JP5358308B2 - 接眼ズームレンズ及び光学機器 - Google Patents

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Description

本発明は、接眼ズームレンズ及びこの接眼ズームレンズを備える光学機器に関する。
望遠鏡や双眼鏡に使用される接眼ズームレンズとしては、物体側から順に、負の屈折力を持つ移動レンズ群、視野絞りを挟んで正の屈折力を持つ移動レンズ群、及び、正の屈折力を持つ固定レンズ群の構成で変倍を実現するタイプが知られている。例えば、このようなタイプの接眼ズームレンズとしては、ズーム比がおよそ2.5倍で、高倍側の焦点距離がf=5mm程度が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−251132号公報
このような従来の接眼ズームレンズでは、単純な構成である程度まで良好に収差を補正しているものの、低倍側の見かけ視界が狭く、高倍側のアイレリーフが短かったり、収差は周辺部まで良好補正されているが、低倍側のアイレリーフが短いという欠点があった。一般に、以上のようなタイプの接眼ズームレンズにおいて、高倍率を実現しようとした場合、絞りよりアイポイント側の合成焦点距離を短くして全体の焦点距離を短くする方法が採用される。しかしながら、この方法は絞りより後ろ(アイポイント側)で光線が大きく曲げられることとなり、ズーム全域で十分なアイレリーフを確保することが困難となり、また、高倍側で歪曲収差が問題になりやすいという課題があった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、所定のズーム比を確保しながら、ズーム全域に亘り十分なアイレリーフを確保しつつ諸収差を良好に補正した接眼ズームレンズ及び光学機器を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る接眼ズームレンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群との実質的に3個のレンズ群からなり、第1レンズ群と第2レンズ群との間に形成される中間像からの光束を集光する接眼ズームレンズであって、変倍に際して、第3レンズ群は固定され、第1レンズ群及び第2レンズ群は、中間像を挟んで光軸に沿って互いに逆方向に移動する。また、第1レンズ群は、アイポイント側に曲率の強い凹面を向けた負レンズ成分と、負レンズ要素及び正レンズ要素からなる接合負レンズと、から構成される。そして、高倍端状態における全系の焦点距離をfMとし、第1レンズ群の焦点距離をf1とし、第2レンズ群の焦点距離をf2とし、第3レンズ群の焦点距離をf3とし、高倍端状態における第1レンズ群と第2レンズ群との主点間隔をS12としたとき、次式
2.8 < |f1/fM| < 3.3
4.6 < f2/fM < 5.8
7.6 < f3/fM < 9.6
9.0 < S12/fM <11.5
の条件を満足する。
このような接眼ズームレンズは、負レンズ成分のアイポイント側の凹面の曲率半径をr12としたとき、次式
0.65 < |r12/f1| < 1.3
の条件を満足することが好ましい。
また、このような接眼ズームレンズにおいて、第2レンズ群は、正レンズ成分と、負メニスカスレンズ及び両凸レンズからなる接合正レンズと、から構成され、接合正レンズの貼り合わせ面の曲率半径をr22とし、この貼り合わせ面の前後の媒質のアッベ数の差をΔν2としたとき、次式
0.7 < |r22/f2| < 1.1
|Δν2| > 25
の条件を満足することが好ましい。
さらに、このような接眼ズームレンズにおいて、第1レンズ群は、物体側から順に、負レンズ成分と、負レンズ要素及び正レンズ要素からなる接合負レンズと、がこの順で並んで配置されることが好ましい。
また、本発明に係る光学機器は、上述の接眼ズームレンズのいずれかを備える。
本発明に係る接眼ズームレンズ及び光学機器を以上のように構成すると、所定のズーム比を確保しながら、ズーム全域に亘り十分なアイレリーフを確保しつつ諸収差を良好に補正することができる。
接眼ズームレンズを備える光学機器である望遠鏡光学系の構成を示す説明図である。 第1実施例に係る接眼ズームレンズを示すレンズ構成図であって、(a)は低倍端状態を示し、(b)は中間焦点距離状態を示し、(c)は高倍端状態を示す。 上記第1実施例における諸収差図であって、(a)は低倍端状態を示し、(b)は中間焦点距離状態を示し、(c)は高倍端状態を示す。 第2実施例に係る接眼ズームレンズを示すレンズ構成図であって、(a)は低倍端状態を示し、(b)は中間焦点距離状態を示し、(c)は高倍端状態を示す。 上記第2実施例における諸収差図であって、(a)は低倍端状態を示し、(b)は中間焦点距離状態を示し、(c)は高倍端状態を示す。 第3実施例に係る接眼ズームレンズを示すレンズ構成図であって、(a)は低倍端状態を示し、(b)は中間焦点距離状態を示し、(c)は高倍端状態を示す。 上記第3実施例における諸収差図であって、(a)は低倍端状態を示し、(b)は中間焦点距離状態を示し、(c)は高倍端状態を示す。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。まず、本実施の形態に係る接眼ズームレンズを有する光学機器として、図1に示す望遠鏡光学系TSの構成について説明する。この望遠鏡光学系TSは、物体側から順に、対物レンズ1と、接眼ズームレンズ2と、を有して構成されており、対物レンズ1により形成された物体の像(中間像)の各光束は、接眼ズームレンズ2を用いて集光され、アイポイントEPに位置する観察眼により物体の像を拡大観察することができる。
ここで、本実施の形態に係る接眼ズームレンズ2は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、を有し、対物レンズ1とこの接眼ズームレンズ2を構成する第1レンズ群G1とによる被観察物体の実像である中間像が、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間に形成されるように配置されている。また、この接眼ズームレンズ2は、第3レンズ群G3を対物レンズ1に対して固定し、第1レンズ群G1及び第2レンズ群G2を移動群として中間像を挟んで光軸に沿って互いに逆方向に移動させることにより、焦点距離を連続的に変化させることができ、これにより、被観察物体の像を変倍して観察することができる。なお、本実施の形態に係る接眼ズームレンズ2は焦点距離の長い低倍側から焦点距離の短い高倍側への変倍では、第1レンズ群G1は物体側へ移動し、第2レンズ群G2はアイポイントEP側へ移動するように構成されている。
また、第1レンズ群G1は、物体側から順に、アイポイントEP側に曲率の強い凹面を向けた負レンズ成分(図1においては平凹レンズ)L11と、負レンズ要素(図1においては両凹レンズ)L12及び正レンズ要素(図1においては正メニスカスレンズ)L13からなる接合負レンズCL1と、から構成される。なお、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間には視野絞りFSが配置されており、この視野絞りFSは、変倍において第2レンズ群G2と一体に移動するように構成されている。また、この視野絞りFSは、被観察物体の中間像の近傍に位置するように構成されている。
接眼ズームレンズ2を以上のような構成にすると、第1レンズ群G1では対物レンズ1による物体の像(以下、「対物像」と呼ぶ)の拡大倍率が大きくかかり、光線が上げられることになりアイレリーフERが確保される。なお、アイレリーフERとは、接眼ズームレンズ2の最もアイポイントEP側の面からアイポイントEPまでの光軸上の距離である。さらに以降の第2レンズ群G2及び第3レンズ群G3の屈折力を比較的小さくすることができ非点収差、歪曲収差を良好に補正することが可能となる。また、第1レンズ群G1の倍率を上げることで増大するコマ収差は、収束光束が入射する第1レンズ群G1においてアイポイントEP側に曲率の強い凹面(負レンズ成分L11のアイポイントEP側の面)を持たせることでその発生が抑えられる。また、接合レンズ成分(接合負レンズCL1)を持たせることで軸上と倍率の色収差が補正される。なお、第1レンズ群G1は、負レンズ成分L11と接合負レンズCL1の並ぶ順序を逆にして配置することも可能である。
また、この接眼ズームレンズ2は、2.5程度のズーム比とズーム全域に亘り十分なアイレリーフERを確保しつつ諸収差を良好に補正するために、以下の条件式(1)〜(4)を満足するように構成される。なお、これらの条件式(1)〜(4)において、高倍端状態におけるこの接眼ズームレンズ2の全系の焦点距離をfMとし、第1レンズ群G1の焦点距離をf1とし、第2レンズ群G2の焦点距離をf2とし、第3レンズ群G3の焦点距離をf3とし、高倍端状態における第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との主点間隔をS12として表している。
2.8 < |f1/fM| < 3.3 (1)
4.6 < f2/fM < 5.8 (2)
7.6 < f3/fM < 9.6 (3)
9.0 < S12/fM <11.5 (4)
これらの条件式(1)〜(4)は、第1レンズ群G1〜第3レンズ群G3の焦点距離と間隔の適切な範囲を規定するものである。
条件式(1)の上限値を上回ると、第1レンズ群G1の屈折力が不足し、この第1レンズ群G1における対物像の拡大倍率が小さくなる。この場合、以降のレンズ群に対する周辺光束の入射高が低くなり十分なアイレリーフERを確保できなくなる。同様に第1レンズ群G1の倍率が小さいと、この接眼ズームレンズ2全体で所定の焦点距離を確保するために第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の合成焦点距離を短くすることが必要となるため、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間隔が不足しレンズの配置が困難となる。反対に、条件式(1)の下限値を下回ると第1レンズ群G1の屈折力が強くなりすぎる。この場合、変倍における第1レンズ群G1の移動量が小さくなりすぎ、ズームレンズとして製造が難しくなる。またレンズの曲率が大きくなるため、光線が光軸から見て高い位置を通る(実視界が大きいので)低倍側において非点収差及び歪曲収差に高次の収差が発生しやすくなる。とりわけメリジオナル像面の曲がりが問題となる。なお、より好ましくは、この値は、2,9より大きい方が好ましい。また、上限値もより好ましくは、3.2より小さい方が好ましい。
条件式(2)の上限値を上回ると、低倍側において第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の合成主点がアイポイント側に移動するので、中間像から第2レンズ群G2までの距離が短くなりレンズ面のキズやゴミが見えやすくなる。また、屈折力が小さくなるため変倍に際し、第2レンズ群G2の移動量が大きくなり、高倍側での第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔が不足する。反対に、条件式(2)の下限値を下回ると第2レンズ群G2の屈折力が強くなりすぎて、第3レンズ群G3への入射高が低くなり十分なアイレリーフERを確保できなくなる。なお、この値は4.8より大きい方が好ましい。また、上限値もより好ましくは、5.4より小さい方が好ましい。
条件式(3)の上限値を上回ると、第3レンズ群G3の屈折力が小さくなるので、接眼ズームレンズ2全体で所定の焦点距離を確保するため第1レンズ群G1での拡大倍率を上げることが必要となる。その結果、周辺光束の第2レンズ群G2への入射高が高くなり第2レンズ群G2及び第3レンズ群G3を構成するレンズの大型化を招くことになる。反対に、条件式(3)の下限値を下回ると、第3レンズ群G3の屈折力が強くなりすぎるため、収差補正のバランスが悪くなりコマ収差、非点収差が増大する。また、低倍側において第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の合成主点がアイポイントEP側に移動するので、中間像から第2レンズ群G2までの距離が短くなりレンズ面のキズやゴミが見えやすくなる。なお、この値は、7.8より大きい方が好ましく、更には8.0より大きい方が好ましく、更には8.3より大きい方が好ましく、更に8.5より大きい方が好ましい。
条件式(4)の上限を上回ると、低倍側における第1レンズ群G1での拡大倍率が大きくなり、周辺光束の第2レンズ群G2への入射高が高くなるため第2レンズ群G2及び第3レンズ群G3を構成するレンズが大きくなる。反対に、条件式(4)の下限値を下回ると、高倍側において第1レンズ群G1での拡大倍率が小さくなり、接眼レンズ全体で所定の焦点距離を確保するために第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との合成焦点距離を短くすることが必要となる。そのため、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔が不足しレンズの配置が困難となる。なお、この値は、9.3より大きい方が好ましく、更には、9.6より大きい方が好ましい。また、上限値は、11.2より小さい方が好ましく、更には11.0より小さい方が好ましい。
また、この接眼ズームレンズ2は、コマ収差を更に補正するためには、第1レンズ群G1に関して以下の条件式(5)を満足することが望ましい。ここで、r12は負レンズ成分L1のアイポイントEP側の凹面の曲率半径である。
0.65 < |r12/f1| < 1.3 (5)
条件式(5)は、第1レンズ群G1に設けられ、アイポイントEP側に向いた凹面の曲率に関して、コマ収差の補正と変倍による収差変動のバランスをとるための条件である。この条件式(5)の上限値を上回ると、凹面の屈折力が不足しコマ収差が十分に補正されない。反対に、条件式(5)の下限値を下回ると第1レンズ群G1において屈折力の配分が悪くなり変倍による非点収差の変動が大きくなる。なお、この値は、0.7より大きい方が好ましく、更には、0.78より大きい方が好ましい。また、上限値は、1.2より小さい方が好ましく、更には1.0より小さい方が好ましく、更には0.9より小さい方が好ましく、更には0.86より小さい方が好ましい。
さらに、この接眼ズームレンズ2は、軸上及び倍率色収差を補正するために、第2レンズ群G2を、正レンズ成分(図1においては正メニスカスレンズ)L21と、負メニスカスレンズL22及び両凸レンズL23からなる接合正レンズCL2と、から構成し、さらに、この接合正レンズCL2が、以下の条件式(6)、(7)を満足することが望ましい。ここで、r22は、接合正レンズCL2の貼り合わせ面の曲率半径を示し、Δν2は、この貼り合わせ面の前後の媒質のアッベ数の差を示している。
0.7 < |r22/f2| < 1.1 (6)
|Δν2| > 25 (7)
条件式(6),(7)は第2レンズ群G2の張り合わせ面に関して、色収差を良好に補正するための条件である。条件式(6)の上限値を上回ると、倍率色収差の補正が不足し、反対に、下限値を下回ると変倍による倍率色収差の変動が大きくなる。なお、この値は、0.8より大きい方が好ましく、更には0.86より大きい方が好ましい。また、上限値は、1.0より小さい方が好ましく、更には0.97より小さい方が好ましい。また、条件式(7)は、条件式(6)の範囲内において色収差を十分に補正するために必要な条件である。なお、この値は、27より大きい方が好ましく、更には28より大きい方が好ましい。
なお、本実施形態に係る接眼ズームレンズ2においては、第3レンズ群G3も、正レンズ要素(図1においては両凸レンズ)L31と負レンズ要素(図1においては両凹レンズ)L32とを貼り合わせた接合正レンズCL3とすることにより、色収差の補正を行うように構成されている。
それでは、このような接眼ズームレンズ2について、2つの実施例を以下に示す。
[第1実施例]
図2は、第1実施例に係る接眼ズームレンズ2を示している。この第1実施例に係る接眼ズームレンズ2は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、を有しており、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間に被観察物体の中間像が形成されている。第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に平面を向けた平凹レンズL11と、両凹レンズL12及び物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13を貼り合わせた接合負レンズCL1と、から構成されている。また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL21と、両凸レンズL24と、から構成されている。さらに、第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凸レンズL31及び物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL32を貼り合わせた接合正レンズCL3から構成されている。
図2に示すように、この接眼ズームレンズ2は、変倍に際し、第3レンズ群G3は固定され、第1レンズ群G1及び第2レンズ群G2は、中間像を挟んで光軸に沿って互いに逆方向に移動するように構成されている。そのため、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との光軸上の間隔d12、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との光軸上の間隔d23、及び、アイレリーフERは、変倍に際し変化する。なお、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間には視野絞りFSが配置されており、この視野絞りFSは、変倍に際し、第2レンズ群G2と一体に移動するように構成されている。
以下の表1に、この図2に示した第1実施例に係る接眼ズームレンズ2の諸元を示す。この表1において、全体諸元等に示すfは接眼ズームレンズ2の全系の焦点距離を、2ωは画角を示している。また、レンズデータの第1欄mは物体側からの各光学面の番号を、第2欄rは各光学面の曲率半径を、第3欄dは各光学面から次の光学面までの光軸上の距離(面間隔)を、第4欄ndはd線に対する屈折率を、そして、第5欄νdはアッベ数をそれぞれ示している。ここで、曲率半径∞は平面を示し、また、空気の屈折率1.000は省略してある。また、焦点距離と間隔においては、この接眼ズームレンズ2の低倍端状態、中間焦点距離状態及び高倍端状態のときの値を示している。その他の符号は、上述の説明と同一である。なお、これらの説明は以降の実施例においても同様である。
ここで、以下の全ての諸元において記載される曲率半径、面間隔、焦点距離その他長さの単位は、特記の無い場合、一般に「mm」が使われるが、光学系は比例拡大又は比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、単位は「mm」に限定されることはなく、他の適当な単位を用いることができる。
(表1)
全体諸元
f=12.5〜5.0
2ω=40°〜52°
M=5.0
1=-15.5
2=26.0
3=44.0
12=52.8

レンズデータ
m r d nd νd
1 ∞ 1.50 1.517 64.1
2 13.20 3.40
3 -19.00 1.00 1.517 64.1
4 13.20 3.20 1.755 27.5
5 60.45 d12
6 -174.00 4.20 1.652 58.5
7 -27.00 0.20
8 70.85 3.90 1.652 58.5
9 -70.85 d23
10 25.50 5.80 1.652 58.5
11 -20.00 1.00 1.805 25.4
12 -174.00 ER

焦点距離と間隔
f d12 d23 ER
12.5 19.39 23.48 15.5
8.0 30.95 13.60 13.3
5.0 45.21 0.71 15.2

条件対応値
(1)|f1/fM|=3.1
(2)f2/fM=5.2
(3)f3/fM=8.8
(4)S12/fM=10.6
(5)|r12/f1|=0.85
(6)|r22/f2|=−
(7)|Δν2|=−
なお、この表1において、条件式(5)の曲率半径r12は、第2面の値である。また、この第1実施例においては、第2レンズ群G2に接合正レンズがないため、条件式(6),(7)は適用されない。このように、この第1実施例では、条件式(1)〜(5)が充たされていることが分かる。図3に、この第1実施例に係る接眼ズームレンズ2の、低倍端状態、中間焦点距離状態及び高倍端状態におけるd線、F線及びC線の光線に対する球面収差、非点収差、歪曲収差及びコマ収差の諸収差図を示す。ここで、球面収差図はFナンバーに対する収差量を示し、非点収差図、歪曲収差図及びコマ収差図は半画角ωに対する収差量を示している。また、非点収差図において、実線は各波長に対するサジタル像面を示し、破線は各波長に対するメリジオナル像面を示す。なお、これらの諸収差図の説明は以降の実施例においても同様である。この図3に示す各収差図から明らかなように、本第1実施例に係る接眼ズームレンズ2は、2.5倍のズーム比を確保しながら、ズーム全域に亘り十分なアイレリーフを確保し、且つ、諸収差が良好に補正されている。
[第2実施例]
図4は、第2実施例に係る接眼ズームレンズ2を示している。この第2実施例に係る接眼ズームレンズ2は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、を有しており、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間に被観察物体の中間像が形成されている。第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に平面を向けた平凹レンズL11と、両凹レンズL12及び物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13を貼り合わせた接合負レンズCL1と、から構成されている。また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL21と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL22及び両凸レンズL23を貼り合わせた接合正レンズCL2と、から構成されている。さらに、第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凸レンズL31及び物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL32を貼り合わせた接合正レンズCL3から構成されている。
図4に示すように、この接眼ズームレンズ2は、変倍に際し、第3レンズ群G3は固定され、第1レンズ群G1及び第2レンズ群G2は、中間像を挟んで光軸に沿って互いに逆方向に移動するように構成されている。そのため、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との光軸上の間隔d12、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との光軸上の間隔d23、及び、アイレリーフERは、変倍に際し変化する。なお、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間には視野絞りFSが配置されており、この視野絞りFSは、変倍に際し、第2レンズ群G2と一体に移動するように構成されている。
以下の表2に、この図4に示した第2実施例に係る接眼ズームレンズ2の諸元を示す。
(表2)
全体諸元
f=12.5〜5.0
2ω=40°〜52°
M=5.0
1=-15.2
2=26.5
3=47.5
12=54.7

レンズデータ
m r d nd νd
1 ∞ 1.50 1.517 64.1
2 12.00 3.40
3 -19.50 1.10 1.517 64.1
4 14.50 3.20 1.805 25.4
5 64.00 d12
6 -160.00 3.70 1.713 53.9
7 -30.00 0.20
8 160.00 1.50 1.805 25.4
9 23.00 8.20 1.713 53.9
10 -37.00 d23
11 19.50 5.30 1.596 39.2
12 -31.79 1.00 1.805 25.4
13 200.13 ER

焦点距離と間隔
f d12 d23 ER
12.5 18.74 24.17 15.1
8.0 30.49 14.08 12.5
5.0 45.11 0.78 14.7

条件対応値
(1)|f1/fM|=3.04
(2)f2/fM=5.3
(3)f3/fM=9.5
(4)S12/fM=10.9
(5)|r12/f1|=0.79
(6)|r22/f2|=0.87
(7)|Δν2|=28.5
なお、この表2において、条件式(5)の曲率半径r12は、第2面の値である。また、条件式(6)の曲率半径r22は、第9面の値であり、アッベ数の差Δν2は第8面及び第9面に示すアッベ数の差である。このように、この第2実施例では、条件式(1)〜(7)全てが充たされていることが分かる。図5に、この第2実施例に係る接眼ズームレンズ2の、低倍端状態、中間焦点距離状態及び高倍端状態におけるd線、F線及びC線の光線に対する球面収差、非点収差、歪曲収差及びコマ収差の諸収差図を示す。この図5に示す各収差図から明らかなように、本第2実施例に係る接眼ズームレンズ2は、2.5倍のズーム比を確保しながら、ズーム全域に亘り十分なアイレリーフを確保し、且つ、諸収差が良好に補正されている。
[第3実施例]
図6は、第3実施例に係る接眼ズームレンズ2を示している。この第3実施例に係る接眼ズームレンズ2は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、を有しており、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間に被観察物体の中間像が形成されている。第1レンズ群G1は、物体側から順に、両凹レンズL11と、両凹レンズL12及び物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13を貼り合わせた接合負レンズCL1と、から構成されている。また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL21と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL22及び両凸レンズL23を貼り合わせた接合正レンズCL2と、から構成されている。さらに、第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凸レンズL31及び両凹レンズL32を貼り合わせた接合正レンズCL3から構成されている。
図6に示すように、この接眼ズームレンズ2は、変倍に際し、第3レンズ群G3は固定され、第1レンズ群G1及び第2レンズ群G2は、中間像を挟んで光軸に沿って互いに逆方向に移動するように構成されている。そのため、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との光軸上の間隔d12、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との光軸上の間隔d23、及び、アイレリーフERは、変倍に際し変化する。なお、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間には視野絞りFSが配置されており、この視野絞りFSは、変倍に際し、第2レンズ群G2と一体に移動するように構成されている。
以下の表3に、この図6に示した第3実施例に係る接眼ズームレンズ2の諸元を示す。
(表3)
全体諸元
f=12.5〜5.0
2ω=42°〜54°
M=5.0
1=-14.8
2=24.5
3=43.0
12=48.6

レンズデータ
m r d nd νd
1 -289.60 1.00 1.517 64.1
2 12.00 3.40
3 -19.80 1.10 1.517 64.1
4 14.00 3.20 1.805 25.4
5 59.89 d12
6 -150.00 3.80 1.729 54.7
7 -28.00 0.20
8 150.00 1.50 1.805 25.4
9 23.50 7.80 1.729 54.7
10 -37.32 d23
11 19.80 5.00 1.606 43.8
12 -29.00 1.00 1.805 25.4
13 649.36 ER

焦点距離と間隔
f d12 d23 ER
12.5 15.06 21.73 14.6
8.0 25.83 12.73 11.9
5.0 39.18 0.76 13.5

条件対応値
(1)|f1/fM|=2.96
(2)f2/fM=4.9
(3)f3/fM=8.6
(4)S12/fM=9.7
(5)|r12/f1|=0.81
(6)|r22/f2|=0.96
(7)|Δν2|=29.3
なお、この表3において、条件式(5)の曲率半径r12は、第2面の値である。また、条件式(6)の曲率半径r22は、第9面の値であり、アッベ数の差Δν2は第8面及び第9面に示すアッベ数の差である。このように、この第3実施例では、条件式(1)〜(7)全てが充たされていることが分かる。図7に、この第3実施例に係る接眼ズームレンズ2の、低倍端状態、中間焦点距離状態及び高倍端状態におけるd線、F線及びC線の光線に対する球面収差、非点収差、歪曲収差及びコマ収差の諸収差図を示す。この図7に示す各収差図から明らかなように、本第3実施例に係る接眼ズームレンズ2は、2.5倍のズーム比を確保しながら、ズーム全域に亘り十分なアイレリーフを確保し、且つ、諸収差が良好に補正されている。
2 接眼ズームレンズ G1 第1レンズ群 L11 負レンズ成分
L12 負レンズ要素 L13 正レンズ要素 CL1 接合負レンズ
G2 第2レンズ群 L21 正レンズ成分 L22 負メニスカスレンズ
L23 両凸レンズ G3 第3レンズ群 TS 望遠鏡光学系(光学機器)

Claims (5)

  1. 物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群との実質的に3個のレンズ群からなり
    前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間に形成される中間像からの光束を集光する接眼ズームレンズであって、
    変倍に際して、前記第3レンズ群は固定され、前記第1レンズ群及び前記第2レンズ群は、前記中間像を挟んで光軸に沿って互いに逆方向に移動し、
    前記第1レンズ群は、アイポイント側に曲率の強い凹面を向けた負レンズ成分と、負レンズ要素及び正レンズ要素からなる接合負レンズと、から構成され、
    高倍端状態における全系の焦点距離をfMとし、前記第1レンズ群の焦点距離をf1とし、前記第2レンズ群の焦点距離をf2とし、前記第3レンズ群の焦点距離をf3とし、高倍端状態における前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との主点間隔をS12としたとき、次式
    2.8 < |f1/fM| < 3.3
    4.6 < f2/fM < 5.8
    7.6 < f3/fM < 9.6
    9.0 < S12/fM <11.5
    の条件を満足する接眼ズームレンズ。
  2. 前記負レンズ成分のアイポイント側の前記凹面の曲率半径をr12としたとき、次式
    0.65 < |r12/f1| < 1.3
    の条件を満足する請求項1に記載の接眼ズームレンズ。
  3. 前記第2レンズ群は、正レンズ成分と、負メニスカスレンズ及び両凸レンズからなる接合正レンズと、から構成され、
    前記接合正レンズの貼り合わせ面の曲率半径をr22とし、前記貼り合わせ面の前後の媒質のアッベ数の差をΔν2としたとき、次式
    0.7 < |r22/f2| < 1.1
    |Δν2| > 25
    の条件を満足する請求項1または2に記載の接眼ズームレンズ。
  4. 前記第1レンズ群は、物体側から順に、前記負レンズ成分と、前記負レンズ要素及び前記正レンズ要素からなる前記接合負レンズと、がこの順で並んで配置される請求項1〜3いずれか一項に記載の接眼ズームレンズ。
  5. 請求項1〜4いずれか一項に記載の接眼ズームレンズを備える光学機器。
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