JP2011012219A - 医療器具の洗浄方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】医療器具に固着したタンパク質汚れ汚れを効率的に除去できる洗浄方法を提供する。
【解決手段】(a)モノエタノールアミン、(b)アルカリプロテアーゼ、(c)非イオン界面活性剤及び水を含有しpHが9以上である処理液を、血液等に由来するタンパク質汚れが付着した医療器具に接触させる、医療器具の洗浄方法。
【選択図】なし

Description

本発明は医療器具の洗浄方法に関する。
剪刀、鉗子、鑷子などの鋼製器具及び硬性ならびに軟性内視鏡などの医療器具は検査、治療、手術などに使用された後は、血液、体液などが付着する。これらの汚れには細菌、ウイルス、異常プリオンなどの病原性を有するタンパク質などが混在している可能性があり、確実に洗浄し消毒・滅菌した後、再使用する必要がある。その際、洗浄が不十分で汚れが残存していた場合、消毒や滅菌が期待されるほどの効果をあげることができず、完全な消毒や滅菌が達成できないことがあると言われている。また、洗浄工程において残存したタンパク質は、次工程で用いられるグルタールアルデヒドや過酢酸などの消毒剤あるいは高圧蒸気やエチレンオキサイドなどでの滅菌処理によりタンパク変性が起こり非常に強固で除去しにくい汚れとなる。そこで、消毒あるいは滅菌工程前にタンパク質汚れの洗浄を確実に行うため、中性酵素洗浄剤の使用が推奨されている(特許文献1)。また、近年では、中性酵素洗浄剤よりアルカリ系洗浄剤の方が洗浄性が高いことが判ってきたことから、洗浄機を用いた洗浄ではアルカリ系洗浄剤も使用されている。
医療現場でのこれらの洗浄剤を用いた洗浄性は、通常、目視で判定されており、目視で確認できる汚れが残存していれば再洗浄が行われている。しかしながら、最近の研究において、医療現場で使用された器具を市販の中性酵素洗浄剤やアルカリ洗浄剤を用いて洗浄した場合、ほとんどの器具は目視で残存汚れが無くなっているが、蛍光染色剤で染色後に蛍光顕微鏡を用いて詳細に観察すると固着したタンパク質汚れが残存していることが明らかになっている(非特許文献1)。
特開2001−31999号
Journal of Hospital Infection (2008) 68, 52-58
基材表面に固着した血液由来のタンパク質汚れは、除去が非常に困難であり、しかもその量は概ね1平方センチメール当たり数マイクログラム程度であると思われる。こうした基材表面に固着した血液由来のタンパク質汚れは、例えば、特許文献1の実施例で採用されている目視による判定方法や市販の測定キットによる判定方法では検出(残存の確認)が不可能である。また、特許文献1の実施例では、血液の凝固に関わる因子が除外された血液成分である血清を用いており、凝固して固着するような血液汚れは発生していない。従って、特許文献1は、基材表面に固着した血液由来のタンパク質汚れを除去できるような、より高度の洗浄については教示していない。なお、特許文献1に記載されているような洗浄剤組成物では、基材表面に固着した血液由来のタンパク質汚れを落とすことはできない。
医療器具に起因した院内感染を防止するために、このような微量かつ強固なタンパク質汚れを十分に除去することが重要であるが、従来、これを達成できる洗浄方法は見出されていない。
本発明の課題は、医療器具に固着したタンパク質汚れを効率的に除去できる洗浄方法を提供することである。
本発明は、(a)モノエタノールアミン〔以下、(a)成分という〕、(b)アルカリプロテアーゼ〔以下、(b)成分という〕、(c)非イオン界面活性剤〔以下、(c)成分という〕及び水を含有しpHが9以上である処理液を、タンパク質汚れが付着した医療器具に接触させる、医療器具の洗浄方法に関する。
本発明によれば、医療器具に固着した、基材に固着した目視不可能なレベルのタンパク質汚れを効果的に除去することが可能な洗浄方法が提供される。
(a)成分はモノエタノールアミンである。また、(a)成分以外のアルカリ剤〔以下、(a’)成分という〕を用いることもできる。(a’)成分としては、モノエタノールアミン以外のアルカノールアミン、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、珪酸塩から選ばれる一種以上を配合することが可能である。モノエタノノールアミン以外のアルカノールアミンとしては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等を挙げる事ができる。アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、珪酸塩としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、1号珪酸カリウム、1号珪酸ナトリウム、2号珪酸カリウム、2号珪酸ナトリウム、オルト珪酸カリウム、オルト珪酸カリウムなどを挙げる事ができる。
(a)成分と(a’)成分の合計中の(a)成分の比率は、タンパク質汚れの除去効果の観点から、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましく、80質量%以上がさらにより好ましく、90質量%以上が特に好ましい。
本発明に用いられる処理液中、(a)成分の含有量は、タンパク質汚れの除去効果及びコストや基材への影響性の観点から、0.004〜1質量%が好ましく、0.005〜0.5質量%がより好ましく、0.008〜0.2%質量%がさらに好ましく、0.01〜0.1%質量%がさらにより好ましい。
また、(a’)成分を用いる場合は、本発明に用いられる処理液中、(a’)成分の含有量は、タンパク質汚れの除去効果を更に高める観点から、0.05質量%以下が好ましく、0.02質量%以下がより好ましく、0.01質量%以下がさらに好ましく、0.001質量%以下がさらにより好ましい。
(b)成分であるアルカリプロテアーゼは、好ましくは中性からアルカリ側に至適pHが存在するものであれば如何なる酵素でもよく、またそれらの組合せも可能である。(b)成分はBacillus SPに由来するズブチリシンプロテアーゼが好ましく、中でも、Bacillus Halodurans、Bacillus clausiiに由来するズブチリシンプロテアーゼが好ましい。市販されているアルカリプロテアーゼとしては、例えば、花王(株)から入手できるKAP、ノボザイムズジャパン社から入手できるアルカラーゼ、サビナーゼ、エバラーゼ、エスペラーゼ、カンナーゼ、オボザイム、ジェネンコア・インターナショナル社から入手できるプラフェクト、プロペラーゼなどがある。
本発明に用いられる処理液中、(b)成分の含有量は、タンパク質汚れの除去効果及びコストの観点から、0.002〜1質量%が好ましく、0.005〜0.5質量%がより好ましく、0.008〜0.3質量%がさらに好ましく、0.01〜0.1%質量%がさらにより好ましい。
また、本発明の処理液中、(b)成分の含有量(タンパク質分解活性)は、固着タンパク質除去効果及びコストの観点から、処理液1kgあたり、0.01〜200PUが好ましく、0.025〜100PUがより好ましく、0.05〜20PUがさらに好ましい。
なお、タンパク質分解活性(PU/g)は次の方法により測定される。
1w/v%の濃度でカゼイン(ハマーステイン:メルク社)を含む50mmol/Lホウ酸緩衝液(pH10.5)1mLを30℃で5分間保温した後、0.1gの酵素溶液と混合し、30℃で15分間反応を行う。反応停止液(0.11mol/Lトリクロロ酢酸−0.22mol/L酢酸ナトリウム−0.33mol/L酢酸)2mLを加え、室温で10分間放置する。次に酸変性タンパク質をろ過(No.2ろ紙;ワットマン社製)し、ろ液0.5mLにアルカリ性銅溶液[1w/v%酒石酸カリウム・ナトリウム水溶液:1w/v%硫酸銅水溶液:炭酸ナトリウムの0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液溶解物(炭酸ナトリウム濃度2w/v%)=1:1:100(V/V)]2.5mLを添加し30℃、10分間保温する。さらに、希釈フェノール試薬[フェノール試薬(関東化学社製)をイオン交換水で2倍に希釈したもの]0.25mLを加え、30℃で30分間保温後、このサンプルの660nmにおける吸光度を測定する。また、上記の酵素反応系に反応停止液を混合した後、酵素溶液を加えたものをブランクとして同様に吸光度を測定する。次にサンプルとブランクとの吸光度差により、遊離してきた酸可能性タンパク質分解物の量(チロシン換算された量)が得られ、これを反応時間(本条件の場合:15分)及び酵素溶液量(本条件の場合:0.1g)で除して、タンパク質分解活性値を求めることができる。なお、1PUは、上記の反応条件において1分間に1mmolのチロシンに相当する酸可溶性タンパク質分解物を遊離する酵素量とする。この方法で得られたタンパク質分解活性を基に上記の配合量が決定される。
(c)成分は非イオン界面活性剤であり、タンパク質汚れの除去効果の観点から、下記(1)〜(3)からなる群から選ばれる1種以上の非イオン界面活性剤が好ましい。
(1)下記一般式(c1)で表される非イオン界面活性剤
RO−(EO)l−(PO)m−(EO)n−H (c1)
(Rは水素原子、又は炭素数6〜18の炭化水素基であり、Rが水素原子の場合、l、m、nは独立して1〜350の数であり、Rが炭素数8〜18の炭化水素基の場合、lは1〜10の数であり、m、nは独立して0〜15の数である。)
(2)炭素数6〜16の炭化水素基(好ましくはアルキル基又はアルケニル基)を有するアミンオキサイド
(3)炭素数6〜12の炭化水素基(好ましくはアルキル基又はアルケニル基)を有するグリセリルエーテル
(1)の非イオン界面活性剤について、一般式(c1)中のRが水素原子であるものは、重量平均分子量が1,000〜15,000のものが好ましく、一般式(c1)中のl、m、nは、この重量平均分子量となる数が好ましい。この非イオン界面活性剤は、例えば、プルロニック、プルロニックRという商品名でBASF社から入手可能である。
重量平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィ−(GPC:Gel permeation chromatography)により標準ポリエチレングリコールを用いて換算した重量平均分子量のことである。
(1)の非イオン界面活性剤について、一般式(c1)中のRが炭素数6〜18の炭化水素基であるものは、Rの炭素数は8〜16、更に8〜14が好ましい。また、Rはの炭化水素基は、好ましくはアルキル基又はアルケニル基であり、より好ましくは直鎖又は分岐鎖アルキル基、さらに好ましくは直鎖アルキル基である。また、lは2〜10の数が好ましく、m、nは0〜10の数が好ましい。この非イオン界面活性剤は、例えば、エマルゲンという商品名で花王(株)から、あるいはプルラファックという商品名でBASF社から入手可能である。
(2)の非イオン界面活性剤は、炭素数6〜16(好ましくは、炭素数6〜14、より好ましくは炭素数8〜12)のアルキル基又はアルケニル基(好ましくは直鎖又は分岐鎖アルキル基、より好ましくは直鎖アルキル基)を有するアミンオキサイドが好ましい。
(3)の非イオン界面活性剤は、炭素数6〜12(好ましくは、炭素数6〜10、より好ましくは炭素数8〜10)のアルキル基又はアルケニル基(好ましくは直鎖又は分岐鎖アルキル基、より好ましくは分岐鎖アルキル基)を有するグリセリルエーテルが好ましい。
(1)〜(3)の非イオン界面活性剤の中では、タンパク質汚れの除去効果の観点から、(1)及び(2)からなる群から選ばれる1種以上の非イオン界面活性剤が好ましく、(1)から選ばれる1種以上の非イオン界面活性剤がより好ましい。なかでも、(1)の非イオン界面活性剤のうち、一般式(c1)中のRが炭素数6〜18の炭化水素基である非イオン界面活性剤が好ましい。
本発明に用いられる処理液中、(c)成分の含有量は、タンパク質汚れの除去効果及びコストの観点から、0.002〜1質量%が好ましく、0.005〜0.5質量%がより好ましく、0.008〜0.3質量%がさらに好ましく、0.01〜0.1%質量%がさらにより好ましい。
本発明では、(a)成分、(b)成分、及び(c)成分が共存する所定pHの処理液を用いることで、血液等の汚れのうち、医療器具の硬質表面等に固着した汚れの上を覆っている目視可能な部分はもとより、基材表面に直接接触し固着したタンパク質汚れを十分に除去することができる。
本発明に用いられる処理液のpHは、9以上であり、タンパク質汚れの除去効果及び基材への影響性の観点から、9.5〜13が好ましく、10〜12がより好ましく、10.2〜11.5がさらに好ましい。
なお、pHは、本発明に用いられる処理液を25℃において測定して求めることができる。また、医療器具に接触させるときの処理液の温度におけるpHであってもよい。
本発明に用いられる処理液は、使用時に各成分を別個に添加し濃度調製を行う方法以外に、予め高濃度品を調製しておき、希釈時に設定濃度範囲に入るよう希釈する方法で調製することができる。高濃度品としては、(I)(a)成分、(b)成分及び(c)成分の3成分の全てを含有するもの、(II)(a)成分及び(b)成分を含有するもの、(III)(b)成分及び(c)成分を含有するものが挙げられ、酵素安定性の観点では(II)及び(III)が好ましい。また、(II)及び(III)では、最終的に配合される他の成分は、別に添加される。高濃度品は、例えば、水で10倍から200倍に希釈して使用することができる。
(a)成分、(b)成分及び(c)成分の3成分の全てを含有する高濃度品としては、(a)モノエタノールアミン0.4〜10質量%、(b)アルカリプロテアーゼ0.5〜10質量%、(c)非イオン界面活性剤1〜10質量%及び水を含有するものが挙げられ、該高濃度品は、更に、酵素活性の経時的劣化を防ぐ観点から、(d)エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンから選ばれる1種以上を10〜70質量%含有することができる。
また、高濃度品は、酵素安定剤として水溶性カルシウム塩、ホウ酸またはその塩、ホウ砂等のホウ素化合物、ギ酸またはその塩を該高濃度品中に0.01〜5%含有することができる。
本発明に用いられる処理液は、本発明の目的を損なわない範囲で、(c)成分以外の界面活性剤、アルカリ緩衝剤、ハイドロトロープ剤、pH調整剤、増粘剤、粘度調整剤、溶剤、香料、着色剤、酸化防止剤、防腐剤、漂白剤、漂白活性化剤などを配合することができる。これらの成分は、高濃度品に配合してもよい。
本発明の対象となる医療器具としては、剪刀、鉗子、鑷子などの鋼製器具類、カテーテル、チューブ、バイトブロックなどの樹脂製器具、硬性もしくは軟性内視鏡等が挙げられる。処理液の接触は、これら医療器具の血液等に由来するタンパク質汚れが付着した部位と接触するように行われ、塗布、浸漬、噴霧などの方法により前記部位に適用することができる。処理液の温度は5〜50℃、更に10〜40℃が好ましい。また、接触時間は30秒〜30分、更に1分〜15分が好ましい。
実施例1及び比較例1
表1の処理液を用いて、血液に由来するタンパク質汚れに対する洗浄効果を、目視判定法、タンパク質染色法、蛍光染色法の3つの方法で評価した。結果を表1に示す。
〔I〕目視判定法及びタンパク質染色法
馬保存血1mLに対し、0.1%塩化カルシウムを50μL添加後、直ぐに攪拌した。これを20μL、30mm×80mmのテフロン(ポリテトラフルオロエチレン、登録商標)板上の直径15mmの円に均一に塗布し、室温で2時間30分乾燥してテストピースとした。
100mLのガラス製ビーカーに表1の処理液を100mL入れ、30℃とした。テストピースを20分間浸漬後、イオン交換水で静かに濯いだ。洗浄効果の効果は、目視で血液の残留があるかを判定した後、Coomassie Protein Assay Reagent(タンパク質定量キット添付の試薬、Thermo Scientific社製)に3分間浸漬後、イオン交換水で充分濯いだ後の染色状態で下記の判定基準に従い判定した。5回試験を行い、その平均値を表1に示した。なお、処理液は必要に応じ、乳酸でpHを調整した。
*目視判定基準
○:血液の残留は認められない。
△:わずかに血液の残留が認められる
×:多くの血液の残留が認められる。
*染色後の判定基準
5:ほとんど染色されていない。
4:血液塗布面のほぼ半面以下が薄く染色される。
3:血液塗布面のほぼ半面以上が薄く染色される。
2:血液塗布面のほぼ半面以下が濃く染色される。
1:血液塗布面のほぼ半面以上が濃く染色される。
〔II〕蛍光染色法
〔I〕と同様に洗浄したテストピースをSYPRO Ruby Protein Gel Stain(SIGMA社製)で10分間染色処理後、蒸留水でよく濯ぎ乾燥後、蛍光顕微鏡((株)キーエンス社製、Biozero)で20倍の対物レンズを用い、露光時間を変え470nmの励起光を照射し、510nm以上の反射光を検出することによりモニター上で観察し、下記の基準で判定した。短い露光時間で発色するほど、タンパク質量が多くなること意味する。
判定基準
5:露光時間3秒で、発色はほとんど認められない
4:露光時間3秒で、一部が発色する
3:露光時間0.4〜1秒で、ほぼ全面が発色している
2:露光時間0.05〜0.3秒で、ほぼ全面が発色している。
1:露光時間0.03秒で、ほぼ全面が発色している
Figure 2011012219
表中の成分は以下のものである。
・アルカリプロテアーゼ:KAP〔花王(株)製、2.2(PU/g)〕
・非イオン界面活性剤A:エマルゲン106〔ポリオキシエチレン(エチレンオキシド平均付加モル数6)ラウリルエーテル、花王(株)製〕
・非イオン界面活性剤B:エマルゲンLS106〔一般式(c1)においてl=3.0、m=1.5、n=3.0、Rが炭素数12のアルキル基、花王(株)製〕
・非イオン界面活性剤C:プルラファックLF901〔BASF社製〕
・非イオン界面活性剤D:ペネトールGE−EH(2−エチルヘキシルグリセリルエーテル、花王(株)製)
・非イオン界面活性剤E:アンヒトール20N(ラウリルジメチルアミンオキシド、花王(株)製)
表1に示されるように、(a)成分、(b)成分、及び(c)成分を含有し、pHが9以上である処理液を用いた実施例1−1〜1−7では、基材表面に固着したタンパク質汚れを効果的に除去できる。特に、本例で採用した蛍光染色法は、従来の判定法(アミドブラック染色やオルトトルイジン法等)では判別できない少量のタンパク質汚れの存在を確認できるものであるが、本発明の方法では、こうした精度の高い評価方法でもタンパク質汚れの存在はほとんど確認されず、優れた洗浄効果が得られていることがわかる。
一方、一般にタンパク質汚れは、pHを高めアルカリ性にするほど溶解性が高まり洗浄性が高くなると考えられているが、比較例1−1〜1−3のように(a)成分ではないアルカリ剤でpHをアルカリ領域とした系では、基材表面に固着したタンパク質汚れは完全に除去できていないことがわかる。
また、(b)成分であるアルカリプロテアーゼを含まない処理液では、洗浄剤では、目視レベルの汚れは除去できるものの、比較例1−4のように、基材表面に固着したタンパク質汚れはほとんど除去できていないことがわかる。
また、(c)成分を含有しないと、比較例1−5のように、基材表面に固着した汚れは完全に除去できていないことがわかる。
また、アルカノールアミンであってもジエタノールアミンやトリエタノールアミンを用いた場合は、比較例1−6、1−7のように、目視判定法では汚れが落ちているように見えても、蛍光染色法での評価が悪く基材表面に固着したタンパク質汚れが十分に除去できていないことがわかる。つまり、アルカノールアミンに属する化合物であっても、本発明の(a)成分のモノエタノールアミンでないと本発明の効果が得られないことがわかる。
また、(a)成分、(b)成分、及び(c)成分を含有する場合でも、pHを中性近傍にすると、比較例1−8のように、洗浄性は著しく低下することがわかる。なお、実施例1−7及び比較例1−8のpHは、クエン酸を添加して調整した。
本発明の洗浄方法の作用機構は明らかではないが、モノエタノールアミンと非イオン界面活性剤の作用により固着した汚れがアルカリプロテアーゼの作用を受けやすくさせるとともに、分解除去されたタンパク質汚れが非イオン界面活性剤により効果的に分散されたものと考えられる。

Claims (4)

  1. (a)モノエタノールアミン〔以下、(a)成分という〕、(b)アルカリプロテアーゼ〔以下、(b)成分という〕、(c)非イオン界面活性剤〔以下、(c)成分という〕及び水を含有しpHが9以上である処理液を、タンパク質汚れが付着した医療器具に接触させる、医療器具の洗浄方法。
  2. タンパク質汚れが、血液由来のタンパク質汚れである、請求項1記載の医療器具の洗浄方法。
  3. (c)成分が、下記(1)〜(3)からなる群から選ばれる1種以上の非イオン界面活性剤である、請求項1又は2記載の洗浄方法。
    (1)下記一般式(c1)で表される非イオン界面活性剤
    RO−(EO)l−(PO)m−(EO)n−H (c1)
    (式中、Rは水素原子、又は炭素数6〜18の炭化水素基であり、Rが水素原子の場合、l、m、nは独立して1〜350の数であり、Rが炭素数8〜18の炭化水素基の場合、lは1〜10の数であり、m、nは独立して0〜15の数である。)
    (2)炭素数6〜16の炭化水素基を有するアミンオキサイド
    (3)炭素数6〜12の炭化水素基を有するグリセリルエーテル
  4. (c)成分が下記一般式(c1)で表される非イオン界面活性剤である、請求項3記載の医療器具の洗浄方法。
    RO−(EO)l−(PO)m−(EO)n−H (c1)
    (式中、Rは炭素数6〜18の炭化水素基であり、lは1〜10の数であり、m、nは独立して0〜15の数である。)
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