JP2011011731A - パワーシート調整装置 - Google Patents

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Katsushi Mitsuguchi
勝志 三ツ口
Hiroshi Fukushima
洋 福嶋
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Abstract

【課題】単一のモータによるシートの各種移動の調整を容易な構成で行うことができ、コストを低減することができるパワーシート調整装置を提供する。
【解決手段】車両用シートの各種移動機構と連結した第1〜第4連結部11〜14を備え、第1〜第4連結部を構成する各カップリングギヤ及びカップリングの嵌合状態により、電動モータ1のシートの各種移動機構への伝達が切り替わるようにしたものであって、その切り替えを第1〜第4連結部の各カップリングと一体に固定された各プレートを押圧可能なカムで行うようにし、カムをハンドル5により回転可能なシャフト4に配設したパワーシート調整装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用シートの各種移動(シート全体の前後移動、シートバックの傾動、シートクッションの上下移動)を単一のモータにより調整可能とした装置に関するものである。
車両用シートにおいて、乗員の体形や姿勢に合わせることができるように、シート全体の前後移動、シートバックの傾動、シートクッションの上下移動等の各種移動をそれぞれ専用のモータを用いて移動制御を行うようにしたものが一般的にあるが、モータの数が多くなるため、シートの重量が増加し、コストも高くなるという問題点があった。
そこで、単一のモータでシートの各種移動の調整を行う装置が、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の装置は、単一のモータの先に第一〜第四クラッチが配設され、各クラッチはシート全体の前後移動、座部前半部の上下移動、座部後半部の上下移動、背もたれ部の起倒と対応しており、各クラッチの出力軸には可動板が嵌合され、この可動板が通常時スプリングの付勢によりクラッチ受け部と接当して、モータからの動力が伝達される続状態であるが、クラッチ内の励磁コイルに通電されると可動板がスプリングに抗して引き寄せられ、モータからの動力の伝達が絶たれた断状態となり、このクラッチの続状態及び断状態の切り替えることで、シートの各種移動の調整を行うことができるようにしたものである。
特開平6−87363号公報
上述した装置は、クラッチの続状態及び断状態の切り替えにより、シートの各種移動の調整を可能としているが、各クラッチ内の励磁コイルへ通電する必要があり、そのための電源、スイッチを組み込まなければならず、構造が複雑となりコストアップにつながるという問題点があった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、単一のモータによるシートの各種移動の調整を容易な構成で行うことができ、コストを低減することができる装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載のパワーシート調整装置は、正回転及び逆回転可能な電動モータと、前記電動モータと車両用シートの移動機構を連結する第1〜第4連結部を備え、前記第1〜第4連結部は、前記電動モータの回転が伝達されるカップリングギヤと、前記カップリングギヤと嵌合可能なカップリングと、前記カップリングを付勢するスプリングと、前記カップリングと一体に固定された回転軸及びプレートから構成され、前記第1〜第4連結部の各カップリングの回転軸が、車両用シートの移動機構に連結され、前記第1〜第4連結部の各プレートを押圧可能なカムが、先端にハンドルが固定されたシャフトに配設されるものとしたことを技術的特徴とする。
請求項1のパワーシート調整装置は、第1〜第4連結部を備え、第1〜第4連結部を構成する各カップリングギヤ及びカップリングの嵌合状態により、電動モータの車両用シートの移動機構への伝達が切り替わるが、その切り替えを前記第1〜第4連結部の各カップリングと一体である各プレートを押圧するカムで行うようにしたものであり、容易な構成でシートの各種調整が可能となり、コストを低減させることができる。また、カムを固定したシャフトがハンドルの操作により回転するため、手動操作による切り替えが可能となる。
パワーシートの調整装置の要部を示す斜視図 第1連結部の分解斜視図 第1連結部と第1カムの作用を示す説明図 パワーシートの調整装置をシートの各所に連結した状態を示す斜視図
本発明の一実施形態について図1から図4を参照して説明する。
本発明のパワーシート調整装置は、図1に示すように、正回転及び逆回転可能な電動モータ1と、電動モータ1の出力軸2に直結されるギヤ3a及びギヤ3aと噛合するギヤ3bから構成されるギヤ機構3と、ギヤ機構3から回転が伝達される第1連結部11及び第2連結部12と、第2連結部12から回転が伝達される第3連結部13と、第3連結部13から回転が伝達される第4連結部14と、第1〜第4連結部11〜14を押圧可能な第1〜第4カム61〜64と、第1〜第4カム61〜64を回転可能に支持するシャフト4を備えている。
第1連結部11は、図2に示すように、ギヤ3aと噛合して回転可能な第1カップリングギヤ21と、第1カップリング21と嵌合可能な第1カップリング31と、第1カップリング31を付勢する第1スプリング41と、第1カップリング31と一体に固定された第1プレート51から構成されている。
第1カップリングギヤ21は、回転中心部に後述する第1カップリング31の回転軸31aを挿通する貫通孔21aと、貫通孔21a周りに第1カップリング31と嵌合するための嵌合孔21bと、周壁部にギヤ機構3と噛合するための外歯21cが形成されている。
第1カップリング31は、一体に形成された回転軸31aと、回転軸31a周りに第1カップリングギヤ21の嵌合孔21bと嵌合するための嵌合突起31bが形成されている。
第1スプリング41は、第1カップリング31の嵌合突起31bが第1カップリングギヤ21の嵌合孔21bと常時嵌合させるように、第1カップリング31を付勢している。第1カップリングギヤ21と第1カップリング31が嵌合状態にあるとき、第1カップリングギヤ21の回転が第1カップリング31に伝達され、第1カップリング31の回転軸31aが回転することとなる。
第1プレート51は、第1カップリング31の回転軸31aの先に一体的に固定され、図3に示すように、後述する第1カム61と当接している。第1カム61は非対称の形状をしており、回転することで第1プレート51との当接位置が変わる。当接位置が変わることで、第1プレート51は押し引きされ、第1プレート51と一体に固定されている第1カップリング31も第1スプリング41の付勢に抗して押し引きされる。この第1プレート51と第1カム61の作用により、第1カップリング31と第1カップリングギヤ21の嵌合が保持又は解除される。
第1カム61を直結しているシャフト4は、先端にハンドル5が取り付けられており、手動操作によりシャフト4を回転させることができる。また、ハンドル5以外にもシャフト4に回転させる手段としてアクチュエータ6が設けられており、アクチュエータ6の出力軸7にはウォーム8が形成され、そのウォーム8をシャフト4に直結されたウォームホイール9と噛合させることで、アクチュエータ6の回転をシャフト4に伝達させることができる。
こうして、ハンドル5又はアクチュエータ6によりシャフト4を回転させ、第1プレート51と第1カム61の当接位置を変化させることで、第1カップリング31と第1カップリングギヤ21の嵌合が保持又は解除された状態に切り替えることができる。第1カップリング31の回転軸31aは、図4に示すように、シートの前後移動機構15に連結されており、シートの前後調整を行う際には、第1カップリング31と第1カップリングギヤ21が嵌合した状態に切り替えることで、電動モータ1の動力が第1カップリング31に伝達され、調整を行うことができる。
第2連結部12は、ギヤ3bと噛合して回転可能な第2カップリングギヤ22と、第2カップリング22と嵌合可能な第2カップリング32と、第2カップリング32を付勢する第2スプリング42と、第2カップリング32と一体に固定された第2プレート52から構成されている。
第2プレート52は第2カム62と当接しており、第2カム62は第1カム61と同様に非対称の形状をしているが、第1カムとは異なる角度でシャフト4に固定されており、回転することで第2プレート52との当接位置が変わる。当接位置が変わることで、第2プレート52は押し引きされ、第2プレート52と一体に固定されている第2カップリング32も第2スプリング42の付勢に抗して押し引きされる。この第2プレート52と第2カム62の作用により、第2カップリング32と第2カップリングギヤ22の嵌合が保持又は解除される。
第2カップリング32の回転軸32aは、シート後部の上下移動機構16に連結されており、シート後部の上下調整を行う際には、ハンドル5又はアクチュエータ6により、第2カップリング32と第2カップリングギヤ22が嵌合した状態に切り替えることで、電動モータ1の動力が第2カップリング32に伝達され、調整を行うことができる。
第3連結部13は、第2カップリングギヤ22と噛合して回転可能な第3カップリングギヤ23と、第3カップリング23と嵌合可能な第3カップリング33と、第3カップリング33を付勢する第3スプリング43と、第3カップリング33と一体に固定された第3プレート53から構成されている。
第3プレート53は第3カム63と当接しており、第3カム63は第1,2カム61,62と同様に非対称の形状をしているが、第1,2カム61,62とは異なる角度でシャフト4に固定されており、回転することで第3プレート53との当接位置が変わる。当接位置が変わることで、第3プレート53は押し引きされ、第3プレート53と一体に固定されている第3カップリング33も第3スプリング43の付勢に抗して押し引きされる。この第3プレート53と第3カム63の作用により、第3カップリング33と第3カップリングギヤ23の嵌合が保持又は解除される。
第3カップリング33の回転軸33aは、シートバックの傾動機構17に連結されており、シートバックの傾動調整を行う際には、ハンドル5又はアクチュエータ6により、第3カップリング33と第3カップリングギヤ23が嵌合した状態に切り替えることで、電動モータ1の動力が第3カップリング33に伝達され、調整を行うことができる。
第4連結部14は、第3カップリングギヤ23と噛合して回転可能な第4カップリングギヤ24と、第4カップリング24と嵌合可能な第4カップリング34と、第4カップリング34を付勢する第4スプリング44と、第4カップリング34と一体に固定された第4プレート54から構成されている。
第4プレート54は第4カム64と当接しており、第1〜第3カム61〜63と同様に非対称の形状をしているが、第1〜第3カム61〜63とは異なる角度でシャフト4に固定されており、回転することで第4プレート54との当接位置が変わる。当接位置が変わることで、第4プレート54は押し引きされ、第4プレート54と一体に固定されている第4カップリング34も第4スプリング44の付勢に抗して押し引きされる。この第4プレート54と第3カム64の作用により、第4カップリング34と第4カップリングギヤ24の嵌合が保持又は解除される。
第4カップリング34の回転軸34aは、シート前部の上下移動機構18に連結されており、シート前部の上下調整を行う際には、ハンドル5又はアクチュエータ6により、第4カップリング34と第4カップリングギヤ24が嵌合した状態に切り替えることで、電動モータ1の動力が第4カップリング34に伝達され、調整を行うことができる。
このように、各連結部のカップリングギヤとカップリングの嵌合状態を切り替えることでシートの各種調整が行われるが、例えばシートの前後調整を行う場合は、第1連結部のみを嵌合状態にしてシートの前後移動機構15に電動モータ1の回転を伝達されるように、ハンドル5又はアクチュエータ6により、第1カム61が第1プレートを押圧し、第2〜第4カム62〜64が第2〜第4プレートを押圧しない角度にシャフト4を回転させることで可能となる。
シートの他の調整を行う場合も同様に、対応する連結部のカップリングギヤとカップリングを嵌合さえることができる角度にシャフト4を回転させることで可能となる。
また、ここでは第1連結部11がシートの前後移動機構15、第2連結部12がシート後部の上下移動機構16、第3連結部13がシートバックの傾動機構17、第4連結部がシート前部の上下移動機構18に対応しているが、各機構と各連結部の配置は変更してもよい。
以上に説明したように、本発明のパワーシート調整装置は、ハンドル5又はアクチュエータ7によりシャフト4を回転させて、シャフト4に固定された各カムと各連結部の当接位置を変化させることで、調整を行う機構に対応する連結部のカップリングギヤとカップリングのみを嵌合した状態にし、シートの所望の調整をできるようになり、単一のモータでシートの各種調整(シートの前後調整、シート前部の上下移動、シート後部の上下移動、シートバックの傾動調整)が可能となる。
1 電動モータ
3 ギヤ機構
4 シャフト
5 ハンドル
6 アクチュエータ
8 ウォーム
9 ウォームホイール
11 第1連結部
12 第2連結部
13 第3連結部
14 第4連結部

Claims (1)

  1. 正回転及び逆回転可能な電動モータと、前記電動モータと車両用シートの移動機構を連結する第1〜第4連結部を備え、
    前記第1〜第4連結部は、前記電動モータの回転が伝達されるカップリングギヤと、前記カップリングギヤと嵌合可能なカップリングと、前記カップリングを付勢するスプリングと、前記カップリングと一体に固定された回転軸及びプレートから構成され、
    前記第1〜第4連結部の各カップリングの回転軸が、車両用シートの移動機構に連結され、
    前記第1〜第4連結部の各プレートを押圧可能なカムが、先端にハンドルが固定されたシャフトに配設されるものとしたことを特徴とするパワーシート調整装置。
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