以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態によるナースコールシステムの構成例を示すブロック図を図1に示す。同図に示すように、本実施形態によるナースコールシステムは、ナースコール子機1、ナースコール親機2、廊下灯3を備えて構成されている。ここで、ナースコール親機2には、複数のナースコール子機1が接続されている(例えば、第一のナースコール子機1a、第二のナースコール子機1b、・・・など)。
また、廊下灯3は、制御部4、インターフェース(以下、I/Fとする)部5、報知部6、タイマー部7、復旧操作部(特許請求の範囲の操作部に該当する)8を備えて構成されている。
図1において、ナースコール子機1は、病室内の各患者の近辺(例えば、ベッド近傍など)にそれぞれ設置されており、患者が呼出ボタンなどの呼出操作部(図示せず)を操作することにより、医療従事者に対して呼び出しを行うための呼出信号を出力する。ここで、呼出信号は、自装置を識別するための子機識別情報(例えば、子機番号など)を含む。また、ナースコール子機1に通話機能が搭載されている場合には、ナースコール子機1とナースコール親機2との間で通話を行うことができる。これにより、患者は、呼び出しに応答した医療従事者と会話することができる。ここで、本実施形態のナースコール子機1としては周知の技術を使用するため、ナースコール子機1の具体的な構成および処理の説明は省略する。また、ナースコール子機1は、ナースコール親機2に廊下灯3を介して接続されている。
ナースコール親機2は、医療従事者の居る部屋(例えば、スタッフルームなど)に設置されており、患者からの呼び出しを医療従事者に報知したり、医療従事者が患者からの呼び出しに対して応答したりするためのものである。また、ナースコール子機1から出力された呼出信号を入力すると、ナースコール親機2は、親機用報知部(図示せず)にて患者からの呼び出しを医療従事者に報知する。ここで、ナースコール親機2とナースコール子機1との間には、制御機(図示せず)および複数の廊下灯3が設置されている。制御機は、ナースコール子機1とナースコール親機2との間の通話やデータの送受信に関する制御を行う。ここで、本実施形態のナースコール親機2としては周知の技術を使用するため、ナースコール親機2の具体的な構成および処理の説明は省略する。
廊下灯3は、病室の出入口付近の壁面に取り付けられており、病室の番号や病室を使用している患者の氏名などを表示したり、患者からの呼び出しを医療従事者に報知したり、医療従事者が患者からの呼び出しに対して復旧操作を行ったりするためのものである。ここで、廊下灯3には、同一の病室に設置されている複数のナースコール子機1として、第一のナースコール子機1a、第二のナースコール子機1bが接続されている。なお、本実施形態では、第一のナースコール子機1a、第二のナースコール子機1bが廊下灯3に接続されているが、これに限定されない。例えば、1つのナースコール子機1が廊下灯3に接続されていても良いし、3つ以上のナースコール子機1が廊下灯3に接続されていても良い。
制御部4は、廊下灯3の各構成要素を後述するように制御する。I/F部5は、廊下灯3が第一のナースコール子機1aおよび第二のナースコール子機1bとの間で通信するためにそれぞれの子機用インターフェース部(図示せず)に接続されている。また、I/F部5は、廊下灯3がナースコール親機2との間で通信するために親機用インターフェース部(図示せず)に接続されている。ここで、I/F部5は、第一のナースコール子機1aや第二のナースコール子機1bから出力された呼出信号を入力する。また、I/F部5は、ナースコール親機2へ呼出信号を出力する。また、I/F部5は、第一のナースコール子機1aや第二のナースコール子機1b、ナースコール親機2へ復旧信号を出力する。また、復旧信号とは、呼び出し操作が行われた第一のナースコール子機1aや第二のナースコール子機1bを呼び出し操作ができる状態に戻したり、報知が行われたナースコール親機2を元の状態に戻したりするための信号を示す。
報知部6は、表示ディスプレイや表示灯などにより構成されており、患者が呼び出しを行ったことを報知するためのものである。表示ディスプレイにより構成されている報知部6は、第一のナースコール子機1aや第二のナースコール子機1bにより呼び出し操作が行われた場合に、呼び出し操作を行った患者の氏名を表示ディスプレイに強調して表示する。また、廊下灯3が報知を行っていない状態である場合に、制御部4は、自装置が設置されている病室内に居る患者の氏名をベッドのレイアウト通りに表示ディスプレイに表示させている。ここで、廊下灯3は、自装置が設置されている病室内に居る患者の氏名を示す患者情報をナースコール親機2から定期的に入力する。また、表示灯により構成されている報知部6は、第一のナースコール子機1aや第二のナースコール子機1bにより呼び出し操作が行われた場合に、呼び出し操作を行った患者の氏名が表示された付近に設けられている表示灯を点灯または点滅させる。また、廊下灯3が報知を行っていない状態である場合に、制御部4は表示灯を消灯させている。医療従事者は、表示ディスプレイによる表示や表示灯による点灯または点滅を確認することで、呼び出しを認識することができる。
タイマー部7は時間を計測するためのものである。ここで、タイマー部7は、呼び出し操作が行われた第一のナースコール子機1aや第二のナースコール子機1b毎に時間を計測する。制御部4は、I/F部5が第一のナースコール子機1aや第二のナースコール子機1bから出力された呼出信号を入力したか否かを判定する。I/F部5が呼出信号を入力したと制御部4にて判断した場合に、制御部4は報知部6を動作させて報知を行う。例えば、報知部6を表示ディスプレイで構成した場合、制御部4は、呼び出し操作を行った患者の氏名を表示ディスプレイに強調して表示する。それに併せて、制御部4はタイマー部7を動作させて時間の計測を開始する。
復旧操作部8は、ボタンなどにより構成されており、報知部6による報知を停止させて、ナースコール子機1の状態や報知部6を元の状態に戻すためのものである。制御部4は、報知部6が動作している状態で復旧操作部8が操作されたか否か(換言すると、復旧操作が行われた否か)を判定する。復旧操作部8が操作された(換言すると、復旧操作が行われた)と制御部4にて判断した場合に、制御部4は、タイマー部7が計測した時間を示す時間情報(換言すると、ナースコール子機1により呼び出し操作が行われた時点から計測した時間を示す時間情報)を取得する。そして、制御部4は、計測した時間が所定時間以上であるナースコール子機1が存在するか否かを判定する。ここで、所定時間とは、医療従事者が呼び出し操作を行った患者を認識することができる時間(例えば、2秒など)を示す。また、所定時間を示す所定時間情報は、図示しないメモリなどに記憶されており、上述した時間情報と比較する際には、制御部4により読み出されて使用される。
計測した時間が所定時間以上であるナースコール子機1が存在しない場合に、制御部4は、報知部6およびタイマー部7の動作を継続させる。一方、計測した時間が所定時間以上であるナースコール子機1が存在する場合に、制御部4は、計測した時間が所定時間以上ではない他のナースコール子機1が存在するか否かを判定する。そして、計測した時間が所定時間以上ではない他のナースコール子機1が存在しない場合には、制御部4は、報知部6およびタイマー部7の動作を停止させる。一方、計測した時間が所定時間以上ではない他のナースコール子機1が存在する場合には、制御部4は、そのナースコール子機1に対応する報知部6およびタイマー部7の動作を継続させる。また、制御部4は、計測した時間が所定時間以上であるナースコール子機1に対応する報知部6およびタイマー部7の動作を停止させる。また、制御部4が報知部6およびタイマー部7の動作を停止させると、制御部4は、対応するナースコール子機1およびナースコール親機2に対して復旧信号を生成し、I/F部5は、対応するナースコール子機1およびナースコール親機2に対して制御部4にて生成した復旧信号を出力する。
ここで、第一のナースコール子機1aにより呼び出し操作が行われた時点から5秒経過した時点で第二のナースコール子機1bにより呼び出し操作が行われたとし、所定時間を10秒とする例を用いて、復旧操作部8が操作された際の処理を説明する。
まず、第一のナースコール子機1aにより呼び出し操作が行われると、制御部4は報知部6を動作させて報知を行う。それに併せて、制御部4はタイマー部7を動作させて時間の計測を開始する。そして、報知部6による報知が行われてから5秒経過する前に復旧操作部8が操作されると、第一のナースコール子機1aに対応するタイマー部7で計測された時間が10秒未満となり、第二のナースコール子機1bにより呼び出し操作が行われていないので、対応するタイマー部7による時間の計測が行われていない状態となる。この場合、計測した時間が所定時間以上(10秒以上)であるナースコール子機1が存在しないと制御部4にて判断されるので、制御部4は、報知部6およびタイマー部7の動作を継続させる。
また、報知部6による報知が行われてから12秒経過した時点で復旧操作部8が操作されると、第一のナースコール子機1aに対応するタイマー部7で計測された時間(12秒)が10秒以上となり、第二のナースコール子機1bに対応するタイマー部7で計測された時間(7秒)が10秒未満となる。この場合、計測した時間が所定時間以上(10秒以上)である第一のナースコール子機1aが存在し、計測した時間が所定時間以上(10秒以上)ではない第二のナースコール子機1bが存在すると制御部4にて判断されるので、制御部4は、第二のナースコール子機1bに対応する報知部6およびタイマー部7の動作を継続させる。また、制御部4は、計測した時間が所定時間以上である第一のナースコール子機1aに対応する報知部6およびタイマー部7の動作を停止させる。また、制御部4は、第一のナースコール子機1aに対して復旧信号を生成し、I/F部5は、第一のナースコール子機1aに対して制御部4にて生成した復旧信号を出力する。
また、報知部6による報知が行われてから18秒経過した時点で復旧操作部8が操作されると、第一のナースコール子機1aに対応するタイマー部7で計測された時間(18秒)が10秒以上となり、第二のナースコール子機1bに対応するタイマー部7で計測された時間(13秒)も10秒以上となる。この場合、計測した時間が所定時間以上(10秒以上)である第一のナースコール子機1aおよび第二のナースコール子機1bが存在し、計測した時間が所定時間以上ではない他のナースコール子機1が存在しないと制御部4にて判断されるので、制御部4は、計測した時間が所定時間以上である第一のナースコール子機1aに対応する報知部6およびタイマー部7の動作を停止させるとともに、計測した時間が所定時間以上である第二のナースコール子機1bに対応する報知部6およびタイマー部7の動作を停止させる。また、制御部4は、第一のナースコール子機1aおよび第二のナースコール子機1bに対して復旧信号を生成し、I/F部5は、第一のナースコール子機1aおよび第二のナースコール子機1bに対して制御部4にて生成した復旧信号を出力する。
次に、本実施形態によるナースコールシステムの廊下灯3の動作を説明する。図2は、本実施形態によるナースコールシステムの廊下灯3の動作を示すフローチャートである。まず、制御部4は、I/F部5がナースコール子機1から出力された呼出信号を入力したか否かを判定する(ステップS1)。I/F部5が呼出信号を入力していないと制御部4にて判断した場合には(ステップS1にてNO)、ステップS1の処理に戻る。一方、I/F部5が呼出信号を入力したと制御部4にて判断した場合には(ステップS1にてYES)、制御部4は報知部6およびタイマー部7を動作させ、報知部6は呼び出しを報知するとともに、タイマー部7は時間の計測を開始する(ステップS2)。
次に、制御部4は、復旧操作部8が操作されたか否かを判定する(ステップS3)。復旧操作部8が操作されていないと制御部4にて判断した場合には(ステップS3にてNO)、制御部4は、I/F部5が他のナースコール子機1から出力された呼出信号を入力したか否かを判定する(ステップS4)。I/F部5が他のナースコール子機1から出力された呼出信号を入力していないと制御部4にて判断した場合には(ステップS4にてNO)、ステップS3の処理に戻る。一方、I/F部5が他のナースコール子機1から出力された呼出信号を入力したと制御部4にて判断した場合には(ステップS4にてYES)、制御部4は、他のナースコール子機1に対応する報知部6およびタイマー部7を動作させ、報知部6は呼び出しを報知するとともに、タイマー部7は時間の計測を開始し(ステップS5)、ステップS3の処理に戻る。
また、復旧操作部8が操作されたと制御部4にて判断した場合には(ステップS3にてYES)、制御部4は、タイマー部7が計測した時間を示す時間情報を取得する(ステップS6)。時間情報を取得すると、制御部4は、取得した時間情報が所定時間以上であるナースコール子機1が存在するか否かを判定する(ステップS7)。取得した時間情報が所定時間以上であるナースコール子機1が存在しないと制御部4にて判断した場合には(ステップS7にてNO)、ステップS3の処理に戻る。一方、取得した時間情報が所定時間以上であるナースコール子機1が存在すると制御部4にて判断した場合には(ステップS7にてYES)、制御部4は、取得した時間情報が所定時間以上ではないナースコール子機1が存在していれば、そのナースコール子機1に対応する報知部6およびタイマー部7の動作を継続させて、報知および時間の計測を継続する。また、制御部4は、取得した時間情報が所定時間以上であるナースコール子機1に対応する報知部6およびタイマー部7の動作を停止させて、報知および時間の計測を停止する(ステップS8)。
そして、制御部4は、報知および時間の計測が継続されているか否かを判定する(ステップS9)。報知および時間の計測が継続されていると制御部4にて判断した場合には(ステップS9にてYES)、ステップS3の処理に戻る。一方、報知および時間の計測が継続されていないと制御部4にて判断した場合には(ステップS9にてNO)、ステップS1の処理に戻る。
以上、詳しく説明したように、本実施形態のナースコールシステムでは、ナースコール子機1にて呼び出しが行われた場合に、制御部4は、報知部6を動作させて呼び出しを報知するとともに、タイマー部7を動作させて時間の計測を開始する。そして、復旧操作部8が操作されたと制御部4にて判断した場合に、タイマー部7が計測した時間が所定時間以上のナースコール子機1が存在するか否かを判定する。計測した時間が所定時間以上であるナースコール子機1が存在する場合に、制御部4は、計測した時間が所定時間以上ではない他のナースコール子機1が存在していれば、そのナースコール子機1に対応する報知部6およびタイマー部7の動作を継続させ、計測した時間が所定時間以上であるナースコール子機1に対応する報知部6の動作およびタイマー部7の動作を停止させるようにしている。これにより、複数のナースコール子機1の報知を停止するために操作される復旧操作部8が操作された場合に、複数のナースコール子機1の報知が重複しているとき、報知から所定時間が経過したナースコール子機1に対応する報知部6の動作のみが停止し、報知から所定時間が経過していないナースコール子機1に対応する報知部6の動作は継続する。従って、医療従事者が呼び出しの報知を認識するための時間を確保することができ、医療従事者は、呼び出しを認識している患者からの呼び出しの報知のみを停止することができる。
なお、前述した実施形態では、ナースコール子機1は、患者による操作によって呼出信号を出力する周知のナースコール子機を使用しているが、これに限定されない。例えば、患者による操作ではなく、患者の状態を検出した場合に呼出信号を出力する赤外線センサなどの各種センサを搭載したナースコール子機を使用するようにしても良い。
また、前述した実施形態では、報知部6、タイマー部7、復旧操作部8は、廊下灯3に設けられているが、これに限定されない。例えば、報知部6、タイマー部7、復旧操作部8をナースコール親機2などに設けるようにしても良い。
また、前述した実施形態では、重複した呼び出しが行われた場合に、呼び出しに対して報知を停止させるか否かを判定する処理を実行しているが、これに限定されない。例えば、優先順位の異なる重複した呼び出しが行われた場合に、呼び出しに対して報知を停止させるか否かを判定する処理を実行するようにしても良い。
具体的には、図3に示すようなナースコールシステムを用いて実現する。同図に示すように、本変形例は、ナースコール子機1、ナースコール親機2’を備えて構成されている。ここで、ナースコール親機2’には、複数のナースコール子機1が接続されている(例えば、第一のナースコール子機1a、第二のナースコール子機1b、・・・など)。また、ナースコール親機2’は、親機用制御部21、親機用インターフェース(以下、I/Fとする)部22、親機用報知部23、タイマー部24、応答操作部(特許請求の範囲の操作部に該当する)25を備えて構成される。また、第一のナースコール子機1a、第二のナースコール子機1bの動作については、前述の実施形態と同様の動作であるため、説明を省略する。また、タイマー部24の動作については、前述の実施形態に記載のタイマー部7と同様の動作であるため、説明を省略する。
ここで、複数のナースコール子機1には、呼び出しの優先順位が設定されており、第一のナースコール子機1aと第二のナースコール子機1bとの異なる優先順位が設定されている。また、呼び出しの優先順位は、患者毎に設定されたり、ナースコール子機1の種類(例えば、病室のベッド近傍に設置されているナースコール子機1やトイレなどに設置されているナースコール子機1、医療従事者がスタッフ呼び出しを行うためのナースコール子機1など)毎に設定されたりしている。
ナースコール親機2’は、医療従事者の居る部屋(例えば、スタッフルームなど)に設置されており、患者からの呼び出しを医療従事者に報知したり、医療従事者が患者からの呼び出しに対して応答したりするためのものである。また、ナースコール子機1から出力された呼出信号を入力すると、ナースコール親機2’は、親機用報知部23にて患者からの呼び出しを医療従事者に報知する。ここで、呼出信号は、ナースコール子機1を識別するための子機識別情報を含む。
ここで、ナースコール親機2’と第一のナースコール子機1aおよび第二のナースコール子機1bとの間には、制御機および複数の廊下灯(ともに図示せず)が設置されている。制御機は、第一のナースコール子機1aとナースコール親機2’との間の通話やデータの送受信および第二のナースコール子機1bとナースコール親機2’との間の通話やデータの送受信に関する制御を行う。また、廊下灯は、自装置に設けた表示灯を点灯または点滅させ、第一のナースコール子機1aや第二のナースコール子機1bによる呼び出しを報知する。なお、本変形例では、第一のナースコール子機1a、第二のナースコール子機1bがナースコール親機2’に接続されているが、これに限定されない。例えば、1つのナースコール子機1がナースコール親機2’に接続されていても良いし、3つ以上のナースコール子機1がナースコール親機2’に接続されていても良い。
親機用制御部21は、ナースコール親機2’の各構成要素を後述するように制御する。親機用I/F部22は、ナースコール親機2’が第一のナースコール子機1aおよび第二のナースコール子機1bとの間で通信するためにそれぞれの子機用インターフェース部に接続されている。ここで、親機用I/F部22は、第一のナースコール子機1aや第二のナースコール子機1bから出力された呼出信号を入力する。また、親機用I/F部22は、第一のナースコール子機1aや第二のナースコール子機1b、廊下灯へ復旧信号を出力する。
親機用報知部23は、スピーカや表示ディスプレイ、表示灯などにより構成されており、患者が呼び出しを行ったことを報知するためのものである。スピーカにより構成されている親機用報知部23は、第一のナースコール子機1aや第二のナースコール子機1bにより呼び出し操作が行われた場合に、スピーカから呼び出し音や音声を出力する。また、ナースコール親機2’が報知を行っていない状態である場合に、親機用制御部21は、スピーカから呼び出し音や音声を出力しない。表示ディスプレイにより構成されている親機用報知部23は、第一のナースコール子機1aや第二のナースコール子機1bにより呼び出し操作が行われた場合に、呼び出し操作を行った患者の氏名を表示ディスプレイに強調して表示する。また、ナースコール親機2’が報知を行っていない状態である場合に、親機用制御部21は、病室内に居る患者の氏名をベッドのレイアウト通りに表示ディスプレイに表示させている。また、表示灯により構成されている親機用報知部23は、第一のナースコール子機1aや第二のナースコール子機1bにより呼び出し操作が行われた場合に、呼び出し操作を行った患者の氏名が表示された付近に設けられている表示灯を点灯または点滅させる。また、ナースコール親機2’が報知を行っていない状態である場合に、親機用制御部21は表示灯を消灯させている。医療従事者は、スピーカによる音の出力や表示ディスプレイによる表示、表示灯による点灯または点滅を確認することで、呼び出しを認識することができる。
親機用制御部21は、親機用I/F部22が第一のナースコール子機1aや第二のナースコール子機1bから出力された呼出信号を入力したか否かを判定する。親機用I/F部22が呼出信号を入力したと親機用制御部21にて判断した場合に、親機用制御部21は親機用報知部23を動作させて報知を行う。それに併せて、親機用制御部21はタイマー部24を動作させて時間の計測を開始する。ここで、報知を開始する時点で他の呼び出しを報知していれば、親機用報知部23は、報知を開始する呼び出しと報知中の呼び出しとのうち、最も優先順位の高い呼び出しを優先させて呼び出しを報知する。
応答操作部25は、ハンドセットやボタンなどにより構成されており、医療従事者が呼び出しの報知に応答するためのものである。また、応答操作部25は、親機用報知部23による報知を停止させて、ナースコール子機1の状態や親機用報知部23を元の状態に戻す。また、ナースコール子機1に通話機能が搭載されている場合には、ナースコール子機1とナースコール親機2’との間で通話路が形成される。
親機用制御部21は、親機用報知部23が動作している状態で応答操作部25が操作されたか否か(換言すると、応答操作が行われたか否か)を判定する。応答操作部25が操作された(換言すると、応答操作が行われた)と親機用制御部21にて判断した場合に、親機用制御部21は、タイマー部24が計測した時間を示す時間情報(換言すると、ナースコール子機1により呼び出し操作が行われた時点から計測した時間を示す時間情報)を取得する。そして、親機用制御部21は、計測した時間が所定時間以上であるナースコール子機1が存在するか否かを判定する。
計測した時間が所定時間以上であるナースコール子機1が存在しない場合に、親機用制御部21は、親機用報知部23およびタイマー部24の動作を継続させる。一方、計測した時間が所定時間以上であるナースコール子機1が存在する場合に、親機用制御部21は、計測した時間が所定時間以上ではない他のナースコール子機1が存在するか否かを判定する。計測した時間が所定時間以上ではない他のナースコール子機1が存在する場合には、親機用制御部21は、そのナースコール子機1に対応する親機用報知部23およびタイマー部24の動作を継続させる。また、親機用制御部21は、計測した時間が所定時間以上であるナースコール子機1が複数存在するか否かを判定する。
計測した時間が所定時間以上であるナースコール子機1が複数存在しない場合には、親機用制御部21は、親機用報知部23およびタイマー部24の動作を停止させる。一方、計測した時間が所定時間以上であるナースコール子機1が複数存在すると判断した場合には、親機用制御部21は、計測した時間が所定時間以上であるナースコール子機1のうち最も優先順位の高いナースコール子機1以外の優先順位の低いナースコール子機1に対応する親機用報知部23およびタイマー部24の動作を継続させる。また、親機用制御部21は、計測した時間が所定時間以上であるナースコール子機1のうち最も優先順位の高いナースコール子機1に対応する親機用報知部23およびタイマー部24の動作を停止させる。
また、親機用制御部21が親機用報知部23およびタイマー部24の動作を停止させると、親機用制御部21は、対応するナースコール子機1および廊下灯に対して復旧信号を生成し、親機用I/F部22は、対応するナースコール子機1および廊下灯に対して親機用制御部21にて生成した復旧信号を出力する。
ここで、第一のナースコール子機1aにより呼び出し操作が行われた時点から5秒経過した時点で第二のナースコール子機1bにより呼び出し操作が行われたとし、所定時間を10秒とする例を用いて、応答操作部25が操作された際の処理を説明する。また、この例では、第二のナースコール子機1bによる呼び出しが第一のナースコール子機1aによる呼び出しよりも優先順位の高い呼び出しであるとしている。
まず、第一のナースコール子機1aにより呼び出し操作が行われると、親機用制御部21は親機用報知部23を動作させて報知を行う。それに併せて、親機用制御部21はタイマー部24を動作させて時間の計測を開始する。そして、親機用報知部23による報知が行われてから5秒経過する前に応答操作部25が操作されると、第一のナースコール子機1aに対応するタイマー部24で計測された時間が10秒未満となり、第二のナースコール子機1bにより呼び出し操作が行われていないので、対応するタイマー部24による時間の計測が行われていない状態となる。この場合、計測した時間が所定時間以上(10秒以上)であるナースコール子機1が存在しないと親機用制御部21にて判断されるので、親機用制御部21は、親機用報知部23およびタイマー部24の動作を継続させる。
また、親機用報知部23による報知が行われてから12秒経過した時点で応答操作部25が操作されると、第一のナースコール子機1aに対応するタイマー部24で計測された時間(12秒)が10秒以上となり、第二のナースコール子機1bに対応するタイマー部24で計測された時間(7秒)が10秒未満となる。この場合、計測した時間が所定時間以上(10秒以上)である第一のナースコール子機1aが存在し、計測した時間が所定時間以上(10秒以上)ではない第二のナースコール子機1bが存在すると親機用制御部21にて判断されるので、親機用制御部21は、第二のナースコール子機1bに対応する親機用報知部23およびタイマー部24の動作を継続させる。
また、計測した時間が所定時間以上であるナースコール子機1が複数存在しないと親機用制御部21にて判断されるので、親機用制御部21は、計測した時間が所定時間以上である第一のナースコール子機1aに対応する親機用報知部23およびタイマー部24の動作を停止させる。また、親機用制御部21は、第一のナースコール子機1aに対して復旧信号を生成し、親機用I/F部22は、第一のナースコール子機1aに対して親機用制御部21にて生成した復旧信号を出力する。
また、親機用報知部23による報知が行われてから18秒経過した時点で応答操作部25が操作されると、第一のナースコール子機1aに対応するタイマー部24で計測された時間(18秒)が10秒以上となり、第二のナースコール子機1bに対応するタイマー部24で計測された時間(13秒)が10秒以上となる。この場合、計測した時間が所定時間以上(10秒以上)である第一のナースコール子機1aおよび第二のナースコール子機1bが存在し、計測した時間が所定時間以上ではない他のナースコール子機1が存在しないと親機用制御部21にて判断される。
一方、計測した時間が所定時間以上である第一のナースコール子機1aおよび第二のナースコール子機1bが複数存在したと親機用制御部21にて判断されるので、親機用制御部21は、優先順位の高くない第一のナースコール子機1aに対応する親機用報知部23およびタイマー部24の動作を継続させる。また、親機用制御部21は、優先順位の高い第二のナースコール子機1bに対応する親機用報知部23およびタイマー部24の動作を停止させる。また、親機用制御部21は、第二のナースコール子機1bに対して復旧信号を生成し、親機用I/F部22は、第二のナースコール子機1bに対して親機用制御部21にて生成した復旧信号を出力する。
次に、本変形例によるナースコールシステムのナースコール親機2’の動作を説明する。図4は、本変形例によるナースコールシステムのナースコール親機2’の動作を示すフローチャートである。まず、親機用制御部21は、親機用I/F部22がナースコール子機1から出力された呼出信号を入力したか否かを判定する(ステップS11)。親機用I/F部22が呼出信号を入力していない場合には(ステップS11にてNO)、ステップS11の処理に戻る。一方、親機用I/F部22が呼出信号を入力したと親機用制御部21にて判断した場合には(ステップS11にてYES)、親機用制御部21は親機用報知部23およびタイマー部24を動作させ、親機用報知部23は呼び出しを報知するとともに、タイマー部24は時間の計測を開始する(ステップS12)。
次に、親機用制御部21は、応答操作部25が操作されたか否かを判定する(ステップS13)。応答操作部25が操作されていないと親機用制御部21にて判断した場合には(ステップS13にてNO)、親機用制御部21は、親機用I/F部22が他のナースコール子機1から出力された呼出信号を入力したか否かを判定する(ステップS14)。親機用I/F部22が他のナースコール子機1から出力された呼出信号を入力していない場合には(ステップS14にてNO)、ステップS13の処理に戻る。一方、親機用I/F部22が他のナースコール子機1から出力された呼出信号を入力したと親機用制御部21にて判断した場合には(ステップS14にてYES)、親機用制御部21は、他のナースコール子機1に対応する親機用報知部23およびタイマー部24を動作させ、親機用報知部23は呼び出しを報知するとともに、タイマー部24は時間の計測を開始し(ステップS15)、ステップS13の処理に戻る。
また、応答操作部25が操作されたと親機用制御部21にて判断した場合には(ステップS13にてYES)、親機用制御部21は、タイマー部24が計測した時間を示す時間情報を取得する(ステップS16)。時間情報を取得すると、親機用制御部21は、取得した時間情報が所定時間以上であるナースコール子機1が存在するか否かを判定する(ステップS17)。取得した時間情報が所定時間以上であるナースコール子機1が存在しないと親機用制御部21にて判断した場合には(ステップS17にてNO)、ステップS13の処理に戻る。
一方、取得した時間情報が所定時間以上であるナースコール子機1が存在すると親機用制御部21にて判断した場合には(ステップS17にてYES)、親機用制御部21は、取得した時間情報が所定時間以上であるナースコール子機1が複数存在するか否かを判定する(ステップS18)。取得した時間情報が所定時間以上であるナースコール子機1が複数存在しないと親機用制御部21にて判断した場合には(ステップS18にてNO)、親機用制御部21は、取得した時間情報が所定時間以上ではないナースコール子機1が存在していれば、そのナースコール子機1に対応する親機用報知部23およびタイマー部24の動作を継続させて、報知および時間の計測を継続する。また、親機用制御部21は、取得した時間情報が所定時間以上であるナースコール子機1に対応する親機用報知部23およびタイマー部24の動作を停止させて、報知および時間の計測を停止する(ステップS19)。
一方、取得した時間情報が所定時間以上であるナースコール子機1が複数存在すると親機用制御部21にて判断した場合には(ステップS18にてYES)、親機用制御部21は、取得した時間情報が所定時間以上ではないナースコール子機1が存在していれば、そのナースコール子機1に対応する親機用報知部23およびタイマー部24の動作を継続させて、報知および時間の計測を継続する。また、親機用制御部21は、取得した時間情報が所定時間以上であるナースコール子機1のうち優先順位の低いナースコール子機1に対応する親機用報知部23およびタイマー部24の動作を継続させて、報知および時間の計測を継続する。また、親機用制御部21は、取得した時間情報が所定時間以上であるナースコール子機1のうち最も優先順位の高いナースコール子機1に対応する親機用報知部23およびタイマー部24の動作を停止させて、報知および時間の計測を停止する(ステップS20)。
そして、親機用制御部21は、報知および時間の計測が継続されているか否かを判定する(ステップS21)。報知および時間の計測が継続されていると親機用制御部21にて判断した場合には(ステップS21にてYES)、ステップS13の処理に戻る。一方、報知および時間の計測が継続されていないと親機用制御部21にて判断した場合には(ステップS21にてNO)、ステップS11の処理に戻る。
これにより、複数のナースコール子機1の報知の何れかに応答するために操作される応答操作部25が操作された場合に、複数のナースコール子機1の報知が重複しているとき、報知から所定時間が経過したナースコール子機1のうち最も優先順位の高いナースコール子機1に対応する親機用報知部23の動作のみが停止し、報知から所定時間が経過していないナースコール子機1に対応する親機用報知部23の動作や報知から所定時間が経過していても優先順位の低いナースコール子機1に対応する親機用報知部23の動作は継続する。従って、医療従事者が呼び出しの報知を認識するための時間を確保することができ、医療従事者は、呼び出しを認識している患者からの呼び出しの報知のみを停止することができる。
また、前述した変形例では、親機用I/F部22、親機用報知部23、タイマー部24、応答操作部25は、ナースコール親機2’に備えられているが、これに限定されない。例えば、親機用I/F部22、親機用報知部23、タイマー部24、応答操作部25を医療従事者により携行されるハンディナースコール親機(例えば、PHSなど)に設けるようにしても良い。
また、前述した実施形態および変形例では、第一のナースコール子機1aおよび第二のナースコール子機1bに対して同一の所定時間が使用されているが、これに限定されない。例えば、第一のナースコール子機1aおよび第二のナースコール子機1bに対して個別の所定時間を使用するようにしても良い。
その他、ナースコールシステムの構成、処理手順、内容等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の組み合わせにより種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除するようにしても良い。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせるようにしても良い。