JP2011001551A - 高耐熱性マスターバッチ、熱線遮蔽透明樹脂成形体、並びに熱線遮蔽透明積層体 - Google Patents

高耐熱性マスターバッチ、熱線遮蔽透明樹脂成形体、並びに熱線遮蔽透明積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】成形時の溶融混錬による分散剤の熱劣化に起因する黄変が少なく、可視光透過性が良好でかつ優れた熱線遮蔽機能を有する透明樹脂成形体を得る。
【解決手段】熱線遮蔽機能を有する透明樹脂成形体を製造するために使用されるマスターバッチであって、熱可塑性樹脂と、一般式WOで示されるタングステン酸化物微粒子、および/または、一般式MWOで示され、かつ六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子と、熱分解温度が230℃以上の高耐熱性分散剤と、を含むものを製造した。
【選択図】なし

Description

本発明は、建築物の屋根材や壁材、自動車、電車、航空機などの開口部に使用される窓材、アーケード、天井ドーム、カーポート等に広く利用される熱線遮蔽成形体の製造に用いられる高耐熱性マスターバッチ、当該マスターバッチが適用された熱線遮蔽透明樹脂成形体、並びに熱線遮蔽透明積層体に関するものである。
各種建築物や車両の窓、ドア等のいわゆる開口部分から入射する太陽光線には可視光線の他に紫外線や赤外線が含まれている。この太陽光線に含まれている赤外線のうち波長800〜2500nmの近赤外線は熱線と呼ばれ、開口部分から進入することにより室内の温度を上昇させる原因になる。これを解消するために、近年、各種建築物や車両の窓材等の分野では、可視光線を十分に取り入れながら熱線を遮蔽し、明るさを維持しつつ室内の温度上昇を抑制する熱線遮蔽成形体の需要が急増しており、熱線遮蔽成形体に関する特許が多く提案されている。
例えば、透明樹脂フィルムに金属、金属酸化物を蒸着してなる熱線反射フィルムを、ガラス、アクリル板、ポリカーボネート板等の透明成形体に接着した熱線遮蔽板が提案されていた。しかし、この熱線反射フィルム自体が非常に高価でかつ接着工程等の煩雑な工程を要するため高コストとなる。また透明成形体と反射フィルムの接着性が良好でないので、経時変化によりフィルムの剥離が生じるといった欠点を有している。
また、透明成形体表面に、金属若しくは金属酸化物を直接蒸着してなる熱線遮蔽板も数多く提案されているが、この熱線遮蔽板の製造に際しては、高真空で精度の高い雰囲気制御を要する装置が必要となるため、量産性が悪く、汎用性に乏しいという問題を有している。
この他、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂等の熱可塑性透明樹脂にフタロシアニン系化合物、アントラキノン系化合物に代表される有機近赤外線吸収剤を練り込んだ熱線遮蔽板およびフィルムが提案されている(特許文献1、2等参照)。
さらに、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の透明樹脂に、熱線反射能を有する酸化チタンあるいは酸化チタンで被覆されたマイカ等の無機粒子を、熱線反射粒子として練り込んだ熱線遮蔽板も提案されている(特許文献3、4等参照)。
一方、本出願人は、熱線遮蔽効果を有する成分として自由電子を多量に保有する六ホウ化物微粒子に着目し、ポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂中に、六ホウ化物微粒子が分散され、または、六ホウ化物微粒子とITO微粒子及び/又はATO微粒子とが分散されている熱線遮蔽樹脂シート材を提案している(特許文献5参照)。
六ホウ化物微粒子単独、または、六ホウ化物微粒子とITO微粒子および/またはATO微粒子、が分散された熱線遮蔽樹脂シート材の光学特性は、可視光領域に可視光透過率の極大を有すると共に、近赤外線領域に強い吸収を発現して日射透過率の極小を有する。この結果、可視光透過率が70%以上で日射透過率が50%台まで改善されている。
また、本出願人は、特許文献6において、熱可塑性樹脂と熱線遮蔽成分6ホウ化物(XB,但し、Xは、La、Ce、Pr、Nd、Gd、Tb、Dy、Ho、Y、Sm、Eu、Er、Tm、Yb、Lu、SrおよびCaから選択される少なくとも1種以上)とを主成分として含有するマスターバッチと、このマスターバッチが適用された熱線遮蔽透明樹脂成形体並びに熱線遮蔽透明積層体を提案した。そして、当該マスターバッチを適用することで、優れた可視光線透過能を維持しつつ高い熱線遮蔽機能を有する様々な形状の熱線遮蔽透明樹脂成形体について、これを高コストの物理成膜法などを用いることなく簡便な方法で作製することを可能にした。
さらに、本出願人は、特許文献7において、日射遮蔽機能を有する微粒子として、一般式WyOz(但し、Wはタングステン、Oは酸素、2.0<z/y<3.0)で表記されるタングステン酸化物の微粒子、および/または、一般式MxWyOz(但し、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.0<z/y≦3.0)で表記される複合タングステン酸化物の微粒子を適用することにより、高い日射遮蔽特性を有し、ヘイズ値が小さく、生産コストの安価な日射遮蔽用合わせ構造体を製造できることを開示している。
特開平6−256541号公報 特開平6−264050号公報 特開平2−173060号公報 特開平5−78544号公報 特開2003−327717号公報 特開2004−59875号公報 国際公開第WO2005/87680A1号パンフレット
しかしながら、本発明者らの検討によると、特許文献1、2に記載の熱線遮蔽板およびフィルムにおいては、熱線を十分に遮蔽するために多量の近赤外線吸収剤を配合しなければならない。しかし、近赤外線吸収剤を多量に配合すると、今度は可視光線透過能が低下してしまうという課題が残っていた。さらに、近赤外線吸収剤として有機化合物を使用しているため、直射日光に常時曝される建築物や車両の窓材等への適用は耐侯性に難があり、必ずしも適当であるとはいえなかった。
また特許文献3、4に記載の熱線遮蔽板においては、熱線遮蔽能を高めるために当該熱線反射粒子を多量に添加する必要があり、熱線反射粒子の配合量の増大に伴って可視光線透過能が低下してしまうという課題があった。だからといって、熱線反射粒子の添加量を少なくすると可視光線透過能は高まるものの、今度は熱線遮蔽能が低下してしまい、熱線遮蔽能と可視光線透過能とを同時に満足させることが困難であるといった問題があった。更に、熱線反射粒子を多量に配合すると、成形体である透明樹脂の物性、特に耐衝撃強度や靭性が低下するという強度面からの問題も有していた。
さらに、特許文献5乃至7に記載の熱線遮蔽シート材においては、熱線遮蔽特性に改善の余地を残しており、また、当該熱線遮蔽シート材において当初の透明樹脂シートが黄変する場合もあった。
本発明は、上述の問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、可視光線透過能及び熱線遮蔽機能を有する様々な形状の熱線遮蔽透明樹脂成形体について、これを高コストの物理成膜法などを用いることなく簡便な方法で作製でき、黄変が起こらず、可視光透過性が良好でかつ優れた熱線遮蔽機能を有する透明樹脂成形体が得られる熱線遮蔽透明樹脂成形体用のマスターバッチの製造方法を提供し、併せてこのマスターバッチが適用された熱線遮蔽透明樹脂成形体並びに熱線遮蔽透明積層体を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、製造される熱線遮蔽シート材において、期待される可視光線透過能及び熱線遮蔽機能が得られない原因、および、当該熱線遮蔽シート材が黄変することがある原因が、いずれも、マスターバッチ中に含まれる分散剤の熱変性に起因することに想到した。つまり当該マスターバッチ中に含まれる分散剤の耐熱性が低いため、当該マスターバッチを、同種または異種の樹脂と加熱しながら混練混合する際、当該分散剤が熱変性し、当該分散剤の分散能力が劣化してマスターバッチ中に含まれる熱線遮蔽微粒子の分散に支障をきたし、期待される可視光線透過能及び熱線遮蔽機能が得られなかったのである。さらに、当該熱変性した分散剤が黄〜茶色に着色し、熱線遮蔽シート材が黄変する原因となっていたのである。
上述の知見に基づいて、本発明者らはさらに研究を進め、熱分解温度が230℃以上の高耐熱性分散剤を用い、かつ、当該高耐熱性分散剤と、熱線遮蔽微粒子との混合割合が所定範囲に制御された高耐熱性マスターバッチに想到した。
そして、当該高耐熱性マスターバッチを、熱可塑性樹脂により希釈・混練し、かつ、押出成形、射出成形、圧縮成形等公知の方法により、板状、フィルム状、球面状等の任意の形状に成形することによって、可視光領域に透過率の極大を持つと共に近赤外域に強い吸収を持ちながら黄変しない熱線遮蔽透明樹脂成形体並びに熱線遮蔽透明積層体の作製が可能となることを見出すに至った。本発明はこのような技術的発見に基づき完成されたものである。
すなわち、本発明に係る第1の構成は、
熱線遮蔽透明樹脂成形体を製造するために用いられる高耐熱性マスターバッチの製造方法であって、
一般式WOx(但し、2.45≦X≦2.999)で示されるタングステン酸化物微粒子および/または一般式MyWOz(但し、0.1≦Y≦0.5、2.2≦Z≦3.0)で示され且つ六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子(但し、M元素は、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Sn、Al、Cuから選択される少なくとも1種類以上である。)、と、TG−DTAで測定される熱分解温度が250℃以上の、官能基としてエポキシ基を有するアクリル系分散剤、官能基として水酸基を有するアクリル系分散剤から選ばれる1種以上の高耐熱性分散剤を、溶媒に加え粉砕・分散処理を行い、微粒子分散液を得る工程と、
当該工程の後、当該微粒子分散液に、さらに、前記高耐熱性分散剤を、
10≧[高耐熱性分散剤の重量/(タングステン酸化物微粒子および/または複合タングステン酸化物微粒子の重量)]≧0.5
の範囲となるまで添加した後、溶媒を除去して、当該微粒子分散粉を得る工程と、
得られた当該微粒子分散粉と熱可塑性樹脂ペレット(但し、熱可塑性樹脂は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、フッ素系樹脂、ポリオレフィン樹脂およびポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種類以上である。)とを混合し、熔融混練し、成形する工程とを、具備することを特徴とする高耐熱性マスターバッチの製造方法である。
第2の構成は、
前記タングステン酸化物微粒子、複合タングステン酸化物微粒子が、分散粒子径200nm以下の微粒子であることを特徴とする第1の構成に記載の高耐熱性マスターバッチの製造方法である。
第3の構成は、
前記タングステン酸化物微粒子、複合タングステン酸化物微粒子が、シラン化合物、チタン化合物、ジルコニア化合物から選択される少なくとも1種類以上の化合物によって表面処理されていることを特徴とする第1または第2の構成のいずれかに記載の高耐熱性マスターバッチの製造方法である。
第4の構成は、
第1から第3の構成のいずれかに記載の高耐熱性マスターバッチの製造方法で得られた高耐熱性マスターバッチが、当該高耐熱性マスターバッチに含まれる熱可塑性樹脂と同種の熱可塑性樹脂、または、当該高耐熱性マスターバッチに含まれる熱可塑性樹脂と相溶性を有する異種の熱可塑性樹脂、と混合され、且つ、所定の形状に成形されていることを特徴とする熱線遮蔽透明樹脂成形体である。
第5の構成は、
第4の構成に記載の熱線遮蔽透明樹脂成形体が、他の透明成形体に積層されていることを特徴とする熱線遮蔽透明積層体である。
本発明に係る高耐熱性マスターバッチを熱可塑性樹脂成形材料により希釈・混練し、さらに、押出成形、射出成形、圧縮成形等公知の方法により、板状、フィルム状、球面状等の任意の形状に成形することによって、可視光領域に透過率の極大を持つと共に近赤外域に強い吸収を持ち、且つ黄変することのない熱線遮蔽透明樹脂成形体並びに熱線遮蔽透明積層体の作製が可能となった。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本実施形態の熱線遮蔽透明樹脂成形体用の高耐熱性マスターバッチは、
熱可塑性樹脂と、一般式WO(但し、2.45≦X≦2.999)で示されるタングステン酸化物微粒子(本明細書において(B1)の符号を附加する場合がある。)および/または一般式MWO(但し、0.1≦Y≦0.5、2.2≦Z≦3.0)で示され且つ六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子(本明細書において(B2)の符号を附加する場合がある。)と、熱分解温度が230℃以上の高耐熱性分散剤(本明細書において(C)の符号を附加する場合がある。)と、を含み、且つ、当該高耐熱性分散剤(C)と、タングステン酸化物微粒子(B1)および/または複合タングステン酸化物微粒子(B2)との重量比が、10≧[高耐熱性分散剤の重量/(タングステン酸化物微粒子および/または複合タングステン酸化物微粒子の重量)]≧0.5の範囲であることを特徴とする高耐熱性マスターバッチである。
以下、当該高耐熱性マスターバッチを構成する、
1)熱線遮蔽機能を有するタングステン酸化物微粒子(B1)、複合タングステン酸化物微粒子(B2)、
2)高耐熱性分散剤(C)、
3)熱可塑性樹脂(本明細書において(A)の符号を附加する場合がある。)について順に説明し、さらに、
4)熱線遮蔽機能を有する微粒子の熱可塑性樹脂への分散方法、
5)高耐熱性マスターバッチの製造方法、について説明し、最後に、
6)熱線遮蔽透明樹脂成形体について説明する。
1)熱線遮蔽機能を有するタングステン酸化物微粒子(B1)、複合タングステン酸化物微粒子(B2)
本実施形態の高耐熱性マスターバッチに熱線遮蔽材料として用いられるタングステン酸化物微粒子(B1)、および/または、複合タングステン酸化物微粒子(B2)は、近赤外線領域、特に波長1000nm付近の光を大きく吸収するため、その透過色調はブル−系の色調となるものが多い。また、当該熱線遮蔽材料の粒子径は、その使用目的によって適宜選定することができる。
まず、透明性を保持した応用に使用する場合には、タングステン酸化物微粒子(B1)、および/または、複合タングステン酸化物微粒子(B2)は、800nm以下の分散粒子径を有していることが好ましい。800nmよりも小さい分散粒子径は、散乱により光を完全に遮蔽することが無く、可視光領域の視認性を保持し、同時に効率よく透明性を保持することができるからである。特に可視光領域の透明性を重視する場合には、さらに粒子による散乱を考慮することが好ましい。
また、この粒子による散乱の低減を重視するときには、タングステン酸化物微粒子(B1)、および/または、複合タングステン酸化物微粒子(B2)の分散粒子径は200nm以下、好ましくは100nm以下がよい。その理由は、分散粒子の分散粒子径が小さければ、幾何学散乱もしくはミー散乱による波長400nm〜780nmの可視光線領域の光の散乱が低減されるからである。当該光の散乱が低減される結果、熱線遮蔽膜が曇りガラスのようになって鮮明な透明性が得られなくなるのを回避できるからである。即ち、分散粒子の分散粒子径が200nm以下になると、上記幾何学散乱もしくはミー散乱が低減し、レイリー散乱領域になるからである。当該レイリー散乱領域では、散乱光は粒子径の6乗に反比例して低減するため、分散粒子径の減少に伴い散乱が低減し、透明性が向上するからである。さらに、分散粒子径が100nm以下になると、散乱光は非常に少なくなり好ましい。光の散乱を回避する観点からは、分散粒子径が小さい方が好ましく、分散粒子径が1nm以上であれば工業的な製造は容易である。
a)タングステン酸化物微粒子(B1)
上記一般式WO(但し、2.45≦X≦2.999)で示されるタングステン酸化物微粒子(B1)としては、例えばW1849、W2058、W11などを挙げることができる。Xの値が2.45以上であれば、当該熱線遮蔽材料中に目的外であるWOの結晶相が現れるのを完全に回避することが出来ると共に、材料の化学的安定性を得ることが出来る。一方、Xの値が2.999以下であれば、十分な量の自由電子が生成され効率よい熱線遮蔽材料となるが、2.95以下であれば熱線遮蔽材料として更に好ましい。ここで、Xの範囲が2.45≦X≦2.999であるようなWO化合物は、いわゆるマグネリ相と呼ばれる化合物に含まれる。
b)複合タングステン酸化物微粒子(B2)
上記一般式MWO(但し、0.1≦Y≦0.5、2.2≦Z≦3.0)で示され、かつ六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子としては、例えばM元素が、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Sn、Al、Cuのうちから選択される1種類以上を含むような複合タングステン酸化物微粒子が挙げられる。添加元素Mの添加量Yは、0.1以上、0.5以下が好ましく、更に好ましくは0.33付近が好ましい。これは六方晶の結晶構造から理論的に算出される値が0.33であり、この前後の添加量で好ましい光学特性が得られるからである。また、Zの範囲については、2.2≦z≦3.0が好ましい。これは、MWOで表記される複合タングステン酸化物材料においても、上述のWOで表記されるタングステン酸化物材料と同様の機構が働くのに加え、z≦3.0においても、上述の元素Mの添加による自由電子の供給があるためである。尤も、光学特性の観点から、より好ましくは、2.2≦z≦2.99、さらに好ましくは、2.45≦z≦2.99である。
ここで、当該複合タングステン酸化物材料の典型的な例としては、Cs0.33WO、Rb0.33WO、K0.33WO、Ba0.33WOなどを挙げることができるが、Y、Zが上記の範囲に収まるものであれば、有用な熱線遮蔽特性を得ることができる。
c)タングステン酸化物微粒子(B1)、複合タングステン酸化物微粒子(B2)の製造方法
上記タングステン酸化物微粒子(B1)、複合タングステン酸化物微粒子(B2)は、タングステン化合物出発原料を、不活性ガス雰囲気または還元性ガス雰囲気中で熱処理して得ることができる。
タングステン化合物出発原料には、三酸化タングステン粉末、ニ酸化タングステン粉末、または酸化タングステンの水和物、または、六塩化タングステン粉末、またはタングステン酸アンモニウム粉末、または、六塩化タングステンをアルコール中に溶解させた後乾燥して得られるタングステン酸化物の水和物粉末、または、六塩化タングステンをアルコール中に溶解させたのち水を添加して沈殿させこれを乾燥して得られるタングステン酸化物の水和物粉末、またはタングステン酸アンモニウム水溶液を乾燥して得られるタングステン化合物粉末、金属タングステン粉末、から選択されたいずれか1種類以上であることが好ましい。
ここで、タングステン酸化物微粒子を製造する場合には製造工程の容易さの観点より、タングステン酸化物の水和物粉末、三酸化タングステン、またはタングステン酸アンモニウム水溶液を乾燥して得られるタングステン化合物粉末、を用いることがさらに好ましい。また、複合タングステン酸化物微粒子を製造する場合には、出発原料が溶液である各元素は容易に均一混合可能となる観点より、タングステン酸アンモニウム水溶液や、六塩化タングステン溶液を用いることがさらに好ましい。これらの原料を用い、これを不活性ガス雰囲気または還元性ガス雰囲気中で熱処理して、上述した粒径のタングステン酸化物微粒子、および/または、複合タングステン酸化物微粒子を含有する熱線遮蔽材料微粒子を得ることができる。
また、複合タングステン酸化物微粒子(B2)を含有する熱線遮蔽材料微粒子のタングステン化合物出発原料は、上述したタングステン酸化物微粒子(B1)のタングステン化合物出発原料と同様でよいが、さらに、当該タングステン化合物出発原料へ、元素Mを元素単体または化合物の形態で添加して、複合タングステン化合物の出発原料とする。
ここで、各成分が分子レベルで均一混合した出発原料を製造するためには各原料を溶液の形で混合することが好ましい。従って、元素Mを含むタングステン化合物出発原料が、水や有機溶媒等の溶媒に溶解可能なものであることが好ましい。例えば、元素Mを含有するタングステン酸塩、塩化物塩、硝酸塩、硫酸塩、シュウ酸塩、酸化物、炭酸塩、水酸化物等が挙げられるが、これらに限定されず、溶液状になるものであればよい。
不活性雰囲気中における熱処理条件としては、650℃以上が好ましい。650℃以上で熱処理された出発原料は、十分な近赤外線吸収力を有し熱線遮蔽微粒子として効率が良い。不活性ガスとしては、Ar、N等の不活性ガスを用いることができる。
一方、還元性雰囲気中の熱処理条件としては、まず出発原料を還元性ガス雰囲気中にて100℃以上650℃以下で熱処理し、次いで不活性ガス雰囲気中で650℃以上1200℃以下の温度で熱処理することが好ましい。この時の還元性ガスは特に限定されないが、Hが好ましい。そして、還元性ガスとしてHを用いる場合、還元性雰囲気の組成は、例えば、Ar、N等の不活性ガスにHを体積比で0.1%以上混合したものとすることが好ましく、更に好ましくは0.2%以上とすることが良い。Hが体積比で0.1%以上であれば効率よく還元を進めることができる。
を含む還元性雰囲気中で熱処理されて還元された原料粉末は、マグネリ相を含み良好な熱線遮蔽特性を示し、この状態であっても熱線遮蔽微粒子として使用可能である。しかし、酸化タングステン中に含まれる水素を安定化し、耐候性の面での応用を拡大することが好ましい。そこで、上述の如く、この水素を含む酸化タングステン化合物を、不活性雰囲気中、650℃以上1200℃以下で熱処理することで、さらに安定な熱線遮蔽微粒子を得ることができる。この650℃以上1200℃以下の熱処理時の不活性雰囲気は特に限定されないが、工業的観点から、N2、Arが好ましい。当該650℃以上1200℃以下の熱処理により、熱線遮蔽微粒子中にマグネリ相が得られ水素が安定化し耐候性が向上する。
本実施の形態の上記熱線遮蔽機能を発揮するタングステン酸化物微粒子(B1)、複合タングステン酸化物微粒子(B2)は、シラン化合物、チタン化合物、ジルコニア化合物から選択される少なくとも1種類以上によって表面処理されて、上記微粒子の表面が、Si、Ti、Zr、Alの1種類以上を含有する酸化物で被覆されることで、耐候性が向上し好ましい。
また、所望とする熱線遮蔽用樹脂成形体を得るには、前記タングステン酸化物微粒子(B1)、複合タングステン酸化物微粒子(B2)の粉体色が、国際照明委員会(CIE)が推奨しているL*a*b*表色系(JIS Z 8729)における粉体色において、L*が25〜80、a*が−10〜10、b*が−15〜15である条件を満たすことが望ましい。
上記タングステン酸化物微粒子(B1)や複合タングステン酸化物微粒子(B2)を用いることによって、熱線遮蔽樹脂シート材として所望の光学特性を得ることができる。
2)高耐熱性分散剤(C)
従来、塗料用として一般的に使用されている分散剤は、様々な酸化物微粒子を有機溶剤中に均一に分散する目的で使用されている。しかし本発明者らの検討によれば、これらの分散剤は200℃以上の高温で使用されることを想定されて設計されていない。具体的には、本実施形態において、熱線遮蔽微粒子と熱可塑性樹脂とを溶融混練する際に従来の分散剤を使用すると、当該分散剤中の官能基が熱により分解され、分散能が低下すると伴に黄〜茶色に変色する等の不具合を起こしていたのである。
これに対し、本実施形態においては、高耐熱性分散剤(C)として、TG−DTAで測定される熱分解温度が230℃以上、好ましくは250℃以上あるものを用いることとしている。当該高耐熱性分散剤(C)の具体的な構造例としては、主鎖としてアクリル主鎖、官能基として水酸基またはエポキシ基とを有する分散剤がある。当該構造を有する分散剤は、耐熱性が高く好ましい。
そして、分散剤の熱分解温度が230℃以上であれば、成形時に当該分散剤が熱分解することなく分散能を維持すると伴に、それ自体が黄〜茶色に変色することもない。この結果、製造される成形体において、熱線遮蔽微粒子が十分に分散される結果、可視光透過率が良好に確保されて本来の光学特性を得ることができると伴に、成形体が黄色に着色することもない。
具体的には、ポリカーボネートの一般的な混練設定温度(290℃)で上記本発明の分散剤とポリカーボネート樹脂とを混練する試験を行った場合、混練物はポリカーボネートのみを混練した場合とまったく同じ外観を呈し、無色透明で全く着色しないことが確認された。一方、例えば、後述する比較例1で使用している通常の分散剤を用いて同様の試験を行った場合、混練物は茶色に着色してしまうことが確認された。
上述したように、本実施形態に使用される高耐熱性分散剤(C)はアクリル主鎖を有するが、同時に、水酸基またはエポキシ基を官能基として有する分散剤が好ましい。これらの官能基は、タングステン酸化物微粒子の表面に吸着して、これらのタングステン酸化物微粒子の凝集を防ぎ、成形体中でタングステン酸化物微粒子を均一に分散させる効果を持つからである。
具体的には、エポキシ基を官能基として有するアクリル系分散剤、水酸基を官能基として有するアクリル系分散剤が好ましい例として挙げられる。
特に、熱可塑性樹脂(A)として、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂など、溶融混練温度が高い樹脂を使用する場合には、熱分解温度が250℃以上であるアクリル主鎖と水酸基またはエポキシ基とを有する高耐熱性分散剤(C)を使用することの効果が顕著に発揮される。
上記高耐熱性分散剤(C)と、タングステン酸化物微粒子(B1)、複合タングステン酸化物微粒子(B2)との重量比は、10≧[高耐熱性分散剤の重量/(タングステン酸化物微粒子および/または複合タングステン酸化物微粒子の重量)]≧0.5の範囲であることが好ましい。当該重量比が0.5以上あれば、タングステン酸化物微粒子(B1)や複合タングステン酸化物微粒子(B2)を十分に分散することが出来るので、微粒子同士の凝集が発生せず、十分な光学特性が得られるからである。また、当該重量比が10以下あれば、熱線遮蔽透明樹脂成形体自体の機械特性(曲げ強度、表面高度)が損なわれることがない。
3)熱可塑性樹脂(A)
次に、本実施形態に使用される熱可塑性樹脂(A)としては、可視光領域の光線透過率が高い透明な熱可塑性樹脂であれば特に制限はない。例えば、3mm厚の板状成形体としたときのJIS R 3106記載の可視光透過率が50%以上で、JISK7105記載のヘイズが30%以下のものが好ましいものとして挙げられる。
具体的には、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂等、ポリスチレン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、フッ素系樹脂およびポリオレフィン樹脂を挙げることができる。
熱線遮蔽透明樹脂成形体を各種建築物や車両の窓材等に適用することを目的とした場合、透明性、耐衝撃性、耐侯性などを考慮すると、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、フッ素系樹脂がより好ましい。
ポリカーボネート樹脂としては、芳香族ポリカーボネートが好ましい。芳香族ポリカーボネートとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンに代表される二価のフェノール系化合物の一種以上と、ホスゲンまたはジフェニルカーボネート等で代表されるカーボネート前駆体とから、界面重合、溶融重合または固相重合等の公知の方法によって得られる重合体が挙げられる。
また、アクリル樹脂としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレートを主原料とし、必要に応じて炭素数炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸エステル、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等を共重合成分として用いた重合体または共重合体が挙げられる。また、更に多段で重合したアクリル樹脂を用いることもできる。
また、フッ素系樹脂としては、ポリフッ化エチレン、ポリ2フッ化エチレン、ポリ4フッ化エチレン、エチレン−2フッ化エチレン共重合体、エチレン−4フッ化エチレン共重合体、4フッ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体などが挙げられる。
4)熱線遮蔽機能を有する微粒子の熱可塑性樹脂への分散方法
次に、熱線遮蔽機能を有する微粒子である、タングステン酸化物微粒子(B1)および/または複合タングステン酸化物微粒子(B2)の熱可塑性樹脂(A)への分散方法は、微粒子が均一に樹脂に分散できる方法であれば任意に選択できる。例としては、まず、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、超音波分散などの方法を用い、上記タングステン酸化物微粒子(B1)および/または複合タングステン酸化物微粒子(B2)を任意の溶剤に分散した分散液を調製する。次に、当該分散液と、高耐熱性分散剤(C)と、熱可塑性樹脂(A)の粉粒体またはペレットと、必要に応じて他の添加剤とを、リボンブレンダー、タンブラー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、プラネタリーミキサー等の混合機、および、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール、ニーダールーダー、一軸押出機、二軸押出機等の混練機を使用して、当該分散液から溶剤を除去しながら均一に溶融混合して、熱可塑性樹脂(A)にタングステン酸化物微粒子(B1)および/または複合タングステン酸化物微粒子(B2)を均一に分散した混合物を調製することができる。混錬時の温度は、使用する熱可塑性樹脂(A)が分解しない温度に維持される。
また、他の方法として、熱線遮蔽機能を有するタングステン酸化物微粒子(B1)および/または複合タングステン酸化物微粒子(B2)の分散液に高耐熱性分散剤(C)を添加し、溶剤を公知の方法で除去し、得られた粉末と熱可塑性樹脂(A)の粉粒体またはペレット、および必要に応じて他の添加剤を均一に溶融混合して、熱可塑性樹脂(A)にタングステン酸化物微粒子(B1)および/または複合タングステン酸化物微粒子(B2)を均一に分散した混合物を調整することもできる。
そのほか、分散処理をしていないタングステン酸化物微粒子(B1)、複合タングステン酸化物微粒子(B2)の粉末と高耐熱性分散剤(C)とを熱可塑性樹脂(A)に直接添加し、均一に溶融混合する方法を用いることもできる。
分散方法は、熱可塑性樹脂(A)中にタングステン酸化物微粒子(B1)、複合タングステン酸化物微粒子(B2)が均一に分散されていればよく、これらの方法に限定されない。
5)高耐熱性マスターバッチの製造方法
このようにして得られた該混合物をベント式一軸若しくは二軸の押出機で混練し、ペレット状に加工することにより、本実施形態に係る熱線遮蔽透明樹脂成形体用の高耐熱性マスターバッチを得ることができる。
上記高耐熱性マスターバッチのペレットは、最も一般的な溶融押出されたストランドをカットする方法により得ることができる。従って、その形状としては円柱状や角柱状のものを挙げることができる。また、溶融押出物を直接カットするいわゆるホットカット法を採ることも可能である。かかる場合には球状に近い形状をとることが一般的である。
このように本実施形態の高耐熱性マスターバッチは、いずれの形態または形状を採り得るものである。尤も、熱線遮蔽透明樹脂成形体を成形するときに、当該高耐熱性マスターバッチの希釈に使用される熱可塑性樹脂成形材料と同一の形態および形状を有していることが好ましい。
更に、本実施形態の高耐熱性マスターバッチへ、さらに、一般的な添加剤を配合することも可能である。例えば、必要に応じて任意の色調を与えるため、アゾ系染料、シアニン系染料、キノリン系染料、ペリレン系染料、カーボンブラック等、一般的に熱可塑性樹脂の着色に利用されている染料、顔料の、有効発現量を配合してもよい。また、ヒンダードフェノール系、リン系等の安定剤、離型剤、ヒドロキシベンゾフェノン系、サリチル酸系、HALS系、トリアゾール系、トリアジン系等の紫外線吸収剤、カップリング剤、界面活性剤、帯電防止剤等の有効発現量を配合してもよい。
6)熱線遮蔽透明樹脂成形体
次に、本実施形態の熱線遮蔽透明樹脂成形体は、上記高耐熱性マスターバッチを、当該マスターバッチの熱可塑性樹脂と同種の熱可塑性樹脂成形材料、あるいは当該マスターバッチの熱可塑性樹脂と相溶性を有する異種の熱可塑性樹脂成形材料で希釈・混練し、所定の形状に成形することによって得られる。
本実施形態の熱線遮蔽透明樹脂成形体は、高耐熱性マスターバッチを用いることから、成形時の熱劣化が非常に少ない。この為、タングステン酸化物微粒子(B1)、複合タングステン酸化物微粒子(B2)といった熱線遮蔽微粒子が、十分に熱線遮蔽透明樹脂成形体中に分散される結果、可視光透過率が良好に確保される。さらに、分散剤が黄〜茶色に変色することもないので、成形体が黄色に着色することもない。
上記熱線遮蔽透明樹脂成形体の形状は、必要に応じて任意の形状に成形可能であり、平面状および曲面状に成形することが可能である。また、熱線遮蔽透明樹脂成形体の厚さは、板状からフィルム状まで必要に応じて任意の厚さに調整することが可能である。さらに平面状に形成した樹脂シートは、後加工によって球面状等の任意の形状に成形することができる。
上記熱線遮蔽透明樹脂成形体の成形方法としては、射出成形、押出成形、圧縮成形または回転成形等の任意の方法を挙げることができる。特に、射出成形により成形品を得る方法と、押出成形により成形品を得る方法が好適に採用される。押出成形により板状、フィルム状の成形品を得る方法として、Tダイなどの押出機を用いて押出した溶融熱可塑性樹脂を冷却ロールで冷却しながら引き取る方法により製造される。上記射出成形品は、自動車の窓ガラスやルーフ等の車体に好適に使用され、押出成形により得られた板状、フィルム状の成形品は、アーケードやカーポート等の建造物に好適に使用される。
上記熱線遮蔽透明樹脂成形体は、それ自体のみを、窓ガラス、アーケード等の構造材に使用することができるほか、無機ガラス、樹脂ガラス、樹脂フィルムなどの他の透明成形体に任意の方法で積層し、一体化した熱線遮蔽透明積層体として、構造材に使用することもできる。例えば、予めフィルム状に成形した熱線遮蔽透明樹脂成形体を無機ガラスに熱ラミネート法により積層一体化することで、熱線遮蔽機能、飛散防止機能を有する熱線遮蔽透明積層体を得ることができる。
また、熱ラミネート法、共押出法、プレス成形法、射出成形法等により、熱線遮蔽透明樹脂成形体の成形と同時に他の透明成形体に積層一体化することで、熱線遮蔽透明積層体を得ることも可能である。上記熱線遮蔽透明積層体は、相互の成形体の持つ利点を有効に発揮させつつ、相互の欠点を補完することで、より有用な構造材として使用することができる。
以上、詳細に述べたように熱線遮蔽成分としてタングステン酸化物微粒子(B1)、複合タングステン酸化物微粒子(B2)を、高耐熱性分散剤(C)を用いて熱可塑性樹脂(A)に均一に分散させた本実施形態の熱線遮蔽透明樹脂成形体用の高耐熱性マスターバッチを用いることにより、高コストの物理成膜法や複雑な工程を用いることなく熱線遮蔽機能を有しかつ可視光域に高い透過性能を有し、成形時の溶融混錬による分散剤の熱劣化に起因する黄変が少ない熱線遮蔽透明樹脂成形体並びに熱線遮蔽透明積層体を提供することが可能となる。
以下に、本発明の実施例を比較例とともに具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
各実施例において、タングステン酸化物微粒子や複合タングステン酸化物微粒子の粉体色(10°視野、光源D65)、および熱線遮蔽樹脂シート材の可視光透過率並びに日射透過率は、日立製作所(株)製の分光光度計U−4000を用いて測定した。この日射透過率は熱線遮蔽性能を示す指標である。また、ヘイズ値は村上色彩技術研究所(株)社製HR−200を用い、JIS K 7105に基づいて測定した。
[実施例1]
WO50gを入れた石英ボ−トを石英管状炉にセットし、Nガスをキャリア−とした5%Hガスを供給しながら加熱し、600℃の温度で1時間の還元処理を行った後、Nガス雰囲気下800℃で30分間焼成して微粒子aを得た。この微粒子aの粉体色は、Lが36.9288、aが1.2573、bが−9.1526であり、粉末X線回折による結晶相の同定の結果、W1849の結晶相が観察された。
次に、該微粒子aを5重量%、高耐熱性分散剤α(官能基として水酸基を有するアクリル系分散剤、TG−DTAで測定した熱分解温度は250℃。)を5重量%、トルエンを90重量%、秤量し、0.3mmφZrO2ビ−ズを入れたペイントシェ−カ−で6時間粉砕・分散処理することによってタングステン酸化物微粒子分散液(A液)調製した。ここで、タングステン酸化物微粒子分散液(A液)内におけるタングステン酸化物微粒子の分散粒子径を測定したところ、80nmであった。
上記A液へ、さらに、高耐熱性分散剤αを添加し、この高耐熱性分散剤αとタングステン酸化物微粒子の重量比[高耐熱性分散剤/タングステン酸化物微粒子]が4となるように調製した。次に、タングステン酸化物微粒子分散液(A液)からスプレードライヤーを用いてトルエンを除去し、タングステン酸化物微粒子分散粉を得た(以下、A粉と略称する。)。
得られたA粉と、熱可塑性樹脂であるポリカーボネート樹脂ペレットとを、W1849濃度が2.0重量%となるように混合し、ブレンダーを用いて均一に混合した後、二軸押出機で290℃で熔融混練し、押出されたストランドをペレット状にカットし、熱線遮蔽透明樹脂成形体用の高耐熱性マスターバッチを得た(以下、マスターバッチAと略称する。)。
得られたマスターバッチAを、ポリカーボネート樹脂ペレット(直径2.5mm、長さ3mm)で希釈し、W1849濃度を0.03重量%とした。当該マスターバッチAのポリカーボネート樹脂希釈物をタンブラーで均一に混合した後、Tダイを用いて厚さ2.0mmに押出成形し、タングステン酸化物微粒子が樹脂全体に均一に分散した実施例1に係る熱線遮蔽透明樹脂成形体を得た。当該熱線遮蔽樹脂成形体中の該酸化物微粒子の分散粒子径は、75nmであった。
実施例1に係る熱線遮蔽透明樹脂成形体の光学特性を測定したところ、表1に示すように、可視光透過率71.1%のときの日射透過率は48.0%で、ヘイズ値は1.1%であった。
[実施例2]
マスターバッチAをポリカーボネート樹脂ペレットでW1849濃度が0.60重量%となるように希釈し、Tダイを用いて厚さ0.1mmに成形した以外は、実施例1と同様にして実施例2に係る熱線遮蔽透明樹脂成形体を得た。熱線遮蔽樹脂シート材中の該酸化物微粒子の分散粒子径は、72nmであった。
実施例2に係る熱線遮蔽透明樹脂成形体の光学特性を測定したところ、表1に示すように、可視光透過率72.2%のときの日射透過率は48.7%で、ヘイズ値は1.2%であった。
[実施例3]
WO50gとCs(OH)17.0g(Cs/W=0.3相当)とをメノウ乳鉢で十分混合した粉末を、Nガスをキャリア−とした5%Hガスを供給しながら加熱し、600℃の温度で1時間の還元処理を行った後、Nガス雰囲気下で800℃で30分焼成して微粒子b(組成式はCs0.3WO、粉体色はLが35.2745、aが1.4918、bが−5.3118)を得た。
次に、当該微粒子bを5重量%、実施例1で説明した高耐熱性分散剤αを5重量%、トルエンを90重量%、秤量し、0.3mmφZrO2ビ−ズを入れたペイントシェーカーで6時間粉砕・分散処理することによって複合タングステン酸化物微粒子分散液(B液)調製した。ここで、タングステン酸化物微粒子分散液(B液)内におけるタングステン酸化物微粒子の分散粒子径を測定したところ、75nmであった。
更に、上記B液に上記高耐熱性分散剤αを添加し、この高耐熱性分散剤αと複合タングステン酸化物微粒子との重量比[高耐熱性分散剤/複合タングステン酸化物微粒子]が、4となるように調製した後、真空乾燥機を用いてトルエンを除去し、複合タングステン酸化物微粒子分散粉を得た(以下、B粉と略称する)。
得られたB粉を熱可塑性樹脂であるポリカーボネート樹脂ペレットに添加し、Cs0.3WO濃度を2.0重量%とした。そして、当該B粉とポリカーボネート樹脂ペレットとの混合物をブレンダーで均一に混合した後、二軸押出機で熔融混練し、押出されたストランドをペレット状にカットし、複合熱線遮蔽透明樹脂成形体用の高耐熱性マスターバッチを得た(以下、マスターバッチBと略称する)。
マスターバッチBをポリカーボネート樹脂ペレットでCs0.3WO濃度が0.05重量%となるように希釈した。当該マスターバッチB希釈物をタンブラーで均一に混合した後、Tダイを用いて厚さ2.0mmに押出成形し、複合タングステン酸化物微粒子が樹脂全体に均一に分散した熱線遮蔽透明樹脂成形体を得た。熱線遮蔽樹脂成形体中の該酸化物微粒子の分散粒子径は、72nmであった。
実施例3に係る熱線遮蔽透明樹脂成形体の光学特性を測定したところ、表1に示すように、可視光透過率71.1%のときの日射透過率は37.0%で、ヘイズ値は1.1%であった。
[実施例4]
熱可塑性樹脂としてアクリル樹脂を使用した以外は、実施例3と同様にして実施例4に係る複合熱線遮蔽透明樹脂成形体用の高耐熱性マスターバッチ(以下、マスターバッチCと略称する。)を調製し、さらに、熱線遮蔽透明樹脂成形体を得た。熱線遮蔽樹脂成形体中の該酸化物微粒子の分散粒子径は、87nmであった。
実施例4に係る熱線遮蔽透明樹脂成形体の光学特性を測定したところ、表1に示すように、可視光透過率72.1%のときの日射透過率は38.1%で、ヘイズ値は2.1%であった。
[実施例5]
熱可塑性樹脂としてポリエチレンテレフタレート樹脂を使用した以外は、実施例3と同様にして実施例5に係る複合熱線遮蔽透明樹脂成形体用の高耐熱性マスターバッチ(以下、マスターバッチDと略称する。)を調製し、さらに、熱線遮蔽透明樹脂成形体を得た。熱線遮蔽樹脂成形体中の該酸化物微粒子の分散粒子径は、73nmであった。
実施例5に係る熱線遮蔽透明樹脂成形体の光学特性を測定したところ、表1に示すように、可視光透過率71.5%のときの日射透過率は37.1%で、ヘイズ値は1.0%であった。
[実施例6]
熱可塑性樹脂としてエチレン−4フッ化エチレン樹脂を使用した以外は、実施例3と同様にして実施例6に係る複合熱線遮蔽透明樹脂成形体用の高耐熱性マスターバッチを得た。(以下、マスターバッチEと略称する。)。
次に、マスターバッチEをエチレン−4フッ化エチレン樹脂ペレットでCs0.3WO濃度が1重量%となるように希釈した。当該マスターバッチE希釈物を、タンブラーで均一に混合した後、Tダイを用いて厚さ0.1mmに押出成形し、複合タングステン酸化物微粒子が樹脂全体に均一に分散した熱線遮蔽透明樹脂成形体を得た。
実施例6に係る熱線遮蔽透明樹脂成形体の光学特性を測定したところ、表1に示すように、可視光透過率60.5%のときの日射透過率は32.1%で、ヘイズ値は27%であった。尚、当該ヘイズ値が27%と高い値を示したが、これはエチレン−4フッ化エチレン樹脂自体が濁っている為、ヘイズ値が高くなったものである。
[実施例7]
熱可塑性樹脂としてポリエチレン樹脂を使用した以外は、実施例6と同様にして実施例7に係る複合熱線遮蔽透明樹脂成形体用の高耐熱性マスターバッチ(以下、マスターバッチFと略称する。)と、熱線遮蔽透明樹脂成形体とを得た。熱線遮蔽樹脂成形体中の該酸化物微粒子の分散粒子径は、90nmであった。
実施例7に係る熱線遮蔽透明樹脂成形体の光学特性を測定したところ、表1に示すように、可視光透過率61.5%のときの日射透過率は33.2%で、ヘイズ値は15%であった。尚、当該ヘイズ値が15%と高い値を示したが、これはポリエチレン樹脂自体が濁っている為、ヘイズ値が高くなったものである。
[実施例8]
高耐熱性分散剤と複合タングステン酸化物微粒子の重量比[高耐熱性分散剤/複合タングステン酸化物微粒子]が0.5となるように調整した以外は、実施例3と同様にして、実施例8に係る複合熱線遮蔽透明樹脂成形体用の高耐熱性マスターバッチ(以下、マスターバッチGと略称する。)と、熱線遮蔽透明樹脂成形体とを得た。熱線遮蔽樹脂成形体中の該酸化物微粒子の分散粒子径は、86nmであった。
実施例8に係る熱線遮蔽透明樹脂成形体の光学特性を測定したところ、表1に示すように、可視光透過率70.5%のときの日射透過率は36.9%で、ヘイズ値は1.9%であった。
[実施例9]
上記B液にメチル−トリメトキシ−シランを添加し、メカニカルスターラーで1時間攪拌し混合した後、スプレードライヤーを用いてトルエンを除去し、シラン化合物にて表面処理を施した複合タングステン酸化物微粒子(以下、微粒子cと略称する。)を得た。
当該微粒子cを微粒子bに代替した以外は、実施例3と同様にして実施例9に係る複合熱線遮蔽透明樹脂成形体用の高耐熱性マスターバッチ(以下、マスターバッチHと略称する。)と、熱線遮蔽透明樹脂成形体とを得た。熱線遮蔽樹脂成形体中の該酸化物微粒子の分散粒子径は、90nmであった。
実施例9に係る熱線遮蔽透明樹脂成形体の光学特性を測定したところ、表1に示すように、可視光透過率72.5%のときの日射透過率は38.1%で、ヘイズ値は1.5%であった。
[実施例10]
高耐熱性分散剤として、高耐熱性分散剤β(官能基としてエポキシ基を有するアクリル系分散剤であり、TG−DTAで測定した熱分解温度は270℃。)を使用した以外は、実施例3と同様にして実施例10に係る複合熱線遮蔽透明樹脂成形体用の高耐熱性マスターバッチ(以下、マスターバッチIと略称する。)と、熱線遮蔽透明樹脂成形体とを得た。熱線遮蔽樹脂成形体中の該酸化物微粒子の分散粒子径は、75nmであった。
実施例10に係る熱線遮蔽透明樹脂成形体の光学特性を測定したところ、表1に示すように、可視光透過率71.3%のときの日射透過率は37.1%で、ヘイズ値は1.5%であった。
Figure 2011001551
[比較例1]
通常の分散剤γ(官能基としてアミン基を有するポリエーテル系分散剤であり、TG−DTAで測定した熱分解温度は210℃。)を使用した以外は、実施例3と同様にして比較例1に係る複合熱線遮蔽透明樹脂成形体用のマスターバッチ(以下、マスターバッチJと略称する。)と、熱線遮蔽透明樹脂成形体とを得た。熱線遮蔽樹脂成形体中の該酸化物微粒子の分散粒子径は、78nmであった。
比較例1に係る熱線遮蔽透明樹脂成形体の光学特性を測定したところ、表2に示すように、可視光透過率55.6%のときの日射透過率は34.1%で、ヘイズ値は1.8%であった。
可視光透過率が低くなり、複合タングステン酸化物微粒子本来の熱線遮蔽特性が得られなかった。さらに、高耐熱性でない分散剤を使用した為に、当該分散剤が溶融混錬時に熱分解し、得られた熱線遮蔽樹脂成形体が褐色に着色して複合タングステン酸化物微粒子本来の色調が得られなかった。
[比較例2]
高耐熱性分散剤と複合タングステン酸化物微粒子の重量比[高耐熱性分散剤/複合タングステン酸化物微粒子]が0.4となるように調製した以外は、実施例3と同様にして比較例2の複合熱線遮蔽透明樹脂成形体用の高耐熱性マスターバッチ(以下、マスターバッチKと略称する。)と、熱線遮蔽透明樹脂成形体とを得た。熱線遮蔽樹脂成形体中の該酸化物微粒子の分散粒子径は300〜500nmであり、該酸化物微粒子が凝集していた。
比較例2に係る熱線遮蔽透明樹脂成形体の光学特性を測定したところ、表2に示すように、可視光透過率78.5%のときの日射透過率は65.9%で、ヘイズ値は16.7%であった。
これは、高耐熱性分散剤と複合タングステン酸化物微粒子との重量比[高耐熱性分散剤/複合タングステン酸化物微粒子]が0.4であり、分散剤の量が不足していたために、タングステン酸化物微粒子を十分に分散することが出来ず、微粒子同士の凝集が発生し、十分な光学特性が得られなかった為であると考えられる。また、ヘイズの値も高く、ポリカーボネート樹脂本来の透明性を損なっていた。
[比較例3]
高耐熱性分散剤と複合タングステン酸化物微粒子との重量比[高耐熱性分散剤/複合タングステン酸化物微粒子]が11となるように調製した以外は、実施例2と同様にして比較例3に係る複合熱線遮蔽透明樹脂成形体用高耐熱性マスターバッチ(以下、マスターバッチLと略称する。)と、熱線遮蔽透明樹脂成形体とを得た。熱線遮蔽樹脂成形体中の該酸化物微粒子の分散粒子径は79nmであった。
比較例3に係る熱線遮蔽透明樹脂成形体の光学特性を測定したところ、表2に示すように、可視光透過率72.7%のときの日射透過率は49.0%で、ヘイズ値は1.4%であった。
ところが、高耐熱性分散剤と複合タングステン酸化物微粒子との重量比[高耐熱性分散剤/複合タングステン酸化物微粒子]が11であり、分散剤の量が過剰であったために、得られた熱線遮蔽樹脂成形体の表面強度が著しく低下し、爪でこすると簡単に傷が付いてしまい、ポリカーボネート樹脂本来の機械強度を損なっていることがわかった。
Figure 2011001551

Claims (5)

  1. 熱線遮蔽透明樹脂成形体を製造するために用いられる高耐熱性マスターバッチの製造方法であって、
    一般式WOx(但し、2.45≦X≦2.999)で示されるタングステン酸化物微粒子および/または一般式MyWOz(但し、0.1≦Y≦0.5、2.2≦Z≦3.0)で示され且つ六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子(但し、M元素は、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Sn、Al、Cuから選択される少なくとも1種類以上である。)、と、TG−DTAで測定される熱分解温度が250℃以上の、官能基としてエポキシ基を有するアクリル系分散剤、官能基として水酸基を有するアクリル系分散剤から選ばれる1種以上の高耐熱性分散剤を、溶媒に加え粉砕・分散処理を行い、微粒子分散液を得る工程と、
    当該工程の後、当該微粒子分散液に、さらに、前記高耐熱性分散剤を、
    10≧[高耐熱性分散剤の重量/(タングステン酸化物微粒子および/または複合タングステン酸化物微粒子の重量)]≧0.5
    の範囲となるまで添加した後、溶媒を除去して、当該微粒子分散粉を得る工程と、
    得られた当該微粒子分散粉と熱可塑性樹脂ペレット(但し、熱可塑性樹脂は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、フッ素系樹脂、ポリオレフィン樹脂およびポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種類以上である。)とを混合し、熔融混練し、成形する工程とを、具備することを特徴とする高耐熱性マスターバッチの製造方法。
  2. 前記タングステン酸化物微粒子、複合タングステン酸化物微粒子が、分散粒子径200nm以下の微粒子であることを特徴とする請求項1に記載の高耐熱性マスターバッチの製造方法。
  3. 前記タングステン酸化物微粒子、複合タングステン酸化物微粒子が、シラン化合物、チタン化合物、ジルコニア化合物から選択される少なくとも1種類以上の化合物によって表面処理されていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の高耐熱性マスターバッチの製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の高耐熱性マスターバッチの製造方法で得られた高耐熱性マスターバッチが、当該高耐熱性マスターバッチに含まれる熱可塑性樹脂と同種の熱可塑性樹脂、または、当該高耐熱性マスターバッチに含まれる熱可塑性樹脂と相溶性を有する異種の熱可塑性樹脂、と混合され、且つ、所定の形状に成形されていることを特徴とする熱線遮蔽透明樹脂成形体。
  5. 請求項4に記載の熱線遮蔽透明樹脂成形体が、他の透明成形体に積層されていることを特徴とする熱線遮蔽透明積層体。
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