JP2011005897A - ウエザーストリップの取付構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】端末部を確実にパネルに密着させて、二次的不具合の発生やクリップの外れを未然に防止する。
【解決手段】パネル3bのうち高低差のある着座面Qの高位側および低位側の双方に跨るように端末部9を配置し、取付穴16a,16bに嵌入されるクリップ23をもって端末部9を着座面Qに固定する。端末部9を着座面Qの形状に近似させた略板状のものとして形成する一方、クリップ23は略板状の本体部24とアンカー部25とを有する。本体部24のうち端末部9の高位側に着座する部分以外の部分では、空隙部27が確保されるように滑らかに湾曲させた形状とし、空隙部27に相当する部分では、端末部9側から当該空隙部27の断面形状に近似した隔壁状のリブ19を突出形成して他方に当接させてある。
【選択図】図5

Description

本発明は、自動車におけるウエザーストリップの取付構造に関し、特に一般部に連続する型成形部を備えたウエザーストリップのうち当該型成形部をクリップにて所定のパネルに固定する構造に関するものである。
この種のウエザーストリップの取付構造として特許文献1および特許文献2に記載のものが提案されている。
これらの特許文献1,2に記載のものでは、ドアサッシュを含むドアパネルの周縁部に装着されるドアウエザーストリップのうちルーフ側上辺部とピラー側縦辺部とのなすコーナー部に、均一断面形状に押出成形されたいわゆる一般部(押出成形部)同士を接続する型成形部(金型成形部)が設定されていることから、当該型成形部のうちシールに直接関与しない部分を比較的大きな圧接拘束面をもつクリップにてドアサッシュを形成しているパネルに圧締保持するようにしている。
特許第3776853号公報 特許第3890565号公報
しかしながら、特許文献1,2に記載されたような従来の構造では、型成形部が位置することになる相手側パネルに比較的大きな高低差(段差)があるのに対して、クリップによってそのパネルとの間に圧締保持される型成形部の形状としては、相手側パネルの形状に忠実に倣わせたものとはなっておらず、そのパネルの高低差を吸収するような比較的厚肉形状のものとなっている。そして、型成形部のうちでも相対的に薄肉の部分にパネルと係止されることになるクリップのアンカー部を設定し、そのアンカー部から比較的遠いクリップの先端部にて型成形部の厚肉部を押さえ込むようにしているため、単に型成形部の重量が増加するだけでなく、クリップによる厚肉部の拘束力が不足してその厚肉部がクリップの先端部とともに浮き上がり気味となり、組付精度の低下によって特に型成形部に設定されているシール部のシール性不良やドア閉止力の増加を招きやすくなる。その上、クリップのうちでのアンカー部から遠い先端部では型成形部の厚肉部からの反力を常時受けているため、経年変化やドアの急閉時にクリップが外れてしまうおそれがある。
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、型成形部を確実にパネルに密着させて、上記のような組付精度の低下による二次的不具合の発生を防止し、併せて経年変化やドアの急閉時のクリップの外れを未然に防止した取付構造を提供するものである。
請求項1に記載の発明は、一般部に連続する型成形部を備えたウエザーストリップの当該型成形部をクリップにてパネルに固定する構造として、パネルのうち高低差のある着座面の高位側および低位側の双方に跨るように上記型成形部を配置するとともに、上記着座面および型成形部の双方に形成された取付穴に嵌入されるクリップをもって当該型成形部を着座面に固定してある。
そして、上記型成形部を高低差のある着座面形状に近似させた略板状のものとして形成する一方、上記クリップは、型成形部の上から重合配置されて当該型成形部の高位側および低位側の双方に着座する略板状の本体部と、この本体部のうち型成形部の高位側に着座する部分に突設されたアンカー部と、を有している。
その上で、上記クリップの本体部のうち型成形部の高位側に着座する部分以外の部分では、その型成形部との間に空隙部が確保されるように滑らかに湾曲させた形状とし、この空隙部に相当する部分では、型成形部およびクリップの本体部のうちのいずれか一方から当該空隙部の断面形状に近似した隔壁状のリブを突出形成して他方に当接させるようにしてある。
ここに言うウエザーストリップとは、自動車のドアパネルの前端部内面に沿って装着されて、当該ドアパネルの前端縁とこれに対向する部材の端縁との間をシールするドアパーティングシールのほか、ドアサッシュの周縁部に装着されるドアウエザーストリップ等を想定している。
この場合において、上記隔壁状のリブは単一のものでも良いが、空隙部の大きさ等に応じて、請求項2に記載のように、上記隔壁状のリブを所定のピッチで複数個形成することが望ましい。
また、請求項3に記載のように、型成形部およびクリップの本体部の双方に隔壁状のリブを突出形成し、双方のリブ同士が互いに接触しつつ重合しているとともに、型成形部のリブおよびクリップの本体部のリブのうち少なくともいずれか一方が他方に底突きするように設定してあると、両者の相対位置決めおよび回り止めをより確実にする上で一段と有利になる。
さらに、クリップの本体部においてその先端部の浮き上がりをより確実に防止する上では、請求項4に記載のように、上記型成形部のうち低位側の部分に、クリップの本体部の先端部が着座しつつ係止される袋状の係止溝を形成してあることが望ましい。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のウエザーストリップの取付構造を前提とした上で、上記ウエザーストリップは、自動車のドアパネルの前端部内面に沿って装着されて、当該ドアパネルの前端縁とこれに対向する部材の端縁との間をシールするドアパーティングシールであることと、上記型成形部が装着されるパネルの着座面は、ドアアウタパネルとともにドアパネルを形成しているドアインナパネルの車室内側の面であること、および上記型成形部は、ドアパーティングシールの一般部の下端に幅広の端末部として一体成形されたものであることを明確化している。
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載のウエザーストリップの取付構造を前提として、上記ドアパーティングシールの一般部は、ドアパネルの前端のヘミング結合部に嵌合保持される断面略U字状のウエルト部と、このウエルト部から延設された片持ち支持構造の断面略円弧状のシールリップと、を有している一方、上記一般部の下端に幅広の端末部として一体成形された型成形部では、上記ウエルト部が消失しているとともに、一般部側のシールリップに連続するシールリップが一体に成形されていることを特徴とする。
この場合において、型成形部とクリップの相対位置決め精度および見栄えの向上の上では、請求項7に記載のように、上記型成形部の周囲には、袋状の係止溝を形成している壁部に連続して縁取りリブが形成されていて、この壁部を含む縁取りリブに内接するようにクリップの本体部を配置してあることが望ましい。
また、上記のような見栄えの向上に主眼を置いた場合には、請求項8に記載のように、上記クリップの少なくとも本体部はドアパーティングシールと同系色のものであることが望ましい。
同様な理由から、請求項9に記載のように、上記ドアパネルの下端部内面に沿って当該ドアパネルの下端縁とサイドシルとの間をシールするサイドシルパーティングシールが配設されている場合には、上記ドアパーティングシールの型成形部はその内側にサイドシルパーティングシールの上端部を受容して圧締保持していることが望ましい。
したがって、少なくとも請求項1に記載の発明では、上記空隙部に相当する部分では、その全体が厚肉化されることなく、型成形部またはクリップの本体部側から隔壁状のリブを突出形成してあるだけであるため、型成形部の重量軽減によりその軽量化が図れることになる。
しかも、上記クリップの本体部のうち型成形部の高位側に着座する部分以外の部分では、クリップによる圧締保持力は隔壁状のリブを介して伝達されることになるため、従来のように型成形部の厚肉部分全体を圧締保持する場合と異なり、型成形部そのものやクリップを浮き上がらせようとする力は相対的に小さくて済むことになる。その結果として、組付精度の低下による二次的不具合の発生防止とともに、経年変化やドアの急閉時のクリップの外れを解消できるようになる。
請求項1,2に記載の発明によれば、パネルの高低差を吸収するために型成形部を厚肉化する必要がないため、型成形部の重量軽減によってその軽量化が図れる。
また、型成形部を厚肉化することなく隔壁状のリブを設定しているため、クリップの本体部の形状として、パネルの高低差に倣わせた複雑な形状とする必要がなく、見栄えの向上が図れるとともに、組付精度の低下による二次的不具合の発生防止とともに、経年変化やドアの急閉時のクリップの外れも未然に防止できる。
請求項3に記載の発明によれば、双方のリブ同士が互いに接触しつつ重合していて、少なくとも型成形部側のリブがクリップの本体部に、またはクリップの本体部のリブが型成形部に底突きするように設定してあるため、両者の相対位置決め精度がより高いものとなるとともに、両者の回り止め効果を期待する上でも有利となる。
請求項4に記載の発明によれば、型成形部のうち低位側の部分に、クリップの本体部の先端部が着座しつつ係止される袋状の係止溝を形成してあるため、クリップにおける本体部の先端部の浮き上がりをより確実に防止できるとともに、見栄えの向上の上でも有利となる。
請求項7に記載の発明によれば、袋状の係止溝を形成している壁部に連続して縁取りリブが形成し、この壁部を含む縁取りリブに内接するようにクリップの本体部を配置してあるため、型成形部とクリップとの相対位置決め精度の向上が図れるとともに、見栄えの向上の上でも有利となる。
請求項8に記載の発明によれば、クリップの本体部はドアパーティングシールと同系色のものとしたことにより、見栄えの向上の上で一段と有利となる。
請求項9に記載の発明によれば、ドアパーティングシールの型成形部はその内側にサイドシルパーティングシールの上端部を受容して圧締保持してこれを隠蔽する機能を併せ持っているため、これによってもまた見栄えの向上が図れるようになる。
本発明に係るウエザーストリップの取付構造が適用される自動車の斜視図。 本発明に係るウエザーストリップの取付構造の第1の実施の形態を示す図で、図1におけるA部を車外側から見た透視図。 図2の要部を車室内側から見た斜視図。 図3の分解斜視図。 図4のさらなる分解斜視図。 図5における端末部とクリップとを方向を変えて見た斜視図。 図2のJ1−J1線に沿う拡大断面図。 図2のJ2−J2線に沿う拡大断面図。 図2のJ3−J3線に沿う拡大断面図。 図2のJ4−J4線に沿う拡大断面図。 図2のJ5−J5線に沿う拡大断面図。 本発明に係るウエザーストリップの取付構造の第2の実施の形態を示す図で、図3と同等部位の正面説明図。 図12のK−K線に沿う拡大断面図。 図13における端末部とクリップとの関係を示す斜視図。 本発明に係るウエザーストリップの取付構造の第3の実施の形態を示す図で、図1におけるB部を車室内側から見た斜視図。 図15のフロント側斜視図。 図15のL−L線に沿う拡大断面図。 図15のM−M線に沿う拡大断面図。
図1〜11は本発明に係るウエザーストリップの取付構造のより具体的な第1の実施の形態を示す図であって、ドアパーティングシールの取付構造に適用した場合の例を示している。そして、図1は自動車の斜視図を示し、図2は図1におけるA部の車外側から見た透視図を示している、また、図3〜図6は図2の要部を車室内側から見た斜視図を、図7〜図11は図2の各部の拡大断面図をそれぞれ示している。
図1において、2は左側のフロントドアを、3は同じく左側のリアドアをそれぞれ示し、これらのドア2,3は、図7〜図11に示すようにドアアウタパネル2aもしくは3aとドアインナパネル2bもしくは3bとをヘミング結合部4または5にてヘミング結合することで構成される。そして、フロントドア2の後端縁と対峙することになるリアドア3の前端縁であって且ついわゆるドアウエスト部(ベルトライン)よりも下側の部分には、上下方向に沿ってドアパーティングシール6が配設されている。このドアパーティングシール6があるために、後述するように双方のドア2,3の閉状態においてドアパーティングシール6のシールリップ13にフロントドア2のヘミング結合部4が圧接することによりそのドアパーティング部すなわち双方のドア2,3同士のなす隙間がシールされることになる。
このドアパーティングシール6は、図3〜8に示すように、周知の押出成形法により長尺且つ均一断面形状ものとして押出成形された一般部(押出成形部)7と、一般部7の下端の接合線8をもって金型成形により一体成形された型成形部としての端末部9を備える。端末部9は一般部7の長手方向軸線に対して図3,4に示すようにドアインナパネル3b側に大きくオフセットしたかたちで幅広の舌片状のものとして形成されていて、後述するように当該端末部9の上に重合配置される略相似形のクリップ23にてドアインナパネル3bに堅固に圧締固定されることになる。
なお、一般部7および端末部9を含むドアパーティングシール6はEPDM等のゴム材料またはそれと同等の軟質の樹脂材料にて形成され、クリップ23は比較的硬質の樹脂材料にて形成されている。
ドアパーティングシール6の一般部7は、図4および図7に示すように、リアドア3の前端のヘミング結合部5に嵌合保持されることになる芯金10入りの断面略U字状のウエルト部11と、このウエルト部11の一側壁部から斜状に延設形成された中間ウェブ12と、中間ウェブ12の先端からウエルト部11の基部側に向けて延設形成され、且つ中間ウェブ12よりも薄肉状でかつ略円弧状に湾曲した片持ち支持形態のシールリップ13とを備えている。このシールリップ13はウエルト部11の一側壁部および中間ウェブ12とともに断面略扇形状の空隙部14を形成している(図7参照)。
そして、図7に示すように、双方のドア2,3が開状態であるか閉状態であるかにかかわらず、中間ウェブ12とシールリップ13とのなすコーナー部の先端15がそれらのドア2,3の外表面よりも外側に突出しないように設定してあるとともに、ウエルト部11には芯金10が埋設されているのに対して中間ウェブ12には芯金が埋設されていない故に、中間ウェブ12はウエルト部11との接続部であるその根元部から屈曲変形可能となっている。
これにより、ウエルト部11をリアドア3側のヘミング結合部5に嵌合させてドアパーティングシール6を固定した時には、中間ウェブ12とシールリップ13とのなすコーナー部がリアドア3のうち上記ヘミング結合部5に近接する段状壁部であるところの前壁面に圧接するようになっている。
その一方、上記ドアパーティングシール6の端末部9は、一般部7の長手方向軸線に対して大きくオフセットした幅広の舌片形状のものであることは先に述べたとおりである。そして、図4,5および図9から明らかなように、当該端末部9が位置することになるリアドア3の車室内側の下端部では、ドアインナパネル3bの一般部内側面3cとヘミング結合部5近傍との間に大きな高低差(段差)Gを有した形状となっている。この高低差Gのあるドアインナパネル3bの形状に追従させて当該形状部を着座面Qとして端末部9を着座させるべく、端末部9の基本形状としては、高位側であるドアインナパネル3bの一般部内側面3cおよび低位側であるヘミング結合部5近傍の双方に跨るように、上記高低差のある着座面Qの形状に近似させて三次元的に湾曲させた略板状のものとして形成してある。
また、図4,5から明らかなように、ドアインナパネル3bの高位側である一般部内側面3cには角穴状の取付穴16aを形成してあることから、端末部9のうちでもこのドアインナパネル3b側の取付穴16aに相当する位置には同じく角穴状の取付穴16bを形成してある。
さらに、図4,6および図8,9から明らかなように、端末部9では一般部7側のウエルト部11が徐変しつつ消失していて、代わって一般部7側のものに連続する中間ウエブ12とシールリップ13が端末部9から一体に延長形成されている。
なお、図4,5および図9等から明らかなように、リアドア3の前端部におけるヘミング結合部5では、ドアパーティングシール6の端末部9に相当する部分でその一部が切り欠かれていたりヘミング状態が不完全なものとなっているが、ヘミング結合強度に支障をきたすようなことはない。
上記のように三次元的に湾曲した略板状の端末部9の裏面には、図2,9,11に示すように、クロスした複数のビード部17を突出形成してあるとともに、両面粘着テープ18を貼着してあり、これらのビード部17および両面粘着テープ18がドアインナパネル3b側の着座面Qに着座することで端末部9が位置決めされることになる。なお、図9〜11等から明らかなように、上記のように端末部9の裏面に設定したビード部17等がドアインナパネル3b側の着座面Qに着座することで、端末部9自体とドアインナパネル3b側の着座面Qとの間に所定の隙間が確保されている。したがって、ドアインナパネル3b側の着座面Qの形状にばらつきが発生しても端末部9の取付状態への影響は少ない。
他方、上記クリップ23がかぶせられることになる端末部9の表面側には、図5,6に示すように、円弧状をなす隔壁状の複数のリブ19を突出形成してあるとともに、当該端末9の輪郭をなす周縁部には縁取りリブ20を形成してある。隔壁状のリブ19は端末部9の表面のうち最も高位側のフラットな部分の除いた部分に形成されていて、各リブ19の先端の円弧面形状は、端末部9それ自体の湾曲円弧形状とは異なり、反着座面Q側に向かって凸形状となる滑らかな円弧形状としてある。さらに、上記端末部9の表面のうち最も低位側の部分には縁取りリブ20に連続するように壁部21を突出形成して、その壁部21と隔壁状のリブ19との間に袋状の係止溝22を形成してある。
これにより、後述するように端末部9の表面側にクリップ23を重合配置したときには、クリップ23の本体部24の周縁部が縁取りリブ20に内接していわゆる縁取りされるとともに、袋状の係止溝22には図9に示すようにクリップ23の本体部24の先端部が着座するように挿入されることから、袋状の係止溝22はそのクリップ23の本体部24の先端部を受容して隠蔽することになる。
クリップ23は、図3〜6および図9に示すように、平面視形状が端末部9とほぼ相似形をなす幅広且つ極大の板状の本体部24を主要素として形成されているもので、この本体部24の裏面のうち端末部9の最も高位側のフラットな部分に着座する部位には断面が矩形状をなすアンカー部25を突設してある。言い換えるならば、クリップ23の本体部24のうち端末部9に確実に密着する部位であって且つ袋状の係止溝22に挿入されることになる本体部24の先端部から遠い部位にアンカー部25が設定されている。
また、上記クリップ23の本体部24は、端末部9の表面のうち最も高位側の部分からそれに連続する隔壁状のリブ19の先端の円弧面の曲率に倣わせて湾曲させた形状となっていて、その湾曲の度合いまたは曲率は端末部9それ自体のものよりも滑らかになっている。この本体部9の裏面には図5,6に示すように補強のための複数のビード部26を形成してある。
そして、図4〜6および図9に示すように、端末部9の表面側の縁取りリブ20に内接するようにクリップ23の本体部24を沿わせつつ、その本体部24の先端部を袋状の係止溝22に着座するように係止させて、端末部9の上にクリップ23の本体部24を重合配置するとともに、さらにアンカー部25を端末部9およびドアインナパネル3b側の双方の取付穴15,16に嵌合保持させることでドアインナパネル3bとクリップ23の本体部24との間に端末部9を圧締保持している。
その結果、特に図9から明らかなように、クリップ23の本体部24のうち最も高位側のフラットな部分が比較的広い面積をもって端末部9に着座してはいるものの、それ以外の部分では隔壁状のリブ19の円弧状の先端面がクリップ23の本体部24の内面に密着するかわずかに接する程度の状態となっている。
すなわち、図9,11のようなクリップ23による端末部9の圧締保持状態において、端末部9とクリップ23の本体部24との間には比較的大きな空隙部27が形成されていて、この空隙部27には先に述べた隔壁状の複数のリブ19のみが介在していることになる。
同時に、ドアインナパネル3b側の取付穴15および端末部9側の取付穴16として角穴状のものが採用されている一方、クリップ23側のアンカー部25として四角柱状のものが採用されていることで、クリップ23の回り止めが施されていることになる。
なお、端末部9に対するクリップ23の正規取付状態において、端末部9側の隔壁状の複数のリブ19とクリップ23の本体部24側の複数のビード部26とが相互に干渉することがないように、図3〜5から明らかなように、それらの複数のリブ19と複数のビード部26とは互いに位置をずらして形成してある。
また、上記端末部9を含むドアパーティングシール6が例えば黒色系のものである場合、クリップ23としては少なくともその本体部24がドアパーティングシール6と同じ黒色系のものが採用される。これにより、ドア開時に端末部9がクリップ23とともに露出することとなっても観者に違和感を与えることがない。
ここで、図4,5に示すように、ドアインナパネル3bの車室内側の下端には、リアドア3と車体側のサイドシルとのパーティング部たる隙間をシールする帯状のサイドシルパーティングシール28がクリップ29止めにて配設されていて、そのサイドシルパーティングシール28のうちリアドア3の前端側では先のドアパーティングシール6の端末部9と干渉することになる。
そこで、本実施の形態では、図10にも示すように、サイドシルパーティングシール28の前端部において、その上端部を端末部9と重合させた上で当該端末部9とともにクリップ23にて圧締保持している。これによって、双方の端末部同士の干渉によって見栄えが低下することがないように配慮してある。
なお、図7〜9において、符号P1はフロントドア2の開閉軌跡を、符号P2はリアドア3の開閉軌跡をそれぞれに示す。また、図9の符号P3はリアドア3のドアヒンジ中心位置を示す。
したがって、このようなドアパーティングシール6の取付構造によれば、図3〜6に示すように、一般部7ではそのウエルト部11がリアドア3の前端部のヘミング結合部5に堅固に嵌合保持されている一方、端末部9では幅広のクリップ23によって当該端末部9がドアインナパネル3bのうちでも大きな高低差のある着座面Qに堅固に圧締固定されている。
この場合において、端末部9のうち最も高位側のフラットな部分では、クリップ23の本体部24によって直接的に圧締保持されている一方、端末部9のうちでも最も高位側のフラットな部分以外の部分、すなわち最も高低差が顕著な部分では、端末部9とクリップ23の本体部24が直接接触してはおらず、空隙部27によっていわゆる肉抜き構造となっていて、その空隙部27にある隔壁状の複数のリブ19を介してクリップ23による圧締保持力が端末部9に伝達される。
このため、空隙部27全体が中実構造となっている場合と比べて端末部9の重量を軽減できるだけでなく、端末部9がクリップ23に及ぼす復元反力を相対的に抑制できるようになる。
これにより、端末部9のうちアンカー部25から遠い部分においてもクリップ23の圧締保持力を確実に及ぼすことができて、端末部9それ自体だけでなくクリップ23の浮き上がりを未然に防止できる。特にクリップ23における本体部24のうちでもアンカー部25から最も遠い先端部は袋状の係止溝22に挿入して係止させてあることから、見栄えの向上とともにクリップ23の浮き上がりをより確実に防止できる。
その結果として、ドアパーティングシール6のうちでも特に端末部9の組付精度を安定して維持でき、シール部のシール性不良やドア閉止力の向上等の二次的不具合の発生を防止できるほか、経年変化やドアの急閉時におけるクリップ23の外れも未然に防止できることになる。
また、端末部9と重合配置されるクリップ23は、上記のようにその先端部を袋状の係止溝22に挿入係止させてあるのに加えて、端末部9側の縁取りリブ20にて縁取りしてあるため、見栄えの向上とともに相対位置決め精度も向上することになる。
そして、端末部9のほぼ全面を覆いつつその端末部9をドアインナパネル3bに圧締固定しているクリップ23の本体部24は、高低差のあるドアインナパネル3bや端末部9の形状に忠実に倣わせた形状とすることなく、滑らかな三次元湾曲形状としているので、見栄えの向上も併せて図れることになる。
ここで、図9から明らかなように、端末部9に設定された隔壁状の複数のリブ19は、その端末部9とクリップ23の本体部24とのなす空隙部27に位置していて、クリップ23による圧締保持力を端末部9側に及ぼす機能を有しているものである。したがって、同図のように端末部9から隔壁状の複数のリブ19を突出形成するのに代えて、クリップ23の本体部24側に隔壁状の複数のリブ19を突出形成しても同等の機能が発揮される。
また、図1に示すフロントフェンダ部とフロントドア2とのなすパーティング部についても上記とほぼ同構造のドアパーティングシール6が採用されていることから、このパーティング部のうちa部についても上記と同様の端末部9の構造を採用することができる。
図12〜14は本発明に係るウエザーストリップの取付構造の第2の実施の形態を示す図であって、先の第1の実施の形態と共通する部分には同一符号を付してある。
図5,6と図12,13を比較すると明らかなように、図12,13に示した第2の実施の形態においては、図6のクリップ23における本体部24の裏面に設定された複数の補強用のビード部26の突出長さを大きくして、図13,14に示すように端末部9側のリブ19と同様に隔壁状のリブ36として形成してある。そして、クリップ23により端末部9を圧締保持した状態では、そのクリップ23側のリブ36の先端が端末部9に着座しつつ、当該クリップ23側のリブ36と端末部9側のリブ19とが互いに接触しつつ重なり合って、且つ双方が互いに相手側に対していわゆる底突きするような関係となるように設定してある。なお、この場合において、必ずしも双方が相手側に底突きしている必要はなく、少なくともいずれか一方が相手側に対して底突きしていれば足りる。
さらに、図13に示すように、クリップ23の本体部24の裏面に設定されたリブ36の数が例えば三つとするならば、同図のように互いに重なり合っている少なくとも一組のリブ36,19同士の上下関係が他の二組のリブ36,19同士の上下関係とは逆となるように設定してある。これにより、図13の上下方向での端末部9とクリップ23との相対位置決め効果が発揮されるとともに、端末部9とクリップ23との周り止め効果も同時に発揮されることになる。
したがって、この第2の実施の形態においても、先の第1の実施の形態とほぼ同様の効果が得られることになる。
また、図3,6と図12,14とを比較すると明らかなように、図3,6側では必須とされた壁部21と係止溝22を必要に応じて図12,14のように廃止することが可能である。
図15〜18は本発明に係るウエザーストリップの取付構造の第3の実施の形態を示す図であって、ドアサッシュの周囲に配設されるドアウエザーストリップの取付構造に適用した場合の例を示している。
図15は図1のB部を車室内側から見た図を、図16は図15をフロント側から見た斜視図をそれぞれに示している。また、図17は図15のL−L線に沿う拡大断面図を、図18は図15のM−M線に沿う拡大断面図をそれぞれに示している。
図15,16において、41はフロントドア2側のドアウエザーストリップ、42はリアドア3側のドアウエザーストリップである。また、43はフロントドア2側のサッシュパネル、44はリアドア3側のサッシュパネルである。
リアドア側のドアウエザーストリップ42は、周知のようにサッシュ上辺部に沿うことになる一般部42aとサッシュ縦辺部に沿うことになる一般部42bとを型成形部としてのアングル状のコーナー型成形部42cをもって相互に接続してある。47はそれぞれの接合部である。そして、双方の一般部42a,42bとそれらを接続しているコーナー型成形部42cには、連続する中空状のシールリップ45を設けてあるとともに、サッシュ上辺部側の一般部42aとコーナー型成形部42cにはサッシュ上辺部の長手方向に沿って舌片状の補助シールリップ46を設けてある。
また、図15,18に示すように、コーナー型成形部42cにはドアパーティングシールとしてのドアパーティングシールリップ48を一体に形成してある。このドアパーティングシールリップ48はリアドア3側のサッシュ縦辺部に沿って延在していて、少なくとも上記コーナー型成形部42cでは樹脂製のクリップ49によってサッシュパネル44に圧締保持させてある。また、図15,16から明らかなように、クリップ49とともに別のクリップ50も併用される。
したがって、少なくともリアドア3の閉時においては、図18に示すように中空状のシールリップ45がボデイパネル1に弾接して車室内外をシールするとともに、ドアパーティングシールリップ48がフロントドア2の後端縁とリアドア3の前端縁とのなすパーティング部に弾接してその隙間を埋めるようにシールすることになる。同時に、図17に示すように、補助シールリップ46がボデイパネル1側のルーフモール部51に弾接して、中空状のシールリップ45とともにいわゆる二重シール構造のかたちで車室内外をシールすることになる。
ここで、図15,16のほか図17,18から明らかなように、コーナー型成形部42cとクリップ49の関係としては、先の第1の実施の形態とものとほぼ同様の構造としてある。
より詳しくは、コーナー型成形部42cにおいては、シールリップ45や補助シールリップ46さらにはドアパーティングシールリップ48を除いた部分を、比較的大きな段差を有するサッシュパネル44を着座面Qとして着座させるべく、このサッシュパネル44の形状に追従させて当該サッシュパネル44の形状に倣わせた高低の有段形状のものとしてある。これに対して、クリップ49の本体部52は、コーナー型成形部42cの高位側から低位側に向かって、言い換えるならば補助シールリップ46の根元部やドアパーティングシールリップ48の根元部側に向かって、滑らかに湾曲した円弧状に形成してある。
これによって、先の第1の実施の形態のものと同様に、コーナー型成形部42cの高位側の部分以外の部分では当該コーナー型成形部42cとクリップ49の本体部52との間に両者の形状差に基づく空隙部53を形成してある。なお、クリップ49の本体部52のうちコーナー型成形部42cの高位側の部分に当接する部分の裏面には先の第1の実施の形態のものと同様に角柱状のアンカー部25を突出形成してある。アンカー部25はサッシュパネル44およびコーナー型成形部42cのそれぞれ形成された取付穴58に嵌合される。
そして、先に図5,6に示したものと同様に、コーナー型成形部42cの高位側の部分以外の部分に、クリップ49の本体部52側に向かって隔壁状の複数のリブ54を突出形成してある。これらの複数のリブ54の先端面の形状はクリップ49の本体部52の内面形状に倣った円弧面形状となっていて、これらの各リブ54の先端面をクリップ49の本体部52の内面に当接させてある。
また、図17,18から明らかなように、コーナー型成形部42cのうちドアパーティングシールリップ48および補助シールリップ46の根元部には壁部55をもって袋状の係止溝56を形成してあり、この係止溝56に対してクリップ49の本体部52の周縁部を挿入して着座・係止させるようにしてある。
ここで、図17,18には図示されていないが、クリップ49の裏面には必要に応じて図6と同様の複数の補強用ビード部26が形成されている。
なお、このようなリアドア3側のドアウエザーストリップ42の取付構造は、ドアパーティングシールリップ48を除いて、フロントドア2側のドアウエザーストリップ41についても基本的には共通していて、図15,16には当該フロントドア2側のドアウエザーストリップ41に使用されるクリップを符号57で示してある。
したがって、この第3の実施の形態では、先の第1の実施の形態における技術的思想をドアウエザーストリップのコーナー型成形部42cに適用したものであり、本実施の形態においても先の第1の実施の形態と同様の作用効果が得られることになる。
2…フロントドア
3…リアドア
3b…ドアインナパネル
5…ヘミング結合部
6…ドアパーティングシール(ウエザーストリップ)
7…一般部
9…端末部(型成形部)
11…ウエルト部
13…シールリップ
16a…取付穴
16b…取付穴
19…リブ
20…縁取りリブ
21…壁部
22…係止溝
23…クリップ
24…本体部
25…アンカー部
27…空隙部
28…サイドシルパーティングシール
42…リアドア側のドアウエザーストリップ
42a…一般部
42b…一般部
42c…コーナー型成形部(型成形部)
44…サッシュパネル
49…クリップ
52…本体部
53…空隙部
54…リブ
55…壁部
56…係止溝
58…取付穴
Q…着座面

Claims (9)

  1. 一般部に連続する型成形部を備えたウエザーストリップの当該型成形部をクリップにてパネルに固定する構造であって、
    パネルのうち高低差のある着座面の高位側および低位側の双方に跨るように上記型成形部を配置するとともに、
    上記着座面および型成形部の双方に形成された取付穴に嵌入されるクリップをもって当該型成形部を着座面に固定してあり、
    上記型成形部を高低差のある着座面形状に近似させた略板状のものとして形成する一方、
    上記クリップは、型成形部の上から重合配置されて当該型成形部の高位側および低位側の双方に着座する略板状の本体部と、この本体部のうち型成形部の高位側に着座する部分に突設されたアンカー部と、を有していて、
    上記クリップの本体部のうち型成形部の高位側に着座する部分以外の部分では、その型成形部との間に空隙部が確保されるように滑らかに湾曲させた形状とし、
    この空隙部に相当する部分では、型成形部およびクリップの本体部のうちのいずれか一方から当該空隙部の断面形状に近似した隔壁状のリブを突出形成して他方に当接させるようにしたことを特徴とするウエザーストリップの取付構造。
  2. 上記隔壁状のリブを所定のピッチで複数個形成したことを特徴とする請求項1に記載のウエザーストリップの取付構造。
  3. 上記型成形部およびクリップの本体部の双方に隔壁状のリブを突出形成し、双方のリブ同士が互いに接触しつつ重合しているとともに、型成形部のリブおよびクリップの本体部のリブのうち少なくともいずれか一方が他方に底突きするように設定してあることを特徴とする請求項2に記載のウエザーストリップの取付構造。
  4. 上記型成形部のうち低位側の部分には、クリップの本体部の先端部が着座しつつ係止される袋状の係止溝を形成してあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のウエザーストリップの取付構造。
  5. 上記ウエザーストリップは、自動車のドアパネルの前端部内面に沿って装着されて、当該ドアパネルの前端縁とこれに対向する部材の端縁との間をシールするドアパーティングシールであって、
    且つ上記型成形部が装着されるパネルの着座面は、ドアアウタパネルとともにドアパネルを形成しているドアインナパネルの車室内側の面であって、
    上記型成形部は、ドアパーティングシールの一般部の下端に幅広の端末部として一体成形されたものであることを特徴とする請求項4に記載のウエザーストリップの取付構造。
  6. 上記ドアパーティングシールの一般部は、ドアパネルの前端のヘミング結合部に嵌合保持される断面略U字状のウエルト部と、このウエルト部から延設された片持ち支持構造の断面略円弧状のシールリップと、を有している一方、
    上記一般部の下端に幅広の端末部として一体成形された型成形部では、上記ウエルト部が消失しているとともに、一般部側のシールリップに連続するシールリップが一体に成形されていることを特徴とする請求項5に記載のウエザーストリップの取付構造。
  7. 上記型成形部の周囲には、袋状の係止溝を形成している壁部に連続して縁取りリブが形成されていて、
    この壁部を含む縁取りリブに内接するようにクリップの本体部を配置してあることを特徴とする請求項6に記載のウエザーストリップの取付構造。
  8. 上記クリップの少なくとも本体部はドアパーティングシールと同系色のものであることを特徴とする請求項7に記載のウエザーストリップの取付構造。
  9. 上記ドアパネルの下端部内面に沿って当該ドアパネルの下端縁とサイドシルとの間をシールするサイドシルパーティングシールが配設されていて、
    上記ドアパーティングシールの型成形部はその内側にサイドシルパーティングシールの上端部を受容して圧締保持していることを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載のウエザーストリップの取付構造。
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