JP2011015853A - 弾球遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】釘曲げゴトによる不正行為を確実に防止できる弾球遊技機を提供する。
【解決手段】ワープ通路26に入球した遊技球がステージ17に設けられた誘導通路25の内部を通過して第1の始動入賞口18に高確率で入賞する弾球遊技機において、誘導通路25の内部に排出通路29とその下流側に堰き止め部材31を設け、ワープ通路26に入球する遊技球の単位時間当たりの個数T1が基準値T0を越えたとき、堰き止め部材31を突出させて所定数の遊技球を誘導通路25内に堰き止めると共に、それ以上の遊技球を排出通路29から遊技盤3の裏面側へ排出する。また、ワープ通路26に入球する遊技球の単位時間当たりの個数T1が基準値T0を下回った時点で、堰き止め部材31を退避位置へ変位させることで、堰き止めていた所定数の遊技球を第1の始動入賞口18に向けて解放する。
【選択図】図7
【解決手段】ワープ通路26に入球した遊技球がステージ17に設けられた誘導通路25の内部を通過して第1の始動入賞口18に高確率で入賞する弾球遊技機において、誘導通路25の内部に排出通路29とその下流側に堰き止め部材31を設け、ワープ通路26に入球する遊技球の単位時間当たりの個数T1が基準値T0を越えたとき、堰き止め部材31を突出させて所定数の遊技球を誘導通路25内に堰き止めると共に、それ以上の遊技球を排出通路29から遊技盤3の裏面側へ排出する。また、ワープ通路26に入球する遊技球の単位時間当たりの個数T1が基準値T0を下回った時点で、堰き止め部材31を退避位置へ変位させることで、堰き止めていた所定数の遊技球を第1の始動入賞口18に向けて解放する。
【選択図】図7
Description
本発明は、パチンコ機に代表される弾球遊技機に関するものである。
一般的にパチンコ機は、透明なガラス板を有するガラス扉によって覆われた遊技盤を備えており、この遊技盤に形成された遊技領域に向けて発射装置から遊技球が打ち出されるようになっている。このようなパチンコ機の中には、遊技領域に可変表示ユニットや始動入賞口を配設し、遊技領域を流下する遊技球が始動入賞口に入賞したことを契機に電子抽選を行い、その抽選結果に基づいて可変表示ユニットの表示装置が図柄の変動表示および停止表示を行うようにした機種が存在する。電子抽選の抽選結果には当たりとハズレがあり、抽選結果が当たりの場合には、可変表示ユニットの表示装置に所定の特別図柄の組み合わせが表示され、通常モードから特別遊技モードへと移行する。この特別遊技モードでは、例えばアタッカを開放動作して露呈される大入賞口に遊技球が入るので、遊技者は多くの賞球を獲得することができる。
可変表示ユニットは、液晶パネル等からなる表示装置と、中央部を開口した合成樹脂製の装飾枠体とを備えており、表示装置の表示画面は装飾枠体の開口から露出している。通常、装飾枠体の下壁部には左右方向へ延びるステージが設けられており、このステージには上下両端を開口した中空構造の誘導通路が設けられ、始動入賞口は誘導通路の出口の真下位置に配置されている。また、装飾枠体の左側壁部には両端を遊技領域とステージに向けて開口したワープ通路が設けられており、可変表示ユニット近傍の遊技領域を流下する遊技球がワープ通路の入口に飛び込むと、この遊技球はワープ通路を通過してステージ上に排出されるようになっている。これにより、ワープ通路に入球した遊技球は、ステージ上を転動して誘導通路の入口まで導かれた後、誘導通路の内部を通過して出口から落下し、その真下に配置された始動入賞口に高確率で入賞することができる。
遊技領域には可変表示ユニットと始動入賞口の他に遊技釘や風車等が設けられており、このうち、遊技釘は遊技領域の広範囲に亘って多数植設されて遊技球の流下経路を規定する役割を担っている。特に、ワープ通路の入口付近に植設された遊技釘は、ワープ通路からステージを経て始動入賞口に入賞する遊技球の入球率を大きく左右するため、特典を不正に取得しようとする悪意者が、ガラス扉の周囲の隙間から挿入したピアノ線等をワープ通路の入口付近に植設された遊技釘に引っ掛け、この遊技釘を曲げて植設角度を強引に変更するといった不正行為、いわゆる釘曲げゴトと呼ばれる不正行為が行われることがあり、遊技場において深刻な問題となっている。
そこで従来より、このような釘曲げゴトを防止するために、特定の入賞口(例えばワープ通路)における単位時間当たりの入賞個数をカウントする計数手段を備え、そのカウント値と予め設定された基準値とを比較し、カウント値が基準値を上回った場合に、これを異常と判定してスピーカやランプ等の報知手段を用いてエラー報知するようにした弾球遊技機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に開示された従来技術では、釘曲げゴトによる異常判定をエラー報知するだけであるため、ゴト行為をしている悪意者(ゴト師)がエラー報知を周囲に気が付かさせないような工夫、例えば報知手段であるスピーカやランプを破損した場合、ゴト行為の発見が遅れたり見過ごされる虞があり、万全なゴト対策とは言い難かった。
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、釘曲げゴトによる不正行為を確実に防止できる弾球遊技機を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明は、遊技球が落下する遊技領域を有する遊技盤と、前記遊技領域に設けられたワープ通路と、このワープ通路を通過した遊技球が転動するステージと、このステージに設けられた流入口に連通する誘導通路と、この誘導通路の出口の真下位置に設けられた始動入賞口とを備えた弾球遊技機において、前記誘導通路内の途中から分岐する排出通路と、この排出通路よりも少なくとも遊技球の1個分以上だけ下流側に配置された堰き止め部材と、前記ワープ通路を通過する遊技球の単位時間当たりの個数を演算する演算手段と、この演算手段の演算結果に基づいて前記堰き止め部材を駆動する駆動制御手段とを備え、前記演算手段によって算出された単位時間当たりの個数が基準値を下回っているとき、前記駆動制御手段は前記堰き止め部材を前記誘導通路から退避する退避位置へ変位させ、前記演算手段によって算出された単位時間当たりの個数が基準値を上回っているとき、前記駆動制御手段は前記堰き止め部材を前記誘導通路内に突出する突出位置へ変位させるようにした。
このように構成された弾球遊技機では、ワープ通路の入口付近に植設された遊技釘がゴト師によって不正に曲げられ、それに伴ってワープ通路に入球する遊技球の単位時間当たりの個数が基準値を上回ると、堰き止め部材が突出位置へ変位して誘導通路内に突出するため、ワープ通路からステージ上を経て誘導通路内に入球した遊技球は、堰き止め部材で堰き止められて誘導通路の出口から始動入賞口に向かって落下することはない。その際、堰き止め部材は排出通路よりも少なくとも遊技球の1個分以上だけ下流側に配置されているため、堰き止め部材によって堰き止められ遊技球が所定数に達すると、その後に誘導通路に入球した遊技球は排出通路から排出されるため、遊技球が誘導通路の内部に詰まってしまうことはない。また、正規の遊技中にワープ通路への入球率がたまたま上昇することにより、堰き止め部材が突出位置へ変位して遊技球を堰き止めてしまった場合においても、その後にワープ通路に入球する遊技球の単位時間当たりの個数が基準値を下回れば、堰き止め部材が退避位置へ変位して堰き止めていた所定数の遊技球を始動入賞口に向けて解放するため、正規に遊技を行っている遊技者の利益をある程度は担保することができる。
本発明の弾球遊技機によれば、ゴト師によってワープ通路の入口付近の遊技釘が不正に曲げられると、ワープ通路からステージ上を経て誘導通路内に入球した遊技球が堰き止め部材によって誘導通路内に堰き止められ、堰き止め部材で堰き止められ遊技球が所定数に達すると、その後に誘導通路に入球した遊技球は排出通路へ排出されるため、釘曲げゴトによる不正行為を確実に防止することができる。また、正規の遊技中にワープ通路への入球率がたまたま上昇し、堰き止め部材が突出位置へ変位して遊技球を堰き止めてしまった場合においても、その後にワープ通路に入球する遊技球の単位時間当たりの個数が基準値を下回れば、堰き止め部材が退避位置へ変位して堰き止めていた所定数の遊技球を始動入賞口に向けて解放するため、正規に遊技を行っている遊技者の利益をある程度は担保することができる。
発明の実施の形態について図面を参照して説明すると、図1に示すように、本発明の実施形態例に係るパチンコ機(弾球遊技機)Pは、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた前面枠2と、前面枠2の内側に収容された後述する遊技盤3と、前面枠2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられ、中央に大きく開口部4が形成されたガラス扉5と、このガラス扉5の開口部4に取り付けられた透明なガラス板6と、前面枠2の下側に開閉自在に配設され、遊技球を収容する受皿7を有する前面ボード8と、前面ボード8に取り付けられた発射ハンドル9等を具備している。
図2に示すように、遊技盤3の盤面はガイドレール10等で囲まれた遊技領域11となっており、遊技中に遊技領域11はガラス扉5のガラス板6を透して目視可能となっている。そして、遊技者によって発射ハンドル9が任意角度に回転操作されると、前面枠2の下部に設けられた発射装置12が受皿7に貯留された遊技球を遊技領域11に向けて連続的に打ち出せるようになっている。
遊技領域11内の上部中央付近には可変表示ユニット13が配設されており、この可変表示ユニット13の左右両側に位置する遊技領域11には通過チャッカー14が配設されている。可変表示ユニット13は、液晶パネルからなる表示装置15と、中央部を開口した合成樹脂製の装飾枠体16とによって構成されており、表示装置15の表示画面は装飾枠体16の開口内に露出している。装飾枠体16の下壁部には後述するステージ17が設けられており、このステージ17の中央部の真下位置には第1の始動入賞口18と第2の始動入賞口19が積層状態で配設されている。上段側に配置された第1の始動入賞口18は可動片を有しない非作動式の入賞口であるが、下段側に配置された第2の始動入賞口19は一対の可動片を有する作動式(電動チューリップ構造)の入賞口となっている。そして、これら第1および第2の始動入賞口18,19のいずれか一方に遊技球が入賞すると、それを契機として特別図柄表示の電子抽選が行われ、表示装置15の表示画面上で図柄の変動表示と停止表示が行われる。また、通過チャッカー14を遊技球が通過したことを契機として普通図柄表示の電子抽選が行われ、その抽選結果が当たりの場合に第2の始動入賞口19の可動片を一時的に開放して遊技球の入球を許可するようになっている。
第2の始動入賞口19の真下位置にはアタッカー20が配設されており、このアタッカー20によって図示せぬ大入賞口が覆われている。アタッカー20は、前述した特別図柄表示の電子抽選の結果、当たりとなって大当たり遊技状態(特別遊技モード)に移行した場合に作動される装置である。具体的には、特別図柄表示の電子抽選が当たりの場合、表示装置15の表示画面上で図柄の変動表示を例えば「777」のように特別図柄で停止させると共に、アタッカー20が複数回繰り返し開放動作して大入賞口を露呈させる。アタッカー20は1回の開放動作について例えば30秒通過するまで、あるいは遊技球が大入賞口に例えば10個入球するまで開放状態を維持し、かかる開放動作を例えば15回繰り返した後に大当たりが終了する。その他、遊技領域11には遊技球の払い出しのみを行う複数の一般入賞口21が配設されており、いずれの始動入賞口18,19や一般入賞口21にも入賞しなかった遊技球は、遊技領域11の最下端部に設けられたアウト口22から遊技盤3の裏面側に排出されるようになっている。なお、図2中には図示省略されているが、遊技領域11には遊技釘(後述する)と風車が設けられており、遊技球はこれら遊技釘や風車によって不規則に変化しながら遊技領域11内を流下していくこととなる。
図3に示すように、前記ステージ17は上側ステージ23と下側ステージ24とで構成される二段ステージとなっている。上側ステージ23は表示装置15の下辺部に沿って左右方向に延びており、その中央部には誘導通路25の入口である流入口25aが開設されている。誘導通路25は装飾枠体16の内部を貫通する中空通路であり、その出口25bは下側ステージ24の中央部の真下で遊技盤3の盤面に向けて開口している。これにより、遊技球が上側ステージ23上を転動して流入口25aに入球すると、その遊技球は誘導通路25の内部を通って出口25bから落下した後、出口25bの真下に配置された第1の始動入賞口18に高確率で入賞することとなる。また、下側ステージ24は上側ステージ23の下面に沿って左右方向に延びており、その中央部を含めた3箇所に誘導溝24aが形成されている。これにより、遊技領域11を流下する遊技球が下側ステージ24に飛び込むと、その遊技球は下側ステージ24上を転動した後、あるものは中央部の誘導溝24aから落下して第1の始動入賞口18に高確率で入賞し、あるものは左右の誘導溝24aから落下して遊技領域11に戻ることとなる。
装飾枠体16の左側壁部には中空構造のワープ通路26が設けられており、このワープ通路26の内部には遊技球の通過を検知する検知センサ27が設けられている。ワープ通路26の入口26aは遊技領域11を向いて開口し、ワープ通路26の出口26bは上側ステージ23の左上部を向いて開口しているため、ワープ通路26に入球した遊技球は出口26bから上側ステージ23に排出された後、上側ステージ23上を転動して誘導通路25の入口(流入口25a)に入球する。なお、前述した遊技釘は遊技領域11の広範囲に亘って植設されているが、そのうちワープ通路26の入口26a付近に植設された複数本の遊技釘28は、ワープ通路26に対する入球の難易度を大きく左右する役割を担っている。したがって、これら遊技釘28の植設角度がゴト師によって不正に変更された場合、ワープ通路26に対する遊技球の入球率が不所望に高められてしまい、それに伴ってワープ通路26から上側ステージ23を経て誘導通路25に入球する遊技球の入球率が著しく高くなる。
図4に示すように、前記ステージ17の内部には、誘導通路25の途中から分岐して遊技盤3の裏面側に連通する排出通路29と、ソレノイド30を駆動源として誘導通路25内を上下動する堰き止め部材31とが設けられている。堰き止め部材31は排出通路29の入口よりも少なくとも遊技球の1個分以上だけ下流側(出口25b側)に配置されており、本実施形態例の場合、排出通路29の入口と堰き止め部材31との間に2個の遊技球を保留できるスペースが確保されている。通常、堰き止め部材31は誘導通路25から退避する退避位置に保持されているが、後述する駆動制御手段の制御信号に基づいてソレノイド30に通電されると、堰き止め部材31は退避位置から突出位置へ変位して誘導通路25内に突出するようになっている。
遊技盤3の裏面側には図示せぬ回路基板が配設されており、図5に示すように、この回路基板には、前記検知センサ27の検知信号が入力される演算手段32と、この演算手段32の演算結果に基づいてソレノイド30の通電状態を制御する駆動制御手段33とが設けられている。演算手段32は、検知センサ27がワープ通路26を通過することによって出力される検知信号に基づいて、ワープ通路26に入球した遊技球の単位時間当たりの個数T1を演算する。駆動制御手段33は、演算手段32によって算出された遊技球の単位時間当たりの個数T1と予め設定された基準値T0とを比較し、その結果に応じてソレノイド30の通電状態を切り替えることにより、堰き止め部材31を退避位置と突出位置のいずれか一方へ変位させる。具体的には、ワープ通路26を通過する遊技球の単位時間当たりの個数T1が基準値T0を下回っているとき(T1<T0)、駆動制御手段33がソレノイド30を非通電状態に維持することにより、堰き止め部材31は誘導通路25から退避した退避位置に保持される。一方、ワープ通路26を通過する遊技球の単位時間当たりの個数T1が基準値T0を上回ったとき(T1≧T0)、駆動制御手段33がソレノイド30の電磁コイルに通電してプランジャーを駆動することにより、堰き止め部材31は退避位置から突出位置へ変位されて誘導通路25内に突出する。以下、かかる堰き止め部材31の変位動作について図6のフローチャートを参照しつつ詳細に説明する。
本実施形態例に係るパチンコ機Pにおいて、通常、ソレノイド30には通電されておらず、堰き止め部材31は図4に示すように誘導通路25から退避した退避位置にある。この状態で遊技者によって発射ハンドル9が任意角度に回転操作され、発射装置12から遊技領域11に向けて打ち出された遊技球がワープ通路26の入口26aに入球すると、この遊技球はワープ通路26の出口26bから上側ステージ23に排出される。その際、検知センサ27がワープ通路26内を通過する遊技球を検知し、その検知信号が演算手段32に対して出力される。ワープ通路26から排出された遊技球は、上側ステージ23上を転動して誘導通路25に入球した後、図4の矢印で示すように、退避位置にある堰き止め部材31に堰き止められることなく誘導通路25内を通過し、誘導通路25の出口25bから落下して第1の始動入賞口18に高確率で入賞する。その結果、第1の始動入賞口18への入賞を契機として特別図柄表示の電子抽選が行われ、表示装置15の表示画面上で図柄の変動表示と停止表示が行われると共に、所定数の賞球(例えば3個)の払い出しが行われる。
このようにして遊技球がワープ通路26に時間差をもって順次入球すると、図6のフローチャートに示すように、演算手段32が、一定時間(例えば1分間)内に入力される検知センサ27の検知信号をカウントし、そのカウント値に基づいてワープ通路26に入球した遊技球の単位時間当たりの個数T1を演算する(S−1)。演算手段32の演算結果は駆動制御手段33に出力され、その個数T1と予め設定された基準値T0とを駆動制御手段33が比較する(S−2)。S−2においてNOの場合、すなわち、ワープ通路26を通過する遊技球の単位時間当たりの個数T1が基準値T0を下回っている場合(T1<T0)、駆動制御手段33は正常判定処理を行ってソレノイド30を非通電状態に維持する(S−3)。したがって、堰き止め部材31は誘導通路25から退避した退避位置に保持され、誘導通路25の流入口25aに入球した遊技球は、堰き止め部材31に堰き止められることなく誘導通路25内を通過した後、誘導通路25の出口25bから落下して第1の始動入賞口18に高確率で入賞する。
一方、S−2においてYESの場合、すなわち、ワープ通路26を通過する遊技球の単位時間当たりの個数T1が基準値T0を上回った場合(T1≧T0)、駆動制御手段33は異状判定処理を実行してソレノイド30の電磁コイルに通電する(S−4)。その結果、ソレノイド30のプランジャーが上方に駆動され、図7に示すように、堰き止め部材31が退避位置から突出位置へ変位されて誘導通路25内に突出するため(S−5)、その後に誘導通路25に入球した1個目の遊技球B1は、誘導通路25の出口25bの手前位置で堰き止め部材31によって誘導通路25の内部に堰き止められる。ここで、本実施形態例の場合、堰き止め部材31が排出通路29の入口よりも遊技球の2個分だけ下流側に配置されているので、誘導通路25に入球した2個目の遊技球B2は1個目の遊技球B1によって堰き止められ、誘導通路25に入球した3個目以降の遊技球B3は、2個目の遊技球B2に突き当たることで誘導通路25の途中から排出通路29へ導かれて遊技盤3の裏面側へと排出される。
したがって、ワープ通路26の入口26a付近に植設された遊技釘28がゴト師によって不正に曲げられ、それに伴って遊技領域11に向けて打ち出された遊技球がワープ通路26から上側ステージ23を経て誘導通路25に次々と入球したとしても、これら遊技球のうち、最初に入球した2個の遊技球B1,B2は堰き止め部材31によって誘導通路25内に堰き止められ、3個目以降に入球した遊技球B3は誘導通路25内で詰まることなく排出通路29の入口から遊技盤3の裏面側へ排出されることとなる。これにより、遊技球は誘導通路25の出口25bから第1の始動入賞口18に向かって落下せず、第1の始動入賞口18に対する入賞率は全く上昇しないため、ゴト師が特別図柄表示の電子抽選や賞球の払い出し等の特典を不正に取得することはできなくなる。
また、堰き止め部材31が退避位置から突出位置へ変位して誘導通路25内に突出すると、一定時間(例えば5分間)の経過後に(S−6)、再び演算手段32が検知センサ27の検知信号に基づいてワープ通路26に入球した遊技球の単位時間当たりの個数T1を演算し(S−7)、その個数T1と予め設定された基準値T0とを駆動制御手段33が比較する(S−8)。S−8においてNOの場合、すなわち、ワープ通路26を通過する遊技球の単位時間当たりの個数T1が基準値T0を上回っている場合(T1≧T0)、S−4に戻って駆動制御手段33は異状判定処理を続行して堰き止め部材31を突出位置に維持する。また、S−8においてYESの場合、すなわち、ワープ通路26を通過する遊技球の単位時間当たりの個数T1が基準値T0を下回った場合(T1<T0)、駆動制御手段33がソレノイド30に対する通電を解除するため、図4に示すように、堰き止め部材31は突出位置から退避位置へ変位して誘導通路25から退避する(S−9)。その結果、堰き止め部材31によって誘導通路25内に堰き止められていた2個の遊技球B1,B2が解放され、これら遊技球B1,B2は誘導通路25の出口25bから次々と落下して第1の始動入賞口18に高確率で入賞する。
したがって、釘曲げゴトが行われない正規の遊技中に、ワープ通路26への入球率が一時的にたまたま上昇することにより、駆動制御手段33が異状判定処理を実行して堰き止め部材31を突出位置へ変位させてしまった場合においても、その後にワープ通路26に入球する遊技球の単位時間当たりの個数T1が基準値T0を下回った時点で、堰き止め部材31が退避位置へ変位して誘導通路25内に堰き止めていた所定数の遊技球B1,B2を第1の始動入賞口18に向けて解放するため、正規に遊技を行っている遊技者の利益をある程度は担保することができる。
なお、前述したように、ワープ通路26に対する入球の難易度はその入口26a付近に植設された遊技釘28によって大きく左右され、これらの遊技釘28が不正に曲げられていない場合の平均的な入球個数は、遊技領域11に打ち出される遊技球の上限個数(1分間に100個)の3%(1分間に3個)程度である。そして、この平均的な入球個数に対して基準値T0が著しく大きな値(例えば20個)に設定された場合は、釘曲げゴトによって上昇した入球個数と正規の遊技中にたまたま上昇した入球個数とを明確に区別できるものの、基準値T0の高設定化に伴って釘曲げゴトを抑止できる入球率の下限値が上昇してしまうというデメリットがある。その反対に基準値T0が平均的な入球個数の2倍程度の小さな値(例えば6個)に設定された場合は、ワープ通路26の入球率が僅かに上昇しただけで堰き止め部材31を動作させて釘曲げゴトを抑止できるものの、正規の遊技中にたまたま入球率が上昇したときに、これを釘曲げゴトであると誤検出してしまう頻度が高くなるというデメリットがある。このように基準値T0はワープ通路26に対する平均的な入球個数を考慮して設定する必要があるため、本実施形態例の場合は、基準値T0の値を10〜15個の範囲内に設定してある。
以上説明したように、本実施形態例に係るパチンコ機Pにおいては、ゴト師によってワープ通路26の入口26a付近の遊技釘28が不正に曲げられると、ワープ通路26から上側ステージ23上を経て誘導通路25内に入球した遊技球が堰き止め部材31によって誘導通路内25に堰き止められ、堰き止め部材25で堰き止められ遊技球が所定数(例えば2個)に達すると、その後に誘導通路25に入球した遊技球は排出通路29から遊技盤3の裏面側へ排出されるため、釘曲げゴトによる不正行為を確実に防止することができる。また、正規の遊技中にワープ通路26への入球率がたまたま上昇することにより、堰き止め部材31が突出位置へ変位して遊技球を堰き止めてしまった場合においても、その後にワープ通路26に入球する遊技球の単位時間当たりの個数T1が基準値T0を下回った時点で、堰き止め部材31が退避位置へ変位して堰き止めていた所定数の遊技球を第1の始動入賞口18に向けて解放するため、正規に遊技を行っている遊技者の利益をある程度は担保することができる。
なお、上記実施形態例では、上下2つのステージで構成された二段構造のステージ17について説明したが、連続的な1つの面で構成される一段構造のステージであっても本発明は適用可能である。
また、上記実施形態例では、ワープ通路26の内部に配置した検知センサ27の検知信号に基づいて、ワープ通路26に入球した遊技球の単位時間当たりの個数T1を演算するようにしているが、ワープ通路26に入球した遊技球のほとんどが誘導通路25に入球するため、検知センサ27をワープ通路26の代わりに誘導通路25の入口付近の内部に配置することも可能である。
また、上記実施形態例では、堰き止め部材31の駆動源としてソレノイド30を用いた場合について説明したが、モータ等の他の駆動源を用いて堰き止め部材31を退避位置と突出位置との間で変位させるようにしても良い。
3 遊技盤
11 遊技領域
13 可変表示ユニット
15 表示装置
16 装飾枠体
17 ステージ
18 第1の始動入賞口(始動入賞口)
23 上側ステージ
24 下側ステージ
25 誘導通路
25a 流入口
25b 誘導通路の出口
26 ワープ通路
26a ワープ通路の入口
26b ワープ通路の出口
27 検知センサ
28 遊技釘
29 排出通路
30 ソレノイド
31 堰き止め部材
32 演算手段
33 駆動制御手段
P パチンコ機(弾球遊技機)
11 遊技領域
13 可変表示ユニット
15 表示装置
16 装飾枠体
17 ステージ
18 第1の始動入賞口(始動入賞口)
23 上側ステージ
24 下側ステージ
25 誘導通路
25a 流入口
25b 誘導通路の出口
26 ワープ通路
26a ワープ通路の入口
26b ワープ通路の出口
27 検知センサ
28 遊技釘
29 排出通路
30 ソレノイド
31 堰き止め部材
32 演算手段
33 駆動制御手段
P パチンコ機(弾球遊技機)
Claims (1)
- 遊技球が落下する遊技領域を有する遊技盤と、前記遊技領域に設けられたワープ通路と、このワープ通路を通過した遊技球が転動するステージと、このステージに設けられた流入口に連通する誘導通路と、この誘導通路の出口の真下位置に設けられた始動入賞口とを備えた弾球遊技機において、
前記誘導通路内の途中から分岐する排出通路と、この排出通路よりも少なくとも遊技球の1個分以上だけ下流側に配置された堰き止め部材と、前記ワープ通路を通過する遊技球の単位時間当たりの個数を演算する演算手段と、この演算手段の演算結果に基づいて前記堰き止め部材を駆動する駆動制御手段とを備え、
前記演算手段によって算出された単位時間当たりの個数が基準値を下回っているとき、前記駆動制御手段は前記堰き止め部材を前記誘導通路から退避する退避位置へ変位させ、
前記演算手段によって算出された単位時間当たりの個数が基準値を上回っているとき、前記駆動制御手段は前記堰き止め部材を前記誘導通路内に突出する突出位置へ変位させることを特徴とする弾球遊技機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009163004A JP2011015853A (ja) | 2009-07-09 | 2009-07-09 | 弾球遊技機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009163004A JP2011015853A (ja) | 2009-07-09 | 2009-07-09 | 弾球遊技機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011015853A true JP2011015853A (ja) | 2011-01-27 |
Family
ID=43594119
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009163004A Pending JP2011015853A (ja) | 2009-07-09 | 2009-07-09 | 弾球遊技機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011015853A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015139675A (ja) * | 2014-01-30 | 2015-08-03 | 京楽産業.株式会社 | 遊技機 |
JP2016153053A (ja) * | 2016-06-01 | 2016-08-25 | 京楽産業.株式会社 | 遊技機 |
-
2009
- 2009-07-09 JP JP2009163004A patent/JP2011015853A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015139675A (ja) * | 2014-01-30 | 2015-08-03 | 京楽産業.株式会社 | 遊技機 |
JP2016153053A (ja) * | 2016-06-01 | 2016-08-25 | 京楽産業.株式会社 | 遊技機 |
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