JP2018053937A - 蝶ねじを用いた弛み止め構造 - Google Patents
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Abstract
Description
以下、図1〜図9を参照して、本発明の蝶ねじを用いた弛み止め構造の第1の実施形態を説明する。
図1は、本発明の冷却装置の一実施の形態を示す外観斜視図である。
冷却装置100は、油圧ショベル、ホイールローダ10(図11参照)等の建設機械に搭載される。
なお、以下の説明において、前後方向、上下方向および左右方向は、図示の通りとする。
冷却装置100の冷却装置フレーム1には、ファンシュラウド2、ラジエータ11、オイルクーラ12、インタークーラ13、トランスミッションオイルクーラ14およびエアコン用コンデンサ15が取付けられている。冷却装置フレーム1は、不図示の建設機械のシャーシに取付けられる。冷却装置フレーム1の後面側には、通風部16を有するリヤグリル17が、開閉可能に取付けられている。
ファンシュラウド2には、冷却ファンユニットが取付けられており、ラジエータ11、オイルクーラ12、インタークーラ13、トランスミッションオイルクーラ14には、冷却ファンユニットの冷却ファンから冷却風が送風される。冷却ファンを逆回転して、逆方向から冷却装置100に冷却風を送風することもある。
冷却装置フレーム1の後面側には、ラジエータ11、オイルクーラ12、インタークーラ13を露出する開口部1aが設けられている。
エアコン用コンデンサ15は、コンデンサ用ブラケット21に取付けられている。コンデンサ用ブラケット21は、冷却装置フレーム1の開口部1aの周側縁から内方に突出した突出部1bに取付けられている。エアコン用コンデンサ15が取付けられたコンデンサ用ブラケット21は、ラジエータ11、オイルクーラ12、インタークーラ13の後方に配置されている。このため、ラジエータ11、オイルクーラ12、インタークーラ13の一部の領域は、エアコン用コンデンサ15が取付けられたコンデンサ用ブラケット21に対する冷却風の下流(図1における前方)側で、エアコン用コンデンサ15またはコンデンサ用ブラケット21に重なる位置に配置されている。
コンデンサ用ブラケット21の左側部にはリキッドタンク18が取付けられている。リキッドタンク18は、コンデンサ用ブラケット21に固定された取付板41に取付けられ、エアコン用コンデンサ15に対する冷却風の上流(図1における後方側)に配置されている。リキッドタンク18は、エアコン用コンデンサ15からの冷媒を気液分離する。
コンデンサ用ブラケット21は、金属薄板により形成され、可撓性を有している。コンデンサ用ブラケット21は、一側片21a、該一側片21aに対向する他側片21b、一側片21aと他側片21bを連結する一対の連結片21c、21dを有する枠状の部材である。
以下に、蝶ねじ5を用いたコンデンサ用ブラケット21の保持構造について説明するが、この構造は、コンデンサ用ブラケット21の連結片21c側と連結片21d側とで同一である。このため、代表してコンデンサ用ブラケット21の連結片21c側について説明する。
図9(A)に図示されるように、コンデンサ用ブラケット21の連結片21cには、ヒンジ部材3の反対側の端部側に、保持部材31の反対側に向けて曲げられ、漸次、車体後方側に傾斜する傾斜部21eが形成されている。コンデンサ用ブラケット21の傾斜部21eは、保持部材31の保持面32aの周辺領域に対向する位置に配置される。保持部材31の保持面32aの高さは、コンデンサ用ブラケット21の傾斜部21eを除く連結片21cの領域の延長線とほぼ同一の高さに設定されている。
蝶ねじ5を保持部材31の雄ねじ部33に螺合して、蝶ねじ5を、コンデンサ用ブラケット21の連結片21cの傾斜部21eを保持部材31の保持面32aに押し付けるように締め付ける。蝶ねじ5によりコンデンサ用ブラケット21の傾斜部21eを保持部材31の保持面32aに押し付けることにより、図9(B)に図示されるように、コンデンサ用ブラケット21の傾斜部21e以外の領域、換言すれば、コンデンサ用ブラケット21のヒンジ部材3と傾斜部21eとの間の領域が上方に向かって突状になるように湾曲する。
弾性変形の復元力の大きさは、コンデンサ用ブラケット21の連結片21cの厚さや幅(左右方向の長さ)により調整することができる。
従って、蝶ねじ5とコンデンサ用ブラケット21との間にスプリングワッシャ等を介在する必要が無く、蝶ねじ5により、直接、コンデンサ用ブラケット21を締め付ける構造を採用することができる。蝶ねじ5とコンデンサ用ブラケット21との間にスプリングワッシャ等を介在すると、蝶ねじ5を外してコンデンサ用ブラケット21を開放する作業の際、スプリングワッシャ等を紛失する可能性があり、作業が停滞する虞があるが、このような事態を確実に回避することができる。
(1)蝶ねじを用いた弛み止め構造は、コンデンサ用ブラケット21に設けられた貫通孔に挿通された雄ねじ部33に蝶ねじ5を螺合し、蝶ねじ5により、直接、コンデンサ用ブラケット21を保持部材31の保持面32aに押し付け、コンデンサ用ブラケット21を弾性変形させ、蝶ねじ5にコンデンサ用ブラケット21の復元力が作用した状態でコンデンサ用ブラケット21が保持される構造である。蝶ねじ5に、コンデンサ用ブラケット21の復元力が作用しているので、コンデンサ用ブラケット21に振動等が生じても、蝶ねじ5の弛み止めを図ることができる。
なお、蝶ねじ5を用いているので、工具等を必要とするボルトを用いる方法に比して、コンデンサ用ブラケット21の開閉作業を簡便に行うことができる。また、蝶ねじ5とコンデンサ用ブラケット21との間にスプリングワッシャ等を用いることなく、蝶ねじ5により、直接、コンデンサ用ブラケット21の連結片21c、21dを締め付ける構造である。このため、コンデンサ用ブラケット21の開閉作業において、スプリングワッシャ等を紛失する虞が全く無く、作業が停滞するような事態を回避することができる。
図10は、本発明の蝶ねじを用いた弛み止め構造の第2の実施形態を示す側面図である。図10においても、コンデンサ用ブラケットおよび弾性部材は、図示を省略されている。
第2の実施形態では、コンデンサ用ブラケット21の連結片21c、21dには、傾斜部21eは設けられていない。コンデンサ用ブラケット21の連結片21c、21dは直線状に延在され、保持部材31の保持面32aとコンデンサ用ブラケット21の連結片21c、21dとの間には、隙間cが設けられている。また、コンデンサ用ブラケット21の連結片21c、21dのヒンジ部材3側の端部には、支持部材22が設けられている。
支持部材22における車体前後方向の長さと比較して、保持部材31における車体前後方向の寸法は隙間c分の所定寸法分だけ短く設定されている。
第2の実施形態において、支持部材22を無くすこともできる。
冷却装置100は、ホイールローダ10の後部側に、リヤグリル17を開閉可能に搭載される。冷却装置100は、図1〜図10に図示される前後方向、上下方向および左右方向が、図11に図示される方向に一致するようにホイールローダ10に取付けられる。
また、上記実施形態に示した蝶ねじを用いた弛み止め構造は、エアコン用コンデンサ15が取付けられたコンデンサ用ブラケット21の開閉構造以外の、例えば、熱交換器回りを点検する点検窓のカバーの開閉構造等に適用することもできる。
3 ヒンジ部材
5 蝶ねじ
10 ホイールローダ
11 ラジエータ(冷却器)
12 オイルクーラ(冷却器)
13 インタークーラ(冷却器)
15 エアコン用コンデンサ
21 コンデンサ用ブラケット(枠体)
21a 一側片
21b 他側片
21c、21d 連結片(変形部)
21e 傾斜部(復元力作用部)
31 保持部材
32a 保持面
33 雄ねじ部
34 弾性部材
100 冷却装置
Claims (5)
- 貫通孔が形成された枠体と、保持面と雄ねじ部とを有し、前記雄ねじ部が前記枠体の前記貫通孔に対向して配置された保持部材と、前記枠体の前記貫通孔を挿通された前記保持部材の雄ねじ部に螺合され、前記枠体を前記保持部材の前記保持面に押し付けた状態で保持する蝶ねじとを備えた蝶ねじを用いた弛み止め構造において、
前記枠体は、可撓性薄板により形成され、前記蝶ねじが締め付けられた状態で弾性変形される変形部と、前記蝶ねじに対し前記変形部の復元力が作用する復元力作用部とを備えたことを特徴とする蝶ねじを用いた弛み止め構造。 - 請求項1に記載の蝶ねじを用いた弛み止め構造において、
前記枠体は、一側片と、前記一側片に対向する他側片と、前記一側片と前記他側片とを連結する一対の連結片とを有し、
前記一対の連結片の少なくとも一方の前記連結片の前記他側片側の端部には、先端側に向かって前記保持部材の前記保持面から離間する方向に傾斜する傾斜部が設けられ、前記蝶ねじにより前記傾斜部が前記保持部材の保持面に押し付けられ、かつ、前記連結片の前記傾斜部を除く領域が、前記保持部材の反対側に突状となるように湾曲されていることを特徴とする蝶ねじを用いた弛み止め構造。 - 請求項1に記載の蝶ねじを用いた弛み止め構造において、
さらに、前記枠体に保持されたエアコン用コンデンサを備えることを特徴とする蝶ねじを用いた弛み止め構造。 - 請求項3に記載の蝶ねじを用いた弛み止め構造において、
前記枠体を支持するフレームと、
前記フレームに対して前記枠体を回動可能に支持するヒンジ部材と、
前記フレームに取付けられ、少なくとも一部の領域が前記エアコン用コンデンサに重なって配置された冷却器とを、さらに、備えることを特徴とする蝶ねじを用いた弛み止め構造。 - 請求項3に記載の蝶ねじを用いた弛み止め構造において、
前記枠体と前記エアコン用コンデンサとの間に、弾性部材が介装されていることを特徴とする蝶ねじを用いた弛み止め構造。
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