JP2011010632A - 酸性流動食用耐酸耐熱性向上剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】環状体含有量が25%以下であるポリグリセリンとステアリン酸とがエステル化されたポリグリセリン脂肪酸エステルを含有させることで課題を解決する。
【選択図】なし
Description
蛋白質を含有するpH3.0〜4.2の酸性液状流動食において、1)酸性ホエー蛋白質分離物を含有する蛋白質原料と、2)有機酸モノグリセリドと、重合度4〜10のポリグリセリンとオレイン酸とのモノエステルであるポリグリセリン脂肪酸エステルの混合溶液と、3)水とを混合して蛋白質濃度3.5〜10.0w/v%の乳化液または均質機を得て、この乳化液または均質液を加熱殺菌することが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
カゼイン蛋白質、熱可逆性ゲル化剤、及び有機酸モノグリセリドを含有し、pHが3.5〜4.5である液状原料組成物と、水分含有固形物を容器内に充填した後、加熱処理を施し、しかる後に冷却処理してゲル化させることを特徴とする酸性ゲル状食品の製造方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
油脂(A)20〜50重量%、ホエー蛋白質(B)0.5〜5.0重量%、有機酸モノグリ(C)1.0〜5.0重量%を主成分とする耐酸性水中油型乳化組成物。さらに増粘多糖類、ゼラチン等のゲル化剤を配合してなるゲル状食品において、前記の耐酸性水中油型乳化組成物をゲル状食品中5〜40重量%配合し、pHを3.0〜4.2に調整することを特徴とするゲル状食品が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
上記特許文献1〜3に開示されているように、蛋白質を含有する酸性タイプの飲食品には種々のものが知られているが、特許文献1では有機酸モノグリセリドが必要であり、これを溶解するためにポリグリセリン脂肪酸エステルを混合しているだけであって、ポリグリセリン脂肪酸エステルは蛋白質の分散安定性に関与しているものではなく、さらには有機酸モノグリセリドとポリグリセリン脂肪酸エステルの2種の乳化剤をよく加熱混合して用いなければならず余計な手間がかかるだけでなく、蛋白質そのものの酸性域での凝集を抑えたものではない。
特許文献2ではゲル化剤で固めることで保存安定性を高めている手法であって、酸性域での蛋白質の凝集を抑え、さらには耐熱性も付与しているものではない。
特許文献3は、有機酸モノグリセリドが必須原料であり、大量のゲル化剤を用いて固めることで増粘させて安定性を付与しているものであって、酸性域での蛋白質凝集そのものを抑制しているものではなく、安定性についても満足とはいい難い。
すなわち本発明は、環状体含有量が25%以下であるポリグリセリンとステアリン酸とがエステル化されたポリグリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とする酸性流動食用の耐酸耐熱性向上剤に関するものである。
本発明のポリグリセリンは、グリセリンを脱水縮合する等して得られるグリセリン骨格を基本単位として分子内に水酸基とエーテルを有する物質をいう。一般的に流通しているポリグリセリンの種類はテトラグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリン、デカグリセリンが例示される。
ポリグリセリンとステアリン酸とのエステル化は、当該分野の公知の方法に従って行われる。例えば、アルカリ触媒、酸触媒、あるいは無触媒下にて常圧あるいは減圧下エステル化することができる。また、ポリグリセリンとステアリン酸の混合比を変更することにより種々の性質をもつポリグリセリン脂肪酸エステルを調製することができる。
かかる特徴を有することにより、本発明の酸性流動食用の耐酸耐熱性向上剤は、蛋白質の凝集抑制効果に優れ、かつ酸性域でも乳化破壊を起こしにくく、蛋白質を含む酸性流動食に好適に使用することが可能となる。
具体的には衛生面では微生物レベルを低くすることを目的に厳しい加熱殺菌処理がなされることが望ましい。乳化粒子を細かくするためには高圧ホモジナイザーを使用することが有利であり、可能であれば10MPa以上の高圧にて処理することが好ましい。
以下に実施例または比較例を挙げて詳細を説明する。
温度計、ジムロートおよび撹拌装置を付けた3つ口フラスコに太陽化学社製のポリグリセリン200gおよびピリジン600mlを加えた。ここへ1級水酸基に選択的に反応する試薬であるクロロトリフェニルメチル(和光純薬社製)370gを加えて100℃で1時間撹拌後室温に戻し、24時間撹拌した。さらに反応液を減圧下でピリジンの大部分を除去した。得られた反応物に水800mlを加え、分液ロートに移して酢酸エチル400mlで3回抽出した。酢酸エチル層を合わせて濃縮し、得られた残渣156gおよび酢酸300gを温度計、ジムロートおよび撹拌装置を付けた3つ口フラスコに加えて8時間加熱還流し、トリメチルフェニル基を脱離させた。上記工程を繰り返し、精製したポリグリセリンを混合し、一定量のポリグリセリンを得た。得られたポリグリセリンの環状体含有量は8.6%であった。
実施例1で精製したポリグリセリン104gとステアリン酸76gおよび水酸化ナトリウム0.06gを300mlの4つ口フラスコに入れ、窒素気流下で生成水を除去しながら250℃で反応し、反応後0.2mlのリン酸を加えて本発明品2を得た。
太陽化学社製ポリグリセリン126gとステアリン酸54gおよび水酸化ナトリウム0.06gを300mlの4つ口フラスコに入れ、窒素気流下で生成水を除去しながら250℃で反応し、反応後0.2mlのリン酸を加えて比較品1を得た。なお、太陽化学社製ポリグリセリンの環状体含有量は42.2%であった。
太陽化学社製ポリグリセリン(デカグリセリン)104gとステアリン酸76gを用いた以外は比較例1と同様の方法で比較品2を得た。
酸性流動食は以下の通り調製した。
55℃に加温した溶解水にホモディスパーを用いて3000rpmで撹拌しながら、表1に記載する蛋白質、糖類および食物繊維を粉体混合した後に投入し、次いでミネラルを投入した。溶解水または脂質にて表3〜6に記載する乳化剤を加熱溶解した後に、水相に油相を添加した。さらに、ビタミン、酸味料、果汁を投入し、調合液を55℃に維持したまま、ホモミキサーを用いて8000rpm、10分間にて予備乳化した。予備乳化後、42メッシュにてろ過後、高圧ホモジナイザーを用いて、50MPaで均質化し、乳化液を得た。乳化液を透明サイダー瓶に充填し、レトルト殺菌により121℃、10分間の加熱殺菌処理を行い、表3〜7に記載する流動食1〜25を得た。
得られた流動食の評価は以下の基準で行った。
目視観察の評価基準
得られた流動食の目視観察により凝集と分離の状態をそれぞれ5点〜1点で評価し、各点数の合計点を10点〜2点まで9段階により耐酸耐熱性を評価した。
5:凝集または分離が全くなく極めて良好であった。
4:凝集または分離がなく良好であった。
3:凝集または分離がほとんどなかった。
2:凝集または分離が発生し、不良であった。
1:凝集または分離が非常に多く発生し、不良であった。
試験例1記載の流動食の風味評価は20名のパネラーによる官能検査を実施し、以下の基準により評価した。
10:20名中、20名が乳化剤の風味を全く感じることなく、大変おいしいと評価した。
9:20名中、19名または18名が乳化剤の風味を感じることなく、大変おいしいと評価した。
8:20名中、17名または16名が乳化剤の風味を感じることなく、大変おいしいと評価した。
7:20名中、15名または14名が乳化剤の風味を感じることなく、大変おいしいと評価した。
6:20名中、13名または12名が乳化剤の風味を感じることなく、大変おいしいと評価した。
5:20名中、11名または10名が乳化剤の風味を感じることなく、大変おいしいと評価した。
4:20名中、9名または8名が乳化剤の風味を感じることなく、大変おいしいと評価した。
3:20名中、7名または6名が乳化剤の風味を感じることなく、大変おいしいと評価した。
2:20名中、5名または4名が乳化剤の風味を感じることなく、大変おいしいと評価した。
1:20名中、3名以下が乳化剤の風味を感じることなく、大変おいしいと評価した。
Claims (3)
- 環状体含有量が25%以下であるポリグリセリンとステアリン酸とがエステル化されたポリグリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とする流動食用の耐酸耐熱性向上剤。
- 請求項1記載のポリグリセリン脂肪酸エステルがジエステルであることを特徴とする請求項1記載の流動食用の耐酸耐熱性向上剤。
- 請求項1または2記載の流動食用の耐酸耐熱性向上剤を含有することを特徴とする流動食。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114452909A (zh) * | 2022-02-10 | 2022-05-10 | 晨光生物科技集团股份有限公司 | 一种高稳定性辣椒红粉末及其制备方法 |
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JPH07185294A (ja) * | 1993-12-27 | 1995-07-25 | Nisshin Oil Mills Ltd:The | 乳化剤、可溶化剤または分散剤 |
JPH08205771A (ja) * | 1995-01-31 | 1996-08-13 | Nippon Oil & Fats Co Ltd | 油脂含有水溶性組成物およびこれを含有する飲食品 |
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2009
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CN114452909B (zh) * | 2022-02-10 | 2023-03-28 | 晨光生物科技集团股份有限公司 | 一种高稳定性辣椒红粉末及其制备方法 |
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