JP2011014567A - 半導体装置の製造方法及び半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】パターン間でのシリサイド反応の格差を抑制し、且つ、ニッケルシリサイドの表面の結晶粒上への局所的な酸化物の形成を抑制しながら未反応金属を除去する。
【解決手段】シリコン層上及び絶縁層上にニッケル(Ni)膜とキャップ膜をこの順に成膜する(ステップS1、S2)。電気炉を用いた第1熱処理によりニッケル膜をシリコン層と反応させてニッケルシリサイドを形成する(ステップS3)。SPMを用いて未反応金属を除去する除去処理を行う(ステップS4)。ニッケル膜は50Å以上150Å以下の膜厚に形成する。キャップ膜は50Å以上450Å以下の膜厚に形成する。SPMとしては、61重量%以上82重量%以下のHSOと、5重量%以上12重量%以下のHと、13重量%以上28重量%以下のHOと、により構成されたものを用いる。除去処理の処理時間の長さは、20秒以上200秒以下とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置の製造方法及び半導体装置に関する。
半導体装置の高集積化が進むにつれ、電界効果トランジスタは微細化されるが、それと共に、電界効果トランジスタの高速動作のためにはゲート及びソース・ドレイン領域を低抵抗化することが要求される。このような要求を解決する技術として、金属とシリコンとの低抵抗な化合物(シリサイド)を自己整合的に形成することにより、ポリシリコンゲート及びソース・ドレイン領域の抵抗を低減させる技術(サリサイド形成方法)が用いられている。
サリサイド形成方法では、Ni、Co、Tiなどの金属をポリシリコンゲート及びソース・ドレイン領域が形成されたウエハー上に成膜し、熱処理を加えることにより、金属をシリコン中にもしくはシリコンを金属中に拡散させ、これらを相互に反応させることによって、シリサイド層を形成する。一方で、素子分離領域及び側壁絶縁層に堆積した未反応の金属部分は、熱処理後にSPM(Sulfuric acid/hydrogen Peroxide Mixture:硫酸過酸化水素混合液)或いはHPM(Hydrochloric acid/hydrogen Peroxide Mixture:塩酸過酸化水素混合液)などの薬液を用いて除去する。これにより、ゲート及びソース・ドレイン領域に選択的にシリサイド層を形成する。このように形成するシリサイド材料のうち、Niとシリコンとの化合物であるニッケルシリサイドは、もっとも微細化に適した材料である。
ニッケルシリサイドを形成する上で重要なことは、複数種類あるニッケルシリサイドの結晶相の中でも最も低抵抗なNiSiからなるニッケルシリサイドを形成し、このニッケルシリサイドとSiとの界面をなるべく平坦に形成することである。NiSi以外の結晶相が形成された箇所では抵抗が高くなってしまうし、ニッケルシリサイドとSiとの界面に凹凸が生じると接合リークが大きくなってしまう。
実際の集積回路ではシリサイド形成領域の大きさ、絶縁層或いはパターン形状に起因して発生する応力、注入された不純物元素の種類や量、プロセスで生じた結晶欠陥などの影響を受けて、ニッケルシリサイドの反応には個々のパターン間で差が生じてしまう。その結果として、抵抗の異常や接合リークの増加を引き起こすことがある。また、未反応の金属部分をSPMなどの薬液で除去する際に、シリサイド層が薬液で酸化されてしまうことも大きな課題である。このようなことから、シリサイド形成方法としては、パターン間での差を極力小さくさせることと、シリサイドの酸化を防ぐことが非常に重要である。また、生産性の観点からはスループットや制御性の良さが必要とされる。
ニッケルシリサイドの形成方法については、例えば、特許文献1〜3にそれぞれ開示されている。更に、特許文献1〜3には、熱処理によるシリサイド化後の未反応金属の除去処理にSPMを用いる点がそれぞれ開示されている。
また、特許文献4には、ニッケルシリサイドではなく、コバルトシリサイド(CoSi)の形成方法が開示され、特許文献5には、ニッケルプラチナシリサイド(NiPtSi)の形成方法が開示されている。更に、これら特許文献4、5にも、未反応金属の除去処理にSPMを用いる点がそれぞれ開示されている。
特開2007−214269号公報 特開2007−173743号公報 特開2005−057233号公報 特開平10−083971号公報 特開2008−118088号公報
ところで、熱処理装置として枚葉式のランプアニール装置或いはガス加熱装置を用いた場合は昇温速度が速いため、シリサイドの反応にパターン間での差が生じてしまうことが、本発明者による研究によって分かっている。
また、ニッケルをシリコンと反応させてシリサイド化させた後で、未反応金属を除去する工程では、上述のようにSPMなどが用いられるが、このような未反応金属の除去処理では、ニッケルシリサイドの表面に酸化物が形成されることがある。
更に、シリサイド反応のパターン格差を抑制するために、シリサイド化のための熱処理を電気炉で行った場合には、未反応金属の除去処理に伴うニッケルシリサイドの局所的な酸化が生じる(酸化される結晶粒が生じる)ことが、本発明者による研究によって分かっている。
このように、シリサイド反応のパターン間格差を抑制することと、ニッケルシリサイドの表面における酸化物の生成を抑制しながら未反応金属を除去することと、を両立させることは困難だった。
本発明は、シリコン層上及び絶縁層上にニッケル(Ni)膜を成膜する第1工程と、前記ニッケル膜上にキャップ膜を成膜する第2工程と、第1熱処理により前記ニッケル膜を前記シリコン層と反応させてニッケルシリサイドを形成する第3工程と、SPM(Sulfuric acid/hydrogen Peroxide Mixture)を用いて未反応金属を除去する除去処理を行う第4工程と、をこの順に行い、前記第1工程では、前記ニッケル膜を50Å以上150Å以下の膜厚に形成し、前記第2工程では、前記キャップ膜を50Å以上450Å以下の膜厚に形成し、前記第3工程では、前記第1熱処理を電気炉により行い、前記SPMは、61重量%以上82重量%以下のHSOと、5重量%以上12重量%以下のHと、13重量%以上28重量%以下のHOと、をそれらの重量比の合計が100%以下となるように含み、前記除去処理の処理時間の長さは、20秒以上200秒以下であることを特徴とする半導体装置の製造方法を提供する。
この半導体装置の製造方法によれば、電気炉を用いて1回目の熱処理を行うことにより、緩やかに昇温させることができるので、パターン間での反応の格差を抑制でき、均一にニッケルシリサイドを形成することができる。更に、ニッケル膜をシリサイド化させてニッケルシリサイドを形成した後で未反応金属を除去する除去処理に用いるSPMの成分比と、除去処理の処理時間の長さと、を適切にすることができる。これにより、ニッケル膜をシリサイド化させるための熱処理(第1熱処理)を電気炉を用いて行うにもかかわらず、ニッケルシリサイドの表面における酸化物の生成を抑制しながら未反応金属を除去することができる。なお、ニッケル膜上にキャップ膜を形成した状態で第1熱処理を行うので、第1熱処理におけるニッケル膜の拡散を抑制することもできる。
また、本発明は、シリコン層と、該シリコン層上に形成されているニッケルシリサイドと、を備え、前記ニッケルシリサイドの表面の結晶粒上に形成される局所的なSiOの膜厚が50Å未満であることを特徴とする半導体装置を提供する。
本発明によれば、シリサイド反応のパターン間格差を抑制することと、ニッケルシリサイドの表面における酸化物の生成を抑制しながら未反応金属を除去することと、を両立させることができる。
実施形態に係る半導体装置の製造方法の一連の工程を示すフローチャートである。 実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための図であり、半導体素子上にNi膜及びキャップ膜を成膜した後の断面形状を示す。 実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための図であり、1回目の熱処理後の断面形状を示す。 実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための図であり、未反応のNi膜及びキャップ膜を除去した後の断面形状を示す。 実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための図であり、2回目の熱処理後の断面形状を示す。 シリサイド化を行う熱処理を、ランプアニール装置を用いて行う場合と、電気炉を用いて行う場合での、シリサイド表面の酸化欠陥数の比較を示す図である。 SPMを用いた未反応金属の除去処理の時間の長さと、シリサイド表面の酸化欠陥数との対応関係を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
図1は本実施形態に係る半導体装置の製造方法の一連の工程を示すフローチャートである。図2乃至図5は本実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。このうち、図2はNi膜及びキャップ膜の成膜後の状態を、図3は1回目の熱処理後の状態を、図4は未反応のNi膜及びキャップ膜を除去した後の状態を、図5は2回目の熱処理後の状態を、それぞれ示す。
本実施形態に係る半導体装置の製造方法では、シリコン層(例えば、ソース・ドレイン拡散領域6、及び、ポリシリコンからなるゲート3)上及び絶縁層(例えば、STI2及びサイドウォール5)上に、ニッケル(Ni)膜7を成膜する第1工程(図1のステップS1)と、ニッケル膜7上にキャップ膜8を成膜する第2工程(図1のステップS2)と、をこの順に行う。次に、第1熱処理によりニッケル膜7をシリコン層と反応させてニッケルシリサイド9を形成する第3工程(図1のステップS3)を行う。次に、SPM(Sulfuric acid/hydrogen Peroxide Mixture)を用いて未反応金属を除去する除去処理としての第4工程(図1のステップS4)を行う。第1工程では、ニッケル膜7を50Å以上150Å以下の膜厚に形成する。第2工程では、キャップ膜8を50Å以上450Å以下の膜厚に形成する。第3工程では、第1熱処理を電気炉により行う。SPMとしては、61重量%以上82重量%以下のHSOと、5重量%以上12重量%以下のHと、13重量%以上28重量%以下のHOと、をそれらの重量比の合計が100%以下となるように含むものを用いる。除去処理の処理時間の長さは、20秒以上200秒以下とする。また、本実施形態に係る半導体装置100(図5)は、シリコン層(例えば、ソース・ドレイン拡散領域6、及び、ポリシリコンからなるゲート3)と、該シリコン層上に形成されているニッケルシリサイド9と、を備え、ニッケルシリサイド9の表面の結晶粒上に形成される局所的なSiO(図示略)の膜厚が50Å未満である。以下、詳細に説明する。
本実施形態に係る半導体装置の製造方法では、先ず、図2に示すように、一般的なCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)の製造方法によって半導体素子を作成する。すなわち、シリコン基板1上に、素子分離膜としてのSTI(Shallow Trench Isolation)2、ゲート3、エクステンション4、サイドウォール5及びソース・ドレイン拡散領域6を形成することにより、半導体素子を作成する。次に、この半導体素子上に、図1に示すように、ニッケル膜7(以下、Ni膜7)と、キャップ膜(カバー膜)8と、をこの順に積層させて成膜する(図1のステップS1、S2)。
ここで、Ni膜7の膜厚は、50Å以上150Å以下(5nm以上15nm以下)とする。このNi膜7は、例えば、スパッタ装置を用いたスパッタにより成膜する。Ni膜7の成膜は、例えば、150℃未満の低温(具体的には、例えば、室温)で行う。なお、Ni膜7を150℃以上の温度で成膜すると、Ni膜7の成膜中にシリサイド反応が進んでしまい、反応しやすい箇所と反応が遅い箇所とでシリサイド反応の進行に違いが生じることがある。
また、キャップ膜8の膜厚は、50Å以上450Å以下とする。なお、キャップ膜8の成膜は、Ni膜7を成膜するのに引き続き、大気暴露することなく行う。具体的には、例えば、Ni膜7の成膜を行ったスパッタ装置を大気開放せずに、当該スパッタ装置内で引き続き行う。キャップ膜8の成膜も、例えば、150℃未満の低温(具体的には、例えば、室温)で行う。キャップ膜8は、シリコンと反応しにくい材質により構成する。キャップ膜8は、例えば、TiN(チタンナイトライド)により構成することが好適な一例であるが、TaN或いはWNにより構成しても良い。
キャップ膜8をTiNにより構成する場合、その膜厚は、例えば、Ni膜7の膜厚の0.2倍以上3.0倍以下に設定することが好ましい。TiNからなるキャップ膜8の膜厚をこのように設定することにより、キャップ膜8とシリコンとの反応を好適に抑制することができる。また、TiNからなるキャップ膜8の膜厚をNi膜7の膜厚の0.2倍以上に設定することにより、1回目の熱処理で絶縁層(サイドウォール5及びSTI2)上のNi膜7が移動(拡散)してしまうことを十分に抑制することができる。また、TiNからなるキャップ膜8の膜厚がNi膜7の3.0倍を超えると、キャップ膜8を除去するのに多くの処理時間が必要となってしまう。
このようにNi膜7及びキャップ膜8を成膜した後で、電気炉により1回目の熱処理(アニール)を行う(図1のステップS3)。この熱処理では、Ni膜7をその下層に位置するシリコン層(例えば、ソース・ドレイン拡散領域6、及び、ポリシリコンなどからなるゲート3)と反応させてシリサイド化し、ニッケルシリサイド9(図3)を形成する。なお、ゲート3上のニッケルシリサイド9は、該ゲート3及びニッケルシリサイド9からなるゲート電極の一部を構成し、ソース・ドレイン拡散領域6上のニッケルシリサイド9は、ソース・ドレイン電極を構成する。
1回目の熱処理は、目標温度まで昇温を行う昇温工程と、目標温度に維持する温度維持工程と、からなる。具体的には、昇温工程では、例えば、1℃/分以上、且つ、60℃/分未満のゆっくりとした昇温速度で、200℃以上350℃以下(好ましくは250℃以上、且つ、300℃以下)の目標温度まで加熱する。また、温度維持工程では、15分以上120分未満の間、その目標温度に維持する。なお、温度維持工程では、一定温度に維持しても良いし、或いは、目標温度(例えば、200℃以上350℃以下(好ましくは250℃以上、且つ、300℃以下))の範囲内において温度を変動させても良い。
一般的には、熱処理装置として枚葉式のランプアニール装置或いはガス加熱装置が用いられるが、これらの熱処理装置では昇温速度が速く、処理時間を長くできないため、シリサイドの反応にパターン間での差が生じてしまう。これに対して、電気炉を用いて熱処理を行うことにより、1℃/分以上60℃/分未満のゆっくりとした昇温速度を実現できるため、シリサイドの反応をすべてのパターンで飽和させながら昇温させることができ、パターン間でのシリサイドの反応の差を抑制することができる。
なお、1回目の熱処理における昇温工程は、Ni膜7及びキャップ膜8を成膜後の上述の半導体素子を有するウエハーを電気炉内に搬入した後、例えば、常温から昇温することにより行う。また、1回目の熱処理を行う電気炉内は窒素などの不活性ガス雰囲気とすることが好ましい。
1回目の熱処理では、目標温度に維持する時間の長さを15分以上120分未満とすることにより、スループットを犠牲しないようにできる。また、長時間の熱処理を行う場合、絶縁層(サイドウォール5及びSTI2)上のNi膜7が拡散することによりシリサイドの増膜を発生させ、接合リークが増加する原因となりやすいが、TiNからなるキャップ膜8の膜厚をNi膜7の膜厚に対して0.2〜3.0倍にすることにより、熱処理中に絶縁層上のNi膜7が拡散してしまうことを抑制でき、接合リークの増大を抑制することができる。こうして、ソース・ドレイン拡散領域6上、及び、ポリシリコンなどからなるゲート3上に堆積しているNi膜7のみとSiが反応し、サイドウォール5上及びSTI2上に堆積しているNi膜7は反応及び拡散せずにそのまま留まるようにできる。
このように1回目の熱処理を行うことによって、図3に示すように、ソース・ドレイン拡散領域6上、及び、ゲート3上に、ニッケルシリサイド9を形成することができる。
次に、このような1回目の熱処理後のウエハーをSPMに浸すことによって、未反応金属(図3の段階で残留しているNi膜7及びキャップ膜8)を除去する除去処理を行う(図1のステップS4)。この除去処理によって、図4に示すように、未反応金属が除去される。なお、除去処理にHPMではなくSPMを用いるのは、HPMよりもSPMの方がパーティクル除去性に優れているためである。
ここで、除去処理に用いられるSPMについて説明する。例えば、硫酸(HSO)の濃度が98%の硫酸水溶液と、過酸化水素(H)の濃度が30%の過酸化水素水と、を相互に混合することによりSPMを生成する場合、硫酸水溶液と過酸化水素水との混合比は、過酸化水素水の体積比を1とすると、硫酸水溶液の体積比は1以上3未満とする。このことを、HSO、H、及びHOの重量比に換算すると、61重量%以上82重量%以下のHSOと、5重量%以上12重量%以下のHと、13重量%以上28重量%以下のHOと、をそれらの重量比の合計が100%となるように含むSPMを用いれば良い、ということになる。硫酸(HSO)、過酸化水素(H)及び水(HO)の合計の重量比は、95%以上であることが好ましく、99%以上であることがより好ましい。ただし、SPMは、硫酸及び過酸化水素のみにより構成できるため、SPM中の硫酸(HSO)、過酸化水素(H)及び水(HO)の合計の重量比は、原則的には100%となる。
また、上述のような成分比に設定したSPMを用いて行う除去処理の処理時間は、20秒以上200秒以下とする。
除去処理の処理時間が200秒よりも長いと、ニッケルシリサイド9の表面が酸化され、該表面の結晶粒上に局所的な酸化物(SiO膜)が多く形成される場合がある。この酸化は、1回目の熱処理(ステップS3)において、温度が高いほど、またアニール時間が長いほど、顕著となる。また、この酸化は、SPMに含まれる硫酸(HSO)の濃度が高い場合に顕著となる。
このように局所的に形成されるSiO膜の膜厚が50Å以上の膜厚となると、ニッケルシリサイド9の抵抗のバラツキの要因となる他、コンタクトプラグ(例えば、タングステンからなる)(図示略)とニッケルシリサイド9とが相互に導通できない場合が発生する。
処理時間を200秒以下とすることにより、ニッケルシリサイド9の表面の結晶粒上に形成される局所的なSiOの膜厚を50Å未満に抑制しながら、未反応金属を除去することができる。
また、処理時間が20秒よりも短いと、未反応金属を十分に除去することができない場合がある。処理時間を20秒以上とすることにより、未反応金属を十分に除去することができる。
この処理時間は、好ましくは130秒以下、更に好ましくは30秒以上90秒以下、更に好ましくは30秒以上60秒以下とする。処理時間を30秒以上90秒以下とすることにより、ニッケルシリサイド9の酸化をより好適に抑制しつつ、未反応金属を除去することができる。
ここで、上述のような成分比に設定したSPMによりNi膜7をエッチングする際のエッチング速度xは、x≧(15Å/秒)となる。なお、SPMによるNi膜7のエッチング速度の参考値としては、"JOURNAL OF MICROELECTROMECHANICAL SYSTEMS, VOL. 12, NO. 6, DECEMBER 2003,p.767"に、380nm/min=63Å/secが記載されている。ただし、当該文献中で用いているSPMの組成は不明である。
また、上述のような成分比に設定したSPMによりTiNからなるキャップ膜8をエッチングする際のエッチング速度yは、y≧(5Å/秒)となる。
なお、エッチング速度x及びエッチング速度yは、非常に速いため、それらの確定値を得ることができていない。
単純計算では、Ni膜7の膜厚をa(Å)、TiNからなるキャップ膜8の膜厚をb(Å)とすると、絶縁層上の未反応金属(=膜厚a+b)を除去するのに必要な除去処理の処理時間は、{(a/x)+(b/y)}となる。ただし、除去処理における初期(例えば、最初の数秒)と終期(下地膜に接触している部分をエッチングする期間)では、エッチング速度が遅くなる。このため、初期及び終期に要する時間を考慮すると、処理時間は、少なくとも{(a/x)+(b/y)+5}秒以上必要である。また、上述のように、処理時間の長期化に起因する酸化物の生成を抑制するために、処理時間は、{(a/x)+(b/y)+180}秒以下とする。具体的には、例えば、{(a/15)+(b/5)+180}秒以下とし、好ましくは、例えば、{(a/15)+(b/5)+60}秒以下とする。
こうして未反応金属を除去した後は、2回目の熱処理(図1のステップS5)を行う。2回目の熱処理は、例えば、ランプ加熱装置を用いて行う。また、2回目の熱処理は、例えば、窒素などの不活性雰囲気下において、温度を350℃以上600℃以下に設定して、15秒以上5分以下で行う。この2回目の熱処理により、1回目の熱処理により形成されたニッケルシリサイド2を構成するNiSiをNiSiに転移させることができる。こうして、主成分がNiSiであるニッケルシリサイド9を形成することができる。
これにより、本実施形態に係る半導体装置100(図5)を得ることができる。
<実施例>
ここで、実施例として、上述した各工程(図1のステップS1〜S5)の具体的な条件の一例を説明する。Ni膜7の膜厚を100Åとし(ステップS1)、TiNからなるキャップ膜8の膜厚を50Åとする(ステップS2)。また、1回目の熱処理(ステップS3)は、電気炉を用いて、不活性雰囲気下で行う。この1回目の熱処理では、15℃/分の昇温速度で300℃まで昇温し、その後、30分の間、300℃に維持する。また、除去処理(ステップS4)では、硫酸水溶液(濃度98%)と過酸化水素水(濃度30%)とを2:1の体積比で相互に混合することにより生成したSPMを用いる。このSPMは、約61重量%の硫酸(HSO)と、約12重量%の過酸化水素(H)と、約28重量%の水(HO)と、からなる(ただし、合計で100重量%)。そして、除去処理の処理時間は80秒とする。また、2回目の熱処理(ステップS5)は、不活性雰囲気下において、温度を550℃に設定し、30秒間行う。
本実施形態に係る製造方法によって半導体装置を製造することにより、ニッケルシリサイド9の各パターンでのシリサイド化の進行を、互いに均一にさせることができる。このため、ソース・ドレイン拡散領域6上及びゲート3上にそれぞれ形成されるニッケルシリサイド9の抵抗のバラツキを抑制することができ、また、接合リークも抑制することができる。しかも、ニッケルシリサイド9が酸化されることによる欠損も抑制することができる。
ここで、特許文献1、2、4の技術では、シリサイドを均一に形成することを主な目的としているが、シリサイドを均一に形成するための工夫に伴う弊害を考慮していない。例えば、特許文献1の技術は、Ni膜の成膜時のスパッタ温度を150〜250℃の範囲にして、小さく均一なグレインを形成し、接合リークの増大を抑制することを目的としている。しかし、成膜時のウエハーの温度を高温(150℃以上)にすると、シリサイドの反応が進み過ぎてしまい、NiSiよりも高抵抗なNiSiが生成されてしまうことが、発明者による検討により分かっている。よってこの方法では、結晶相の制御が難しく、シリサイドの反応を均一に進めることが困難である。また、特許文献2及び4では、1回目の熱処理においてパターン間差が生じないようにしているが、長時間のアニールでグレインの成長が進み、不純物の吐き出し効果によりシリサイド表面が変化してしまうことについて考慮していない。すなわち、特許文献2のように、250〜350℃の温度範囲で3〜15分の長時間の熱処理を行うと、或いは、特許文献4のように300〜390℃の温度範囲で1〜3時間の熱処理を行うと、注入不純物がシリサイド界面や表面に偏析する。このため、特許文献2及び4のような熱処理を行った後に、特許文献2、4に開示されている手法で未反応金属を除去する除去処理を行うと、シリサイドが酸化してしまう。
ところで、上述のように、枚葉式のランプアニール装置或いはガス加熱装置では昇温速度が速く処理時間を長くできないことから、1回目の熱処理に枚葉式のランプアニール装置或いはガス加熱装置を用いると、シリサイドの反応にパターン間での差が生じてしまう。このため、本実施形態では、上述のように電気炉を用いて1回目の熱処理を行うことにより、ゆっくりとした昇温速度を実現し、パターン間でのシリサイドの反応の差を抑制する。しかし、1回目の熱処理に電気炉を用いると、以下に説明するように、除去処理によるニッケルシリサイド9の酸化が顕著となり、該除去処理によって発生する酸化欠陥の数が増加してしまう。
図6は、熱処理装置として、枚葉式ランプアニール装置と、電気炉と、をそれぞれ用いて1回目の熱処理を行った後で、それぞれ濃度98%の硫酸水溶液と濃度30%の過酸化水素水とを5:1の体積比で混合してなるSPMを用い、処理時間を220秒として未反応金属の除去処理を行った後の、ニッケルシリサイド9の表面に発生する酸化欠陥数(1枚のウエハーの表面の全面における酸化欠陥数)を比較したデータを示す。図6に示すように、酸化欠陥数は、電気炉を用いた場合の方が増加(例えば、図6に示すように、2桁増加)する。これは、枚葉式ランプアニール装置を用いた場合は、電気炉を用いた場合と比べて昇温速度が速く熱処理の時間が短くなるのに対し、電気炉を用いた場合は熱処理の時間が長くなるためである。
図7は、上述の実施例と同条件で1回目の熱処理を行った後で、除去処理に用いるSPMの硫酸水溶液と過酸化水素水の体積混合比を2:1とし、除去処理の処理時間を130秒とした場合と、60秒とした場合の、ニッケルシリサイド9の表面に発生する酸化欠陥数を比較したデータを示す。図7に示すように、除去処理の処理時間が短いほど、ニッケルシリサイド9の表面の酸化欠陥数を低減できることが分かる。また、図7に示す何れのデータの場合にも、図6の電気炉の場合のデータ(図6の右側)と比べて、酸化欠陥数が非常に少ない。これは、図7の場合には、図6の場合よりもSPM中の硫酸(HSO)の濃度が低く、処理時間も短いからである。
このように、本実施形態に係る製造方法では、上述のような混合比のSPMを用い、且つ処理時間を200秒以下として未反応金属の除去処理を行うことにより、1回目の熱処理によって不純物が偏析したニッケルシリサイド9が薬液により酸化されてしまうのを抑制することができ、酸化欠陥数を低減することができる。
加えて、1回目の熱処理にて低い昇温速度でウエハーを加熱し、加熱時間を十分に長くすることにより、様々なパターン間での反応の格差を抑制でき、均一にニッケルシリサイド(NiSi)9を形成することができる。
以上のような実施形態によれば、シリコン層(例えば、ソース・ドレイン拡散領域6、及び、ポリシリコンからなるゲート3)上及び絶縁層(例えば、STI2及びサイドウォール5)上に、Ni膜7を成膜する第1工程(図1のステップS1)と、Ni膜7上にキャップ膜8を成膜する第2工程(図1のステップS2)と、1回目の熱処理によりNi膜7をシリコン層と反応させてニッケルシリサイド9を形成する第3工程(図1のステップS3)と、SPMを用いて未反応金属を除去する除去処理としての第4工程(図1のステップS4)と、をこの順に行い、第1工程では、Ni膜7を50Å以上150Å以下の膜厚に形成し、第2工程では、キャップ膜8を50Å以上450Å以下の膜厚に形成し、第3工程では、電気炉により1回目の熱処理を行い、SPMとしては、61重量%以上82重量%以下のHSOと、5重量%以上12重量%以下のHと、13重量%以上28重量%以下のHOと、をそれらの重量比の合計が100%以下となるように含むものを用い、除去処理の処理時間の長さを20秒以上200秒以下とするので、電気炉を用いて1回目の熱処理を行うことにより、緩やかに昇温させることができるので、パターン間での反応の格差を抑制でき、均一にニッケルシリサイドを形成することができる。更に、SPMの成分比と除去処理の処理時間の長さとを適切にすることができるので、Ni膜7をシリサイド化させるための1回目の熱処理を電気炉を用いて行うにもかかわらず、ニッケルシリサイド9の表面における酸化物の生成を抑制しながら未反応金属を除去することができる。なお、Ni膜7上にキャップ膜8を形成した状態で1回目の熱処理を行うので、1回目の熱処理におけるNi膜7の拡散を抑制することもできる。
また、1回目の熱処理では、1℃/分以上60℃/分以下の昇温速度で目標温度に昇温させ、15分以上120分未満の間、目標温度に維持することにより、パターン間での反応の格差を好適に抑制でき、均一にニッケルシリサイド9を形成することができる。
また、Ni膜7の成膜を、150℃未満の温度条件で行うことにより、成膜中にシリサイド化が進行してしまうことによって高抵抗のNiSiが生成されてしまうことを抑制することができる。
1 シリコン基板
2 STI(絶縁層)
3 ゲート(シリコン層)
4 エクステンション
5 サイドウォール(絶縁層)
6 ソース・ドレイン拡散領域(シリコン層)
7 ニッケル膜
8 キャップ膜
9 ニッケルシリサイド
100 半導体装置

Claims (13)

  1. シリコン層上及び絶縁層上にニッケル(Ni)膜を成膜する第1工程と、
    前記ニッケル膜上にキャップ膜を成膜する第2工程と、
    第1熱処理により前記ニッケル膜を前記シリコン層と反応させてニッケルシリサイドを形成する第3工程と、
    SPM(Sulfuric acid/hydrogen Peroxide Mixture)を用いて未反応金属を除去する除去処理を行う第4工程と、
    をこの順に行い、
    前記第1工程では、前記ニッケル膜を50Å以上150Å以下の膜厚に形成し、
    前記第2工程では、前記キャップ膜を50Å以上450Å以下の膜厚に形成し、
    前記第3工程では、前記第1熱処理を電気炉により行い、
    前記SPMは、61重量%以上82重量%以下のHSOと、5重量%以上12重量%以下のHと、13重量%以上28重量%以下のHOと、をそれらの重量比の合計が100%以下となるように含み、
    前記除去処理の処理時間の長さは、20秒以上200秒以下であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記ニッケル膜の膜厚がa(Å)、
    前記キャップ膜の膜厚がb(Å)、
    前記SPMによる前記ニッケル膜のエッチング速度がx(Å/秒)、
    前記SPMによる前記キャップ膜のエッチング速度がy(Å/秒)であるとすると、
    前記除去処理の処理時間の長さを、{(a/x)+(b/y)+5}秒以上、且つ、{(a/x)+(b/y)+180}秒以下であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記キャップ膜は、チタンナイトライド(TiN)膜であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記除去処理の処理時間の長さは、前記ニッケル膜の膜厚をa(Å)、前記キャップ膜としての前記チタンナイトライド膜の膜厚をb(Å)とすると、{(a/15)+(b/5)+180}秒以下であることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記除去処理の処理時間の長さは130秒以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記除去処理の処理時間の長さは30秒以上60秒以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記第1熱処理は、
    1℃/分以上60℃/分以下で目標温度に昇温させる昇温工程と、
    15分以上120分未満の間、前記目標温度に維持する温度維持工程と、
    からなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記目標温度は、200℃以上350℃以下であることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記目標温度は、250℃以上であることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記目標温度は、300℃以下であることを特徴とする請求項8又は9に記載の半導体装置の製造方法。
  11. 前記ニッケル膜の成膜を、150℃未満の温度条件で行うことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  12. 前記第4工程の後で、第5工程としての第2熱処理を行うことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  13. シリコン層と、該シリコン層上に形成されているニッケルシリサイドと、を備え、
    前記ニッケルシリサイドの表面の結晶粒上に形成される局所的なSiOの膜厚が50Å未満であることを特徴とする半導体装置。
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