JP2012219719A - 建設機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】 熱交換器と防塵ネットを無駄なスペースを形成することなく効率よく配置することにより、小さな設置スペースでも熱交換装置を配置できるようにする。
【解決手段】 防塵ネット20を、上側の平行ネット部材21と下側の傾斜ネット部材25とに分割して形成し、下側の傾斜ネット部材25は、その下端部がラジエータ15、オイルクーラ16の前面に対して傾斜させて配置する。具体的には、コンデンサ17と平行に対面する平行ネット部材21の下端部とラジエータ15、オイルクーラ16の前面下部との間を覆うように傾斜ネット部材25を傾斜して配置する。従って、傾斜ネット部材25は、ラジエータ15、オイルクーラ16とコンデンサ17との間の段差を効率よく覆うことにより、無駄なスペースを無くすことができ、熱交換装置11を設置するためのスペースを小さくできる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、例えば熱交換器を覆うように防塵ネットが設けられた熱交換装置を備えた油圧ショベル等の建設機械に関する。
一般に、建設機械としての油圧ショベルは、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体の前側に俯仰動可能に設けられた作業装置とにより大略構成されている。
また、上部旋回体は、支持構造体をなす旋回フレームと、該旋回フレームの前側に設けられオペレータが搭乗するキャブと、前記旋回フレームの後側に搭載されたエンジンと、該エンジンによって駆動されることにより作動油を圧油として供給する油圧ポンプと、前記エンジンによって回転することにより外気を冷却風として吸込む冷却ファンと、該冷却ファンの前面側に対面して設けられた熱交換装置とにより大略構成されている。
熱交換装置は、旋回フレームに取付けられた角枠状の支持体と、該支持体に設けられ冷却風によって内部を流れる流体を冷却する熱交換器とを備えている。この熱交換器の一例としては、エンジン冷却水を冷却するラジエータ、作動油を冷却するオイルクーラ、キャブに設けられた空調装置に用いる冷媒を冷却するコンデンサ等が知られている。
ここで、小型の油圧ショベルでは、上部旋回体の限られたスペースを有効利用するために、複数の熱交換器を冷却風の流れ方向に対して並列に(幅方向に並べて)配置したり、冷却風の流れ方向に対して重なるように直列に配置している。熱交換器を直列に配置する場合には、下流側に配置された熱交換器にも冷却風が当たるように、冷却風の上流側に小さな熱交換器を配置し、下流側に大きな熱交換器を配置する構成としている。また、上流側に配置した小さな熱交換器は、配管の取り回しやメンテナンス性を考慮し、大きな熱交換器の上側寄りに配置されている。
さらに、熱交換装置は、小さな熱交換器よりも上流側に位置して、冷却風中の塵埃を捕捉するための防塵ネットを備えている。この防塵ネットは、小さな熱交換器と平行に対面した平坦形状をなし、大きな熱交換器に塵埃等が付着、堆積するのを防止できるように、大きな熱交換器とほぼ同じ上,下方向寸法をもって形成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−322489号公報
特許文献1の熱交換装置では、大きな熱交換器とほぼ同じ上,下方向寸法をもった平坦な防塵ネットを、小さな熱交換器の上流側に平行に対面して配置する構成としている。しかし、大きな熱交換器と小さな熱交換器とを直列に配置した場合、上,下方向の寸法差により、大きな熱交換器と防塵ネットとの間には、小さな熱交換器の下側位置に無駄なスペースが形成されてしまう。このように、無駄なスペースが形成されると、熱交換装置を配置するために大きなスペースが必要になるという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、熱交換器と防塵ネットを無駄なスペースを形成することなく効率よく配置することができ、小さな設置スペースでも熱交換装置を配置できるようにした建設機械を提供することにある。
本発明による建設機械は、自走可能な車体と、該車体に設けられ油圧ポンプを駆動する原動機と、前記車体に設けられ冷却風が供給されることにより加熱された流体の熱交換を行う熱交換装置とからなり、前記熱交換装置は、前記車体に取付けられた支持体と、該支持体に設けられ前記冷却風によって内部を流れる流体を冷却する熱交換器と、前記冷却風の流れ方向で該熱交換器よりも上流側に位置して該熱交換器の前面と対面して設けられ冷却風中の塵埃を捕捉する防塵ネットとを備えてなる。
そして、上述した課題を解決するために、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記防塵ネットは、上,下方向で分割された複数枚のネット部材により形成し、該各ネット部材のうち最下部に位置する下ネット部材は、その下端部が前記熱交換器の前面に対して傾斜状態で配置される傾斜ネット部材として形成したことにある。
請求項2の発明は、前記傾斜ネット部材の上端部と該傾斜ネット部材よりも上側に配置される上ネット部材の下端部との間には、これら上端部と下端部を接続するネット接続部をそれぞれ設ける構成としたことにある。
請求項3の発明は、前記冷却風の流れ方向と直交する前記支持体の幅方向の両端部には、冷却風の流れ方向に延びた第1の仕切板と第2の仕切板を立設し、前記傾斜ネット部材は、幅方向の両端部を該各仕切板に取付け、取外し可能に取付ける構成としたことにある。
請求項1の発明によれば、上,下方向で分割された複数枚のネット部材のうち最下部には傾斜ネット部材を設けている。これにより、傾斜ネット部材は、例えば、熱交換器を冷却風の流れ方向に重ねるように直列で配置した場合、熱交換器の前面側(上流側)に配管や関連機器が配置されている場合のように、熱交換器の前面側が平坦でない場合でも、熱交換器の前面に対して傾斜させることで、この熱交換器の前面側の凹凸に沿うように配置することができる。
この結果、防塵ネットは、熱交換器の前面側に無駄なスペースを形成することなく、効率よく配置することができるから、熱交換装置を設置するためのスペースを小さくすることができる。一方、傾斜ネット部材によって防塵ネットを効率よく配置したことにより、熱交換器と反対側にスペースを形成でき、このスペースに配管等を通すことができる。さらに、防塵ネットを上,下方向で複数枚のネット部材に分割したことにより、1枚のネット部材を小さく形成することができるから、狭い作業スペースでも容易に着脱することができる。
請求項2の発明によれば、ネット接続部は、傾斜ネット部材の上端部と該傾斜ネット部材よりも上側に配置される上ネット部材の下端部とを接続することができる。これにより、上ネット部材は、例えば上部等を構造物に取付けるだけで安定的に固定することができ、簡単な作業で防塵ネットを取付け、取外しすることができる。
請求項3の発明によれば、支持体の幅方向の両端部には、冷却風の流れ方向に延びた第1の仕切板と第2の仕切板を立設しているから、冷却風を熱交換器に向けて流通させることができる。しかも、傾斜ネット部材の両端部を、第1の仕切板と第2の仕切板を利用して取付け、取外し可能に取付けることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る油圧ショベルを示す正面図である。 旋回フレームにエンジン、仕切板、熱交換装置等を搭載した状態を斜め後側から見た外観斜視図である。 図2中の旋回フレームの左後部位と各仕切板と熱交換装置を拡大した状態で示す外観斜視図である。 旋回フレームの左後部位と各仕切板と熱交換装置を左前側から見た外観斜視図である。 旋回フレームの左後部位と各仕切板と熱交換装置を左側から見た正面図である。 図5中の防塵ネットを取外した状態を示す正面図である。 熱交換装置等を図5中の矢示VII−VII方向から見た要部拡大の断面図である。 防塵ネットを分離した状態を図7と同様位置から見た要部拡大の断面図である。 防塵ネットを組立てた状態で示す外観斜視図である。 防塵ネットを分離した状態で示す外観斜視図である。 本発明の第2の実施の形態による防塵ネットを備えた熱交換装置等を図5と同様位置から見た正面図である。 図11中の防塵ネットを分離した状態で示す外観斜視図である。
以下、本発明の実施の形態に係る建設機械の代表例として、ラジエータ、オイルクーラ、空調装置のコンデンサを備えた小型の油圧ショベルを例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
まず、図1ないし図10は本発明の第1の実施の形態を示している。図1において、1は建設機械としてのクローラ式の油圧ショベルを示している。この油圧ショベル1は、自走可能な下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載され該下部走行体2と共に車体を構成する上部旋回体3と、該上部旋回体3の前,後方向の前側に俯仰動可能に設けられ土砂の掘削作業等を行う作業装置4とにより大略構成されている。ここで、油圧ショベル1は、上部旋回体3が下部走行体2の車幅内にほぼ収まるようにコンパクトに形成されている。
5は上部旋回体3の支持構造体をなす旋回フレームである。この旋回フレーム5は、図2に示す如く、旋回フレーム5のベースを構成するため前,後方向に延びる厚肉な鋼板等からなる底板5Aと、該底板5A上に立設され、左,右方向に所定の間隔をもって前,後方向に延びた左縦板5B,右縦板5Cと、該各縦板5B,5Cの左,右に間隔をもって配置され、前,後方向に延びた左サイドフレーム5D,右サイドフレーム5Eと、前記底板5A、各縦板5B,5Cから左,右方向に張出し、その先端部に左,右のサイドフレーム5D,5Eを支持する複数本の張出しビーム5Fと、左後側に位置して前,後方向で隣合う張出しビーム5F間に前,後方向に延びて設けられた補助ビーム5Gとにより大略構成されている。各縦板5B,5Cの前側には作業装置4が俯仰動可能に取付けられ、補助ビーム5Gには後述の熱交換装置11が取付けられている。
6は旋回フレーム5の左前側に搭載されたキャブである(図1参照)。このキャブ6は、オペレータが搭乗するもので、内部にはオペレータが着座する運転席、走行用の操作レバー、作業用の操作レバー等が配設されている。さらに、キャブ6には、空調装置の室内機(いずれも図示せず)が設けられている。ここで、空調装置は、キャブ6内に冷気、暖気等の調和空気を供給するもので、室外機をなす後述のコンデンサ17を含んで構成されている。
7は旋回フレーム5の後側に設けられた原動機としてのエンジンで、該エンジン7は、左,右方向に延在する横置き状態に搭載されている。エンジン7の右側には、作動油タンク(図示せず)から供給される作動油を昇圧(加圧)して吐出する油圧ポンプ8が取付けられている。各種アクチュエータを駆動して戻される作動油は、後述のオイルクーラ16によって冷却された後に作動油タンクに戻される。エンジン7の左側には冷却ファン(図示せず)が設けられ、該冷却ファンは、エンジン7によって回転駆動されることにより、外気を冷却風として後述の外装カバー10内に吸込み、熱交換装置11に供給するものである。
9は旋回フレーム5の後端部に取付けられたカウンタウエイト(図1参照)である。このカウンタウエイト9は、作業装置4との重量バランスをとるもので、略円弧状をした重量物として形成されている。
10はキャブ6の後側から右側に亘って旋回フレーム5に設けられた外装カバーを示し、該外装カバー10は、旋回フレーム5上に搭載されたエンジン7、油圧ポンプ8、熱交換装置11等を覆うものである。また、外装カバー10は、エンジン7の冷却ファンが回転駆動されたときに、左側(上流側)に位置する左側面ドア10Aから外気を冷却風として流入させ、各部を冷却して暖まった冷却風を右側(下流側)に位置する右側面ドア(図示せず)から外部に流出させるものである。
次に、エンジン冷却水、作動油、冷媒を冷却風により冷却する本実施の形態による熱交換装置11について、図2ないし図10を参照しつつ説明する。
図2において、11はエンジン7の冷却ファンの前面側に対面するように旋回フレーム5の後側に設けられた熱交換装置を示している。この熱交換装置11は、温度上昇した各種の流体を冷却風により冷却するものである。そして、熱交換装置11は、図3、図4、図6等に示す如く、後述の支持体12、仕切板13,14、ラジエータ15、オイルクーラ16、コンデンサ17、防塵ネット20等により大略構成されている。
12は熱交換装置11の外枠をなす支持体で、該支持体12は、冷却風の流れ方向と直交する方向、即ち、上部旋回体3の前,後方向が幅方向となるように配置されている。この支持体12は、ラジエータ15、オイルクーラ16およびコンデンサ17を取囲んで支持する枠構造体として形成されている。
また、支持体12は、図6、図7に示すように、キャブ6の背面側に配置される前側面板12Aと、該前側面板12Aと所定の距離をもって対面しカウンタウエイト9側に配置される後側面板12Bと、前記前側面板12Aと後側面板12Bを上側で連結する上側連結板12Cと、前記各側面板12A,12Bを下側で連結する下側連結板12Dとにより大略構成されている。そして、支持体12は、図6、図7に示すように、例えば前,後の側面板12A,12Bの下部および下側連結板12Dが旋回フレーム5の補助ビーム5G上にボルト止めされている。
ここで、支持体12の上側連結板12Cは、各側面板12A,12Bよりも左側に張出すことで庇状に形成されている。上側連結板12Cの庇部の先端には、例えば前,後方向に離間した2箇所に雌ねじ穴12C1が形成されている。該各雌ねじ穴12C1は、例えば溶接ナット等を用いて形成され、後述する防塵ネット20の平行ネット部材21の上部を取付けるための蝶ボルト24が螺着される。
13は支持体12の幅方向の前側に設けられた第1の仕切板としての前側仕切板である。この前側仕切板13は、図2に示すように、支持体12の前側面板12Aの位置に旋回フレーム5の左,右方向に延びるように立設されている。これにより、前側仕切板13は、エンジン7、油圧ポンプ8、熱交換装置11等が配置されたエンジン室の前側を閉塞している。
ここで、前側仕切板13の下側部位には、図6、図7に示すように、支持体12の左側近傍に位置して取付ブラケット13Aが設けられている。この取付ブラケット13Aは、防塵ネット20を構成する傾斜ネット部材25の前側部分を取付けるもので、該取付ブラケット13Aには、例えば溶接ナット等を用いた雌ねじ穴13A1が設けられている。従って、取付ブラケット13Aは、図7、図8に示すように、下端側で後述のオイルクーラ16に接近するように傾斜(図7、図8では右下がりに傾斜)して配置されている。
14は前側仕切板13に対向するように支持体12の幅方向の後側に設けられた第2の仕切板としての後側仕切板である。この後側仕切板14は、支持体12の後側面板12Bの位置から左側に延びるように立設されている。後側仕切板14は、カウンタウエイト9の円弧状の回り込みに対応するように、支持体12の後側面板12Bの位置から左側に向け前側に傾斜している。このように、後側仕切板14は、前側仕切板13との間で支持体12を挟むことにより、外装カバー10の外部から吸込んだ空気をラジエータ15等に案内することができる。
ここで、後側仕切板14の下側部位には、前側仕切板13の取付ブラケット13Aと対向する位置に取付ブラケット14Aが設けられている(図6参照)。この取付ブラケット14Aは、防塵ネット20を構成する傾斜ネット部材25の後側部分を取付けるもので、例えば溶接ナット等を用いた雌ねじ穴14A1が設けられている。また、取付ブラケット14Aは、前側仕切板13の取付ブラケット13Aと同じ角度で同じ向きに傾斜している。
次に、図6、図7に示す如く、ラジエータ15、オイルクーラ16、コンデンサ17のうち、冷却ファンによる冷却風の流れ方向で最も下流側、即ち、エンジン7側に配置されるラジエータ15とオイルクーラ16について述べる。このラジエータ15とオイルクーラ16は、冷却風の流れ方向で二重構造で配置される熱交換器の下流側に並列状態で配置されている。
15は支持体12内に設けられた熱交換器としてのラジエータである。このラジエータ15は、支持体12内の後側寄り(カウンタウエイト9側寄り)に位置し、外装カバー10内を左側面ドア10Aから右側面ドアに向け左,右方向に流れる冷却風に対し直交するように、前,後方向に延びて配置されている。ラジエータ15は、後述するオイルクーラ16と冷却風の流れ方向に対して並列に配置されている。
ラジエータ15は、図7、図8に示すように、エンジン7を冷却して温度上昇したエンジン冷却水を冷却するもので、上部タンク15A、下部タンク15Bおよび放熱部15Cにより大略構成され、各タンク15A,15Bがエンジン7のウォータジャケットに接続される。ラジエータ15は、上部タンク15Aが支持体12の上側連結板12Cにボルト止めされ、下部タンク15Bが下側連結板12Dにボルト止めされている。
16はラジエータ15の前側(キャブ6側)に位置して支持体12内に設けられた熱交換器としてのオイルクーラである。このオイルクーラ16は、ラジエータ15と一緒に冷却風の流れ方向に対して並列に配置されている。この場合、ラジエータ15とオイルクーラ16は、冷却風の流れ方向と直交する面に対してほぼ同一の平面をなして配置されている。オイルクーラ16は、ラジエータ15とほぼ同様に、上部タンク、下部タンク(いずれも図示せず)および放熱部16Aにより大略構成されている。オイルクーラ16は、上部タンクが支持体12の上側連結板12Cにボルト止めされ、下部タンクが下側連結板12Dにボルト止めされている。
17はラジエータ15、オイルクーラ16の上流側に対面するように支持体12内に設けられた熱交換器としてのコンデンサを示している。このコンデンサ17は、室内機から供給される気化した冷媒の熱を放出(冷却)して液体に戻すもので、キャブ6に設けた室内機、エンジン7によって駆動されるコンプレッサ(図示せず)、後述のレシーバドライヤ19等と共に空調装置を構成している。コンデンサ17は、図6、図7等に示すように、後側に位置する入口側タンク17Aと、前側に位置する出口側タンク17Bと、該各タンク17A,17B間の放熱部17Cとにより構成されている。
コンデンサ17は、取付ブラケット17D,17Eを用いて支持体12の各側面板12A,12Bに取付けられている。この上で、図7に示すように、コンデンサ17の入口側タンク17Aの上部には、エンジン7のコンプレッサから延びる冷媒ホース18が前側から接続されている。一方、出口側タンク17Bの左側には、冷媒中の異物と水分を除去するレシーバドライヤ19が設けられ、該レシーバドライヤ19は、キャブ6の室内機に接続されている。
ここで、コンデンサ17は、ラジエータ15、オイルクーラ16に比較して上,下方向の寸法が小さく形成されている。この場合、コンデンサ17は、冷媒ホース18の取り回しやレシーバドライヤ19のメンテナンス性を考慮し、ラジエータ15、オイルクーラ16(支持体12)の上側寄りに配置されている。このようにラジエータ15、オイルクーラ16よりも上,下方向寸法が小さなコンデンサ17を、当該ラジエータ15、オイルクーラ16の上側寄りに配置した場合、コンデンサ17の下側には、何も配置されていない無駄なスペースが形成されることになる。
20は冷却風の流れ方向でラジエータ15、オイルクーラ16、コンデンサ17よりも上流側に設けられた防塵ネットを示している(図7参照)。この防塵ネット20は、冷却風中の塵埃を捕捉することにより、塵埃がラジエータ15、オイルクーラ16、コンデンサ17に付着、堆積するのを防止するもので、ラジエータ15等の上流側となる前面と対面するように配置されている。防塵ネット20は、図5、図9に示すように、上,下方向で分割されることにより、上側に位置する平行ネット部材21と、下側に位置する傾斜ネット部材25とにより構成されている。
21は防塵ネット20の上側に位置する上ネット部材を形成する平行ネット部材である。この平行ネット部材21は、図7に示すように、コンデンサ17よりも上流側に張出した冷媒ホース18、レシーバドライヤ19に接触しないように、コンデンサ17の前方に所定の距離寸法をもって対面している。即ち、平行ネット部材21は、冷媒ホース18、レシーバドライヤ19を挟んでコンデンサ17と距離をもって平行に対面し、その上,下方向寸法は、支持体12の上側連結板12Cからコンデンサ17を越えた位置までとなっている。平行ネット部材21は、幅方向(前,後方向)で2分割されることにより、前ネット部材22と後ネット部材23とにより構成されている。
例えば前ネット部材22は、図10に示すように、上枠22A、下枠22B、前枠22C、後枠22Dにより薄板状の縦長角枠として形成され、角枠の内部は金属、樹脂等のメッシュ材からなるネット部22Eとなっている。また、上枠22Aには、長さ方向のほぼ中央に位置してボルト挿通孔22Fが形成されている。
一方、前ネット部材22の下端部に位置する下枠22Bの下側部位は、ネット接続部22B1となっている。このネット接続部22B1は、後述する傾斜ネット部材25の上端部に設けたネット接続部25Gの挟持爪25G1,25G2間に差し込まれるもので、該挟持爪25G1,25G2間の離間寸法(隙間寸法)よりも小さな厚さ寸法をもって形成されている。
従って、前ネット部材22は、下枠22Bのネット接続部22B1を傾斜ネット部材25のネット接続部25Gの挟持爪25G1,25G2間に差し込むことにより、下端部をがたつかないように配置することができる。この状態で、前ネット部材22は、上枠22Aのボルト挿通孔22Fに蝶ボルト24を挿通し、この蝶ボルト24を支持体12の上側連結板12Cの雌ねじ穴12C1に螺着することにより、上端部を上側連結板12Cに取付けることができる。
なお、後ネット部材23の構成は、前ネット部材22との構成と同様となっているから、前ネット部材22に用いた符号と対応する符号を付し、構成の説明を省略するものとする。
25は防塵ネット20の最下部に位置して設けられた下ネット部材となる傾斜ネット部材を示している。この傾斜ネット部材25は、平行ネット部材21と同等の幅寸法を有した横長形状をなし、平行ネット部材21の下部とラジエータ15、オイルクーラ16の下部との間を覆うように配置されている。傾斜ネット部材25は、その下端部がラジエータ15、オイルクーラ16の前面に対して傾斜状態で配置されている。
傾斜ネット部材25は、上枠25A、下枠25B、前枠25C、後枠25Dにより薄板状の横長角枠として形成され、角枠の内部は金属、樹脂等のメッシュ材からなるネット部25Eとなっている。また、前枠25Cと後枠25Dには、上,下方向のほぼ中央に位置してボルト挿通孔25Fが形成されている。
さらに、傾斜ネット部材25の上枠25Aには、上側部位に位置してネット接続部25Gが設けられている。このネット接続部25Gは、各ネット部材22,23のネット接続部22B1,23B1と協働して、傾斜ネット部材25の上端部と各ネット部材22,23の下端部とを接続するものである。ネット接続部25Gは、上枠25Aの裏面側から上向きに突出し、幅方向に延びた長尺な裏挟持爪25G1と、該裏挟持爪25G1と隙間をもって対面するように、上枠25Aの表面側から上向きに突出した複数枚、例えば3枚の表挟持爪25G2とにより構成されている。
ここで、裏挟持爪25G1と表挟持爪25G2とは、前ネット部材22の下枠22Bのネット接続部22B1と後ネット部材23の下枠23Bのネット接続部23B1を挟むことにより位置決め状態で接続するものである。そこで、裏挟持爪25G1と表挟持爪25G2とは、各ネット部材22,23のネット接続部22B1,23B1の板厚寸法よりも大きな寸法をもって離間して配置されている。しかも、裏挟持爪25G1と表挟持爪25G2とは、図7、図8に示すように、傾斜ネット部材25を傾斜した状態で取付けたときに、垂直方向に延びたネット部材22,23のネット接続部22B1,23B1を抜き差し可能に挟持できるように、傾斜角度に対応した角度分だけ裏面側に屈曲して形成されている。
傾斜ネット部材25は、前枠25C,後枠25Dのボルト挿通孔25Fに蝶ボルト24を挿通し、この蝶ボルト24を仕切板13,14の取付ブラケット13A,14Aに設けた雌ねじ穴13A1,14A1に螺着することにより、下端部がラジエータ15、オイルクーラ16の前面に対し傾斜した状態で、平行ネット部材21の下部とラジエータ15、オイルクーラ16の下部との間を覆うことができる。これにより、傾斜ネット部材25の下側には、コンデンサ17の下側に形成されていた無駄なスペースを、ホースの取り回し、各種機器の配置等に使用することができる有効なスペース26(図7中に図示)とすることができる。
第1の実施の形態による油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、次に、この油圧ショベル1の動作について説明する。
まず、オペレータは、キャブ6に搭乗して運転席に着座する。この状態で走行用の操作レバーを操作することにより、下部走行体2を駆動して油圧ショベル1を前進または後退させることができる。また、運転席に着座したオペレータは、作業用の操作レバーを操作することにより、作業装置4を俯仰動させて土砂の掘削作業等を行うことができる。
このように油圧ショベル1を稼動しているときには、エンジン7の冷却ファンにより外装カバー10の外部から空気を流入させ、この空気を冷却風として熱交換装置11のラジエータ15、オイルクーラ16、コンデンサ17に供給することにより、それぞれを流れる流体を冷却することができる。
一方、防塵ネット20は、平行ネット部材21と傾斜ネット部材25とにより、ラジエータ15、オイルクーラ16、コンデンサ17の上流側全体を覆うことができるから、冷却風中の塵埃を捕捉することにより、ラジエータ15、オイルクーラ16、コンデンサ17に塵埃が付着、堆積するのを防止することができる。
さらに、防塵ネット20で捕らえた塵埃等を清掃するために、該防塵ネット20を取外す場合には、平行ネット部材21の前ネット部材22、後ネット部材23の上部を止めている蝶ボルト24を緩めて取外す。これにより、前ネット部材22、後ネット部材23は、上側に容易に引き抜くことができる。また、傾斜ネット部材25は、両端部を止めている蝶ボルト24を緩めて取外すことにより、容易に取外すことができる。一方、防塵ネット20は、逆の手順で容易に取付けることもできる。
かくして、第1の実施の形態によれば、防塵ネット20を、上側の平行ネット部材21と下側の傾斜ネット部材25とに分割して形成し、下側の傾斜ネット部材25は、その下端部がラジエータ15、オイルクーラ16の前面に対して傾斜状態で配置している。具体的には、平行ネット部材21の下端部とラジエータ15、オイルクーラ16の前面下部との間を覆うように斜めに延びて配置している。
従って、傾斜ネット部材25は、傾斜して配置することにより、ラジエータ15、オイルクーラ16とコンデンサ17との間の段差部分を効率よく覆うことができる。これにより、コンデンサ17の下側にホース等を取り回すことができない無駄な空間として形成されていたスペースを、ホースの取り回し、各種機器の配置等に使用することができる外部の有効なスペース26(図7参照)に代えることができる。
この結果、防塵ネット20は、最下部に傾斜して配置した傾斜ネット部材25によって、無駄なスペースを形成することなく、効率よく配置することができるから、熱交換装置11を設置するためのスペースを小さくすることができる。
防塵ネット20は、上,下方向で平行ネット部材21と傾斜ネット部材25とに分割し、かつ平行ネット部材21は、前,後方向で前ネット部材22と後ネット部材23とに分割する構成としている。これにより、1枚のネット部材22,23,25を小さく形成することができるから、狭いスペースでも容易に取付け、取外しすることができる。
各ネット部材22,23の下枠22B,23Bの下端部には、ネット接続部22B1,23B1を設け、傾斜ネット部材25の上端部には、挟持爪25G1,25G2を有するネット接続部25Gを設ける構成としている。従って、傾斜ネット部材25のネット接続部25Gの各挟持爪25G1,25G2間に各ネット部材22,23のネット接続部22B1,23B1を差し込むことにより、位置決め状態で接続することができる。これにより、平行ネット部材21は、上部側を固定するだけで支持体12に取付けることができ、簡単な作業で防塵ネット20を取付け、取外しすることができる。
さらに、支持体12を幅方向で挟むように配置した前側仕切板13と後側仕切板14には、取付ブラケット13A,14Aを設けることにより、傾斜ネット部材25は、その両端部を取付ブラケット13A,14Aを介して前側仕切板13と後側仕切板14に取付けることができる。
次に、図11および図12は本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、傾斜ネット部材の上端部と上ネット部材の下端部との間のネット接続部をねじ部材を用いて構成したことにある。なお、第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図11において、31は第2の実施の形態による防塵ネットを示している(図7参照)。この防塵ネット31は、上,下方向で分割されることにより、上側に位置する平行ネット部材32と、下側に位置する傾斜ネット部材33と、平行ネット部材32と傾斜ネット部材33とを接続する接続ボルト34とにより構成されている。
32は防塵ネット31の上側に位置する上ネット部材を形成する平行ネット部材である。この平行ネット部材32は、図12に示すように、ほぼ正方形状をした1枚のネット部材として形成されている。平行ネット部材32は、上枠32A、下枠32B、前枠32C、後枠32Dにより薄板状の角枠として形成され、角枠の内部は金属、樹脂等のメッシュ材からなるネット部32Eとなっている。また、上枠32Aには、長さ方向に離間して2個のボルト挿通孔32Fが形成され、該各ボルト挿通孔32Fには、支持体12の上側連結板12Cの雌ねじ穴12C1に螺着する蝶ボルト24が挿通される。
一方、平行ネット部材32の下端部に位置する下枠32Bには、ネット接続部となるボルト挿通孔32B1が複数個、例えば2個形成されている。このボルト挿通孔32B1は、後述する接続ボルト34が挿通されるものである。
従って、平行ネット部材32は、下枠32Bのボルト挿通孔32B1に接続ボルト34を挿通し、該接続ボルト34を後述する傾斜ネット部材33の雌ねじ穴33A1に螺着することにより、下端部を傾斜ネット部材33の上端部に接続することができる。この状態で、平行ネット部材32は、上枠32Aのボルト挿通孔32Fに蝶ボルト24を挿通し、この蝶ボルト24を支持体12の上側連結板12Cの雌ねじ穴12C1に螺着することにより、上端部を上側連結板12Cに取付けることができる。
33は防塵ネット31の最下部に位置して設けられた下ネット部材となる傾斜ネット部材を示している。この傾斜ネット部材33は、平行ネット部材32と同等の幅寸法を有した横長形状をなし、平行ネット部材32の下部とラジエータ15、オイルクーラ16の下部との間を覆うように傾斜して配置されている。傾斜ネット部材33は、上枠33A、下枠33B、前枠33C、後枠33Dにより薄板状の横長角枠として形成され、角枠の内部はネット部33Eとなっている。また、前枠33Cと後枠33Dには、上,下方向のほぼ中央に位置してボルト挿通孔33Fが形成されている。
さらに、傾斜ネット部材33の上枠33Aは、平行ネット部材32の下枠32Bと対面するように裏面側に屈曲して上側に延びている。この上枠33Aには、平行ネット部材32のボルト挿通孔32Fに対応する位置にネット接続部となる2個の雌ねじ穴33A1が形成されている。
34はネット接続部の一部をなす2本の接続ボルトを示している。この接続ボルト34は、例えば蝶ボルトとして形成されている。接続ボルト34は、平行ネット部材32の下枠32Bのボルト挿通孔32B1に挿通し、傾斜ネット部材33の雌ねじ穴33A1に螺着することにより、平行ネット部材32の下端部を傾斜ネット部材33の上端部に接続することができる。
かくして、このように構成された第2の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第2の実施の形態では、ネット接続部として接続ボルト34を用いているから、この接続ボルト34は、平行ネット部材32の下端部と傾斜ネット部材33の上端部とを確実に接続することができる。
なお、第1の実施の形態では、防塵ネット20の平行ネット部材21を前ネット部材22と後ネット部材23とに分割する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、平行ネット部材21を、上,下方向で複数に分割する構成としてもよい。
また、実施の形態では、ラジエータ15、オイルクーラ16の上流側に重ねるように空調装置のコンデンサ17を直列に配置する構成とした場合を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えばコンデンサに代えてインタクーラ、燃料クーラ等の熱交換器を配置する構成としてもよい。また、ラジエータとオイルクーラとを直列に重ねて配置する構成としてもよい。
さらに、実施の形態では、建設機械としてクローラ式の油圧ショベル1を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えばホイール式の下部走行体を備えた油圧ショベルに適用してもよい。さらに、例えば油圧クレーン、ホイールローダ、トラクタ等の他の建設機械にも広く適用できるものである。
1 油圧ショベル(建設機械)
2 下部走行体(車体)
3 上部旋回体(車体)
5 旋回フレーム(フレーム)
7 エンジン(原動機)
8 油圧ポンプ
11 熱交換装置
12 支持体
13 前側仕切板
14 後側仕切板
15 ラジエータ(熱交換器)
16 オイルクーラ(熱交換器)
17 コンデンサ(熱交換器)
20,31 防塵ネット
21,32 平行ネット部材(上ネット部材)
22 前ネット部材
22B,23B,32B 下枠
22B1,23B1,25G ネット接続部
23 後ネット部材
24 蝶ボルト
25,33 傾斜ネット部材(下ネット部材)
25A,33A 上枠
25G1,25G2 挟持爪
32B1 ボルト挿通孔(ネット接続部)
33A1 雌ねじ穴(ネット接続部)
34 接続ボルト(ネット接続部)

Claims (3)

  1. 自走可能な車体と、該車体に設けられ油圧ポンプを駆動する原動機と、前記車体に設けられ冷却風が供給されることにより加熱された流体の熱交換を行う熱交換装置とからなり、
    前記熱交換装置は、前記車体に取付けられた支持体と、該支持体に設けられ前記冷却風によって内部を流れる流体を冷却する熱交換器と、前記冷却風の流れ方向で該熱交換器よりも上流側に位置して該熱交換器の前面と対面して設けられ冷却風中の塵埃を捕捉する防塵ネットとを備えてなる建設機械において、
    前記防塵ネットは、上,下方向で分割された複数枚のネット部材により形成し、
    該各ネット部材のうち最下部に位置する下ネット部材は、その下端部が前記熱交換器の前面に対して傾斜状態で配置される傾斜ネット部材として形成したことを特徴とする建設機械。
  2. 前記傾斜ネット部材の上端部と該傾斜ネット部材よりも上側に配置される上ネット部材の下端部との間には、これら上端部と下端部を接続するネット接続部をそれぞれ設ける構成としてなる請求項1に記載の建設機械。
  3. 前記冷却風の流れ方向と直交する前記支持体の幅方向の両端部には、冷却風の流れ方向に延びた第1の仕切板と第2の仕切板を立設し、前記傾斜ネット部材は、幅方向の両端部を該各仕切板に取付け、取外し可能に取付ける構成としてなる請求項1または2に記載の建設機械。
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