水蒸気の遮断のメカニズムについてより詳しく説明する。水蒸気は、図3の矢印に示すように、基板7とガスバリア膜3とが接触する界面に存在する接着剤膜6から、水蒸気を積極的に吸着する吸湿膜4へと侵入しようとする。しかしながら、接着剤膜6は薄く形成され、また後述するように、吸湿機能を有するアルカリ土類金属やアルカリ土類金属の酸化物の粒子等の吸湿材料が含まれていないので、水蒸気が侵入しにくくなっている。このため、水蒸気が接着剤膜6でブロックされる結果、吸湿膜4の側面からの水蒸気の侵入が阻止されやすくなるとともに、吸湿膜4は、基材2やガスバリア膜3を通過してきた水蒸気を主に吸着することができるようになり、吸湿膜4を設ける利点を損なうことがなくなる。
基板7は、被封止物5を支持しつつ、所定のガスバリア性を有すればよく、特に制限はない。こうした基板7としては、例えば、ガラス基板、ガスバリア性シート等を挙げることができる。ガスバリア性シートを用いる場合には、本発明において用いるような、吸湿膜が所定の大きさに形成されたガスバリア性シートを用いてもよいし、吸湿膜が設けられていないガスバリア性シートを用いてもよい。なお、吸湿膜が所定の大きさに形成されたガスバリア性シートを用いる場合には、吸湿膜の大きさを被封止物5の下面の大きさと同程度とすればよい。こうすることで、基板7においても吸湿膜の側面からの水蒸気の侵入が抑制されてガスバリア性をより確保しやすくなる。
基板7は、陽極11を透明電極としてその上に形成する場合には、透明であることが好ましい。具体的には、例えば可視光の範囲内での基板7の全光線透過度が80%以上の透明性を有するように構成することが好ましい。
基板7の厚さは、通常25μm以上、好ましくは50μm以上、また、通常1mm以下、好ましくは300μm以下、より好ましくは200μm以下とする。この範囲とすれば、被封止物5を支持できる程度の機械的強度を保持することができる。
被封止物5は、有機ELディスプレイ素子である。被封止物5を有機ELディスプレイ素子とすると、高いガスバリア性を必要とする被封止物5を採用することになり、その結果本発明を適用する意義が大きくなる。但し、被封止物5は、有機ELディスプレイ素子に限られない。すなわち、高いガスバリア性を必要とするものであれば特に制限はなく、被封止物として液晶ディスプレイ素子や太陽電池素子を用いることも好ましい。液晶ディスプレイ素子や太陽電池素子も高いガスバリア性を必要とする被封止物となるので、本発明のガスバリア性シートを適用する意義が大きくなる。
被封止物5は、有機ELディスプレイ素子の通常の構成を有し、陽極11、正孔輸送層12、発光層13、及び陰極14からなる。こうした各層の構成は従来公知のものを適宜用いればよい。
陽極11は、正孔輸送層12に正孔を供給する電極としての機能を有していればよい。このため、陽極11の形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、有機ELディスプレイ素子の用途、目的に応じて、従来公知の材料を適宜用いればよい。ディスプレイの視認性のために、陽極11を透明電極とすることが多いので、陽極11の材料としては、通常ITO又はIZOが使用される。陽極11は、上記の材料を、スパッタリング法等により基板7上の所定位置に成膜することによって形成することができる。また、必要に応じて、エッチングによるパターニングを行ってもよい。陽極11の厚さは、透明性と導電性とを兼ね備えるために、薄膜の光学干渉を考慮して、通常140nm以上、160nm以下とする。
正孔輸送層12は、陽極11から正孔を受け取り発光層13へと輸送する機能を有する。こうした正孔輸送層12は、従来公知の正孔輸送機能を有する材料を含有させればよい。こうした材料としては、例えば、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェニレンジアミン誘導体等の各種の誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、有機シラン誘導体、カーボン等を挙げることができる。これら材料のうち、工業的な点から好ましいのは、フェニレンジアミン誘導体であり、より具体的には、α−ナフチルフェニルジアミン(α−NPD)である。こうした正孔輸送層12は、例えば、真空蒸着法等の従来公知の製法により陽極11上に成膜することによって形成することができる。正孔輸送層12の厚さは、通常1nm以上、100nm以下とする。
発光層13は、電界印加時に、陽極11及び正孔輸送層12から正孔を受け取り、陰極14から電子を受け取り、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する。発光層13は、従来公知の材料から構成することができる。例えば、発光層13は、発光材料のみで構成されていてもよく、発光材料とホスト材料との混合層とした構成でもよい。発光材料は蛍光発光材料でも燐光発光材料でもよいが、ホスト材料は電荷輸送材料であることが好ましい。ホスト材料は1種であっても2種以上であってもよく、2種類以上用いる場合は、例えば、電子輸送性のホスト材料とホール輸送性のホスト材料を混合した構成が挙げることができる。さらに、発光層13中に電荷輸送性を有さず、発光しない材料を含んでいてもよい。また、発光層13は1層であっても2層以上であってもよく、それぞれの層が異なる発光色で発光してもよい。
発光材料に用いる蛍光発光材料としては、例えば、ベンゾオキサゾール誘導体等の各種の誘導体、芳香族ジメチリディン化合物、8−キノリノール誘導体の金属錯体やピロメテン誘導体の金属錯体に代表される各種金属錯体等、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン誘導体などの化合物等が挙げられる。これら材料のうち、工業的な点から好ましいのは、8−キノリノール誘導体の金属錯体であり、より具体的には、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq3)である。
発光材料に用いる燐光発光材料は、例えば、遷移金属原子又はランタノイド原子を含む錯体が挙げられる。また、ホスト材料としては、例えば、カルバゾール骨格を有するもの、ジアリールアミン骨格を有するもの、ピリジン骨格を有するもの、ピラジン骨格を有するもの、トリアジン骨格を有するもの及びアリールシラン骨格を有するもの等を挙げることができる。
発光層13は、例えば、真空蒸着法等により正孔輸送層12上に成膜することによって形成することができる。発光層13の厚さは、通常1nm以上、100nm以下とする。
陰極14は、発光層13に電子を注入する電極としての機能を有していればよい。このため、陰極14の形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、有機ELディスプレイ素子の用途、目的に応じて、公知の材料を適宜用いればよい。
陰極14は、通常金属電極として用いられる。こうした陰極14を構成する材料としては、例えば、金属、合金等を挙げることができる。より具体的には、MgやCa等の第2族元素の金属、金、銀、鉛、アルミニウム、インジウム、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−銀合金、イッテルビウム等の希土類金属等を挙げることができる。これら材料のうち、アルミニウムを用いることが好ましい。また、安定性や電子注入性を考慮して、上記の材料を2種類以上併用して用いてもよく、この場合、好ましくはカルシウム及び銀を用いる。
陰極14の厚さは、陰極14を構成する材料により適宜選択することができ、通常10nm以上、好ましくは50nm以上、また、通常5μm以下、好ましくは1μm以下とする。陰極14は、透明でも不透明であってもよいが、陰極14を透明とする場合、厚さを1nm以上10nm以下と薄くするか、ITOやIZO等の透明な導電性材料を用いればよい。陰極14は、真空蒸着法等を用いて発光層13上に成膜することによって形成することができる。
被封止物5の有機ELディスプレイ素子には、以上説明した各層の他、有機ELディスプレイ素子に求められる機能により、さらに他の層を付加することもできる。こうした層としては、例えば、電子輸送層、電荷ブロック層、及び電子注入層を挙げることができる。さらに、有機ELディスプレイ素子上に封止膜を設けてもよい。封止膜としては、酸化珪素、窒化珪素、及び酸窒化珪素等の無機薄膜を用いることが好ましく、窒化珪素又は酸窒化珪素の無機薄膜を用いることがより好ましい。これは、ガラスや金属を用いるよりも、軽量で安価に封止することが可能となるからである。
ガスバリア性シート1Aは、被封止物5の上面及び側面を被覆する吸湿膜4と、ガスバリア膜3と、基材2と、がこの順となるように被封止物5上に被覆される。より具体的には、吸湿膜4が被封止物5の上面及び側面を覆うようにして、ガスバリア性シート1Aが被封止物5を封止している。このように、ガスバリア性シート1Aは、基材2と、基材2の上に設けられたガスバリア膜3と、ガスバリア膜3の上に設けられた吸湿膜4と、を有し、吸湿膜4が被封止物5の上面及び側面を被覆する大きさに形成されている。こうしたガスバリア性シート1Aについては既に説明したとおりである。例えば、吸湿膜4は、平均粒径が200nm以下のアルカリ土類金属又はアルカリ土類金属の酸化物の粒子を分散した樹脂から形成されることが好ましく、吸湿膜4が多孔質であることが好ましい。こうした点の詳細についてはすでに説明したとおりであるので、説明の重複を避けるためにここでの説明は省略する。
接着剤膜6は、ガスバリア性シート1Aと、被封止物5周辺の基板7表面とを接着するために用いられるものである。より詳しくは、接着剤膜6は、ガスバリア性シート1Aのガスバリア膜3上で吸湿膜4が形成されていない領域と、基材7とを接着するために用いられるものであればよく、特に制限はない。こうした接着剤膜6に用いる材料としては、例えば、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、瞬間接着剤等を挙げることができる。より具体的には、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、及びポリエステル樹脂等を挙げることができる。これら材料のうち、透湿度が低く、耐熱性が良好となる観点から、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、及びアクリロニトリル樹脂を用いることが好ましい。
接着剤膜6は、通常、所定の粘度を有する接着剤をスピンコート法、ダイコート法等で、基板7の表面のうち、被封止物5の周辺に塗布した後、ガスバリア性シート1Aを被覆して、硬化させることによって形成できる。接着剤膜6の厚さは、通常100nm以上、また、通常1μm以下、好ましくは500nm以下とする。
図4は、本発明の封止体の他の一例を示す模式的な断面図である。封止体10Bは、封止体10Aにおいてガスバリア性シート1Aの代わりにガスバリア性シート1Bを用いたいものである。すなわち、封止体10Bにおいては、基材2とガスバリア膜3との間に平坦化膜15が設けられたガスバリア性1Bを用いている。封止体10Bを構成する各要素や、ガスバリア性シート1Bについてはすでに説明したとおりであるから、説明の重複を避けるため、ここでの説明は省略する。
(装置)
本発明の装置は、本発明の封止体を有する。これにより、吸湿膜の側面から侵入する水蒸気が遮断されやすくなり、その結果、より高いガスバリア性を有する構造の装置を提供することができる。こうした装置としては、例えば、有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイ、又は太陽電池を挙げることができる。これら装置は、吸湿により被封止体たる有機ELディスプレイ素子、液晶ディスプレイ素子、及び太陽電池素子が劣化しやすい性質を有するので、本発明の封止体を用いる意義が大きい。
上記装置のうち、有機ELディスプレイは、上記説明した本発明の封止体を用いる以外は、従来公知の部材、部品等を用いればよい。また製造方法についても従来公知の方法を適宜用いることができる。また、液晶ディスプレイや太陽電池についても、上記説明した本発明の封止体を用いる以外は、従来公知の部材、部品等を用いればよい。また製造方法についても従来公知の方法を適宜用いることができる。
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
(実施例1)
基板として厚さ0.7mmのガラス基板を用い、被封止物として有機ELディスプレイ素子を用いた。具体的には、上記のガラス基板上に、ITOをスパッタリング法で成膜した後、エッチングによりパターンニングして透明電極(陽極)を形成した。そして、陽極上に蒸着法により正孔輸送層、発光層、及び金属電極(陰極)を順次形成した。ここで、正孔輸送層の材料としてはα−ナフチルフェニルジアミン(α−NPD)を、発光層の材料としてはトリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq3)を、金属電極(陰極)の材料としてカルシウム及び銀を用いた。
ガスバリア性シートは、基材、平坦化膜、ガスバリア膜、吸湿膜、の4層構造のものを用いた。
基材としては、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(A4100、東洋紡績株式会社製)を用いた。
平坦化膜形成工程においては、巻取り成膜機構を有するダイコート装置を用い、ダイコート法により液体状のアクリル樹脂の材料(OELV3、ザ・インクテック株式会社製)を基材上に塗布した後、ヒュージョンHバルブ 100mJの条件下で硬化させることにより、厚さ2μmの平坦化膜を形成した。
ガスバリア膜形成工程においては、平坦化膜上に酸窒化珪素をスパッタリング法により成膜して、厚さ100nmのガスバリア膜(SiNの組成でc=1、d=0.2)を形成した。スパッタリング法の条件は、RF放電1.5kW、0.1Pa、Ar:40sccm、N:30sccm、ターゲットSiとした。
なお、ガスバリア膜の組成は、XPS(VG Scientific社製ESCA LAB220i−XL)により測定した。X線源としては、Ag−3d−5/2ピーク強度が300Kcps〜1McpsとなるX線源であるMgKα線を用い、直径約1mmのスリットを使用した。測定は、測定に供した試料面の法線上に検出器をセットした状態で行い、適正な帯電補正を行った。測定後の解析は、上述のXPS装置に付属されたソフトウエアEclipseバージョン2.1を使用し、Si:2p、N:1s、O:1s、C:1sのバインディングエネルギーに相当するピークを用いて行った。このとき、C:1sのピークのうち、炭化水素に該当するピークを基準として、各ピークシフトを修正し、ピークの結合状態を帰属させた。各ピークに対して、シャーリーのバックグラウンド除去を行い、ピーク面積に各元素の感度係数補正(C=1.0に対して、Si=0.87、N=1.77、O=2.85)を行い、原子数比を求めた。
そして、吸湿膜形成工程においては、ガスバリア膜上に、スクリーン印刷により吸湿膜を有機ELディスプレイ素子の上面と側面とを被覆する大きさ(5cm×5cm)に形成した。具体的には、平均粒径が150nmのCa酸化物の粒子が20重量%分散され、アクリル樹脂の材料を20重量%及びトルエンを60重量%を含有する塗布液(インク)を、スクリーン印刷により5cm×5cmの大きさに印刷した後に、アクリル樹脂の材料を硬化することにより、厚さ1μmの吸湿膜を形成した。
次いで、基板上に形成された有機ELディスプレイ素子の周辺の基板表面に、接着剤をスピンコート法で塗布した。そして、有機ELディスプレイ素子の上面、すなわち金属電極(陰極)の表面と、側面とが吸湿膜で覆われるようにして、有機ELディスプレイ素子全体にガスバリア性シートをかぶせた。そして、接着剤を硬化させることにより、ガスバリア性シートの基材上で吸湿膜が形成されていない領域と、有機ELディスプレイ素子の周辺の基板表面と、を接着した。ここで、接着剤としては、UV硬化型エポキシ樹脂を用いた。以上を経て封止体を製造した。
(発光特性の評価)
こうして得た封止体を、常温/常湿の環境下で5日間保存した後、有機ELディスプレイ素子の発光特性を確認したところ、水蒸気の侵入によるダークスポットは発生せず、良好な発光特性が得られた。もっとも、10日後には、ダークスポットの発生が確認された。
(実施例2)
ガスバリア性シートの製造の吸湿膜形成工程において、吸湿膜を多孔質に形成する操作を行ったこと以外は、実施例1と同様にして封止体を製造した。具体的には、樹脂成分を10%程度に低減して吸湿膜を多孔質化した。
こうして得た封止体に対し、実施例1同様の発光特性を評価したところ、水蒸気の侵入によるダークスポットは発生せず、良好な発光特性が得られた。すなわち、こうして得た封止体を、常温/常湿の環境下で5日間保存した後、有機ELディスプレイ素子の発光特性を確認したところ、水蒸気の侵入によるダークスポットは発生せず、良好な発光特性が得られた。また、10日後でも、ダークスポットは目視で確認できなかった。
(比較例1)
ガスバリア性シートの製造の吸湿膜形成工程において、ガスバリア膜上の全面に吸湿膜を形成したこと以外は、実施例1と同様にして封止体を製造した。
こうして得た封止体に対し、実施例1同様の発光特性を評価したところ、水蒸気の侵入によるダークスポットが多発して、発光特性は不良であった。また、吸湿膜の膨潤のため、吸湿膜で凝集破壊を起こしていた。
(比較例2)
ガスバリア性シートの製造の吸湿膜形成工程を行わず、吸湿膜を設けなかったこと以外は、実施例1と同様にして封止体を製造した。
こうして得た封止体に対し、実施例1同様の発光特性を評価したところ、水蒸気の侵入によるダークスポットが多発して、発光特性は不良であった。
1A,1B ガスバリア性シート
2 基材
3 ガスバリア膜
4,34 吸湿膜
5 被封止物(有機ELディスプレイ素子)
6 接着剤膜
7 基板
10A,10B 封止体
11 陽極
12 正孔輸送層
13 発光層
14 陰極
15 平坦化膜
30 従来の封止体
31 フィルム基板
32 発光機能層
33 封止フィルム

Claims (12)

  1. 基板上に配置された被封止物の少なくとも上面及び側面を封止するガスバリア性シートであって、
    該ガスバリア性シートが、基材と、該基材の上に設けられたガスバリア膜と、該ガスバリア膜の上に設けられた吸湿膜と、を有し、該吸湿膜が前記被封止物の上面及び側面を被覆する大きさに形成されている、ことを特徴とするガスバリア性シート。
  2. 前記吸湿膜が、樹脂に、平均粒径が200nm以下のアルカリ土類金属又はアルカリ土類金属の酸化物の粒子を分散することにより形成される、請求項1に記載のガスバリア性シート。
  3. 前記吸湿膜が多孔質である、請求項1又は2に記載のガスバリア性シート。
  4. 前記基材と前記ガスバリア膜との間に平坦化膜を設ける、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスバリア性シート。
  5. 基板上に配置された被封止物の少なくとも上面及び側面を封止するガスバリア性シートの製造方法であって、
    基材上にガスバリア膜を形成するガスバリア膜形成工程と、
    前記ガスバリア膜の上に、印刷法により吸湿膜を前記被封止物の上面及び側面を被覆する大きさに形成する吸湿膜形成工程と、
    を有する、ことを特徴とするガスバリア性シートの製造方法。
  6. 前記印刷法が、スクリーン印刷、グラビア印刷、及びオフセット印刷のいずれかである、請求項5に記載のガスバリア性シートの製造方法。
  7. 前記吸湿膜形成工程において、硬化性樹脂の材料に平均粒径が200nm以下のアルカリ土類金属又はアルカリ土類金属の酸化物の粒子を分散した塗布液を、前記印刷法で印刷した後に、前記硬化性樹脂の材料を硬化することにより前記吸湿膜を形成する、請求項5又は6に記載のガスバリア性シートの製造方法。
  8. 前記吸湿膜形成工程において、前記吸湿膜を多孔質に形成する操作を行う、請求項5〜7のいずれか1項に記載のガスバリア性シートの製造方法。
  9. 前記基材と前記ガスバリア膜との間に平坦化膜を設ける平坦化膜形成工程を有する、請求項5〜8のいずれか1項に記載のガスバリア性シートの製造方法。
  10. 基板と、該基板上に配置された被封止物と、該被封止物上に配置された請求項1〜4のいずれか1項に記載のガスバリア性シートと、を有する封止体であって、
    前記ガスバリア性シートの吸湿膜が、前記被封止物の上面及び側面を被覆するとともに、前記ガスバリア性シートにおける前記吸湿膜が形成されていない領域が、前記基板に接着されている、
    ことを特徴とする封止体。
  11. 前記被封止物が、有機ELディスプレイ素子、液晶ディスプレイ素子、又は太陽電池素子である、請求項10に記載の封止体。
  12. 請求項10又は11に記載の封止体を有することを特徴とする装置。
JP2009166806A 2009-07-15 2009-07-15 ガスバリア性シート、ガスバリア性シートの製造方法、封止体、及び装置 Expired - Fee Related JP5463771B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009166806A JP5463771B2 (ja) 2009-07-15 2009-07-15 ガスバリア性シート、ガスバリア性シートの製造方法、封止体、及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009166806A JP5463771B2 (ja) 2009-07-15 2009-07-15 ガスバリア性シート、ガスバリア性シートの製造方法、封止体、及び装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011020335A true JP2011020335A (ja) 2011-02-03
JP5463771B2 JP5463771B2 (ja) 2014-04-09

Family

ID=43630821

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009166806A Expired - Fee Related JP5463771B2 (ja) 2009-07-15 2009-07-15 ガスバリア性シート、ガスバリア性シートの製造方法、封止体、及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5463771B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012186155A (ja) * 2011-02-14 2012-09-27 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 発光装置、表示装置およびそれらの作製方法
WO2015005084A1 (ja) 2013-07-12 2015-01-15 日東電工株式会社 有機エレクトロルミネッセンス装置
WO2015107754A1 (ja) 2014-01-14 2015-07-23 日東電工株式会社 有機エレクトロルミネッセンス装置
WO2015107755A1 (ja) 2014-01-14 2015-07-23 日東電工株式会社 有機エレクトロルミネッセンス装置、及び有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法
JP2015166170A (ja) * 2014-03-04 2015-09-24 東洋製罐グループホールディングス株式会社 ガスバリア性積層体
JP2015178231A (ja) * 2014-03-19 2015-10-08 東洋製罐グループホールディングス株式会社 ガスバリア性積層構造体
JP2016504214A (ja) * 2012-11-29 2016-02-12 エルジー・ケム・リミテッド 無機粒子を含む保護コーティング層が積層されたガスバリヤ性フィルム
WO2016103857A1 (ja) * 2014-12-22 2016-06-30 日東電工株式会社 有機エレクトロルミネッセンス装置及び照明装置
WO2017138179A1 (ja) 2016-02-10 2017-08-17 コニカミノルタ株式会社 有機エレクトロルミネッセンス発光装置
CN107204350A (zh) * 2016-03-18 2017-09-26 三星显示有限公司 可伸展的显示设备

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001118674A (ja) * 1999-10-19 2001-04-27 Auto Network Gijutsu Kenkyusho:Kk 有機el表示装置
JP2003168555A (ja) * 2001-11-29 2003-06-13 Sumitomo Electric Ind Ltd エレクトロルミネッセンス表示装置
JP2003317934A (ja) * 2002-04-22 2003-11-07 Asahi Glass Co Ltd 有機el表示装置とその製造方法
JP2004319136A (ja) * 2003-04-11 2004-11-11 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 有機el素子
JP2006059620A (ja) * 2004-08-19 2006-03-02 Mitsui Chemicals Inc 電子デバイス用封止フィルムおよびそれを用いた表示素子
JP2007220593A (ja) * 2006-02-20 2007-08-30 Hitachi Displays Ltd 有機el表示装置
JP2009038019A (ja) * 2007-07-09 2009-02-19 Dainippon Printing Co Ltd ガスバリア性シート、ガスバリア性シートの製造方法、封止体、及び有機elディスプレイ

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001118674A (ja) * 1999-10-19 2001-04-27 Auto Network Gijutsu Kenkyusho:Kk 有機el表示装置
JP2003168555A (ja) * 2001-11-29 2003-06-13 Sumitomo Electric Ind Ltd エレクトロルミネッセンス表示装置
JP2003317934A (ja) * 2002-04-22 2003-11-07 Asahi Glass Co Ltd 有機el表示装置とその製造方法
JP2004319136A (ja) * 2003-04-11 2004-11-11 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 有機el素子
JP2006059620A (ja) * 2004-08-19 2006-03-02 Mitsui Chemicals Inc 電子デバイス用封止フィルムおよびそれを用いた表示素子
JP2007220593A (ja) * 2006-02-20 2007-08-30 Hitachi Displays Ltd 有機el表示装置
JP2009038019A (ja) * 2007-07-09 2009-02-19 Dainippon Printing Co Ltd ガスバリア性シート、ガスバリア性シートの製造方法、封止体、及び有機elディスプレイ

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012186155A (ja) * 2011-02-14 2012-09-27 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 発光装置、表示装置およびそれらの作製方法
US10882275B2 (en) 2012-11-29 2021-01-05 Lg Chem, Ltd. Gas barrier film with protective coating layer containing inorganic particles
JP2016504214A (ja) * 2012-11-29 2016-02-12 エルジー・ケム・リミテッド 無機粒子を含む保護コーティング層が積層されたガスバリヤ性フィルム
WO2015005084A1 (ja) 2013-07-12 2015-01-15 日東電工株式会社 有機エレクトロルミネッセンス装置
KR20160002665A (ko) 2014-01-14 2016-01-08 닛토덴코 가부시키가이샤 유기 일렉트로루미네센스 장치
WO2015107755A1 (ja) 2014-01-14 2015-07-23 日東電工株式会社 有機エレクトロルミネッセンス装置、及び有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法
WO2015107754A1 (ja) 2014-01-14 2015-07-23 日東電工株式会社 有機エレクトロルミネッセンス装置
JP2015166170A (ja) * 2014-03-04 2015-09-24 東洋製罐グループホールディングス株式会社 ガスバリア性積層体
JP2015178231A (ja) * 2014-03-19 2015-10-08 東洋製罐グループホールディングス株式会社 ガスバリア性積層構造体
WO2016103857A1 (ja) * 2014-12-22 2016-06-30 日東電工株式会社 有機エレクトロルミネッセンス装置及び照明装置
WO2017138179A1 (ja) 2016-02-10 2017-08-17 コニカミノルタ株式会社 有機エレクトロルミネッセンス発光装置
KR20180082565A (ko) 2016-02-10 2018-07-18 코니카 미놀타 가부시키가이샤 유기 일렉트로루미네센스 발광 장치
US10524319B2 (en) 2016-02-10 2019-12-31 Konica Minolta, Inc. Organic electroluminescent light emitting device
CN107204350A (zh) * 2016-03-18 2017-09-26 三星显示有限公司 可伸展的显示设备
CN107204350B (zh) * 2016-03-18 2023-05-26 三星显示有限公司 可伸展的显示设备

Also Published As

Publication number Publication date
JP5463771B2 (ja) 2014-04-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5463771B2 (ja) ガスバリア性シート、ガスバリア性シートの製造方法、封止体、及び装置
JP5532557B2 (ja) ガスバリア性シート、ガスバリア性シートの製造方法、封止体、及び有機elディスプレイ
JP6577069B2 (ja) フレキシブル有機電子デバイスの製造
US8445899B2 (en) Organic electronic panel and method for manufacturing organic electronic panel
US9515288B2 (en) Organic electroluminescent device
JP2009541939A (ja) 有機発光ダイオードデバイスのための防湿コーティング
US10333100B2 (en) Organic electroluminescent device
JP6597619B2 (ja) 透明電極、透明電極の製造方法、及び、電子デバイス
US20170100926A1 (en) Method of manufacturing electronic device and composite film
US20070228944A1 (en) Organic electroluminescence element and manufacturing method of the same
JP5246082B2 (ja) ガスバリア性シート、ガスバリア性シートの製造方法、封止体、及び装置
CN1763988A (zh) 用于有机电子设备的制造方法
JP2016051569A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
WO2017033823A1 (ja) 電子装置
JP5252252B2 (ja) 耐uv性を付与した表示素子用プラスチック基板
JP2011076759A (ja) 有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法およびパッシベーション層成膜用マスク
JP2007287613A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法
JP2009094051A (ja) 透明導電性フィルムの製造方法および透明導電性フィルム
JP2007200801A (ja) トップエミッション型有機エレクトロルミネッセンス素子
JP5109715B2 (ja) ガスバリア性シート、封止体、及び有機elディスプレイ
JP2020129429A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス発光装置
Weaver et al. Flexible organic LED displays
JP2009037745A (ja) 有機elパネル
JP2005310399A (ja) 高分子エレクトロルミネッセンス素子と転写体、被転写体、およびこの高分子エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
JP2007134203A (ja) 導電性基板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120528

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130321

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130507

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130620

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131224

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140106

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5463771

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees