以下、本発明の実施の形態に係る建設機械の代表例として、ラジエータ、オイルクーラ等の熱交換器を備えた油圧ショベルを例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
まず、図1ないし図10は本発明の第1の実施の形態を示している。図1において、1は建設機械としてのクローラ式の油圧ショベルで、該油圧ショベル1は、自走可能な下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、該上部旋回体3の前側に俯仰動可能に設けられ土砂の掘削作業等を行う作業装置4とにより大略構成されている。
5は上部旋回体3のベースをなす車体フレームとしての旋回フレームである。この旋回フレーム5は、図2、図3に示す如く、前,後方向に延びる厚肉な鋼板からなる底板6と、左,右方向に所定の間隔をもって該底板6上に立設され前,後方向に延びた左縦板7,右縦板8と、該左縦板7から左側方に張出して設けられた複数の左張出しビーム9と、前記右縦板8から右側方に張出して設けられた複数の右張出しビーム10と、前記各左張出しビーム9の突出端側に固着されて前,後方向に延びた断面D型の左サイドフレーム11と、前記各右張出しビーム10の突出端側に固着されて前,後方向に延びた断面D型の右サイドフレーム12と、左縦板7の左側に位置し底板6と左サイドフレーム11の左前部側に設けられたキャブ支持部13とにより強固な支持構造体として構成されている。
そして、左,右の縦板8,9の前側位置には作業装置4が取付けられ、後側位置には後述のエンジン15が搭載されている。また、キャブ支持部13上には後述のキャブ14が搭載されている。
ここで、左張出しビーム9は、前側から後側に亘り所望の間隔をもって配置された4本の左張出しビーム9A〜9Dにより構成されている。これら4本の左張出しビーム9A〜9Dのうち、例えば前側から3番目の左張出しビーム9Cは、後述する前側面板28が取付けられる前側の熱交換器取付部を構成している(以下、3番目の左張出しビーム9Cを、「前側熱交換器取付部9C」という)。この前側熱交換器取付部9Cは、図7、図8に示す如く、逆U字状の断面形状をもって左,右方向に延び、その上面は平坦面9C1となっている。さらに、平坦面9C1には、前記前側面板28の水平取付部28Cを締結するためのボルト締着孔9C2が複数個、例えば左,右方向に間隔をもって3個設けられている。
また、4番目(最後部)の左張出しビーム9Dは、前側熱交換器取付部9Cの後側に後述の熱交換器ユニット19を取付けるための間隔をもって配設されている。この左張出しビーム9Dは、後述の後側面板29が取付けられる後側の熱交換器取付部を構成している(以下、4番目の左張出しビーム9Dを、「後側熱交換器取付部9D」という)。また、後側熱交換器取付部9Dは、L字状の断面形状をもって左,右方向に延び、その後端部は立上がって立上り面9D1となっている。さらに、立上り面9D1には、前記後側面板29の垂直取付部29Cを締結するためのボルト締着孔9D2が複数個、例えば左,右方向に間隔をもって3個設けられている。
一方、前側熱交換器取付部9Cと後側熱交換器取付部9Dとの間には、前,後方向に延びて梁部材9Eが設けられている。この梁部材9Eには、図2、図4に示すように、後述する熱交換器組立体20の下側部分が取付けられる。
14は旋回フレーム5の左前側に位置して2番目の左張出しビーム9Bとキャブ支持部13上に搭載されたキャブ(図1参照)で、該キャブ14は、オペレータが搭乗するものである。また、キャブ14の内部には、オペレータが着座する運転席、各種操作レバー、空調装置の室内機等(いずれも図示せず)が配設されている。
15は旋回フレーム5の後側に設けられたエンジンを示している(図2参照)。このエンジン15は、左,右方向に延在する横置き状態に搭載され、例えば吸気の流量を増大させる過給機(図示せず)を備えている。ここで、エンジン15は、エンジン冷却水が循環するウォータジャケット(図示せず)を有し、該ウォータジャケットは冷却水の熱を放出する後述のラジエータ21に接続されている。また、過給機は、圧縮した吸気の熱を放出する後述のインタクーラ23に接続され、該インタクーラ23の流出側はエンジン15の吸気側に接続されている。
また、エンジン15の左側には、当該エンジン15によって回転駆動される冷却ファン15Aが設けられ、該冷却ファン15Aは、後述する建屋カバー18の流入口18Eから外気を冷却風として流入させるものである。
一方、16はエンジン15の右側に取付けられた油圧ポンプである。この油圧ポンプ16は、エンジン15によって駆動されることにより、作業装置4等に向け作動油を圧油として吐出するものである。また、作業装置4等から戻される作動油は、後述のオイルクーラ22を流通させることにより冷却することができる。
17は旋回フレーム5の後端部に取付けられたカウンタウエイト(図1参照)である。このカウンタウエイト17は、作業装置4との重量バランスをとるもので、重量物として形成されている。
18はキャブ14とカウンタウエイト17との間に位置して旋回フレーム5上に設けられた建屋カバー(図1、図2参照)である。この建屋カバー18は、旋回フレーム5の左,右両側に位置して前,後方向に延びた左側面パネル18A,右側面パネル18Bと、該各側面パネル18A,18Bの上端部間を水平方向に延びた上面パネル18Cとにより大略構成され、該上面パネル18Cには、開閉可能なエンジンカバー18Dが設けられている。さらに、建屋カバー18の左側面パネル18Aには、ラジエータ21等に供給する冷却風を流入させる流入口18Eが形成され、右側面パネル18Bには、エンジン15等を通過した冷却風を外部に流出させる流出口18Fが形成されている。
次に、エンジン15の冷却水、作動油、エンジン15が吸入する吸気、燃料、空調装置の冷媒等の各種の流体を冷却風により冷却するために設けられた第1の実施の形態による熱交換器ユニットについて、図4ないし図10を参照しつつ説明する。
19はエンジン15の左側に位置して建屋カバー18内に設けられた単一の熱交換器ユニットを示している。この熱交換器ユニット19は、油圧ショベル1の上部旋回体3に搭載された熱交換器をまとめることにより、図4に示すように、旋回フレーム5に対して複数台の熱交換器を1度に取付けることができる単一のユニットとして構成されている。このため、熱交換器ユニット19の組立作業は、油圧ショベル1の組立ラインとは別個の広い作業現場で効率よく行うことができる。
そして、熱交換器ユニット19は、図5、図6に示す如く、後述の熱交換器組立体20、燃料クーラ26、コンデンサ27、前側面板28、後側面板29等により大略構成されている。
20は熱交換器ユニット19の熱交換器を構成する熱交換器組立体で、該熱交換器組立体20は、後述する前側面板28と後側面板29との間に設けられている。また、熱交換器組立体20は、図6に示すように、例えば冷却風の流れ方向(上部旋回体3の左,右方向)に対して並列に配置された後述のラジエータ21、オイルクーラ22、インタクーラ23をブラケット24,25で連結することにより構成されている。
21は熱交換器としてのラジエータで、該ラジエータ21は、エンジン15を冷却して温度上昇した冷却水を冷却するものである。また、ラジエータ21は、上部タンク21A、下部タンク21Bおよび放熱部21Cにより大略構成され、各タンク21A,21Bがエンジン15のウォータジャケットに接続される。一方、ラジエータ21は、上部タンク21Aが後述の上側ブラケット24に取付けられ、下部タンク21Bが下側ブラケット25に取付けられている。
22はラジエータ21と並列で配置された熱交換器としてのオイルクーラで、該オイルクーラ22は、作動油を冷却するもので、ラジエータ21の前側(キャブ14側)位置に同一平面をなすように配設されている。また、オイルクーラ22は、上部タンク22A、下部タンク22Bおよび放熱部22Cにより大略構成され、各タンク22A,22Bに作動油配管(図示せず)がそれぞれ接続される。一方、オイルクーラ22は、ラジエータ21とほぼ同様に、上部タンク22Aが後述の上側ブラケット24に取付けられ、下部タンク22Bが下側ブラケット25に取付けられている。
23はラジエータ21の後側(カウンタウエイト17側)に位置して該ラジエータ21と並列で配置された熱交換器としてのインタクーラである。このインタクーラ23は、エンジン15の過給機から供給される吸気を冷却するものである。また、インタクーラ23は、上部タンク23A、下部タンク23Bおよび放熱部23Cにより大略構成され、上部タンク23Aが過給機側に接続され、下部タンク23Bがエンジン15の吸気側に接続される。一方、インタクーラ23は、ラジエータ21とほぼ同様に、上部タンク23Aが上側ブラケット24に取付けられ、下部タンク23Bが下側ブラケット25に取付けられている。
ここで、熱交換器組立体20を構成するラジエータ21、オイルクーラ22、インタクーラ23は、例えば冷却効率が向上し、清掃作業が容易になるように、エンジン15の冷却ファン15Aによって発生する冷却風の流れ方向に対して並列となるように、上部旋回体3の前,後方向に並べて配設されている。
24はラジエータ21、オイルクーラ22、インタクーラ23の上部に水平方向に延びて設けられた上側ブラケットである。この上側ブラケット24には、ラジエータ21、オイルクーラ22、インタクーラ23の上側部位がそれぞれボルト止めされている。また、上側ブラケット24は、長さ方向の両端部が後述する各側面板28,29の上部にボルト止めされている。
一方、25はラジエータ21、オイルクーラ22、インタクーラ23の下部に水平方向に延びて設けられた下側ブラケットである。この下側ブラケット25には、ラジエータ21、オイルクーラ22、インタクーラ23の下側部位がそれぞれ取付けられている。そして、下側ブラケット25は、長さ方向の両端部が各側面板28,29の下部にボルト止めされると共に、旋回フレーム5を構成する左張出しビーム9の梁部材9Eにボルト止めされる(図2、図4参照)。
26は熱交換器組立体20と共に各側面板28,29間に取付けられた燃料クーラで、該燃料クーラ26は、エンジン15に供給する燃料を冷やすもので、熱交換器の1つを構成している。また、27は燃料クーラ26の後側に並べて設けられた熱交換器としてのコンデンサで、該コンデンサ27は、空調装置の室外機の一部を構成し冷媒の熱を放出するものである。
次に、ラジエータ21、オイルクーラ22、インタクーラ23等の幅方向(前,後方向)の両側に対面して設けられた一対の側面板28,29およびこの側面板28,29に接続された連結部材30、内面板31の構成について、図7、図9等を参照しつつ述べる。
28はオイルクーラ22の前側に位置して左,右方向に延びた前側面板で、該前側面板28は、例えば薄肉な鋼板の周縁を折曲げることにより形成されている。即ち、前側面板28は、左,右方向に延びつつ立設されたほぼ平坦な主板部28Aと、該主板部28Aの周囲をほぼ直角に折曲て形成された補強用の折曲げ部28Bとにより大略構成されている。また、主板部28Aの下側には、前側面板28を前側熱交換器取付部9Cの平坦面9C1に取付けるための水平取付部28Cが設けられている。
ここで、前側面板28の水平取付部28Cは、主板部28Aの下部を幅方向の外側(前側)に向けほぼ直角に折曲げることにより、水平方向に延びた長方形状の取付板として一体形成されている。また、水平取付部28Cには、例えば3個のボルト挿通孔28Dが上,下方向に貫通して設けられている。
そして、水平取付部28Cは、旋回フレーム5に設けられた前側熱交換器取付部9Cの平坦面9C1に対し上,下方向に対面するように配置される。このときに、水平取付部28Cは、平坦面9C1上で水平方向に自在に移動することができるから、各ボルト挿通孔28Dが前側熱交換器取付部9Cの各ボルト締着孔9C2と位置ずれしていても、各ボルト挿通孔28Dを各ボルト締着孔9C2に位置合わせすることができる。また、各ボルト挿通孔28Dを各ボルト締着孔9C2に位置合わせしたら、各ボルト挿通孔28Dに挿通した後述のボルト32を各ボルト締着孔9C2に締着することにより、前側面板28を前側熱交換器取付部9Cに取付けることができる。
29は前側面板28と対面するようにインタクーラ23の後側に設けられた後側面板で、該後側面板29は、前側面板28とほぼ同様に、例えば薄肉な鋼板の周縁を折曲げることにより左,右方向に延びて形成されている。即ち、後側面板29は、左,右方向に延びつつ立設されたほぼ平坦な主板部29Aと、該主板部29Aの周囲をほぼ直角に折曲て形成された補強用の折曲げ部29Bとにより大略構成されている。また、主板部29Aの下側には、後側面板29を後側熱交換器取付部9Dの立上り面9D1に取付けるための垂直取付部29Cが設けられている。
ここで、後側面板29の垂直取付部29Cは、主板部29Aの下部をさらに下側に延長することにより、垂直方向に延びた長方形状の取付板として一体形成されている。また、垂直取付部29Cには、例えば3個のボルト挿通孔29Dが水平方向(前,後方向)に貫通して設けられている。
そして、垂直取付部29Cは、旋回フレーム5に設けられた後側熱交換器取付部9Dの立上り面9D1に対し横方向(水平方向)に対面するように配置し、各ボルト挿通孔29Dを各ボルト締着孔9D2に位置合わせする。この状態で、各ボルト挿通孔29Dに挿通したボルト32を各ボルト締着孔9D2に締着することにより、後側面板29を後側熱交換器取付部9Dに取付けることができる。
ここで、各側面板28,29は、図5に示す如く、建屋カバー18の左側面パネル18A、上面パネル18Cに近接して空間を仕切ることにより、左側面パネル18A、上面パネル18C等と協働してラジエータ21、オイルクーラ22、インタクーラ23等を収容する空間を画成することができる。この空間は、建屋カバー18の流入口18Eから流入する冷却風をラジエータ21、オイルクーラ22、インタクーラ23等に向けて流通させるものである。
30は前側面板28と後側面板29とを上側で連結するように設けられた連結部材で、該連結部材30は、ラジエータ21、オイルクーラ22、インタクーラ23の上側を前,後方向に延びる箱体状に形成されている。そして、連結部材30は、前端側が前側面板28の上部に一体的に取付けられ、語端側が後側面板29の上部に一体的に取付けられている。
31は前側面板28と後側面板29との間をエンジン15側で閉塞するように設けられた内面板で、該内面板31には、冷却ファン15Aが配置される円形状のファン開口31Aが形成されている。
32は前側面板28と後側面板29を旋回フレーム5に取付けるために設けられた締着部材としての複数本のボルトである。該各ボルト32は、各ボルト挿通孔28D,29Dに挿通し、ボルト締着孔9C2,9D2に締着することにより、各側面板28,29を熱交換器取付部9C,9Dに取付け、取外し可能に固定するものである。
このように構成された熱交換器ユニット19を組立てる場合には、前側面板28、後側面板29、連結部材30、内面板31等を組立てる。また、ラジエータ21、オイルクーラ22、インタクーラ23を並列に配置し、これらを上側ブラケット24と下側ブラケット25で連結して熱交換器組立体20を形成する。この熱交換器組立体20、燃料クーラ26、コンデンサ27等を各側面板28,29間に組付けることにより、単一の熱交換器ユニット19を組立てることができる。
第1の実施の形態による油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、次に、上部旋回体3に設けられた熱交換器、即ち、ラジエータ21、オイルクーラ22、インタクーラ23、各側面板28,29等からなる熱交換器ユニット19を旋回フレーム5に取付けるときの手順について説明する。
まず、油圧ショベル1の組立ラインとは別個の広い作業現場で、前側面板28、後側面板29、連結部材30、内面板31を組立て、上側ブラケット24と下側ブラケット25で連結されたラジエータ21、オイルクーラ22、インタクーラ23からなる熱交換器組立体20、燃料クーラ26、コンデンサ27等を取付けることにより、図5に示すように単一の熱交換器ユニット19を組立てる。
このようにして熱交換器ユニット19を組立てたら、この熱交換器ユニット19をクレーン等を用いて吊上げ油圧ショベル1の組立ラインに搬送し、旋回フレーム5に対する組付け作業に移る。そこで、旋回フレーム5に対する熱交換器ユニット19の組付け作業について、図7ないし図10に従って説明する。なお、図7ないし図10では、旋回フレーム5に対する熱交換器ユニット19の取付形態が見易いように、内部の熱交換器組立体20等を省略し、枠体をなす前側面板28、後側面板29、連結部材30、内面板31だけを図示している。
この熱交換器ユニット19の組付け作業では、図7に示すように、熱交換器ユニット19を旋回フレーム5の所定位置に向けて真っ直ぐに降ろす。このときに、後側面板29の垂直取付部29Cは、後側熱交換器取付部9Dの立上り面9D1に対して正確に沿わせる必要がなく、図8に示すように、後側熱交換器取付部9Dと後側面板29との間に隙間を形成した状態で熱交換器ユニット19を降ろすことができる。
そして、熱交換器ユニット19を旋回フレーム5に向けて降ろし、前側熱交換器取付部9Cの平坦面9C1に対し前側面板28の水平取付部28Cを上側から対面させる。この状態では、熱交換器ユニット19の高さ位置が規定されるから、後側熱交換器取付部9Dの立上り面9D1に対し後側面板29の垂直取付部29Cを上,下方向に位置合わせすることができる。次に、後側面板29の垂直取付部29Cが後側熱交換器取付部9Dの立上り面9D1に当接するまで熱交換器ユニット19を後側に移動させる。これにより、前側熱交換器取付部9Cの平坦面9C1に対し前側面板28の水平取付部28Cを水平方向(前,後方向)に位置合わせすることができる。
従って、図9、図10に示すように、各取付部28C,29Cのボルト挿通孔28D,29Dと各熱交換器取付部9C,9Dのボルト締着孔9C2,9D2との位置を合わせることができ、各ボルト挿通孔28D,29Dに挿通したボルト32を各ボルト締着孔9C2,9D2に締着することにより、各側面板28,29を熱交換器取付部9C,9Dに取付けることができる。
次に、油圧ショベル1の動作について説明する。まず、オペレータは、キャブ14に搭乗して運転席に着座する。この状態で走行用の操作レバーを操作することにより、下部走行体2を駆動して油圧ショベル1を前進または後退させることができる。また、運転席に着座したオペレータは、作業用の操作レバーを操作することにより、作業装置4を俯仰動させて土砂の掘削作業等を行うことができる。
そして、油圧ショベル1を稼動しているときには、エンジン15の冷却ファン15Aにより建屋カバー18の流入口18Eから空気を流入させ、この空気を冷却風として熱交換器組立体20のラジエータ21、オイルクーラ22、インタクーラ23、燃料クーラ26、コンデンサ27に供給することにより、それぞれの冷却すべき流体を冷却することができる。また、これらを通過した冷却風は、エンジン15、油圧ポンプ16等の周囲を通って流出口18Fから外部に流出する。
かくして、第1の実施の形態によれば、旋回フレーム5には、前側熱交換器取付部9Cに平坦面9C1を設け、後側熱交換器取付部9Dに立上り面9D1を設けている。また、熱交換器ユニット19を構成する前側面板28には、平坦面9C1に対し上,下方向に対面した状態で締着される水平取付部28Cを設け、後側面板29には、立上り面9D1に対し水平方向に対面した状態で締着される垂直取付部29Cを設ける構成としている。
従って、熱交換器ユニット19を旋回フレーム5に組付ける作業では、前側熱交換器取付部9Cの平坦面9C1に前側面板28の水平取付部28Cを上側から当接させ、この状態で、熱交換器ユニット19を後側に移動し、後側熱交換器取付部9Dの立上り面9D1に後側面板29の垂直取付部29Cを当接させることにより、各取付部28C,29Cのボルト挿通孔28D,29Dと各熱交換器取付部9C,9Dのボルト締着孔9C2,9D2とを簡単に、かつ正確に位置を合わせることができ、ボルト32による締結作業を容易に行うことができる。
この結果、クレーン等を用いて熱交換器ユニット19を旋回フレーム5に取付けるときには、熟練したクレーンの操作技術は必要なく、簡単なクレーン操作によって各側面板28,29を旋回フレーム5の熱交換器取付部9C,9Dの正確な位置に配置することができるから、熱交換器ユニット19の組付け作業性を向上することができる。
また、前側面板28には水平取付部28Cを一体形成し、後側面板29には垂直取付部29Cを一体形成する構成としているから、部品点数の増大を抑えることができ、組立作業性を向上することができる。
次に、図11および図12は本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、車体フレームの熱交換器取付部には一対の平坦面を設け、一対の側面板には平坦面に対し上,下方向に対面した状態で締着される水平取付部をそれぞれ設ける構成としたことにある。なお、第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図11、図12において、41は第2の実施の形態による左張出しビームを示している。この左張出しビーム41は、前側から後側に亘り所望の間隔をもって配置された4本の左張出しビーム41A〜41D(後側の2本のみ図示)により構成されている。また、前側から3番目の左張出しビーム41Cは、熱交換器取付部を構成するもので、逆U字状の断面形状をもって左,右方向に延びている(以下、3番目の左張出しビーム41Cを、「前側熱交換器取付部41C」という)。そして、前側熱交換器取付部41Cの上面は平坦面41C1となり、この平坦面41C1には複数個のボルト締着孔41C2が設けられている。
また、4番目(最後部)の左張出しビーム41Dは、熱交換器取付部を構成するもので、前側熱交換器取付部41Cとほぼ同様に、逆U字状の断面形状をもって左,右方向に延びている(以下、4番目の左張出しビーム41Dを、「後側熱交換器取付部41D」という)。そして、後側熱交換器取付部41Dの上面は平坦面41D1となり、この平坦面41D1には複数個のボルト締着孔41D2が設けられている。さらに、前側熱交換器取付部41Cと後側熱交換器取付部41Dとの間には、前,後方向に延びて梁部材41Eが設けられている。
42は第2の実施の形態による前側面板で、該前側面板42は、第1の実施の形態による前側面板28とほぼ同様に、主板部42Aと折曲げ部42Bと前側水平取付部42Cとにより大略構成されている。ここで、前側水平取付部42Cは、主板部42Aの下部を幅方向の外側(前側)に向けほぼ直角に折曲げることにより、水平方向に延びた長方形状の取付板として一体形成されている。また、前側水平取付部42Cには、後述のボルト46が挿通されるボルト挿通孔42Dが上,下方向に貫通して設けられている。
また、43は第2の実施の形態による後側面板で、該後側面板43は、前述した前側面板42とほぼ同様に、主板部43Aと折曲げ部43Bとを備え、該主板部43Aの下側には、後側水平取付部43Cが設けられている。この後側水平取付部43Cは、前述した前側水平取付部42Cとほぼ同様に、主板部43Aの下部を幅方向の外側(後側)に向けほぼ直角に折曲げることにより、水平方向に延びた長方形状の取付板として一体形成されている。また、後側水平取付部43Cには、ボルト46が挿通されるボルト挿通孔43Dが上,下方向に貫通して設けられている。
さらに、44は前側面板42と後側面板43とを連結する連結部材、45は前側面板42と後側面板43との間をエンジン15側で閉塞するように設けられた内面板をそれぞれ示している。また、45は各側面板42,43の水平取付部42C,43Cを熱交換器取付部41C,41Dに締着するボルトを示している。
かくして、このように構成された第2の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第2の実施の形態によれば、前側面板42と後側面板43の両方に水平取付部42C,42Dを設けているから、各熱交換器取付部41C,41Dの平坦面41C1,41D1上で任意の方向に大きく移動させることができる。これにより、組付け作業をより一層簡単に行うことができる。
次に、図13は本発明の第3の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、水平取付部は、側面板と別部材として形成し、固着手段を用いて側面板に取付ける構成としたことにある。なお、第3の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図13において、51は第3の実施の形態による左張出しビームを示している。この左張出しビーム51は、前側から後側に亘り所望の間隔をもって配置された4本の左張出しビーム51A〜51D(後側の2本のみ図示)により構成されている。また、前側から3番目の左張出しビーム51Cは、熱交換器取付部を構成するもので、逆U字状の断面形状をもって左,右方向に延びている(以下、3番目の左張出しビーム51Cを、「前側熱交換器取付部51C」という)。そして、前側熱交換器取付部51Cの上面は平坦面51C1となり、この平坦面51C1には複数個のボルト締着孔51C2が設けられている。
また、4番目(最後部)の左張出しビーム51Dは、熱交換器取付部を構成するもので、前側熱交換器取付部51Cとほぼ同様に、逆U字状の断面形状をもって左,右方向に延びている(以下、4番目の左張出しビーム51Dを、「後側熱交換器取付部51D」という)。そして、後側熱交換器取付部51Dの上面は平坦面51D1となり、この平坦面51D1には複数個のボルト締着孔51D2が設けられている。さらに、前側熱交換器取付部51Cと後側熱交換器取付部51Dとの間には、前,後方向に延びて梁部材51Eが設けられている。
52は第3の実施の形態による前側面板で、該前側面板52は、第1の実施の形態による前側面板28とほぼ同様に、主板部52Aと折曲げ部(図示せず)とにより大略構成されている。しかし、第3の実施の形態による前側面板52は、その下側に別部材からなる後述の前側水平取付部54が取付けられている点で、第1の実施の形態による前側面板28と相違している。
53は第3の実施の形態による後側面板で、該後側面板53は、第1の実施の形態による後側面板29とほぼ同様に、主板部53Aと折曲げ部(図示せず)とにより大略構成されている。しかし、第3の実施の形態による後側面板53は、その下側に別部材からなる後述の後側水平取付部56が取付けられている点で、第1の実施の形態による後側面板29と相違している。
54は前側面板52の下側に取付けられた第3の実施の形態による前側水平取付部である。この前側水平取付部54は、前側面板52と別部材として形成されている。また、前側水平取付部54は、L字状に折曲げられた板体からなり、前側面板52の下部から幅方向の外側(前側)に向けて突出するように該前側面板52の下側にボルト止めされている。また、前側水平取付部54には、ボルト55が挿通されるボルト挿通孔54Aが上,下方向に貫通して設けられている。
さらに、56は後側面板53の下側に取付けられた後側水平取付部である。この後側水平取付部56は、前述した前側水平取付部54とほぼ同様に、後側面板53と別部材として形成されている。また、後側水平取付部56は、L字状に折曲げられた板体からなり、後側面板53の下部から幅方向の外側(後側)に向けて突出するように該後側面板53の下側にボルト止めされている。また、後側水平取付部56には、ボルト55が挿通されるボルト挿通孔56Aが上,下方向に貫通して設けられている。
かくして、このように構成された第3の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第3の実施の形態によれば、水平取付部54,56を側面板52,53と別部材として形成しているから、この水平取付部54,56を複数種類用意し、異なる旋回フレーム5に応じて取換えることにより、複数種類の旋回フレーム5に対し側面板52,53を共通の部品として取付けることができ、製造コストを低減することができる。
なお、第1の実施の形態では、水平取付部28Cを、前側面板28の下部を幅方向の外側(前側)に向けほぼ直角に折曲げる構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、水平取付部は、前側面板の下部を幅方向の内側(後側)に向けほぼ直角に折曲げる構成としてもよい。この構成は、他の実施の形態による水平取付部にも同様に適用することができるものである。
また、第1の実施の形態では、左張出しビーム9を構成する熱交換器取付部9C,9Dは、前,後方向に間隔をもった別部材として形成した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば1本の張出しビームを前,後方向に広幅に形成し、その幅方向の両端部に熱交換器取付部を設ける構成としてもよい。この構成は、他の実施の形態にも同様に適用することができるものである。
一方、第3の実施の形態では、別部材として設けた水平取付部54,56を側面板52,53にボルト止めする構成とした場合を例示した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば溶接用の他の固着手段を用い、別個に設けた水平取付部を側面板に固着する構成としてもよい。
さらに、各実施の形態では、建設機械としてクローラ式の油圧ショベル1を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えばホイール式の下部走行体を備えた油圧ショベルに適用してもよい。さらに、例えば油圧クレーン、ホイールローダ、トラクタ等の他の建設機械にも広く適用できるものである。