JP2011012713A - ディスクブレーキ - Google Patents

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Abstract

【課題】 車両後退方向での制動時に、ブレーキ鳴きによる異音が発生するのを抑制することができるようにする。
【解決手段】 車両の前進時にディスク1の回出側となる方向に向けて摩擦パッド10を付勢する付勢ばね15を、摩擦パッド10(裏金11)の耳部11Aとキャリア2のトルク受面5との間にコンパクトに配置する。付勢ばね15は、ばね性を有する板材を曲げ加工して形成し、鳴きに至る共振振動数を避けるようにばね定数を小さな値に設定する。この場合、付勢ばね15は、その基端側を裏金11の耳部11Aに固定して設け、先端側をキャリア2のトルク受面5に弾接させる。また、付勢ばね15は、耳部11Aの幅方向(ディスク1の径方向)の中心位置よりも径方向外側寄りとなる位置に配置する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば自動車等の車両に制動力を付与するディスクブレーキに関する。
一般に、自動車等の車両に設けられるディスクブレーキは、車両の非回転部分に取付けられる取付部材と、該取付部材に支持されキャリパへの液圧供給によりディスクの両面に押圧される一対の摩擦パッドと、該摩擦パッドと前記取付部材との間に設けられ前記摩擦パッドをディスクの回転方向出口側(周方向)に付勢する付勢ばね(いわゆる、アンチラトルスプリング)等とを備えて構成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−331883号公報
ところで、上述した従来技術で採用している付勢ばねを備えたディスクブレーキでは、例えば車両の後退時に摩擦パッドが取付部材のトルク受けに当接するまでの間において、ブレーキ鳴きが発生し易いという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、車両の後退方向での制動時における、ブレーキ鳴きによる異音発生を抑制できるようにしたディスクブレーキを提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明によるディスクブレーキは、ディスクを跨いで車両に固定され制動時のトルクを受けるトルク受面を有した取付部材と、該取付部材に支持される裏金と摩擦材からなるライニングとを有し、前記裏金にはディスクの周方向両側に位置する側面部に前記制動時のトルクを前記取付部材のトルク受面に当接して伝達するトルク伝達部が形成された摩擦パッドと、前記取付部材に摺動可能に設けられ、前記摩擦パッドを前記ディスクに押圧するキャリパと、前記摩擦パッドの裏金の各側面部のうち車両前進時にディスク回入側となる側面部と該側面部に対向する前記取付部材の対向面との間に設けられ、前記側面部と対向面のうちいずれか一方に弾接する延出部により前記摩擦パッドをディスクの回出側に向けて付勢する付勢手段とを有し、前記付勢手段のばね定数は、前記取付部材に取付けられた状態で前記キャリパが剛体として振動するときの固有振動数fと前記摩擦パッドの質量mとから、
k=4π×f×m
として求められるばね定数kよりも小さくなるように形成する構成としている。
上述の如く、本発明によれば、車両後退方向での制動時に、ブレーキ鳴き等の異音発生を抑制することができる。
本発明の第1の実施の形態によるディスクブレーキを上方からみた平面図である。 ディスクブレーキを図1中の矢示II−II方向からみた一部破断の正面図である。 図2に示すディスクブレーキの背面図である。 図1中のキャリパを取外した状態で取付部材、摩擦パッド、パッドスプリングおよび付勢ばね等を示す一部破断の平面図である。 図4中の取付部材、摩擦パッド、パッドスプリングおよび付勢ばね等を前側からみた正面図である。 取付部材、摩擦パッド、パッドスプリングおよび付勢ばね等を図4中の矢示VI−VI方向からみた断面図である。 図6中の摩擦パッドに付勢ばねを取付けた状態を示す正面図である。 図7の摩擦パッドおよび付勢ばねを上方からみた平面図である。 図4中の矢示IX部分を拡大して示す要部断面図である。 車両後退方向での制動時における付勢ばねの変形状態を示す図9と同様位置での断面図である。 付勢ばねのばね特性を示す特性線図である。 第2の実施の形態による付勢ばねを摩擦パッドに取付けた状態を示す正面図である。 摩擦パッドおよび付勢ばねを図12中の矢示XIII−XIII方向からみた一部破断の平面図である。 第3の実施の形態による付勢ばねを摩擦パッドに取付けた状態を示す正面図である。 第4の実施の形態によるディスクブレーキを示す正面図である。 図15のパッドスプリングを単体として拡大して示す正面図である。 図16のパッドスプリングを左側からみた左側面図である。
以下、本発明の実施の形態によるディスクブレーキを、添付図面に従って詳細に説明する。
ここで、図1ないし図11は本発明の第1の実施の形態を示している。図中、1は回転するディスクを示し、このディスク1は、例えば車両が前進方向に走行するときに車輪(図示せず)と共に図1中の矢示A方向に回転し、車両が後退するときには矢示B方向に回転するものである。
2は車両の非回転部分に取付けられる取付部材としてのキャリアで、該キャリア2は、図1〜図3に示す如く、ディスク1の回転方向(周方向)に離間してディスク1の外周を跨ぐようにディスク1の軸方向に延びた一対の腕部2A,2Aと、該各腕部2Aの基端側を一体化するように連結して設けられ、ディスク1のインナ側となる位置で前記車両の非回転部分に固定される厚肉の支承部2B等とから構成されている。
また、キャリア2には、ディスク1のアウタ側となる位置で腕部2A,2Aの先端側を互いに連結する補強ビーム2Cが図2に示す如く弓形状をなして一体に形成されている。これにより、キャリア2の各腕部2A,2Aは、ディスク1のインナ側で支承部2Bにより一体的に連結されるとともに、アウタ側で補強ビーム2Cにより一体的に連結されている。
そして、腕部2Aのディスク1の軸方向の中間部には、図2、図6中に示すようにディスク1の外周(回転軌跡)に沿って弧状に延びるディスクパス部3が形成されている。該ディスクパス部3のディスク1の軸方向両側には、インナ側,アウタ側のパッドガイド4がそれぞれ形成されている。また、各腕部2Aには、図2、図6中に示すようにピン穴2Dがそれぞれ設けられている。これらのピン穴2D内には、後述の摺動ピン7が摺動可能に挿嵌される。
上記パッドガイド4は、図2〜図6に示す如く断面コ字形状をなす凹溝として形成され、後述の摩擦パッド10がディスク1の軸方向、すなわち摺動変位する方向に延びている。
パッドガイド4は、後述する摩擦パッド10の耳部11A,11Bを上,下方向(ディスク径方向)から挟むように、即ち耳部11A,11Bが凹凸嵌合する。これらの耳部11A,11Bを介して摩擦パッド10をディスク軸方向にガイドするものである。パッドガイド4の奥側壁面には、所謂トルク受部としてのトルク受面5が構成されている。このトルク受面5は、ブレーキ操作時に発生する制動トルクを摩擦パッド10が耳部11A,11Bを介して受承するものである。
即ち、図2中に示す左,右のパッドガイド4,4のうち、矢示A方向に回転するディスク1の回転方向出口側(以下、回出側という)に位置する左側のパッドガイド4、特に、底部側のトルク受面5は、ブレーキ操作時に後述の摩擦パッド10がディスク1から受ける制動トルクを裏金11の耳部11Bおよび、後述するパッドスプリング14の案内板部14Aを介して受承する。また、矢示A方向に回転するディスク1の回入側(以下、回入側という)に位置するパッドガイド4の底部側、すなわち、トルク受面5は、ブレーキ操作時に摩擦パッド10の耳部11Aから僅かに離間した状態となるようになっている。
キャリパ6は、キャリア2に摺動可能に設けられている。該キャリパ6は、図1に示す如くディスク1の一側であるインナ側に設けられたインナ脚部6Aと、キャリア2の各腕部2A間でディスク1の外周側を跨ぐようにインナ脚部6Aからディスク1の他側であるアウタ側へと延設されたブリッジ部6Bと、該ブリッジ部6Bの先端側であるアウタ側からディスク1の径方向内向きに延び、先端側が二又状をなしたアウタ脚部6Cとにより構成されている。
そして、キャリパ6のインナ脚部6Aには、ピストンが摺動可能に挿嵌されるシリンダ(いずれも図示せず)が形成されている。また、インナ脚部6Aには、図1、図3中の左,右方向に突出する一対の取付部6D,6Dが設けられている。該各取付部6Dは、キャリパ6全体を後述の摺動ピン7を介してキャリア2の各腕部2Aに摺動可能に支持する。
摺動ピン7は、図1に示す如くキャリパ6の各取付部6Dにそれぞれボルト8を用いて締結されている。各摺動ピン7の先端側は、キャリア2の各腕部2Aのピン穴2Dに向けて延びており、図2中に例示するようにキャリア2の各ピン穴2D内に摺動可能に挿嵌されている。
各腕部2Aと各摺動ピン7との間には、それぞれ保護ブーツ9,9が取付けられ、摺動ピン7と腕部2Aのピン穴2Dとの間に雨水等が浸入するのを防いでいる。
摩擦パッド10は、ディスク1の両面に対向して配置されている。摩擦パッド10は、図1〜図6に示す如く、ディスク1の周方向(回転方向)に略扇形状をなして延びる平板状の裏金11と、該裏金11の表面側に固着して設けられディスク1の表面に摩擦接触する摩擦材としてのライニング12(図10、図11参照)等とにより構成されている。
摩擦パッド10の裏金11には、ディスク1の周方向両側に位置する側面部に嵌合部としての凸形状をなした耳部11A,11Bが設けられている。裏金11の耳部11A,11Bは、車両のブレーキ操作時にディスク1から摩擦パッド10が受ける制動トルクをキャリア2のトルク受面5に当接して伝達するトルク伝達部を構成するものである。
摩擦パッド10(裏金11)の耳部11A,11Bは、例えば図2、図3に示すように左,右対称に形成され、互いに同一の形状をなしている。そして、一方の耳部11Aは、車両の前進時に矢示A方向に回転するディスク1の回入側(回入側)に配置され、他方の耳部11Bは、ディスク1の回転方向出口側(回出側)に配置されるようになっている。
摩擦パッド10のトルク伝達部となる左,右の耳部11A,11Bのうちディスク1の回入側に位置する耳部11Aには、後述の付勢ばね15が設けられている。
摩擦パッド10の裏金11には、その長さ方向両側、すなわち、ディスク1の回入側,回出側に位置する側面部に平坦面部11C,11Dが形成されている。平坦面部11C,11Dは、耳部11A,11Bの突出方向に対してほぼ垂直な方向で、ディスク1の径方向外向きに延びている。
摩擦パッド10の裏金11には、耳部11A,11Bの基端(根元)側寄りに位置してカシメ部11E,11Eが設けられている。カシメ部11Eは、図10、図11に示す如く裏金11のライニング12が設けられる一方の面(以下、表面11Fという)側に突出して設けられている。該各カシメ部11Eのうちディスク1の回入側に位置するカシメ部11Eには、後述の付勢ばね15を摩擦パッド10の裏金11に固定するために、カシメ加工が施されるものである。
裏金11の耳部11Aには、凹溝13が設けられている。該凹溝13は、図7〜図12に示すように耳部11Aの先端側(突出側)端面11A1 を部分的にL字状に切欠くことにより形成され、後述する付勢ばね15の一部を収納するための収納溝を構成している。そして、耳部11Aの端面11A1 に対する凹溝13の溝深さhは、図7に示すように後述する付勢ばね15の板厚tに対してほぼ2倍(h≒2×t)の寸法に設定されている。
凹溝13は、図10、図12にも示すように耳部11Aの幅方向(ディスクの径方向)の中心位置よりも径方向外側寄りとなる位置に配置されている。なお、ディスク1の回出側に位置する耳部11Bについても、回入側の耳部11Aと同様に凹溝13を形成する構成とするのが好ましい。これにより、摩擦パッド10は、ディスク1のインナ側とアウタ側とで部品の共通化を図ることが可能となり、ディスクブレーキの部品点数を削減して、その製造上の煩雑さを解消することが可能となる。
キャリア2の各腕部2Aには、パッドスプリング14,14が取付けられている。パッドスプリング14,14は、それぞれインナ側,アウタ側の摩擦パッド10を弾性的に支持すると共に、これらの摩擦パッド10の摺動変位を滑らかにするものである。そして、パッドスプリング14は、ばね性を有するステンレス鋼板等を図1〜図6に示すように曲げ加工(プレス成形)することにより形成されている。
パッドスプリング14は、一対の案内板部14Aと、連結板部14Bと、径方向付勢板部14Cとを含んで構成されている。一対の案内板部14Aは、キャリア2の各パッドガイド4内に嵌合するように略コ字状に折曲げて形成され、ディスク1のインナ側とアウタ側とで互いに離間し手形成されている。連結板部14Bは、各案内板部14Aをディスク1のインナ側とアウタ側とで一体的に連結するため、ディスク1の外周側を跨いだ状態で軸方向に延びて形成されている。径方向付勢板部14C,14Cは、前記各案内板部14Aのディスク1の径方向内側部位に一体形成されている。
パッドスプリング14の各案内板部14Aは、図2、図3、図5、図6に示すようにキャリア2の各パッドガイド4内に嵌合して取付けられ、摩擦パッド10の裏金11を凸形状の耳部11A,11Bを介してディスク1の軸方向に案内する機能を有している。また、各径方向付勢板部14Cは、キャリア2の各パッドガイド4内で各摩擦パッド10(裏金11)の耳部11A,11Bに弾性的に当接することにより、各摩擦パッド10の裏金11をディスク1の径方向外側に向けて付勢している。これにより、各摩擦パッド10のガタ付きを抑えるものである。なお、径方向付勢板部14Cは、後述の図16、図17に示す径方向付勢部44とほぼ同様の構成を有している。
付勢ばね15は、摩擦パッド10の裏金11の各側面部(耳部11A,11B)のうち車両前進時にディスク回入側となる耳部11A(側面部)と、これに対向するキャリア2のトルク受面5(取付部材の対向面)との間に設けられている。付勢ばね15は、摩擦パッド10をディスク1の回出側に向けて付勢する付勢手段を構成している。
そして、付勢ばね15は、例えば、ばね性を有するステンレス鋼板等を図7,8に示すように曲げ加工(プレス成形)することにより形成されている。そして、付勢ばね15のばね定数k1 は、下記の数1の関係に設定されている。
Figure 2011012713
Figure 2011012713
この場合、数2式によるばね定数kは、ブレーキ鳴きの要因としてキャリパ6を起振源として捉えた場合における、キャリア2(取付部材)に取付けた状態でキャリパ6が剛体として振動するときの固有振動数fと摩擦パッド10の質量mとにより求められる。そして、付勢ばね15のばね定数k1 は、例えば板厚tを適正に調整することにより、数2式によるばね定数kよりも小さく、零よりも大きい値に設定されている。例えば、前記数2式によるばね定数kは、固有振動数fを200Hz、質量mを0.2kgとしたときに、下記の如く求められる。
Figure 2011012713
なお、上記固有振動数fは、キャリパ6を車両及びキャリア2に取り付けた状態で、キャリパ6をハンマー等で加振し、このとき発生する振動を測定器により測定する加振試験を行なうことにより、特定が可能になっている。また、このような加振試験により測定されるキャリパ6の固有振動数は、200Hz〜500Hzの幅を有している。
付勢ばね15は、図7〜図9に示すように、取付部15Aと、第1の延出部15Bと、折曲げ部15Cと、第2の延出部15Dとを含んで構成されている。取付部15Aは、摩擦パッド10(裏金11)の表面11F側にカシメ部11Eにより固定して取付けられるようになっている。第1の延出部15Bは、該取付部15Aに基端側が接続(一体形成)され裏金11の一方の面(表面11F)とは反対側となる他方の面(裏面11G)側に向け凹溝13を介してディスク1から離間する方向に延出されている。折曲げ部15Cは、該第1の延出部15Bの先端側に一体形成され裏金11の裏面11G側でディスク1に近付く方向に向けて弧状(例えば、U字状またはC字状)に折曲げられている。第2の延出部15Dは、該折曲げ部15Cの先端側から裏金11の表面11F側へとディスク1に近付く方向に延びキャリア2のトルク受面5にパッドスプリング14の案内板部14Aを介して弾性変形状態で当接(弾接)するようになっている。
付勢ばね15の取付部15Aは、ディスク1の回入側となる裏金11の耳部11A側にカシメ部11Eを介して固定され、耳部11Aの表面11Fに広く面接触(密着)した状態で取付けられている。第1の延出部15Bは、取付部15Aの先端側から裏金11の凹溝13内へと折り重ねるようにL字状に屈曲した後、耳部11Aの裏面11G側へと「く」字状に屈曲してディスク軸方向と周方向とに斜めに傾いて延びている。
折曲げ部15Cは、裏金11の耳部11Aのうちキャリア2のトルク受面5に対向する端面11A1 よりもディスク周方向の内側となる位置で弧状に折り返すように折曲げられて形成されている。第2の延出部15Dは、折曲げ部15Cの先端側より裏金11の凹溝13を外側から跨ぐように表面11F側へと斜めに傾斜してディスク1に近付く方向に延びている。
第2の延出部15Dは、図4,9,10に示すように、キャリア2のトルク受面5にパッドスプリング14の案内板部14Aを介して弾性変形状態で当接している。
付勢ばね15は、取付部15Aが裏金11の耳部11A側に固定されることにより、ブレーキ非操作時や車両前進時におけるブレーキ操作時は図9に示すように摩擦パッド10に片持ち状態で支持されている。そして、車両後進時におけるブレーキ操作時は、摩擦パッド10(裏金11)の耳部11Aがキャリア2のトルク受面5(パッドスプリング14の案内板部14A)に当接して付勢ばね15が図10に示す如く大きく撓み変形したとしても、第2の延出部15Dが第1の延出部15Bと一緒に耳部11Aの凹溝13内に収納されて片持ち状態を維持するようになっている。
また、付勢ばね15は、図7にも示すように耳部11Aの幅方向(ディスクの径方向)の中心位置よりも径方向外側寄りとなる位置に配置されている。これにより、付勢ばね15は、耳部11Aの幅方向の中心位置よりも径方向外側寄りとなる位置で摩擦パッド10をディスク回出側に付勢することができ、制動時に偶力抜けが発生するのを抑制できるものである。
一方、付勢ばね15には、摩擦パッド10の裏金11に固定される固定箇所、即ち取付部15Aの近傍(取付部15Aを挟んで第1の延出部15Bとは反対側の端部)に摩耗検知片15Eが設けられている。ここで、摩耗検知片15Eは、取付部15Aの基端側をライニング12の厚さ方向に沿ってL字状に折り曲げることにより形成され、ライニング12が大きく摩耗したときにディスク1に接触して摩耗検知を行うものである。
本実施の形態によるディスクブレーキは、上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
まず、車両のブレーキ操作時には、キャリパ6のインナ脚部6A(シリンダ)にブレーキ液圧を供給することによりピストンをディスク1に向けて摺動変位させ、これによりインナ側の摩擦パッド10をディスク1の一側面に押圧する。そして、このときにはキャリパ6がディスク1からの押圧反力を受けるため、キャリパ6全体がキャリア2の腕部2Aに対してインナ側に摺動変位し、アウタ脚部6Cがアウタ側の摩擦パッド10をディスク1の他側面に押圧する。
これにより、インナ側とアウタ側の摩擦パッド10は、図1〜図3中の矢示A方向(車両の前進時)に回転しているディスク1を、両者の間で軸方向両側から強く挟持することができ、このディスク1に制動力を与えることができる。そして、ブレーキ操作を解除したときには、前記ピストンへの液圧供給が停止されることにより、インナ側とアウタ側の摩擦パッド10がディスク1から離間し、再び非制動状態に復帰する。
また、このようなブレーキ操作時、解除時(非制動時)には、摩擦パッド10の耳部11A,11Bのうちディスク1の回入側に位置する耳部11Aが、付勢ばね15によって図2、図3、図5、図6、図9中の矢示C方向に付勢され、摩擦パッド10は、ディスク1の回出側(図2中の矢示A方向)に弱い力で常時付勢される。そして、ディスク1の回出側に位置する耳部11Bは、このときの付勢力によりパッドスプリング14の案内板部14Aを介してパッドガイド4のトルク受面5に弾性的に押付けられる。
このため、摩擦パッド10が車両走行時の振動等でディスク1の周方向にガタ付いたりするのを、ディスク回入側の耳部11Aとトルク受面5との間に設けた付勢ばね15により規制することができる。そして、車両前進時のブレーキ操作時には、摩擦パッド10がディスク1から受ける制動トルク(矢示A方向の回転トルク)を、回出側の腕部2A(パッドガイド4のトルク受面5)により受承することができる。
これにより、摩擦パッド10のディスク回出側に位置する耳部11Bは、パッドガイド4のトルク受面5に案内板部14Aを介して当接し続ける。しかも、回出側の耳部11Bは、ブレーキ操作前に付勢ばね15の作用により案内板部14Aに当接してクリアランスがない状態となっているので、制動トルクによって摩擦パッド10が移動して異音を発生してしまうようなことがない。
また、摩擦パッド10の耳部11A,11Bは、ディスク1の回入側,回出側に位置するパッドガイド4,4内にパッドスプリング14の案内板部14Aを介して摺動可能に挿嵌され、各径方向付勢板部14Cによってディスク1の径方向外側へと付勢されている。これにより、摩擦パッド10の耳部11A,11Bを案内板部14Aのディスク径方向外側の面(図中上面)側へと弾性的に押付けることができる。
このため、走行時の振動等により摩擦パッド10がディスク1の径方向にガタ付いたりするのを、パッドスプリング14の径方向付勢板部14Cにより規制することができる。そして、ブレーキ操作時には、摩擦パッド10の耳部11A,11Bを案内板部14Aの上面側に摺接させた状態に保持しつつ、インナ側,アウタ側の摩擦パッド10を案内板部14Aに沿ってディスク軸方向へと円滑に案内することができる。
ところで、キャリア2のパッドガイド4内に摩擦パッド10(裏金11)の耳部11A,11Bを摺動可能に挿嵌する型式(所謂入れ子式)のディスクブレーキでは、緩制動時のブレーキ鳴き対策を行うことが要求されている。そして、現状では、例えばキャリア2のトルク受面5にグリスを塗布したり、両面テープを貼付けたりする等の応急処置により、緩制動時のブレーキ鳴きに対処しているだけである。
そこで、本発明者等は、緩制動時でのブレーキ鳴き対策について鋭意研究した結果、ディスク1の回出側に向けて摩擦パッド10を付勢する付勢ばね15は、そのばね定数k1 を前記数1式、数2式を満たす関係に設定することにより、所謂ブレーキ鳴きの発生を抑えることができることを確認した。これは、キャリパ6を起振源として捉えた場合において、キャリア2(取付部材)に取付けた状態でキャリパ6が剛体として振動するときの固有振動数fから、付勢ばね15により発生する摩擦パッド10の共振振動数をずらすことができたためである。
即ち、車両前進方向でのブレーキ操作時には、摩擦パッド10のディスク回出側に位置する耳部11Bは、回入側の耳部11Aに設けた付勢ばね15の作用によりディスク回出側に位置するパッドガイド4のトルク受面5(パッドスプリング14の案内板部14A)に弾性的に押付けられた状態で、ディスク1からの制動トルクをトルク受面5との間で受承する。このため、摩擦パッド10とディスク回出側に位置するキャリア2の腕部2Aとが一つの剛体となるため、腕部2Aの変形をばねとして捉えた場合のばね定数k2 は、例えば図11中に示す特性線16(k2 =2×10 N/m)に沿った特性となる。このようなばね定数k2の特性では、摩擦パッド10の共振振動数がキャリパ6の固有振動数fとはかけ離れたものとなるため、加振試験等でブレーキ鳴きの発生を抑えられることが確認されている。
一方、車両後進(後退)方向でのブレーキ操作時には、摩擦パッド10(裏金11)の耳部11Aがキャリア2のトルク受面5(パッドスプリング14の案内板部14A)に当接するまで、付勢ばね15が図9に示す如く片持ち状態でトルク受面5に制動トルクを伝達することになる。そして、付勢ばね15のみで制動トルクが伝達される間は、例えば図11中に示す特性線17(前記数2式、数3式によるばね定数k、例えばk=3.16×10 N/m)よりも、付勢ばね15のばね定数k1 を小さく設定することにより、ブレーキ鳴きに至る摩擦パッド10の共振振動数を避けることができる。なお、図11において、ばね特性での各線の傾き度合いが、ばね定数を表している。また、付勢ばね15には摩擦パッド10をキャリア2に取付けた段階で、初期設定荷重が付加されることになるが、この初期設定荷重の大小は付勢ばね15のばね定数に影響しないようになっている。このため、上記初期設定荷重にかかわらず、各特性線は図11の示された基準点から延びるようになっている。
これにより、本実施の形態では、付勢ばね15のばね定数k1 を前記数1式の関係(0<k1 <k)を満たすように、図11中の特性線18に沿った特性に設定し、付勢ばね15のみで制動トルクが伝達される間は、例えばk1 =7.2×10 N/m程度まで付勢ばね15のばね定数k1 を小さくする構成としている。なお、図11中、一点鎖線で示す特性線19は、特許文献1のアンチラトルスプリングのばね定数の特性を示すものである。この特性線19において、変曲点19A以前では片持ち状態のばね特性となっており、このばね定数は、上記ばね定数kよりも大きくなっている。したがって、摩擦パッドが上記固有振動数fで振動するキャリパとの共振を起こしてブレーキ鳴きが発生する可能性を有している。また、上記変曲点19A以降が両持ち状態のばね特性になっており、そのばね定数は、片持ち状態のばね定数よりも大きくなっている。このような両持ち状態のばね特性時のばね定数も上記ばね定数kよりも大きくなっている。したがって、摩擦パッドが上記固有振動数fで振動するキャリパとの共振を起こしてブレーキ鳴きが発生する可能性を有している。
そして、付勢ばね15のばね定数k1は比較的小さく設定されるため、ブレーキ操作後すぐに、摩擦パッド10(裏金11)の耳部11Aがキャリア2のトルク受面5(パッドスプリング14の案内板部14A)に当接してディスク1からの制動トルクをトルク受面5との間で受承する。耳部11Aがトルク受面5に当接して付勢ばね15が図10に示す如く大きく撓み変形しても、付勢ばね15は片持ち支持の状態を維持するようになっている。このため、付勢ばね15の見かけ上のばね定数k1 は、図11中に示す特性線18の特性線部18Aの如く立ち上がり、キャリア2の腕部2Aと付勢ばね15とを合成したばね定数k2 (図11中に示す特性線16)とほぼ平行な特性となる。したがって、付勢ばね15の鳴きに至る共振振動数を避けることができて、緩制動鳴きを含めた所謂ブレーキ鳴きの発生を抑えることができる。特に緩制動鳴きで低周波の音域のブレーキ鳴きは、車両のリアに取り付けられるディスクブレーキに起こりやすく、本実施形態の付勢ばね15をリア側のディスクブレーキに取付けると有効である。また、付勢ばね15のばね定数k1であれば、ブレーキ鳴きの要因としてディスク1を起振源と捉えた場合におけるディスク1の3直径節モードの固有振動数(約2000Hz)に対しても共振振動数を避けてブレーキ鳴きの発生を抑えることができるようになっている。このように、付勢ばね15のばね定数k1をキャリア2(取付部材)に取付けられた状態でキャリパ6が剛体として振動するときの固有振動数fと前記摩擦パッドの質量mとから求められるばね定数kよりも小さくすることで、他の起振源を要因とするブレーキ鳴きをも抑制することが可能となっている。
また、本実施の形態では、付勢ばね15を、ばね性を有する金属板(例えば、ステンレス鋼板)を曲げ加工することにより、上述の如く取付部15A、第1の延出部15B、折曲げ部15Cおよび第2の延出部15Dからなる一体物として形成しているので、付勢ばね15の板厚tを適正に調整することによって、付勢ばね15のばね定数k1 を前記数1式の関係を満たすように設定することができる。
また、付勢ばね15は、図5〜図7にも示すように耳部11Aの幅方向(ディスクの径方向)の中心位置よりも径方向外側寄りとなる位置に配置する構成としている。これにより、付勢ばね15は、耳部11Aの幅方向の中心位置よりも径方向外側寄りとなる位置で、制動トルクに伴うモーメントが正となる方向に摩擦パッド10を付勢することができ、制動時に偶力抜けが発生するのを抑制することができる。
また、付勢ばね15は、摩擦パッド10(裏金11)の耳部11A,11Bのうち車両前進時にディスク回入側となる耳部11Aと、これに対向するキャリア2のトルク受面5との間にコンパクトに配置することができる。そして、付勢ばね15の第2の延出部15Dは、車両後進時に耳部11Aの端面11A1 がトルク受面5(案内板部14A)に当接しても片持ち状態になるように形成しているため、付勢ばね15のばね定数k1 を、前述した数1〜数3式のように小さな値に容易に設定することができ、車両後退方向の制動時におけるブレーキ鳴き等の異音発生を抑制することができる。
また、摩擦パッド10の裏金11のうちライニング12が設けられた表面11F側に付勢ばね15を設ける構成としているので、車両スペースの有効活用を図ることができ、付勢ばね15に必要なばね定数、必要荷重(ばね力)の確保が容易となる。また、付勢ばね15を摩擦パッド10の裏金11に固定して設けることにより、付勢ばね15を摩擦パッド10に予め組付けたサブアッシー状態で、これらをキャリア2に取付けることができ、組立時の作業性を向上することができる。
特に、本実施の形態では、付勢ばね15を、裏金11の表面11F側に固定して取付けられる取付部15Aと、該取付部15Aの先端側から裏金11の裏面11G側に向けてディスク1から離間する方向に延出された第1の延出部15Bと、該第1の延出部15Bの先端側に形成され裏金11の裏面11G側でディスク1に近付く方向に向けて弧状に折曲げられた折曲げ部15Cと、該折曲げ部15Cの先端側からディスク1に近付く方向に延びキャリア2のトルク受面5側に弾性変形状態で弾接する第2の延出部15Dとにより構成している。
このため、付勢ばね15のばね長を、取付部15A、第1の延出部15B、折曲げ部15Cおよび第2の延出部15Dによって十分な長さに設定することができ、付勢ばね15に必要なばね定数(前述した数1式、数2式)を容易に確保できる。そして、付勢ばね15としての必要荷重(ばね力)の確保が容易となり、付勢ばね15を摩擦パッド10に取付けた状態で車両スペースを有効に活用することができる。
そして、例えばステンレス鋼板等を用いて形成した付勢ばね15は、その先端(自由端)側に位置する第2の延出部15Dがキャリア2のトルク受面5にパッドスプリング14の案内板部14Aを介して弾性変形状態で弾接するから、両者の摺動接触を滑らかにすることができ、所謂ジャダー等の発生を良好に抑えることができる。
また、付勢ばね15の折曲げ部15Cは、例えば図9にも示す通り、裏金11の耳部11Aのうち端面11A1 よりもディスク周方向(矢示C方向)の内側となる位置で弧状に折曲げる構成としているので、キャリア2のパッドガイド4により形成される空間を有効に利用して付勢ばね15の折曲げ部15C等を容易に配置することができる。しかも、これにより付勢ばね15のばね長を十分に確保でき、その付勢力(ばね力)を安定させることができる。
さらに、付勢ばね15には、摩擦パッド10の裏金11に固定される取付部15Aの近傍に摩耗検知片15Eを設ける構成としているので、単一部品である付勢ばね15によりライニング12の摩耗を検知する検知センサを兼用することができ、部品点数の低減化を図ることができる。
次に、図12および図13は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、付勢手段の取付位置を、摩擦パッドのトルク伝達部のうち幅方向の中心付近(ディスク径方向の中心付近)に配置する構成としたことにある。なお、第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、21は摩擦パッド10(裏金11)の耳部11Aに設けられた凹溝で、該凹溝21は、第1の実施の形態で述べた凹溝13とほぼ同様に、耳部11Aの先端側(突出側)端面11A1 を部分的に切欠くことにより形成され、後述する付勢ばね22用の収納溝を構成している。そして、耳部11Aの端面11A1 に対する凹溝21の溝深さhは、図13に示すように後述する付勢ばね22の板厚tに対してほぼ2倍(h≒2×t)の寸法に設定されている。
しかし、凹溝21は、耳部11Aの幅方向(ディスクの径方向)の中心付近となる位置に配置されている点で、第1の実施の形態で述べた凹溝13とは異なっている。そして、この場合の凹溝21内には、後述する付勢ばね22の延出部22B,22Dが収納(挿入)されるものである。
22は各摩擦パッド10をディスク1の回出側に付勢する付勢ばね(付勢手段)で、該付勢ばね22は、第1の実施の形態で述べた付勢ばね15と同様に構成され、そのばね定数k1 は、前述した数1式、数2式の関係を満たすように設定されている。そして、付勢ばね22は、取付部22A、第1の延出部22B、折曲げ部22C、第2の延出部22Dおよび摩耗検知片22Eを含んで構成されている。
しかし、この場合の付勢ばね22は、前述した凹溝21と同様に耳部11Aの幅方向(ディスクの径方向)の中心付近となる位置に配置している点で、第1の実施の形態で述べた付勢ばね15とは異なっている。
かくして、このように構成される第2の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができ、車両後退方向の制動時におけるブレーキ鳴き等の異音発生を低減することができる。
次に、図14は本発明の第3の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、付勢手段を、摩擦パッドの裏金のうちライニングとは反対側となる他方の面側に固定して設ける構成としたことにある。なお、第3の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、31は摩擦パッド10(裏金11)の耳部11Aに設けられた凹溝で、該凹溝31は、第1の実施の形態で述べた凹溝13とほぼ同様に、耳部11Aの先端側(突出側)端面11A1 を部分的に切欠くことにより形成され、後述する付勢ばね32の延出部32Dを収納するための収納溝を構成している。しかし、この場合の凹溝31は、耳部11Aの端面11A1 に対する凹溝31の溝深さh1 が後述する付勢ばね32の板厚t1 とほぼ等しい寸法(h1 ≒t1 )に設定されている点で、第1の実施の形態で述べた凹溝13とは異なっている。
32は各摩擦パッド10をディスク1の回出側に付勢する付勢ばね(付勢手段)で、該付勢ばね32は、第1の実施の形態で述べた付勢ばね15と同様に構成され、そのばね定数k1 は、前述した数1式、数2式の関係を満たすように設定されている。しかし、この場合の付勢ばね32は、摩擦パッド10の裏金11のうちライニング12とは反対側となる他方の面(裏面11G)側に設けている点で第1の実施の形態とは異なるものである。
即ち、付勢ばね32は、摩擦パッド10(裏金11)の裏面11G側にカシメ部11E′により固定して取付けられた取付部32Aと、該取付部32Aに基端側が接続(一体形成)され裏金11の裏面11G側でディスク1から離間する方向に延出された第1の延出部32Bと、該第1の延出部32Bの先端側に一体形成され裏金11の裏面11G側でディスク1に近付く方向に向けて弧状(例えば、U字状またはC字状)に折曲げられた折曲げ部32Cと、該折曲げ部32Cの先端側から裏金11の表面11F側へとディスク1に近付く方向に延びキャリア2のトルク受面5にパッドスプリング14の案内板部14Aを介して弾性変形状態で当接(弾接)する第2の延出部32Dとを含んで構成されている。
そして、付勢ばね32は、板厚t1 の板材(例えば、ステンレス鋼板等)を用いて形成され、付勢ばね32が大きく撓み変形したときには、第2の延出部32Dが耳部11Aの凹溝31内に収納(挿入)される。また、付勢ばね32の折曲げ部32Cは、裏金11の耳部11Aのうち端面11A1 に対してディスク周方向外側寄りとなる位置で弧状に折曲げる構成としている。
ここで、付勢ばね32は、取付部32Aが裏金11の耳部11A側に固定されることにより、上述の第1の実施の形態の付勢ばね15と同様に、常時、摩擦パッド10に片持ち状態で支持されるようになっている。
かくして、このように構成される第3の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができ、車両後退方向の制動時におけるブレーキ鳴き等の異音発生を抑制することができる。
また、付勢ばね32を、取付部32A、第1の延出部32B、折曲げ部32Cおよび第2の延出部32Dにより構成している。これにより、付勢ばね32のばね長を十分に確保でき、その付勢力(ばね力)を安定させることができる。また、裏金11の裏面11G側に付勢ばね32を固定して設けることにより、裏金11の表面11F側に設けるライニング12の占有面積を大きくすることができ、ライニング12の形状を容易に変えることができる。
次に、図15ないし図17は本発明の第4の実施の形態を示し、第4の実施の形態の特徴は、取付部材に設けられるパッドスプリングに、付勢手段を一体化して形成する構成としたことにある。
なお、第4の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。また、キャリア2′、パッドガイド4′、トルク受面5′、キャリパ6′および摩擦パッド10′等の各構成要素については、第1の実施の形態によるものと実質的に変ることはないので、それぞれに符号「′」を付し、これ以上の説明を省略するものとする。
図中、41はディスク1の回入側に配置される一方のパッドスプリングで、該パッドスプリング41は、後述の付勢ばね46が一体に形成されている点を除いて、第1の実施の形態で述べたパッドスプリング14とほぼ同様に構成されている。そして、パッドスプリング41は、キャリア2′の各腕部2A′のうちディスク1の回入側に位置する腕部2A′に取付けられ、後述する他方のパッドスプリング50との間でインナ側,アウタ側の摩擦パッド10′を弾性的に支持すると共に、これらの摩擦パッド10′のディスク軸方向での摺動変位を滑らかにするものである。
ここで、パッドスプリング41は、ばね性を有するステンレス鋼板をプレス加工等の手段を用いて、図16、図17に示すように折曲げることにより一体形成されている。そして、パッドスプリング41は、後述の案内板部42、抜止め板部43、径方向付勢部44および付勢ばね46等により構成されている。
42,42はキャリア2の各パッドガイド4′内に嵌合して配置される一対の案内板部で、該各案内板部42は、第1の実施の形態で述べたパッドスプリング14の案内板部14Aと同様に構成され、後述する延出板部47の基端側(図16に示す下端側)から略コ字状に折曲げられることにより形成されている。そして、一対の案内板部42,42のうち一方の案内板部42は、図15に示すアウタ側のパッドガイド4′内に嵌合して取付けられ、他方の案内板部42は、インナ側のパッドガイド(図示せず)に嵌合して取付けられるものである。
ここで、パッドスプリング41の案内板部42は、図15に示す如くパッドガイド4′の上側壁面,下側壁面に対向する上面板42A,下面板42Bと、これらの上面板42A,下面板42B間を連結しパッドガイド4′の奥側壁面(トルク受面5′)に当接される当て板42Cとにより構成されている。そして、この当て板42Cは、上面板42A,下面板42Bよりも幅広(ディスク軸方向で幅広)な板状に形成され、その幅方向両側には、後述の抜止め板部43がそれぞれ形成されている。
43,43はパッドスプリング41をキャリア2の各パッドガイド4′に対して抜止め状態に保持する一対の抜止め板部で、該各抜止め板部43は、案内板部42の当て板42Cから背面側(ディスク周方向の外側)へとL字状に折曲げて形成されている。そして、これらの抜止め板部43は、キャリア2′の腕部2A′をディスク1の軸方向の両側から挟むことにより、パッドスプリング41をキャリア2′の各パッドガイド4′に対して抜止め状態に保持するものである。
44,44は各摩擦パッド10′をディスク1の径方向外側に向けて付勢する径方向付勢部で、該各径方向付勢部44は、第1の実施の形態で述べたパッドスプリング14の径方向付勢板部14Cと同様に構成されている。即ち、各径方向付勢部44は、案内板部42と摩擦パッド10′の耳部11A′との間をディスク1の軸方向に延びるように形成され、摩擦パッド10′の耳部11A′をディスク1の径方向外側に向けて付勢するものである。
そして、径方向付勢部44は、案内板部42の下面板42Bから幅方向(ディスク軸方向)外側に向けて突出し、下面板42Bとほぼ平行に延びた基板部44Aと、該基板部44Aに一体形成された略C字状の折返し部44Bおよび付勢片部44C等とにより構成されている。
ここで、径方向付勢部44の基板部44A、折返し部44Bおよび付勢片部44Cは、下面板42Bの幅方向外側端からディスク軸方向に延設される細長板状体として形成され、その長さ方向途中部位をディスク径方向の外側に向けて略U字状または略C字状に折返すことにより、折返し部44Bは弧状の折曲げ部として形成されている。
また、付勢片部44Cは、図16、図17中に二点鎖線で示すように折返し部44Bの先端側からディスク径方向外側へと斜めに傾斜して延びる細長板状のばね片として形成され、その先端側は、自由端となって案内板部42の下面板42Bに接近する位置まで延在している。そして、図15に示す如く摩擦パッド10′の耳部11A′を案内板部42内に組込んだ状態では、径方向付勢部44の付勢片部44Cは、図16、図17中に実線で示すように、案内板部42の下面板42Bの方向に押付けられるように弾性的に撓み変形される。
これにより、径方向付勢部44の付勢片部44Cは、案内板部42の下面板42Bと摩擦パッド10′の耳部11A′との間をディスク軸方向に延びるように配置され、このときの弾性反力で摩擦パッド10′の耳部11A′をディスク径方向外側に向けて付勢するものである。
そして、摩擦パッド10′の耳部11A′は、径方向付勢部44の付勢力(弾性反力)により案内板部42の上面板42A(パッドガイド4′の上側壁面)に向けて弾性的に押付けられる。これによって、摩擦パッド10′の耳部11A′は、パッドガイド4′(案内板部42)内でディスク径方向等にガタ付くのが抑えられるものである。
45,45はパッドスプリング41の案内板部42に一体形成された折曲げ板部で、該各折曲げ板部45は、案内板部42の下面板42Bの先端からディスク径方向の内側へと略L字状に折曲げて形成されている。
46は各摩擦パッド10′をディスク1の周方向に付勢する付勢ばねで、該付勢ばね46は、図15〜図17に示すように案内板部42からディスク1の径方向外側に向けて延出されると共に当該延出端側をディスク1の径方向内側へと折返して形成され、摩擦パッド10′の平坦面部11C′(耳部11A′近傍部のうちディスク1の径方向外側に位置する部位)を弾性的に押圧して摩擦パッド10′をディスク1の周方向(矢示A方向)に付勢するものである。
ここで、パッドスプリング41の付勢ばね46は、各案内板部42の上面板42Aからディスク1の径方向外側に向けて延出される一対の延出板部47と、該各延出板部47の先端(延出端)側に位置し弧状(例えば、略C字状または略U字状)に折返して形成された折返し部としての連結板部48と、該連結板部48の先端(折返し端)側からディスク1の径方向内側へと延び、前記延出板部47とほぼ平行に配置された延出部としての一対の当接板部49とにより構成されている。
この場合、付勢ばね46の連結板部48は、図17に示すように左,右方向(ディスク軸方向)に離間した一対の延出板部47、一対の当接板部49等を一体的に連結するため、ディスク1の外周側を跨いだ状態で軸方向に延びて形成されている。そして、パッドスプリング41の各案内板部42は、この連結板部48により一体物として連結されるものである。
また、付勢ばね46の当接板部49は、その先端(自由端)側が略「く」字状に屈曲した押圧部49Aとなり、この押圧部49Aは、図15に示すように摩擦パッド10′の平坦面部11C′のうち、耳部11A′に近い部位に弾性変形状態で当接する。これにより、付勢ばね46は、摩擦パッド10′の平坦面部11C′をディスク1の周方向にばね定数k1 (前述した数1式、数2式参照)なるばね力をもって付勢するものである。
また、付勢ばね46の当接板部49には、押圧部49Aの幅方向(ディスク軸方向)外側となる位置にガイド片部49B,49Bが一体形成されている。そして、これらのガイド片部49Bは、摩擦パッド10′の耳部11A′をパッドスプリング41の案内板部42内に組付けるときに、例えば耳部11A′に対するガイドとして機能するものである。
50はディスク1の回転方向出口側に配置された他方のパッドスプリングで、該パッドスプリング50は、図15に示すようにキャリア2′の各腕部2A′のうちディスク1の回出側に位置する腕部2A′に取付けられ、前述した回入側のパッドスプリング41との間でインナ側,アウタ側の摩擦パッド10′を弾性的に支持すると共に、これらの摩擦パッド10′の摺動変位を滑らかにするものである。
そして、回出側のパッドスプリング50は、前述した回入側のパッドスプリング41とほぼ同様に構成され、図15に示すように案内板部51、抜止め板部52、径方向付勢部53および折曲げ板部54等から形成されている。しかし、回転方向出口側のパッドスプリング50は、回入側のパッドスプリング41のように付勢ばね46を有するものではなく、これに替えて、連結板部55が形成されている。
即ち、パッドスプリング50の連結板部55は、一側のパッドスプリング41に設けた連結板部48とほぼ同様の機能を有し、ディスク1の軸方向に離間した一対の案内板部51を一体的に連結するため、ディスク1の外周側を跨いだ状態で軸方向に延びて形成されている。そして、パッドスプリング50の各案内板部51は、この連結板部55により一体物として連結されるものである。
かくして、このように構成される第4の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、摩擦パッド10′をディスク1の周方向(回出側)に付勢する付勢ばね46を、パッドスプリング41に一体に設ける構成としているので、部品点数の低減化を図ることができ、取付け時の作業性を向上することができる。
そして、付勢ばね46は、キャリア2′のパッドガイド4′に凹凸嵌合する摩擦パッド10′(裏金11′)の耳部11A′よりも、ディスク1の径方向外側に位置する部位(平坦面部11C′)をディスク1の周方向に付勢するため、車両の後退方向での制動時に、制動トルクに伴うモーメントにより所謂偶力抜けが発生するのを抑制でき、ブレーキ鳴き等の異音発生を低減することができる。しかも、パッドスプリング41に一体形成した付勢ばね46は、鳴きに至る共振振動数を避けるようにばね定数を小さな値に設定する構成としているので、車両後退方向の制動時におけるブレーキ鳴き等の異音発生を抑制することができる。
なお、前記第1の実施の形態では、付勢ばね15の基端側を裏金11の耳部11Aに固定して設け、付勢ばね15の先端側(延出部15D)をキャリア2のトルク受面5に弾接させる構成としている。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えばパッドスプリングに付勢ばね(付勢手段)を一体に設け、その先端側(延出部)を摩擦パッドのトルク伝達部(耳部)側に弾性的に当接させる構成としてもよい。そして、この場合でも、付勢ばねを摩擦パッド10(裏金11)の耳部11Aとキャリア2のトルク受面5との間にコンパクトに配置する構成とすることが可能となる。この点は、第2,第3の実施の形態についても同様である。
また、前記第1の実施の形態では、キャリア2の腕部2Aに凹形状なすパッドガイド4を形成し、裏金11の嵌合部となる耳部11A、11Bを凸形状に形成する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば摩擦パッドの裏金に凹形状をなす嵌合部を設け、取付部材の腕部には凸形状をなすパッドガイドを設ける構成としてもよいものである。
また、前記第1の実施の形態では、コ字形状の凹溝からなるパッドガイド4の奥側壁面によりトルク受部となるトルク受面5を構成する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えばパッドガイドから離間した位置(パッドガイドとは異なる位置)にトルク受けとしてのトルク受面を設ける構成とした型式のディスクブレーキにも適用できるものである。そして、この点は、第2〜第4の実施の形態についても同様である。
次に、上記実施の形態に含まれる発明について述べる。付勢手段は、摩擦パッドの各トルク伝達部のうち車両前進時にディスク回入側となるトルク伝達部と取付部材のトルク受面との間に設けられ、前記トルク伝達部とトルク受面のうちいずれか一方に弾接する延出部により前記摩擦パッドをディスクの回出側に向けて付勢する構成としている。
これにより、摩擦パッドの各トルク伝達部のうち車両前進時にディスク回入側となるトルク伝達部と取付部材のトルク受面との間に付勢手段をコンパクトに配置することができ、摩擦パッドをディスクの回出側に向けて付勢する付勢力を安定させることができる。
また、付勢手段の延出部は、車両後進時にトルク伝達部が取付部材のトルク受面に当接するまで片持ち状態が維持されるように形成している。これにより、付勢手段のばね定数をより小さな値に容易に設定することができ、車両後退方向の制動時におけるブレーキ鳴き等の異音発生を低減することができる。
また、付勢手段は摩擦パッドの裏金に固定して設ける構成としている。これにより、付勢手段を摩擦パッドに予め組付けたサブアッシー状態で、取付部材に取付けることができ、組立時の作業性を向上することができる。
また、付勢手段は、摩擦パッドの裏金のうちライニングが設けられた一方の面側に固定して設ける構成としている。これにより、付勢手段に必要なばね定数、必要荷重(ばね力)の確保が容易となり、限られた車両のスペースを有効に活用することができる。
一方、付勢手段は、裏金の一方の面側に固定して取付けられる取付部と、該取付部に基端側が接続され前記裏金の一方の面とは反対側となる他方の面側に向けてディスクから離間する方向に延出された第1の延出部と、該第1の延出部の先端側に形成され前記裏金の他方の面側でディスクに近付く方向に向けて弧状に折曲げられた折曲げ部と、該折曲げ部の先端側からディスクに近付く方向に延び取付部材側に弾性変形状態で弾接する第2の延出部とを有する構成としている。
これによって、付勢手段のばね長を、第1の延出部、折曲げ部および第2の延出部により十分に確保でき、付勢手段に必要なばね定数を容易に確保できると共に、必要荷重(ばね力)の確保が容易となり、限られた車両のスペースを有効に活用することができる。
また、付勢手段の折曲げ部は、裏金のトルク伝達部のうち取付部材のトルク受面に対向する端面よりもディスク周方向の内側となる位置で弧状に折曲げる構成としている。これにより、付勢手段のばね長を十分な長さに形成することができ、付勢力(ばね力)を安定させることができる上に、限られた車両スペースを有効に活用することができる。
また、付勢手段は、摩擦パッドの裏金に固定される固定箇所の近傍に、ライニングの摩耗を検知するための摩耗検知片を有する構成としている。これにより、付勢手段はライニングの摩耗を検知する検知センサを兼用することができ、部品点数を低減することができる。
一方、付勢手段は、摩擦パッドの裏金のうちライニングとは反対側となる他方の面側に固定して設ける構成としている。これにより、裏金の他方の面側に付勢手段を固定して設けることができ、裏金の一方の面側に設けるライニングの占有面積を大きくすることができる。
また、付勢手段は、取付部材に設けられるパッドスプリングに形成してなる構成としている。これにより、付勢手段をパッドスプリングに一体で形成することができ、部品点数を低減できると共に、取付け時の作業性を向上することができる。
1 ディスク
2,2′ 取付部材
2A,2A′ 腕部
3 ディスクパス部
4,4′ パッドガイド
5,5′ トルク受面
6,6′ キャリパ
7 摺動ピン
10,10′ 摩擦パッド
11,11′ 裏金
11A,11B,11A′,11B′ 耳部(トルク伝達部)
12 ライニング
13,21,31 凹溝
14,41 パッドスプリング
15,22,32,46 付勢ばね(付勢手段)
15A,22A,32A 取付部
15B,22B,32B 第1の延出部
15C,22C,32C 折曲げ部
15D,22D,32D 第2の延出部
15E,22E 摩耗検知片

Claims (6)

  1. ディスクを跨いで車両に固定され制動時のトルクを受けるトルク受面を有した取付部材と、
    該取付部材に支持される裏金と摩擦材からなるライニングとを有し、前記裏金にはディスクの周方向両側に位置する側面部に前記制動時のトルクを前記取付部材のトルク受面に当接して伝達するトルク伝達部が形成された摩擦パッドと、
    前記取付部材に摺動可能に設けられ、前記摩擦パッドを前記ディスクに押圧するキャリパと、
    前記摩擦パッドの裏金の各側面部のうち車両前進時にディスク回入側となる側面部と該側面部に対向する前記取付部材の対向面との間に設けられ、前記側面部と対向面のうちいずれか一方に弾接する延出部により前記摩擦パッドをディスクの回出側に向けて付勢する付勢手段とを有し、
    前記付勢手段のばね定数は、前記取付部材に取付けられた状態で前記キャリパが剛体として振動するときの固有振動数fと前記摩擦パッドの質量mとから、
    k=4π×f×m
    として求められるばね定数kよりも小さくなるように形成してなるディスクブレーキ。
  2. 前記付勢手段は、前記摩擦パッドの各トルク伝達部のうち車両前進時にディスク回入側となるトルク伝達部と前記取付部材のトルク受面との間に設けられ、前記トルク伝達部とトルク受面のうちいずれか一方に弾接する前記延出部により前記摩擦パッドをディスクの回出側に向けて付勢する構成としてなる請求項1に記載のディスクブレーキ。
  3. 前記付勢手段の延出部は、車両後進時に前記トルク伝達部が前記取付部材のトルク受面に当接するまで片持ち状態が維持されるように形成してなる請求項1または2に記載のディスクブレーキ。
  4. 前記付勢手段は、前記裏金の前記ライニングが設けられた一方の面側に固定して取付けられる取付部と、該取付部に基端側が接続され前記裏金の一方の面とは反対側となる他方の面側に向けて前記ディスクから離間する方向に延出された第1の延出部と、該第1の延出部の先端側に形成され前記裏金の他方の面側で前記ディスクに近付く方向に向けて弧状に折曲げられた折曲げ部と、該折曲げ部の先端側から前記ディスクに近付く方向に延び前記取付部材側に弾性変形状態で弾接する第2の延出部とを有する請求項1、2または3に記載のディスクブレーキ。
  5. 前記付勢手段の折曲げ部は、前記裏金のトルク伝達部のうち前記取付部材のトルク受面に対向する端面よりもディスク周方向の内側となる位置で弧状に折曲げる構成としてなる請求項4に記載のディスクブレーキ。
  6. 前記付勢手段は、前記摩擦パッドの裏金に固定される固定箇所の近傍に、前記ライニングの摩耗を検知するための摩耗検知片を有する請求項4または5に記載のディスクブレーキ。
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