JP2011011396A - 熱接着性剥離フィルム及び包装材 - Google Patents

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Abstract

【課題】
加工の生産性を損なわせず、母材の必要な部分にのみ、粘着材に対する剥離機能を付与させる熱接着性剥離フィルム、及び、該熱接着性剥離フィルムを用い、ゴワゴワ感を抑制したしなやかな、吸収性物品を個包装する包装材の提供。
【解決手段】
少なくとも熱接着層、合成樹脂からなる保護層、及び剥離層を有する熱接着性剥離フィルムであって、好ましくは、熱接着層が、下記(A)〜(C)の何れか1種又は2種以上を組み合わせてなり、より好ましくは、保護層を形成する合成樹脂がポリプロピレン及び/又はプロピレン・α−オレフィン共重合体であること、及び、吸収性物品を個包装する包装材において、前記熱接着性剥離フィルムを熱接着して具備せしめること。
(A)シングルサイト触媒を用いて重合されたエチレン・α−オレフィン共重合体
(B)エチレン・酢酸ビニル共重合体
(C)エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体
【選択図】 図1

Description

本発明は、熱接着性剥離フィルム及び包装材に関し、詳しくは、生理用ナプキン等の部材の必要部分にのみ剥離性を付与する熱接着性剥離フィルム及び包装材に関する。
粘着材をもって何らかの対象材に部材を貼り付ける用途において、貼り付けるまでの間、粘着材に対し、剥離フィルムで覆うなどの使い方が一般的になされる。
例えば、特許文献1〜3には、生理用ナプキンをショーツ等に固定する際に用いる粘着材を保護するために、生理用ナプキンを包装する個包装袋の内面をシリコーン等の剥離材成分で被覆する構成が示されている。また、特許文献1〜3において、剥離材成分による個包装袋内面の被覆は、個包装袋内面に対して、剥離材成分を塗布する、又は、剥離処理を施した剥離紙をホットメルト等の接着剤によって固定することによって成される。
しかし、不織布などの個包装袋内面に対して、剥離材成分を塗布する場合は、塗布された剥離材成分が個包装袋内面から剥がれやすいという欠点を生じる。この欠点を解消する方法として、不織布の片面に押し出しラミ法を用いて全面にポリエチレン層などを設けて、その上に剥離材成分を塗布する方法もなされるが、高コストになるなどの欠点を有する。
さらに、個包装袋内面に対して、剥離処理を施した剥離紙をホットメルト等の接着剤によって固定する場合、剥離紙を紙により形成すると、ゴワゴワして触感が悪い、出来上がり製品がかさばり易い等、製品としては一般的に好ましくない形態にならざるを得ない。特に、個包装袋に包装された生理用ナプキンを、衣類のポケット等に入れて携帯する場合、上記欠点による不快感は著しいものとなる。一方、剥離紙をポリエチレンフィルム等によって形成し、同様にホットメルトなどの接着剤によって固定しようとすると、耐熱性が低いため、ホットメルト接着を施す際に収縮等の変形を起こし易い欠点を有する。また、ホットメルト接着剤のコストを要するなどのコスト上の課題や、ホットメルト接着剤を扱うため生産速度が低下する等の加工上の課題も有する。
その上、特許文献1には、個包装袋の内面全体を剥離材成分で被覆する構成が示されていて、この場合、ナプキンの粘着材の接触しない部分にまで、シリコーン等の剥離材成分を被覆することとなり、高コストである。また、端部を熱シールにより封緘しようとすると、剥離材成分が熱シールを阻害し、封緘不良を惹起しやすいなどの欠点も有する。
上記、剥離材成分のコストの問題は、特許文献2〜3に示されるように、剥離材成分による被覆を、個包装袋の内面の必要な部分のみに適用することで軽減できる。しかし、個包装袋内面に対して、剥離材成分を塗布する場合は、塗布された剥離材成分が個包装袋内面から剥がれやすいという欠点が、特許文献1よりも増すこととなる。また、個包装袋内面に対して、剥離処理を施した剥離紙をホットメルト等の接着剤によって固定する場合は、生理用ナプキンを取り出すときに個包装袋が歪んで取り出しにくくなる等の課題を有する。
特開平8−324635号公報 特開平6−178794号公報 特開平10−127688号公報
本発明の課題は、例えば、吸収性物品を個包装する包装材を得る際に、加工の生産性を損なわせず、母材の必要な部分にのみ、粘着材に対する剥離機能を付与させる熱接着性剥離フィルムを提供することである。
また、本発明の他の課題は、該熱接着性剥離フィルムを用い、ゴワゴワ感を抑制したしなやかな、吸収性物品を個包装する包装材を提供することである。
さらに、本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
(請求項1)
少なくとも熱接着層、合成樹脂からなる保護層、及び剥離層を有することを特徴とする熱接着性剥離フィルム。
(請求項2)
前記熱接着層が、下記(A)〜(C)の何れか1種又は2種以上を組み合わせてなることを特徴とする請求項1に記載の熱接着性剥離フィルム。
(A)シングルサイト触媒を用いて重合されたエチレン・α−オレフィン共重合体
(B)エチレン・酢酸ビニル共重合体
(C)エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体
(請求項3)
前記合成樹脂からなる保護層を形成する合成樹脂がポリプロピレン及び/又はプロピレン・α−オレフィン共重合体であることを特徴とする請求項1又は2記載の熱接着性剥離フィルム。
(請求項4)
前記熱接着層と前記合成樹脂からなる保護層の間にポリエチレンを主成分とする中間層を有することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の熱接着性剥離フィルム。
(請求項5)
吸収性物品を個包装する包装材において、該包装材内面に請求項1〜4の何れかの熱接着性剥離フィルムを熱接着して具備されることを特徴とする包装材。
(請求項6)
前記吸収性物品を個包装する包装材において、素材が不織布であることを特徴とする請求項5記載の包装材。
本発明の熱接着性剥離フィルムを用いることで、製品の触感を損なうなどの課題を抑制しつつ、加工の生産性を損なわせず、母材の必要な部分にのみ、粘着材に対する剥離機能を付与させることを可能とし、該熱接着性剥離フィルムを用いて得られた吸収性物品を個包装する包装材は、紙製の剥離紙を有さないのでゴワゴワ感を抑制したしなやかな風合いを得ることが出来る。
本発明の一実施形態に係る熱接着性剥離フィルムの断面図 本発明の熱接着性剥離フィルムを有する包装材が吸収性物品を包装した状態の一例を示す斜視図
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る熱接着性剥離フィルムの断面図である。図1において、1は、熱接着性剥離フィルム、2は、熱接着性剥離フィルム1を具備する母材である。熱接着性剥離フィルム1は、熱接着層11と、中間層12と、保護層13と、剥離層14とからなる。中間層12は、フィルム成形の際、成形安定性を付与させるなどの目的で必要に応じて設けることができる。
本発明の熱接着性剥離フィルム1を具備する母材2としては、特に制約はなく、不織布や紙、金属、PETやOPPなどのプラスチックフィルム等を使用することができる。熱接着性剥離フィルム1を不織布に設けた場合は、不織布に紙製の剥離紙を接着剤で貼り付けたものと比し、不織布の風合いを損なわせない効果が抜群に発揮できるので特に好適である。また、母材2は、商品としては、生理用ナプキンの等の吸収性物品を個包装する包装材であることが好ましい。
本発明の熱接着層11は熱圧着により、母材2への接着性を発現させる。
常温では固体で、合成樹脂からなる保護層13の融点以下の熱接着加工で、母材2への熱接着性が発現できれば特に制約は無いが、特に下記(A)〜(C)の何れか1種又は2種以上を組み合わせて使用すると、好適に機能を発現する。
(A)シングルサイト触媒を用いて重合されたエチレン・α−オレフィン共重合体
(B)エチレン・酢酸ビニル共重合体
(C)エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体
また、熱接着層11表面にコロナ処理を施すことで表面の極性を増加させ、母材2への接着性を上げることも好ましい。
本発明の熱接着性剥離フィルム1の熱接着層11を構成する(A)エチレン・α−オレフィン共重合体は、シングルサイト触媒を用いて重合されたエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体であることが好ましい。
シングルサイト触媒とは、実質的に、均質な重合活性点によって構成された触媒を指称し、具体的には、メタロセン系遷移金属化合物(いわゆるカミンスキー触媒)、あるいは、非メタロセン系遷移金属化合物(ブルックハルト系触媒、フェノキシイミン系錯体等)と、助触媒(メチルアルミノキサンや硼素化合物等)から構成される重合触媒を用いることができる。最も好ましいシングルサイト触媒としては、メタロセン系遷移金属化合物を主成分とするメタロセン触媒を挙げることができる。メタロセン触媒として、ビスシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド、あるいは、その置換体等の非架橋型メタロセン触媒を使用することもできる。
本発明に使用されるエチレン・α−オレフィン共重合体のα−オレフィンとしては、炭素数3〜12のα−オレフィンが好適である。具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等を挙げることができる。エチレン・α−オレフィン共重合体中のα−オレフィンの含有量は、5〜40重量%が好ましく、より好ましくは7〜35重量%である。α−オレフィンの含有量が少ない場合、フィルムの衝撃強度、及び低温ヒートシール性が得られず、多すぎる場合は、耐ブロッキング性が損なわれる。α−オレフィン含有量は、13C−NMR法によって計測される。
エチレン・α−オレフィン共重合体を得るためのシングルサイト触媒を用いた重合は、保護層13のプロピレン・α−オレフィン共重合体の項で述べる方法と同様の方法によって行うことができる。
メタロセン系エチレン・α−オレフィン共重合体は、メタロセン系ポリエチレンとして市販されているものの中から適宜選択し使用することもできる。市販品としては、日本ポリエチレン社製の商品名「カーネル」や「ハーモレックス」、デュポンダウ社製の商品名「アフィニティー」等が挙げられる。エチレン・α−オレフィン共重合体は、1種又は2種以上混合して使用することもでき、また、他のポリエチレン、特には高圧法低密度ポリエチレンをブレンドすることも好ましい態様である。
また、本発明に使用されるエチレン・α−オレフィン共重合体は、下記の特性を満たす共重合体であることが望ましい。
MFR(190℃、21.18N荷重)は、不織布などとの熱接着により吸収性物品を個包装する包装材を製造せしめるに於いて、ある程度大きい方が温熱接着加工時に不織布の繊維の隙間に食い込んで、高い接着を得られるなどの利点が発現するので好ましく、具体的には0.1g/10分以上が好ましく、1g/10分以上であればより好ましく、4g/10分であれば十分に食い込むので特に好ましい。また、ある程度は小さいほうが、製膜加工性が安定するので好ましく、具体的には20g/10分以下が好ましく、15g/10分以下であればより好ましく、10g/10分以下であれば加工性が安定するので特に好ましい。なお、MFRの測定は、JIS−K6921−2:1997付属書(190℃、21.18N荷重)に準拠して行う。
本発明で用いるエチレン・αエチレン共重合体の密度は特に制限は無いが、不織布などとの熱接着により吸収性物品を個包装する包装材を製造せしめるに於いて、ある程度低いほうが低温熱接着を可能とせしめたり、高い接着を得られるなどの利点が発現するので好ましく、具体的には0.925g/cm以下が好ましく、0.915g/cm以下であればより好ましく、0.905g/cm以下であれば、低温熱接着でも十分な熱接着を得られるので特に好ましい。また、ある程度は高いほうが、ブロッキングによる加工性不具合を抑制できるので好ましく、具体的には0.870g/cm以上が好ましく、0.880g/cm以上であればより好ましく、0.885g/cm以上であれば好適に加工できるので特に好ましい。なお、密度は、JIS−K6922−2:1997付属書の低密度ポリエチレンの場合に準拠して測定する(23℃)。
本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体を構成する樹脂成分には、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、他の付加的任意成分を配合することができる。このような任意成分としては、通常のポリオレフィン樹脂材料に使用される酸化防止剤、結晶核剤、透明化剤、滑剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、中和剤、金属不活性剤、蛍光増白剤等を挙げることができる。
本発明の熱接着性剥離フィルム1の熱接着層11は、(B)エチレン・酢酸ビニル共重合体を用いることもでき、エチレン・酢酸ビニル共重合体は、チューブラー方式によるものであってもオートクレーブ方式によるものであってもよい。
エチレン・酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含量は、不織布などとの熱接着により吸収性物品を個包装する包装材を製造せしめるに於いて、ある程度大きい方が低温熱接着を可能とせしめたり、高い接着を得られるなどの利点が発現するので好ましく、具体的には3重量%以上が好ましく、5重量%以上であればより好ましく、7重量%以上であれば、低温熱接着でも十分な熱接着を得られるので特に好ましい。また、ある程度は小さいほうが、ブロッキングによる加工性不具合を抑制できるので好ましく、具体的には30重量%以下が好ましく、25重量%以下であればより好ましく、20重量%以下であれば好適に加工できるので特に好ましい。
エチレン・酢酸ビニル共重合体のMFR(190℃、21.18N荷重)は、不織布などとの熱接着により吸収性物品を個包装する包装材を製造せしめるに於いて、ある程度大きい方が温熱接着加工時に不織布の繊維の隙間に食い込んで、高い接着を得られるなどの利点が発現するので好ましく、具体的には1g/10分以上が好ましく、2g/10分以上であればより好ましく、4g/10分であれば十分に食い込むので特に好ましい。また、ある程度は小さいほうが、製膜加工性が安定するので好ましく、具体的には20g/10分以下が好ましく、15g/10分以下であればより好ましく、10g/10分以下であれば加工性が安定するので特に好ましい。
本発明の熱接着性剥離フィルム1の熱接着層11は、(C)エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体(EEA)を用いることもできる。
エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体(EEA)は、エチレンとアクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸エステル及び/又はメタアクリル酸エステルを共重合成分とする共重合体であり、これらのエチレンとの共重合割合としては、(メタ)アクリル酸コモノマーが5重量%以上〜50重量%未満であることが好ましく、より好ましくは10〜40重量%、更には15〜40重量%である。5%未満の場合は、十分な接着力が得られず50%を超えると樹脂としての取扱いが困難になりやすい。
本発明の熱接着層11は表面にコロナ処理を施すことにより、不織布などとの熱接着により製造せしめて得た吸収性物品を個包装する包装材に於いて、接着強度が向上し、一体化して良好な吸収性物品を個包装する包装材と出来る。
コロナ処理の条件としては、JIS K 6768に準拠するぬれ張力が、36mN/m以上であることが好ましく、38mN/m以上であればより好ましく、40mN/m以上であれば十分な接着を得易くなるので特に好ましい。
本発明ではフィルム製膜時の加工安定性付与などの必要に応じて中間層12を設けることもできる。
また、本発明の中間層12としては必要に応じて設けるものであるので特に制約はないが、ポリオレフィンを主成分とするものが好ましく挙げられ、具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとエチレン以外の他のα−オレフィンとの共重合体を使用することができる。α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等の炭素数3〜12程度のオレフィンを用いることができ、共重合量は、0〜30重量%、好ましくは0〜20重量%程度である。従って、線状低密度ポリエチレンもまた好ましい材料である。また、(A)のシングルサイト触媒を用いて重合されたエチレン・α−オレフィン共重合体も好ましい材料である。ただし、熱接着層11のエチレン・α−オレフィン共重合体よりもα−オレフィンの含量の少ないものを用いるのが好ましく、より好ましいものは、高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン、シングルサイト触媒を用いて重合されたエチレン・α−オレフィン共重合体、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレンあるいはこれらの混合物である。
さらに、本発明の中間層12には、他の熱可塑性樹脂を添加することができる。
本発明の熱接着性剥離フィルムの合成樹脂からなる保護層13は加工のためのフィルムとして腰などの性能や熱接着加工の際の耐熱性を付与するためのもので、合成樹脂を用いることにより、該加工性と、不織布などとの熱接着により製造せしめて得た吸収性物品を個包装する包装材のしなやか感を両立させることが出来るので好ましい。特にポリオレフィンを選択すると該吸収性物品が特にしなやかになり、下記のポリプロピレン及び/又はプロピレン・αオレフィン共重合体を選択すると該吸収性物品を個包装する包装材のしなやかさを維持した上で、熱接着加工に必要な耐熱性も十分に達成できるので特に好ましい。
本発明に使用されるプロピレン・α−オレフィン共重合体としては、プロピレンから誘導される構成単位を主成分としたプロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンのランダム共重合体が使用される。コモノマーとして用いられるα−オレフィンは、好ましくはエチレンまたは炭素数4〜18のα−オレフィンである。具体的には、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ヘプテン、4−メチル−ペンテン−1、4−メチル−ヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1等を挙げることができる。
プロピレン・α−オレフィン共重合体中のα−オレフィンの単位の量は、通常は0.5〜12重量%、好ましくは1〜10重量%である。α−オレフィン単位が多い場合、フィルムの剛性が低下し、傷が付きやすくなり、少なすぎる場合は、しなやかさ、透明性が損なわれる。プロピレン単位及びα−オレフィン単位は、13C−NMR法によって計測することができる。
本発明に用いられるプロピレン・α−オレフィン共重合体は、シングルサイト触媒によって得られる。シングルサイト触媒とは、実質的に、均質な重合活性点によって構成された触媒を指称し、具体的には、メタロセン系遷移金属化合物(いわゆるカミンスキー触媒)、あるいは、非メタロセン系遷移金属化合物(ブルックハルト系触媒、フェノキシイミン系錯体等)と、助触媒(メチルアルミノキサンや硼素化合物等)から構成される重合触媒を用いることができる。最も好ましいシングルサイト触媒としては、メタロセン系遷移金属化合物を主成分とするメタロセン触媒を挙げることができる。メタロセン触媒は、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期表第4族の遷移金属化合物(いわゆるメタロセン化合物)と、メタロセン化合物と反応して安定なイオン状態に活性化し得る助触媒と、必要により添加される有機アルミニウム化合物とからなる触媒が用いられる。
メタロセン化合物は、好ましくはプロピレンの立体規則性重合が可能な架橋型のメタロセン化合物であり、より好ましくはプロピレンのアイソ規則性重合が可能な架橋型のメタロセン化合物である。具体的には、アルキレンビスシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド、あるいはその置換体、例えばメチレンビスシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2−アルキルインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン1,2−(4−フェニルインデニル)(2−メチル−4−フェニル−4Hアズレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2−メチル−4−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(3’−t−ブチル−5’−メチル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(フルオレニル)t−ブチルアミドジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリドなどのジルコニウム化合物が例示できる。また、ジルコニウムをチタニウム、ハフニウムに置き換えた化合物も同様に使用でき、クロリドは他のハロゲン化合物、メチル、イソブチル、ベンジル等の炭化水素基、ジメチルアミド、ジエチルアミド等のアミド基、メトキシ基、フェノキシ基等のアルコキシド基、ヒドリド基等に置き換えることができる。
メタロセン化合物と反応して安定なイオン状態に活性化しうる助触媒としては、有機アルミニウムオキシ化合物(たとえば、アルミノキサン化合物)、イオン交換性層状珪酸塩、ルイス酸、ホウ素含有化合物、イオン性化合物、フッ素含有有機化合物等が挙げられる。
有機アルミニウム化合物としては、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニウムセスキハライド、アルキルアルミニウムジハライド、アルキルアルミニウムハイドライド、有機アルミニウムアルコキサイド等が挙げられる。
重合法としては、上記触媒の存在下に、不活性溶媒を用いたスラリー法、溶液法、実質的に溶媒を用いない気相法や、あるいは、重合モノマーを溶媒とするバルク重合法等が挙げられる。
シングルサイト触媒によって得られるプロピレン・α−オレフィン共重合体は、市販されているものを使用することもでき、例えば日本ポリプロ株式会社製のプロピレン−エチレンランダム共重合体、商品名「ウィンテック」(ウィンテックは日本ポリプロ社の登録商標)等が挙げられる。
本発明で用いるプロピレン・α−オレフィン共重合体は次の特性を有するものが望ましい。
プロピレン・α−オレフィン共重合体のMFR(230℃、21.18N荷重)は、1〜20g/10分、好ましくは2〜20g/10分である。MFRの測定は、JIS−K6921−2:1997付属書(230℃、21.18N荷重)に準拠して行う。
本発明で用いるプロピレン・α−オレフィン共重合体は、示差走査熱量計(DSC)による融解ピーク温度(Tm)が120〜165℃、好ましくは130〜150℃が望ましい。Tmが上記範囲未満の場合には剛性が低下しやすく、好適な耐ブロッキング性が得られにくく、また、上記範囲を超える場合にはしなやかさが損なわれる傾向がある。
本発明で用いるプロピレン・α−オレフィン共重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、1.5〜3.5、さらに好ましくは1.8〜3.3である。Mw/Mnの測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で行うことができる。
プロピレン・α−オレフィン共重合体は、上記成分にジベンジリデンソルビトール誘導体、有機リン酸金属塩、有機カルボン酸金属塩、高密度ポリエチレン等の核剤を添加するのが好ましく、核剤を配合することによって透明性を向上することができる。添加量は、0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜3重量%程度が望ましい。高密度ポリエチレンは、添加によって、同時に加工安定性を改良することができる。
ポリプロピレンを二軸延伸製膜法で製膜するに於いて、核剤を添加して、光沢を向上させる手法は一般的であるが、もともと、二軸延伸製膜過程において光沢を発現させているので、核剤をさらに付与しても、それ以上の光沢の付与は僅かなものでしかなかった。シングルサイト触媒によって得られるプロピレン・α−オレフィン共重合体に核剤を添加することにより、顕著に光沢感が向上させることができる。これは、インフレーション成形が空気による冷却固化工程のため、徐冷となり、球晶が成長して光沢発現を妨げることがある成形方法のため、核剤での結晶の微細化による光沢感発現の効果の余地が大きい為とシングルサイト触媒によるプロピレン・α−オレフィン共重合体で更に顕著になると考えられる。
本発明のプロピレン・α−オレフィン共重合体には、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、他の付加的任意成分を配合することができる。このような任意成分としては、通常のポリオレフィン樹脂材料に使用される酸化防止剤、透明化剤、滑剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、中和剤、金属不活性剤、着色剤、蛍光増白剤等を挙げることができる。
添加剤の配合は、樹脂組成物を調製する任意の段階で必要に応じて配合される。溶融混練は、例えば粉末状、ペレット状等の形状の各成分を一軸又は二軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダーブレンダー、ブラベンダープラストグラフ、小型バッチミキサー、連続ミキサー、ミキシングロール等の混練機を使用して行なわれる。混練温度は、一般に180〜270℃である。
本発明では合成樹脂からなる保護層13の表面に剥離層14をシリコーンコーティングなどにより設けることになるため、後述の通り、コロナ処理を施しておくことが好ましい。
コロナ処理の条件としては、JIS K 6768に準拠するぬれ張力が、36mN/m以上であることが好ましく、38mN/m以上であればより好ましく、40mN/m以上であればさらに好ましい。
また、必要に応じて熱接着層11表面にもコロナ処理が施されるのでフィルムとして、両面コロナ処理となり、ブロッキングなどの不具合を惹起することもあるので、表面祖度を上げてブロッキングを抑制することも出来る。
表面の祖度を上げる手法としては、高密度ポリエチレンを添加して海島構造を形成させて島の分散で表面を荒らす、アンチブロッキング剤の添加、マット調ロールでニップして物理的に凹凸を形成させるなどの手法を上げることが出来る。
本発明に用いる剥離層14は粘着材に対する離形性を付与させるもので、シリコーンコーティングなど公知の技術で形成することができる。
本発明の熱接着性剥離フィルムの製造方法は、特に制約は無いが、熱接着層11、合成樹脂からなる保護層13、必要に応じ具備する中間層12までを、複数の押出機及び共押出多層ダイを用いてのインフレーション成形あるいはTダイ成形で共押出フィルムとして用意し、しかる後、コーティング加工により剥離層14を設ける製造方法が好適である。
本発明におけるインフレーション成形法としては、合成樹脂からなる保護層13を構成するプロピレン・α−オレフィン共重合体と、熱接着層11を構成する(A)エチレン・α−オレフィン共重合体、(B)エチレン・酢酸ビニル共重合体、又は、(C)エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体を、中間層12を構成するエチレンを主成分とする熱可塑性樹脂を中間層として、共押出多層環状ダイ付きの複数の押出機により溶融させてチューブ状にして押出し、ブロアーなどから供給される空気を空冷リングから溶融チューブに吹き付けて冷却固化させた後、ガイド板を経てピンチロールにて折り畳み、引取機にて引き取る方法によって得ることができる。
保護層13、中間層12、及び、熱接着層11は、任意の側をチューブの外側として成形することができるが、保護層13を外側とするのが好ましい。
また、肉厚比は、保護層13:中間層12:熱接着層11=5〜15:5〜15:5〜15、好ましくは10〜15:5〜10:5〜10の範囲とするのが一般的である。
この成形方法で使用できる成形機、冷却リング、ブロア、ガイド板、ピンチロール、及びフィルムの引取機などは一般に使用されているものを使用することができる。
本発明における熱接着性剥離フィルムを成形する条件としては、本発明で特定する特性が得られる限り特に限定しないが、成形温度は170〜250℃、好ましくは170〜200℃、成形速度は10〜300m/分、好ましくは50〜200m/分が好適である。
合成樹脂からなる保護層13表面には剥離層14形成のためにコロナ処理を施しておくことが好ましい。
熱接着層11表面にも、熱接着性機能強化のためにコロナ処理を施すこともできる。
こうして得られた、共押出フィルムの保護層13表面に合成樹脂からなる剥離層14を設ける。
一般的なグラビア塗工機で表面に紫外線硬化性シリコーンをコーティングし、乾燥路にて溶剤を乾燥させた後、紫外線を照射させて、シリコーンを硬化させる一般的な手法を用いることが出来る。
本発明の熱接着性剥離フィルムは、何らかの母材に対して、母材の一部あるいは全面に、接着剤などを使うことなく、熱加工によって好適に接着できることを特徴とする。
母材は、目的に応じて選定するべきものなので、特に制約は無いが、用途として吸収性物品を個包装する包装材などには特に好適に用いることが出来る。
素材としても、目的に応じて選定するべきものではあるが、不織布などは特に好適に選定することが出来る。
本発明では、熱接着性剥離フィルムを、対象材(吸収性物品等)の必要な部分のみに貼着されるように、熱接着加工にて母材に具備することができる。以下、生理用ナプキンの個包装に具備する加工を例に説明する。
例えば、個包装袋が大きさを縦250mm、横150mmの不織布とし、生理用ナプキンの粘着材の具備する部分を50mmとする。上述した製造方法で用意した熱接着性剥離フィルムを50mm幅にスリット加工しておく。不織布も同様に150mm幅にスリットして用意しておき、両者を繰り出して熱接着層11面が不織布に向くように重ね合わせ、金属製の熱ロールと対面するゴムロールでニップすることで熱接着することが出来る。
熱ロールの温度は熱接着が発現させられれば特に制約は無いが、低すぎると熱接着が発現しないので80℃以上が好ましく、90℃以上であればより好ましく、100℃以上であれば、十分な接着が期待できるので特に好ましい。また、温度が高すぎるとフィルムが変形や損傷したりすることがあるので、150℃以下が好ましく、140℃以下であればより好ましく、130℃以下であれば特に好ましい。
こうして得られた吸収性物品を個包装する包装材は、熱接着性剥離フィルムの全面が不織布と接着されているので、生地となる不織布に追従し、しなやかでありつつ、変形して扱いにくくなるなどの不具合も無く、良好である。
図2は、本発明の熱接着性剥離フィルムを有する包装材が吸収性物品を包装した状態の一例を示す斜視図である。
図2において、吸収性物品3は、粘着層4を有し、包装材2が吸収性物品3を包装し個包装構造体を形成した際に、包装材2の内面が備える熱接着性剥離フィルム1が、粘着層4に貼着されて、これにより、粘着層4は保護される。そして、使用時には、包装材2を開封することによって、粘着層4に貼着された熱接着性剥離フィルム1が、粘着層4から剥離する。
以下、実施例に従って、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例で使用した樹脂は以下の通りである。
<使用樹脂・成形機>
(1)樹脂
熱接着層:
・KF360T:日本ポリエチレン社製商品名カーネル(シングルサイト触媒によるエチレン・α−オレフィン共重合体)MFR=3.5g/10分、密度=0.898g/cm
・ノバテックLV570:日本ポリエチレン社製のエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)MFR=15g/10分、酢酸ビニル(VA)含有量:20重量%
・NUC−6225:日本ユニカー社製エチレンエチルアクリレート共重合体(EEA)MFR=5g/10分、エチルアクリレート(EA)含有量:13重量%
中間層:
・WFX4:日本ポリプロ社製商品名ウィンテック
MFR=7g/10分、密度=0.90g/cm、融点=125℃
保護層:
・WXK1275:日本ポリプロ社製商品名ウィンテック(シングルサイト触媒によるプロピレン・α−オレフィン共重合体)MFR=1.5g/10分、密度=0.90g/cm、融点=153℃
・HY430(実施例2のみ添加):日本ポリエチレン社製商品名ノバテックHD(高密度ポリエチレン)MFR=0.8g/10分、密度=0.954g/cm、融点=134℃
・NA11(核材):ADEKA社製造核材商品名アデカスタブNA(ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート)
(2)Tダイ3層共押出成形機
プラコー社製:3種3層Tダイ共押出成形機
押出機径:φ40mm
ダイス:3種3層マルチマニホールド
ダイス幅:500mm
押出機設定温度:200〜230℃
ダイス設定温度:230℃
<評価方法>
得られた個包装構造体をモニター女性に使用してもらい、以下の基準で評価した。
(しなやか感)
a:しなやかである、b:ややしなやかである、c:中立、d:ややゴワゴワする、e:ゴワゴワする
(ナプキンの取り出しやすさ)
a:取り出しやすい、b:やや取り出し易い、c:中立、d:やや取り出しにくい、e:取り出しにくい
(取り出すときの音)
a:音が小さく気にならない、b:音が小さくあまり気にならない、c:中立、d:取り出すときにガサガサ音がするので少し気になる、e:取り出すときにガサガサ音がするのでとても気になる
(全体評価)
a:好き、b:やや好き、c:中立、d:やや嫌い、e:嫌い
評価に当たっては20人の女性にサンプルを渡し、感性として最も近い項を選んでもらい、その人数を表2に示した。
(実施例1)
熱接着層11、合成樹脂からなる保護層13を表1に示す配合、層比で、熱接着層11をキャスティングロール側としてTダイ共押出成形機で製膜した。その際、押出速度40kg/h、フィルム巾400mmで、上記の層比で、総厚25μmとなるべく調製し、インラインで両面にコロナ処理を施し、インラインスリットで耳を切り落として最終製品350mm巾のフィルム製品を得た。前記コロナ処理は、JIS K 6768に準拠するぬれ張力が、42mN/mの条件下で行った。
次に、得られた積層フィルムの合成樹脂からなる保護層13面にシリコーンコートを施した。
さらに次に不織布を用意し、不織布中央部に上記熱接着性フィルムを熱接着層11側が接するように重ね合わせ、120℃の熱ロールで熱圧着して一体化せしめた。
これに生理用ナプキンを接合せしめ、個包装構造体を製造した。
表2に示す通り、後述の比較例1の紙製の剥離紙を用いた生理用ナプキン個包装構造体と比し、しなやかな感触を得、開封時に音を不快に感じることも少なく、取り出し易い良好な評価を得ることが出来た。
(実施例2)
熱接着層11、中間層12、合成樹脂からなる保護層13を表1に示す配合、層比で、熱接着層11をキャスティングロール側としてTダイ共押出成形機で製膜した。その際、押出速度60kg/h、フィルム巾400mmで、上記の層比で、総厚25μmとなるべく調製し、インラインで両面にコロナ処理を施し、インラインスリットで耳を切り落として最終製品350mm巾のフィルム製品を得た。前記コロナ処理は、JIS K 6768に準拠するぬれ張力が、42mN/mの条件下で行った。
中間層12を設けたことにより、実施例1と比べて、Tダイ製膜が更に安定した。製膜性が安定したことにより、より高い押し出し速度でフィルムを得ることができた。
次に、得られた積層フィルムの合成樹脂からなる保護層13面にシリコーンコートを施した。
さらに次に不織布を用意し、不織布中央部に上記熱接着性フィルムを熱接着層11側が接するように重ね合わせ、120℃の熱ロールで熱圧着して一体化せしめた。
これに生理用ナプキンを接合せしめ、個包装構造体を製造した。
表2に示す通り、後述の比較例1の紙製の剥離紙を用いた生理用ナプキン個包装構造体と比し、しなやかな感触を得、開封時に音を不快に感じることも少なく、取り出し易い良好な評価を得ることが出来た。
(実施例3)
合成樹脂からなる保護層13に表1の配合を用いた以外は実施例2と同様にして個包装構造体を製造した。
合成樹脂からなる保護層13にポリプロピレンとポリエチレンを配合し、非相容とせしめたので、表面に浅い凹凸が形成された。
表面に凹凸が形成されたこともあり、Tダイ製膜後、シリコーンコーティングを施す際においてブロッキングがほぼ解消され、好適に加工製造をすることが出来た。
表2に示す通り、実施例2と同様に後述の比較例1の紙製の剥離紙を用いた生理用ナプキン個包装構造体と比し、しなやかな感触を得、開封時に音を不快に感じることも少なく、取り出し易い良好な評価を得ることが出来た。
(実施例4)
熱接着層11にエチレン酢酸ビニル共重合体であるLV570を用いた以外は実施例2と同様にして個包装構造体を製造した。
表2に示す通り、実施例2と同様に後述の比較例1の紙製の剥離紙を用いた生理用ナプキン個包装構造体と比し、しなやかな感触を得、開封時に音を不快に感じることも少なく、取り出し易い良好な評価を得ることが出来た。
(実施例5)
熱接着層にエチレンエチルアクリレート共重合体であるNUC−6225を用いた以外は実施例2と同様にして個包装構造体を製造した。
表2に示す通り、実施例2と同様に後述の比較例1の紙製の剥離紙を用いた生理用ナプキン個包装構造体と比し、しなやかな感触を得、開封時に音を不快に感じることも少なく、取り出し易い良好な評価を得ることが出来た。
(比較例1)
坪量22g/mのパルプ100%の紙に厚さ12μのポリエチレンフィルムをラミネートし、その上にコロナ処理を施し、さらにシリコーンコートを施して剥離層を形成し、紙製の剥離紙を得た。
実施例1と同様に不織布を用意し、不織布の中央部に、紙製の剥離紙の紙側が接するように重ね合わせ、ホットメルトタイプの接着剤で一体化せしめた。
ホットメルトタイプの接着剤で一体化せしめる際、紙製の剥離紙の面積に対し、20%部分にのみホットメルトタイプの接着剤を塗りつけた。
表2に示す通り、前述の実施例1〜5の熱接着性剥離フィルムを用いた生理用ナプキン個包装構造体と比し、紙を用いているため、感触がゴワゴワで、開封時に音がするためモニターによっては不快に感じることもあり、取り出し時に若干変形を伴うので若干取り出しにくいとの評価に至った。
(比較例2)
熱接着層11を構成させない以外は実施例2と同様にしてフィルムを得た。
実施例2と同様に不織布に熱接着せしめようとしたが、一体化させることが出来なかった。
(比較例3)
中間層12と保護層13を構成させない以外は実施例2と同様にしてフィルムを得た。
実施例2と同様に不織布に熱接着せしめようとしたが、熱ロールとの接触でフィルムが変形し、良好な個包装構造体を得ることが出来なかった。
Figure 2011011396
Figure 2011011396
1:熱接着性剥離フィルム
11:熱接着層
12:中間層
13:保護層
14:剥離層
2:母材
3:吸収性物品
4:粘着層

Claims (6)

  1. 少なくとも熱接着層、合成樹脂からなる保護層、及び剥離層を有することを特徴とする熱接着性剥離フィルム。
  2. 前記熱接着層が、下記(A)〜(C)の何れか1種又は2種以上を組み合わせてなることを特徴とする請求項1に記載の熱接着性剥離フィルム。
    (A)シングルサイト触媒を用いて重合されたエチレン・α−オレフィン共重合体
    (B)エチレン・酢酸ビニル共重合体
    (C)エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体
  3. 前記合成樹脂からなる保護層を形成する合成樹脂がポリプロピレン及び/又はプロピレン・α−オレフィン共重合体であることを特徴とする請求項1又は2記載の熱接着性剥離フィルム。
  4. 前記熱接着層と前記合成樹脂からなる保護層の間にポリエチレンを主成分とする中間層を有することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の熱接着性剥離フィルム。
  5. 吸収性物品を個包装する包装材において、該包装材内面に請求項1〜4の何れかの熱接着性剥離フィルムを熱接着して具備されることを特徴とする包装材。
  6. 前記吸収性物品を個包装する包装材において、素材が不織布であることを特徴とする請求項5記載の包装材。
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