JP2011007393A - 貯湯式給湯システムとコージェネレーションシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の貯湯式給湯システム10は、貯湯タンク14と、熱源機68と、貯湯タンク14と熱源機70の間で温水を循環させる循環経路76と、貯湯タンク14に給水する給水経路24と、貯湯タンク14から給湯する給湯経路24と、制御手段146を備えている。熱源機70はファン71を備え、ファン71の単位時間当たりの回転数の増加に伴って単位時間当たりの加熱量が増加するように調整されている。制御手段146は、ファン71の単位時間当たりの回転数には制限を加えない通常運転モードと、ファン71の単位時間当たりの回転数を所定の騒音基準回転数を超えない回転数に制限する静音運転モードを備えており、いずれかの運転モードを選択して実行する処理手段を備えていることを特徴とする。
【選択図】図3
Description
給湯運転時には、貯湯タンクから温水を送り出し、冷水と混合し、予め設定されている温度に調温された温水を給湯する。給湯運転したために貯湯タンクに貯湯している温水の温度が低下した時には、循環経路に温水を循環させて熱源機で加熱する。
この型式の貯湯式給湯システムは、熱源機以外の熱源で加熱した温水を貯湯タンクに貯湯しておくシステムと併用するときに特に有用である。例えば発電時に発生する熱で加熱した温水を貯湯タンクに貯湯しておく場合、あるいは太陽熱で加熱した温水を貯湯タンクに貯湯しておく場合等に特に有用である。
熱源機は、燃焼用空気を供給するファンを備えており、ファンの単位時間当たりの回転数の増加に伴って単位時間当たりの加熱量が増加する特性を備えている。
制御手段は、第1開始条件を満たした時に熱源機の運転を開始し、運転中のファンの単位時間当たりの回転数に制限を加えない通常運転モードと、第2開始条件を満たした時に熱源機の運転を開始し、運転中のファンの単位時間当たりの回転数を騒音基準回転数を超えない回転数に制限する静音運転モードを備えており、いずれかの運転モードを選択して実行する処理手段を備えている。
通常運転モードで実行する単位時間当たりの回転数に制限を加えないファンの運転状態は、ファンの単位時間当たりの回転数をファンの能力の最大回転数で維持する状態と、ファンの単位時間当たりの回転数をファンの能力の範囲内で変動させる状態のいずれも含む。
静音運転モードで実行する単位時間当たりの回転数を騒音基準回転数を超えない回転数に制限するファンの運転状態とは、ファンの単位時間当たりの回転数を騒音基準回転数を超えない回転数に維持して運転する状態と、ファンの単位時間当たりの回転数の上限を騒音基準回転数とし、その回転数を超えない範囲内で回転数を変動させる状態のいずれも含む。
騒音基準回転数とは、ファンの単位時間当たりの回転数のうち、騒音が発生しない範囲の最大の回転数を言う。
通常運転モードでは、ファンの単位時間当たりの回転数に制限を加えずに熱源機を運転する。必要な加熱量を得ることができ、短時間で貯湯タンク内の温水温度を上昇させる。湯切れ現象の発生を防止できる。静音運転モードでは、ファンの単位時間当たりの回転数の上限を騒音基準回転数を超えないように制限して熱源機を運転する。本発明の貯湯式給湯システムを静音運転モードで運転させると、熱源機の運転に伴う騒音の発生を防止することができる。ファン回転数を制約するので、加熱量が不足することがあり、貯湯タンク内の温水温度を上昇させるのに時間を要することになる。静音運転モードでの熱源機の運転を開始する第2開始条件を適当に設定することによって、湯切れ現象の発生を防止できる。騒音の発生と湯切れの発生をともに防止することができる。
ここで、所定温度を下回ることとは、所定温度以下になることと所定温度より低くなることのいずれも含む。以下同様とする。
上記貯湯式給湯システムによると、通常運転モードと静音運転モードとで、熱源機の運転開始の基準となる貯湯タンク内の温水の温度を検出する位置が異なる。通常運転モードにおける運転を開始する温度検出位置(第1位置)は、静音運転モードにおける運転を開始する温度検出位置(第2位置)より高い位置にある。一方、熱源機の運転開始の基準となる開始温度は、2つの運転モード間で共通している。
上記システムでは、静音運転モードでは、第1位置より低い第2位置での温水温度が所定温度を下回った時に熱源機を運転させる。静音運転モードは、通常運転モードより早いタイミングで熱源機の運転を開始する。静音運転モードでは、熱源機の単位時間当たりの加熱量(火力)は通常運転モードより小さくなるものの、通常運転モードに比べて早期に温水の加熱を開始させるため、利用者の給湯要求に十分に応じられるだけの温度の温水を貯湯タンク内に蓄えることが可能になる。騒音の発生を抑えながらも利用者の給湯要求に十分応じられる運転を行うことができる。
静音運転モードでは、貯湯タンク内の所定位置における温水の温度が、第1開始温度より高い第2開始温度を下回った場合に熱源機の運転を開始させる。従って、静音運転モードでは、通常運転モードより早いタイミングで熱源機の運転が開始される。この場合も、上記の場合同様に、静音運転モードでは、通常運転モードに比べて早期に貯湯タンク内の温水の加熱を開始するため、騒音の発生を抑えながら、利用者の給湯要求に十分に応じられるだけの温度の温水を貯湯タンク内に蓄えることが可能になる。
本システムの静音運転モードの場合、より早いタイミングで熱源機の運転が開始される。そのため、騒音の発生を抑えながら、利用者の給湯要求に十分に応じられるだけの温度の温水を貯湯タンク内に一層蓄えやすくなる。
(特徴1)静音運転モードの実行中に給湯運転が行われた場合、給湯要求された温水温度と出湯量によっては、貯湯タンクから給湯に伴って流出する熱量が、循環経路から貯湯タンクに流入する熱量より大きくなってしまう場合がある。その場合、貯湯タンク内の温水が不足して給湯不能となってしまうことがある。温水が不足して給湯不能となることを湯切れという。
本発明の貯湯式給湯システムにおける制御手段は、静音運転モードでの運転中に上記湯切れが起こった場合に、
静音運転モードにおける熱源機の単位時間当たりの加熱量に応じて、貯湯タンクから給湯する温水の単位時間当たりの出湯量を制限し、貯湯タンクから給湯に伴って流出する単位時間当たりの熱量を小さくする静音優先モードと、
静音運転モードを解除して通常運転モードに切り換えて、熱源機の単位時間当たりの加熱量を上げ、貯湯タンクに流入する単位時間当たりの熱量を大きくする能力優先モードを備えており、指示された側のモードを選択して実行する処理手段を備える。
ここで、貯湯タンクから流出する熱量は(出湯温度−給水温度)×出湯流量で求められる。また、貯湯タンクに流入する熱量は(循環経路の出口温度−循環経路の入口温度)×循環流量で求められる。
(特徴2)本発明の貯湯式給湯システムにおけるファンの騒音基準回転数は、5000rpmである。
(特徴3)本発明の貯湯式給湯システムでは、貯湯タンク内の深さ方向複数箇所の温水の温度を検出する複数のタンク内温度検出手段と、
給水経路の水温を検出する給水温度検出手段をさらに備えており、
制御手段は、風呂の湯張り運転が開始された場合に、複数のタンク内温度検出手段で検出された温度と給水温度検出手段で検出された温度と貯湯タンク内の温水量から、貯湯タンク内の温水の熱量を計算する処理手順と、給湯要求された温水の温度及び温水量と給水温度検出手段で検出された温度から、給湯に伴って要求された熱量を計算する処理手順を実行し、
貯湯タンク内の温水の熱量が、湯張りに伴って給湯要求された熱量を上回るまで熱源機を通常運転モード又は静音運転モードで運転させる。
本発明を具現化した貯湯式給湯システムを組み込んだコージェネレーションシステムの第1実施例について説明する。
図1は、本実施例に係るコージェネレーションシステムの構成を示す図である。図1に示すように、コージェネレーションシステムは、給湯ユニット10と、発電ユニット150と、熱負荷108を備えている。発電ユニット150は、いわゆる燃料電池である。
コントローラ146は、制御プログラムを記憶している。コントローラ146には、リモコン148の操作信号と、以下で説明する各流量センサの検出信号と、各サーミスタの検出信号等が入力される。コントローラ146は、入力された信号と、記憶している制御プログラムに基づいて、以下に説明する各種ポンプ、各種弁、バーナ等の動作を制御する。リモコン148には、運転スイッチ、給湯温度設定スイッチ、風呂湯張りスイッチ、静音運転モード設定スイッチ、風呂追い焚きスイッチ、風呂湯張りスイッチ等の各種スイッチが設けられている。また、本実施例では、このリモコン148を操作することで、後述する静音運転モードと通常運転モードの選択、静音運転モードにおける静音優先モードと能力優先モードの選択等の各種運転モードの設定を行うことができる。
減圧弁26は、給水圧力を調整するものである。減圧弁26は、下流側圧力が所定値を下回ると開弁する。後述する給湯栓44が開かれると、減圧弁26が開弁して貯湯タンク14や混合経路36に水道水が給水される。減圧弁26により、本来高圧である水道水の給水圧力が減圧され、貯湯タンク14が損傷しない程度の給水圧力に調整される。
給水サーミスタ28は、給水される水道水の温度を検出する。給湯水量センサ30は、給水される水道水の流量を検出する。給水サーミスタ28と給湯水量センサ30の検出信号は、コントローラ146に出力される。
給湯水量サーボ32は、ステッピングモータを内蔵する電動型の流量調整弁である。給湯水量サーボ32の開度は、コントローラ146によって制御される。コントローラ146は、給湯水量サーボ32の開度を制御することによって、外部から給湯ユニット10に給水される水道水の流量を調整する。
混合サーボ34は、ステッピングモータを内蔵する電動型の混合弁である。コントローラ146は、混合サーボ34の開度を制御することによって、外部から給湯ユニット10に給水された水道水のうち、貯湯タンク14側へ流れる流量と、混合経路36側へ流れる流量の割合を調整する。貯湯タンク14側に流れた水道水は貯湯タンク14に流入し、同じ量だけ貯湯タンク14から給湯経路46に温水が流出する。混合経路36側へ流れた水道水は、給湯経路46を流れる温水に混合される。混合サーボ34は、給湯経路46を流れる温水に水道水を混合するとともに、給湯経路46を流れる温水に対して混合する水道水の比を調整する。
給水経路24には、混合サーボ34の下流側に、排水経路38が接続されている。排水経路38に、圧力開放経路42が接続されている。圧力開放経路42は、コージェネレーションシステムの外部に開放されている。排水経路38には、排水弁40が設けられている。排水弁40の開閉は手動で行う。排水弁40が開かれると、貯湯タンク14内の温水が排水経路38を経て排水される。
バーナ70は、可燃性ガスを燃焼させる。ファン71は、バーナ70に燃焼用空気を供給する。バーナ70は、ファン71の単位時間当たりの回転数の増加に伴って単位時間当たりの加熱量が増加する特性を備えている。ファン71の単位時間当たりの回転数は、コントローラ146によって制御されている。本実施例では、静音運転モードが設定されている場合には、コントローラ146は、ファン71の単位時間当たりの回転数を騒音基準回転数を超えない回転数とし、騒音基準回転数を超えない範囲内で単位時間当たりのファン回転数を制御する。この場合、バーナ70の単位時間当たりの加熱量は、ファン71を騒音基準回転数で回転させた場合の加熱量を超えない範囲内で、ファン71の単位時間当たりの回転数の変動に伴って変動する。もっとも、本実施例では、ファン71は、バーナ70による加熱後の温水の温度(バーナ出口サーミスタ88の検出温度)がその許容温度を超える温度にならない限りは、騒音基準回転数を超えない回転数を維持して運転を行うように制御される。前記バーナ出口サーミスタ88の検出温度の許容温度は任意とすることができ、例えば80℃とすることができる。
一方、通常運転モードが設定されている場合には、コントローラ146は、ファン71の単位時間当たりの回転数に静音運転モードのような制限を加えず、ファン71の能力の範囲内で変動できるように制御する。
ここで、騒音基準回転数とは、ファンの単位時間当たりの回転数のうち、騒音が発生しない範囲の最大の回転数を言う。本実施例での騒音基準回転数は、例えば5000rpmであるが、この値に限られるものではない。
潜熱熱交換器72は、バーナ70で発生する燃焼排ガスの熱によって、バーナ循環経路76内の温水を予備加熱する。顕熱熱交換器74は、バーナ70の燃焼熱によって、バーナ循環経路76内の温水を再加熱する。
潜熱熱交換器72には、ドレンを排出又は回収するためのドレン経路92が接続されている。ドレン経路92には、中和器94が設けられている。中和器94内には、炭酸カルシウムが充填されている。潜熱熱交換器72で発生した酸性のドレンは、中和器94を通過することによって、pH6から7に中和される。ドレン経路92の他端は、圧力開放経路42に接続されている。中和されたドレンは、ドレン経路92から圧力開放経路42を通じて、外部に排出される。
バーナ循環往路76aは、貯湯タンク14の中間部(第1タンクサーミスタ16と第2タンクサーミスタ18との中間)と、潜熱熱交換器72の上流端とを接続している。バーナ循環往路76aには、バーナ入口サーミスタ81と、バーナ循環ポンプ80と、バーナ循環流量センサ82と、バーナ循環流量サーボ84が設けられている。バーナ入口サーミスタ81は、バーナ循環往路76aを流れる温水の温度を検出する。バーナ入口サーミスタ81は、貯湯タンク14の近傍に配置されている。バーナ入口サーミスタ81が検出する温度は、貯湯タンク14からバーナ循環往路76aに流出する温水の温度に実質的に等しい。バーナ入口サーミスタ81の検出信号は、コントローラ146に出力される。バーナ循環ポンプ80は、バーナ循環経路76内の温水を循環させる。バーナ循環ポンプ80の動作は、コントローラ146によって制御される。バーナ循環流量センサ82は、バーナ循環経路76を流れている温水の流量を検出する。バーナ循環流量センサ82が検出する流量は、貯湯タンク14からバーナ循環往路76aに流出している温水の流量およびバーナ循環復路76bから貯湯タンク14に流入している温水の流量に実質的に等しい。バーナ循環流量センサ82の検出信号は、コントローラ146に出力される。
バーナ循環流量サーボ84はステッピングモータを内蔵しており、ステッピングモータを駆動することによってその開度を調整することができる流量調整弁である。バーナ循環流量サーボ84の開度はコントローラ146によって制御される。コントローラ146は、バーナ循環流量サーボ84の開度を調整することによって、バーナ循環経路76を流れる温水の流量を調整する。なお、バーナ循環経路76を流れる温水の流量を調整するにあたっては、バーナ循環流量サーボ84の開度を調整することに代えて、バーナ循環ポンプ80の回転数を調整する構成としてもよい。
圧力逃がし弁48は、各流路内及び貯湯タンク14内の圧力が所定値以上となったときに開弁し、各流路内及び貯湯タンク14内の高圧の空気を外部に逃がすことができ、各流路内及び貯湯タンク14内の圧力が過剰に上昇することを防止する。圧力逃がし弁48の出口側は、圧力開放経路42に接続されている。圧力逃がし弁48は、上記の場合に開弁するほか、手動で開弁させることもできる。
温水電磁弁50は、コントローラ146によって開閉される。コントローラ146は、給湯水量センサ30の検出流量に基づいて給湯の開始/終了を判断する。給湯動作開始のために給湯栓44が開かれると、給水経路24内に流入した水が混合経路36を通り、給湯経路46を通って給湯栓44から出る。このときの給湯水量センサ30の検出流量が所定値以上となると、コントローラ146は給湯が開始されたと判断し、温水電磁弁50を開弁する。温水電磁弁50が開弁されると、給水経路24内に流入した水は貯湯タンク14にも供給されるようになる。給湯栓44が閉じられて、給湯水量センサ30の検出流量が所定値以下になると、コントローラ146は給湯が終了したと判断して温水電磁弁50を閉弁する。
高温サーミスタ52は、混合経路36の接続位置よりも上流側の位置において、給湯経路46を流れる温水の温度を検出する。高温サーミスタ52が検出する温度は、貯湯タンク14から給湯経路46に流出した温水の温度に実質的に等しい。
負圧作動弁53は、断水時に階下給湯が行われた場合のように、給湯経路46内及び貯湯タンク14内が負圧になる場合に作動し、給湯経路46内に空気を入れて貯湯タンク14の負圧による破壊を防止する。
出湯サーミスタ54は、混合経路36の接続位置よりも下流側の位置において、給湯経路46を流れる温水の温度を検出する。出湯サーミスタ54は、貯湯タンク14からの温水と混合経路36からの水道水との混合水の温度を検出する。高温サーミスタ52と出湯サーミスタ54の検出信号は、コントローラ146に出力される。
この浴槽128と湯張り経路140を含む風呂装置では、図示しない風呂用熱交換器と風呂循環経路を備え、バーナ部68で加熱された温水を風呂用熱交換器に供給して浴槽内の温水の追い焚きを行う追い焚き運転を行うこともできる。
熱回収循環経路56は、貯湯タンク14から熱回収用熱交換器154へ向かう熱回収循環往路56aと、熱回収用熱交換器154から貯湯タンク14へ向かう熱回収循環復路56bを備えている。
熱回収循環往路56aは、貯湯タンク14の下部(詳しくは底部)と、熱回収用熱交換器154の上流端とを接続している。熱回収循環往路56aには、熱回収循環ポンプ58と、熱回収流量センサ59と、循環往路サーミスタ60が設けられている。
熱回収循環ポンプ58は、熱回収循環経路56内の温水を循環させる。熱回収循環ポンプ58の動作は、コントローラ146によって制御される。熱回収流量センサ59は、熱回収循環経路56を流れている温水の流量を検出する。循環往路サーミスタ60は、熱回収循環往路56aを流れる温水の温度を検出する。熱回収流量センサ59の検出信号、及び、循環往路サーミスタ60の検出信号は、コントローラ146に出力される。
熱回収循環復路56bは、熱回収用熱交換器154の下流端と、貯湯タンク14の上部(詳しくは天井部)とを接続している。熱回収循環復路56bには、循環復路サーミスタ62が設けられている。循環復路サーミスタ62は、熱回収用熱交換器154を通過した後の温水の温度を検出する。循環復路サーミスタ62の検出信号はコントローラ146に出力される。
また、上記浴槽128と湯張り経路140を含む風呂装置では、バーナ部68で加熱された温水の熱を液々熱交換器を介して図示しない風呂用熱交換器に供給して浴槽内の温水の追い焚きを行う追い焚き運転を行うこともできる。
図2を参照して蓄熱運転について説明する。図2は、蓄熱運転におけるコージェネレーションシステムの動作の概要を示す。蓄熱運転では、図2中に太線で示す経路内を温水や熱媒が流通する。
発電ユニット150の発電運転に伴って発生した発電熱によって、熱媒循環経路152内を循環する熱媒が加熱される。一方、給湯ユニット10では、熱回収循環ポンプ58が駆動され、貯湯タンク14内の温水が熱回収循環経路56を通って循環する。貯湯タンク14から熱回収循環往路56aには、貯湯タンク14の底部から比較的に温度の低い温水が流出する。貯湯タンク14から熱回収循環往路56aに流出した温水は、熱回収用熱交換器154を通過する間に、熱媒循環経路152内を循環する熱媒の熱によって加熱される。加熱された温水は熱回収循環復路56bを経て貯湯タンク14の天井部へ戻される。貯湯タンク14内の温水は上部から昇温していく。このように、コージェネレーションシステムでは、発電ユニット150が発電に伴って発生した発電熱を、貯湯タンク14内に蓄熱していく。貯湯タンク14内に蓄熱された熱は、後述する給湯運転、暖房運転、風呂湯張り運転、風呂追焚き運転によって消費される。
一方において、発電ユニット150の発電熱を蓄熱するだけでは、貯湯タンク14の温水を十分に加熱できない場合がある。この場合、次に説明する加熱運転が実施される。
図3、図4を参照して加熱運転について説明する。図3は、加熱運転によるコージェネレーションシステムの動作の概要を示す。加熱運転では、図3中に太線で示す経路内を温水が流通する。図4は、加熱運転のフローチャートである。図4に示すフローに沿って、加熱運転における処理の流れを説明する。
ステップS2では、コントローラ146は、リモコン148で設定されている運転モードが静音運転モードであるか否か判別する。設定されている運転モードが静音運転モードである場合、ステップS2でYESと判別される。この場合はステップS4へ進む。一方、設定されている運転モードが通常運転モードである場合、ステップS2でNOと判別される。この場合はステップS14へ進む。
第1タンクサーミスタ16の検出温度が、前記給湯設定温度に5℃を加算した温度以下であった場合(S4:YES)、コントローラ146は加熱運転が必要であると判断する。この場合、ステップS6に進む。
一方、第1タンクサーミスタ16の検出温度が、前記給湯設定温度に5℃を加算した温度を超えていた場合(S4:NO)、貯湯タンク14内の温水温度は十分に高く、加熱運転は必要ないと判断する。この場合、加熱運転は実施されない。コントローラ146は、このステップS4の判別を定期的に行っている。
加熱運転の開始条件となる温水の温度は、前記温度には限られず、任意の温度とすることができる。従って、例えば第1タンクサーミスタ16の検出温度が、リモコン148によって設定されている給湯設定温度以下の温度となった場合に加熱運転を開始させるようにすること等もできる。
続くステップS8では、コントローラ146によって、バーナ70が点火される。このとき、ファン71の単位時間当たりの回転数の上限は、コントローラ146によって、前述した騒音基準回転数を超えない回転数に制限される。従って、ファン71の振動音や風切り音が騒音に値するレベルの音量になることはない。この場合、バーナ70の単位時間当たりの加熱量の最大値も、上記ファン71の単位時間の回転数の制限に伴って制限される。なお、本実施例では、バーナ70による加熱後の温水の温度(バーナ出口サーミスタ88の検出温度)がその許容温度を超える温度にならない限りは、騒音基準回転数を超えない回転数を維持してファン71が運転されるようにコントローラ146で制御されている。バーナ70の点火により、貯湯タンク14からバーナ循環往路76aに流入した温水が、バーナ部68で加熱された後に、貯湯タンク14の天井部に戻される。貯湯タンク14内の温水は上部から昇温していく。バーナ70とファン71の運転が開始されると、ステップS10に進む。
第1タンクサーミスタ16の検出温度が、前記給湯設定温度に10℃を加算した温度以上であった場合(S10:YES)、コントローラ146は貯湯タンク14内の温水が十分に加熱されたと判断する。この場合、ステップS12に進む。
一方、第1タンクサーミスタ16の検出温度が、前記給湯設定温度に10℃を加算した温度より小さい場合(S10:NO)、コントローラ146は引き続き静音運転モードで加熱運転を継続させる。
ステップS12では、コントローラ146によって、バーナ70が消火され、ファン71の運転が停止され、バーナ循環ポンプ80が停止され、加熱運転が終了する。加熱運転によって、貯湯タンク14の少なくとも第1タンクサーミスタ16より上部には、給湯設定温度に10℃を加算した温度以上に加熱された温水が確保される。
なお、上記加熱運転の終了条件となる温水の温度は、前記温度には限られず、任意の温度とすることができる。従って、例えば第1タンクサーミスタ16の検出温度が、リモコン148によって設定されている給湯設定温度を1℃でも上回った場合に加熱運転を終了させるようにすることや、給湯設定温度にかかわらず所定の温度を上回った場合に加熱運転を終了させるようにすること等もできる。もっとも、安全性の確保の観点より、加熱運転の終了条件となる温水温度は75℃〜80℃程度を上限とすることが好ましい。
ステップS14では、コントローラ146は、貯湯タンク14に設けられたタンク上サーミスタ15の検出温度が、リモコン148によって設定されている給湯設定温度に5℃を加算した温度以下か否かを判別する。
タンク上サーミスタ15の検出温度が、前記給湯設定温度に5℃を加算した温度以下であった場合(S14:YES)、コントローラ146は加熱運転が必要であると判断し、ステップS16に進む。
一方、タンク上サーミスタ15の検出温度が、前記給湯設定温度に5℃を加算した温度を超えていた場合(S14:NO)、貯湯タンク14内の温水温度は十分に高く、加熱運転は必要ないと判断する。この場合、加熱運転は実施されない。コントローラ146は、このステップS14の判別も定期的に行っている。
上記静音運転モードの場合と同様に、加熱運転の開始条件となる温水の温度は前記温度には限られず、任意の温度とすることができる。
続くステップS18では、コントローラ146によって、バーナ70が点火される。通常運転モードでは、コントローラ146は、ファン71の単位時間当たりの回転数に上記静音運転モードのような制限を加えず、ファン71の能力の範囲内で変動させられるように制御する。バーナ70の単位時間当たりの加熱量も、ファン71の単位時間当たりの回転数の変動に伴って変動する。本実施例では、バーナ70による加熱後の温水の温度(バーナ出口サーミスタ88の検出温度)がその許容温度を超える温度にならない限りは、ファン71の単位時間当たりの回転数を最大にして運転されるようにコントローラ146で制御されている。バーナ70の点火により、貯湯タンク14からバーナ循環往路76aに流入した温水が、バーナ部68で加熱された後に、貯湯タンク14の天井部に戻される。貯湯タンク14内の温水は上部から昇温していく。バーナ70とファン71の運転が開始されると、ステップS20に進む。
タンク上サーミスタ15の検出温度が、前記給湯設定温度に10℃を加算した温度以上であった場合(S20:YES)、コントローラ146は貯湯タンク14内の温水が十分に加熱されたと判断する。この場合、ステップS22に進む。
一方、タンク上サーミスタ15の検出温度が、前記給湯設定温度に10℃を加算した温度より小さい場合(S20:NO)、コントローラ146は引き続き加熱運転を継続させる。
ステップS22では、コントローラ146によって、バーナ70が消火され、ファン71の運転が停止され、バーナ循環ポンプ80が停止され、加熱運転が終了する。加熱運転によって、貯湯タンク14の少なくともタンク上サーミスタ15より上部には、給湯設定温度に10℃を加算した温度以上に加熱された温水が確保される。
なお、上記加熱運転の終了条件となる温水の温度も、前記温度には限られず、任意の温度とすることができる。もっとも、本実施例の貯湯タンク14の保全の観点より、加熱運転の終了条件となる温水温度は75℃〜80℃程度を上限とすることが好ましい。
上記静音運転モードと通常運転モードにおける加熱運転について、図5を参照して、その具体的な事例について比較しながら詳細に説明する。
図5は、給湯設定温度が50℃の場合において、静音運転モードによる加熱運転が行われた場合と通常運転モードによる加熱運転が行われた場合の、タンク上サーミスタ15と第1タンクサーミスタ16の検出温度を表す図である。図5(a)が静音運転モードによる加熱運転が行われた場合を示し、図5(b)が通常運転モードによる加熱運転が行われた場合を示す。図5(a)(b)におけるグラフの縦軸は温度〔℃〕を示し、横軸は時間〔min〕を示す。図5(a)(b)において破線で示される値はタンク上サーミスタ15の検出温度を示し、実線で示される値は第1タンクサーミスタ16の検出温度を示す。
本例の静音運転モードでは、第1タンクサーミスタ16の検出温度が給湯設定温度の50℃に5℃を加算した55℃以下になる時点(図中A)でバーナ70を点火し、加熱を開始する。
一方、本例の通常運転モードでは、第1タンクサーミスタ16より高い位置にあるタンク上サーミスタ15(図3参照)の検出温度が給湯設定温度の50℃に5℃を加算した55℃以下になる時点(図中C)でバーナ70を点火し、加熱を開始する。
静音運転モードと通常運転モードの両モードとも、バーナ70が点火される基準となる温水の温度(以下「開始温度」とする。)は55℃と共通するが、その開始温度を検出する位置が異なる。貯湯タンク14内の温水は、最上部が一番高温、最下部が一番低温となる温度成層を形成するため、同じ時点での貯湯タンク14内では、第1タンクサーミスタ16より高い位置にあるタンク上サーミスタ15の検出温度が高温となる。
第1タンクサーミスタ16の検出温度が55℃以下となった場合にバーナ70を点火する静音運転モードは、タンク上サーミスタ15の検出温度が55℃以下となった場合にバーナ70を点火する通常運転モードより点火のタイミングが早い。即ち、静音運転モードでは、貯湯タンク14内に(通常運転モードに比べて)高温の温水が貯湯されている状態であっても、早めにバーナ70を点火する。
本例の静音運転モードでは、上記Aの時点でバーナ70が点火される。このとき、ファン71の単位時間当たりの回転数の上限は騒音基準回転数を超えない回転数に制限されるため、ファン71の振動音や風切り音による騒音が発生しなくなる。その一方で、バーナ70の単位時間当たりの加熱量はファン71の単位時間当たりの回転数にあわせた加熱量に制限される。
本例の通常運転モードでは、上記Cの時点でバーナ70が点火される。ファン71の単位時間当たりの回転数には上記静音運転モードのような制限が加えられないので、ファン71の単位時間当たりの回転数を最大にして運転させることができる。それに伴って、バーナ70の単位時間当たりの加熱量も最大にして運転させることができる。そのため、単位時間当たりの温度上昇幅は静音運転モードの場合に比べて大きくなる。
即ち、静音運転モードはバーナ70の単位時間当たりの最大の加熱量が制限される関係上、目標とする温度に達するまでに通常運転モードに比べて長時間を要する。図5中のT1、T2に示すように、静音運転モードでは、通常運転モードより長時間バーナ70が運転されることとなる。
本例の静音運転モードでは、第1タンクサーミスタ16の検出温度が給湯設定温度の50℃に10℃を加算した60℃以上になる時点(図中B)でバーナ70を消火し、加熱を終了する。
一方、本例の通常運転モードでは、タンク上サーミスタ15の検出温度が給湯設定温度の50℃に10℃を加算した60℃以上になる時点(図中D)でバーナ70を消火し、加熱を終了する。
上記加熱運転開始の場合と同様に、静音運転モードと通常運転モードの両モードとも、バーナ70が消火される基準となる温水の温度(以下「終了温度」とする。)は60℃と共通するが、その開始温度を検出する位置が異なる。第1タンクサーミスタ16の検出温度が60℃以上となった場合にバーナ70を消火する静音運転モードは、タンク上サーミスタ15の検出温度が60℃以上となった場合にバーナ70を消火する通常運転モードより消火のタイミングが遅い。即ち、静音運転モードでは、貯湯タンク14内に(通常運転モードに比べて)より高温の温水がより多く貯湯されるまでバーナ70を運転させる。
静音運転モードの終了時には、貯湯タンク14内の第1タンクサーミスタ16位置より高い位置には60℃を上回る温度の温水が貯湯されることになる。一方、通常運転モードの終了時には、貯湯タンク14内のタンク上サーミスタ15より高い位置に60℃を上回る温度の温水が貯湯される。即ち、静音運転モードでの加熱運転終了時点で貯湯タンク14内に蓄えられた熱量は、通常運転モードでの加熱運転終了時点で貯湯タンク14内に蓄えられた熱量よりも大きくなる。上記のようにして、静音運転モードでは、騒音の発生を抑えながらも利用者の給湯要求に十分応じられる熱量を貯湯タンク14内に蓄える。
図6、図7を参照して給湯運転について説明する。図6は、給湯運転におけるコージェネレーションシステムの動作の概要を示している。給湯運転では、図6中に太線で示す経路内を温水が流通する。図7は、給湯運転のフローチャートである。図7に示すフローに沿って、給湯運転における処理の流れを説明する。
ステップS30では、コントローラ146によって、給湯水量センサ30の検出水量が、所定のオン水量以上か否かが判別される。給湯動作開始のために給湯栓44が開かれると、給水経路24内に流入した水が混合経路36を通り、給湯経路46を通って給湯栓44から出る。このときの給湯水量センサ30の検出流量が所定のオン水量以上となると、(S30:YES)、コントローラ146は、給湯栓44が開かれて給湯要求があったものと判断し、ステップS32へ進む。一方、給湯水量センサ30の検出流量がオン水量以上でなかった場合(S30:NO)、コントローラ146は給湯栓44が開かれて給湯要求があったものとは判断しない。前記オン水量は、例えば2.7リットル/minとすることができる。
次に、ステップS34では、コントローラ146によって、加熱運転中であるのか否かが判別される。ここにいう加熱運転とは、先に説明したバーナ部68による加熱運転をいう。コントローラ146によって、加熱運転中と判断された場合(S34:YES)、ステップS36に進む。コントローラ146によって加熱運転中でないと判断された場合(S34:NO)、貯湯タンク14の少なくとも上部には、給湯設定温度を賄い得る温度の温水が貯湯されていることとなるため、ステップS50に進み、給湯栓44が閉められるまで給湯を行う。なお、この場合も、リモコン148によって静音運転モードが設定されている場合には、第1タンクサーミスタ16の検出温度が給湯設定温度に5℃を加算した温度以下となった場合に静音運転モードによる加熱運転が随時開始される。同様に、リモコン148によって通常運転モードが設定されている場合には、タンク上サーミスタ15の検出温度が給湯設定温度に5℃を加算した温度以下となった場合に通常運転モードによる加熱運転が随時開始される。
高温サーミスタ52の検出温度が、給湯設定温度に5℃を加算した温度以下であった場合(S38:YES)、コントローラ146は、貯湯タンク内の温水が不足して給湯不能となっていると判断する。この場合、ステップS40に進む。このように、温水が不足して給湯不能となることを湯切れという。湯切れが起こっている状態では、貯湯タンクから給湯に伴って流出する熱量が、循環経路から貯湯タンクに流入する熱量より大きくなっている。ここで、流出する熱量は、(出湯サーミスタ54の検出温度−給水サーミスタ28の検出温度)×給湯水量センサ30の検出流量で表される。また、貯湯タンク14に流入する熱量は、(バーナ出口サーミスタ88の検出温度−バーナ入口サーミスタ81の検出温度)×バーナ循環流量センサ82の検出流量で表される。
高温サーミスタ52の検出温度が、給湯設定温度に5℃を加算した温度を上回っている場合、貯湯タンク14からは、給湯設定温度を賄い得る温度の温水が出湯されていることとなるため、ステップS50に進み、給湯栓44が閉められるまで給湯を行う。なお、この場合も、高温サーミスタ52の検出温度が給湯設定温度に5℃を加算した温度以下となった場合は、随時以下に説明するステップS40以降の処理を行う。
ステップS46では、コントローラ146は、上記ステップS42において給湯流量を減少させた状態で、高温サーミスタ52の検出温度が、給湯設定温度に5℃を加算した温度以下となっているか否かを判別する。高温サーミスタ52の検出温度が給湯設定温度に5℃を加算した温度を上回っていれば(S46:NO)湯切れ状態が解消されたとして、ステップS48へ進む。ステップS48では、コントローラ146は、上記ステップS42で減少させた給湯流量を使用者が当初要求していた給湯流量に戻すように調整する。このステップS48の調整を行うと、ステップS38に戻る。高温サーミスタ52の検出温度が、給湯設定温度に5℃を加算した温度以下の場合(S46:YES)、ステップS50に進む。
また、上記ステップS44の調整を行った後に、必要に応じて給湯流量を制限する調整を行うこともできる。その場合は湯切れ状態を一層解消しやすくなる。
図8、図9を参照して風呂の湯張り運転について説明する。図8は、湯張り運転におけるコージェネレーションシステムの動作の概要を示している。湯張り運転では、図8中に太線で示す経路内を温水が流通する。図9は、湯張り運転のフローチャートである。図9に示すフローに沿って、湯張り運転における動作の流れを説明する。
ステップS60では、コントローラ146によって、給湯リモコン148から湯張りのオン信号が出力されたか否かが判別される。給湯リモコン148は、風呂の湯張りスイッチが操作されると、コントローラ146に湯張りのオン信号を出力する。コントローラ146は、湯張りのオン信号を入力すると(S60:YES)、ステップS62の処理に進む。
ステップS62では、コントローラ146によって、湯張り弁144が開かれるとともに、温水電磁弁50が開かれる。それにより、貯湯タンク14内の上部に貯められていた温水が給湯経路46に送り出され、湯張り経路140を経て、浴槽128内に供給される。続くステップS64では、コントローラ146によって、湯張り量センサ142の検出流量の積算が開始される。
貯湯タンク内熱量は、貯湯タンク14に備えられた各サーミスタ15、16、18、20、22の各検出温度と、給水サーミスタ28が検出する給水温度と、貯湯タンク14内の温水量から計算される。また、要求熱量は、湯張り設定温水温度と、湯張り設定温水量と、給水サーミスタ28が検出する給水温度とから計算される。
Q1=(タンク上サーミスタ15検出温度−給水サーミスタ28検出温度)×貯湯タンク14の温水量の1/5、
Q2=(第1タンクサーミスタ16検出温度−給水サーミスタ28検出温度)×貯湯タンク14の温水量の1/5、
Q3=(第2タンクサーミスタ18検出温度−給水サーミスタ28検出温度)×貯湯タンク14の温水量の1/5、
Q4=(第3タンクサーミスタ20検出温度−給水サーミスタ28検出温度)×貯湯タンク14の温水量の1/5、
Q5=(第4タンクサーミスタ22検出温度−給水サーミスタ28検出温度)×貯湯タンク14の温水量の1/5、
Q=Q1+Q2+Q3+Q4+Q5、となる。
従って、例えば貯湯タンク14内の温水量が200リットル、タンク上サーミスタ15検出温度が65℃、第1タンクサーミスタ16検出温度が60℃、第2タンクサーミスタ18検出温度が35℃、第3タンクサーミスタ20検出温度が30℃、第4タンクサーミスタ22検出温度が25℃、給水サーミスタ28検出温度が20℃であった場合、貯湯タンク内熱量Q=(65−20)×40+(60−20)×40+(35−20)×40+(30−20)×40+(25−20)×40=4600〔kcal〕となる。
従って、例えば湯張り設定温水温度が40℃、湯張り設定温水量が250リットル、給水サーミスタ28検出温度が20℃であった場合、要求熱量Qd=(40−20)×250=5000〔kcal〕となる。
一方、貯湯タンク内熱量が要求熱量以上であった場合(S70:YES)コントローラ146は、貯湯タンク14内には風呂の湯張りに必要な熱量が蓄えられていると判断し、ステップS78に進み、湯張り量センサ142の検出流量の積算量が湯張り設定温水量に達するまで湯張りを行う。
貯湯タンク内熱量が依然として要求熱量より小さい場合(S76:NO)、コントローラ146は、貯湯タンク14内には風呂の湯張りに必要な熱量は蓄えられていないと判断し、貯湯タンク内熱量が要求熱量以上となるまで加熱運転を継続させる。
一方、貯湯タンク内熱量が要求熱量以上であった場合(S76:YES)コントローラ146は、貯湯タンク14内には風呂の湯張りに必要な熱量が蓄えられていると判断し、ステップS78に進む。なお、図示していないが、ステップS76でYESと判別された時点で、加熱運転を終了させることも継続させることも可能である。
ステップS80では、コントローラ146によって、温水電磁弁50及び湯張り弁144が閉じられる。以上により、湯張り運転は終了する。
上記した蓄熱運転、加熱運転、給湯運転、風呂湯張り運転に加えて、本実施例のコージェネレーションシステムは、前記図示しない暖房装置や、風呂追い焚き装置を用いた暖房運転、風呂追い焚き運転を行うことができる。
本発明を具現化した貯湯式給湯システムを組み込んだコージェネレーションシステムの第2実施例について説明する。本実施例のコージェネレーションシステムも、その基本的な構成及び動作は上記第1実施例のコージェネレーションシステムと共通する。
上記第1実施例では、静音運転モードと通常運転モードとで、加熱運転開始及び終了の基準となる貯湯タンク14内の温水の温度を検出する位置が第1タンクサーミスタ16とタンク上サーミスタ15とで異なる一方、加熱運転開始及び終了の基準となる温度は、2つの運転モード間で共通している。
しかし本実施例では、通常運転モードと静音運転モードとで、貯湯タンク14内の温水の温度を検出する位置(サーミスタ)を共通させる。例えば、タンク上サーミスタ15を基準とする。もっとも、基準とするサーミスタはこれには限られず、他のサーミスタであってもよい。
その一方で、静音運転モードでの加熱運転開始温度を、通常運転モードでの加熱運転開始温度より高くする。例えば、静音運転モードでは、タンク上サーミスタ15の検出温度が給湯設定温度に10℃を加算した温度以下となったときにバーナ70を点火し、通常運転モードでは、タンク上サーミスタ15の検出温度が給湯設定温度に5℃を加算した温度以下となったときにバーナ70を点火するようにする。
また、静音運転モードでの加熱運転終了温度も、通常運転モードでの加熱運転終了温度より高くする。例えば、静音運転モードでは、タンク上サーミスタ15の検出温度が給湯設定温度に15℃を加算した温度以上となったときにバーナ70を消火し、通常運転モードでは、タンク上サーミスタ15の検出温度が給湯設定温度に10℃を加算した温度以上となったときにバーナ70を消火するようにする。
なお、本実施例でも、上記加熱運転開始温度、加熱運転終了温度は前記温度には限られず、任意の温度とすることができる。もっとも、安全性の確保の観点より、貯湯タンク14内に貯湯される温水温度の上限が75℃〜80℃程度となる温度に設定することが好ましい。
本実施例における静音運転モードと通常運転モードにおける加熱運転について、図10を参照して、その具体的な事例について比較しながら説明する。
図10は、給湯設定温度が50℃の場合において、静音運転モードによる加熱運転が行われた場合と通常運転モードによる加熱運転が行われた場合の、タンク上サーミスタ15の検出温度を表す図である。図10におけるグラフの縦軸は温度〔℃〕を示し、横軸は時間〔min〕を示す。図10において実線で示される値は、静音運転モードにおけるタンク上サーミスタ15検出温度を示し、破線で示される値は、通常運転モードにおけるタンク上サーミスタ15検出温度を示す。
本例の静音運転モードでは、タンク上サーミスタ15の検出温度が給湯設定温度の50℃に10℃を加算した60℃以下になる時点(図中E)でバーナ70を点火し、加熱を開始する。一方、本例の通常運転モードでは、タンク上サーミスタ15の検出温度が給湯設定温度の50℃に5℃を加算した55℃以下になる時点(図中F)でバーナ70を点火し、加熱を開始する。
タンク上サーミスタ15の検出温度が60℃以下となった場合にバーナ70を点火する静音運転モードは、タンク上サーミスタ15の検出温度が55℃以下となった場合にバーナ70を点火する通常運転モードより点火のタイミングが早い。即ち、静音運転モードでは、貯湯タンク14内に(通常運転モードに比べて)高温の温水が貯湯されている状態であっても、早めにバーナ70を点火する。
本例の静音運転モードでは、上記Eの時点でバーナ70が点火される。ファン71の単位時間当たりの回転数の上限は騒音基準回転数を超えない最大の回転数に制限されるため、ファン71の振動音や風切り音による騒音が発生しなくなる。その一方で、バーナ70の単位時間当たりの加熱量はファン71の単位時間当たりの回転数にあわせた加熱量に制限される。そのため、単位時間当たりの温度上昇幅は通常運転モードの場合に比べて小さくなる。
本例の通常運転モードでは、上記Fの時点でバーナ70が点火される。通常運転モードでは、ファン71の単位時間当たりの回転数には上記制限が加えられない。即ち、バーナ70の能力を最大限発揮して運転させることができる。そのため、単位時間当たりの温度上昇幅は静音運転モードの場合に比べて大きくなる。
即ち、静音運転モードはバーナ70の加熱量が制限される関係上、目標とする温度に達するまでに通常運転モードに比べて長時間を要する。図10中のT3、T4に示すように、静音運転モードでは、通常運転モードより長時間バーナ70が運転されることとなる。
静音運転モードでは、タンク上サーミスタ15の検出温度が給湯設定温度の50℃に15℃を加算した65℃以上になる時点(図中H)でバーナ70を消火し、加熱を終了する。一方、通常運転モードでは、タンク上サーミスタ15の検出温度が給湯設定温度の50℃に10℃を加算した60℃以上になる時点(図中G)でバーナ70を消火し、加熱を終了する。
即ち、静音運転モードでは、貯湯タンク14内に(通常運転モードに比べて)より高温の温水が貯湯されるまでバーナ70を運転させる。静音運転モードでの加熱運転終了時点で貯湯タンク14内に蓄えられた熱量は、通常運転モードでの加熱運転終了時点で貯湯タンク14内に蓄えられた熱量よりも大きくなる。上記のようにして、静音運転モードでは、騒音の発生を抑えながらも利用者の給湯要求に十分応じられる熱量を貯湯タンク14内に蓄える。
静音運転モードと通常運転モードとで、バーナ70の点火及び消火の基準となる貯湯タンク14内の温水の温度を検出する位置(サーミスタ)を異ならせるとともに、静音運転モードでの加熱運転開始の基準となる温水温度を、通常運転モードでの同温度より高くし、且つ、静音運転モードでの加熱運転終了の基準となる温水温度も、通常運転モードでの同温度より高くすることができる。
従って、例えば、次の(1)〜(3)のような各設定をすることができる。
(1)静音運転モードにおける温水温度検出位置を第1タンクサーミスタ16にし、通常運転モードにおける温水温度検出位置をタンク上サーミスタ15とする。
(2)静音運転モードでは、第1タンクサーミスタ16の検出温度が給湯設定温度に10℃を加算した温度以下となったときにバーナ70を点火して加熱を開始する。通常運転モードでは、タンク上サーミスタ15の検出温度が給湯設定温度に5℃を加算した温度以下となったときにバーナ70を点火して加熱を開始する。
(3)静音運転モードでは、第1タンクサーミスタ16の検出温度が給湯設定温度に15℃を加算した温度以上となったときにバーナ70を消火して加熱を終了する。通常運転モードでは、タンク上サーミスタ15の検出温度が給湯設定温度に10℃を加算した温度以上となったときにバーナ70を消火して加熱を終了する。
本実施例の場合、静音運転モードにおいてバーナ部68から貯湯タンク14内に供給される熱量を、通常運転モードにおいてバーナ部68から貯湯タンク14内に供給される熱量よりも一層大きくすることができる。
上記各実施例では、静音運転モードにおける加熱運転終了条件と通常運転モードにおける加熱運転終了条件が異なる場合について説明したが、加熱運転の終了条件は、静音運転モードと通常運転モードとで同じであってもよい。運転モードにかかわらず、その終了条件を満たされるまで加熱運転が行われれば、貯湯タンクの上部には利用者の要求する温度の温水が十分に貯湯されていることとなる。
ただし、その場合も、上記各実施例と同様に、静音運転モードが通常運転モードより早いタイミングで加熱条件を開始させるように両モードの加熱運転開始条件を定めることが好ましい。従って、例えば、給湯設定温度が60℃の場合に、指示されている運転モードが静音運転モードか通常運転モードかを問わず、タンク上サーミスタ15の検出温度が70℃以上になった場合に加熱運転を終了させることができる。
上記各実施例では、静音運転モードでは、運転中のファン71の単位時間当たりの上限を騒音基準回転数を越えない回転数に制限し、その範囲内で回転数を変動させて運転を行い、通常運転モードでは、運転中のファン71の単位時間当たりの回転数に上限を設けずに変動させて運転を行う場合について説明した。
しかし、ファン71の運転は、上記各実施例のように所定の範囲内で単位時間当たりの回転数を変動させて運転する場合には限られず、単位時間当たりの回転数を、静音運転モードと通常運転モードとで夫々の許容最大値に維持して運転させることもできる。
従って、本実施例の静音運転モードでは、運転中のファン71の単位時間当たりの回転数を、騒音基準回転数を超えない最大回転数に定める。この場合、バーナ70の単位時間当たりの加熱量も、ファン71を騒音基準回転数を超えない最大回転数で回転させた場合の加熱量とされる。また、本実施例の通常運転モードでは、運転中のファンの単位時間当たりの回転数をファンの能力の最大回転数に定める。その場合、バーナ70の単位時間当たりの加熱量もバーナ70の能力の最大値とされる。
本実施例のように、ファン71の単位時間当たりの回転数を、各運転モードにおける許容最大値に維持して常時運転させる場合、バーナ70の単位時間当たりの加熱量も各運転モードにおける許容最大値となる。温水の温度を加熱運転終了の温度まで速やかに上昇させることができる。
上記各実施例では、一度リモコン148で設定した運転モード設定が加熱運転や給湯運転等の各運転の途中で変更されない例について説明した。しかし、加熱運転や給湯運転等の各運転の途中であっても、リモコン148の操作で各種運転モード設定を変更させてそのモードに応じた運転をさせることができる。従って、例えば、静音運転モードの途中で通常運転モードに切り換えたり、静音運転モードの静音優先モードを能力優先モードに切り換えたりして、利用者の意向に沿った運転を行うことができる。リモコン148による各種設定、即ち、加熱運転を静音運転モードと通常運転モードのいずれの運転モードで行うか、また、静音運転モードにおいて、静音優先モードと能力優先モードのいずれのモードを設定するのかは、利用者の任意のタイミングで設定及び変更を行うことができる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は、複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
14:貯湯タンク
15:タンク上サーミスタ
16:第1タンクサーミスタ
18:第2タンクサーミスタ
20:第3タンクサーミスタ
22:第4タンクサーミスタ
24:給水経路
26:減圧弁
28:給水サーミスタ
30:給湯水量センサ
32:給湯水量サーボ
34:混合サーボ
36:混合経路
38:排水経路
40:排水弁
42:圧力開放経路
44:給湯栓
46:給湯経路
48:圧力逃し弁
50:温水電磁弁
52:高温サーミスタ
53:負圧作動弁
54:出湯サーミスタ
56:熱回収循環経路、56a:循環往路、56b:循環復路
58:熱回収循環ポンプ
59:熱回収流量センサ
60:循環往路サーミスタ
62:循環復路サーミスタ
68:バーナ部
70:バーナ
71:ファン
72:潜熱熱交換器
74:顕熱熱交換器
76:バーナ循環経路、76a:循環往路、76b:循環復路
80:バーナ循環ポンプ
81:バーナ入口サーミスタ
82:バーナ循環流量センサ
84:バーナ循環流量サーボ
88:バーナ出口サーミスタ
92:ドレン経路
94:中和器
108:熱負荷
128:浴槽
140:湯張り経路
142:湯張り流量センサ
144:湯張り弁
146:コントローラ
148:リモコン
150:発電ユニット
152:熱媒循環経路
154:熱回収用熱交換器
Claims (5)
- 貯湯タンクと、
熱源機と、
貯湯タンクと熱源機の間で温水を循環させる循環経路と、
貯湯タンクに給水する給水経路と、
貯湯タンクから給湯する給湯経路と、
制御手段を備えており、
前記熱源機は、燃焼用空気を供給するファンを備えており、ファンの単位時間当たりの回転数の増加に伴って単位時間当たりの加熱量が増加する特性を備えており、
前記制御手段は、
第1開始条件を満たした時に熱源機の運転を開始し、運転中のファンの単位時間当たりの回転数に制限を加えない通常運転モードと、
第2開始条件を満たした時に熱源機の運転を開始し、運転中のファンの単位時間当たりの回転数を騒音基準回転数を超えない回転数に制限する静音運転モードと、
いずれかの運転モードを選択して実行する処理手段を備えていることを特徴とする貯湯式給湯システム。 - 前記第1開始条件は、貯湯タンク内の第1位置における温水温度が所定温度を下回った場合であり、
前記第2開始条件は、貯湯タンク内の第2位置における温水温度が前記所定温度を下回った場合であり、
前記第1位置は前記第2位置より高い位置にあることを特徴とする請求項1の貯湯式給湯システム。 - 前記第1開始条件は、貯湯タンク内の所定位置における温水温度が第1開始温度を下回った場合であり、
前記第2開始条件は、前記所定位置における温水温度が第2開始温度を下回った場合であり、
前記第2開始温度は前記第1開始温度より高いことを特徴とする請求項1の貯湯式給湯システム。 - 前記第1開始条件は、貯湯タンク内の第1位置における温水温度が第1開始温度を下回った場合であり、
前記第2開始条件は、貯湯タンク内の第2位置における温水温度が第2開始温度を下回った場合であり、
前記第1位置は前記第2位置より高い位置にあり、かつ、前記第2開始温度は前記第1開始温度より高いことを特徴とする請求項1の貯湯式給湯システム。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の貯湯式給湯システムと、
発電装置と、
発電装置が発生する熱を入力する熱回収用熱交換器と、
貯湯タンクと熱回収用熱交換器の間で温水を循環させる第2循環経路と、
を備えているコージェネレーションシステム。
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