JPH06178794A

JPH06178794A - 生理用ナプキンの包装構造

Info

Publication number: JPH06178794A
Application number: JP43A
Authority: JP
Inventors: Mayumi Kuwabara; 真弓桑原; Minoru Nakanishi; 稔中西; Tetsuyuki Kigata; 哲行木賀田; Takatoshi Kobayashi; 隆俊小林
Original assignee: Kao Corp
Current assignee: Kao Corp
Priority date: 1992-12-11
Filing date: 1992-12-11
Publication date: 1994-06-28

Abstract

(57)【要約】【目的】生理用ナプキンが、その使用時においてショ
ーツに対して充分なタック力を有する粘着層を備え、且
つ該粘着層と包装材に設けられた剥離層との剥離性に優
れる生理用ナプキンの包装構造を提供すること。【構成】生理用ナプキンとこれを包装する包装材とか
らなり、該生理用ナプキンの非肌当接面に設けられた粘
着層と、該包装材の内面に設けられた剥離層とを、着脱
自在に粘着させてなる包装構造において、上記粘着層と
上記剥離層との１８０°ピール強度が、３０〜９０g／
５０mmであり、上記粘着層のタック力が２５０g／２５m
m以上であることを特徴とする包装構造。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ショーツに固定するた
めの粘着部を保護する剥離紙を有せず、且つショーツに
対し、充分なタック力を有する生理用ナプキンの包装構
造に関する。

【０００２】

【従来の技術】生理用ナプキンには、通常、該ナプキン
をショーツに固定し、且つその使用中におけるズレを防
止するための粘着剤と、それを保護する剥離紙とが設け
られており、このような生理用ナプキンにおいては、そ
の使用に際して、剥離紙を剥離・廃棄する必要があるた
め、剥離紙の廃棄処分が厄介であり、また、便器に廃棄
した場合には便器を詰まらせるという問題がある。

【０００３】そこで、剥離紙を有しない生理用ナプキン
の包装構造に関する技術が種々提案されており、具体的
には、下記〜等がある。生理用ナプキンの粘着層がポリオレフィン系フィルム
に直接当接されてなる生理用ナプキンの包装体（実公昭
５９−９６１５号公報）。水溶性フィルムからなり、生理用ナプキンの粘着層に
当接する部分に剥離層を有する包装材により、生理用ナ
プキンを個別包装してなる包装体（実開昭５９−２５３
７１号公報）。生理用ナプキンの粘着層が包装材のポケット部の開口
端から露出し、包装材の非粘着層がポケット部の上面に
て、前記粘着層を止着してなる包装体（実開昭５７−３
４２１１号公報）。生理用ナプキンの接着部に当接する部分に剥離処理部
を有する包装材が、２枚のシートの４辺をシールし、開
封用のミシン目を設けてなる生理用ナプキンの個別包装
材（実開昭５８−１７９１２０号公報）。生理用ナプキンの粘着剤層に当接する部分に離型性層
を具備する多層樹脂フィルムを包装材とした生理用ナプ
キンの包装体（実開昭６３−７１０２５号公報）。オレフィン系重合体とシリコーン共重合体とを主体と
する樹脂によるフィルムからなるナプキン用包装材（実
開平２−３５７２４号公報）。シコーンを塗布した剥離領域とヒートシール可能なシ
ール用領域とを形成したナプキン用包装材（実開昭４−
１１３２４号公報）。

【０００４】しかしながら、上述の包装体においては、
下記〜等の問題がある。上記の包装体においては、ナプキンを包装する包装
材がフィルム単体であるため、経日的に剥離性が低くな
り、ナプキンを取り出す際に包装材が伸びたり、裂けた
りする。また、これを抑制するために、フィルム厚を厚
くすると、コストアップはもちろん、フィルム自体が硬
くなったり、包装体を容易に開封できなくなるといった
欠点を生ずる。上記の包装体においては、フィルム強度が低く、包
装材を剥がす際に伸びたり、裂けたりするという問題が
あり、また、このような問題を解決するためにフィルム
の剥離度を上げると、フィルムの水溶性が損なわれ、便
器に廃棄した場合に便器に詰まる。上記の包装体においては、粘着層をナプキンの１部
にしか設けることができないので、ナプキンの使用時に
おける固定性が悪い。上記の包装体においては、ミシン目が設けられてい
るが、このミシン目から容易に空気が入り込み包装体が
膨らんでしまうため、持ち運びや開封がし難い。、上記及びの包装体においては、熱可塑性樹脂
としてシリコーン樹脂等の剥離性物質の含有物あるいは
共重合体を用いているので、剥離物質がブリードアウト
し、温度や湿度によって剥離度が不安定な状態になり易
い。さらに剥離面に部分的に剥離力が低下した領域が生
じ、場合によっては、フィルムが剥離しなくなってしま
う。また、ブリードアウトした剥離性物質が、粘着面に
移行することもしばしば起こり、経日的な剥離安定性を
いかなる環境においても維持することが困難である。上記の包装体においては、あらかじめ剥離可能領域
とシール可能領域を設定したフィルムを用いているの
で、ヒートシール層を設け、必ず決まった位置で製品を
包装する必要があり、経済性、生産性に劣る。

【０００５】即ち、上記〜の包装体の構造は、生理
用ナプキンに設けられた粘着層と、包装体に設けられた
剥離層との剥離性、及び該粘着層のショーツに対するタ
ック力の両方を充分な実用性をもって満足させることが
できないという問題がある。

【０００６】従って、本発明の目的は、生理用ナプキン
が、その使用時においてショーツに対して充分なタック
力を有する粘着層を備え、且つ該粘着層と包装材に設け
られた剥離層との剥離性に優れる生理用ナプキンの包装
構造を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、粘着層と剥離層
との１８０°ピール強度が特定の数値を有し、且つ粘着
層のタック力が特定の数値を有する包装構造が、上記目
的を達成しうることを知見した。

【０００８】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
のであり、生理用ナプキンとこれを包装する包装材とか
らなり、該生理用ナプキンの非肌当接面に設けられた粘
着層と、該包装材の内面に設けられた剥離層とを、着脱
自在に粘着させてなる包装構造において、上記粘着層と
上記剥離層との１８０°ピール強度が３０〜９０ｇ／５
０mmであり、上記粘着層のタック力が２５０ｇ／２５mm
以上であることを特徴とする包装構造を提供するもので
ある。

【０００９】

【作用】本発明の包装構造は、特定の物性値を有する粘
着層と剥離層とを有するので、包装材を剥がして生理用
ナプキンを取り出す際に、粘着層と剥離層とをスムーズ
に剥離させることができ、且つ生理用ナプキンの使用時
に前記粘着層がショーツに対して十分なタック力を有す
る。

【００１０】

【実施例】以下、添付図面を参照して、本発明の実施例
を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。

【００１１】図１（Ａ）は、本発明の包装構造の１実施
例を示す斜視図であり、図１（Ｂ）は、そのＩ−Ｉ’断
面図である。図２は、図１に示す包装構造における生理
用ナプキンを３つ折にする途中の形態を示す概略斜視図
である。

【００１２】図１（Ａ）及び（Ｂ）に示す本実施例の生
理用ナプキンの包装構造１は、生理用ナプキンとそれを
包装する包装材２０とからなり、該生理用ナプキンの非
肌当接面１１に設けられた粘着層１６と、該包装材２０
の内面に設けられた剥離層２１とを、着脱自在に粘着さ
せてなり、上記粘着層と上記剥離層との１８０°ピール
強度は、７０g／５０mmであり、上記粘着層のタック力
は２８０g／２５mmである。

【００１３】以下、本実施例の生理用ナプキンの包装構
造１における特徴部分について、更に詳細に説明する。
図１（Ａ）及び（Ｂ）に示す生理用ナプキンの包装構造
１において、上記粘着層１６は、上記剥離層２１に貼着
されており、これにより、上記粘着層は保護されてい
る。

【００１４】上記粘着層と上記剥離層との１８０°ピー
ル強度は、３０〜９０g／５０mmである。上記ピール強
度が、３０ｇ／５０mm未満であると、包装材が剥離し
て、包装袋内でナプキンが移動したり、非剥離処理面に
粘着剤が接着して剥離できなくなり、９０ｇ／５０mmを
越えると、包装材を剥がし難くなる、剥離音が大きくな
る等の欠点を示す。

【００１５】上記粘着層のタック力は２５０g以上であ
る。上記タック力が２５０ｇ未満の場合には、接着力が
経時変化を起こし易く、装着中にズレあるいはこれによ
る排泄物の漏れを生じる。また、上記粘着層は、粘着材
が綿試験布に移行しない程度の凝集力を有しているのが
好ましい。

【００１６】上記粘着層１６は、上記非肌当接面１１上
に粘着剤を塗布するか、あるいは剥離処理した包装体フ
ィルムに塗布した後上記非肌当接面上１１に転写する等
して形成される。上記粘着層を形成する粘着剤として
は、例えば、スチレン系ブロックポリマー、粘着付与剤
及び軟化剤を主成分とし、スチレン相とゴム相との２相
ブロック構造を保持しているものが用いられる。上記ス
チレン系ブロックポリマーとしては、スチレン−エチレ
ン−ブチレン−スチレンブロック共重合体（ＳＥＢ
Ｓ）、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合
体（ＳＩＳ）、スチレン−ブタジエン−スチレンブロッ
ク共重合体（ＳＢＳ）、スチレン−エチレン−プロピレ
ン−スチレン共重合体（ＳＥＰＳ）等が挙げられる。こ
れらのスチレン系ブロックッポリマーは、スチレン部分
の分子量が、好ましくは７０００〜２００００、ゴム部
分の分子量が、好ましくは３５０００〜７００００のブ
ロック共重合体である。また、上記粘着付与剤として
は、軟化点が８０℃以上で、分子量が４００〜２０００
であるＣ₅系石油樹脂、Ｃ₉系石油樹脂、Ｃ₅／Ｃ₉系
石油樹脂、αピネン、βピネン又はジペンテンの共重合
体であるポリテルペン樹脂、ロジン系樹脂、若しくはこ
れらの水添物等が挙げられる。上記軟化剤としては、軟
化点が１０℃以下で平均分子量が２００〜７００のプロ
セスオイル、各種可塑剤、ポリブテン、液状樹脂等が挙
げられる。上記粘着剤としては、特に下記組成のものが
好ましい。スチレン系ブロックポリマー１００重量部、粘着付与剤樹脂１５０〜２００重量部、軟化剤３０〜１００重量部

【００１７】上記剥離層２１は、上記包装材の内面に剥
離処理剤を塗布するか、または剥離テープを貼付する等
して形成される。剥離処理剤あるいは剥離テープの剥離
材成分としてはシリコーン樹脂系、フッソ樹脂系、又は
オクタデシルイソシアネート系等のものが好ましい。特
に上記剥離材成分として、シリコーン樹脂系のものを塗
布して加熱乾燥するか、スプレーで吹きつけ薄い被膜を
形成させる等して用いるのが好ましい。さらに、剥離テ
ープとしてポリオレフィンあるいはポリエステルフィル
ムを用い、包装材に熱あるいは超音波等により接合した
ものが、適度な剛性を有しており、開封し易く、また耐
熱性に優れているため生産上有利である。

【００１８】包装材２０としては、ポリエチレン、ポリ
プロピレンのようなポリオレフィンが好ましく、包装構
造としては、包装材が生理用ナプキンの長手方向と同じ
方向にシールされていることが好ましい。

【００１９】尚、１８０°ピール強度は、粘着剤を塗布
した生理用ナプキン、及びこれに当接している剥離処理
した包装材を試験サンプルとして以下のように測定し
た。また、タック力、凝集力は以下に示す方法で測定し
た。

【００２０】＜１８０°ピール強度（接着強度）＞粘着
剤をポリエチレンテレフタレートフィルムに厚さ５０μ
ｍで塗布し、ステンレス板（sus304）に２ｋｇのゴムロ
ーラー１往復で圧着したときの１８０°ピール強度を測
定した。

【００２１】＜タック力（ＢＯＸ粘着力試験）＞粘着剤
を塗布した生理用ナプキンと８０×２００mmにカットし
た試験布（綿かなきん３号）とを３０〜３１℃の温度下
に２時間以上放置し、試験サンプルとした。次いで、ガ
ラス板上に上記試験布を固定し、上記生理用ナプキンを
貼り合わせ、全面に７５０ｇの荷重を掛け１分間放置し
た。この後、荷重を７５０ｇから２２５ｇに変更し、ま
た端部にずり荷重を掛け、１分以内にずれる荷重を測定
した。

【００２２】＜凝集力＞粘着剤を塗布した生理用ナプキ
ンと、８０×２００mmにカットした試験布（綿かなきん
３号）とを貼り合わせ、１kg荷重を掛け、４０℃、８０
％の恒温恒湿下で２４時間放置した後、試験布を剥が
し、このときに粘着材が試験布へ移行しないことを確認
した。

【００２３】本発明の包装構造は、例えば、図２〜図１
４に示す実施例に適用した場合に特に効果的であるの
で、次に、図２〜図１４に示す実施例について説明す
る。

【００２４】先ず、図２〜図７に示す実施例について説
明する。図２は、本発明の生理用ナプキンの包装構造の
１実施例を示す斜視図であり、図３は、図２に示す包装
構造における生理用ナプキンの底面図であり、図４は、
図２に示す包装構造における包装材の底面図である。ま
た、図５は、生理用ナプキンを３つ折にする際の途中の
形態を示す概略斜視図であり、図６は、３つ折にした生
理用ナプキンの包装材による包装態様を示す概略斜視図
であり、図７は、３つ折にした生理用ナプキンの包装材
による連続的な包装態様の要部を示す概略斜視図であ
る。

【００２５】本実施例における生理用ナプキンの包装構
造１０１は、図２に示すように、生理用ナプキンを、そ
の非肌当接面が露出する（外側となる）ように折り重
ね、包装材により個別包装してなるもので、詳しくは、
生理用ナプキン１１０を、該生理用ナプキン１１０の長
手方向を前方部１１３、中央部１１４及び後方部１１５
に略３等分する２つの折曲部１１７において、該後方部
１１５、該前方部１１３の順序で、該中央部１１４の肌
当接面１１１側に３つ折にし、包装材１２０により個別
包装してなる。なお、本発明の包装構造により包装され
る上記生理用ナプキン１１０は、肌当接面１１１が液透
過性のシート材により、また、非肌当接面１１２が液不
透過性のシート材によりそれぞれ形成され、更に上記肌
当接面１１１と非肌当接面１１２との間に液保持性の吸
収体を有する、通常の生理用ナプキンである。

【００２６】そして、図３に示すように、上記生理用ナ
プキン１１０の上記前方部１１３及び上記中央部１１４
にそれぞれ粘着層１１６が設けてあり、図３に示すよう
に、上記包装材１２０の内表面における上記粘着層１１
６の対応部分に剥離層１２１が設けてある。

【００２７】また、上記包装材１２０の各側縁部分１２
２は、ヒートシールにより接合されており、縁端部分１
２３に沿う中央表面部に、包装材の開封を容易にするた
めのミシン目１２４が設けてある。

【００２８】ここで、上記前方部１１３は、生理用ナプ
キンの使用時において、使用者の前面方向に位置する部
位である。また、上記剥離層１２１は、少なくとも、上
記粘着層１１６の対応部分に設けてあればよく、該対応
部分以外の部位にも設けることができる。

【００２９】図３に示すように、上記粘着層１１６は、
前方部１１３及び中央部１１４の非肌当接面１１１上
に、それぞれ、所定の間隔を置いて２ヵ所づつ設けられ
ている。また、図４に示すように、上記剥離層１２１
は、上記包装材１２０の内表面上における上記粘着層１
１６の対応部分において、ヒートシールして包装体を固
着するための側縁部分１２２、及び縁端部分１２３、１
２３’を形成するように、長方形状に設けられている。

【００３０】そして、図２に示すように、生理用ナプキ
ンの包装構造１０１において、上記粘着層１１６は、上
記剥離層１２１に貼着されており、これにより、上記粘
着層１１６が保護されている。

【００３１】本実施例においては、上記粘着層を、前方
部と後方部とに、それぞれ、２ヵ所づつ設けた例につい
て説明したが、本発明はこれに限定されるものではな
く、例えば、粘着層の設置個数及び形状は特に制限され
ず、１ヵ所若しくは３ヵ所以上とすることもできる。ま
た、前記剥離層も、上述の実施例には制限されるもので
はなく、例えば、上記粘着層に対応する部分にのみ設け
ることができる。

【００３２】また、生理用ナプキンの使用時において
は、図１に示すミシン目１２４を引張り、包装材１２０
を開封して、包装材１２０の剥離層１２１を生理用ナプ
キン１１０の粘着層１１６から剥離することにより、す
ぐに用いることができる。

【００３３】次いで、本実施例の生理用ナプキンの包装
構造１０１の形成方法について説明する。まず、図３に
示す生理用ナプキン１１０を、図４に示すように前方部
１１３が外側となるように、それぞれの折曲部１１７に
おいて、後方部１１５、前方部１１３の順序で、中央部
１１４の肌当接部１１１側に３つ折にする。次に、図５
に示すように、３つ折にした生理用ナプキン１１０を包
装材の上に載置し、各縁端部分１２３、１２３’を、縁
端部分１２３が上になるように矢印Ａ方向に折り曲げ
て、生理用ナプキン１１０を包装した後、各側縁部分１
２２をヒートシールすることにより、生理用ナプキンの
包装構造１０１を形成することができる。尚、工業的に
は、通常、図７に示すように、所定間隔で剥離層１２１
を設けた包装材１２０の連続シートの各剥離層１２１上
に、３つ折にした生理用ナプキン１１０を連続的に載置
し、該生理用ナプキンを該包装材１２０により両側から
連続的に包み込んだ後、切断線１２５において切断と同
時にヒートシールして、本発明の生理用ナプキンの包装
構造を連続的に形成する。

【００３４】次いで、図８〜図１４に示す実施例につい
て説明する。図８は、本発明の生理用ナプキンの包装構
造の１実施例を示す斜視図であり、図９は、図８に示す
包装構造における生理用ナプキンの底面図であり、図１
０は、図９に示す生理用ナプキンのフラップを折り曲げ
た態様を示す概略底面図であり、図１１は、図８に示す
包装構造における包装材の底面図である。また、図１２
は、生理用ナプキンを３つ折にする途中の形態を示す概
略斜視図であり、図１３は、３つ折にした生理用ナプキ
ンを包装材による包装態様の要部を示す概略斜視図であ
り、図１４は、連続的な３つ折にした生理用ナプキンの
包装材による包装態様の要部を示す概略斜視図である。

【００３５】本実施例における生理用ナプキンの包装構
造２０１は、ナプキン本体の長手方向の左右両側縁部
に、それぞれの幅方向外方に延出して形成された一対の
フラップを有する生理用ナプキンを、ナプキン本体の非
肌当接面が露出する（外側となる）ように折り重ね、包
装材により個別包装してなり、詳しくは、ナプキン本体
２１１の長手方向の左右両側縁部に、それぞれの幅方向
外方に延出して形成された一対のフラップ２２１を有す
る生理用ナプキン２１０を、その長手方向を前方部２１
４、中央部２１５及び後方部２１６に略３等分する２つ
の折曲部２１９において、該後方部２１６、該前方部２
１４の順序で、該中央部２１５の肌当接面２１２側に３
つ折にし、包装材２３０により個別包装してなる。な
お、本発明の包装構造により包装される上記生理用ナプ
キン２１０は、肌当接面２１２が液透過性のシート材に
より、また、非肌当接面２１３及びフラップ２２１が液
不透過性のシート材により形成されており、更に上記肌
当接面２１２と非肌当接面２１３との間に液保持性の吸
収体を有し、ナプキン本体の長手方向の左右両側縁部
に、それぞれの幅方向外方に延出して形成された一対の
フラップ２２１を有する通常の生理用ナプキンである。

【００３６】そして、図９に示すように、上記一対のフ
ラップ２２１の非肌当接面２１３にそれぞれ第１の粘着
層２２２が、また、上記生理用ナプキン２１０の上記中
央部２１５の非肌当接面２１３上に第１の剥離層２１７
が、設けてあり、図１０に示すように、上記一対のフラ
ップ２２１がそれぞれ上記ナプキン本体２１１の非肌当
接面２１３側に折り曲げられて、上記第１の粘着層２２
２と上記第１の剥離層２１７とが着脱自在に粘着されて
いる。

【００３７】更に、図９に示すように、上記生理用ナプ
キン２１０の上記前方部２１４の非肌当接面２１３上に
第２の粘着層２１８が、また、図１１に示すように、上
記包装材２３０の内表面における上記第２の粘着層２１
８の対応部分に第２の剥離層２３１が設けてあり、上記
第２の粘着層２１８と上記第２の剥離層２３１とが着脱
自在に粘着されてなる。

【００３８】ここで、上記後方部２１６とは、生理用ナ
プキンの使用時において、使用者の後面方向に位置する
部位である。また、上記第２の剥離層２３１は、少なく
とも、上記第２の粘着層２１８の対応部分に設けてあれ
ばよく、該対応部分以外の部位に設けてあってもよい。

【００３９】また、上記包装材２３０の各側縁部分２３
２は、ヒートシールにより接合されており、縁端部分２
３３に層中央表面部に、包装材の開封を容易するための
ミシン目２３４が設けてある。

【００４０】図９に示すように、上記第１の粘着層２２
２は、フラップ２２１の非肌当接面２１３側の略中央部
分に、生理用ナプキンの中央部分をショーツに固定する
のに十分な面積を持って、設けられている。また、上記
第１の剥離層２１７は、上記生理用ナプキン２１０の上
記中央部２１５の非肌当接面２１３上において、上記中
央部２１５の略全面を覆うように矩形状に設けられてい
る。また、上記第２の剥離層は、図１１及び図１３に示
すように、包装材２３０の内表面の略全面に矩形状に設
けられている。

【００４１】そして、図１０に示すように、上記フラッ
プ２２２は、上記第１の粘着層２２２と上記第１の剥離
層２１７とを当接させるように、それぞれナプキン本体
２１１の非肌当接面２１３側に折り曲げられたいる。こ
れにより、上記第１の粘着層２２２と上記第１の剥離層
２１７とが着脱自在に粘着され、上記第１の粘着層２２
２が保護される。

【００４２】また、図９に示すように、上記第２の粘着
層２１８は、上記前方部２１４の非肌当接面２１３、即
ち、生理用ナプキンの使用時においてショーツに粘着さ
せる面上に、長方形状にて設けられている。また、図１
１に示すように、上記第２の剥離層２３１は、上記包装
材２３０の内表面上における上記第２の粘着層２１８の
対応部分において、ヒートシールして包装材の側縁を固
着するための側縁部分２３２、及び縁端部分２３３、２
３３’を形成するように設けられている。そして、図８
に示すように、生理用ナプキンの包装構造１において、
上記第２の粘着層２１８は、上記第２の剥離層２３１と
着脱自在に粘着されており、これにより、上記第２の粘
着層２１８が保護される。

【００４３】本実施例においては、上記第１の粘着層及
び第２の粘着層を、それぞれ、１ヵ所設けた例について
説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、
例えば、粘着層の設置個数及び形状は特に制限されず、
複数ヵ所とすることもできる。また、前記第１の剥離層
及び第２の剥離層も、上述の実施例には制限されるもの
ではなく、例えば、上記第１の粘着層及び第２の粘着層
に対応する部分にのみ、それぞれ設けることができる。
更に、上記フラップを上記ナプキン本体の長手方向前方
に偏倚して設けることもできる。

【００４４】また、生理用ナプキンの使用時において
は、図１に示すミシン目２３４を引張り、包装材２３０
を開封して、第２の剥離層２３１を第２の粘着層２１６
から剥離し、第１の剥離層２１７を第１の粘着層２２２
から剥離することにより用いることができる。

【００４５】次いで、本実施例の生理用ナプキンの包装
構造２０１の形成方法について説明する。まず、図９に
示す生理用ナプキン２１０のフラップ２２１を、図１０
に示すように、ナプキン本体２１１の非肌当接面２１３
側に折り曲げて、上記第１の粘着層２２２と上記第１の
剥離層２１７とを粘着させる。次に、図１２に示すよう
に前方部２１４が外側となるように、それぞれの折曲部
２１９において、後方部２１６、前方部２１４の順序
で、中央部２１５の肌当接面２１２側に３つ折にした
後、図１３に示すように、３つ折にした生理用ナプキン
２１０を包装材２３０の上に載置し、各縁端部分２３
３、２３３’を、縁端部分２３３が上になるように矢印
Ａ方向に折り曲げて、生理用ナプキン２１０を包装した
後、各側縁部分２３２をヒートシールすることにより、
生理用ナプキンの包装構造２０１を形成することができ
る。尚、工業的には、通常、図１４に示すように、所定
間隔で剥離層２３１を設けた包装材２３０の連続シート
の各剥離層２３１上に３つ折にした生理用ナプキン２１
０を連続的に載置し、該生理用ナプキンを該包装材２３
０により両側から連続的に包み込んだ後、切断線２３５
において切断と同時にヒートシールして、本発明の生理
用ナプキンの包装構造を連続的に形成する。

【００４６】

【発明の効果】本発明によれば、生理用ナプキンが、そ
の使用時においてショーツに対して十分なタック力を有
する粘着層を備え、且つ該粘着層と包装材に設けられた
剥離層との剥離性に優れる生理用ナプキンの包装構造が
提供され、具体的には、下記〜等の効果を奏する。包装材が伸びたり、裂けたりしない、袋を剥がす際に生じる音が小さい、包装材が熱により収縮しない、包装材が粘着層から剥がしやすい、フラップ付き生理用ナプキンにおいて剥離紙を用いず
に粘着層を保護することができ、生理用ナプキンの使用時における剥離紙を剥がす手間
が省け、剥離紙を廃棄する必要がないので便器に廃棄し
て詰まらせることがなく、また、生理用ナプキンの粘着層を、ショーツに対して
十分な固定力を有する程度の広さとすることができる

【図面の簡単な説明】

【図１】図１（Ａ）は、本発明の包装構造の１実施例を
示す斜視図であり、図１（Ｂ）は、そのＩ−Ｉ’断面図
である。

【図２】本発明の生理用ナプキンの包装構造の１実施例
を示す斜視図である。

【図３】図２に示す包装構造における生理用ナプキンの
底面図である。

【図４】図２に示す包装構造における包装材の底面図で
ある。

【図５】生理用ナプキンを３つ折にする際の途中の形態
を示す概略斜視図である。

【図６】３つ折にした生理用ナプキンの包装材による包
装態様を示す概略斜視図である。

【図７】３つ折にした生理用ナプキンの包装材による連
続的な包装態様の要部を示す概略斜視図である。

【図８】本発明の生理用ナプキンの包装構造の１実施例
を示す斜視図である。

【図９】図８に示す包装構造における生理用ナプキンの
底面図である。

【図１０】図９に示す生理用ナプキンのフラップを折り
曲げた態様を示す概略底面図である。

【図１１】図８に示す包装構造における包装材の底面図
である。

【図１２】生理用ナプキンを３つ折にする途中の形態を
示す概略斜視図である。

【図１３】３つ折にした生理用ナプキンを包装材による
包装態様の要部を示す概略斜視図である。

【図１４】連続的な３つ折にした生理用ナプキンの包装
材による包装態様の要部を示す概略斜視図である。

【符号の説明】

１生理用ナプキンの包装構造１０生理用ナプキン１１肌当接面１２非肌当接面１３前方部１４中央部１５後方部１６粘着層１７折曲部２０包装材２１剥離層２２側縁部分２３縁端部分

【手続補正書】

【提出日】平成５年１２月３日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１６

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１６】上記粘着層１６は、上記非肌当接面１１上
に粘着剤を塗布するか、あるいは剥離処理した包装体フ
ィルムに塗布した後上記非肌当接面上１１に転写する等
して形成される。上記粘着層を形成する粘着剤として
は、例えば、スチレン系ブロックポリマー、粘着付与剤
及び軟化剤を主成分とし、スチレン相とゴム相との２相
ブロック構造を保持しているものが用いられる。上記ス
チレン系ブロックポリマーとしては、スチレン−エチレ
ン−ブチレン−スチレンブロック共重合体（ＳＥＢ
Ｓ）、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合
体（ＳＩＳ）、スチレン−ブタジエン−スチレンブロッ
ク共重合体（ＳＢＳ）、スチレン−エチレン−プロピレ
ン−スチレン共重合体（ＳＥＰＳ）等が挙げられる。こ
れらのスチレン系ブロックポリマーは、スチレン部分の
分子量が、好ましくは７０００〜２００００、ゴム部分
の分子量が、好ましくは３５０００〜７００００のブロ
ック共重合体である。また、上記粘着付与剤としては、
軟化点が８０℃以上で、分子量が４００〜２０００であ
るＣ₅系石油樹脂、Ｃ₉系石油樹脂、Ｃ₅／Ｃ₉系石油
樹脂、αピネン、βピネン又はジペンテンの共重合体で
あるポリテルペン樹脂、ロジン系樹脂、若しくはこれら
の水添物等が挙げられる。上記軟化剤としては、軟化点
が１０℃以下で平均分子量が２００〜７００のプロセス
オイル、各種可塑剤、ポリブテン、液状樹脂等が挙げら
れる。上記粘着剤としては、特に下記組成Ａ又はＢのも
のが好ましい。Ａ：スチレン系ブロックポリマー１００重量部、粘着付与剤樹脂１５０〜２００重量部、軟化剤３０〜１００重量部Ｂ：スチレン系ブロックポリマー１００重量部、粘着付与剤樹脂２００〜５００重量部、軟化剤１００〜４００重量部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】生理用ナプキンとこれを包装する包装材
とからなり、該生理用ナプキンの非肌当接面に設けられ
た粘着層と、該包装材の内面に設けられた剥離層とを、
着脱自在に粘着させてなる包装構造において、上記粘着層と上記剥離層との１８０°ピール強度が、３
０〜９０ｇ／５０mmであり、上記粘着層のタック力が２５０ｇ／２５mm以上であるこ
とを特徴とする包装構造。
【請求項２】上記生理用ナプキンを、その長手方向を
前方部、中央部及び後方部に略３等分する２つの折曲部
において、前方部及び中央部の非肌当接面が露出するよ
うに折り重ねたことを特徴とする請求項１記載の生理用
ナプキンの包装構造。
【請求項３】上記粘着層を設けた上記非肌当接面が、
粘着領域と非粘着領域を有することを特徴とする請求項
１記載の生理用ナプキンの包装構造。
【請求項４】上記剥離層が、剥離テープを包装材に接
合して形成されてなることを特徴とする請求項１記載の
生理用ナプキンの包装構造。