JP2011004665A - 心筋梗塞非ヒト動物モデル及びその作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 侵襲の少ない方法で、心筋梗塞誘発手術中、手術後の致死率が極めて低く、しかも血流遮断により心筋を壊死させた後、血流が再開され、心筋梗塞の局所治療や再生医療の研究にも利用することができる心筋梗塞非ヒト動物モデル及びその作製方法を提供する。
【解決手段】 心臓冠動脈の分枝血管に一時塞栓剤を投与することにより、前記分枝血管の血流遮断を行う分枝血管閉塞工程;及び前記分枝血管閉塞工程の所定期間経過後に、心筋梗塞を起こそうとする目的の冠動脈に一時塞栓剤を投与することにより、前記冠動脈の血流遮断を行う工程を含む作製方法。前記分枝血管は、心筋梗塞を起こそうとする目的の冠動脈の分枝血管であることが好ましい。
【選択図】 図3(b)

Description

本発明は、低い致死率で、且つ心筋の局所治療や再生医療などの研究にも利用できる心筋梗塞非ヒト動物モデルの作製方法及びこの方法により作製された非ヒト動物モデルに関する。
心筋梗塞、心不全といった病態の治療薬のスクリーニング、治療方法の確立などのためには、心筋梗塞、心筋虚血の病態に陥っている非ヒト動物モデルが有用である。
このような病態を有する動物モデルとしては、例えば、特開2002−291373号公報(特許文献1)に紹介されているように、冠動脈を永久的に結紮したラットのモデル(冠動脈結紮モデル)がある。しかし、このようなモデル作製方法では、例えば特開2005−229927号公報(特許文献2)で指摘されているように、全身麻酔により開胸して心臓、血管を露出させるなど、手技を要する手術が必要であり、このような手術侵襲は、対象動物にとっても負担が大きく、さらに心臓のポンプ機能の低下(心不全)により、次第に肺や腎臓などの心臓以外の主要臓器の血流量が不足し、多臓器不全に移行するなどの理由から、手術中、手術後を併せて30〜50%の動物が死んでしまう。つまり、モデル作製の成功率が極めて低い。
特開2002−209473号公報(特許文献3)では、健常動物の心臓の左冠動脈中枢部に結紮手術を施し、該冠動脈手術を施した心臓を別の健常動物の腹部に異所性移植し、該異所性心臓移植を施した動物を、心筋梗塞病態モデル動物とする方法が提案されている。このような方法は、1つのモデル作製に2頭(または2匹)の動物を要するため、大型動物を用いたモデルの大量作製には不適である。
WO2006−030737号公報(特許文献4)では、致死率の低いモデルの作製方法として、動脈部位の下流血管を結紮した後、次いで、閉塞すべき動脈を閉塞する方法が提案されている。
ところで、血管の血流遮断方法として、アメロイドリング(プラスチック製又は金属製のリングの内側にドーナツ型のカゼインコアを設けたもので、カゼインの体液吸収に伴う膨潤により、血管を閉塞する)を用いた方法が、近年、利用されている。このアメロイドリングを用いる方法は、縫合糸、クリップを用いる結紮による方法と比べて、血流量が緩徐に低下するため、手術後の心不全による致死を減少させることができる。
しかしながら、アメロイドリングを用いる血流遮断は、下流血管の結紮には適用困難であることから、前記特許文献4の実施例1においても、下流血管の結紮を、縫合糸で行った後、冠動脈の閉塞処置をアメロイドリングを用いて行っている。
特開2002−291373号公報 特開2005−229927号公報 特開2002−209473号公報 WO2006−030737号公報
特許文献4で提案されている方法は、予め局所的結紮を行うことで、心筋全体に虚血に対する耐性を獲得させ、心筋梗塞誘導手術に伴う動物の生存率を高めようとしているが、上記方法において行われる2度の血流遮断は、いずれも開胸を伴うものであるため、やはり手術の侵襲に伴う動物の負担は大きく、作製途中での動物死亡リスクが高い。
さらに、結紮により血流遮断された心筋梗塞モデルは、結紮した血管の内腔を通し、カテーテル操作ができないため、心筋局所再生医療などの研究用モデルとしては利用できない。
また、アメロイドリングによる血流遮断は、リング内側のカゼインの吸水による膨潤を利用しているが、膨潤速度の調節が難しいため、血流遮断までに要する時間にばらつきがあり、所望の心筋梗塞モデルを時間的に安定に作製することは容易でない。
尚、前述の特許文献4には、結紮を用いない血流遮断の方法として、自家血凝固塊により動脈を閉塞させることが提案されている。
実施例3として、自家血に凝固剤(ADPやトロンビン)を添加して自家血凝固塊(血栓)を作製し、次いで、カテーテルを用いて自家血凝固塊を目的とする動脈内腔に送達することで血流遮断を行うことにより、大脳動脈硬化が閉塞されたモデルを作製している。
自家血凝固塊により血流遮断を行わせる方法の場合、冠動脈のような太い血管を急速に閉塞させるためには、大量の血栓を投入する必要があり、血栓のみで健常な冠動脈全体を閉塞させることは容易でなく、安定的なモデルの作製が困難である。さらに血栓の一部が生体反応により器質化して血管を永久的に閉塞させるおそれがあり、また、血栓の溶解時間に個体差や部位による差異があるため、部位再現性に優れた心筋梗塞モデルを効率よく作製することが困難である。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、侵襲の少ない方法で、心筋梗塞誘発手術中、手術後の致死率が極めて低く、しかも血流遮断により心筋を壊死させた後、血流が再開され、心筋梗塞の局所治療や再生医療の研究にも利用することができる心筋梗塞非ヒト動物モデル及びその作製方法を提供することにある。
本発明の心筋梗塞非ヒト動物モデルの作製方法は、心臓冠動脈の分枝血管に一時塞栓剤を投与することにより、前記分枝血管の血流遮断を行う分枝血管閉塞工程;及び前記分枝血管閉塞工程の所定期間経過後に、心筋梗塞を起こそうとする目的の冠動脈に一時塞栓剤を投与することにより、前記冠動脈の血流遮断を行う工程を含む。前記分枝血管は、心筋梗塞を起こそうとする目的の冠動脈の分枝血管であることが好ましい。
分枝血管閉塞工程、及び冠動脈の血流遮断を行う工程の少なくとも一方の工程において、一時塞栓剤を投与する血管の上流でバルーンカテーテルを拡張させながら一時塞栓剤を投与することが好ましい。
また、前記一時塞栓剤は、球状PVA微粒子を、媒体に分散乃至溶解してなる分散液又は溶液乃至ペーストであることが好ましい。
本発明の心筋梗塞非ヒト動物モデルは、上記本発明の心筋梗塞非ヒト動物モデルの作製方法により作製されたモデルであり、冠動脈の少なくともいずれか1つの血管が虚血状態に陥って心筋細胞が壊死しているが、前記虚血した血管の血流が再開できるようになっている心筋梗塞病巣部位を有するという特徴を有している。前記非ヒト動物は、ブタであることが好ましい。
本発明の非ヒト動物の血流遮断方法は、血流遮断しようとする血管の入口部までバルーンカテーテルを通した後、当該入口部でバルーンを拡張させて血流を遮断した状態で、PVA球状微粒子を、前記血管内を閉塞する量だけ投与することを特徴とする。
本発明の心筋梗塞非ヒト動物モデルの作製方法は、開胸を伴わない、侵襲の少ない手術により行うことができるので、作製に伴う動物の致死率が低く、また、血栓のように個体差がある塞栓剤を用いていないので、安定的に再現性のよいモデルを作製することができる。
また、本発明の心筋梗塞非ヒト動物モデルは、虚血した血管の血流が再開できるようになっている心筋梗塞病巣部位を有しているので、心筋梗塞の治療薬のスクリーニングの他、再生医療の研究など、心筋梗塞の広範な研究に利用可能である。
実施例で作製したモデルNo.1の分枝血管閉塞工程中における心臓の造影レントゲン写真であり、(a)は一時塞栓剤の投与初期、(b)は投与終了直前に撮像した写真である。 実施例で作製したモデルNo.1の心筋梗塞誘導工程における心臓の造影レントゲン写真であり、(a)は一時塞栓剤の投与初期、(b)は投与終了直前に撮像した写真である。 (a)は実施例で作製したモデルNo.1の心筋梗塞誘導工程1週間後に行った造影MRI検査写真であり、(b)は同モデルの心臓を肉眼レンズカメラで撮影した写真である。 実施例で作製したモデルNo.6の心筋梗塞誘導工程1週間後に行った造影MRI検査写真であり、(a)は心臓の長軸画像写真、(b)は心臓の短軸画像写真である。 実施例で作製したモデルNo.8の冠動脈前下行枝閉塞後の造影レントゲン写真である。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、これらの内容に特定されるものではない。
<心筋梗塞モデルの作製方法>
本発明の心筋梗塞非ヒト動物モデルの作製方法は、心臓の冠動脈の分枝血管に、一時塞栓剤を投与することにより、前記分枝血管の血流遮断を行う分枝血管閉塞工程(プレコンディショニング);及び前記分枝血管閉塞工程の所定期間経過後に、心筋梗塞を起こそうとする目的の冠動脈に、一時塞栓剤を投与することにより、前記冠動脈の血流遮断を行う工程(心筋梗塞誘導工程)を含む。
ここで、目的の冠動脈とは、心筋梗塞を引き起こす冠動脈であり、左冠動脈前下行枝血管(LAD)、左冠動脈回旋枝血管(LCX)、左冠動脈主幹部血管(LMT)、右冠動脈血管(RCA)をいう。
これらの血管の少なくともいずれか1つの血管を流れる血流量が急激に減少又は途絶することにより心筋が虚血状態になり壊死してしまう、いわゆる心筋梗塞となる。
〔分枝血管閉塞工程(プレコンディショニング)〕
分枝血管閉塞工程で閉塞される血管は、上記冠動脈のうちの少なくともいずれか1つの分枝血管である。分枝血管は、心筋梗塞を起こそうとする冠動脈の分枝血管でなくてもよい。
分枝血管の血流が遮断されても、その貫流領域が小さければ、重篤な心筋梗塞状態には至らないことが多いので、心筋全体に虚血に対する耐性を与えることができる。分枝血管閉塞工程において閉塞される心臓冠動脈の分枝血管が、心筋梗塞を起こそうとする目的の冠動脈の分枝血管でなくても、心筋全体に虚血に対する耐性を与えることが可能であると推測されるが、心筋梗塞部位以外の心筋に対する影響を極力排除するために、心筋梗塞を起こそうとする目的の冠動脈の分枝血管であることが望ましい。
分枝血管に対して、一時塞栓剤を投与する際、血流の逆流等によって目的とする以外の分枝血管内に一時塞栓剤が流入し、目的外の血管が塞栓されたり、分枝血管を塞栓するための一時塞栓剤量が不足する可能性があるので、一時塞栓剤の投与に先立ち、目的とする分枝血管の入口部をバルーン付きカテーテル(第1バルーンカテーテル)によって一時的に閉塞させ、その後、バルーンによる閉塞部下流の遠位部位の血管内に一時塞栓剤を投与することが望ましい。
バルーンカテーテルの挿入は、通常、四肢の大腿動脈から心臓へ向けて行う。これにより、侵襲の高い開胸手術を回避できる。
第1バルーンカテーテルとしては、一定圧力で先端のバルーンが一定径に達するようにデザインされているものであればよく、その種類は特に限定しないが、ガイドワイヤーに沿わせてカテーテルのバルーンを配置する、オーバーザワイヤー式カテーテルが好ましく用いられる。バルーンの径は、閉塞しようとする血管の径に従って選択すればよい。
バルーンカテーテルによる血流遮断は、一時塞栓剤を投与して、血管を閉塞することができる時間より長ければよく、通常15〜60分である。本工程におけるバルーンの拡張は、投与した塞栓物質の逆流防止が最大の目的であり、血流遮断による組織の壊死誘発が目的でないので、上記時間で足りる。
一時塞栓剤の投与は、カテーテルを用いて行うことが好ましい。このとき使用するカテーテルは、上記第1バルーンカテーテルと兼用することが好ましい。これによりカテーテルの挿入操作を1つのガイドワイヤで兼用することが可能となり、バルーンの拡張に引き続いてガイドワイヤ用チャンネルから薬剤を放出すればよく、操作の効率を図ることができる。
一時塞栓剤の投与は、生理食塩水でカテーテルを洗浄しながら行うことが好ましい。具体的には、一時塞栓剤を投与した後、生理食塩水を注入、あるいは一時塞栓剤の必要投与量を複数回分に分け、一時塞栓剤の投与と生理食塩水の注入を交互に行うことにより行う。これにより、カテーテルに残存、付着している塞栓剤を洗い流して、所定量の一時塞栓剤を精度よく投与することができ、また血管内に残存している血液を洗い出すこともできる。
また、一時塞栓剤の投与に先立って、ヘパリン等の血液抗凝固剤を投与することが好ましい。血液が一時塞栓剤等の外的物質と接触して、血栓が形成されるのを防止するためである。
以上の操作は、血管造影で確認しながら行うことが好ましく、血管造影にて血流が停止することを確認するまで投与しつづければよい。造影剤は、一時塞栓剤と別個に投与してもよいし、一時塞栓剤に含有しておいてもよい。
〔心筋梗塞誘導工程〕
分枝血管を閉塞した後、所定期間経過後に、目的とする冠動脈の血流遮断工程を行う。
ここで、所定期間とは、通常1〜10日間である。塞栓剤が分枝血管に残存し、且つ分枝血管付近の血流を遮断できている状態で、虚血に対する心筋の耐性をある程度獲得できる程度の期間が、上記程度の期間である。
かかる期間中に分枝血管を閉塞した一時塞栓剤が分解又は体液に溶解して、体外へ排泄される。
冠動脈の血流遮断工程は、目的とする冠動脈(すなわち、分枝血管の基動脈で、左冠動脈前下行枝血管(LAD)、左冠動脈回旋枝血管(LCX)、又は左冠動脈主幹部血管(LMT)、又は右冠動脈血管(RCA)に、一時塞栓剤を投入することにより行う。
かかる冠動脈の血流遮断工程においても、分枝血管閉塞工程と同様、一時塞栓剤の逆流などを抑制するために、冠動脈の入口をバルーンカテーテル(第2バルーンカテーテル)によって閉塞させ、その後、バルーン閉塞部下流の遠位部位の血管内に一時塞栓剤を投与することが望ましい。
第2バルーンカテーテルによる血流遮断は、第1バルーンカテーテルとによる血流遮断と同様に、通常、ガイディングカテーテルを先行して目的とする動脈の根元近くまで挿入し、そこでガイディングカテーテルを留置し、ガイディングカテーテル内に第2バルーンカテーテルを挿通させ、先端からバルーンを突出させ、拡張することにより行う。
また、一時塞栓剤の投与も、分枝血管閉塞工程と同様に、カテーテル、好ましくは第2バルーンカテーテルを兼用して、注入する。そして、生理食塩水によるカテーテルの洗浄を行いながら行うことが好ましい。
第2バルーンカテーテルとしては、冠動脈の血流を遮断できるバルーン径を有するものであればよい。バルーンが膨らむ部分には、一時塞栓剤を注入、閉塞できないので、バルーン長さは短い方が好ましい。通常1〜2cmのものを用いる。
投与する一時塞栓剤は、分枝血管閉塞工程で用いた一時塞栓剤と同様のものが好ましい。また、一時塞栓剤の投与に先立って、血液抗凝固剤を投与することが好ましく、さらに、一時塞栓剤の投与を生理食塩水注入によりカテーテルを洗浄しながら行うことが好ましい。
以上の操作は、分枝血管閉塞工程と同様に、血管造影で確認しながら行うことが好ましく、血管造影にて血流が停止することを確認するまで投与しつづければよい。造影剤は、一時塞栓剤の投与に先立って、あるいは一時塞栓剤とともに投与することができる。
以上のような心筋梗塞誘導工程において、不整脈、血圧降下などはほとんど認められず、非ヒト動物の致死率は極めて低い。
そして、上記心筋梗塞誘導工程後、所定期間(1週間程度)経過後、心筋梗塞の病態モデルが完成する。心筋梗塞であることの確認は、造影MRI検査で確認できる。造影剤の排泄遅延部位が認められたら、画像診断上、心筋梗塞病巣が形成できたと考えられる。心筋梗塞病巣形成までの間におけるモデル動物の生存率は90%以上である。分枝血管閉塞工程及び所定期間の放置(プレコンディショニング)により、虚血に対する心筋の対応能力が高まったため、より大きな範囲の心筋梗塞誘導による致死率を低減することができたと考えられる。
<一時塞栓剤>
本発明の方法で用いられる一時塞栓剤は、目的とする血管部位を閉塞して血流量の低下乃至遮断することができ、所定期間経過後に体液に溶解することにより、永久的な血流遮断を回避するとともに、体内に残存しない物質(一時塞栓物質)を媒体に分散乃至は溶解させてなる分散液又は溶液乃至はペーストである。
一時塞栓剤としての塞栓期間は特に限定しないが、本発明の心筋梗塞モデル作製方法で用いる閉塞剤の場合、心筋梗塞病態完成までの間、通常1〜14日間、血流が遮断乃至低下できる物質であればよい。
一時塞栓物物質としては、例えば、WO98/3203号公報に開示されているゼラチンスポンジや、特開2004−167229号公報に開示されている30%以上の水膨潤率を有し、37℃のリン酸緩衝生理食塩水中において分解性を有する略球状粒子平均粒子であってもよいし、特開2007−37989号公報に開示されているケン化度90モル%以上で、平均粒径70〜1000μmのパール状PVA粒子であってもよい。
PVA粒子は、所定期間で血液に溶解することにより、一旦閉塞した血管の血流を再開させることができ、体内に残存することがないという点において好ましい。
以下、特に好ましい一時塞栓物質である球状PVA粒子について説明する。
〔球状PVA粒子〕
本発明において、PVAとは、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ギ酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニルなどのビニルエステルの単独重合体や共重合体であるポリビニルエステルポリマーのケン化物(未変性PVA)の他、ビニルエステルと共重合可能なモノマーが共重合されてなるビニルエステル系ポリマーのケン化物(前変性PVA)、あるいは未変性PVAのケン化後に、スルホン酸、カルボン酸等で変性したもの(後変性PVA)も含む概念である。
上記ビニルエステルと共重合可能なモノマーとしては、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノまたはジアルキルエステル等の不飽和カルボン酸;エチレン、プロピレン等の各種α−オレフィン;3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール、3,4−ジヒドロキシ−1−ブテン等のヒドロキシ基含有α−オレフィン類およびそのアシル化物などの誘導体;ノルボルネン等の脂環式炭化水素;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類;ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類;エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩;アルキルビニルエーテル類;ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、(メタ)アクリレート、さらに、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドエチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、2−アクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、メタアリルトリメチルアンモニウムクロライド、3−ブテントリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ジエチルジアリルアンモニウムクロライド等のカチオン基含有モノマー;アセトアセチル基含有モノマー;アリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロペンスルホン酸、グリセリンモノアリルエーテル、酢酸イソプロペニル、1−メトキシビニルアセテート、1,4−ジアセトキシ−2−ブテン等が挙げられる。
変性PVAとしては、上記共重合可能なモノマー単位を含有するポリマーのケン化物の他、一般式(1)で示される側鎖1,2−ジオール単位を有するPVAも含まれる。
上記一般式(1)において、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子又は有機基を表す。R〜Rは、すべて水素原子であることが望ましいが、樹脂特性を大幅に損なわない程度の量であれば有機基であってもよい。該有機基としては特に限定されないが、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、必要に応じてハロゲン基、水酸基、エステル基、カルボン酸基、スルホン酸基等の置換基を有していてもよい。
上記一般式(1)中、Xは単結合又は結合基であり、溶解性、結晶化度の点から単結合であることが好ましい。上記結合鎖としては、特に限定しないが、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、フェニレン、ナフチレン等の炭化水素(これらの炭化水素は、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン等で置換されていてもよい)の他、−O−、−(CHO)m−、−(OCH)m−、−(CHO)mCH−、−CO−、−COCO−、−CO(CH)mCO−、−CO(C)CO−、−S−、−CS−、−SO−、−SO−、−NR−、−CONR−、−NRCO−、−CSNR−、−NRCS−、−NRNR−、−HPO−、−Si(OR)−、−OSi(OR)−、−OSi(OR)O−、−Ti(OR)−、−OTi(OR)−、−OTi(OR)O−、−Al(OR)−、−OAl(OR)−、−OAl(OR)O−等が挙げられるが(Rは各々独立して任意の置換基であり、水素原子、アルキル基が好ましく、またmは自然数である)が挙げられる。なかでも、製造時の粘度安定性や耐熱性等の点で、炭素数6以下のアルキレン基、特にメチレン基、あるいは−CHOCH−が好ましい。
、変性PVAの場合、変性度は、通常0.2〜1モル%、好ましくは0.1〜1モル%、より好ましくは0.3〜0.5モル%である。
以上のようなPVAにおけるビニルエステル成分のケン化度は、JIS K6726に基づいて測定した値で、通常90モル%以上である。未変性PVAの場合、90−99.5モル%であり、変性PVAの場合、99モル%以上である。
これは、未変性PVAの場合、溶解性の制御にケン化度を利用するため、比較的広い範囲のケン化度のものを用いるのに対し、変性PVAでは、主として変性量と熱処理条件によって溶解性を制御することから、ケン化度については溶解性への影響が小さい高ケン化度品を用いることが好ましいことによる。
なお、変性種によって一概に言えないが、結晶性の制御は、ケン化度よりも変性量で行う方が、微妙な制御が可能であり、再現性も良好である。
ケン化が不十分な場合、水性媒体に膨潤しやすくなり、粘度が高くなりすぎてカテーテル通過性が悪く、カテーテル内で詰まってしまったりするなど、カテーテルを通して閉塞剤を注入する際の圧力が非常に高くなって、作業性が著しく低下することがあるため、好ましくない。
本発明で、一時塞栓物質として用いるのに特に好ましいPVA微粒子は、以上のようなPVAで且つ下記特性を有する球状粒子である。
PVA微粒子の粒径は、50〜800μmであることが好ましく、より好ましくは100〜250μmであり、さらに好ましくは105〜212μmである。
冠動脈の径は、通常500〜3000μmであり、冠動脈の分枝血管の径は、50〜1000μmであることから、PVA粒子の平均粒径が小さすぎると、目的とする血管以外の部位、毛細血管なども閉塞する傾向があり、好ましくない。一方、平均粒径が大きすぎると、使用するカテーテルの種類によっては、粒子のカテーテル通過性が著しく低下したり、通過不能となる傾向がある。
PVA粒子の平均重合度は、通常80〜1500であり、好ましくは90〜1000であり、より好ましくは100〜800であり、さらに好ましくは300〜600である。平均重合度が小さすぎると、工業的に安定的に生産するのが容易ではなく、また体液に対する溶解が速くなるため、心筋梗塞誘導工程前に消失してしまう場合がある。一方、平均重合度が大きくなりすぎると、血管内における粒子の溶解時間が非常に長くなり、一時閉塞剤としての機能が低下する。
本発明で用いられるPVA粒子は、真球に近い形状を有していることが好ましい。真球に近い形状とすることにより、カテーテル通過性が良くなり、血管に対する損傷を小さくできるとともに、閉塞に際してより効率的に、完全な閉塞を達成できるからである。
具体的には、球形度係数で、通常0.96以上であり、好ましくは0.98以上であり、より好ましくは0.99以上である。このように真球に近いポリビニルアルコール粒子は、カテーテル内の通過性がよいので、投与作業をスムーズに行うことができる。
PVA微粒子の結晶化度は、55〜65%が好ましく、より好ましくは58〜63%であり、更に好ましくは、60〜62%である。PVA粒子の結晶化度は、PVA製造後の熱処理条件によって制御することができる。上記結晶化度に調節するためには、熱処理温度を、通常、120〜150℃、好ましくは130〜140℃で行えばよい。熱処理時間は、通常、10〜120分であり、特に20〜60分の範囲が好ましい。
本発明で用いられるPVA微粒子は、水に対する溶解速度、血液に対する溶解速度を、下記範囲内に調整することが好ましい。
水に対する溶解速度は、下記側的方法における残存率で、通常25〜70%であり、好ましくは30〜60%であり、より好ましくは30〜55%である。ここで、水に対する溶解速度の評価指標とする残存率とは、100mlのビーカーに水70g及び100〜212μmに分級し、PVA粒子3gを入れ、室温で2分間攪拌した後、ビーカーを37℃の水槽に入れ、攪拌しながらLASENTEC M100F(レーゼンテック社製、取り込み時間24.75秒)を用いて測定されるPVA粒子の粒子数について、測定開始直後の粒子数に対する3時間後の粒子数の比率として求められる。
以上のようなPVA粒子は、たとえば、特開昭56−120707に記載された粒状ポリビニルアルコールの製造法に準じて製造することができる。具体的には、アルコールまたはアルコールと酢酸メチル(a)からなる溶媒のポリビニルエステル溶液(b)を、ポリビニルエステル、該エステルのケン化物、および成分(a)のいずれとも実質的に相溶せず、かつ成分(b)よりも粘度の高い媒体(c)中に粒状に分散せしめ、ケン化触媒存在下でケン化して得られる。
(a)成分におけるアルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール等の低級脂肪族アルコールを単独であるいは2種以上を任意の割合で混合して用いることができる。これらのうち、ケン化反応時の粒径制御および実用的なケン化度速度が得られる点から、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールを用いることが好ましい。アルコールと酢酸メチルを併用する場合は、ポリビニルエステルのケン化反応効率の点から、アルコール/酢酸メチルの割合を重量比で0.5以上とすることが好ましく、1.5以上とすることがより好ましい。また、酢酸メチルより更に極性が低い各種有機溶剤を併用することも可能である。
上記(b)成分におけるポリビニルエステルの含有量は、特に限定されるものではないが、通常、溶媒全体の10〜80重量%である。(b)成分(ポリビニルエステル溶液)は、ポリビニルエステルに対して0.05〜10重量部の水を含有していてもよく、少量の水の存在によりケン化物の残存酢酸基の分布をランダムにし、またケン化度を制御する役割を果たすことができる。
媒体(c)は、用いるポリビニルエステル、そのケン化物および(a)成分(アルコールまたはアルコールと酢酸メチル)のいずれとも実質的に相溶せず、かつポリビニルエステル溶液(b)よりも粘度の高いものであって、たとえば、流動パラフィン、灯油の如き脂肪族飽和炭化水素類、芳香族炭化水素類、脂環式炭化水素類があげられる。これらは単独または2種以上を混合して用いることができる。なかでも、ポリビニルエステル溶液を均一に分散できることから、流動パラフィンが好ましい。
媒体(c)の粘度は、ポリビニルエステル溶液(b)の粘度よりも高ければ特に限定されるものではない。
ポリビニルエステル溶液(b)と媒体(c)の使用割合は、重量比で2/8〜6/4とすることが好ましく、4/6〜5/5とすることがより好ましい。ポリビニルエステル溶液(b)の使用割合が20重量%未満の場合は、生産効率が低下するため好ましくない。ポリビニルエステル溶液(b)の使用割合が60重量%をこえる場合には、分散性が悪くなり、多数粒子の集合体が形成されやすくパール状PVA粒子の平均粒径が大きくなる傾向にある。
ケン化触媒としては、ポリビニルエステルをケン化してPVAを製造する時に用いられる通常のアルカリ触媒を用いることができる。ケン化触媒の使用量は、ポリビニルエステルの濃度、目的とするケン化度により適宜決定されるが、通常、ポリビニルエステル中の酢酸ビニル単位(1モル)に対して0.1〜30ミリモル、好ましくは2〜17ミリモルの割合が適当である。
ケン化反応の反応温度は、20℃〜60℃とすることが好ましい。反応温度が20℃以下の場合には、反応速度が小さくなり反応効率が低下する。60℃をこえる場合には、溶媒の沸点以上となり安全上好ましくない。
ケン化度99.0%以上といった高ケン化度のPVA粒子は、得られるPVA粒子の特性やPVA粒子内部に取り込まれる流動パラフィンによる人体への毒性を低減させるという安全性上の目的より、2段階のケン化反応により製造することが好ましい。1次ケン化では、ケン化度75〜90モル%となるまでケン化反応を行った後、反応スラリーより粒子を遠心分離器装置等の固液分離装置や実験室的にはアドバンテック濾紙No.2または、No.63による濾過により分離し、必要に応じてメタノール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸メチル/メタノール混合物などの適当な溶剤あるいは混合溶剤で洗浄を行い、1次ケン化粒子を得る。つづいて、得られた1次ケン化粒子を、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒中に分散させて、ケン化反応の追い込みを行う。所望のケン化度が達成できたところで、反応を終了させ、1次ケン化における粒子の回収と同様の方法により、本発明のPVA粒子(2次ケン化粒子)を得る。その後、必要に応じて生理食塩水やエタノール等のアルコールにて洗浄を行なう。
なお、側鎖1,2−ジオール含有PVAの場合、製造方法は特に限定しないが、(i)ビニルエステル系モノマーと下記一般式(2)で示される化合物との共重合体をケン化する方法、(ii)ビニルエステル系モノマーと下記一般式(3)で示される化合物との共重合体をケン化及び脱炭酸する方法、(iii)ビニルエステル系モノマーと下記一般式(4)で示される化合物との共重合体を、ケン化及び脱ケタール化する方法などにより、好ましく製造される。



(2)(3)(4)式中、R〜Rは、いずれも(1)式の場合と同様である。R及びRは、それぞれ独立して水素またはR−CO−(式中、Rは、アルキル基である)。R10及びR11は、それぞれ独立して水素原子又は有機基である。
(i)、(ii)及び(iii)の方法については、例えば、特開2006−95825に説明されている方法を採用できる。
なかでも、共重合反応性及び工業的な取扱いにおいて優れるという点で(i)の方法が好ましく、特にR〜Rが水素原子、Xが単結合、R及びRがR−CO−であり、Rがアルキル基である、3,4−ジアシロキシ−1−ブテンが好ましく、更にその中でも特にRがメチル基である3,4−ジアセトキシ−1−ブテンが好ましく用いられる。
ケン化方法としては、側鎖1,2−ジオールを含有しないPVAで行ったケン化方法を採用することができる。
PVA粒子を滅菌する場合、滅菌法としては、γ線、加圧水蒸気滅菌、ヒビテン液(グルコン酸クロルヘキシジン液)に浸漬する方法や、滅菌生理食塩水による洗浄方法が用いられる。
目的とする平均粒径を有するPVA粒子は、以上のような製造方法で得られたパール状PVA粒子を、必要に応じて標準金網により物理的に篩い分けを行うことにより任意の粒径のパール状PVA粒子の調整を行うことができる。また、平均粒径を所望のレベルまで小さくするためには、特開昭56−120707号公報に記載された粒状ポリビニルアルコールの製造法に準じて製造する際のケン化反応時の撹拌速度を速くしたり、流動パラフィン等の媒体(c)の粘度をポリビニルエステル溶液(b)の粘度より高く設定したり、媒体(c)とポリビニルエステル溶液(b)の比率を制御することにより粒径を制御することもできる。
〔一時塞栓剤の調製〕
本発明の方法で用いられる一時塞栓剤は、一時塞栓物質の分散液又は溶液ないしペーストである。好ましくは、上述の球状PVA微粒子を、媒体に分散乃至溶解させてなる分散液又は溶液乃至ペーストである。
上記媒体としては、アルコール、精製水、生理食塩水等の水系媒体;ヨード化ケシ油脂肪酸エステルなどの非水系媒体、いずれも用いることができる。上述のPVA粒子の製造方法により、ケン化後得られたPVA分散液をそのまま用いてもよい。水性媒体を用いる場合であっても、PVA粒子を水性媒体と混和した直後に用いる場合、水性媒体にPVA微粒子の一部または全部が分散した状態となっている。
さらに、媒体として、造影剤を用いてもよい。血流が停止したかどうかの確認、一時塞栓剤の投与操作を、X線透視下で観察しながら行うにあたり、通常、造影剤(液体)を投与するので、媒体として兼用することもできる。
造影剤としては、尿路、血管用造影剤、MRI用造影剤、消化管用造影剤などを挙げることができ、通常、血管造影剤である、イオン性水溶性造影剤、非イオン性水溶性造影剤が用いられる。具体的には、イオパミロン(シエーリングAG製)、オイパロミン(富士製薬工業(株)製)、ヘキサブリックス(テルモ(株)製)、オムニパーク(第一三共製薬(株)製)、ビジパーク(第一三共製薬(株)製)、イオメロン(エーザイ(株)製)、ブロスコープ(田辺三菱製薬(株)製)などを用いることができる。これらの造影剤は、通常、水溶液である。造影剤とPVA粒子との混合は、使用直前に行うことが好ましく、このようにして調製される一時塞栓剤は、PVA粒子の分散液状態となっているので、カテーテル通過性がよい。
さらに、一時塞栓剤には、ヘパリン、ワーファリン等の抗血液凝固物質、抗血小板薬などを含有させてもよい。
以上のような一時塞栓剤が投与されると、PVA粒子が血管内で溶解し始めてペースト状となり、血管を塞栓する。つまり、塞栓状態が達成される。かかる状態が、およそ1時間以上続くと、塞栓された血管が栄養供給している心筋細胞が壊死する。その後、さらに血液、体液にPVAが溶解して体外へ排出され、ペーストの粘度が減少し、やがて血管閉塞状態が解消される。
一時塞栓剤としてPVA粒子を用いる場合、塞栓剤に使用する媒体等により溶解速度が異なるが、1週間程度ですべての塞栓物質が排泄される。よって、所定期間経過後には、遮断された血管において、再び血流が再開し、カテーテルを挿入することも可能となる。
尚、PVA粒子による血流遮断で血栓ができていないことは、造影剤により確認できる。
<心筋梗塞非ヒト動物モデル>
本発明の心筋梗塞非ヒト動物モデルは、上記本発明のモデル作製方法により作製されるモデルである。
上記方法により作製された心筋梗塞モデルは、閉塞された冠動脈が栄養供給している心筋が壊死しており、いわゆる心筋梗塞病態となっている。
しかしながら、心筋梗塞の誘導原因となった冠動脈は、一定期間経過後には、閉塞に用いた塞栓剤が徐々に血液に溶解して消失し、さらにアメロイドリング等の機械的閉塞器具による血流遮断でないことから、心筋梗塞を起こした部分の血管において、塞栓剤消失後は、再びカテーテルを挿入することも可能である。
よって、このような本発明の心筋梗塞非ヒト動物モデルは、局所療法、局所治療のための薬剤スクリーニング、心筋再生の研究のモデルとして用いることができる。
また、実際の心筋梗塞の原因としては、冠動脈粥状硬化による動脈の閉塞ないし狭窄の他、冠動脈を急速に閉塞する血栓形成などがあり、血栓形成による心筋梗塞の場合、その後の血栓溶解などにより、再び血流が再開する場合がある。従って、本発明の心筋梗塞非ヒト動物モデルは、このような心筋梗塞の病態研究、治療態様、治療薬剤のスクリーニングとして利用することもできる。
モデルに使用する非ヒト動物は、哺乳類であり、ラット、マウス、ウサギ、ブタなどを用いることができるが、これらのうち、ブタが好ましく用いられる。ブタは、生理学的・解剖学的所見、消化吸収に関する生理がヒトに類似しており、特に、心臓の形態や冠動脈の分布、動脈内皮構造がヒトに類似しているからである。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、実施例の記載に限定されるものではない。
尚、実施例中「部」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
〔測定評価方法〕
(1)ケン化度
PVA粒子のケン化度は、JIS K-6726に準じて測定した。具体的には、残存酢酸ビニルおよび3,4−ジアセトキシ−1−ブテンに由来するエステルの加水分解に要するアルカリ消費量で分析を行った。
(2)平均粒径
PVA粒子の平均粒径は、高ケン化PVAにとって貧溶媒であるイソプロピルアルコール100部中にPVA粒子10部を添加し、撹拌下にて平均粒径を平均コード長として測定を行った。測定には、レーゼンテックM100(インライン式粒体モニタリングシステム、レーゼンテック製)を用いた。
平均コード長(μm)は、具体的には、0.8〜1000μmの範囲を38チャンネルのコード長に分割、各チャンネルの粒子数をカウントし、下式によって求めた。
平均コード長=Σ(Yi×Mi2)/ΣYi
Yi:レーゼンテックM100によりモニタリングしたときの粒子のカウント数
Mi:各チャンネルのコード長
(3)水に対する溶解性
100mlのビーカーに水70gと造影剤(イオメロン300、エーザイ(株)製)4gを入れ、これに100〜212μmに分級したPVA微粒子を1g投入し、室温で2分間攪拌する。その後、ビーカーを37℃の水槽に入れ、攪拌しながらLASENTEC M100F(レーゼンテック社製、取り込み時間24.75秒)を用いてPVA粒子の粒子数を測定した。測定開始直後の粒子数に対する3時間後の粒子数の比率を残存率とし、この残存率を溶解性の評価指標として採用した。
(4)平均重合度
JIS K6726に準じて測定した。
(5)結晶化度(DSC法)
示差走査熱量計DSC7(パーキンエルマー社製)を用い、温度範囲30〜250℃、昇温速度20℃/分で測定したファーストランで得られた融解熱ΔH(J/g)を用い、下記式から結晶化度を求めた。
なお、式中の156(J/g)は、未変性完全ケン化PVAが100%結晶化している場合の融解エネルギーである。
結晶化度(%)=(ΔH/156)×100
(6)真球度(球形度係数)
走査型電子顕微鏡によるPVA微粒子画像から、その単位視野内の個々の粒子について、その輪郭の長さ(L)と面積を測定し、かかる面積と同じ面積である円の円周(M)を求め、それらから球形度係数(M/L)の平均値を求めた。なお、球形度係数が1に近いほど、その粒子は真球に近い。
(7)心筋梗塞の確認
心筋梗塞の画像診断は心臓造影MRI検査にて行った。
MRI用ガドリニウム造影剤(第一三共社製オムニスキャン静注32%シリンジ10ml)を3.0cc/secで7cc静注し15分後にMRI装置(米国General Electoric社製Sigma EXCIE XI version11.0)を用いてTI=250〜300msecで撮像した。文献報告(Kim RJ, Fieno DS, Parrish TB, et al. Relationship of MRI delayed contrast enhancement to irreversible injury, infarct age, and contractile function. Circulation 100: 1992-2002. 1999)から造影剤の排泄遅延部位を心筋梗塞病巣と画像診断した。
さらに、心筋梗塞の病理診断は塩化2,3,5-トリフェニル-2H-テトラゾリウム(2,3,5-Triphenyl-2H-tetrazoliumu Choride:TTC)染色及びヘマトキシリンエオジン染色を用いて行った。上記心筋梗塞病巣の画像診断の直後に動物を犠牲死させて心臓を摘出し、MRI画像と同じスライス方向で心臓を切り出してTTC液に15分間浸漬して、肉眼的に白色に色調変化した部位を心筋梗塞病巣と診断した。さらに白色に色調変化した部位の連続切片を作製し、ホルマリン固定を行った後マトキシリンエオジン染色を行って心筋細胞の壊死、繊維化及び炎症細胞浸潤のある部分を心筋梗塞病巣と診断した。
〔球状PVA微粒子の製造〕
還流冷却器、滴下漏斗、攪拌機を備えた反応缶に、酢酸ビニル900g、メタノール1440g、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン9gを仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.3モル%(対仕込み酢酸ビニル)投入し、攪拌しながら窒素気流下で、温度を上昇させ、重合を開始した。
酢酸ビニルの重合率が98%となった時点で、p−メトキシフェノールを70ppm添加して重合を終了した。続いてメタノール蒸気を吹き込む方法により未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し、共重合体のメタノール溶液を得た。
得られた共重合体のメタノール溶液にメタノールを加えて樹脂分40%に調整した。この溶液100部の攪拌機付き反応缶に仕込み、温度を30℃に保って攪拌しながら、ケン化反応触媒としてNaOHのNa含量換算で2%メタノール溶液を、ポリ酢酸ビニルの酢酸ビニル単位に対して3.2mmolの割合で添加した。
続いて流動パラフィン100部を加えて、攪拌速度を300回転に調節したところ、共重合体は球形状で流動パラフィン中に分散した。温度を30℃に保って反応させ、60分経過後に反応を停止し、遠心分離装置により固液分離を行うことによりパール状PVA粒子を分離した。この粒子を温度50℃の酢酸エチル溶液を用いて抽出法により洗浄し、次いで真空乾燥機を用いて温度80℃で24時間乾燥した。
得られたパール状PVA粒子(一次ケン化粒子)100部を、再度メタノール溶液500部に分散し、ケン化触媒(Na重量換算で2%NaOHメタノール溶液)を20部添加して、温度50度で、2時間かけて二次ケン化を行った。その後、再度、遠心分離装置によりパール状PVA粒子を分離し、温度50℃で酢酸エチル溶液を用いて抽出法により洗浄し、次いで真空乾燥機を用いて温度80℃で24時間乾燥した。
得られたパール状PVA樹脂のケン化度は99.7モル%であり、平均重合度は500であった。また、1,2−ジオール構造単位の含有量はH−NMR(内部標準物質:テトラメチルシラン)で測定して算出したところ、0.49モル%であった。なおかかるPVA樹脂の曇点は100℃以上であった。
上記の粒子を120℃×30分熱処理し、パール状PVA粒子を得た。かかるパール状PVA粒子の結晶化度(密度法)は約62%であり、水に対する溶解性(残存率)は31.4%であった。
〔一時塞栓剤の調製〕
一時塞栓物質として上記球状PVA粒子0.25g、オイパロミン(富士製薬工業株式会社製の造影剤)5cc、ヘパリン1ccを混合して、一時塞栓剤を調製した。
〔心筋梗塞モデルの作製方法〕
(1)モデルNo.1−5(左冠動脈回旋枝の心筋梗塞モデル)
ブタに、Ketamine(10mg/kg)およびXylazine(2mg/kg)の混合液の筋肉内注射することにより鎮静させた後、気管チューブを挿入して麻酔薬(Isoflurane5%濃度)を1〜3%濃度で維持した。仰臥位に四肢を固定し大腿動脈を露出して8Frシースを挿入した。ヘパリン100U/Kg静注の後、ガイディングカテーテル(米国Johnson and Johnson Cordis,社製 Brite Tip 6Fr. 100cm: Hockey Stick)を、左冠動脈回旋枝の分枝血管の入口部に留置した。
続いてバルーンつきカテーテル(Bostn Scientific社製Gateway PTA Dilatation catheter 9.0mm x 2.0〜3.0mm at 6ATM)をガイディングカテーテル内から回旋枝分枝の入口部に留置してバルーンを拡張し、目的の回旋枝分枝の血流を停止させた状態で、バルーンつきカテーテルから、上記処方により調製した一時塞栓剤を、回旋枝分枝血管に0.1cc用手的に注入し、次いで生理食塩水0.5ccを追加注入した。5分間の間隔で塞栓物質溶液0.1ccと生理食塩水0.5ccの注入を繰り返し、血管造影で、血流が停止するまで注入を繰り返した。このときの造影写真を図1に示す。
図1(a)は投与初期を示しており、矢印は回旋枝分枝を示している。図1(b)は投与終了直前を示しており、分枝血管(図中、矢印)が薄くなっており、塞栓物質により血流が遮断したことが確認できた。
分枝血管閉塞工程の終了後、動物を麻酔から覚醒させた。感染予防として術後3日間抗生物質を投与した。分枝血管閉塞工程を行った後、1週間後に、目的とする冠動脈、すなわち左冠動脈動脈回旋枝本幹の入口部にガイディングカテーテルを留置し、次いで先端からオーバーザワイヤ式バルーン付きカテーテル(Bostn Scientific社製Gateway PTA Dilatation catheter 9.0mm x 2.0〜3.0mm at 6ATM)のバルーンを突出させるとともに拡張して、本幹の血流を停止させた。かかる状態で、バルーンつきカテーテルの先端から、上記処方により調製した一時塞栓剤を0.1cc用手的に注入し生理食塩水0.5ccを追加注入した。5分間の間隔で塞栓物質溶液0.1ccと生理食塩水0.5ccの注入を繰り返し、血管造影上血流が停止するまで注入を繰り返した。このときの造影写真を図2に示す。
図2(a)において、左矢印が回旋枝本幹であり、図2(b)で回旋枝本幹で血流遮断していることが確認できる(図中、右矢印)。
心筋梗塞誘導工程を行った後、1週間後(プレコンディショニング2週間後)に、MRI検査により撮像した写真を図3(a)、摘出した心臓の肉眼写真を図3(b)に示す。
図3(a)中、血管閉塞部位の貫流域(矢印)に一致して造影剤の排泄遅延が認められた。また図3(b)において、MRI造影剤の排泄遅延部位(矢印)に一致して心筋の壊死が見られた。従って、ブタにおける回旋枝の心筋梗塞モデルを作製できたことが確認できた。
モデルNo.2−5についても、同様であった(写真省略)。
(2)モデルNo.6,7(冠動脈前下行枝の心筋梗塞モデル)
目的とする冠動脈を前下行枝に変更した以外は、モデルNo.1と同様にして、分枝血管遮断工程及び心筋梗塞誘導工程を行った。
心筋梗塞誘導工程を行った1週間後、MRI検査により撮像した写真を図4に示す。図4(a)(b)は、それぞれMRI検査による長軸、短軸の画像であり、造影MRI検査で前下行枝の貫流域(矢印部分)に造影剤の遅延排泄像が観察され、心筋梗塞の病態を確認できた。
(3)モデルNo.8、9
冠動脈前下行枝本幹の入口部手前にガイディングカテーテルを留置し、先端からバルーン付きカテーテルのバルーンを突出させるとともに拡張して血流遮断しながら、一時塞栓剤を、冠動脈前下行枝が完全閉塞するまで、投与した。冠動脈前下行枝が完全閉塞による造影剤の排泄遅延の写真を図5に示す。(図5の矢印部分)。しかし、血流遮断させた後、約30分で、いずれの動物も、心室性不整脈により死亡したため心筋梗塞病巣を作製できなかった。
本発明の心筋梗塞モデル作製方法は、開胸を伴う侵襲の大きい外科的手術を行わず、カテーテルの挿入、薬剤注入だけで血流遮断を達成できるので、心筋梗塞誘発に伴う(モデル作製に伴う)非ヒト動物の生存率が高い。従って、ブタといったヒトに近い大型動物を用いたモデルの効率よい作製に利用できる。
さらに、本発明の作製方法で作製された心筋梗塞モデルは、所定期間経過後に、心筋梗塞した部位の血管を永久閉塞するのではなく、所定期間経過後には、再びカテーテルを通すことができるので、局所治療の開発や局所治療用薬剤のスクリーニングや再生医療の研究に用いるモデルとして有用である。

Claims (8)

  1. 心臓冠動脈の分枝血管に一時塞栓剤を投与することにより、前記分枝血管の血流遮断を行う分枝血管閉塞工程;及び
    前記分枝血管閉塞工程の所定期間経過後に、心筋梗塞を起こそうとする目的の冠動脈に一時塞栓剤を投与することにより、前記冠動脈の血流遮断を行う工程
    を含む心筋梗塞非ヒト動物モデルの作製方法。
  2. 分枝血管が、心筋梗塞を起こそうとする目的の冠動脈の分枝血管である請求項1に記載の心筋梗塞非ヒト動物モデルの作製方法。
  3. 分枝血管閉塞工程、及び冠動脈の血流遮断を行う工程の少なくとも一方の工程において、
    一時塞栓剤を投与する血管の上流でバルーンカテーテルを拡張させながら一時塞栓剤を投与する請求項1または2に記載の心筋梗塞非ヒト動物モデルの作製方法。
  4. 前記一時塞栓剤は、球状PVA微粒子を、媒体に分散乃至溶解してなる分散液又は溶液乃至ペーストである請求項1〜3のいずれかに記載のモデル作製方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかの方法で作製された心筋梗塞非ヒト動物モデル
  6. 冠動脈の少なくともいずれか1つの血管が虚血状態に陥って心筋細胞が壊死しているが、前記虚血した血管の血流が再開できるようになっている心筋梗塞病巣部位を有する心筋梗塞非ヒト動物モデル。
  7. 前記非ヒト動物は、ブタである請求項5又は6に記載の心筋梗塞非ヒト動物モデル。
  8. 血流遮断しようとする血管の入口部までバルーンカテーテルを通した後、当該入口部でバルーンを拡張させて血流を遮断した状態で、PVA球状微粒子を、前記血管内を閉塞する量だけ投与することを特徴とする、非ヒト動物の血流遮断方法。
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