JP2011017110A - スリット部を有する布帛および繊維製品 - Google Patents

スリット部を有する布帛および繊維製品 Download PDF

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【課題】スリット部を有する布帛であって通気性と防透性とを兼備した布帛、および該布帛を用いてなる繊維製品を提供する。
【解決手段】表面にスリット部を有する布帛であって、前記スリット部を形成する両辺のうち1辺が他の辺よりも立体的に浮き上がることにより、前記スリット部が立体的に開口しており、かかる浮き上がりの状態が乾燥時と湿潤時とで変化することが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、スリット部を有する布帛であって通気性と防透性とを兼備した布帛、および該布帛を用いてなる繊維製品に関するものである。
従来、通気性を付加するためシート状物にスリット部を形成することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、かかるシート状物において、スリット部から光が透過されるため、防透性や紫外線防止性が損なわれるという問題があった。
このように、通気性と防透性とは通常相反する性能であり、通気性と防透性とを兼備した布帛はこれまであまり提案されていない。
特開平5−228049号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、スリット部を有する布帛であって通気性と防透性とを兼備した布帛、および該布帛を用いてなる繊維製品を提供することにある。
本発明者は上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、布帛表面にスリット部を形成する際、スリット部を形成する両辺のうちどちらか一方を浮き上がらせると、光の透過を抑制しながら優れた通気性が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「表面にスリット部を有する布帛であって、前記スリット部を形成する両辺のうち1辺が他の辺よりも立体的に浮き上がることにより、前記スリット部が立体的に開口していることを特徴とするスリット部を有する布帛。」が提供される。
その際、布帛を温度20℃、湿度65%RHの雰囲気中に24時間放置した後において、前記スリット部を形成する両辺のうち1辺が他の辺よりも立体的に浮き上がっていることが好ましい。また、布帛に含水率が70%になるように水を付与した後において、前記スリット部を形成する両辺のうち1辺が他の辺よりも立体的に浮き上がっていることが好ましい。また、布帛を温度20℃、湿度65%RHの雰囲気中に24時間放置した後の状態と、布帛に含水率が70%になるように水を付与した後の状態とで、スリット部を形成する辺の浮き上がり状態が変化することが好ましい。また、前記スリット部の長さ方向が、布帛の経方向または緯方向と同じ方向であることが好ましい。また、前記スリット部の長さが2〜20mmの範囲内であることが好ましい。また、スリット部を形成する両辺のうち、浮き上がっている1辺の浮き上がり高さが0.5〜10mmの範囲内であることが好ましい。
本発明の布帛において、布帛が吸水自己伸長糸と非自己伸長糸とで構成され、吸水自己伸長糸と非自己伸長糸とで構成される部位1と非自己伸長糸のみで構成される部位2とを有し、かつ前記部位1と部位2との境界に前記スリット部が形成されていることが好ましい。
ただし、吸水自己伸張糸と非自己伸張糸は以下に定義する糸である。すなわち、枠周:1.125mの巻き返し枠を用いて荷重:0.88mN/dtex(0.1g/de)をかけて一定の速度で巻き返し、巻き数:10回のかせを作り、かせ取りした糸を温度20℃、湿度65RH%の環境下に24時間放置し、これに非弾性糸の場合は1.76mN/dtex(200mg/de)、弾性糸の場合は0.0088mN/dtex(1mg/de)の荷重をかけて測定した糸長(mm)を乾燥時の糸長とする。該糸を水温20℃の水中に5分間浸漬した後に水中より引き上げ、該糸に乾燥時と同様に非弾性糸の場合は1.76mN/dtex(200mg/de)、弾性糸の場合は0.0088mN/dtex(1mg/de)の荷重をかけて測定した糸長(mm)を湿潤時の糸長とする。なお、前記非弾性糸とは破断伸度が200%以下の糸であり、前記弾性糸とは破断伸度が200%より高い糸である。そして、下記式で求められる繊維軸方向の膨潤率が5%以上のものを吸水自己伸張糸と定義する。一方、該膨潤率が5%未満のものを非自己伸張糸と定義する。
膨潤率(%)=((湿潤時の糸長)−(乾燥時の糸長))/(乾燥時の糸長)×100
ここで、前記吸水自己伸長糸が、ポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとし、ポリオキシエチレングリコールをソフトセグメントとするポリエーテルエステルエラストマーからなるポリエーテルエステル繊維であることが好ましい。また、前記吸水自己伸長糸が、吸湿性が互いに異なる2成分ポリマーがサイドバイサイド型に接合された複合繊維であることが好ましい。また、前記非自己伸長糸がポリエステル繊維または弾性繊維であることが好ましい。
本発明の布帛において、前記スリット部が、編組織またはカッテイングまたは繊維の溶解により形成されていることが好ましい。また、布帛に金属酸化物またはカーボン粒子が含まれることが好ましい。
また、本発明によれば、前記の布帛を用いてなる、アウター用衣料、スポーツ用衣料、インナー用衣料、靴材、おしめや介護用シーツ等の医療・衛生用品、寝装寝具、椅子やソファー等の表皮材、カーペット、カーシート地、インテリア用品からなる群より選択されるいずれかの繊維製品が提供される。
本発明によれば、スリット部を有する布帛であって通気性と防透性とを兼備した布帛、および該布帛を用いてなる繊維製品が得られる。
スリット部を形成する両辺のうち1辺が浮き上がっている本発明の布帛を模式的に示す図である。 スリット部を形成する両辺がともに浮き上がっていない従来の布帛を模式的に示す図である。 湿潤時にスリット部を形成する両辺のうち1辺が浮き上がる本発明の布帛を模式的に示す図である。 乾燥時にスリット部を形成する両辺のうち1辺が浮き上がる本発明の布帛を模式的に示す図である。 湿潤時にスリット部を形成する両辺のうち1辺が浮き上がる本発明の布帛を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず、本発明の布帛は布帛表面にスリット部を有する。かかるスリット部は一方の表面から他方の表面に貫通していることが肝要である。貫通していない場合は、十分な通気性が得られず好ましくない。
本発明の布帛において、図1に模式的に示すように、前記スリット部を形成する両辺のうち1辺が他の辺よりも立体的に浮き上がっている。その際、該布帛を布帛表面の上方からみるとスリット部の開口部はみえないが、布帛を側方からみると開口部がみえるため、光の透過を抑制しながら優れた通気性が得られる。従来の布帛のように単にスリット部が形成されているだけでスリット部を形成する辺が浮き上がってない場合(図2に模式的に示す。)、すなわちスリット部が立体的に開口していない場合は、十分な通気性が得られず好ましくない。
ここで、このような布帛表面にスリット部を有する布帛とは、経糸および緯糸から構成される織物であれば、互いに隣り合う経糸AおよびB、または互いに隣り合う緯糸CおよびD間に、該経糸AおよびB、または該緯糸CおよびDと直交する緯糸または経糸が切断された部分が存在し、かつ該織物を断面方向から見た際の該経糸AおよびB、又は該緯糸CおよびDの屈曲の位相が互いに異なっている織物である。また、コース構成成分およびウエール構成成分から構成される編物であれば、互いに隣り合うコース構成成分AおよびB、または互いに隣り合うウエール構成成分CおよびD間に、該コース構成成分AおよびB、又は該ウエール構成成分CおよびDと直交するウエール構成成分またはコース形成成分の長さに亘って隣接するループ同士が連結されていない部分が存在し、かつ該編物を断面方向から見た際の、該コース形成成分AおよびB、または該ウエール構成成分CおよびDの屈曲の位相が互いに異なっている編物である。
ここで、前記の浮き上がり高さが、布帛の湿潤状態により不変であってもよいし、可変であってもよい。例えば、以下のような態様が好ましく例示される。
まず、第1の態様は、布帛を温度20℃、湿度65%RHの雰囲気中に24時間放置した後(以下、「乾燥状態」ということもある。)において、前記スリット部を形成する両辺のうち少なくともどちらか1辺が浮き上がっている布帛である。
次に、第2の態様は、布帛に含水率が70%になるように霧吹きにて水を付与した後(以下、「湿潤状態」ということもある。)において、前記スリット部を形成する両辺のうち少なくともどちらか1辺が浮き上がっている布帛である。
また、第3の態様では前記乾燥状態と湿潤状態とでスリット部を形成する辺の浮き上がり高さが変化する布帛である。その際、乾燥状態と湿潤状態とで、辺の長さで2%以上変化することが好ましい。)
ここで、スリット部を形成する辺の浮き上がり高さが、図3および図5に模式的に示すように、湿潤状態における高さが乾燥状態における高さよりも大きくなってもよいし、逆に、図4に模式的に示すように湿潤状態における高さが乾燥状態における高さよりも小さくなってもよい。その際、浮き上がっている辺の長さが短くなって浮き上がり高さが小さくなってもよいし、浮き上がっていない辺の長さが大きくなって浮き上がり高さが小さくなってもよい。
なお、乾燥状態と湿潤状態とでスリット部を形成する辺の浮き上がり高さを変化させる手段としては、後記のように、吸水自己伸長糸(または吸水自己短縮糸)と非自己伸長糸とで構成される部位1と非自己伸長糸のみで構成される部位2との境界にスリット部を形成することが好ましい。この場合、布帛が湿潤されると、布帛に含まれる吸水自己伸長糸(吸水自己短縮糸)が自己伸長(自己短縮)する。その結果、スリット部を形成する両辺のうち部位1に位置する辺の長さが自己伸長(自己短縮)するので、スリット部を形成する辺の浮き上がり高さが変化する。
前記スリット部において、スリット部の長さ方向(長軸方向)は特に限定されないが、布帛の経方向または緯方向と同じ方向であることが好ましい。
また、前記スリット部のサイズは特に限定されないが、優れた通気性を得る上で、スリット部の長さが2〜20mmの範囲内であることが好ましい。また、優れた通気性を得る上で、スリット部を形成する両辺のうち、浮き上がっている1辺の浮き上がり高さが0.5〜10mmの範囲内であることが好ましい。
また、前記スリット部の個数は、優れた通気性を得る上で複数であることが好ましい。例えば、前記スリット部が布帛の経方向および/または緯方向に2〜30mmの間隔で配列していることが好ましい。
本発明を構成する繊維としては特に限定されないが、特開2007−327156号公報に記載された吸水自己伸長糸と非自己伸長糸とで構成されることが好ましい。
すなわち、吸水自己伸張糸と非自己伸張糸は以下に定義する糸である。すなわち、枠周:1.125mの巻き返し枠を用いて荷重:0.88mN/dtex(0.1g/de)をかけて一定の速度で巻き返し、巻き数:10回のかせを作り、かせ取りした糸を温度20℃、湿度65RH%の環境下に24時間放置し、これに非弾性糸の場合は1.76mN/dtex(200mg/de)、弾性糸の場合は0.0088mN/dtex(1mg/de)の荷重をかけて測定した糸長(mm)を乾燥時の糸長とする。該糸を水温20℃の水中に5分間浸漬した後に水中より引き上げ、該糸に乾燥時と同様に非弾性糸の場合は1.76mN/dtex(200mg/de)、弾性糸の場合は0.0088mN/dtex(1mg/de)の荷重をかけて測定した糸長(mm)を湿潤時の糸長とする。なお、前記非弾性糸とは破断伸度が200%以下の糸であり、前記弾性糸とは破断伸度が200%より高い糸である。そして、下記式で求められる繊維軸方向の膨潤率が5%以上のものを吸水自己伸張糸と定義する。一方、該膨潤率が5%未満のものを非自己伸張糸と定義する。
膨潤率(%)=((湿潤時の糸長)−(乾燥時の糸長))/(乾燥時の糸長)×100
ここで、吸水自己伸張糸としては、前記の膨潤率を有するものであれば特に限定されないが、6%以上(より好ましくは8〜30%)の膨潤率を有するものであることが好ましい。
かかる吸水自己伸張糸としては、例えば、ポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとし、ポリオキシエチレングリコールをソフトセグメントとするポリエーテルエステルエラストマーからなるポリエーテルエステル繊維や、ポリアクリル酸金属塩、ポリアクリル酸およびその共重合体、ポリメタアクリル酸およびその共重合体、ポリビニルアルコールおよびその共重合体、ポリアクリルアミドおよびその共重合体、ポリオキシエチレン系ポリマーなどを配合したポリエステル繊維、5−スルホイソフタル酸成分を共重合したポリエステル繊維などが例示される。なかでも、ポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとし、ポリオキシエチレングリコールをソフトセグメントとするポリエーテルエステルエラストマーからなるポリエーテルエステル繊維が好適に例示される。
上記ポリブチレンテレフタレートは、ブチレンテレフタレート単位を少なくとも70モル%以上含有することが好ましい。ブチレンテレフタレートの含有率は、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上である。酸成分は、テレフタル酸が主成分であるが、少量の他のジカルボン酸成分を共重合してもよく、またグリコール成分は、テトラメチレングリコールを主成分とするが、他のグリコール成分を共重合成分として加えてもよい。
テレフタル酸以外のジカルボン酸としては、例えばナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルキシエタンジカルボン酸、β−ヒドロキシエトキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸、アジピン酸、セバシン酸、1、4−シクロヘキサンジカルボン酸のような芳香族、脂肪族のジカルボン酸成分を挙げることができる。さらに、本発明の目的の達成が実質的に損なわれない範囲内で、トリメリット酸、ピロメリット酸のような三官能性以上のポリカルボン酸を共重合成分として用いても良い。
また、テトラメチレングリコール以外のジオール成分としては、例えばトリメチレングリコール、エチレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ネオペンチルグリコールのような脂肪族、脂環族、芳香族のジオール化合物を挙げることができる。更に、本発明の目的の達成が実質的に損なわれない範囲内で、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールのような三官能性以上のポリオールを共重合成分として用いてもよい。
一方、ポリオキシエチレングリコールは、オキシエチレングリコール単位を少なくとも70モル%以上含有することが好ましい。オキシエチレングリコールの含有量は、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上である。本発明の目的の達成が実質的に損なわれない範囲内で、オキシエチレングリコール以外にプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、グリセリンなどを共重合させても良い。
かかるポリオキシエチレングリコールの数平均分子量としては、400〜8000が好ましく、なかでも1000〜6000が特に好ましい。
前記のポリエーテルエステルエラストマーは、たとえば、テレフタル酸ジメチル、テトラメチレングリコールおよびポリオキシエチレングリコールとを含む原料を、エステル交換触媒の存在下でエステル交換反応させ、ビス(ω−ヒドロキシブチル)テレフタレート及び/又はオリゴマーを形成させ、その後、重縮合触媒及び安定剤の存在下で高温減圧下にて溶融重縮合を行うことにより得ることができる。
ハードセグメント/ソフトセグメントの比率は、重量を基準として30/70〜70/30であることが好ましい。
かかるポリエーテルエステル中には、公知の有機スルホン酸金属塩が含まれていると、さらに優れた吸水自己伸張性能が得られ好ましい。
ポリエーテルエステル繊維は、前記ポリエーテルエステルを、通常の溶融紡糸口金から溶融して押し出し、引取速度300〜1200m/分(好ましくは400〜980m/分)で引取り、巻取ドラフト率をさらに該引取速度の1.0〜1.2(好ましくは1.0〜1.1)で巻取ることにより製造することができる。
また、前記吸水自己伸張糸として、吸湿性が互いに異なる2成分ポリマーがサイドバイサイド型に接合された複合繊維を採用してもよい。例えば、特開2006−112009号公報に開示されたような、ポリエステル成分とポリアミド成分とがサイドバイサイド型に接合され、かつ潜在捲縮性能が発現してなる捲縮を有する複合繊維が好ましい。かかる複合繊維は湿潤時に捲縮率が低下することによりみかけ長さが長くなる繊維である。
ここで、ポリエステル成分としては、他方のポリアミド成分との接着性の点で、スルホン酸のアルカリまたはアルカリ土類金属、ホスホニウム塩を有し、かつエステル形成能を有する官能基を1個以上もつ化合物が共重合された、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンタレフタレート等の変性ポリエステルが好ましく例示される。なかでも、汎用性およびポリマーコストの点で、前記化合物が共重合された、変性ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。その際、共重合成分としては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸およびそのエステル誘導体、5−ホスホニウムイソフタル酸およびそのエステル誘導体、p−ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウムなどがあげられる。なかでも、5−ナトリウムスルホイソフタル酸が好ましい。共重合量としては、2.0〜4.5モル%の範囲が好ましい。該共重合量が2.0モル%よりも小さいと、優れた捲縮性能が得られるものの、ポリアミド成分とポリエステル成分との接合界面にて剥離が生じるおそれがある。逆に、該共重合量が4.5モル%よりも大きいと、延伸熱処理の際、ポリエステル成分の結晶化が進みにくくなるため、延伸熱処理温度を上げる必要があり、その結果、糸切れが多発するおそれがある。
一方のポリアミド成分としては、主鎖中にアミド結合を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ナイロン−4、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−46、ナイロン−12などがあげられる。なかでも、汎用性、ポリマーコスト、製糸安定性の点で、ナイロン−6およびナイロン−66が好適である。
次に、非自己伸張糸としては、木綿、麻などの天然繊維やレーヨン、アセテートなどのセルロース系化学繊維、さらにはポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレートに代表されるポリエステル、ポリアミド、ポリアクリルニトリル、ポリプロピレンなどの合成繊維が例示される。なかでも、通常のポリエステル繊維が好ましく例示される。
また、前記吸水自己伸張糸にかえて、ポリアミド成分とポリエステル成分とがサイドバイサイド型に接合された、下記のような吸水自己短縮糸を用いてもよい。かかる吸水自己短縮糸は湿潤時に捲縮率が増大することによりみかけ長さが短くなる繊維である。
ここで、前記ポリアミド成分としては、主鎖中にアミド結合を有するポリマーであり、例えばナイロン4、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン66等が挙げられる。特にコスト面、汎用性、製糸性等の観点からナイロン6、ナイロン66が好ましい。なお、これらのポリアミド成分をベースに公知の成分を共重合せしめても良く、又はこれらのポリアミド成分に酸化チタンやカーボンブラック等の顔料、公知の抗酸化剤、帯電防止剤、耐光剤等を含有させても良い。
一方、前記ポリエステル成分は、そのポリエステルを構成する繰り返し単位中60〜99.5モル%をエチレンテレフタレート単位が占め、0.5〜40モル%をエチレンイソフタレート単位が占める共重合ポリエステルから構成されることが好ましい。通常、ポリエステルの熱収縮率はポリアミドよりもかなり低いが、ポリエステルとしてこのような共重合ポリエステルを採用することによりポリエステルの熱収縮率をポリアミドに近づけることが可能となる。その結果、吸湿時の捲縮曲がり構造において、膨潤したポリアミド成分が外側に位置し、ポリエステル成分が内側に位置する構造になりやすくなり捲縮率が増大しやすい。ここで、エチレンテレフタレート単位が60モル%未満であると、得られる複合繊維の強伸度等の基本物性が十分に保持できないため好ましくない。エチレンテレフタレート単位が99.5モル%を超えたり、エチレンイソフタレートが0.5モル%未満であると、複合繊維が吸湿したときに捲縮率があまり増大せず(捲縮糸の見かけ長さが短くならず)、吸湿時に布帛の厚さが十分に減少しないおそれがある。エチレンイソフタレートが40モル%を越えると、複合繊維の強伸度等の基本物性が保持できず、また熱安定性にも劣り、製糸工程において分解性異物により紡糸口金部の濾過圧(パック圧)上昇が著しくなるおそれがある。
かかるポリエステルは任意の方法で製造されたものでよく、例えばポリエチレンテレフタレートについて説明すれば、テレフタル酸とエチレングリコールとを直接エステル化反応させる、テレフタル酸ジメチルの如きテレフタル酸の低級アルキルエステルとエチレングリコールとを直接エステル化反応させる、又はテレフタル酸とエチレンオキサイドとを反応させるなどして、テレフタル酸のグリコールエステル及び/又はその低重合体を生成させる。次いでこの生成物を減圧下加熱して所望の重合度になるまで重縮合反応させることによって製造される。
なお、このポリエステルは、ポリエステルを構成するエチレンテレフタレート成分及びエチレンイソフタレート成分以外に、第三成分が共重合されていてもよく、第三成分は、ジカルボン酸成分又はグリコール成分のいずれでもよい。かかるジカルボン酸としては、例えば、フタル酸、ジブロモテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、β−ヒドロキシエトキシ安息香酸の如き二官能性芳香族ジカルボン酸、セバシン酸、アジピン酸、シュウ酸の如き二官能性脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を挙げることができる。また上記グリコール成分の一部を他のグリコール成分で置き換えてもよく、かかるグリコール成分としては例えばシクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ネオペンチルグリコール,ビスフェノールA,ビスフェノールS、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−(2−ハイドロキシエトキシ)フェニル)プロパンの如き脂肪族、脂環族、芳香族のジオールが挙げられる。更に、上述のポリエステルに必要に応じて他のポリマーを少量ブレンド溶融したもの、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、トリメリット酸等の鎖分岐剤を少量使用したものであってもよい。このほか本発明のポリエステルは通常のポリエステルと同様に二酸化チタン、カーボンブラック等の顔料他、従来公知の抗酸化剤、着色防止剤が添加されていても勿論良い。
該ポリエステル成分にはポリエーテルエステルアミドが含まれることが好ましい。ポリエステル成分にポリエーテルエステルアミドが含まれていると、ポリエステル成分が柔らかくなり、吸湿時において、ポリアミド成分が膨潤する際にポリエステル成分が追従しやすくなり、吸湿時に捲縮率が増大しやすくなるため好ましい。該ポリエーテルエステルアミドのポリエステル成分への添加量はポリエステル成分重量に対して5〜55重量%であることが好ましい。5重量%未満では、複合繊維が吸湿したときに、捲縮率があまり増大せず(捲縮繊維の見かけ長さが短くなりにくく)、吸湿時に布帛の厚さが十分に減少しないおそれがある。また、55重量%を超えると、安定的に紡糸ができなくなるおそれがある。
該ポリエーテルエステルアミドは、好ましくは、両末端にカルボキシル基を有する数平均分子量500〜5,000のポリアミド(a)と数平均分子量1,600〜3,000のビスフェノール類のエチレンオキシド付加物(b)から誘導される。「誘導」とは両成分を反応させて得られるの意味であり、共重合して得られるとも捉えることができる。
両末端にカルボキシル基を有するポリアミド(a)は、ポリアミド部分と分子量調節剤からなる事が好ましい。そのポリアミド部分は(1)ラクタム開環重合体、(2)アミノカルボン酸の重縮合体、若しくは(3)ジカルボン酸とジアミンの重縮合体の少なくともいずれか1つからなる。このうち、(1)のラクタムとしては、ブチロラクタム、バレロラクタム、カプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタム、ウンデカノラクタムなどが挙げられる。(2)のアミノカルボン酸としては、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノペルゴン酸、ω−アミノカプリン酸,11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などが挙げられる。(3)のジカルボン酸としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジ酸、ドデカンジ酸,イソフタル酸などが挙げられる。また(3)のジアミンとしては、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミンなどが挙げられる。以上これらのラクタム、アミノカルボン酸、ジカルボン酸、ジアミンを総称してポリアミド部分形成性モノマーと称する。
上記の両末端にカルボキシル基を有するポリアミド(a)のポリアミド部分形成性モノマーとして例示したものは、2種以上を併用してもよい。これらのうち好ましいものは、カプロラクタム,12−アミノドデカン酸及びアジピン酸−ヘキサメチレンジアミンであり、特に好ましいものは、カプロラクタムである。
上記の両末端にカルボキシル基を有するポリアミド(a)は、更に炭素数4〜20のジカルボン酸成分を分子量調整剤として使用し、これの存在下に上記ポリアミド部分形成性モノマーを常法により開環重合あるいは重縮合させることによって得られる。炭素数4〜20のジカルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジ酸、若しくはドデカンジ酸などの脂肪酸ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、若しくはナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、若しくはジシクロヘキシル−4,4−ジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸;又は5−スルホイソフタル酸ナトリウム、若しくは5−スルホイソフタル酸カリウムなどの5−スルホイソフタル酸アルカリ金属塩などが挙げられる。これらのうち、好ましいものは、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸及び5−スルホイソフタル酸アルカリ金属塩である。より好ましいものはアジピン酸、テレフタル酸、5−スルホイソフタル酸ナトリウムである。
ポリアミド部分形成性モノマーを常法により開環重合あるいは重縮合させる際には、その平均重合度は2〜10である場合が好ましく、より好ましくは平均重合度が3〜8である。その結果このポリアミド部分の数平均分子量は100〜1,000、より好ましくは300〜700である。
更に上記両末端にカルボキシル基を有するポリアミド(a)は、分子量調整剤である炭素数4〜20のジカルボン酸成分の両末端にポリアミド部分が付与されている成分、片末端にポリアミド部分が付与されている成分、又は両末端にポリアミド部分が付与されている成分及び片末端にポリアミド部分が付与されている成分の混合物であっても良い。混合物である場合には、片末端にポリアミド部分が付与されている成分が1モルに対して、両末端にポリアミド部分が付与されている成分が1〜10モルとなるモル比が好ましい。より好ましくは片末端に付与されている成分1モルに対して、両末端に付与されている成分3〜8モルである。そして両末端にカルボキシル基を有するように上述のポリアミド部分形成性モノマーのカルボキシル基を有する成分の量を適宜調整する。ポリアミド部分形成性モノマーとしてラクタム及び/又はアミノカルボン酸のみ使用するならば分子量調節剤がジカルボン酸成分なので、容易に両末端がカルボキシル基を有するポリアミド(a)を製造することができる。ポリアミド部分形成性モノマーとしてジカルボン酸とジアミンの重縮合体を用いる場合には、例えば重合体の最後にジカルボン酸を改めて反応させる等の方法を用いる事で両末端がカルボキシル基を有するポリアミド(a)を製造することができる。
上記両末端にカルボキシル基を有するポリアミド(a)の数平均分子量は、通常、500〜5,000、好ましくは500〜3,000である。数平均分子量が500未満ではポリエーテルエステルアミド自体の耐熱性が低下し、一方、5,000を超えると反応性が低下するためポリエーテルエステルアミド製造時に多大な時間を要する。数平均分子量をこの範囲とするためには、分子量調節剤となる炭素数4〜20のジカルボン酸成分の選択、ポリアミド部分の重合の際における反応条件を適宜設定することによって可能となる。
また、ビスフェノール類のエチレンオキシド付加物(b)において、ビスフェノール類としては、ビスフェノールA(4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−プロパン)、ビスフェノールF(4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン)、ビスフェノールS(4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン)及び4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタンなどが挙げられ、これらのうちビスフェノールAが好ましい。
上記のビスフェノール類のエチレンオキシド付加物(b)は、これらのビスフェノール類にエチレンオキシドを常法により付加させることにより得られる。また、エチレンオキシドと共に他のアルキレンオキシド(プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、1,4−ブチレンオキシドなど)を併用することもできるが、他のアルキレンオキシドの用いる量は用いる全エチレンオキシドの重量に基づいて、通常、10重量%以下である。
また上記付加物(b)はビスフェノール類の2つのヒドロキシル基に対して、平均で20〜70モルのエチレンオキシド、他のアルキレンオキシド(以下、エチレンオキシド等という)が重合されている場合が好ましい。より好ましくは32〜60モルのエチレンオキシド等が重合されている場合である。すなわちビスフェノールの1つのヒドロキシル基に対して10〜35モル、より好ましくは16〜30モル、更に好ましくは16〜20モルのエチレンオキシド等が重合(付加)されている付加物であることである。
上記付加物(b)の数平均分子量は、通常、1,600〜3,000であり、特にエチレンオキシド付加モル数が32〜60のものを使用することが好ましい。数平均分子量が1,600未満では、帯電防止性が不十分となり、一方、3,000を超えると反応性が低下するためポリエーテルエステルアミド製造時に多大な時間を要する。数平均分子量は、好ましくは1,800〜2,400、エチレンオキシド等の付加モル数は、さらに好ましくは32〜40である。数平均分子量をこの範囲にするには、ビスフェノール類の分子量を考慮したうえで、エチレンオキシド等の付加モル数をその調整することにより達成する事ができる。
以上の付加物(b)は、ポリエーテルエステルアミド中の上記(a)と(b)の合計重量に基づいて20〜80重量%の範囲で用いられる。付加物(b)の量が20重量%未満ではポリエーテルエステルアミドの帯電防止性が劣り、一方、80重量%を超えるとポリエーテルエステルアミドの耐熱性が低下するために好ましくない。より好ましくは、付加物(b)は上記(a)と(b)の合計重量に基づいて40〜70重量%の範囲で用いられる。
本発明に用いられるポリエーテルエステルアミドの相対粘度は、1.5〜3.5(0.5重量%、m−クレゾール溶液、25℃)、好ましくは、2.0〜3.0である。1.5未満では、混練するベースポリマー成分(ポリアミド成分及びポリエステル成分)との溶融粘度差が大きくなるために導管内や紡糸パック内で滞留しやすくなり、長時間にわたる紡糸を実施すると吐出異常が起こりやすく、得られる複合繊維の品質が安定しない。一方、3.5を超える範囲では、製糸の際の断糸の原因となる。
該ポリエーテルエステルアミドのポリアミド成分への添加量は0重量%が最適である。少量でも添加すると、ポリアミド成分の吸湿伸長性が低下し、本発明の目的である吸湿時に捲縮が発現してみかけ糸長が縮むという機能が損なわれる。
本発明の布帛は例えば以下の方法により製造することができる。
まず、前記の第1の態様および第2の態様を製造する方法としては、下記の方法が好ましい。弾性繊維(例えば、ポリウレタン弾性繊維またはポリエーテルエステル弾性繊維)また仮撚捲縮加工糸を含む部位と非弾性かつ非捲縮繊維のみで構成される部位とを有する布帛を常法により織編成し両部位の境界にスリット部を形成すると、スリット部を形成する両辺のうち弾性繊維また仮撚捲縮加工糸を含む部位に位置する辺の長さが、弾性繊維また仮撚捲縮加工糸の弾性回復により短くなるため、他方の辺が浮き上がる。また、弾性繊維また仮撚捲縮加工糸にかえて熱収縮繊維を用いて布帛を得て、染色加工などの熱処理により熱収縮繊維を熱収縮させることにより、スリット部を形成する両辺のうち他方の辺を浮き上がらせてもよい。
次に、第3の態様を製造する方法としては、下記の方法が好ましい。前記吸水自己伸長糸(または吸水自己短縮糸)と非自己伸長糸とで構成される部位1と非自己伸長糸のみで構成される部位2とを有する布帛を、常法により織編成し両部位の境界にスリット部を形成すると、布帛が湿潤されることにより、スリット部を形成する両辺のうち部位2に位置する辺が伸張し浮き上がる。
なお、スリット部を形成する方法としては、編組織により形成する方法、カッター、レーザー、超音波等のカッテイングにより形成する方法、繊維の溶解により形成する方法などが好ましい。なかでも編組織により形成すると、繊維のほつれなどが発生するおそれがなく好ましい。なお、編組織によりスリット部を形成するには、トリコットのメッシュ組織などがほつれ難いことから好ましく、特に鎖編みを含んだメッシュ組織は細いスリット状のメッシュが作り易く好ましい。
本発明の布帛において、織編組織は特に限定されず、例えば、平織、綾織、サテンなどの織組織や、天竺、スムース、フライス、鹿の子、デンビー、トリコットなどの編組織が好適に例示されるが、これらに限定されるものではない。層数は単層が好ましいが、2層以上の多層であってもよい。
また、かかる布帛には、常法の染色加工、吸水加工、さらには、常法の起毛加工、紫外線遮蔽あるいは抗菌剤、消臭剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射剤、マイナスイオン発生剤、撥水剤等の機能を付与する各種加工を付加適用してもよい。特に、布帛に金属酸化物またはカーボン粒子を含ませると紫外線に対する遮蔽性が向上し好ましい。その際、金属酸化物またはカーボン粒子を、布帛を構成する繊維に練り込んでもよいし、後加工により布帛に付与してもよい。
かくして得られた布帛において、スリット部を形成する両辺のうち少なくともどちらか1辺が浮き上がっているので、光の透過を抑制しながら優れた通気性が得られる。
次に、本発明の繊維製品は、前記の布帛を用いてなる、アウター用衣料、スポーツ用衣料、インナー用衣料、靴材、おしめや介護用シーツ等の医療・衛生用品、寝装寝具、椅子やソファー等の表皮材、カーペット、カーシート地、インテリア用品からなる群より選択されるいずれかの繊維製品である。かかる繊維製品は前記の布帛を用いているので、通気性と防透性という通常相反する性質を兼備する。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、実施例中の各物性は下記の方法により測定したものである。
<沸水収縮率(BWS)>
供試フィラメント糸条を、周長1.125mの検尺機のまわりに10回巻きつけて、かせを調製し、このかせを、スケール板の吊るし釘に懸垂し、懸垂しているかせの下端に、かせの総質量の1/30の荷重をかけて、かせの収縮処理前の長さL1を測定した。
このかせから荷重を除き、かせを木綿袋に入れ、このかせを収容している木綿袋を沸騰水から取り出し、この木綿袋からかせを取り出し、かせに含まれる水をろ紙により吸収除去した後、これを室温において24時間風乾した。この風乾されたかせを、前記スケール板の吊し釘に懸垂し、かせの下部分に、前記と同様に、かせの総質量の1/3の荷重をかけて、収縮処理後のかせの長さL2を測定した。
供試フィラメント糸条の沸水収縮率(BWS)を、下記式により算出した。
BWS(%)=((L1−L2)/L1)×100
<膨潤率の測定>
枠周:1.125mの巻き返し枠を用いて荷重:0.88mN/dtex(0.1g/de)をかけて一定の速度で巻き返し、巻き数:10回のかせを作り、かせ取りした糸を温度20℃、湿度65RH%の環境下に24時間放置し、これに非弾性糸の場合は1.76mN/dtex(200mg/de)、弾性糸の場合は0.0088mN/dtex(1mg/de)の荷重をかけて測定した糸長(mm)を乾燥時の糸長とする。該糸を水温20℃の水中に5分間浸漬した後に水中より引き上げ、該糸に乾燥時と同様に非弾性糸の場合は1.76mN/dtex(200mg/de)、弾性糸の場合は0.0088mN/dtex(1mg/de)の荷重をかけて測定した糸長(mm)を湿潤時の糸長とした。
膨潤率(%)=((湿潤時の糸長)−(乾燥時の糸長))/(乾燥時の糸長)×100
<織編物中における複合繊維の捲縮率>
織編物を温度20℃、湿度65%RHの雰囲気中に24時間放置した後、該織編物から織編物と同じ方向の30cm×30cmの小片を裁断する(n数=5)。次いで、各々の小片から、複合繊維を取り出し、1.76mN/dtex(200mg/de)の荷重をかけて糸長L0fを測定し、除重1分後0.0176mN/dtex(2mg/de)の荷重をかけて糸長L1fを測定する。さらにこの糸を温度20℃の水中に2時間浸漬した後取り出し、ろ紙にて0.69mN/mの圧力を5秒間かけて軽く水を拭き取った後、1.76mN/dtex(200mg/de)の荷重をかけて糸長L0f’を測定し、除重1分後0.0176mN/dtex(2mg/de)の荷重をかけて糸長L1f’を測定する。以上の測定数値から下記の計算式にて、乾燥時の捲縮率DCf(%)、湿潤時の捲縮率HCf(%)、乾燥時と湿潤時の捲縮率差(DCf−HCf)(%)を算出した。なお、n数は5で平均値を求めた。
乾燥時の捲縮率DCf(%)=((L0f−L1f)/L1f)×100
湿潤時の捲縮率HCf(%)=(L0f’−L1f’)/L1f’)×100
<スリット部を形成する辺の浮き上がり高さ>
布帛を温度20℃、湿度65%RHの雰囲気中に24時間放置した後(乾燥状態)と、布帛に含水率が70%になるように霧吹きにて水を付与した後(湿潤状態)について、スリット部を形成する辺の浮き上がり高さを測定した。
<目付>
JIS L1018 8.4.2により布帛の目付を測定した。
[実施例1]
28ゲージのトリコット編機を用いて、総繊度84dtex/72filのポリエチレンテレフタレート仮撚捲縮加工糸をフルセットでバック筬に通し、該ポリエチレンテレフタレート仮撚捲縮加工糸と総繊度84デシテックス/72filの非捲縮ポリエチレンテレフタレートフィラメント糸とをこの順に3in3in1outでミドル筬に通し、非捲縮ポリエチレンテレフタレートフィラメントを6out1inでフロント筬に通し、バック01−10、ミドル10−12、フロント10−(23−21)*4−23−(10−12)*4の編組織で編成した。なお、かかる編組織において、フロント(23−21)*4の位置でスリットが形成される。
次いで、得られた編地を130℃の高圧染色の後、最終セットとして160℃の乾熱セット行った。得られた編地の目付けは181g/mであった。また、図1のようにミドル筬に非捲縮ポリエチレンテレフタレートフィラメント糸を使用した部分が部位1であり、ミドル筬にポリエチレンテレフタレート仮撚捲縮加工糸を用いた部分が部位2となった。また、スリット部を境界として部位1と部位2とがストライプ状に配置され、捲縮加工糸を用いた部位2が染色加工時に部位1より縮んだ結果、スリット部を形成する両辺のうち部位1の位置する辺が浮き上がり、スリット部が立体的に開口している立体メッシュ構造布帛が得られた。
かかる布帛において、前記スリット部の長さ方向が布帛の経方向と同じ方向であり、浮き上がっている1辺の浮き上がり高さが乾燥状態で4mm、湿潤状態で4mmであった。また、スリット部の長さが4mmであった。
かかる布帛において、光が透過せず、かつ通気性に優れていた。次いで、該布帛を用いてスポーツ用衣料とインナー用衣料を縫製して着用したところ、通気性と防透性ともに優れていた。
[実施例2]
特開2006−112009号公報の実施例1と同様にして複合繊維を得た。すなわち、固有粘度[η]が1.3のナイロン6と、固有粘度[η]が0.39で2.6モル%の5−ナトリウムスルフォイソフタル酸を共重合させた変性ポリエチレンテレフタレートとをそれぞれ270℃、290℃にて溶融し、それぞれ12.7g/分の吐出量にて押し出しサイドバイサイド型複合繊維を形成させ、冷却固化、油剤を付与した後、糸条を速度1000m/分、温度60℃の予熱ローラーにて予熱し、ついで、該予熱ローラーと、速度3050m/分、温度150℃に加熱された加熱ローラー間で延伸熱処理を行い、巻取り、84dtex/24filの複合繊維を得た。
次いで、実施例1において、非捲縮ポリエチレンテレフタレートフィラメント糸にかえて該複合繊維を用いること以外は実施例1と同様にした。
かかる布帛から前記複合繊維(染色加工により捲縮を発現している。)を取り出し、乾燥時と湿潤時の捲縮率差(DCf−HCf)(%)を測定したところ42%であった。すなわち、前記複合繊維は、湿潤時に捲縮率が低下することによりみかけ長さが長くなる繊維であった。
かくして得られた布帛において、目付けは185g/mであり、図3のように乾燥状態ではスリットが立体的に開いておらずフラットな外観(浮き上がり高さ0.2mm、スリット部の長さ4mm)であったが、湿潤状態はミドル筬に配した複合繊維(捲縮繊維)の捲縮率が低下した(みかけ長さが長くなった)結果、スリット部を形成する両辺のうち部位1の位置する辺が浮き上がり(浮き上がり高さ3.5mm)、スリット部が立体的に開口した。
かかる布帛において、光が透過せず、かつ通気性に優れていた。次いで、該布帛を用いてスポーツ用衣料とインナー用衣料を縫製して着用したところ、通気性と防透性ともに優れていた。
[実施例3]
実施例1において、捲縮ポリエチレンテレフタレートフィラメント糸にかえて実施例2で用いた複合繊維を用いること以外は実施例1と同様にした。
かかる布帛から前記複合繊維(染色加工により捲縮を発現している。)を取り出し、乾燥時と湿潤時の捲縮率差(DCf−HCf)(%)を測定したところ43%であった。すなわち、前記複合繊維は、湿潤時に捲縮率が低下することによりみかけ長さが長くなる繊維であった。
かくして得られた布帛において、目付けは185g/mであり、図4のように乾燥状態ではスリットが立体的に開口していた(浮き上がり高さ3.8mm、スリット部の長さ4mm)が、湿潤状態では、開口したスリット部が閉じられ、フラットな外観(浮き上がり高さ0.2mm)となった。
かかる布帛において、光が透過せず、かつ通気性に優れていた。次いで、該布帛を用いてスポーツ用衣料とインナー用衣料を縫製して着用したところ、通気性と防透性ともに優れていた。
[実施例4]
特開2005−36374の実施例2と同様にしてカバリング糸を得た。すなわち、ハードセグメントとしてポリブチレンテレフタレートを49.8重量部、ソフトセグメントとして数平均分子量4000のポリオキシエチレングリコール50.2重量部からなるポリエーテルエステルを、230℃で溶融し、所定の紡糸口金より吐出量3.05g/分で押出した。このポリマーを2個のゴデットロールを介して705m/分で引取り、さらに750m/分(巻取りドラフト1.06)で巻取り、44デシテックス/1フィラメントの弾性を有する吸水自己伸張糸を得た。この吸水自己伸張糸の湿潤時の繊維軸方向への膨潤率は10%であり、沸水収縮率は8%であった。
次いで、該吸水自己伸張糸を芯糸とし、沸水収縮率が10%であり、かつ湿潤時の膨張率が1%以下のポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸(33デシテックス/12フィラメント)を鞘糸にし、芯糸のドラフト率30%(1.3倍)、鞘糸のカバリング数350回/m(Z方向)にてカバリング糸(複合糸)を得た。
次いで、実施例2において、複合繊維のかわりに前記カバリング糸を用いること以外は実施例2と同様にした。
得られた編地は、目付けは193g/mであり、図3のように乾燥状態ではスリットが立体的に開いておらずフラットな外観(浮き上がり高さ0.3mm、スリット部の長さ4mm)であったが、湿潤状態はミドル筬に配したカバリング糸が自己伸張した結果、スリット部を形成する両辺のうち部位1の位置する辺が浮き上がり(浮き上がり高さ4.2mm)、スリット部が立体的に開口した。
[比較例1]
実施例1において、ミドル筬に、84デシテックス/72本の非捲縮ポリエチレンテレフタレートフィラメント糸のみを用いる以外は、実施例1と同様にした。
得られた編地は目付けが181g/mであり、領域Aと領域Bが存在せず、乾燥状態も吸水状態もスリットが立体的に開くことがなく(浮き上がり高さ0.2mm、スリット部の長さ4mm)、図2のようなフラットな外観であった。
本発明によれば、スリット部を有する布帛であって通気性と防透性とを兼備した布帛、および該布帛を用いてなる繊維製品が提供され、その工業的価値は極めて大である。
1 部位1
2 部位2
3 スリット部
4 スリット部を形成する両辺のうち浮き上がった辺
5 スリット部を形成する両辺のうち浮き上がっていない辺
6 スリット部

Claims (14)

  1. 表面にスリット部を有する布帛であって、前記スリット部を形成する両辺のうち1辺が他の辺よりも立体的に浮き上がることにより、前記スリット部が立体的に開口していることを特徴とするスリット部を有する布帛。
  2. 布帛を温度20℃、湿度65%RHの雰囲気中に24時間放置した後において、前記スリット部を形成する両辺のうち1辺が他の辺よりも立体的に浮き上がっている、請求項1に記載のスリット部を有する布帛。
  3. 布帛に含水率が70%になるように水を付与した後において、前記スリット部を形成する両辺のうち1辺が他の辺よりも立体的に浮き上がっている、請求項1または請求項2に記載のスリット部を有する布帛。
  4. 布帛を温度20℃、湿度65%RHの雰囲気中に24時間放置した後の状態と、布帛に含水率が70%になるように水を付与した後の状態とで、スリット部を形成する辺の浮き上がり状態が変化する、請求項1〜3のいずれかに記載のスリット部を有する布帛。
  5. 前記スリット部の長さ方向が、布帛の経方向または緯方向と同じ方向である、請求項1〜4のいずれかに記載のスリット部を有する布帛。
  6. 前記スリット部の長さが2〜20mmの範囲内である、請求項1〜5のいずれかに記載のスリット部を有する布帛。
  7. スリット部を形成する両辺のうち、浮き上がっている1辺の浮き上がり高さが0.5〜10mmの範囲内である、請求項1〜6のいずれかに記載のスリット部を有する布帛。
  8. 布帛が吸水自己伸長糸と非自己伸長糸とで構成され、吸水自己伸長糸と非自己伸長糸とで構成される部位1と非自己伸長糸のみで構成される部位2とを有し、かつ前記部位1と部位2との境界に前記スリット部が形成されている、請求項1〜7のいずれかに記載のスリット部を有する布帛。
    ただし、吸水自己伸張糸と非自己伸張糸は以下に定義する糸である。すなわち、枠周:1.125mの巻き返し枠を用いて荷重:0.88mN/dtex(0.1g/de)をかけて一定の速度で巻き返し、巻き数:10回のかせを作り、かせ取りした糸を温度20℃、湿度65RH%の環境下に24時間放置し、これに非弾性糸の場合は1.76mN/dtex(200mg/de)、弾性糸の場合は0.0088mN/dtex(1mg/de)の荷重をかけて測定した糸長(mm)を乾燥時の糸長とする。該糸を水温20℃の水中に5分間浸漬した後に水中より引き上げ、該糸に乾燥時と同様に非弾性糸の場合は1.76mN/dtex(200mg/de)、弾性糸の場合は0.0088mN/dtex(1mg/de)の荷重をかけて測定した糸長(mm)を湿潤時の糸長とする。なお、前記非弾性糸とは破断伸度が200%以下の糸であり、前記弾性糸とは破断伸度が200%より高い糸である。そして、下記式で求められる繊維軸方向の膨潤率が5%以上のものを吸水自己伸張糸と定義する。一方、該膨潤率が5%未満のものを非自己伸張糸と定義する。
    膨潤率(%)=((湿潤時の糸長)−(乾燥時の糸長))/(乾燥時の糸長)×100
  9. 前記吸水自己伸長糸が、ポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとし、ポリオキシエチレングリコールをソフトセグメントとするポリエーテルエステルエラストマーからなるポリエーテルエステル繊維である、請求項8に記載のスリット部を有する布帛。
  10. 前記吸水自己伸長糸が、吸湿性が互いに異なる2成分ポリマーがサイドバイサイド型に接合された複合繊維である、請求項8に記載のスリット部を有する布帛。
  11. 前記非自己伸長糸がポリエステル繊維または弾性繊維である、請求項8〜10のいずれかに記載のスリット部を有する布帛。
  12. 前記スリット部が、編組織またはカッテイングまたは繊維の溶解により形成されている、請求項1〜11のいずれかに記載のスリット部を有する布帛。
  13. 布帛に金属酸化物またはカーボン粒子が含まれる、請求項1〜11のいずれかに記載のスリット部を有する布帛。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載の布帛を用いてなる、アウター用衣料、スポーツ用衣料、インナー用衣料、靴材、おしめや介護用シーツ等の医療・衛生用品、寝装寝具、椅子やソファー等の表皮材、カーペット、カーシート地、インテリア用品からなる群より選択されるいずれかの繊維製品。
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