JP2011019928A - Ptp払出システム - Google Patents

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Abstract

【課題】PTP包装剤の実装を自動装置と半自動装置とに分担させたうえで、払出作業や監査作業が行い易いようにする。薬品類収納装置のコストダウンも図る。
【解決手段】自動のPTP払出装置40と半自動の薬品類収納装置100,200とを並設し、薬品類収納装置100に作業台115を付設し、その一部に落し込み空間116を形成し、そこに秤量計170を設置し、自動払出の薬剤を落し込み空間116へ送り込む搬送機構45,160を設ける。また、薬品類収納装置100,200には後退状態の収納容器220のうち複数のものの前を通過する送光を行う送光部材13を設け、その送光を受けるとそれを前方へ向ける視覚化手段を各収納容器220の前端部に設ける。
【選択図】 図1

Description

この発明は、各種のPTP包装剤または等価な薬剤に加えて他の薬品類をも収納しておき処方等に応じて必要な薬剤等を払い出すPTP払出装置に関し、詳しくは、薬剤を整列収納して順次排出するカセットを多数保持する自動のPTP払出装置、及び薬品類を人手で出し入れしうる引出可能な収納容器を複数・多数具えていている半自動の薬品類収納装置とを並設したPTP払出システムに関する。
なお、本明細書で、「PTP包装した薬剤と等価な薬剤」とは、薄手の紙箱やプラスチックケース等に納められた薬剤であって、PTP包装剤のように立て掛けて整列収納しうるものをいう。また、「薬品類」には、上記薬剤に加えて、他の医薬品や、医療材料なども含まれる。
収納対象を薬品類に限らなければ、分別保管機能の付いた収納庫の典型例として、収納部が多数の区画室に区切られて各々の区画室に扉が着いている汎用のロッカーや設備用物品台などが挙げられる。
収納対象が薬品類の場合、アンプル剤等の薬品をカセットに整列収納しておきワンタッチで出し入れできるようになった薬品収納装置が知られている(例えば特許文献1参照)。これは、出し入れ対象のカセット位置をLED等で案内表示するようにもなっている。
また、散薬を収納した瓶を光らせることにより取出対象位置の案内表示を行うようになった薬品棚も知られている(例えば特許文献2参照)。
さらに、そのような位置案内表示が要らないほど大きく扉や引出箱を開けるようになった薬品類収納装置も知られている(例えば特許文献3参照)。これは、分別保管中の薬品類の選択に加えて開動作まで自動で行うので、所望の薬品類の在処が一目瞭然になると同時にその薬品類を取り出せる状態になるため、好評を博している。
収納に加えて自動払出も考慮すると、広範な形態の調剤用薬剤を払い出すようになった調剤用薬剤払出装置が提供されている(例えば特許文献4参照)。これは、調剤用薬剤を収容する多数の薬剤カセットと、薬剤カセットのうち所望の調剤用薬剤を収容しているものからその薬剤を取り出して所定の位置に搬送する払出搬送機構とを具備した調剤用薬剤払出装置であって、払出搬送機構は、上記の薬剤取り出しを担う摩擦部材を備え、この摩擦部材は、薬剤カセットに臨む摩擦面に多数の突起が形成されるとともに、摩擦面が上向きに又は斜め上向きに進むよう駆動される。この場合、摩擦面さえ有れば、調剤用薬剤の細かな形態や硬軟などに拘わらず適用できるので、適用範囲が広い。
また、種々の調剤用薬剤を吸引して払い出すようになった調剤用薬剤払出装置も提供されている(例えば特許文献5参照)。これは、回転可能な収納庫に収納された多数の薬剤カセットと、薬剤カセットのうち取出位置に来たものから調剤用薬剤を吸引して取り出す取出機構とを備えている。このように取出機構を固定して複数の薬剤カセットで共用するようにしたことにより、個数の多い薬剤カセットが簡素になるうえ、吸気用配管等を多方面に張り巡らせる必要も無くなっている。
さらに、振動状態を自動設定する散薬供給装置も提供されている(例えば特許文献6参照)。これは、振動して散薬を送り出す散薬フィーダと、その振動強度を散薬の種類と重量とに基づいて設定する制御手段と、振動強度の設定値を散薬フィーダの特性に基づいて補正する補正手段とを備える。また、散薬の種類および重量を入力する入力手段と、散薬の種類から粒径等に基づく所定の分類区分を得る第1の設定値決定手段と、散薬の重量と第1の設定値決定手段にて得られた分類区分とに基づいて振動強度の設定値を求める第2の設定値決定手段とを備える。散薬の種類等に基づく振動強度の設定値を散薬フィーダの特性値に基づいて補正するようにしたことにより、個々の散薬フィーダに対する各基準が緩和・普遍化されている。
また、一動作で薬品類を手中にでき而も列びを乱さずに薬品類を戻せて更に収納状況の把握も的確な薬品収納装置も提供されている(例えば特許文献7参照)。これは、薬品類を整列収納する多数のカセットと、これらのカセットを並べて保持する支持手段とを具え、カセットには薬品類の抜き取りに加えて押し込みも可能な出入口を形成するとともにその出入口に向けて収納薬品類を付勢する付勢手段を付設し、支持手段には出入口を露出させた状態でカセットを保持させ、カセットにおける薬品類の収納数を求める計数手段も設けたものである。これにより、カセットへの薬品類の出し入れが手で直接行われ、各カセット内の薬品類が自動計数される。
このように、薬剤が包装されていない散薬の場合は振動フィーダに重量測定を組み合わせて必要量の供給が行われるのに対し、薬剤がアンプル入り注射薬のように摘み易いものの場合、振動は利用されず、薬剤をカセットに整列収納しておき、収納薬剤を付勢手段にて前進させ、先頭のものから順に一つずつ手動で抜き取ったり自動機構で排出したりするようになっている。薬剤がPTP包装剤のように個別包装されている場合も、振動は利用されず、薬剤をカセットに整列収納しておき、先頭のものから順に一つずつ抜き取るようになっている。
特開2001−198194号公報 (図5、図11) 特開2004−148036号公報 (第1頁、図4) 特開2004−187958号公報 (第1頁、図3) 特開2000−024083号公報 (第1頁) 特開2000−167023号公報 (第1頁) 特開2001−097532号公報 (第1頁) 特開2001−198190号公報 (第1頁)
これらの従来装置のうち、半自動の薬品類収納装置についてみると、上述の利便性すなわち多くの薬品類を分別保管しておき取出は手動でも対象の選択および開動作は自動で行うことの利便性が認知されたため、適用希望範囲が広がり、例えば使用頻度の多い薬品類だけでなく使用頻度の少ないものまで含めて多くの薬品類を取り扱いたいという要請が生じた。
しかしながら、従来の薬品類収納装置では、引出箱を一目瞭然なほど大きく開けることができるよう開駆動機構に永久磁石と電磁コイルとの組み合わせからなる特別な機構を採用しているので、開駆動機構の単価低減が難しい。
そのため、例えば小さな引出を縦横に多数並べて収納容器の個数を従来より増やすと、開駆動機構の個数も同じだけ増えて、装置価格がアップしてしまう。収納容器の単価は小形化で下げられても、それを引出方向に前進させる距離すなわち駆動距離が変わらなければ開駆動機構の原価はさほど下がらないのである。
そうすると、原価低減を図るには、開駆動機構の駆動距離を短縮するのが近道であり、そうすれば開駆動機構を例えば量産品で安価な電動モータやカム等で構成することができる。
もっとも、開駆動機構の駆動距離が短くなると、取出対象の開動作すなわち対象薬品類収容中の収納容器の前進が自動で行われてもその収納容器が十分に目立つとは言えなくなるため、取出対象位置の案内表示を併用することが望まれ、それによるコストアップが開駆動機構のコストダウンを食い潰す。
取出対象位置の案内表示については、縦や横の並びで発光部材を共用することにより発光部材の必要個数を収納容器より少なくして原価低減を図るという手立てもあるが(例えば特許文献1図11参照)、その従来手法では、収納容器それぞれのところが光る訳でない。
一方、収納容器と同数の発光部材を具備して収納容器と一対一に配置した場合(例えば特許文献1図5や特許文献2参照)、収納容器それぞれのところが光るので、視認性には優れるが、コストダウンが難しい。
そこで、薬品類収納装置の原価低減のため、開駆動機構の駆動距離の短縮を容認するとともに、発光部材の個数を収納容器より少なく抑えたうえで、駆動距離が短くなっても収納容器の自動前進は維持されていることを利用して発光部材が少数でも収納容器それぞれのところが光るように改造することが薬品類収納装置の技術課題となる。
ところで、規模の大きな病院や薬局では、各種の調剤機を並設するとともに所要の薬剤を人手で収集したり各々の搬送機構を繋げたりして調剤システムを構築している。
しかしながら、薬剤の種類は膨大であり、錠剤はもとよりPTP包装剤に限っても数千を超えるので、全種類のPTP包装剤を自動のPTP払出装置に実装するのはコスト負担が過大となる。そのため、使用頻度の高いPTP包装剤は特許文献5記載のような自動装置に実装されるが、そのような自動装置に実装されない多くの非実装PTP包装剤は、手動の薬品棚等に収納されていた。この事情は、使用頻度の高いPTP包装剤を特許文献3記載のような半自動の薬品類収納装置に実装した場合も、同じである。
そこで、限られた予算の中で出来るだけ多くのPTP包装剤を調剤機に実装することができるよう、自動のPTP払出装置と半自動の薬品類収納装置とに実装を分担させることがPTP払出システムの第1技術課題となる。
また、実装を分担し合う自動のPTP払出装置と半自動の薬品類収納装置とからPTP包装剤を払い出す作業や監査する作業が行い易いよう、両装置を連携させるとともに便利な作業場所を確保することがPTP払出システムの第2技術課題となる。
本発明のPTP払出システムは(解決手段1、出願当初の請求項1)、上述した第1,第2技術課題を解決するために創案されたものであり、PTP包装した薬剤またはそれと等価な薬剤を順次排出可能に整列収納する多数のカセットを並べて保持し各カセットから薬剤を自動放出させ下方へ導いて収集するPTP払出装置と、薬品類を収容する多数の収納容器を前方へ引出可能な状態で縦横に並べて保持し後方配設の開駆動機構にて前進させる薬品類収納装置とが並設されたPTP払出システムであって、前記薬品類収納装置に作業台が付設され、その作業台の一部を切欠いた形で落し込み空間が形成され、その落し込み空間に秤量計が設置され、前記PTP払出装置で払い出された薬剤を前記落し込み空間へ送り込む搬送機構が設けられていることを特徴とする。
また、本発明のPTP払出システムは(解決手段2、出願当初の請求項2)、上記解決手段1のPTP払出システムであって、上述した薬品類収納装置の技術課題をも解決するために創案されたものであり、前記薬品類収納装置は、後退状態の前記収納容器のうち複数のものの前を通過する送光を行う送光部材が設けられ、その送光を受けるとそれを前方へ向ける視覚化手段が前記収納容器それぞれの前端部に形成され又は付設されていることを特徴とする。
このような本発明のPTP払出システムにあっては(解決手段1)、自動のPTP払出装置と半自動の薬品類収納装置とを並設したことで両装置にPTP包装剤の実装を分担させることができるようになっている。これにより、上述の第1技術課題が解決される。
さらに、PTP払出装置から自動で払い出されたPTP包装剤は、搬送機構により更に自動で、落し込み空間に移送されて、秤量計に載る。また、薬品類収納装置から半自動で払い出されたPTP包装剤は、人手によって、作業台上に揃えられ、確認後に作業台上を滑らせて落し込み空間に移されると、やはり秤量計に載る。
こうして秤量による確認も容易かつ迅速に行われ、さらに目視による調剤監査も必要であれば払出した全PTP包装剤が電子秤から作業台の上に戻されて監査に供される。
このように、実装を分担し合う自動のPTP払出装置と半自動の薬品類収納装置とを連携させたうえで、PTP包装剤を払い出したり監査するのに使える作業場所を確保するとともに、その作業の利便性を高める特定空間に秤量計を設置したことにより、上述した第2技術課題が解決される。
したがって、この発明によれば、上述した第1,第2技術課題が一緒に解決される。
また、本発明のPTP払出システムにあっては(解決手段2)、薬品類収納装置については、収納容器の自動前進を利用して収納容器より少数の送光部材にて収納容器それぞれのところを光らせるようにもしたことにより、利便性を損なうことなくコストダウンを進めることができる。
本発明の実施例1について、PTP払出システムの構造を示し、(a)がシステム全体の正面図、(b)が薬品類収納装置の正面図、(c)がその斜視図である。 薬品類収納装置の機械的構造等を示し、(a)が正面図、(b)が斜視図、(c)が収納容器の斜視図、(d)が開駆動機構の斜視図、(e)及び(f)が要部の右側面図である。 PTP払出装置の構造を示し、(a)が正面図、(b)が右側面図、(c)がカセット二個を含む要部の縦断正面図である。 カセットを幾つか含んだ要部の斜視図である。 制御部の概要ブロック図である。 (a)がPTP包装剤の外観斜視図、(b)及び(c)がカセット一個を含む要部の縦断正面図である。 (a)〜(c)何れもカセット一個を含む要部の縦断正面図である。 (a),(b)何れもカセット一個を含む要部の縦断正面図である。 本発明の実施例2について、PTP払出装置のカセットの縦断左側面図である。 本発明の実施例3について、薬品類収納装置の構造を示し、(a)が収納容器の斜視図、(b)が銘板の正面図、(c)が収納容器の斜視図である。 本発明の実施例4について、薬品類収納装置の構造を示し、(a)〜(c)何れも要部の右側面図である。
このような本発明のPTP払出システムを実施するための形態を幾つか説明する。そのうち実施形態1〜4の実施形態によれば、次に述べるPTP払出装置の基本的な技術課題および更なる技術課題の解決が推し進められる。また、実施形態5〜8の実施形態によれば、上述した薬品類収納装置の技術課題の解決が更に推し進められる。
ここで、PTP払出装置の技術課題を述べておく。PTP包装剤の場合、個別包装されているとは言っても薄く包装されているうえ凹凸も多いため、整列収納の先頭だけを確実に摘み取るのは、例え慣れた者が手作業で行う場合であっても必ずしも容易でなく、ましてや、それを自動化して摘出機構や吸着機構で行うとすると、その機構の複雑化は避けられず、排出機構等の簡素化にも限界がある。収納薬剤を前進させる付勢手段についても、それを省くには、代わりに、吸着機構を移動させる機構などが必要になる。PTP払出装置には、多数の薬剤カセットが装着されるので、各カセットの簡素化は僅かでも払出装置全体の簡素化に大きく役立つ。
そこで、散薬フィーダに利用されている振動方式をPTP包装剤に転用するとともに、その転用に際して重量測定用の秤量部材や前進用の付勢部材等を設けなくても済むようにして、カセットの機構簡素化ひいては原価低減を図ることが望まれる。すなわち、PTP包装剤用の薬剤カセットを、PTP包装剤の整列維持と整列前進と順次排出とを振動にて行える振動排出カセットにすることがPTP払出装置の基本的な技術課題となる。さらに、そのような振動排出カセットを多数保持する自動のPTP払出装置について、各カセットからの薬剤の放出動作・排出動作を自動化する際に必要となる機構も簡素かつ安価に具現化することがPTP払出装置の更なる技術課題となる。
本発明のPTP払出システムのPTP払出装置は(実施形態1)、上記解決手段のPTP払出システムのPTP払出装置であって、前記カセットが前記薬剤の整列維持と整列前進と順次排出とを振動にて行うようになっている、というものである。
具体的には、次のような構成のものである。
すなわち、PTP包装した薬剤またはそれと等価な薬剤を順次排出可能に整列収納する多数のカセットと、これらのカセットを並べて保持する支持手段と、各カセットから放出(最終排出)された薬剤を下方へ導く落下案内部材と、それらの薬剤を収集する収集機構とを備えたPTP払出装置であって、
前記カセットが、薬剤収納用の外板と、その解放前面の上部で収納薬剤の前倒を止める上枠と、前記収納薬剤を載せて振動時には前進させる内板と、この内板を振動させる振動部材と、前記解放前面の手前に設けられ前記収納薬剤のうち前記解放前面から排出(予備排出)されたものを留め置く留置部材とを具備したものであり、
前記留置部材に作用して留置薬剤を前記落下案内部材に向けて放出(最終排出)させる作動機構が、前記カセットそれぞれに対応して設けられており、
前記留置部材の留置有無を検出して留置無しのときには前記振動部材を作動させ留置有りのときには前記振動部材の作動を停止させるようになっていることを特徴とする。
このようなPTP払出装置にあっては(実施形態1)、PTP包装剤等の薬剤をカセットに収納するとき、薬剤を外板内の薬剤収納空間に入れて振動部材の上に立てて並べ、その収納薬剤の先頭のものを上枠に立て掛けると、多数の薬剤が倒れずに整列収納される。そして、振動部材で内板を振動させると、収納薬剤は前進するが、先頭の上端部は前進を上枠で止められているので、収納薬剤は密に並び、その先頭の下端が内板から前方に押し出されて外れたときに先頭の薬剤が解放前面から落下排出される。それに伴って新たに先頭に繰り上がった薬剤の上端部が前に少し倒れて上枠で止められ、それからその新たな先頭の下端が内板から前方に押し出されて外れたときに再び薬剤が落下排出される。
こうしてPTP包装剤等が整列収納されるとともに振動によって一つずつ順次排出されるが、そのカセットの具現化に際して、解放前面の上部に上枠を設けて収納薬剤の前倒を止めるとともに、収納薬剤を載せた内板を振動させると収納薬剤が前進して解放前面から一つずつ落下排出されるようにしたことにより、PTP包装剤の整列維持と整列前進と順次排出とが振動にて行われ、秤量部材や付勢部材は設けなくても済むので、機構が簡素なものとなる。そのため、PTP包装剤等を整列収納してその先頭から確実に排出する簡素な振動排出カセットを実現することができる。
また、この振動排出カセットにあっては、解放前面から排出された薬剤が手前の留置部材に留め置かれ、そのような留置有りときには次の薬剤排出が止められる。そして、留置部材から薬剤が無くなると、振動にて次の薬剤が排出され留置部材に留め置かれる。このように整列収納から薬剤が一つだけ切り離されて留置部材に留め置かれるようにもしたことにより、整列収納の先頭から薬剤を直に取り出すときより遙かに容易に且つ確実に、一つずつ取り出すことができる。
そして、このような簡素ながらもPTP包装剤等を整列収納してその先頭から一つずつ確実に排出する振動排出カセットを支持手段に列設するとともに、カセットの留置部材に作用して留置薬剤の放出・最終排出を行わせる作動機構を設けて各種薬剤から必要なものを自動で払い出せるようし、さらに、各カセットから排出された薬剤が自然落下を利用して収集されるようにもしたことにより、各種のPTP包装剤等を収納しておいて必要なものを自動で払い出すのに好適な薬剤払出装置を簡素で安価に実現することができる。
また、本発明のPTP払出システムのPTP払出装置は(実施形態2)、上記実施形態1のPTP払出装置であって、
前記上枠に、前記内板上の先頭薬剤の上端部と干渉する第1当接面と、その前方かつ下方に位置して前記留置部材上の留置薬剤の上端部と干渉する第2当接面とが、形成されており、
前記作動機構が前記留置部材を軸回転させることにより、前記留置部材が、前記収納薬剤のうち前記解放前面から排出(予備排出)されたものを留め置く留置状態か、その留置薬剤を前記落下案内部材に向けて放出(最終排出)させる放出状態かの何れかの状態を採るようになっている
ことを特徴とする。
このような本発明のPTP払出装置にあっては(実施形態2)、上枠に第1,第2当接面を形成して上枠が整列収納薬剤の前倒防止に加えて留置薬剤の前倒防止も担うようにしたことにより、留置部材は、留置薬剤の下端部を支承できれば足りることから、解放前面の手前のうち下方に限定して配置することが可能になるので、留置部材が軸回転するものであっても、コンパクトにすることができる。そのような留置部材に作用して二状態を採らせる作動機構も、簡素なもので足りることとなる。
さらに、本発明のPTP払出システムは(実施形態3)、上記実施形態1,2のPTP払出装置であって、薬剤補充作業やカセット交換の容易化のため各カセットが着脱式になっており、そのようなカセットの簡素化および故障防止のため、次のようになっている。すなわち、前記作動機構が各カセットでなく前記支持手段に付設されていることと、前記留置部材における留置薬剤の有無検出に応じて留置無しのときには前記振動部材を作動させ留置有りのときには前記振動部材の作動を停止させる振動制御回路が各カセットでなく前記支持手段に配置されていることのうち、何れか一方または双方の要件を具備している。
また、本発明のPTP払出装置は(実施形態4)、上記実施形態1〜3のPTP払出装置であって、PTP包装剤等を整列収納する補充作業が容易でその先頭から確実に且つ安定に薬剤排出を行うよう、各カセットが次のようになっている。
すなわち、前記外板は薬剤収納空間の少なくとも側面を囲み、前記薬剤収納空間の上面が薬剤補充可能に解放され、前記薬剤収納空間の前面が薬剤排出のために解放されており、前記内板は、上面のうち前端部分が前上がり傾斜で残部が前下がり傾斜に形成され、前記薬剤収納空間の内底部分に遊挿されて振動可能に支持されている。
この場合、外板で囲まれた薬剤収納空間のうち排出用の前面に加えて上面も薬剤補充可能に解放されているので、薬剤補充時に薬剤を整列させて収納するのが容易に行える。
また、内板が収納薬剤を載せて振動しうるよう薬剤収納空間の内底部分に遊挿され、内板が振動時に収納薬剤を前進させるよう上面の大部分を前下がり傾斜に形成し、その前進が無用に加速するのを阻止して収納薬剤がほぼ一定速度で安定進行するよう内板の上面のうち前端部分は前上がり傾斜に形成したことにより、秤量部材や付勢部材が付加されていなくても、内板の振動にて確実にPTP包装剤の整列維持と整列前進と順次排出とが行われる。
また、本発明のPTP払出システムの薬品類収納装置は(実施形態5)、上記解決手段のPTP払出システムの薬品類収納装置であって、次の如き具体的構成のものである。
すなわち、薬品類を収容する多数の収納容器と、それらを前方へ引出可能な状態で縦横に並べて保持する庫部と、前記収納容器それぞれの後方に配設され該当する収納容器を前進させる多数の開駆動機構とを備えた薬品類収納装置において、前記開駆動機構が駆動距離の短いものであり、後退状態の前記収納容器のうち複数のものの前を通過する送光を行う送光部材(発光部材)が設けられ、その送光を受けるとそれを前方へ向ける視覚化手段が前記収納容器それぞれの前端部に形成され又は付設されていることを特徴とする。
ここで、「駆動距離の短い」とは、開駆動機構が該当収納容器を前進させた際、その前進距離が収納容器の奥行き即ち前後方向の長さよりも短いことを意味し、少なくとも半分未満であり、通常は収納容器のうち前端部と認識される部分に係る前後方向の長さ程度に短い。
このような本発明の薬品類収納装置にあっては(実施形態5)、取出対象に選択された収納容器が該当開駆動機構によって自動前進させられると、その収納容器の前端部が庫部から突き出して、その前端部に送光部材から出た光が当たり、その光が視覚化手段によって前方へ向けられるので、取出対象の収納容器が光ることとなる。他の収納容器が取出対象になったときも同様であり、収納容器それぞれのところが光る。しかも、同じ送光ラインに臨んで配置された収納容器は一つの送光部材を共用するので、そのような収納容器が複数同時に光ることはできないが、そのような使用を必須とする応用さえ避ければ、送光部材の個数が収納容器の個数より少数でも不都合が無い。
光の向きを変えて視認し易くする視覚化手段は、公知の導光部材(特許文献2参照)や,適宜な反射部材,散乱部材を導入したり、あるいは反射面や散乱面を形成する表面処理を施すといったことで、送光部材より安価に具現化できるものである。
したがって、この発明によれば、開駆動機構の駆動距離の短縮化に際して、収納容器より少ない送光部材にて収納容器それぞれのところを光らせるようにもしたことにより、利便性を維持しつつ薬品類収納装置を安価にすることができる。
また、本発明の薬品類収納装置は(実施形態6)、上記実施形態5の薬品類収納装置であって、前記開駆動機構がモータ及びその回転軸に取着された偏心カムを具えたものであることを特徴とする。
この場合、駆動距離の短い開駆動機構であれば、市販の量産品を用いる等のことで、十分なコストダウンを達成することができる。
また、本発明の薬品類収納装置は(実施形態7)、上記実施形態5,6の薬品類収納装置であって、前記収納容器の前板が透明であり、その直ぐ後ろに傾斜面が形成されており、前記視覚化手段が前記傾斜面に置かれた銘板であることを特徴とする。
この場合、収納容器の内部の傾斜面に銘板を置くことで視覚化手段が実装され、その視覚化手段を兼ねる銘板には、表面で光を反射させ且つ散乱させる板状体が採用されるが、これは一般的な白っぽい紙などで良いので、簡便かつ安価に具現することができる。なお、光度の大きな発光素子が安価になれば、視覚化手段の反射率を下げて一部の光は透過して更に直進するよう改造することにより、上述した送光ライン共通の複数収納容器の同時発光も実用化することができる。
また、本発明の薬品類収納装置は(実施形態8)、上記実施形態5〜7の薬品類収納装置であって、前記収納容器の底板が不透明であり、前記送光部材の送光先に受光部材が設けられ、その受光状態に基づいて前記収納容器の引出状態を判別するようになっている、というものである。
このような本発明の薬品類収納装置にあっては(実施形態8)、収納容器が庫部から突き出ていると送光が遮られる一方、収納容器が庫部内に後退していれば送光が遮られない。このように収納容器の突出の有無に応じて受光部材の受光状態が変化するので、受光部材の受光状態に基づいて収納容器の自動前進および手動での押し戻しが完遂されたか否かを自動判別することができる。しかも、送光部材と同じく受光部材も複数の収納容器で共用されるので、受光部材も収納容器より少なくて済む。
このような本発明のPTP払出システムについて、これを実施するための具体的な形態を、以下の実施例1〜4により説明する。
図1〜8に示した実施例1は、上述した解決手段1〜2(出願当初の請求項1〜2)及び実施形態1〜6を具現化したものであり、図9に示した実施例2は、その変形例である。また、図10に示した実施例3は、上述した実施形態7を具現化したものであり、図11に示した実施例4は、上述した実施形態8を具現化したものである。
なお、それらの図示に際しては、簡明化等のため、フレーム等の支持部材や,ボルト等の締結具,ヒンジ等の連結具,モータドライバ等の電気回路,電子回路の詳細などは図示を割愛し、発明の説明に必要なものや関連するものを中心に図示した。
本発明のPTP払出システムの実施例1について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図1(a)はシステム全体の正面図である。また、図1(b)及び(c)は薬品類収納装置100の構造を示し、図1(b)が正面図、図1(c)が斜視図である。さらに、図2は、薬品類収納装置200の機械的構造を示し、(a)が装置全体の正面図、(b)が装置全体の斜視図、(c)が収納容器220の斜視図、(d)が開駆動機構230〜233の斜視図、(e)及び(f)が要部の右側面図である。また、図3は、PTP払出装置40の構造を示し、(a)が全体正面図、(b)がその右側面図、(c)がカセット10を二個含んだ要部の縦断正面図(カセット単体では縦断左側面図)であり、図4は、カセット10を幾つか含んだ要部の斜視図である。また、図5は、制御部の概要ブロック図である。
このPTP払出システムは(図1(a)参照)、PTP包装した薬剤またはそれと等価な薬剤を順次排出可能に整列収納する多数のカセットを並べて保持し各カセットから薬剤を自動放出させ下方へ導いて収集するPTP払出装置40と、薬品類を収容する多数の収納容器を前方へ引出可能な状態で縦横に並べて保持し後方配設の開駆動機構にて前進させる薬品類収納装置100と、やはり薬品類を収容する多数の収納容器を前方へ引出可能な状態で縦横に並べて保持し後方配設の開駆動機構にて前進させる薬品類収納装置200とを、その順に並べて隣接設置したものである。
なお、薬品類収納装置100には搬送機構160や作業台115が付設されているが、薬品類収納装置200には付設されていない。
また、PTP払出装置40の筐体内部の最下部に設けられた搬送機構45と、薬品類収納装置100の筐体内部の下半部に設けられた搬送機構160は、PTP払出装置40と薬品類収納装置100とを貫く一連の搬送路を構成している。
以下、順に、各部を説明する。すなわち、図1を引用して薬品類収納装置100の構成を説明し、図2を引用して薬品類収納装置200の構成を説明し、図3,図4を引用してPTP払出装置40の構成を説明し、図5を引用して制御装置の構成を説明する。
薬品類収納装置100は(図1(b),(c)参照)、筐体111の最上部に開閉シャッター112が装備され、手を掛けやすい筐体111の上半分には庫部114が割り当てられている。庫部114は、格子状に区切られて、多段多列(図では10段8列)の引出枠を成しており、引出枠それぞれの内面が摩擦抵抗の小さい円滑面に仕上げられているので、収納容器220を前方へ引出可能な状態ひいては押出も可能な状態で縦横に並べて保持するものとなっている。引出枠には一つずつ開駆動機構230〜233も付設されているが、開駆動機構230〜233は収納容器220の後方に配置されているので正面からは見えない。庫部214の前面上端には送光部材213も列設されている。これらは同じ物が薬品類収納装置200にも装備されているので、その詳細説明は後述する。
薬品類収納装置100の筐体111の下半分は、PTP包装剤等の払出作業や監査作業を人手で行うときの作業場に割り当てられており、具体的には、筐体111の高さ方向ほぼ中間位置に上面の平坦な板状の作業台115が水平設置され、その直上で奥のところには表示器150が視認可能に付設され、作業台115の両端部のうちPTP払出装置40より遠い方の端部には作業台115の一部を切欠いた形で落し込み空間116が形成され、その落し込み空間116には秤量計170が設置され、作業台115の下方には搬送機構160が内蔵されている。
落し込み空間116は秤量計170の高さより十分に深く、作業台115と秤量計170の秤量皿との中間高さ位置に放出口117が開口形成されている。また、筐体111の両側面のうちPTP払出装置40側には受入口118が開口形成されており、搬送機構160は、その受入口118から放出口117へ斜め上向きに延びていて、PTP払出装置40で払い出された薬剤を受入口118から受け入れて放出口117へ運び更には落し込み空間116へ送り込むものとなっている。表示器150は、例えば小形の液晶パネル等からなり、払出対象薬剤の数をPTP包装の数とそれを分割した端数とに分けて表示できるようになっている。秤量計170は、精度が十分で且つ秤量皿が上になっていれば良いが、この例では、秤量値をデータ送信できる電子秤が採用されている。
薬品類収納装置200は(図2(a),(b)参照)、筐体211の上部に開閉シャッター212が装備され、筐体211の下部に引出215や電装部216が設けられているが、手を掛けやすい大部分には即ち筐体211の中間部には庫部214が割り当てられている。庫部214は、庫部114同様、格子状に区切られて、多段多列(図では17段8列)の引出枠を成しており、引出枠それぞれの内面が摩擦抵抗の小さい円滑面に仕上げられているので、収納容器220を前方へ引出可能な状態ひいては押出も可能な状態で縦横に並べて保持するものとなっている。引出枠には一つずつ開駆動機構230〜233も付設されているが、開駆動機構230〜233は収納容器220の後方に配置されているので正面からは見えない。庫部214の前面上端には送光部材213も列設されている。
収納容器220は(図2(c)参照)、薬品類を収容して引出させるよう奥行きの長い上面解放の箱状体であり、前板221は透明であるが、この例では側板223や底板224が不透明になっている。収納容器220内の前端部、具体的には収納容器220の内部において前板221の直ぐ後ろのところは、底板224が盛り上がっていて又は底板224上に横倒しの三角柱状部材が装着されていて、傾斜面222が形成されている。傾斜面222は、磨りガラス状の乱反射面に仕上げられており、これが水平から30゜〜60゜程度(図2(e),(f)では約45゜)傾いて前方斜め上を向いているので、鉛直下方への送光を受けると(図2(f)参照)それを反射散乱光Aにして前方へ向ける視覚化手段となっている。
開駆動機構230〜233は(図2(d)参照)、市販の扁平タイプの電動モータ230と、その回転軸231に取着された偏心カム232と、プッシュスイッチ等の原点センサ233とを具えている。そして、偏心カム232の長径部が原点センサ233に接して止まっているときには(図2(e)参照)収納容器220を十分に後退可能で庫部214内に納まる状態にし、その状態からモータ230の回転軸231が一回転すると(図2(f)参照)偏心カム232の長径部が該当収納容器220の後端面を押して収納容器220を前進させるようになっている。その前進量すなわち駆動距離は、傾斜面222を引出枠から突き出すとともに前板221に指を掛けるのに十分な例えば2〜3cm程度であり、収納容器220の奥行き例えば20〜30cm程度より桁違いに短い。
送光部材13は(図2(a)参照)、指向性が強くてビーム状の光を発する例えば赤色LED(発光ダイオード)が採用され、庫部14の引出枠の各列に対し一つずつ設けられて、鉛直下方へ送光するようになっている。そして、上述した収納容器20の配置状態と相まって、後退状態の収納容器20のうち縦一列分の複数個の前を通過する送光を行うとともに(図2(e)の二点鎖線を参照)、開駆動機構30〜33の偏心カム32にて前進させられた収納容器20が前端部を突き出すと(図2(b),(f)参照)傾斜面22の受光部位を反射散乱光Aで光らせる。この送光部材213や上述のモータ230は後述するメインコントローラ300の自動制御に従って動作するようになっている。
PTP払出装置40は(図3(a),(b)参照)、大別して、多数のカセット10を格納した上中段の薬品庫と、各カセット10から排出された薬剤20を収集する収集機構44と収集した薬剤20を払出口46へ搬送する搬送機構45とを格納した下段の収集搬出部とを具えている。
収集機構44は、上部が大きく開き下部が狭くなっている傾斜板やホッパー状部材からなり、搬送機構45は、ベルトコンベア等からなり、収集機構44の下方に横たわっている。この搬送機構45は、次の各カセット10もそうであるが、メインコントローラ300の自動制御に従って動作するようになっている。
PTP払出装置40の薬品庫には縦6段,横4列,奥6個で合計144個のカセット10を装着しうるようになっているが、横に4分割されて引出棚41に装着される。引出棚41は、適宜な引出レール等を介して筐体に取り付けられており、装着された縦6段,奥6個で合計36個のカセット10を着脱等のため装置前方(図3(a)では紙面表側、図3(b)では左側)へ引き出せるようようになっている。各引出棚41には、例えば棚状の支持部材43が6段に設けられており、各支持部材43には6個のカセット10を手前から奥へ並べて載置しうるようになっている。また、各引出棚41には、各カセット10から放出された薬剤20を下方へ導くために、上下に延びた落下案内ダクト42が、内装されている。
支持部材43には(図3(c),図4参照)、カセット10装着箇所毎に、カセット10を装着時にメインコントローラ300の制御を可能にするためコネクタ部51と振動制御回路52とソレノイド53とフック54が設けられている。図示は割愛したが、薬剤20の着脱を自在にするための適宜なカセット係止手段やその解除手段も設けられている。
カセット10は(図3(c)参照)、振動排出カセットであって、外板11と上枠12と内板13と弾性支持部材14と振動部材15と排出検出部材16と留置部材18とからなり、PTP包装された薬剤20を立てた状態で横一列に並べて整列収納し先頭から一つずつ排出するようになっている。
詳述すると、外板11は、薬剤20を整列収納させておくところである薬剤収納空間を確保する箱体状のものであり、薬剤収納空間の少なくとも両側面を囲む。この例では、両側面に加えて背面(後面、図では左端面)と底面(下面)も外板11で囲まれている。このような外板11は、例えば、透明樹脂で一体成型しても良く、各面ごとに分割形成して接着等で箱体状に組み上げても良く、内部の薬剤収納空間が概ね直方体状で前後に(図では左右に)長くなっている。その上面は、薬剤補充の容易化のため、ほぼ全域が解放されており、カセット前面(図では右端面)は、薬剤排出のために、大きく解放されている。その解放前面の幅は薬剤20の幅より広くて例えば数十mmであり、解放前面の高さは薬剤20の長さより少し低くて例えば百数十mmである。
上枠12は、外板11で画される薬剤収納空間の解放前面の上部に設けられて左右に延びる横架部材であり、収納薬剤20のうち先頭のものの上端部と干渉してその前倒を止めるようになっている。この上枠12の後背面(図では左側の面)には、内板13上の整列収納薬剤のうちの先頭薬剤の上端部と干渉する第1当接面12aと、その前方かつ下方に(図では右斜め下に)位置して留置部材18上の留置薬剤の上端部と干渉する第2当接面12bとが形成されている。両当接面12a,12bの段差は、薬剤20の厚みより少しだけ大きくて例えば数mm〜十数mmになっている。
内板13は、収納薬剤20を載せて振動時には前進させるとともに、その前進を安定させるために、大部分を占める前下がり傾斜部13aと前端部分の僅かな前上がり傾斜部13bとからなる。例えば、前上がり傾斜部13bは、カセット前後方向(図では左右)の長さが数mmで、水平からの傾きが15゜〜30゜程度の前上がり傾斜(図では右上がり傾斜)になっており、前下がり傾斜部13aは、前後の長さが数十〜数百mmで、水平からの傾きが5゜〜10゜程度の前下がり傾斜(図では右下がり傾斜)になっている。内板13の典型的な幅は数十mmである。
内板13は、そのような傾き状態を保って薬剤収納空間の内底部分に遊挿され、その状態を維持するために複数(図では二個)の弾性支持部材14で外板11の底板に連結されている。弾性支持部材14は、例えば薄い金属板や細いピアノ線からなり、容易に弾性変形するものであり、これによって内板13が振動可能に支持される。
振動部材15には、例えば携帯電話に内蔵される量産品で安価な偏心回転式の振動モータが転用され、これは、内板13を振動させるために、弾性支持部材14の内板13寄りや内板13の裏面などに付設される。
留置部材18は、外板11で画される薬剤収納空間の解放前面の手前下方(図では右下)に設けられて、その解放前面から整列収納薬剤20のうちの先頭のものが排出されると、それを受け止めて留め置くためのものであり、その際、留置部材18は薬剤20の下端を支承し、その留置薬剤の上端は上枠12の第2当接面12bに受け止めさせ、協働して薬剤を留置するようになっている。また、留置部材18は、軸回転可能な横置き状態で(図では回転軸が紙面を貫く状態で)外板11に装着され、所定角だけ双方向に軸回転して留置状態と放出状態との二状態を交互に採るようになっている。
留置状態では(図3(c)の下段のカセットを参照)、収納薬剤のうちカセット解放前面から放出に備えて予備的に排出された薬剤を留め置くために、薬剤下端の支承用の凹部が上向きにされる。放出状態では(図3(c)の上段のカセットを参照)、その留置薬剤を落下案内ダクト42に向けて放出させるために、薬剤下端が滑り落ちるところまで上記凹部が落下案内ダクト42側へ傾くようになっている。また、留置部材18に留め置く薬剤20の個数を確実に単数に制限するために、内板13の前端と留置部材18の対向面との距離は薬剤20の厚みより少しだけ大きくなっている。
排出検出部材16は、例えば反射式の光学センサからなり、この例では内板13の下方で外板11の底板の上面に設けられていて、留置部材18に薬剤20が有って反射光が検出されるか或いは留置部材18に薬剤20が無くて反射光が検出されないかに応じてオンオフ信号を出力するようになっている。
振動制御回路52は、いわゆるワンチップマイコン及び/又は論理回路からなり、コネクタ部51を介して排出検出部材16の検出信号を入力して振動部材15の動作制御を行うものであり、排出検出部材16の検出結果が留置無しのときには振動部材15を作動させ、排出検出部材16の検出結果が留置有りのときには振動部材15の作動を停止させるようになっている。
ソレノイド53及びフック54は、作動機構を成すものであり、留置部材18に作用して留置薬剤を落下案内ダクト42に向けて放出させるために、フック54の一端がソレノイド53の進退部材に取着され、フック54の他端が鉤状に曲がっていて留置部材18の下まで延びている。そして、ソレノイド53が駆動されて、その進退部材が後退すると(図3(c)では左方へ移動すると)、フック54の鉤状端部が留置部材18の下部に係合して留置部材18を軸回転させて、留置部材18が留置状態から放出状態に移行するようになっている。ソレノイド53の駆動が解かれると、進退部材が図示しないバネの弾撥力等によって前進して(図では右方へ移動して)、留置部材18が放出状態から留置状態に移行するとともに、フック54と留置部材18の係合も解かれるようになっている。
制御装置は(図5参照)、プログラマブルなパーソナルコンピュータ又はマイクロプロセッサシステム等からなるメインコントローラ300と、いわゆるワンチップマイコン等からなる多数のサブコントローラ310,311,312とを具えたプロセッサ群であり、メインコントローラ300を中心にスター接続またはLAN接続されている。メインコントローラ300は、操作卓が有ればそこに設置しても良く、薬品類収納装置100の下部やPTP払出装置40の上部などに格納しても良いが、この例では薬品類収納装置200の電装部216に図示しない電源等と共に格納されている。サブコントローラ310は、PTP払出装置40内に分散設置され、サブコントローラ311は薬品類収納装置100内に分散設置され、サブコントローラ312は薬品類収納装置200内に分散設置されている。
メインコントローラ300は、薬品類払出情報に基づき、PTP払出装置40に対して薬剤20の選択や払出動作の制御を行うとともに、薬品類収納装置100,200に対し、多数の収納容器220のうち何れか一つ又は複数のものを選択して多数の開駆動機構230〜233のうち前記選択に対応するものを作動させる制御を行うものである。どの薬品類を払い出すのかを定めた薬品類払出情報を得るために、破線で図示した処方オーダーエントリシステム等の上位コンピュータから処方データや派生した調剤指示データを受信したり、図示しない入力装置から払出指示を入力しうるようになっている。
薬品類収納装置200においては、複数のモータ230と送光部材213とが、サブコントローラ312を介してメインコントローラ300に接続されている。薬品類収納装置100においては、複数のモータ230と送光部材213とがサブコントローラ311を介してメインコントローラ300に接続され、更に表示器150と搬送機構160と秤量計170もサブコントローラ311を介してメインコントローラ300に接続されている。PTP払出装置40においては、複数の振動制御回路52がサブコントローラ310を介してメインコントローラ300に接続され、更に搬送機構45もサブコントローラ310を介してメインコントローラ300に接続されている。
この実施例1のPTP払出システムについて、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。
図6〜図8は、PTP払出装置40の動作状態等を示し、図6(a)は、PTP包装剤(薬剤)20の外観斜視図であり、図6(b),(c),図7(a),(b),(c),図8(a),(b)は、何れも、カセット10を一個含んだ要部の縦断正面図(カセット単体では縦断左側面図)である。
また、図2は、薬品類収納装置200の動作状態等を示し、(a)が正面図、(b)が斜視図、(e)及び(f)は、要部の右側面図である。図2(a),(e)は、総ての収納容器220が押し戻されて庫部214内に後退している状態を示し、図2(b),(f)は、右上から2段2列目の収納容器220が選択されて自動前進した状態を示している。なお、図2(e),(f)は、図1(b),(c)に示した薬品類収納装置100の庫部114にも共通しており、図1(b),図2(e)は、総ての収納容器220が押し戻されて庫部114内に後退している状態を示し、図1(c),図2(f)は、左上から2段3列目の収納容器220が選択されて自動前進した状態を示している。
使用に先立ち、薬品類収納装置100,200については、それぞれの収納容器220に医薬品や医療材料などの薬品類が種類毎に分類して収容される。医薬品としては(特許文献3参照)、PTP包装剤やアンプル更には溶解剤などが典型例であり、医療材料としては骨補綴材や手術用具などが挙げられる。このPTP払出システムではPTP払出装置40に実装されるのと同じPTP包装剤の端数分が先ず収納容器220に分別保管され、次いでPTP払出装置40非実装のPTP包装剤が収納容器220に分別保管され、さらに余裕があれば他の薬品類が収納容器220に分別保管される。
このような薬品類を分類収納した収納容器220は、何れも、庫部114,214の各引出枠に押し込み挿入され、その位置が手動操作等にてメインコントローラ300に入力され薬品マスターファイル等に記憶される。これで薬品類収納装置100,薬品類収納装置200の準備が調うが、この段階では(図1(b),図2(a),図2(e)参照)、収納容器220が総て後退状態で閉まっているので、どれも光らない。
典型的なPTP包装剤(薬剤20)は、片面が平坦で片面に薬剤収納用突部の列設された角板状であり(図6(a)参照)、そのサイズは幅が数十mmで長さが百数十mmで厚みが数mmであり、典型的な重量・質量は、数十mg〜百数十mgである。
PTP払出装置40についても使用・自動調剤に先立つ準備を行うが、PTP払出装置40には、上述したようなPTP包装剤を小片に切断することなくそのまま薬剤20として実装しておく。使用頻度の多い薬剤20が優先的に実装される。実装時、空のカセット10は支持部材43から外し、手作業で薬剤20を解放上面から補充して、支持部材43上に戻しておく(図4参照)。
その補充の際(図6(b)参照)、カセット10の薬剤収納空間内で薬剤20の表裏を同じ向きに揃えて薬剤20をカセット前後方向へ一列に並べる。
具体的には、薬剤20は、順に先頭のものから外板11内の薬剤収納空間に整列収納するが、そのとき、何れの薬剤20も薬剤収納空間に入れたら振動部材15の上に立てる。その収納薬剤の先頭のものは、倒れないよう、前傾ぎみにして上端部を上枠12の第1当接面12aに立て掛ける。後続の薬剤20はそれに寄りかからせる。それらが倒れなければ、整列状態には例えば各薬剤20の前傾具合や薬剤20同士の間隙には多少の変動があっても構わない。
そして、そのカセット10が支持部材43に装着されると、カセット10がローカルで動作する。
具体的には、振動制御回路52と振動部材15や排出検出部材16とがコネクタ部51を介して接続され、排出検出部材16の検出に基づく振動部材15の振動制御が振動制御回路52によって行われる。そうすると、留置部材18には未だ薬剤20が無いので、内板13が振動し、これによって摩擦力が小さくなり傾斜に応じた重力の分力による推力が摩擦力を上回るので、内板13の前下がり傾斜部13a上の薬剤20が徐々に前進し、先頭の薬剤20は前下がり傾斜部13aと前上がり傾斜部13bとの境まで進み、後続の薬剤20は間合いを詰めるので、収納薬剤20は薬剤収納空間内で綺麗に整列する。
その状態では未だ振動が継続し、収納薬剤20に前進力が働くので、上端部が上枠12で前進を止められている先頭の薬剤20は、下端部が前上がり傾斜部13bを乗り越えて内板13から外れ解放前面へ出て行く(図6(c)参照)。そして、自重で外板11や上枠12から抜け落ちて、下端が留置部材18の上向き凹部に乗って受け止められ、上端が上枠12の第2当接面12bに止められ、そこに留め置かれる(図7(a)参照)。それと並行して、先頭の薬剤20が抜けた内板13上では、次の薬剤20の上端部が上枠12の第1当接面12aに寄り掛かり、その薬剤20の下端部が前下がり傾斜部13aと前上がり傾斜部13bとの境まで進む。
また、留置部材18に移った薬剤20は排出検出部材16の検出範囲に入るので、排出検出部材16の検出出力が留置無しから留置有りに変化し、これに応じて振動制御回路52が振動部材15の振動を停止させるので、内板13が静止して、その状態が維持される。
留置部材18に留め置かれている留置部材18は、整列状態から分離されて単独で留置部材18上に一時保持されていて、内板13上に整列している薬剤20の圧力やそれに起因する摩擦力から解放されているので、一枚ずつ安定して速やかに放出することができる状態になっている。
以上でPTP払出システム使用の準備が調い、その状態で、メインコントローラ300に処方箋データや調剤指示データが通信や入力操作にて届けられると、その中から薬品コードや処方数量値が抽出され、それが薬品類払出情報とされる。さらに、その薬品類払出情報に基づき、メインコントローラ300によって、薬品マスターファイルの検索等が行われ、PTP払出装置40から自動で払い出せる薬剤20が有ればそれが先ず選択され、それが駄目な場合や端数が有る場合であって薬品類収納装置100,200から半自動で払い出せる薬品類が有ればそれが選択され、それぞれの払出数が表示器150に表示される。
そして、PTP払出装置40について、何れかのカセット10がメインコントローラ300によって薬剤排出対象に選択されると、メインコントローラ300から該当する振動制御回路52へ排出指令が送出される。そうすると、その振動制御回路52の制御に従ってソレノイド53が動作し、その進退部材と共にフック54が後退し、それに伴ってフック54の鉤状部が留置部材18を軸回転させる(図7(b)参照)。その軸回転によって留置部材18が留置状態から放出状態に移行すると(図7(c)参照)、留置されていた薬剤20が、留置部材18から滑り落ちて、落下案内ダクト42の中へ、放出される。
カセット10から放出された薬剤20は(図3(a),(b)参照)、落下案内ダクト42の中を自然落下し、収集機構44によって収集され、搬送機構45によって払出口46へ運ばれる。こうして、所要のカセット10から落下案内ダクト42へ排出された薬剤20が自動で払い出される。薬剤20を排出したカセット10では、留置部材18に留め置かれている薬剤20が無くなって、収納薬剤20の個数こそ一つ減っているが、薬剤補充後の状態に戻るので(図8(a)参照)、内板13の振動から再開されて、次の薬剤20が外板11の解放前面から排出され留置部材18に留め置かれる(図8(b)参照)。
このような動作が留置部材18から薬剤20を放出・最終排出する度に繰り返されるので、この振動排出カセット10にあっては、PTP包装剤20が一枚ずつ速やかに且つ確実に自動排出される。また、PTP払出装置40にあっては、各種のPTP包装剤20を収納しておき、そのなかから必要なものを自動で払い出すことができる。
PTP払出装置40から払出された薬剤20は、払出口46及び受入口118を通って薬品類収納装置100の搬送機構160上に移され、搬送機構160によって放出口117へ運ばれ更に落し込み空間116へ送り込まれる。そこで、秤量計170の秤量皿に載せられ秤量される。
一方、それと並行して又は単独に、メインコントローラ300によって、上述した薬品類払出情報に基づき、払出対象・取出対象に薬品類収納装置100,200の薬品類が選択されることもある。その場合、払出対象・取出対象の薬品類を収納している収納容器220が選択されるとともに、その後方の開駆動機構230〜233が作動させられる。そうすると、対象の収納容器220は、偏心カム232で前方へ押し出されて開く。また、上方の送光部材213が点灯する。
その状態では(図1(c),図2(b),(f)参照)、対象の収納容器220の前端部が庫部114,214から突き出て、送光部材213から発した光が対象の収納容器20の傾斜面222に当たり、そこから前方に向けて反射散乱光Aが出るので、対象の収納容器220が光って見える。こうして、取出対象の収納容器220が一目瞭然になるとともに口を開けるので、作業者は、その開口から収納容器220の前板221に指を掛けて収納容器220を引き出す。そして、所望の薬品類を取り出し、それから収納容器220を押し戻して閉めるとともに、作業履歴を残すためメインコントローラ300に払出作業完了の入力を行う。すると、それに応じて送光部材213が消灯する。
こうして、薬品類収納装置100,200に閉塞状態で分別収納した各種の薬品類に関する手作業での払出が容易かつ迅速に行われる。取出が手作業なので、必要量が端数であっても、表示器150の案内に従って、必要量だけ取り出される。なお、取出は手作業でも、取出対象の選択と前進動作は自動なので、言わば半自動であり、必要な薬剤を容易かつ的確に払出すことができる。また、上述したように、開駆動機構230〜233がモータ230と偏心カム232とを組み合わせた簡便な構造であり、送光部材213の個数も庫部114,214の引出枠の列数と同じで収納容器220の個数より少ないため、薬品類収納装置100,200は安価に製造することができる。
薬品類収納装置100,200から払出された薬品類は、作業者によって、作業台115の上に広げられ、剤種や個数の確認後、作業台115上を滑らせて落し込み空間116に落とし込まれる。そこで、秤量計170の秤量皿に載せられ、薬剤20と一緒に秤量される。その秤量値は、秤量計170にて目視可能に表示されるとともに、秤量計170からメインコントローラ300に信号や通信で報告され、メインコントローラ300によって、薬品マスターファイルの薬剤単位重量値などに基づき、剤数に換算され、それから処方数量との突き合わせに供され、一致時は表示器150に例えばOK表示がなされ、不一致時は表示器150に例えばNG表示がなされる。
その判定表示や装置毎の払出数の表示も参照しながら、作業者は、秤量計170から作業台115上に薬剤20及び薬品類を移して、調剤監査を行うことにより、調剤作業ばかりか監査作業も、容易に進めることができる。
こうして、このPTP払出システムにあっては、合理的な費用で、多くのPTP包装剤を能率良く調剤し更に監査することができる。
本発明のPTP払出装置の実施例2について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図9は、カセット10の縦断左側面図である。
このPTP払出装置が上述した実施例1のものと相違するのは、カセット10における内板13と振動部材15の具体的な構成である。
すなわち、相違点は、カセット10において、振動部材15が増えて複数個(図では三個)になっている点と、内板13の前下がり傾斜部13aが振動部材15に対応して分割されている(図では三分割)点である。
振動の能力増強を図るのに単体の振動部材15を大形化しても良いが、この例では、安価な量産品を必要個数用いることで、コストアップを最小に抑えている。複数の振動部材15を内板13の長手方向に分散して付設することで、内板13全体を満遍なく振動させることができる、という利点もある。
本発明の薬品類収納装置の実施例3について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図10は、(a)が収納容器220の斜視図、(b)が銘板225の正面図、(c)が収納容器220の斜視図である。なお、薬品類250の具体例として図10(c)には完全なPTP包装剤とその端切れを図示した。
この薬品類収納装置が上述した実施例1のものと相違するのは、透明プラスチックの一体成型にて収納容器220が作られている点と、それに付設される視覚化手段が傾斜面222に置かれた銘板225にて具現化されている点である。
収納容器220は、傾斜面222も側板223も底板224も前板221と同じ材料で一体成型で安価に製造することができる。
銘板225は、不透明な紙やプラスチックシートで、傾斜面222とほぼ同サイズに形成され、少なくとも片面が照射光を散乱させながら反射する粗面になっており、そこには薬品名やコード等が書込や印刷にて記入されている。
この場合、薬品名の記入面を表にして銘板225を傾斜面222に乗せ置けば、簡便かつ安価に、視覚化手段が収納容器220に付設されることとなる。
図11(a)〜(c)に要部の右側面図を示した本発明の薬品類収納装置が上述した実施例1,3のものと相違するのは、収納容器220の底板224が不透明になっている点と、送光部材213の送光先に受光部材260が設けられている点である。図示は割愛したが、メインコントローラ300が受光部材260の受光状態に基づいて各収納容器220の引出状態を判別するようにもなっている。
この場合、取出対象の収納容器220が開駆動機構230〜233によって庫部114,214から突き出されると(図11(a)参照)、送光部材213から受光部材260への送光が収納容器220の前端部で遮られ、受光部材260が受光できない。
また、薬品類250を取り出す際に、収納容器220を更に引き出したときも(図11(b)参照)、収納容器220が抜き取られない限り、送光部材213から受光部材260への送光が収納容器220の底板224で遮られるので、やはり受光部材260が受光できない。
これに対し、薬品類250を取り終えて、収納容器220を押し戻し、収納容器220が庫部114,214内に後退した状態になると(図11(c)参照)、送光部材213から受光部材260への送光を遮るものが無くなるので、受光部材260が受光する。
そして、このような収納容器220の突出の有無に応じた受光部材260の受光状態の変化がメインコントローラ300に信号入力され、それらのタイムスタンプがログデータに録られる。
また、モータ230を作動させたのに受光部材260の受光停止が検出できなければ、収納容器220の自動前進が完遂されなかったとメインコントローラ300によって判定され、適宜なアラームが発せられる。
さらに、薬品類250の取出後に、受光部材260での受光再開が検出されないうちに払出作業完了の入力があると、メインコントローラ300によって払出作業が完了していないと判定され、作業者に収納容器220の閉塞を促す案内メッセージ等が出される。
[その他]
なお、カセット10の配置は、上述したマトリクス状の直交配置に限られる訳でなく、例えば、特許文献5の収納庫のように円筒状配置であっても良い。
また、上記の実施例1,2では、振動制御回路52や,作動機構としてのソレノイド53及びフック54が支持部材43に装着されていたが、これらはカセット10に装着しても良い。例えば、外板11のうち底板に取り付けて、コネクタ部51を介して給電されるようにしても良い。
また、上記の実施例1,2では、カセットの薬剤収納空間内にPTP包装剤を整列させるときPTP包装剤の表裏を同じ向きに揃えていたが、これは必須でなく、整列状態が損なわれなければPTP包装剤の表裏の向きは気にしないで良い。
さらに、上記の実施例1,2では、カセットから薬剤を一つずつ取り出すようになっていたが、本発明はそれに限定されるものでなく、例えば二枚一組や三枚一組など複数の薬剤を纏めて取り出すようにしても良く、具体的には内板の前端と留置部材の対向面との距離を広げることで容易に実現される。
上記の実施例1,3,4では、収納容器220の形状やサイズが総て同じであったが、異なっていても良い。その場合、偏心カム232の高さも収納容器220の高さに合わせて変えると良い。偏心カム232が収納容器220の後端面を押せるようになっていれば、モータ230が該当収納容器220と同じ高さ範囲に入っている必要もない。
また、送光部材213の設置箇所は、上側に限らず、下側や左右であっても良い。送光部材213の送光方向も、鉛直下方に限らず、上向きや,横向き,さらには斜めであっても良い。
上記実施例では、制御装置がメインコントローラ300とサブコントローラ310,311,312との二段構成になっていたが、各払出装置40,100,200毎にローカルコントローラを設けて、メインコントローラ300とローカルコントローラとサブコントローラ310,311,312との三段構成にしても良い。
上記実施例では、搬送機構160としてエスカレータ様の斜めコンベアを図示したが、搬送機構160は、エレベータ様のものでも良く、複数タイプの組み合わせでも良い。
上記実施例で、作業台115は、放出口117の真上で切れていたが、落し込み空間116の上へ突き出ていても良い。
薬品類収納装置200は、薬品類収納装置100の庫部拡張用であり、薬品類の種類数に応じて適宜増減されるものである。
10…カセット(振動排出カセット)、11…外板、
12…上枠、12a…第1当接面、12b…第2当接面、
13…内板、13a…前下がり傾斜部、13b…前上がり傾斜部、
14…弾性支持部材、15…振動部材、16…排出検出部材、
18…留置部材、20…薬剤(PTP包装剤または等価な薬剤)、
40…PTP払出装置、
41…引出棚、42…落下案内ダクト、43…支持部材、
44…収集機構、45…搬送機構、46…払出口、51…コネクタ部、
52…振動制御回路、53…ソレノイド、54…フック、
100…薬品類収納装置、
111…筐体、112…シャッター、114…庫部、
115…作業台、116…落し込み空間、117…放出口、
118…受入口、150…表示器、160…搬送機構、170…秤量計、
200…薬品類収納装置、
211…筐体、212…シャッター、213…送光部材、
214…庫部、215…引出、216…電装部、220…収納容器、
221…前板、222…傾斜面、223…側板、224…底板、
225…銘板、230…モータ、231…回転軸、232…偏心カム、
233…原点センサ、250…薬品類、260…受光部材、
300…メインコントローラ、310,311,312…サブコントローラ

Claims (2)

  1. PTP包装した薬剤またはそれと等価な薬剤を順次排出可能に整列収納する多数のカセットを並べて保持し各カセットから薬剤を自動放出させ下方へ導いて収集するPTP払出装置と、薬品類を収容する多数の収納容器を前方へ引出可能な状態で縦横に並べて保持し後方配設の開駆動機構にて前進させる薬品類収納装置とが並設されたPTP払出システムであって、前記薬品類収納装置に作業台が付設され、その作業台の一部を切欠いた形で落し込み空間が形成され、その落し込み空間に秤量計が設置され、前記PTP払出装置で払い出された薬剤を前記落し込み空間へ送り込む搬送機構が設けられていることを特徴とするPTP払出システム。
  2. 前記薬品類収納装置は、後退状態の前記収納容器のうち複数のものの前を通過する送光を行う送光部材が設けられ、その送光を受けるとそれを前方へ向ける視覚化手段が前記収納容器それぞれの前端部に形成され又は付設されていることを特徴とする請求項1記載のPTP払出システム。
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