JP2011002105A - 天井輻射式空調システム - Google Patents

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Abstract

【課題】省エネルギー性と意匠性とに優れた天井輻射式空調システムを提供する。
【解決手段】天井4に輻射パネル12を設けた天井輻射式空調システム10であって、輻射パネル12が設けられる天井内の空間14をインテリア側6とペリメータ側8とに仕切り、この仕切り部18に、インテリア側6の空気をペリメータ側8に送風可能な送風機20を設けるようにする。ペリメータ熱負荷が低い低負荷時には、輻射パネル12に設けてある冷水配管22に冷水を供給する。一方、ペリメータ熱負荷が高い高負荷時には、送風機20を運転してインテリア側6の空気をペリメータ側8に送り、ペリメータ側8の輻射パネル12bから空調空気を室内2に吹き出す。
【選択図】図1

Description

本発明は、天井輻射式空調システムに関するものである。
従来、天井に設ける輻射パネルが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、表面に多数の孔を有する中空構造の輻射パネルによる輻射冷却装置や(例えば、特許文献2参照)、送風ファンと組み合わせた輻射パネル型冷暖房放熱器(例えば、特許文献3参照)が知られている。さらに、天井に輻射パネルを設けた天井輻射式空調システムが知られている(例えば、特許文献4参照)。
上記の天井輻射式空調システムによって室内の冷房を行う場合、ペリメータ負荷はインテリア負荷に比べ熱負荷が大きいため、チルドビーム等の大容量冷却装置を併設して冷房を行っている。
ここで、チルドビームとは、天井に設置されるコイル状の配管からなる装置であり、このコイルに冷水を通水してコイル周囲の空気を冷却し、冷却した空気を対流によって室内下側に下降させ、室内下側にある熱負荷を除去するものである。
特開平10−232035号公報 特開平8−247488号公報 特開平7−119999号公報 特開平8−178373号公報
ところで、上記のチルドビームには、自然対流方式のパッシブチルドビームと、空調1次空気を導入する強制対流方式のアクティブチルドビームの二種類があり、ペリメータ空調に適しているのは冷却能力の高いアクティブチルドビームである。ただし、アクティブチルドビームは、送風機を常時運転するため消費電力が大きくなる。また、チルドビームを設置する場合は、パンチングメタル天井にする必要があるため、意匠上の制約が生じる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、省エネルギー性と意匠性とに優れた天井輻射式空調システムを提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の請求項1に係る天井輻射式空調システムは、天井に輻射パネルを設けた天井輻射式空調システムであって、前記輻射パネルが設けられる天井内の空間をインテリア側とペリメータ側とに仕切り、この仕切り部に、前記インテリア側の空気を前記ペリメータ側に送風可能な送風機を設けたことを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係る天井輻射式空調システムは、上述した請求項1において、ペリメータ熱負荷が低い低負荷時に、前記輻射パネルに設けてある前記冷水配管に冷水を供給する低負荷運転モードを有することを特徴とする。
また、本発明の請求項3に係る天井輻射式空調システムは、上述した請求項1または2において、ペリメータ熱負荷が高い高負荷時に、前記送風機を運転して前記インテリア側の空気を前記ペリメータ側に送り、前記ペリメータ側の前記輻射パネルから空調空気を室内に吹き出す高負荷運転モードを有することを特徴とする。
また、本発明の請求項4に係る天井輻射式空調システムは、上述した請求項1〜3のいずれか一つにおいて、前記ペリメータ側の前記輻射パネルは、多数の孔が開けられたガラリ状のパネルであることを特徴とする。
本発明によれば、天井に輻射パネルを設けた天井輻射式空調システムであって、前記輻射パネルが設けられる天井内の空間をインテリア側とペリメータ側とに仕切り、この仕切り部に、前記インテリア側の空気を前記ペリメータ側に送風可能な送風機を設けたので、ペリメータ熱負荷が低い場合(低負荷運転時)には、輻射パネルの輻射効果と自然対流効果とにより室内の冷房を行うことができる。
一方、ペリメータ熱負荷が高い場合(高負荷運転時)には、送風機を運転することで、インテリア側の天井内空気をペリメータ側の輻射パネルに当てて吹き出し、ペリメータの冷房を行うことができる。このように、ペリメータ熱負荷が高いときのみ送風機を運転し、熱負荷が低いときは送風機を停止することにより、送風機の動力エネルギーを削減することができる。
また、ペリメータの天井には輻射パネルを設けるので、上述のようにチルドビームを配置する場合のパンチングメタル天井を設ける必要はなく、インテリア側の天井の意匠と統一性を図れる。したがって、省エネルギー性と意匠性とに優れた天井輻射式空調システムを提供することができる。
図1は、本発明に係る天井輻射式空調システムの実施例を示す側断面図であり、低負荷運転時の図である。 図2は、本発明に係る天井輻射式空調システムの実施例を示す側断面図であり、高負荷運転時の図である。
以下に、本発明に係る天井輻射式空調システムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1に示すように、本発明に係る天井輻射式空調システム10は、室内2の天井4に設けた輻射パネル12と、輻射パネル12の天井内の空間14をインテリア側6とペリメータ側8とに開口16を通じて通気可能に仕切る仕切り部18と、仕切り部18のペリメータ側8に設けた循環ファン20(送風機)とを備える。
輻射パネル12は、インテリア側6に配置される輻射パネル12aと、ペリメータ側8に配置される輻射パネル12bとで構成され、各輻射パネル12a,12bの上面側には所定の間隔で冷水配管22が設けてある。ペリメータ側8の輻射パネル12bは、自然対流を促進するように多数の孔24が開けられたガラリ状のパネルであり、ペリメータAに対面するように斜めに配置してある。一方、インテリア側6の輻射パネル12aは、所定の間隔で開けられた通気穴26を有し、略水平に配置してある。
上記の構成の動作および作用について説明する。
図1に示すように、ペリメータ熱負荷が低い場合(低負荷運転時)には、各輻射パネル12a,12bの配管22へ図示しない給水制御手段により冷水供給を行い、各輻射パネル12a,12bの輻射効果と自然対流効果とにより室内2の冷房を行う(低負荷運転モード)。
一方、図2に示すように、ペリメータ熱負荷が高い場合(高負荷運転時)には、天井内の空間14内の循環ファン20を運転する(高負荷運転モード)。すると、循環ファン20は、インテリア側6の輻射パネル12aの輻射効果によって冷却されたインテリア側6の天井内空気28を空調1次空気として吸引し、仕切り部18の開口16を通じてペリメータ側8の天井内空間に供給する。
この供給された空気を、循環ファン20によってペリメータ側8の輻射パネル12bに当ててペリメータAに向けて吹き出す。吹き出される風がペリメータ側8の輻射パネル12bを通過することによる強制対流の効果によって、ペリメータAでの冷房能力の増強が図られる。このようにすることで、上述した従来のアクティブチルドビームによるペリメータ空調と同様の冷房効果を得ることができる。
なお、低負荷運転時のペリメータ側8の輻射パネル12bの輻射能力が200W/m2である場合には、高負荷運転時の冷房能力は、この輻射パネル12bの輻射能力200W/m2と、強制対流能力100W/m2とを足し合わせた300W/m2となり、ペリメータAでの冷房能力の向上が図られる。
このように、本発明の天井輻射式空調システム10によれば、ペリメータAの天井に輻射パネル12bを配置するので、チルドビームを配置する場合のパンチングメタル天井を設ける必要はなくなる。したがって、インテリア側6の輻射パネル12aによる天井の意匠と統一性を図れるなど、意匠的な配慮をすることができる。
また、上述したアクティブチルドビームを設置する場合は、ペリメータのピーク熱負荷で機器容量を選定するため、夏期のピーク熱負荷時以外はオーバースペックとなり、循環ファン用の動力エネルギーも無駄になるおそれがある。しかしながら、本発明の天井輻射式空調システム10によれば、ペリメータ熱負荷が高いときのみ循環ファン20を運転し、熱負荷が低いときは循環ファン20を停止するので、循環ファン20用の動力エネルギーを削減することができる。
また、本発明の天井輻射式空調システム10によれば、インテリア側6の輻射パネル12aで冷却された天井内空気28を、循環ファン20でペリメータ側8の輻射パネル12bに送気することで、ペリメータ処理に有効活用することができる。
上記の実施の形態において、ペリメータ熱負荷を検出するセンサを設け、このセンサで検出したペリメータ熱負荷に応じて、低負荷運転モードと高負荷運転モードとを切り替え制御してもよい。また、手動で運転モードの切り替えを行ってもよい。
以上説明したように、本発明に係る天井輻射式空調システムによれば、天井に輻射パネルを設けた天井輻射式空調システムであって、前記輻射パネルが設けられる天井内の空間をインテリア側とペリメータ側とに仕切り、この仕切り部に、前記インテリア側の空気を前記ペリメータ側に送風可能な送風機を設けたので、ペリメータ熱負荷が低い場合(低負荷運転時)には、輻射パネルの輻射効果と自然対流効果とにより室内の冷房を行うことができる。
一方、ペリメータ熱負荷が高い場合(高負荷運転時)には、送風機を運転することで、インテリア側の天井内空気をペリメータ側の輻射パネルに当てて吹き出し、ペリメータの冷房を行うことができる。このように、ペリメータ熱負荷が高いときのみ送風機を運転し、熱負荷が低いときは送風機を停止することにより、送風機の動力エネルギーを削減することができる。
また、ペリメータの天井には輻射パネルを設けるので、チルドビームを配置する場合のパンチングメタル天井を設ける必要はなく、インテリア側の天井の意匠と統一性を図れる。したがって、省エネルギー性と意匠性とに優れた天井輻射式空調システムを提供することができる。
以上のように、本発明に係る天井輻射式空調システムは、ペリメータ熱負荷がインテリア負荷に比べて大きい熱環境の室内空調に有用であり、特に、省エネルギー性と天井の意匠性とを同時に配慮したい場合の室内空調に適している。
2 室内
4 天井
6 インテリア側
8 ペリメータ側
10 天井輻射式空調システム
12 輻射パネル
12a インテリア側の輻射パネル
12b ペリメータ側の輻射パネル
14 天井内の空間
16 開口
18 仕切り部
20 循環ファン(送風機)
22 冷水配管
24 孔
26 通気穴
28 天井内空気
A ペリメータ

Claims (4)

  1. 天井に輻射パネルを設けた天井輻射式空調システムであって、
    前記輻射パネルが設けられる天井内の空間をインテリア側とペリメータ側とに仕切り、
    この仕切り部に、前記インテリア側の空気を前記ペリメータ側に送風可能な送風機を設けたことを特徴とする天井輻射式空調システム。
  2. ペリメータ熱負荷が低い低負荷時に、前記輻射パネルに設けてある前記冷水配管に冷水を供給する低負荷運転モードを有することを特徴とする請求項1に記載の天井輻射式空調システム。
  3. ペリメータ熱負荷が高い高負荷時に、前記送風機を運転して前記インテリア側の空気を前記ペリメータ側に送り、前記ペリメータ側の前記輻射パネルから空調空気を室内に吹き出す高負荷運転モードを有することを特徴とする請求項1または2に記載の天井輻射式空調システム。
  4. 前記ペリメータ側の前記輻射パネルは、多数の孔が開けられたガラリ状のパネルであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の天井輻射式空調システム。
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