JP2011014204A - 磁気記録媒体、磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録媒体、磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録再生装置 Download PDF

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Abstract


【課題】電磁変換特性が高く、かつ、耐腐食性が高い磁気記録媒体、その製造方法及び磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
【解決手段】非磁性基板1の一面1a上に、軟磁性下地層2と、直上の層の配向性を制御する配向制御層3と、非磁性下地層8と、一面1aに対して主に垂直に配向された磁化容易軸を有する垂直磁性層4と、保護層5とがこの順序で積層された磁気記録媒体であって、垂直磁性層4は2層以上の磁性層45、46を備えており、磁性層45、46のうち最も保護層5の磁性層46に非磁性材料が分散された分散領域48が設けられており、前記非磁性材料の濃度が保護層5側から非磁性基板1側に向けて少なくされている磁気記録媒体50を用いることにより、上記課題を解決できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気記録媒体、磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録再生装置に関するものである。特に、少なくとも非磁性基板上に、軟磁性下地層と、直上の層の配向性を制御する配向制御層と、前記非磁性基板に対して磁化容易軸が主に垂直に配向した垂直磁性層と、保護層と、を積層してなる磁気記録媒体、その製造方法及び磁気記録再生装置に関する。
磁気記録再生装置、例えば、ハードディスク装置(HDD)の記録密度は、近年、年率50%以上の割合で増えており、今後もその高記録密度化の傾向が続くと言われている。
そして、磁気記録再生装置をより高記録密度とするために、高記録密度に適した磁気ヘッド及び磁気記録媒体に関する研究開発が活発に行われている。
高記録密度化に適した磁気記録媒体として、非磁性基板に対して磁性膜内の磁化容易軸が主に垂直に配向した、いわゆる垂直磁気記録媒体が大きな注目を集めている。垂直磁気記録媒体は、記録ビットを高密度に形成しても、記録ビット間の境界領域における反磁界の影響を小さくでき、鮮明なビット境界を形成して、記録再生時のノイズの発生を抑制できる。また、記録ビット体積の減少を少なくでき、熱揺らぎ効果も高くできる。そのため、現在、垂直磁気記録媒体が搭載された市販の磁気記録再生装置の数が増加している。
高記録密度化に適した磁気ヘッドとして、記録層である垂直磁性層に対して書き込み能力に優れた単磁極ヘッドがある。前記単磁極ヘッドに対応して、磁気記録媒体の媒体構造の更なる研究開発がなされ、非磁性基板と垂直磁性層との間に、軟磁性材料からなる層(以下、裏打ち層)を設けた磁気記録媒体が提案されている。前記裏打ち層を備えた磁気記録媒体を、前記単磁極ヘッドと組み合わせることにより、前記単磁極ヘッドと前記磁気記録媒体との間の磁束の出入りの効率を向上させることができる。しかし、前記裏打ち層を設けただけでは、低周波出力、ビットエラーレート等の磁気記録再生特性(電磁変換特性)で十分な値を得ることができなかった。
磁気記録再生特性を向上させるためには、記録再生時の信号とノイズの比(S/N比)を高めると同時に、記録再生時の熱揺らぎ耐性を向上させることを要する。しかし、これら2つの特性は相反する関係を有し、一方を向上させれば、一方が不充分となるという関係を有しており、これら2つの特性を高レベルで両立させることが大きな課題となっている。
また、磁気記録再生特性は、磁性層の上に設ける保護層をなるべく薄くして、磁気ヘッドと磁性層との距離、いわゆるスペーシングロスを減らすことによっても、向上させることができる。
しかし、前記保護層を薄くした場合には、磁気ヘッドが偶発的に接触したときに保護層につけられた傷が磁気記録媒体の耐腐食性を低下させる。例えば、大気中の酸素などの環境物質が、前記傷から磁気記録媒体の内部に容易に浸入して、磁気記録媒体の内部で拡散して、磁気記録媒体を劣化させる場合がある。
特許文献1〜3には、高記録密度化に適した磁気記録媒体が開示されている。
特許文献1には、基板と、該基板上に設けられ、残留磁化Mr、厚さt及び前記残留磁化と厚さとの積であるMrt値を有する第1下部強磁性層と、該第1下部強磁性層上に設けられた強磁性結合層と、該強磁性結合層上に設けられ、Mrt値を有する第2下部強磁性層と、該第2下部強磁性層上に設けられた反強磁性結合層と、該反強磁性結合層上に設けられ、前記第1下部強磁性層のMrt値と第2下部強磁性層のMrt値との合計よりも大きなMrt値を有する上部強磁性層とを有する磁気記録媒体が開示されている。3層の磁性層を、非磁性層等を用いてアンチフェロカップリング(Anti Ferro Coupling:AFC)結合させることにより、合成Mrt及びPW50を低下させるとともに、S/N比の低下を起こさないことを特徴とする。
また、特許文献2には、熱安定性を損ねることなく記録容易性の向上が可能な垂直磁気記録媒体を提供するため、少なくとも非磁性基体の上に、軟磁性裏打ち層、下地層、及び2層の磁気記録層が順次積層されてなる垂直磁気記録媒体において、グラニュラー構造を有する第1の磁気記録層と第2の磁気記録層の間に、Fe、Ru等を用いた結合層を配置することが開示されている。
さらに、特許文献3には、磁気記録媒体の電磁変換特性と耐食性を向上させるため、磁気記録層を異なる材料の磁性層を積層した構造とし、下側の磁性層を酸化物或いは窒化物を主成分とする非磁性結晶粒界が強磁性を有する結晶粒を取り巻く構造とし、上側の磁性層を、Crを主成分とする非磁性結晶粒界が強磁性を有する結晶粒を取り巻く構造とし、かつ、下側の磁性層を形成後、上側の磁性層の形成前に、加熱プロセスを加えることが開示されており、多層の磁性層にCrを熱拡散させる方法が記載されている。この方法は加熱プロセスを伴うため、磁気記録媒体を構成する積層構造の界面が相互拡散に不明瞭となり、電磁変換特性が低下する。
しかし、特許文献1〜3に記載の磁気記録媒体及びその製造方法では、磁気記録媒体の電磁変換特性と耐腐食性の両立が困難であり、どちらか一方の特性を高めても、他方の特性を高めることができない。
特開2005−276410号公報 特開2008−287853号公報 特開2005−196898号公報
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、電磁変換特性が高く、かつ、耐腐食性が高い磁気記録媒体、その製造方法及び磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、垂直磁性層を2層以上の磁性層で構成すると同時に、前記垂直磁性層の保護層側に保護層側から基板側に向けてその濃度が低くなるようにAl等の非磁性材料が添加された分散領域を設けることにより、高い電磁変換特性と高い耐腐食性との両立が可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。すなわち、
(1) 非磁性基板の一面上に、軟磁性下地層と、直上の層の配向性を制御する配向制御層と、非磁性下地層と、前記一面に対して主に垂直に配向された磁化容易軸を有する垂直磁性層と、保護層とがこの順序で積層された磁気記録媒体であって、前記垂直磁性層は2層以上の磁性層を備えており、前記磁性層のうち最も保護層側の磁性層に非磁性材料が分散された分散領域が設けられており、前記非磁性材料の濃度が前記保護層側から前記非磁性基板側に向けて少なくされていることを特徴とする磁気記録媒体。
(2) 前記分散領域の厚さが0.5nm〜2.0nmの範囲内であることを特徴とする(1)に記載の磁気記録媒体。
(3) 前記非磁性材料がCr、Al、Mo、Ta、W、Ti、Zr、Hf、Nbからなる群から選ばれるいずれか1種以上であることを特徴とする(1)または(2)に記載の磁気記録媒体。
(4) 前記垂直磁性層が、前記非磁性基板側からグラニュラー構造を有する第1の磁性層と、非磁性層と、前記分散領域を有する第2の磁性層とをこの順序で積層してなることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
(5) 前記垂直磁性層内に、前記第1の磁性層の結晶粒子と、前記第1の磁性層の結晶粒子を種として厚み方向にエピタキシャル成長された非磁性層の結晶粒子と、前記非磁性層の結晶粒子を種として厚み方向にエピタキシャル成長された前記第2の磁性層の結晶粒子とからなる柱状の結晶体を有していることを特徴とする(4)に記載の磁気記録媒体。
(6) 非磁性基板の一面に、軟磁性下地層と、配向制御層と、非磁性下地層とをこの順序で積層する工程と、前記非磁性下地層の前記非磁性基板と反対側の面に2層以上の磁性層を有する垂直磁性層を形成する工程と、前記垂直磁性層の前記非磁性基板と反対側の面に非磁性材料を付着させる工程と、前記非磁性材料を前記垂直磁性層に浸透させて、前記垂直磁性層の前記非磁性基板と反対側の面から前記非磁性基板側に向けて濃度が少なくなるように非磁性材料を分散させて分散領域を形成する工程と、前記垂直磁性層の前記非磁性基板と反対側の面に保護層を形成する工程と、を有することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
(7) 前記垂直磁性層の前記非磁性基板と反対側の面に付着させた非磁性材料に不活性イオンまたは窒素イオンを照射して、前記非磁性材料を前記垂直磁性層に浸透させることを特徴とする(6)に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(8) 前記垂直磁性層の前記非磁性基板と反対側の面に付着させた非磁性材料を加熱して、前記非磁性材料を前記垂直磁性層に浸透させることを特徴とする(6)に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(9) (1)〜(5)のいずれか1項に記載の磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体の記録再生を行う磁気ヘッドと、を備えることを特徴とする磁気記録再生装置。
上記の構成によれば、電磁変換特性が高く、かつ、耐腐食性が高い磁気記録媒体、その製造方法及び磁気記録再生装置を提供することができる。
本発明の磁気記録媒体は、非磁性基板の一面上に、軟磁性下地層と、直上の層の配向性を制御する配向制御層と、非磁性下地層と、前記一面に対して主に垂直に配向された磁化容易軸を有する垂直磁性層と、保護層とがこの順序で積層された磁気記録媒体であって、前記垂直磁性層は2層以上の磁性層を備えており、前記磁性層のうち最も保護層側の磁性層に非磁性材料が分散された分散領域が設けられており、前記非磁性材料の濃度が前記保護層側から前記非磁性基板側に向けて少なくされている構成なので、電磁変換特性を高くすることができ、かつ、耐腐食性を高くすることができる。
本発明の磁気記録媒体は、前記分散領域の厚さが0.5nm〜2.0nmの範囲内である構成なので、電磁変換特性を高くすることができ、かつ、耐腐食性を高くすることができる。
本発明の磁気記録媒体は、前記非磁性材料がCr、Al、Mo、Ta、W、Ti、Zr、Hf、Nbからなる群から選ばれるいずれか1種以上である構成なので、電磁変換特性を高くすることができ、かつ、耐腐食性を高くすることができる。
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、非磁性基板の一面に、軟磁性下地層と、配向制御層と、非磁性下地層とをこの順序で積層する工程と、前記非磁性下地層の前記非磁性基板と反対側の面に2層以上の磁性層を有する垂直磁性層を形成する工程と、前記垂直磁性層の前記非磁性基板と反対側の面に非磁性材料を付着させる工程と、前記非磁性材料を前記垂直磁性層に浸透させて、前記垂直磁性層の前記非磁性基板と反対側の面から前記非磁性基板側に向けて濃度が少なくなるように非磁性材料を分散させて分散領域を形成する工程と、前記垂直磁性層の前記非磁性基板と反対側の面に保護層を形成する工程と、を有する構成なので、電磁変換特性を高くし、かつ、耐腐食性を高くした磁気記録媒体を容易に製造することができる。
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、前記垂直磁性層の前記非磁性基板と反対側の面に付着させた非磁性材料に不活性イオンまたは窒素イオンを照射して、前記非磁性材料を前記垂直磁性層に浸透させる構成なので、前記垂直磁性層の前記非磁性基板と反対側の面から前記非磁性基板側に向けて濃度が少なくなるように非磁性材料を分散させて分散領域を容易に形成することができ、電磁変換特性を高くし、かつ、耐腐食性を高くした磁気記録媒体を容易に製造することができる。
本発明の磁気記録媒体の一例を示す断面模式図である。 本発明の磁気記録媒体の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明の磁気記録媒体の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明の磁気記録媒体の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明の磁気記録媒体の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明の磁気記録媒体の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明の磁気記録再生装置の一例を示す斜視図である。 本発明の磁気記録媒体の電磁変換特性を示すグラフである。 本発明の磁気記録媒体の電磁変換特性を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
また、以下の説明では、磁気記録媒体のデータ面において連続した磁気記録領域を有する連続媒体を用いるが、前記データ面において磁気記録トラックが磁気的に分離したディスクリートトラック媒体や、磁気記録ビットが磁気的に分離したビットパターン媒体においても、本発明は当然に適用可能である。
(磁気記録媒体)
図1は、本発明の実施形態である磁気記録媒体の一例を示す断面模式図である。
図1に示すように、本発明の実施形態である磁気記録媒体50は、非磁性基板1の一面1a上に、密着層10と、軟磁性下地層2と、配向制御層3と、非磁性下地層8と、垂直磁性層4と、保護層5と、潤滑層6とが順次積層されて構成されている。ここで、軟磁性下地層2は、非磁性基板1側から、第1の軟磁性層22と、Ru層23と、第2の軟磁性層24とが積層されて構成されている。また、垂直磁性層4は、非磁性基板1側から、第1の磁性層45と、非磁性層7と、第2の磁性層46とが積層されて構成されている。
以下、各構成部材および領域について具体的に説明する。
<非磁性基板>
非磁性基板1としては、アルミニウムやアルミニウム合金等からなる金属基板またはガラス、セラミック、シリコン、シリコンカーバイド、カーボン等からなる非金属基板を用いることができる。
非磁性基板1の材料として用いるガラスとしては、例えば、汎用のソーダライムガラスやアルミノシリケートガラスなどからなるアモルファスガラスまたはリチウム系結晶化ガラスなどからなる結晶化ガラスなどを用いることができる。
また、非磁性基板1の材料として用いるセラミックとしては、例えば、汎用の酸化アルミニウム、窒化アルミニウムもしくは窒化珪素などを主成分とする焼結体またはこれらの繊維強化物などを用いることができる。
なお、非磁性基板1としては、前記金属基板または前記非金属基板の表面に、メッキ法やスパッタ法などを用いて、NiP層またはNiP合金層を形成した基板を用いてもよい。
非磁性基板1の一面1aの平均表面粗さRaは、2nm(20Å)以下とすることが好ましく、1nm以下とすることがより好ましい。また、非磁性基板1の一面1aの微小うねりWaは、0.3nm以下とすることが好ましく、0.25nm以下とすることがより好ましい。
平均表面粗さRaを2nm以下とするか若しくは微小うねりWaを0.3nm以下として非磁性基板1の一面1aの平坦性を高めることにより、磁気記録再生装置に搭載したときに、磁気記録媒体50に磁気ヘッドを接近させて駆動することができ、磁気記録媒体50の記録密度の高めることができる。
なお、微小うねりWaは、例えば、表面荒粗さ測定装置P−12(KLM−Tencor社製)を用いて、測定範囲80μmの条件で測定する。
また、非磁性基板1の端面を面取りした場合には、その面取りにより形成した面の平均表面粗さRaまたは前記端面の平均表面粗さRaのいずれも10nm以下とすることが好ましく、9.5nm以下とすることがより好ましい。平均表面粗さRaおよび平均表面粗さRaを10nm以下とすることにより、磁気ヘッドの飛行安定性を高めて、駆動できる。
<密着層>
密着層10は、例えば、Cr、Tiなどの金属及びこれらを含有する合金を用いることができる。前記合金としては、CrTi合金などを挙げることができる。また、密着層10の層厚は2nm(20Å)以上とすることが好ましい。
非磁性基板1の表面には、吸着ガス、水分、非磁性基板1の基板成分などが存在する。非磁性基板1上に直接、Co又はFeを主成分とする軟磁性下地層2を配置すると、軟磁性下地層2の表面に吸着ガス、水分、非磁性基板1の基板成分などが拡散して、腐食がより早く進行するおそれが発生する。非磁性基板1と軟磁性下地層2の間に密着層10を設けることにより、このような腐食の進行を抑制できる。
<軟磁性下地層>
軟磁性下地層2は、密着層10上に、第1の軟磁性層22と、Ru層23と、第2の軟磁性層24と、がこの順序で積層されて構成されている。
Ru層23の層厚は、0.4〜1.0nmまたは1.6〜2.6nmの範囲で調整することが好ましい。Ru層23の層厚を0.4〜1.0nmまたは1.6〜2.6nmとすることにより、第1の軟磁性層22と第2の軟磁性層24をアンチフェロカップリング(Anti Ferro Coupling:以下、AFC)構造とすることができ、いわゆるスパイクノイズを抑制できる。
第1の軟磁性層22および第2の軟磁性層24の材料としては、Fe、NiまたはCoのいずれか1種以上を含む材料を用いることができる。
Fe、NiまたはCoのいずれか1種以上を含む材料としては、例えば、CoFe系合金(CoFeTaZr、CoFeZrNbなど。)、FeCo系合金(FeCo、FeCoVなど。)、FeNi系合金(FeNi、FeNiMo、FeNiCr、FeNiSiなど。)、FeAl系合金(FeAl、FeAlSi、FeAlSiCr、FeAlSiTiRu、FeAlOなど。)、FeCr系合金(FeCr、FeCrTi、FeCrCuなど。)、FeTa系合金(FeTa、FeTaC、FeTaNなど。)、FeMg系合金(FeMgOなど。)、FeZr系合金(FeZrNなど。)、FeC系合金、FeN系合金、FeSi系合金、FeP系合金、FeNb系合金、FeHf系合金、FeB系合金などを挙げることができる。
また、第1の軟磁性層22および第2の軟磁性層24の材料として、Feを60原子%(以下、at%)以上含有するFeAlO、FeMgO、FeTaN、FeZrN等の微結晶構造を有する材料がマトリクス中に分散されたグラニュラー構造からなる材料を用いてもよい。
さらに、Zr、Nb、Ta、Cr、Moの少なくとも1種を含有し、Coを80at%以上含有するアモルファス構造のCo合金を用いてもよい。前記Co合金として、例えば、CoZr、CoZrNb、CoZrTa、CoZrCr、CoZrMo系合金などを挙げることができる。
なお、軟磁性下地層2の配向制御層3側は、部分的に又は完全に酸化されていることが好ましい。つまり、第2の軟磁性層24が、部分的に又は完全に酸化されていることが好ましい。第2の軟磁性層24が部分的に又は完全に酸化されることにより、軟磁性下地層2の磁気的な揺らぎを抑制して、前記磁気的な揺らぎに起因する記録再生時のノイズを低減することができ、磁気記録媒体の磁気記録再生特性を改善することができる。
軟磁性下地層2の保磁力Hcは100(Oe)以下とすることが好ましく、20(Oe)以下とすることがより好ましい。前記保磁力Hcを100(Oe)以下とすることにより、再生波形をいわゆる矩形波とすることができる。なお、1(Oe)は79A/mである。軟磁性下地層2の保磁力Hcが100(Oe)を超えると、軟磁気特性が不十分となり、再生波形が歪みを持ち、矩形波とならない。
軟磁性下地層2の飽和磁束密度Bsは0.6T以上とすることが好ましく、1T以上とすることがより好ましい。前記飽和磁束密度Bsを0.6T以上とすることにより、再生波形をいわゆる矩形波とすることができる。軟磁性下地層2のBsが0.6T未満であると、再生波形が歪みを持った波形になる。
軟磁性下地層2の飽和磁束密度Bs(T)と軟磁性下地層2の層厚t(nm)との積Bs・t(T・nm)は、15(T・nm)以上とすることが好ましく、25(T・nm)以上とすることがより好ましい。前記積Bs・tが15(T・nm)未満であると、再生波形が歪みを持つようになり、記録特性(以下、OW特性)が悪化する。
なお、軟磁性下地層2は、磁気ヘッドから発生する磁束の非磁性基板面に対する垂直方向成分を大きくするとともに、情報が記録される垂直磁性層4の磁化の方向をより強固に非磁性基板1と垂直な方向に固定するために設けられる。この作用は、記録再生用の磁気ヘッドとして垂直記録用の単磁極ヘッドを用いる場合に、より顕著なものとなる。
<配向制御層>
軟磁性下地層2上には、配向制御層3が形成されている。
配向制御層3は、Ru、Ni、Co、PtまたはCuのいずれかからなる金属または前記金属のいずれかを含む合金からなる層として形成することが好ましい。Niを含む合金(以下、Ni系合金)としては、NiW合金、NiTa合金、NiNb合金、NiTi合金、NiZr合金、NiMn合金、NiFe合金の中から選ばれる少なくとも1種類の材料からなることが好ましく、前記Ni系合金のNiの含有量は33〜96at%の範囲とすることが好ましい。また、前記金属及びその合金は、hcp構造、fcc構造、アモルファス構造を有するものが好ましい。前記金属及びその合金を用いることにより、配向制御層3上の垂直磁性層4の配向を制御して、垂直磁性層4の結晶粒を微細化することができ、磁気記録再生特性を改善できる。
配向制御層3は、Niを33〜96at%含み、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Cのうち少なくとも1種又は2種以上を含む非磁性材料からなる層として形成してもよい。Niの含有量を33〜96at%の範囲とした前記材料を用いることにより、垂直磁性層4の配向を制御する配向制御層3の効果を維持でき、かつ、磁性を持たないようにできる。
配向制御層3は、酸化物、金属窒化物または金属炭化物のいずれかからなる層に金属からなる粒子(以下、金属粒子)を分散させた層として形成してもよく、金属または合金のいずれかからなる層に酸化物、金属窒化物または金属炭化物のいずれかからなる粒子を分散させた層として形成してもよい。前記酸化物としては、SiO、Al、Ta、Cr、MgO、Y、TiOなどを挙げることができる。また、前記金属窒化物としては、AlN、Si、TaN、CrNなどを挙げることができる。さらに、前記金属炭化物としては、TaC、BC、SiCなどを挙げることができる。また、前記金属粒子または前記金属としては、Ni、Ta、Ru、Co、Pt、Pdなどを挙げることができる。さらに、前記合金としては、NiTa−SiO、RuCo−Ta、Ru−SiO、Pt−Si、Pd−TaCなどを挙げることができる。
金属または合金からなる層に分散された酸化物、金属窒化物または前記金属炭化物の含有量は1mol%以上12mol%以下とすることが好ましい。前記含有量を1mol%以上12mol%以下とすることにより、配向制御層3の配向制御性を向上させて、垂直磁性層4の配向をより制御して、垂直磁性層4の結晶粒を微細化することができ、磁気記録再生特性を改善できる。
前記含有量が12mol%を超えると、金属または合金からなる層内に酸化物、金属窒化物または金属炭化物が残留して、配向制御層3の結晶性及び配向性を損ねる場合がある。これにより、配向制御層3の上に形成される垂直磁性層4の結晶性及び配向性も損ねられる。逆に、前記含有量が1mol%未満である場合には、配向制御層3の配向制御性を向上させることができない。
配向制御層3は、単層構造に限られるものではなく、2層以上の多層構造としてもよい。例えば、非磁性基板1側からNi系合金とRu系合金を積層した2層構造、Co系合金とRu系合金の2層構造またはPt系合金とRu系合金の2層構造などを採用してもよい。たとえば、Ni−6W{W含有量6at%、残部Ni}からなる層(以下、Ni−6W層)とRuからなる層(以下、Ru層)の2層構造とする。
配向制御層3の層厚は、5〜40nmとすることが好ましく、8〜30nmとすることがより好ましい。なお、この層厚は、配向制御層3を多層構造とした場合は各層の合計の層厚である。配向制御層3の層厚を5〜40nmの範囲とすることにより、垂直磁性層4の垂直配向性を特に高くでき、記録再生時に磁気ヘッドを軟磁性下地層2により接近させることができる。これにより、記録再生信号の分解能を低下させることなく磁気記録再生特性を高めることができる。
これに対して、配向制御層3の層厚を5nm未満とした場合には、垂直磁性層4の垂直配向性が低下して、記録再生特性および熱揺らぎ耐性が低下する。逆に、配向制御層3の層厚を40nm超とした場合には、垂直磁性層4の磁性粒子径が大きくなり、ノイズが大きくなり、記録再生時の信号とノイズの比(以下、S/N比)が低下する。また、記録再生時に磁気ヘッドと軟磁性下地層2との間の距離を大きくする必要が生じ、記録再生信号の分解能や出力が低下する。
配向制御層3の非磁性基板1と反対側の面3aの平均表面粗さRaは2nm以下とすることが好ましい。前記平均表面粗さRaを2nm以下とすることにより、配向制御層3上の垂直磁性層4の非磁性基板1と反対側の面4aの凹凸を小さくすることができ、さらに、垂直磁性層4上の保護層5の非磁性基板1と反対側の面5aの凹凸を小さくすることができる。さらに、保護層5上の潤滑層6の非磁性基板1と反対側の面6a、すなわち、磁気記録媒体50の非磁性基板1と反対側の面(以下、表面)50aの凹凸を小さくできる。磁気記録媒体101の表面50aの凹凸を小さくして平坦性を向上させることにより、記録再生時の磁気ヘッドの浮上高さを低くすることができ、記録密度を高めることができる。
<非磁性下地層>
配向制御層3上には、非磁性下地層8が形成されている。
非磁性下地層8は、酸化物を含み、Coを主成分とする材料からなることが好ましい。また、非磁性下地層8にCrを添加してもよい。Crを添加した場合には、Crの含有量を25at%以上50at%以下の範囲とすることが好ましい。さらにまた、結晶成長の観点から、非磁性下地層8にはPtを添加してもよい。
非磁性下地層8に含有させる酸化物としては、Cr、Si、Ta、Al、Ti、Mg、Coなどの酸化物を用いることが好ましい。例えば、TiO、Cr、SiOなどを特に好適に用いることができる。
また、前記酸化物として、2種類以上の酸化物からなる複合酸化物を用いてもよい。前記複合酸化物としては、Cr−SiO、Cr−TiO、Cr−SiO−TiO、CoCr−SiO、CoCr−TiO、CoCr−Cr−SiO、CoCr−TiO−Cr、CoCr−Cr−TiO−SiOなどを用いることができ、この中でも特にCr−SiO、Cr−TiO、Cr−SiO−TiOなどを挙げることができる。
前記酸化物の含有量は、磁性粒子を構成するCo、Cr、Pt等の合金を1つの化合物として算出したmol総量に対して3mol%以上18mol%以下の範囲とすることが好ましい。たとえば、(60Co40Cr)86−(TiO)14である。
非磁性下地層8の層厚は0.2nm以上3nm以下の範囲とすることが好ましい。前記層厚を0.2nm以上3nm以下とすることにより、垂直磁性層4の垂直保磁力Hc及び逆磁区核形成磁界(−Hn)の低下を抑制できる。非磁性下地層8の層厚が0.2nm未満の場合および3nm超の場合には、垂直磁性層4の垂直保磁力Hc及び逆磁区核形成磁界(−Hn)の低下を抑制できない。
なお、非磁性下地層8を設けず、配向制御層3上に垂直磁性層4を直接配置すると、垂直磁性層4の結晶成長の初期において、結晶の乱れが生じる。そして、この結晶の乱れは記録再生時のノイズの原因となる。配向制御層3と垂直磁性層4の間に非磁性下地層8を設けることにより、この結晶の乱れを抑制することができ、記録再生時のノイズの発生を抑制することができる。
<垂直磁性層>
垂直磁性層4は、非磁性基板1側から第1の磁性層45と、非磁性層7と、第2の磁性層46とが積層されて構成されている。第2の磁性層46内の非磁性基板1と反対側の領域には、分散領域48が形成されている。また、垂直磁性層4は、非磁性基板1の一面1aに対して主に垂直に配向された磁化容易軸を有する。
垂直磁性層4の垂直保磁力Hcは3000[Oe]以上とすることが好ましい。前記垂直保磁力Hcを3000[Oe]未満とした場合には、磁気記録再生特性のうち特に周波数特性が不良となる。また、熱揺らぎ特性も悪化する。
また、垂直磁性層4の逆磁区核形成磁界(−Hn)は1500[Oe]以上とすることが好ましい。前記逆磁区核形成磁界(−Hn)を1500[Oe]未満とした場合には、熱揺らぎ耐性が悪化する。
垂直磁性層4に含まれる磁性粒子の平均粒径は3〜12nmの範囲とすることが好ましい。この平均粒径は、例えば、透過型電子顕微鏡(以下、TEM)により得られる垂直磁性層4の観察像を画像処理して求めることができる。
垂直磁性層4の層厚は5〜20nmの範囲とすることが好ましい。垂直磁性層4の層厚を5nm未満とした場合には、十分な記録再生出力が得られず、熱揺らぎ特性も低下する。逆に、垂直磁性層4の層厚を20nm超とした場合には、垂直磁性層4中の磁性粒子の肥大化が生じて、記録再生時のノイズが増大する。そして、S/N比が悪化し、OW特性が悪化する。
<第1の磁性層>
非磁性下地層8上には、第1の磁性層45が形成されている。第1の磁性層45は、複数の酸化物41と、複数の磁性粒子42とから構成されており、いわゆるグラニュラー構造とされている。磁性粒子42は、磁性を有した結晶粒子である。
第1の磁性層45は、Coを主成分とする材料からなることが好ましい。Coを主成分とする材料を用いることにより、第1の磁性層45の結晶性及び配向性を高めることができる。
第1の磁性層45には、Crを添加することが好ましい。そして、第1の磁性層45中のCrの含有量は4at%以上19at%以下とすることが好ましく、6at%以上17at%以下とすることがより好ましい。Crの含有量を4at%以上19at%以下とすることにより、磁性粒子42の磁気異方性定数Kuを下げ過ぎることがない。また、高い磁化を維持でき、高密度記録にしたときに十分な磁気記録再生特性と熱揺らぎ特性を得ることができる。
Crの含有量を19at%超とした場合には、磁性粒子42の磁気異方性定数Kuが小さくなり、熱揺らぎ特性が悪化する。また、磁性粒子42の結晶性及び配向性が悪化して、磁気記録再生特性が悪化する。逆に、Crの含有量を4at%未満とした場合には、磁性粒子42の磁気異方性定数Kuを高くなり、垂直保磁力Hcが高くなり過ぎる。そして、記録再生時に、磁気ヘッドで高密度記録できず、OW特性が悪化する。
第1の磁性層45には、Ptを添加することが好ましい。そして、第1の磁性層45中のPtの含有量は8at%以上20at%以下とすることが好ましい。Ptの含有量を前記範囲とすることにより、高密度記録を可能とする熱揺らぎ特性と磁気記録再生特性を得ることができる。
Ptの含有量を8at%未満とした場合には、磁気異方性定数Kuが低下し、高密度記録を可能とする熱揺らぎ特性を得られない。逆に、Ptの含有量を20at%超とした場合には、磁性粒子42の内部に積層欠陥が生じ、磁気異方性定数Kuが低下する。また、磁性粒子42中にfcc構造の層が形成され、第1の磁性層45の結晶性及び配向性が損なわれる。
第1の磁性層45には、B、Ta、Mo、Cu、Nd、W、Nb、Sm、Tb、Ru、Reの中から選ばれる1種類以上の元素を添加することが好ましい。前記元素を添加することにより、磁性粒子42の微細化を促進することができるとともに、磁性粒子42の結晶性や配向性を向上させることができる。そして、磁性粒子42の結晶性や配向性を向上させることにより、磁気記録再生特性及び熱揺らぎ特性を向上させることができる。
そして、前記元素の含有量は、8at%以下とすることが好ましい。前記元素の含有量を8at%超とした場合には、磁性粒子42中にhcp相以外の相が形成される場合が発生する。hcp相以外の相が形成されることにより、磁性粒子42の結晶性及び配向性が乱れ、記録再生特性及び熱揺らぎ特性を向上させることが困難となる。
酸化物41としては、Cr、Si、Ta、Al、Ti、Mg、Coなどの酸化物を用いることができる。その中でも特に、TiO、Cr、SiOを好適に用いることができる。また、酸化物41として、2種類以上の酸化物からなる複合酸化物を用いてもよい。前記複合酸化物としては、Cr−SiO、Cr−TiO、Cr−SiO−TiOを挙げることができる。
第1の磁性層45中の酸化物41の含有量は3mol%以上18mol%以下とすることが好ましく、6mol%以上13mol%以下とすることがより好ましい。酸化物41の含有量を3mol%以上18mol%以下とすることにより、磁性粒子42を囲むように酸化物41を析出させることができ、磁性粒子42を孤立化して磁性粒子42を微細化できる。
酸化物41の含有量を18mol%超とした場合には、酸化物41が磁性粒子42中に残留して、磁性粒子42の配向性及び結晶性を損なう。また、磁性粒子42の上下に酸化物41が析出して、第1の磁性層45から第2の磁性層46まで垂直磁性層4を貫いた柱状構造を形成できない場合が生じる。逆に、酸化物41の含有量を3mol%未満とした場合には、磁性粒子42を孤立化できず、磁性粒子42の微細化が不十分となる。これにより、記録再生時のノイズが増大して、高密度記録にしたときに十分なS/N比が得られなくなる。
第1の磁性層45としては、90(Co14Cr18Pt)−10(SiO){Cr含有量14at%、Pt含有量18at%、残部Coからなる磁性粒子を1つの化合物として算出したモル濃度が90mol%であり、SiOからなる酸化物組成が10mol%である化合物:以下、同様の標記を用いる}、92(Co10Cr16Pt)−8(SiO)、94(Co8Cr14Pt4Nb)−6(Cr)、(CoCrPt)−(Ta)、(CoCrPt)−(Cr)−(TiO)、(CoCrPt)−(Cr)−(SiO)、(CoCrPt)−(Cr)−(SiO)−(TiO)、(CoCrPtMo)−(TiO)、(CoCrPtW)−(TiO)、(CoCrPtB)−(Al)、(CoCrPtTaNd)−(MgO)、(CoCrPtBCu)−(Y)、(CoCrPtRu)−(SiO)などを用いることができる。また、前記基本組成を有して、その組成比を適宜選択した材料としてもよい。
第1の磁性層45の磁気異方性定数Kuは1×10〜4×10(erg/cc)の範囲とすることが好ましい。
前記磁気異方性定数Kuを1×10(erg/cc)未満とした場合には、第1の磁性層45の磁化反転が容易に生じて、逆磁区核形成磁界(−Hn)が低下したり、熱揺らぎ特性が低下する。逆に、前記磁気異方性定数Kuを4×10(erg/cc)超とした場合には、ヘッド磁界による第1の磁性層45の磁化反転が困難となり、第2の磁性層46の磁化反転をアシストすることも困難となる。そして、OW特性を低下させ、ΔSw(磁化反転分布)を悪化させて、S/N比を低下させる。
<非磁性層>
第1の磁性層45と第2の磁性層46間には非磁性層7が配置されている。
非磁性層7は、Ru、Re、Ti、Y、Hf、Znのいずれかの金属または前記金属を含む合金を用いて形成することが好ましく、RuまたはRu合金を用いて形成することがより好ましい。RuまたはRu合金を用いることにより、非磁性層7をhcp構造とすることができ、第1の磁性層45と第2の磁性層46を格子整合させることができる。また、Ruは非磁性材料であるので、第1の磁性層45と第2の磁性層46をフェロカップリング(FC)またはアンチフェロカップリング(AFC)させることができる。
非磁性層7には、第1の磁性層45および第2の磁性層46の結晶性及び配向性を損ねない範囲で、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Ir、Mo、W、Ta、Nb、V、Bi、Sn、Si、Al、C、B、Crのいずれかの金属または前記金属を含む合金を用いてもよい。Cr合金としては、CrXを特に好適に用いることができる。ここで、前記Xは、Ti、W、Mo、Nb、Ta、Si、Al、B、C、Zrの中から選ばれる少なくとも1種又は2種以上の元素を表す。なお、CrX中のCrの含有量は60at%以上とすることが好ましい。
非磁性層7としては、酸化物、金属窒化物または金属炭化物のいずれかからなる層に金属粒子を分散させた層として形成してもよい。前記金属粒子はRu、Re、Ti、Y、Hf、Znのいずれかの金属または前記金属を含む合金からなる粒子を用いることができる。
前記酸化物として、SiO、Al、Ta、Cr、MgO、Y、TiOなどを用いることができる。また、前記酸化物として、複合酸化物を用いてもよい。複合酸化物は、CoCr−SiO、CoCr−TiO、CoCr−Cr、CoCrPt−Ta、Ru−SiO、Ru−Si、Pd−TaCなどを挙げることができる。また、前記金属窒化物として、AlN、Si、TaN、CrNなどを用いることができる。さらに、前記金属炭化物として、TaC、BC、SiCなどを用いることができる。
非磁性層7中の酸化物、金属窒化物又は金属炭化物の含有量は、非磁性層7中の合金に対して4mol%以上30mol%以下の範囲とすることが好ましい。酸化物、金属窒化物又は金属炭化物の含有量を4mol%以上30mol%以下の範囲とすることにより、垂直磁性層4の結晶性や配向性を損なわない。
前記含有量を30mol%超とした場合には、金属粒子中に酸化物、金属窒化物、又は金属炭化物が残留して、金属粒子の結晶性や配向性を損ねるほか、金属粒子の上下にも酸化物、金属窒化物又は金属炭化物が析出し、非磁性層7を上下に貫く柱状構造の形成を妨げるとともに、非磁性層7上に形成する第2の磁性層46の結晶性や配向性を損ねる。逆に、前記含有量が4mol%未満である場合には、酸化物、金属窒化物又は金属炭化物の添加による効果が得られない。
非磁性層7の層厚は、0.1nm以上10nm以下とすることが好ましく、1nm以上4nm以下とすることがより好ましい。非磁性層7の層厚を0.1nm以上10nm以下の範囲とすることにより、第1の磁性層45と第2の磁性層46の静磁結合を切断しないようにできる。また、第1の磁性層45と第2の磁性層46とをフェロカップリングさせることができ、また、アンチフェロカップリングさせることができる。これにより、第1の磁性層45および第2の磁性層46の磁化反転を起こし易くすることができる。
例えば、非磁性層7としてRu又はRu合金を用いた場合には、磁性材料にもよるが、非磁性層7の層厚を0.6nm以上1.2nm以下とした場合にアンチフェロカップリングが生じ、前記範囲外でフェロカップリングが生じる。
<第2の磁性層46>
非磁性層7上に第2の磁性層46が形成されている。第2の磁性層46は非磁性層7上を完全に覆い、グラニュラー構造を有しない。
第2の磁性層46は、酸化物を含まず、Coを主成分とする材料から構成することが好ましい。
また、第2の磁性層46は、Coの他に、Crを含んでいてもよい。
第2の磁性層46中のCrの含有量は10at%以上24at%以下であることが好ましい。Crの含有量を10at%以上24at%以下とすることで、データの記録再生時における記録再生出力を十分確保できるとともに、熱揺らぎ特性を更に良好にできる。
Crの含有量を24at%超とした場合には、第2の磁性層46の磁化が小さくなり過ぎる。逆に、Crの含有量を10at%未満とした場合には、磁性粒子の十分に分離できず、微細化が不十分となる。これにより、記録再生時のノイズが増大して、高密度記録に適したS/N比が得られない。
さらに、第2の磁性層46は、Co、Crの他に、Ptを含んでいてもよい。
第2の磁性層46中のPtの含有量は8at%以上20at%以下であることが好ましい。Ptの含有量が8at%以上20at%以下にある場合には、高記録密度に適した十分な保磁力Hcを得ることができ、更に記録再生時の高い記録再生出力を維持して、高密度記録に適した記録再生特性および熱揺らぎ特性を得ることができる。
Ptの含有量を20at%超とした場合には、第2の磁性層46中にfcc構造の相が形成され、第2の磁性層46の結晶性及び配向性を損なう。逆に、Ptの含有量を8at%未満とした場合には、磁気異方性定数Kuとして十分な値が得られず、高密度記録に適した熱揺らぎ特性が得られない。
第2の磁性層46は、Co、Cr、Ptの他に、B、Ta、Mo、Cu、Nd、W、Nb、Sm、Tb、Ru、Re、Mnの中から選ばれる1種類以上の元素を含んでいてもよい。前記元素を含有させることにより、第2の磁性層46中の磁性粒子の微細化を促進することができるとともに、前記磁性粒子の結晶性や配向性を向上させることができ、より高密度記録に適した記録再生特性及び熱揺らぎ特性を得ることができる。
前記元素の含有量は合計で、16at%以下とすることが好ましい。前記元素の含有量を16at%超とした場合には、第2の磁性層46中の磁性粒子中にhcp相以外の相が形成されて、前記磁性粒子の結晶性や配向性を乱す場合が発生し、高密度記録に適した記録再生特性及び熱揺らぎ特性を得ることができない。
第2の磁性層46は、CoCrPt系、CoCrPtB系、CoCrPtTa系、CoCrPtTaB系、CoCrPtBNd系、CoCrPtTaNd系、CoCrPtNb系、CoCrPtBW系、CoCrPtMo系、CoCrPtCuRu系、CoCrPtRe系の材料などを用いることができる。
CoCrPt系の材料としては、例えば、Co14〜24Cr8〜22Pt{Cr含有量14〜24at%、Pt含有量8〜22at%、残部Co}を挙げることができる。また、CoCrPtB系の材料としては、Co10〜24Cr8〜22Pt0〜16B{Cr含有量10〜24at%、Pt含有量8〜22at%、B含有量0〜16at%、残部Co}を挙げることができる。なお、CoCrPtB系材料の場合、CrとBの合計の含有量は、18at%以上28at%以下であることが好ましい。CoCrPtTa系の材料としては、Co10〜24Cr8〜22Pt1〜5Ta{Cr含有量10〜24at%、Pt含有量8〜22at%、Ta含有量1〜5at%、残部Co}を挙げることができる。また、CoCrPtTaB系の材料としては、Co10〜24Cr8〜22Pt1〜5Ta1〜10B{Cr含有量10〜24at%、Pt含有量8〜22at%、Ta含有量1〜5at%、B含有量1〜10at%、残部Co}を挙げることができる。
第2の磁性層46のKuは1×10〜5×10(erg/cc)の範囲とすることが好ましい。
第2の磁性層46のKuの値を1×10(erg/cc)未満とした場合には、容易に磁化反転が生じることになり、逆磁区核形成磁界(−Hn)の低下、熱揺らぎ特性の低下などの問題が生じる。逆に、第2の磁性層46のKuの値を5×10(erg/cc)超とした場合には、ヘッド磁界に対して、容易に磁化反転をすることが困難となり、OW特性の低下、ΔSw(磁化反転分布)の悪化によるS/N比が低下する。
<柱状の結晶体>
垂直磁性層4内には、第1の磁性層45の結晶粒子である磁性粒子42と、第1の磁性層45の結晶粒子を種として厚み方向にエピタキシャル成長された非磁性層7の結晶粒子と、非磁性層7の結晶粒子を種として厚み方向にエピタキシャル成長された第2の磁性層46の結晶粒子とからなる柱状の結晶体26が形成されている。柱状の結晶体26は、酸化物41上に形成された粒界25によって区画されている。
柱状の結晶体26は、第1の磁性層45、非磁性層7、第2の磁性層46の各層に含まれる結晶粒子が、垂直磁性層4内を上下に貫いた柱状構造を形成して構成されている。このような柱状構造を有する場合、第1の磁性層45の磁性粒子42の配向性及び結晶性を高めて、非磁性層7および第2の磁性層46に含まれる結晶粒子の配向性及び結晶性を高めることができる。第2の磁性層46に含まれる結晶粒子の配向性及び結晶性を高めることにより、記録再生時に高い記録再生出力を維持することができ、S/N比を高めることができる。また、第1の磁性層45の磁性粒子42に対応して各柱状の結晶体26を形成する構成なので、第2の磁性層46の磁性粒子を微細化することができ、高密度化できる。そのため、高密度記録に適した記録再生特性および熱揺らぎ特性を得ることができる。
なお、柱状の結晶体26は、配向制御層3を構成する結晶粒子から層厚方向に連続した柱状晶として形成してもよい。
<分散領域>
第2の磁性層46の非磁性基板1と反対側に非磁性材料が分散された分散領域48が設けられている。また、前記非磁性材料の濃度は非磁性基板1と反対側(以下、保護層5側)から非磁性基板1側に向けて少なくされている。前記非磁性材料としては、Cr、Al、Mo、Ta、W、Ti、Zr、Hf、Nbからなる群から選ばれるいずれか1種以上を用いることが好ましい。
分散領域48の厚さは、0.5nm〜2.0nmの範囲内とするのが好ましい。
分散領域48の厚さを0.5nmより薄くすると、環境物質の浸入の防止効果が発揮されない。逆に、分散領域48の厚さを2.0nmより厚くすると、第1の磁性層45および第2の磁性層46の磁気特性が低下して、出力等の電磁変換特性が低下する。そして、電磁変換特性の許容範囲を超える場合が発生する。例えば、磁気記録媒体の出力低下の許容範囲は、低周波(Low Frequency:LF)出力において−15%である。
分散領域48の非磁性材料の濃度勾配(含有量勾配)は、保護層5側で非磁性材料の含有量を50at%〜100at%の範囲内とし、非磁性基板1側で非磁性材料の含有量を40at%〜0at%の範囲内とすることが好ましい。
なお、分散領域48の保護層5側の非磁性材料の含有量は80at%〜100at%の範囲内とすることがより好ましく、100at%とすることが更に好ましい。また、分散領域48の非磁性基板1側の非磁性材料の含有量は20at%〜0at%の範囲内とすることがより好ましく、0at%とすることが更に好ましい。
また、分散領域48の非磁性材料の濃度分布は、ほぼ直線状に変化させるのが好ましい。
第2の磁性層46はグラニュラー構造としないことが好ましい。第2の磁性層46をグラニュラー構造としないことにより、第2の磁性層46の保護層5側を完全に覆う分散領域48を形成することができ、垂直磁性層4の耐腐食性を高めることができる。
垂直磁性層4の保護層5側に分散領域48を設けることにより、大気中の酸素などの環境物質が分散領域48を通過して磁気記録媒体101の内部に侵入することを防止できる。これにより、環境物質に対する第2の磁性層46の耐腐食性を高めることができる。また、第2の磁性層46の出力等の電磁変換特性の低下を抑制できる。さらに、第2の磁性層46と第1の磁性層45との間の磁気結合を維持して、電磁変換特性を高く維持できる。
なお、第2の磁性層46と保護層5との間には、非磁性材料のみからなる層を設けないことが好ましい。
<保護層>
垂直磁性層4上に保護層5が形成されている。保護層5は、垂直磁性層4の腐食を防ぐとともに、磁気ヘッドが磁気記録媒体に接触したときに磁気記録媒体の表面の損傷を防ぐためのもので、例えば、C、SiO、ZrOを含む公知の材料を使用することができる。
保護層5の層厚は1〜10nmとすることが好ましい。これにより、磁気ヘッドと磁気記録媒体との間の距離を小さくできる。
<潤滑層>
保護層5上に潤滑層6が形成されている。潤滑層6には、例えば、パーフルオロポリエーテル、フッ素化アルコール、フッ素化カルボン酸などの潤滑剤を用いることが好ましい。これにより、磁気記録媒体の表面を保護することができる。
本発明の実施形態である磁気記録媒体101の垂直磁性層4は、特に、フェロカップリングさせて適用することが好ましい。
また、本実施形態では、垂直磁性層4を構成する磁性層を2層としたが、これに限られるものではない。例えば、まず、酸化物を含み、グラニュラー構造の磁性層を2層積層とした後、酸化物を含まず、グラニュラー構造ではない磁性層を設けた3層構造としてもよい。さらに、酸化物を含まず、グラニュラー構造ではない磁性層を2層積層した後、酸化物を含み、グラニュラー構造の磁性層を設けた3層構造としてもよい。その場合、環境物質の内部への侵入を防止するために、最も外側に配置される磁性層はグラニュラー構造ではない磁性層とすることが好ましい。
<磁気記録媒体の製造方法>
次に、本発明の実施形態である磁気記録媒体の製造方法について説明する。
本発明の実施形態である磁気記録媒体101の製造方法は、非磁性基板1の一面1aに、軟磁性下地層2と、配向制御層3と、非磁性下地層8とをこの順序で積層する工程(第1工程)と、非磁性下地層8の非磁性基板1と反対側の面8aに垂直磁性層4を形成する工程(第2工程)と、垂直磁性層4の非磁性基板1と反対側の面4aに非磁性材料を付着させる工程(第3工程)と、前記非磁性材料を垂直磁性層4に浸透させて、非磁性材料が分散された分散領域48を形成する工程(第4工程)と、保護層5を形成する工程(第5工程)と、を有する。
(第1工程)
まず、図2に示すように、非磁性基板1の一面1aに、密着層10と、第1の軟磁性層22と、Ru層23と、第2の軟磁性層24と、配向制御層3と、非磁性下地層8とをこの順序で積層する。各層の成膜方法は特に限られるものではなく、例えば、スパッタ法などを用いることができる。なお、第1の軟磁性層22と、Ru層23と、第2の軟磁性層24とを積層したものを軟磁性下地層2とする。
配向制御層3をスパッタ法で成膜する際に用いるプロセスガスとしては、不活性ガスに酸素や窒素などを導入した混合ガスを用いることができ、例えば、アルゴンと酸素の混合ガスまたはアルゴンと窒素の混合ガスなどを用いることができる。アルゴンと酸素の混合ガスの場合、アルゴンに対する酸素の体積率は0.05〜50%とすることが好ましく、0.1〜20%とすることがより好ましい。また、アルゴンと窒素の混合ガスの場合、アルゴンに対する窒素の体積率は0.01〜20%とすることが好ましく、0.02〜10%とすることがより好ましい。
(第2工程)
次に、図3に示すように、非磁性下地層8の非磁性基板1と反対側の面8aに、グラニュラー構造を有する第1の磁性層45を形成した後、第1の磁性層45の非磁性基板1と反対側の面45aに非磁性層7を形成し、さらに、非磁性層7の非磁性基板1と反対側の面7aにグラニュラー構造を有しない第2の磁性層46をこの順序で積層して、垂直磁性層4を形成する。
垂直磁性層4の形成には、例えば、スパッタ法などを用いることができる。
第1の磁性層45は、酸化物41と磁性粒子42とが所定の割合とされたターゲットを用いることにより、グラニュラー構造として形成することができる。
次に、第1の磁性層45の結晶粒子を種として厚み方向にエピタキシャル成長させて非磁性層7を形成する。非磁性層7は、例えば、酸化物、金属窒化物、又は金属炭化物を含んだ合金材料をターゲットとして用いることによって容易に形成できる。
次に、非磁性層7の結晶粒子を種として厚み方向にエピタキシャル成長させて第2の磁性層46を形成する。これにより、垂直磁性層4内を上下に貫いた柱状構造の柱状の結晶体26を形成できる。図3に示すように、柱状の結晶体26は、酸化物41上に形成された粒界25によって区画されている。
(第3工程)
次に、図4に示すように、垂直磁性層4の非磁性基板1と反対側の面4aに非磁性材料を付着させて、非磁性材料からなる層31を形成する。非磁性材料からなる層31の形成には、例えば、スパッタ法などを用いることができる。
前記非磁性材料として、Cr、Al、Mo、Ta、W、Ti、Zr、Hf、Nbからなる群から選ばれるいずれか1種以上を用いることが好ましく、Al、Mo、Cr、Hf、Ta、CrTiのいずれか1種以上を用いることがより好ましく、Al,Mo,Cr,Hfのいずれか1種以上を用いることが更に好ましい。これらの材料を用いることにより磁気記録媒体の優れた電磁変換特性と耐腐食性を両立することが可能となる。
なお、非磁性材料は、層構造ではなく、アイランド構造として付着させてもよい。いずれにしても、次の工程で、非磁性材料31からなる層が第2の磁性層46の表面に残されることなく、垂直磁性層4の内部に所定の分散領域を形成できればよい。
(第4工程)
次に、非磁性材料31を垂直磁性層4に浸透させて、非磁性基板1と反対側から非磁性基板1側に向けて濃度が少なくなるように非磁性材料が分散された分散領域48を形成する。
非磁性材料を垂直磁性層4に浸透させる方法としては、例えば、非磁性材料にイオン照射する方法(イオン照射法)と非磁性材料を加熱する方法(加熱法)などを挙げることができる。
図5は、イオン照射法の一例を示す工程図であって、矢印Iに示すように不活性イオンまたは窒素イオンを照射する。前記不活性イオンとしては、Ar、Ne、Krのいずれかの不活性イオンを用いることが好ましい。イオン照射の条件は、単位面積当たり5×1015原子/cm、加速電圧800Vである。
非磁性材料にイオン照射することにより、非磁性材料を第2の磁性層46内部に拡散させることができる。これにより、図6に示すように、垂直磁性層4の保護層5側に、非磁性基板1の反対側から非磁性基板1側に向けて濃度が少なくなるように非磁性材料が分散された分散領域48を形成できる。
このとき、非磁性材料からなる層31の層厚およびイオン照射条件を適切に設定して、イオン照射後、非磁性材料からなる層31が残存しないようにすることが好ましい。非磁性材料からなる層31の層厚およびイオン照射条件が不適切な場合には、分散領域48と保護層5との間に非磁性材料からなる層31を含む層が残存する場合がある。非磁性材料が残存すると、磁気ヘッドと磁性層と間の距離を増加して、磁気記録媒体の電磁変換特性を低下させる。
なお、非磁性材料からなる層31の層厚およびイオン照射条件は実験で決定する。例えば、基板上に、Co16Cr16Pt8B{Cr含有量16at%、Pt含有量16at%、B含有量8at%、残部Co}からなる第2の磁性層46を5nmの層厚で形成したとき、第2の磁性層46上に、非磁性材料31としてAl{Al含有量100at%}を2nmの層厚で形成した後、Al表面にArイオンを一定時間照射すると、第2の磁性層46と保護層5との間にはAlのみからなる層はほとんど残存しない。このとき、非磁性材料の約80at%はエッチング除去され、非磁性材料の約20at%は第2の磁性層46内に拡散されて、第2の磁性層46の保護層5側に厚さ約1nmの分散領域48が形成される。
加熱法では、例えば、非磁性材料に熱を照射して、非磁性材料を熱拡散させる。加熱法により、非磁性材料を第2の磁性層46内部に拡散させることができ、垂直磁性層4の保護層5側に、非磁性基板1と反対側から非磁性基板1側に向けて濃度が少なくなるように非磁性材料が分散された分散領域48を形成できる。
しかし、分散領域48は、加熱法よりもイオン照射法により形成することがより好ましい。イオン照射法を採用することにより、層構造を壊すことなく、分散領域48を形成することができる。
(第5工程)
次に、垂直磁性層4の非磁性基板1と反対側の面4aに保護層5を形成する。保護層5の形成には、例えば、CVD法などを用いることができる。
次に、潤滑層6を形成して、図1に示す磁気記録媒体50を製造する。潤滑層6の形成には、例えば、ディッピング法などを用いることができる。
(磁気記録再生装置)
図7は、本発明の実施形態である磁気記録再生装置の一例を示す斜視概略図である。
本発明の実施形態である磁気記録再生装置100は、本発明の実施形態である磁気記録媒体50と、磁気記録媒体50を回転駆動させる媒体駆動部51と、磁気記録媒体50に情報を記録再生する磁気ヘッド52と、磁気ヘッド52を磁気記録媒体50に対して相対運動させるヘッド駆動部53と、記録再生信号処理系54と、を備えている。
記録再生信号処理系54は、外部から入力されたデータを処理して記録信号を磁気ヘッド52に送るとともに、磁気ヘッド52からの再生信号を処理してデータを外部に送ることが可能とされている。
なお、磁気ヘッド52には、例えば、再生素子として巨大磁気抵抗効果(GMR)を利用したGMR素子などを有した磁気ヘッドを用いる。これにより、より高記録密度で記録再生を行うことができる。
本発明の実施形態である磁気記録媒体50は、非磁性基板1の一面1a上に、軟磁性下地層2と、直上の層の配向性を制御する配向制御層3と、非磁性下地層8と、一面1aに対して主に垂直に配向された磁化容易軸を有する垂直磁性層4と、保護層5とがこの順序で積層された磁気記録媒体50であって、垂直磁性層4は2層以上の磁性層45、46を備えており、前記磁性層45、46のうち最も保護層5側の磁性層46に非磁性材料が分散された分散領域48が設けられており、前記非磁性材料の濃度が保護層5側から非磁性基板1側に向けて少なくされている構成なので、磁性粒子の微細化と磁気的な孤立化を促進して、再生時におけるS/N比を大幅に向上することができる。また、熱揺らぎ特性も向上させて、さらに優れた記録特性(OW)を得ることができる。これにより、電磁変換特性を高くすることができ、かつ、耐腐食性を高くすることができる。そして、高密度記録化に適した磁気記録媒体とすることができる。
本発明の実施形態である磁気記録媒体50は、分散領域48の厚さが0.5nm〜2.0nmの範囲内である構成なので、電磁変換特性を高くすることができ、かつ、耐腐食性を高くすることができる。
本発明の実施形態である磁気記録媒体50は、前記非磁性材料がCr、Al、Mo、Ta、W、Ti、Zr、Hf、Nbからなる群から選ばれるいずれか1種以上である構成なので、電磁変換特性を高くすることができ、かつ、耐腐食性を高くすることができる。
本発明の実施形態である磁気記録媒体50は、前記垂直磁性層4が、非磁性基板1側からグラニュラー構造を有する第1の磁性層45と、非磁性層7と、分散領域48を有する第2の磁性層46とをこの順序で積層してなる構成なので、磁性粒子の微細化と磁気的な孤立化を促進して、再生時におけるS/N比を大幅に向上することができ、電磁変換特性を高くすることができる。また、第2の磁性層46の保護層5側を完全に覆う分散領域48を形成でき、耐腐食性を高くすることができる。
本発明の実施形態である磁気記録媒体50は、垂直磁性層4内に、第1の磁性層45の結晶粒子と、第1の磁性層45の結晶粒子を種として厚み方向にエピタキシャル成長された非磁性層7の結晶粒子と、非磁性層7の結晶粒子を種として厚み方向にエピタキシャル成長された第2の磁性層46の結晶粒子とからなる柱状の結晶体26を有している構成なので、磁性粒子の微細化と磁気的な孤立化を促進して、再生時におけるS/N比を大幅に向上することができ、電磁変換特性を高くすることができる。
本発明の実施形態である磁気記録媒体50の製造方法は、非磁性基板1の一面1aに、軟磁性下地層2と、配向制御層3と、非磁性下地層8とをこの順序で積層する工程と、非磁性下地層8の非磁性基板1と反対側の面8aに2層以上の磁性層45、46を有する垂直磁性層4を形成する工程と、垂直磁性層4の非磁性基板1と反対側の面4aに非磁性材料を付着させる工程と、非磁性材料を垂直磁性層4に浸透させて、非磁性基板1と反対側から非磁性基板1側に向けて濃度が少なくなるように非磁性材料が分散された分散領域を形成する工程と、垂直磁性層4の前記非磁性基板1と反対側の面4aに保護層5を形成する工程と、を有する構成なので、高い電磁変換特性および高い耐腐食性を備えた磁気記録媒体を容易に製造することができる。
本発明の実施形態である磁気記録媒体50の製造方法は、垂直磁性層4の非磁性基板1と反対側の面4aに付着させた非磁性材料に不活性イオンまたは窒素イオンを照射して、前記非磁性材料を垂直磁性層4に浸透させる構成なので、高い電磁変換特性および高い耐腐食性を備えた磁気記録媒体を容易に製造することができる。
本発明の実施形態である磁気記録媒体50の製造方法は、垂直磁性層4の非磁性基板1と反対側の面4aに付着させた非磁性材料を加熱して、前記非磁性材料を垂直磁性層4に浸透させる構成なので、高い電磁変換特性および高い耐腐食性を備えた磁気記録媒体を容易に製造することができる。
本発明の実施形態である磁気記録再生装置100は、本発明の実施形態である磁気記録媒体50と、磁気記録媒体50の記録再生を行う磁気ヘッド52と、を備えている構成なので、高い電磁変換特性および高い耐腐食性を備え、高密度記録に適した磁気記録媒体を備えた磁気記録再生装置とすることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。また、ディスクリートトラック型磁気記録媒体や、ビットパターン型磁気記録媒体の製造工程にも適用することができる。
(実施例1)
以下のようにして、図1に示す構造を備えた磁気記録媒体を製造した。
まず、洗浄済みのガラス基板(コニカミノルタ社製、外形2.5インチ)を、DCマグネトロンスパッタ装置(アネルバ社製C−3040)の成膜チャンバ内に収容した。
次に、到達真空度1×10−5Paとなるまで成膜チャンバ内を排気した後、前記ガラス基板の一面上に、CrTiターゲットを用いて、CrTiからなる層厚10nmの密着層を成膜した。
次に、前記密着層上に、Co−20Fe−5Zr−5Ta{Fe含有量20at%、Zr含有量5at%、Ta含有量5at%、残部Co}のターゲットを用いて、100℃以下の基板温度で、Co−20Fe−5Zr−5Taからなる層厚20nmの第1の軟磁性層を成膜した。
次に、前記軟磁性層上に、層厚0.7nmのRu層を成膜した後、前記Ru層上に、Co−20Fe−5Zr−5Taからなる層厚20nmの第2の軟磁性層を成膜した。
これにより、第1の軟磁性層と第2の軟磁性層との間にRu層を挟みこんだ軟磁性下地層を形成した。
次に、前記軟磁性下地層上に、Ni−6W{W含有量6at%、残部Ni}ターゲットを用いて、層厚6nmのNi−6W層を成膜した後、前記Ni−6W層上に、Ruターゲットを用いて、層厚20nmのRu層を成膜して、配向制御層を形成した。
なお、Ru層の成膜では、成膜の最初はスパッタ圧力を0.6Paの低圧とし、最後はスパッタ圧力を1Paの高圧とした。
次に、前記配向制御層上に、(60Co40Cr)86−(SiO)14{Cr含有量40at%、残部Coの合金を86mol%、SiOからなる酸化物を14mol%}の組成の非磁性下地層を、層厚3nmで成膜した。なお、このときのスパッタ圧力は2Paとした。
次に、前記非磁性層下地層上に、(Co9.5Cr16Pt5.5Ru)91.7−(SiO)5−(Cr)3.3{Cr含有量9.5at%、Pt含有量16at%、Ru5.5at%、残部Coの合金を91.7mol%、SiOからなる酸化物を5mol%、Crからなる酸化物を3.3mol%}の組成の第1の磁性層を、層厚3nmで形成した。なお、このときのスパッタ圧力2Paとした。
次に、前記磁性層の上に、Ruからなる非磁性層を、層厚0.5nmで形成した。
次に、前記非磁性層の上に、Co16Cr16Pt8B{Cr含有量16at%、Pt含有量16at%、B含有量8at%、残部Co}からなるターゲットを用いて、第2の磁性層を5nmの層厚で形成した。なお、このときのスパッタ圧力を0.6Paとした。これにより、第1の磁性層と第2の磁性層との間に非磁性層を挟みこんだ垂直磁性層を形成した。
次に、この第2の磁性層の上に、スパッタ法により、層厚2nmのAl膜を成膜した。スパッタ圧力は0.8Paとした。
次に、Al膜の表面から、Arイオン照射を行った。照射条件は、Arガスを8sccm、圧力0.3Pa,高周波プラズマ電力200W、加速電圧800V、照射時間20秒とした。これにより、垂直磁性層内にAlの分散領域を形成した。
なお、Arイオン照射後の垂直磁性層を調べたところ、Co16Cr16Pt8B磁性層の表層部1.2nmの範囲内にAlの分散領域が形成されていた。この分散領域は磁性層の最表層部でAlの含有量が97at%、最下部で0at%であり、その間でAl含有量はほぼリニアに変化していた。
次に、CVD法により、層厚3.0nmの保護層を成膜した。
次に、ディッピング法によりパーフルオロポリエーテルからなる潤滑層を成膜した。
以上の工程により、実施例1の磁気記録媒体を製造した。
(比較例1)
分散領域を設けなかった他は実施例1と同様にして、比較例1の磁気記録媒体を製造した。
(実施例2〜16)
非磁性材料の種類および/またはAr照射時間を変化させた他は実施例1と同様にして、実施例2〜16の磁気記録媒体を作製した。
表1に、実施例2〜16の非磁性材料の種類、Ar照射時間の条件を、実施例1および比較例1とともに示す。
Figure 2011014204
「特性評価」
次に、実施例1〜16および比較例1の磁気記録媒体の低周波信号出力及びビットエラーレートを測定した。
図8及び図9は、実施例1〜16の磁気記録媒体の電磁変換特性の違いを示すグラフである。ここで、比較例1の磁気記録媒体の電磁変換特性との対比した値を縦軸の値として用いている。また、電磁変換特性としては、低周波信号出力およびビットエラーレートを用いている。なお、図8及び図9において、#1〜#16はそれぞれ実施例1〜16を示す。
図8は、低周波信号出力とAr照射時間との関係を示すグラフであって、縦軸は低周波信号出力の対比結果((実施例1〜16/比較例1)×100)である。
また、図9は、ビットエラーレートとAr照射時間との関係を示すグラフであって、縦軸はビットエラーレートの絶対値の対比結果((実施例1〜16/比較例1)×100)である。
次に、実施例1〜16及び比較例1の磁気記録媒体の耐腐食性評価を行った。
前記耐腐食性評価は、磁気記録媒体を90℃、湿度90%の環境下に96時間放置した後、光学式表面検査機を用いて、前記磁気記録媒体の表面に発生した直径2μm以上の腐食スポットの数(個/面)をカウントして実施した。
実施例1〜16の磁気記録媒体の腐食スポットの数が70〜85(個/面)であったのに対し、比較例1の磁気記録媒体の腐食スポットの数は190(個/面)であり、実施例1〜16の磁気記録媒体は比較例の磁気記録媒体に比べて耐腐食性に優れていた。
本発明は、磁気記録媒体、その製造方法及び磁気記録再生装置に関するものであって、特に、少なくとも非磁性基板の上に、軟磁性下地層と、直上の層の配向性を制御する配向制御層と、磁化容易軸が前記非磁性基板に対して主に垂直に配向した垂直磁性層と、保護層とをこの順序で積層してなる磁気記録媒体、その製造方法及び磁気記録再生装置に関するものであって、磁気記録媒体を製造・利用する産業において利用可能性がある。
1…非磁性基板、2…軟磁性下地層、3…配向制御層、3a…非磁性基板と反対側の面、4…垂直磁性層、4a…非磁性基板と反対側の面、5…保護層、5a…非磁性基板と反対側の面、6…潤滑層、6a…非磁性基板と反対側の面、7…非磁性層、7a…非磁性基板と反対側の面、8…非磁性下地層、8a…非磁性基板と反対側の面、10…密着層、22…第1の軟磁性層、23…非磁性層、24…第2の軟磁性層、25…粒界、26…柱状の結晶体、31…非磁性材料からなる層、41…酸化物、42…磁性粒子、45…第1の磁性層、46…第2の磁性層、45a…非磁性基板と反対側の面、48…分散領域、50…磁気記録媒体、50a…非磁性基板と反対側の面、51…媒体駆動部、52…磁気ヘッド、53…ヘッド駆動部、54…記録再生信号処理系、100…磁気記録再生装置。

Claims (9)

  1. 非磁性基板の一面上に、軟磁性下地層と、直上の層の配向性を制御する配向制御層と、非磁性下地層と、前記一面に対して主に垂直に配向された磁化容易軸を有する垂直磁性層と、保護層とがこの順序で積層された磁気記録媒体であって、
    前記垂直磁性層は2層以上の磁性層を備えており、前記磁性層のうち最も保護層側の磁性層に非磁性材料が分散された分散領域が設けられており、前記非磁性材料の濃度が前記保護層側から前記非磁性基板側に向けて少なくされていることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 前記分散領域の厚さが0.5nm〜2.0nmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 前記非磁性材料がCr、Al、Mo、Ta、W、Ti、Zr、Hf、Nbからなる群から選ばれるいずれか1種以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の磁気記録媒体。
  4. 前記垂直磁性層が、前記非磁性基板側からグラニュラー構造を有する第1の磁性層と、非磁性層と、前記分散領域を有する第2の磁性層とをこの順序で積層してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  5. 前記垂直磁性層内に、前記第1の磁性層の結晶粒子と、前記第1の磁性層の結晶粒子を種として厚み方向にエピタキシャル成長された非磁性層の結晶粒子と、前記非磁性層の結晶粒子を種として厚み方向にエピタキシャル成長された前記第2の磁性層の結晶粒子とからなる柱状の結晶体を有していることを特徴とする請求項4に記載の磁気記録媒体。
  6. 非磁性基板の一面に、軟磁性下地層と、配向制御層と、非磁性下地層とをこの順序で積層する工程と、
    前記非磁性下地層の前記非磁性基板と反対側の面に2層以上の磁性層を有する垂直磁性層を形成する工程と、
    前記垂直磁性層の前記非磁性基板と反対側の面に非磁性材料を付着させる工程と、
    前記非磁性材料を前記垂直磁性層に浸透させて、前記垂直磁性層の前記非磁性基板と反対側の面から前記非磁性基板側に向けて濃度が少なくなるように非磁性材料を分散させて分散領域を形成する工程と、
    前記垂直磁性層の前記非磁性基板と反対側の面に保護層を形成する工程と、を有することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  7. 前記垂直磁性層の前記非磁性基板と反対側の面に付着させた非磁性材料に不活性イオンまたは窒素イオンを照射して、前記非磁性材料を前記垂直磁性層に浸透させることを特徴とする請求項6に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  8. 前記垂直磁性層の前記非磁性基板と反対側の面に付着させた非磁性材料を加熱して、前記非磁性材料を前記垂直磁性層に浸透させることを特徴とする請求項6に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  9. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体の記録再生を行う磁気ヘッドと、を備えることを特徴とする磁気記録再生装置。
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