JP2011017978A - 接眼ズーム光学系 - Google Patents

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Abstract

【課題】 広い視野全域にわたって諸収差が良好に補正され、十分に長いアイレリーフを有すると同時に、波長によるアイレリーフの差をなくした接眼ズーム光学系を提供する。
【解決手段】 接眼ズーム光学系(110)は、アイポイント(EP)側から順に、正レンズと負レンズとの貼り合わせからなる正屈折力の第1レンズ群(G1)と、回折光学素子(DOE)と、ズーム軌道に沿って移動可能な正屈折力の第2レンズ群(G2)と、正レンズと負レンズとの貼り合わせからなる負屈折力の第3レンズ群(G3)とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、接眼ズーム光学系に関し、特に望遠鏡、顕微鏡又は双眼鏡等の接眼ズーム光学系に関する。
一般にズーム比が2倍以上の接眼ズーム光学系は、高倍率であると歪曲収差が大きく、その歪曲収差を補正することが困難である。また、ズーム比が大きくなるほど広い可動スペースが必要となり接眼ズーム光学系をコンパクトにすることが困難である。特許文献1に開示される接眼ズーム光学系は、その歪曲収差を小さくし簡素な構成で接眼ズーム光学系をコンパクトにしている。
特開平09−251132号公報
しかし、特許文献1に開示される接眼ズーム光学系は視野周辺部で色付いて観察される問題がある。一般に、視野周辺部の諸収差、特に倍率色収差、コマ収差、歪曲収差を良好に補正すると接眼ズーム光学系の最もアイポイント側の光学面からアイポイントまでの距離(以下この距離をアイレリーフと称する。)の波長による格差が大きくなる傾向がある。この結果、接眼ズーム光学系から観察した際にアイポイントから人の眼が前後にずれると、視野周辺部は青色又は黄色に色付いて観察される。特にこのように視野周辺部で色付いて観察される現象は、視野が広くなるほど長いアイレリーフになるほど顕著に現れる。特許文献1に開示される接眼ズーム光学系も同様な問題を抱えている。
そこで本発明は、広い視野全域にわたって諸収差が良好に補正され、十分に長いアイレリーフを有すると同時に、波長によるアイレリーフの差をなくした接眼ズーム光学系を提供する。
本発明の接眼ズーム光学系は、アイポイント側から順に、正レンズと負レンズとの貼り合わせからなる正屈折力の第1レンズ群と、回折光学素子と、ズーム軌道に沿って移動可能な正屈折力の第2レンズ群と、正レンズと負レンズとの貼り合わせからなる負屈折力の第3レンズ群とを備える。
本発明の接眼ズーム光学系は、広い視野全域にわたって諸収差が良好に補正され、十分に長いアイレリーフを有すると同時に、波長によるアイレリーフの差をなくすことができる。
(a)は、接眼ズーム光学系100としての最長焦点距離状態を示す。 (b)は、接眼ズーム光学系100としての中間焦点距離状態を示す。 (c)は、接眼ズーム光学系100としての最短焦点距離状態を示す。 (a)は、接眼ズーム光学系110としての最長焦点距離状態を示す。 (b)は、接眼ズーム光学系110としての中間焦点距離状態を示す。 (c)は、接眼ズーム光学系110としての最短焦点距離状態を示す。 (a)は、平行平板硝子L2−1の拡大図である。 (b)は、回折光学素子DOE1の形状を説明するための拡大図である。 (c)は、回折光学素子DOE2の形状を説明するための拡大図である。 (d)は、回折光学素子DOE3の形状を説明するための拡大図である。 接眼ズーム光学系110としての最長焦点距離状態における諸収差を示す。 接眼ズーム光学系110としての中間焦点距離状態における諸収差を示す。 接眼ズーム光学系110としての最短焦点距離状態における諸収差を示す。 第2の実施形態の接眼ズーム光学系120のレンズ構成を示した図である。 (a)は、接眼ズーム光学系120としての最長焦点距離状態を示す。 (b)は、接眼ズーム光学系120としての中間焦点距離状態を示す。 (c)は、接眼ズーム光学系120としての最短焦点距離状態を示す。 接眼ズーム光学系120としての最長焦点距離状態における諸収差を示す。 接眼ズーム光学系120としての中間焦点距離状態における諸収差を示す。 接眼ズーム光学系120としての最短焦点距離状態における諸収差を示す。 第3の実施形態の接眼ズーム光学系130のレンズ構成を示した図である。 (a)は、接眼ズーム光学系130としての最長焦点距離状態を示す。 (b)は、接眼ズーム光学系130としての中間焦点距離状態を示す。 (c)は、接眼ズーム光学系130としての最短焦点距離状態を示す。 接眼ズーム光学系130としての最長焦点距離状態における諸収差を示す。 接眼ズーム光学系130としての中間焦点距離状態における諸収差を示す。 接眼ズーム光学系130としての最短焦点距離状態における諸収差を示す。
<接眼ズーム光学系100の概略>
図1は、接眼ズーム光学系100の屈折力配置を薄肉系で示す図である。図1(a)は接眼ズーム光学系100としての最長焦点距離状態(望遠鏡としての低倍率状態)を、図1(b)は接眼ズーム光学系100としての中間焦点距離状態を、図1(c)は接眼ズーム光学系100としての最短焦点距離状態(望遠鏡としての高倍率状態)を示している。なお、光軸の方向をZ軸方向とし、そのZ軸に垂直な方向をX軸及びY軸方向とする。また、図1に示された接眼ズーム光学系100は、左側にアイポイントEPを配置し、アイポイントEP側から第1レンズ群G1、第2レンズ群G2及び第3レンズ群G3を配置している。物体像Iは対物レンズ系(不図示)及び第3レンズ群G3で形成される。接眼ズーム光学系100において、最長焦点距離は21mmで、中間焦点距離は10.5mmで、最短焦点距離は7.0mmである。
図1に示されたように、+Z軸方向に沿って順次に、アイポイントEP、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2及び第3レンズ群G3が同軸に設けられている。物体像Iを挟んで負屈折力の第3レンズ群G3と正屈折力の第2レンズ群G2との間隔が変化することによって、接眼ズーム光学系100の倍率が変化する。そして、図1のように、接眼ズーム光学系100の焦点距離が短くなるにつれて、すなわち(a)の状態から(c)の状態へ変化するにつれて、第3レンズ群G3と第2レンズ群G2との間隔が拡大するように、第3レンズ群G3および第2レンズ群G2が移動する。
なお、接眼ズーム光学系100においては、次の数式(1)〜(4)を満足することが望ましい。
8<|fDOE/fGi|<20 ……………………(1)
4.4<fG1/f<5.4…………………………(2)
3.4<fG2/f<3.8…………………………(3)
3.3<|fG3/f|<4.4……………………(4)
ここで、
DOE:回折光学素子DOEの焦点距離
:接眼ズーム光学系100としての最短焦点距離
G1:第1レンズ群G1の焦点距離
G2:第2レンズ群G2の焦点距離
G3:第3レンズ群G3の焦点距離
数式(1)において、|fDOE/fGi|の上限が20より大きくなると、「波長によるアイレリーフの差」が抑えきれなくなる。また、|fDOE/fLi|の下限が8より小さくなると、歪曲収差が悪化しアイレリーフも短くなる。ここで、fDOEは以下の数式(5)で求められる。
DOE=−1/(2×C2)……………………………(5)
ここで、C2は位相差関数の2次項の係数である。
数式(2)〜(4)では、接眼ズーム光学系100としての最短焦点距離fで各レンズ群fGiの焦点距離fG1〜fG3を規格化することによって、各レンズ群fGiに対する適切なパワー配分を規定している。
数式(2)の上限値を上回ると、第1レンズ群G1の屈折力が弱くなり過ぎるため、収差補正において特にコマ収差および色収差の補正が困難になり、簡素なレンズ構成にすることができなくなってしまう。一方、数式(2)の下限値を下回ると、第1レンズ群G1の屈折力が強くなり、第2レンズ群G2の可変倍率の効果が小さくなる。その結果、可変倍率に対する第3レンズ群G3の負担が過度に大きくなり、可変倍率に際して第3レンズ群G3が物体像Iを横切ることになり、レンズ面のキズやゴミが視野に現れ易くなる。また、収差補正に対する第3レンズ群G3の負担が大きくなりすぎて、収差補正のバランスが困難となってしまう。
数式(3)の上限値を上回ると、第2レンズ群G2の屈折力が弱くなり、可変倍率のための第2レンズ群G2の移動量が大きくなる。このため、第2レンズ群G2が可変倍率のために移動する際に、第3レンズ群G3と第2レンズ群G2との間に形成された物体像Iを横切ることになる。その結果、観察視野内において、第2レンズ群G2のレンズ面のキズやゴミが目立つことになり、好ましくない。一方、数式(3)の下限値を下回ると、第2レンズ群G2の屈折力が強くなりすぎて、歪曲収差や非点収差などの諸収差の増大を招き、レンズ構成を簡素化することが難しくなってしまう。
数式(4)の上限値を上回ると、第3レンズ群G3の負屈折力が弱くなり、接眼ズーム光学系100の焦点距離を所定の値にするために第2レンズ群G2の屈折力を相対的に強くする必要がある。その結果、第2レンズ群G2の屈折力が強くなりすぎて、歪曲収差および非点収差の増大を招いてしまう。逆に、数式(4)の下限値を下回ると、コマ収差、特に接眼ズーム光学系100としての焦点距離が長い状態におけるコマ収差が増大し、良好な収差補正が困難になってしまう。
また、接眼ズーム光学系100の第1レンズ群G1は、+Z軸方向に沿って、負メニスカスレンズと両凸レンズとの接合正レンズであればよい。また第1レンズ群G1は所定の位置(Z軸方向)に固定されている。第3レンズ群G3は、+Z軸方向に沿って、正メニスカスレンズと両凹レンズとの接合負レンズでもよいし、もしくは両凹レンズと正メニスカスレンズとの接合負レンズでもよい。さらに、以下の数式(5)および(6)を満足することが望ましい。
ν1<40………………………(6)
40<ν3………………………(7)
ここで、
ν1:第1レンズ群G1中の負メニスカスレンズのアッベ数
ν3:第3レンズ群G3中の両凹レンズのアッベ数
数式(6)は、第1レンズ群G1を構成する接合正レンズの接合面の曲率半径を小さくすることなく色収差を良好に補正するための条件を規定している。数式(6)を満足することにより、第3レンズ群G3および第2レンズ群G2の構成をコンパクト化することが可能になる。
数式(7)は、可変倍率による色収差の変動を少なくするための条件を規定している。数式(7)の下限値を下回ると、第2レンズ群G2および第1レンズ群G1における色収差補正の負担が大きくなるため、レンズ構成が複雑になってしまう。この場合、第3レンズ群G3の負屈折力を弱くすることにより色収差を補正することもできるが、数式(4)の範囲を逸脱することになるので好ましくない。
(第1の実施形態)
図2は、第1の実施形態の接眼ズーム光学系110のレンズ構成を示した図である。図2(a)は接眼ズーム光学系110としての最長焦点距離状態を示し、見掛け視界は40°である。図2(b)は接眼ズーム光学系110としての中間焦点距離状態を示し、見掛け視界は46.4°である。図2(c)は接眼ズーム光学系110としての最短焦点距離状態を示し、見掛け視界は55.2°である。
図2に示されたように、接眼ズーム光学系110は、+Z軸方向に沿って、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、負の屈折力を有する第3レンズ群G3とを備えている。そして、可変倍率に際して、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3とはZ軸に沿って互いに逆の方向に移動する。
第1レンズ群G1は、+Z軸方向に沿って、負メニスカスレンズL1nと両凸レンズL1pとの接合正レンズであり、第3レンズ群G3は、+Z軸方向に沿って、正メニスカスレンズL3pと両凹レンズL3nとの接合負レンズである。また、第2レンズ群G2は、+Z軸方向に沿って、回折光学素子DOEが設けられた平行平板硝子L2−1と両凸レンズL2−2とより構成されている。
まず、回折光学素子DOEの形状について、図3を参照しながら説明する。図3(a)〜図3(d)は回折光学素子DOEの様々な形状を説明するための拡大図である。
図3(a)に示された回折光学素子DOE1は回折面13と端面14とをそれぞれ備えている単層型回折光学素子12である。端面14がZ軸方向に対して平行に形成されている。
図3(b)に示された回折光学素子DOE2は回折面13と端面24とをそれぞれ備えている二つの回折格子21、22を密着した複層型回折光学素子である。なお、端面24がZ軸方向に対して傾けて形成されている。この傾け角度は、主光線にならって傾けることが好ましい。端面24で反射されてフレア光を少なくするためである。
図3(c)に示された回折光学素子DOE3は二つの回折格子31、32を密着した複層型回折光学素子である。回折格子31、32は階段形状の端面34を有しており、端面34は全体としてZ軸方向に対して傾いている。回折格子31、32に所定の角度で入射した入射光は端面34で2回反射することになり、入射光と同じ方向で逆向きに戻ることになる。これにより、端面34に入射した入射光はアイポイントEP方向に達することが少なくなるのでフレア光が少なくなる。
図3(d)に示された回折光学素子DOE4は、二つの回折格子41、42を密着した複層型回折光学素子である。二つの回折格子41、42の端面44は断面形状が曲線である。端面44の断面形状が曲線であると反射又は透過光を発散させ、不要な高次回折光・フレア・ゴーストを減ずることができる。
図3(a)〜図3(d)の回折光学素子DOE(DOE1〜DOE4)は、ガラス又は樹脂で形成される。しかしながら、複雑で微細な形状であることからいずれも紫外線硬化型樹脂である方が生産効率上好ましい。さらに、小型軽量化のために、回折光学素子を構成する光学材料は、比重が2.0以下の樹脂材料であることが好ましい。図3(a)〜図3(d)の回折光学素子DOE(DOE1〜DOE4)は、それら単独で使用されても良いが、レンズ又は平行平板硝子の一面に形成されてもよい。第1の実施形態及び後述する第3の実施形態では平行平板硝子に回折光学素子DOEが設けられている。後述する第2の実施形態では凸レンズに回折光学素子DOEが設けられている。
また、図3(a)〜図3(d)に示された回折光学素子DOEは次の数式(8)により波面の位相変換を行う。
…………(8)
ここで、φは位相関数を、λは基準波長を、C2nは係数を、Yは径方向の距離(中心からX軸又はY軸方向への距離)を示している。
さらに、係数C2は0.001514で、C4は−0.00000526である。そして、この係数C2及びC4によって、数式(8)に基づいて回折光学素子DOEの波面の位相変換が行われる。
再び図2に戻り、第1の実施形態の接眼ズーム光学系110において、回折光学素子DOEの焦点距離fDOEは数式(5)により求められ、−330.3mmである。第1レンズ群G1の焦点距離fG1は35.0mmであり、第2レンズ群G2の焦点距離fG2は25.2mmであり、第3レンズ群G3の焦点距離fG3は−26.5mmである。また、接眼ズーム光学系110の全長は42mmである。
数式(1)において、|fDOE/fG2|=13.1
数式(2)において、fG1/f=5
数式(3)において、fG2/f=3.6
数式(4)において、|fG3/f|=3.8
したがって、数式(1)〜(4)の条件を満たしている。
また、次の表1及び表2に、第1実施形態の接眼ズーム光学系110のレンズデータを掲げている。表1において、Rは各レンズ面の曲率半径を、Dは各レンズ面間隔を、ndおよびνdはそれぞれd線(λ=587.6nm)に対する屈折率およびアッベ数を示している。なお、面5が回折光学素子面である。
また、表3は第1実施形態の接眼ズーム光学系110のアイレリーフに関する数値を示している。表3において、Iはd線のアイレリーフを、IはC線のアイレリーフを、IはF線のアイレリーフを示している。
表3に示されたように、第1実施形態の接眼ズーム光学系110は十分に長いアイレリーフを有すると同時に、波長によるアイレリーフの差を少なくすることができる。
また、図4A〜図4Cは第1実施形態の接眼ズーム光学系110の諸収差図である。図4Aは接眼ズーム光学系としての最長焦点距離状態における諸収差を、図4Bは接眼ズーム光学系としての中間焦点距離状態における諸収差を、図4Cは接眼ズーム光学系としての最短焦点距離状態における諸収差をそれぞれ示している。なお、各収差は、アイポイント側から光線追跡を行ったときの収差である。
各収差図の三つの光線は、d線(λ=587.6nm)、C線(λ=656.3nm)、F線(λ=486.1nm)である。このように、球面収差、非点収差および歪曲収差について色収差の補正状態を示すために、基準光線であるd線に対する収差量に加えてC線およびF線に対する収差量も示している。また、非点収差を示す収差図において、実線Sはサジタル像面を、破線Mはメリディオナル像面をそれぞれ示している。各収差図から明らかなように、第1実施形態の接眼ズーム光学系110では、最短焦点距離状態から最長焦点距離状態までの可変倍率の領域全体に亘って諸収差が良好に補正されていることがわかる。
つまり、接眼ズーム光学系110は、広い視野全域にわたって諸収差が良好に補正され、十分に長いアイレリーフを有すると同時に、波長によるアイレリーフの差をなくすことができる。
(第2の実施形態)
図5は、第2の実施形態の接眼ズーム光学系120のレンズ構成を示した図である。図5(a)は接眼ズーム光学系120としての最長焦点距離状態を示し、見掛け視界は40°である。図5(b)は接眼ズーム光学系120としての中間焦点距離状態を示し、見掛け視界は46.4°である。図5(c)は接眼ズーム光学系120としての最短焦点距離状態を示し、見掛け視界は55.2°である。
図5に示されたように、接眼ズーム光学系120は、回折光学素子DOE面が直接に両凸レンズの−Z側に設けられている。図3(a)〜図3(d)で示された回折光学素子DOEのいずれか一つが樹脂で形成される。その他の構成は第1実施形態の接眼ズーム光学系110と同じであるため、説明を省略する。
第2の実施形態の接眼ズーム光学系120においても、数式(8)に基づいて回折光学素子DOEの波面の位相変換が行われる。係数C2は0.001302で、C4は−0.00000351である。
また、回折光学素子DOEの焦点距離fDOEは数式(5)により求められ、−384.0mmであり、第1レンズ群G1の焦点距離fG1は35.0mmであり、第2レンズ群G2の焦点距離fG2は25.2mmであり、第3レンズ群G3の焦点距離fG3は−26.5mmである。また、接眼ズーム光学系110の全長は42mmである。
数式(1)において、|fDOE/fG2|=15.2
数式(2)において、fG1/f=5
数式(3)において、fG2/f=3.6
数式(4)において、|fG3/f|=3.8
したがって、数式(1)〜(4)の条件を満たしている。
ここで、次の表4及び表5に、第2実施形態の接眼ズーム光学系120のレンズデータを掲げている。また、表6は第2実施形態の接眼ズーム光学系120のアイレリーフに関する数値を示している。なお、面4が回折光学素子面である。
表6に示されたように、第2実施形態の接眼ズーム光学系120は十分に長いアイレリーフを有すると同時に、波長によるアイレリーフの差を少なくすることができる。
図6A〜図6Cは、第2実施形態の接眼ズーム光学系120の諸収差図である。図6Aは接眼ズーム光学系としての最長焦点距離状態における諸収差を、図6Bは接眼ズーム光学系としての中間焦点距離状態における諸収差を、図6Cは接眼ズーム光学系としての最短焦点距離状態における諸収差をそれぞれ示している。なお、各収差は、アイポイント側から光線追跡を行ったときの収差である。
各収差図の三つの光線は、d線(λ=587.6nm)、C線(λ=656.3nm)、F線(λ=486.1nm)である。このように、球面収差、非点収差および歪曲収差について色収差の補正状態を示すために、基準光線であるd線に対する収差量に加えてC線およびF線に対する収差量も示している。また、非点収差を示す収差図において、実線Sはサジタル像面を、破線Mはメリディオナル像面をそれぞれ示している。各収差図から明らかなように、第2実施形態の接眼ズーム光学系120では、最短焦点距離状態から最長焦点距離状態までの可変倍率の領域全体に亘って諸収差が良好に補正されていることがわかる。
つまり、接眼ズーム光学系110は、広い視野全域にわたって諸収差が良好に補正され、十分に長いアイレリーフを有すると同時に、波長によるアイレリーフの差をなくすことができる。
(第3の実施形態)
図7は、第3の実施形態の接眼ズーム光学系130のレンズ構成を示した図である。図7(a)は接眼ズーム光学系130としての最長焦点距離状態を示し、見掛け視界は40°である。図7(b)は接眼ズーム光学系130としての中間焦点距離状態を示し、見掛け視界は46.4°である。図7(c)は接眼ズーム光学系130としての最短焦点距離状態を示し、見掛け視界は55.2°である。
図7に示されたように、第3実施形態の接眼ズーム光学系130は回折光学素子DOEの設けられた平行平板硝子L1−2を第1レンズ群G1に設けている。つまり、第1レンズ群G1は+Z軸方向に沿って順次に負メニスカスレンズL1n及び両凸レンズL1pより構成されたレンズ系L1−1と、回折光学素子DOEの設けられた平行平板硝子L1−2とを含んでいる。その他の構成は第1実施形態の接眼ズーム光学系110と同じであるため、説明を省略する。
第3の実施形態の接眼ズーム光学系130においても、数式(8)に基づいて回折光学素子DOEの波面の位相変換が行われる。係数C2は0.00176で、C4は−0.00000908である。その他の構成は第1実施形態の接眼ズーム光学系110と同じであるため、説明を省略する。
また、回折光学素子DOEの焦点距離fDOEは数式(5)により求められ、−284.1mmであり、第1レンズ群G1の焦点距離fG1は35.0mmであり、第2レンズ群G2の焦点距離fG2は25.2mmであり、第3レンズ群G3の焦点距離fG3は−26.5mmである。また、接眼ズーム光学系110の全長は42mmである。
数式(1)において、|fDOE/fG1|=8.1
数式(2)において、fG1/f=5
数式(3)において、fG2/f=3.6
数式(4)において、|fG3/f|=3.8
したがって、数式(1)〜(4)の条件を満たしている。
ここで、次の表7及び表8に、第3実施形態の接眼ズーム光学系130のレンズデータを掲げている。また、表9は第3実施形態の接眼ズーム光学系130のアイレリーフに関する数値を示している。なお、面5が回折光学素子面である。
表9に示されたように、第3実施形態の接眼ズーム光学系130は十分に長いアイレリーフを有すると同時に、波長によるアイレリーフの差をなくすことができる。
図8A〜図8Cは、第3実施形態の接眼ズーム光学系130の諸収差図である。図8Aは接眼ズーム光学系としての最長焦点距離状態における諸収差を、図8Bは接眼ズーム光学系としての中間焦点距離状態における諸収差を、図8Cは接眼ズーム光学系としての最短焦点距離状態における諸収差をそれぞれ示している。なお、各収差は、アイポイント側から光線追跡を行ったときの収差である。
各収差図の三つの光線は、d線(λ=587.6nm)、C線(λ=656.3nm)、F線(λ=486.1nm)である。このように、球面収差、非点収差および歪曲収差について色収差の補正状態を示すために、基準光線であるd線に対する収差量に加えてC線およびF線に対する収差量も示している。また、非点収差を示す収差図において、実線Sはサジタル像面を、破線Mはメリディオナル像面をそれぞれ示している。各収差図から明らかなように、第3実施形態の接眼ズーム光学系130では、最短焦点距離状態から最長焦点距離状態までの可変倍率の領域全体に亘って諸収差が良好に補正されていることがわかる。
つまり、接眼ズーム光学系130は、広い視野全域にわたって諸収差が良好に補正され、十分に長いアイレリーフを有すると同時に、波長によるアイレリーフの差をなくすことができる。
以上より第1の実施形態から第3の実施形態までに係る接眼ズーム光学系は、特に望遠鏡、双眼鏡、顕微鏡等の接眼光学系に適用することができる。
100、110、120、130 … 接眼ズーム光学系
11、12、21、22、31、32、41、42、 … 回折格子
13 … 回折面
14、24、34、44 … 端面
DOE、DOE1、DOE2、DOE3、DOE4 … 回折光学素子
EP … アイポイント
G1 … 第1レンズ群、 G2 … 第2レンズ群、 G3 … 第3レンズ群
I、I’ … 物体像
L1n … 第1レンズ群の負メニスカスレンズ
L1p … 第1レンズ群の両凸レンズ
L3n … 第3レンズ群の両凹レンズ
L3p … 第3レンズ群の正メニスカスレンズ

Claims (7)

  1. アイポイント側から順に、
    正レンズと負レンズとの貼り合わせからなる正屈折力の第1レンズ群と、
    回折光学素子と、
    ズーム軌道に沿って移動可能な正屈折力の第2レンズ群と、
    正レンズと負レンズとの貼り合わせからなる負屈折力の第3レンズ群と、
    を備える接眼ズーム光学系。
  2. 前記接眼ズーム光学系としての最短焦点距離をfとし、前記第1レンズ群の焦点距離をfG1とし、前記回折光学素子の焦点距離をfDOEとし、前記第2レンズ群の焦点距離をfG2とし、前記第3レンズ群の焦点距離をfG3としたとき、
    以下の条件を満たす請求項1に記載の接眼ズーム光学系。
    8<|fDOE/fGi|<20 …(1)
    4.4<fG1/f<5.4 …(2)
    3.4<fG2/f<3.8 …(3)
    3.3<|fG3/f|<4.4 …(4)
    i=1又は2
  3. 前記回折光学素子は、前記第2レンズ群のズーム軌道と同じである請求項1又は請求項2に記載の接眼ズーム光学系。
  4. 前記回折光学素子は、前記第2レンズ群の面に形成されている請求項3に記載の接眼ズーム光学系。
  5. 前記回折光学素子は、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間の一定位置で固定されている請求項1又は請求項2に記載の接眼ズーム光学系。
  6. 前記回折光学素子が密着複層型である請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の接眼ズーム光学系。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の接眼ズーム光学系と、
    前記接眼ズーム光学系に同じ光軸に配置される対物レンズと、
    を備えた光学装置。
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