JP5898397B2 - 近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂組成物、近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂積層体、および、成形体とその製造方法 - Google Patents

近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂組成物、近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂積層体、および、成形体とその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、建築物、自動車、電車、航空機などの開口部に使用される窓材、フラットパネルディスプレイの近赤外線吸収フィルター等に広く利用される近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体の製造に用いられる、近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂組成物、当該樹脂組成物が適用された近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体、並びに近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂積層体に関するものである。
各種建築物や車両の窓、ドア等のいわゆる開口部分から入射する太陽光線には可視光線の他に紫外線や赤外線が含まれている。この太陽光線に含まれている赤外線のうち波長800〜2500nmの近赤外線は熱線と呼ばれ、開口部分から進入することにより室内の温度を上昇させる原因になる。これを解消するために、近年、各種建築物や車両の窓材等の分野では、可視光線を十分に取り入れながら熱線を遮蔽し、明るさを維持しつつ室内の温度上昇を抑制する近赤外線遮蔽成形体の需要が急増しており、近赤外線遮蔽成形体に関する特許が多く提案されている。
例えば、透明樹脂フィルムに、金属、金属酸化物を蒸着してなる熱線反射フィルムを、ガラス、アクリル板、ポリカーボネート板等の透明成形体に接着した近赤外線遮蔽板が提案されている。
しかし、この熱線反射フィルム自体が非常に高価でかつ接着工程等の煩雑な工程を要するため高コストとなる。また透明成形体と反射フィルムの接着性が良好でないため、経時変化によりフィルムの剥離が生じるといった欠点を有している。
また、透明成形体表面に、金属若しくは金属酸化物を直接蒸着してなる近赤外線遮蔽板も数多く提案されているが、この近赤外線遮蔽板の製造に際しては、高真空で精度の高い雰囲気制御を要する蒸着装置が必要となるため、量産性が悪く、汎用性に乏しいという問題を有している。
この他、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂等の熱可塑性透明樹脂にフタロシアニン系化合物、アントラキノン系化合物に代表される有機近赤外線吸収剤を練り込んだ近赤外線遮蔽板およびフィルムが提案されている。
しかしながら、本発明者らの検討によると、上記の近赤外線遮蔽板およびフィルムにおいては、熱線を十分に遮蔽するために多量の近赤外線吸収剤を配合しなければならない。だからといって、近赤外線吸収剤を多量に配合すると、今度は可視光線透過能が低下してしまうという課題が残っていた。さらに、近赤外線吸収剤として有機化合物を使用しているため、直射日光に常時曝される建築物や車両の窓材等への適用は耐侯性に難があり、必ずしも適当であるとはいえなかった。
さらに、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の透明樹脂に、熱線反射能を有する酸化チタンあるいは酸化チタンで被覆されたマイカ等の無機粒子を、熱線反射粒子として練り込んだ近赤外線遮蔽板も提案されている(特許文献1、2等参照)。
しかし、上記近赤外線遮蔽板においては、近赤外線遮蔽能を高めるために当該熱線反射粒子を多量に添加する必要があり、熱線反射粒子の配合量の増大に伴って可視光線透過能
が低下してしまうという課題があった。だからといって、熱線反射粒子の添加量を少なくすると可視光線透過能は高まるものの、今度は近赤外線遮蔽能が低下してしまい、近赤外線遮蔽能と可視光線透過能とを同時に満足させることが困難であるといった問題があった。
さらに、熱線反射粒子を多量に配合すると、成形体である透明樹脂の物性、特に耐衝撃強度や靭性が低下するという強度面からの問題も有していた。
一方、本出願人は、近赤外線遮蔽効果を有する成分として自由電子を多量に保有する六ホウ化物微粒子に着目し、ポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂中に、六ホウ化物微粒子が分散され、または、六ホウ化物微粒子とITO微粒子及び/又はATO微粒子とが分散されている近赤外線遮蔽樹脂シート材を提案している(特許文献3参照)。
六ホウ化物微粒子単独、または、六ホウ化物微粒子とITO微粒子および/またはATO微粒子と、が分散された近赤外線遮蔽樹脂シート材の光学特性は、可視光領域に可視光透過率の極大を有すると共に、近赤外線領域に強い吸収を発現して日射透過率の極小を有するものである。、この結果、可視光透過率が70%以上、かつ日射透過率が50%台まで抑えられている。
また、本出願人は、特許文献4において、熱可塑性樹脂と近赤外線遮蔽成分として六ホウ化物(XB,但し、Xは、La、Ce、Pr、Nd、Gd、Tb、Dy、Ho、Y、Sm、Eu、Er、Tm、Yb、Lu、SrおよびCaから選択される少なくとも1種以上)とを主成分として含有するマスターバッチと、このマスターバッチが適用された近赤外線遮蔽透明樹脂成形体並びに近赤外線遮蔽透明積層体を提案した。そして、当該マスターバッチを適用することで、優れた可視光線透過能を維持しつつ高い近赤外線遮蔽機能を有する様々な形状の近赤外線遮蔽透明樹脂成形体を、高コストの物理成膜法などを用いることなく簡便な方法で作製することを可能にした。
さらに、本出願人は、特許文献5において、日射遮蔽機能を有する微粒子として、一般式WyOz(但し、Wはタングステン、Oは酸素、2.0<z/y<3.0)で表記されるタングステン酸化物の微粒子、および/または、一般式MxWyOz(但し、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Reの内から選択される1種以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.0<z/y≦3.0)で表記される複合タングステン酸化物の微粒子を適用することにより、高い日射遮蔽特性を有し、ヘイズ値が小さく、生産コストの安価な日射遮蔽用合わせ構造体を製造できることを開示している。
さらに、本出願人は、特許文献6において、紫外線による色調変化の現象を抑制した、タングステン酸化物微粒子、または/及び、複合タングステン酸化物微粒子と、ヒンダードアミン系光安定剤とを、媒体中に含有分散させた赤外線遮蔽材料微粒子分散体を提案し、その中で、媒体としてポリエステル樹脂を用いた赤外線遮蔽材料微粒子分散体を開示している。
また、本出願人は、特許文献7において、タングステン酸化物や複合タングステン酸化物微粒子を媒体に分散させた赤外線遮蔽材料微粒子分散体であって、着色防止剤を加えることによって紫外線による色調変化が抑制された赤外線遮蔽材料微粒子分散体、当該赤外線遮蔽材料微粒子分散体を板状、フィルム状および薄膜状に形成した赤外線遮蔽体を提案し、媒体としてポリエステル樹脂を用いた赤外線遮蔽材料微粒子分散体、赤外線遮蔽体を
開示している。
特開平2−173060号公報 特開平5−78544号公報 特開2003−327717号公報 特開2004−59875号公報 国際公開第WO2005/87680A1号パンフレット 特開2006−282736号公報 特開2008−208274号公報
上記特許文献3乃至5に記載の近赤外線遮蔽シート材においては、近赤外線遮蔽特性の経時的変化に改善の余地を残しており、また、当該近赤外線遮蔽シート材においては条件によっては当初の透明樹脂シートが黄変する場合もあった。
また、特許文献6、7は、上記近赤外線遮蔽シート材における黄変について着目したものではない。特許文献6、7は、可視光領域においては透明で、近赤外線領域においては吸収を持つタングステン酸化物微粒子、または/及び、複合タングステン酸化物微粒子を媒体に分散させた赤外線遮蔽材料微粒子分散体の紫外線による色調変化の現象は、樹脂などの高分子材料に紫外線を照射すると、紫外線のエネルギーによって高分子鎖が切断されて活性な有害ラジカルが次々に発生し、高分子の劣化が連鎖的に進み、これらの有害ラジカルが、当該タングステン酸化物微粒子、または/及び、複合タングステン酸化物微粒子を媒体中に分散させた赤外線遮蔽材料微粒子分散体、または赤外線遮蔽体の、タングステン酸化物微粒子、または複合タングステン酸化物微粒子に還元的に作用し、新たに5価のタングステンが増加するに伴って着色濃度が高くなることに着目したものである。つまり、紫外線による色調変化が抑制された、タングステン酸化物微粒子、または/及び、複合タングステン酸化物微粒子を媒体に分散させた赤外線遮蔽材料微粒子分散体、当該赤外線遮蔽材料微粒子分散体を得ることを目的として光安定剤や着色防止剤が加えられているものについて記載されている。
本発明は、上述した、日射遮蔽機能を有する微粒子として、一般式MxWyOzで表記される複合タングステン酸化物の微粒子を適用することにより得られる日射遮蔽シート材等が、黄変する問題に着目してなされたものである。そして、その課題とするところは、可視光線透過能及び近赤外線遮蔽機能を有する様々な形状の近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体において、黄変が起こらず、可視光透過性が良好でかつ優れた近赤外線遮蔽機能を有するポリエステル樹脂成形体を、高コストの物理成膜法などを用いることなく簡便な方法で作製できる樹脂組成物を提供し、併せてこの樹脂組成物が適用された近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体並びに近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂積層体を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、製造される近赤外線遮蔽シート材等において、黄変することがある原因、および、当該近赤外線遮蔽シート材が期待される可視光線透過能及び近赤外線遮蔽機能が得られない原因が、いずれも、樹脂組成物中に含まれる分散剤の熱変性に起因することに想到した。つまり樹脂組成物中に含まれる分散剤の耐熱性が低いため、当該樹脂組成物を加熱しながら混練混合する際、当該分散剤が熱変性し、当該分散剤の分散能力が劣化して樹脂組成物中に含まれる近赤外線遮蔽
微粒子の分散に支障をきたし、期待される可視光線透過能及び近赤外線遮蔽機能が得られていなかったのである。さらに、当該熱変性した分散剤が黄〜茶色に着色し、近赤外線遮蔽シート材が黄変する原因となっていたことを見い出した。
上述の知見に基づいて、本発明者らは、さらに研究を進め、熱分解温度が230℃以上のポリエステル主鎖に塩基性官能基をもつ高耐熱性を有する分散剤を見出した。さらに、本発明者等は、当該高耐熱性を有する分散剤と、近赤外線遮蔽微粒子との混合割合を、特定の範囲に制御することにより上記課題を解決した高耐熱性樹脂組成物が得られることを見出した。そして、当該高耐熱性樹脂組成物を、加熱しながら混練し、かつ、押出成形、射出成形、圧縮成形等の公知の方法により、板状、フィルム状、球面状等の任意の形状に成形することによって、可視光領域に透過率の極大を持つと共に近赤外域に強い吸収を持ちながら黄変することのない近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体並びに近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂積層体の作製が可能となることを見出すに至った。
すなわち、本発明の第1の発明は、
近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体を製造するために用いられる近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂組成物であって、
ポリエステル樹脂(A)と、一般式MWO(但し、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Reの内から選択される1種以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.1≦Y≦0.5、2.2≦Z≦3.0)で示され且つ六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子(B)と、熱分解温度が230℃以上であって、ポリエステル主鎖に塩基性官能基をもつ分散剤(C)と、を含み、
9≧[分散剤(C)の重量/複合タングステン酸化物微粒子(B)の重量]≧0.5、且つ、1999≧[(ポリエステル樹脂(A)の重量+分散剤(C)の重量)/複合タングステン酸化物微粒子(B)の重量]≧10の範囲であり、
上記複合タングステン酸化物微粒子(B)が、ポリエステル樹脂(A)中において、均一に分散していることを特徴とする近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂組成物を提供する。
本発明の第2の発明は、
前記複合タングステン酸化物微粒子(B)に含まれるM元素が、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Sn、Al、Cuから選択される少なくとも1種類以上であることを特徴とする第1の発明に記載の近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂組成物を提供する。
本発明の第3の発明は、
前記ポリエステル樹脂(A)が、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートから選択される1種類以上であることを特徴とする第1または第2の発明のいずれかに記載の近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂組成物を提供する。
本発明の第4の発明は、
前記複合タングステン酸化物微粒子(B)が、分散粒子径200nm以下の微粒子であることを特徴とする第1から第3の発明のいずれかに記載の近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂組成物を提供する。
本発明の第5の発明は、
前記複合タングステン酸化物微粒子(B)が、シラン化合物、チタン化合物、ジルコニア化合物から選択される少なくとも1種類以上の化合物によって表面処理されていることを特徴とする第1から第4の発明のいずれかに記載の近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂組成物を提供する。
本発明の第6の発明は、
第1から5の発明のいずれかに記載の近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂組成物を、成形して得られることを特徴とする近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体を提供する。
本発明の第7の発明は、
第6の発明に記載の近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体が、他の透明成形体に積層されていることを特徴とする近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂積層体を提供する。
本発明の第8の発明は、
第6の発明に記載の近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体の表面に、近赤外線遮蔽膜が形成されていることを特徴とする近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体を提供する。
本発明の第9の発明は、
近赤外線遮蔽膜を、六ホウ化物微粒子分散液、アンチモンドープ酸化錫微粒子分散液の少なくとも1種と、UV硬化樹脂または常温硬化樹脂と、を混合した塗布液を塗布し、その後硬化して得ることを特徴とする第8の発明に記載の近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体の製造方法を提供する
本発明に係る近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂組成物は、ポリエステル樹脂(A)と、一般式MWO(但し、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Reの内から選択される1種以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.1≦Y≦0.5、2.2≦Z≦3.0)で示され且つ六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子(B)と、ポリエステル主鎖に塩基性官能基をもつ分散剤(C)とを含み、複合タングステン酸化物微粒子(B)重量に対して分散剤(C)重量とポリエステル樹脂重量が所定の割合で配合されており、上記複合タングステン酸化物微粒子(B)がポリエステル樹脂中で凝集することなく、均一に分散していることを特徴としており、当該近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂組成物を用いて、成形されて得られる近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体は、可視光領域に透過率の極大を持つと共に近赤外域に強い吸収を持ちながら、成形時の溶融混錬による分散剤の熱劣化に起因する黄変のない優れた特性を有している。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂組成物は、ポリエステル樹脂(A)と、一般式MWO(但し、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Reの内から選択される1種以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.1≦Y≦0.5、2.2≦Z≦3.0)で示され且つ六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子(B)と、ポリエステル主鎖に塩基性官能基持つ熱分解温度が230℃以上の高耐熱性を有する分散剤(C)と、を含み、且つ、当該分散剤(C)と、複合タングステン酸化物微粒子(B)との重量比(本発明において「重量比1」と記載する場合がある。)が、9≧[分散剤(C)の重量/複合タングステン酸化物微粒子(B)の重量]≧0.5の範囲であり、且つ、ポリエステル樹脂(A)と、複合タングステン酸化物微粒子(B)との重量比(本発明において「重量比2」と記載する場合がある。)が、1999≧[(ポリエステル樹脂(A)の重量+分散剤(C)の重量)/複合タングステン酸化物微粒子(B)の重量]≧10の範囲であることを特徴とするポリエステル樹脂組成物である。
以下、本発明の近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂組成物を構成する、
1)近赤外線遮蔽機能を有する複合タングステン酸化物微粒子(B)、
2)高耐熱性を有する分散剤(C)、
3)ポリエステル樹脂(A)、
について順に説明し、さらに、
4)近赤外線遮蔽機能を有する微粒子のポリエステル樹脂(A)への分散方法と近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂組成物
について説明し、最後に、
5)近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体
について説明する。
1)近赤外線遮蔽機能を有する複合タングステン酸化物微粒子(B)
本発明の近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂組成物に近赤外線遮蔽材料として用いられる複合タングステン酸化物微粒子(B)は、近赤外線領域、特に波長1000nm付近の光を大きく吸収するため、その透過色調はブル−系の色調となるものが多い。また、当該近赤外線遮蔽材料の粒子径は、その使用目的によって適宜選定することができる。
例えば、本発明の近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体を、透明性を保持した用途に使用する場合には、複合タングステン酸化物微粒子(B)は、800nm以下の分散粒子径を有していることが好ましい。800nmよりも小さい分散粒子径を有していれば、散乱により光を完全に遮蔽することが無く、可視光領域の視認性を保持し、同時に効率よく透明性を保持することができるからである。特に可視光領域の透明性を重視する場合には、さらに粒子による散乱を考慮することが好ましい。
また例えば、本発明の近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体を、上述した可視光領域の透明性を重視する用途に使用する場合には、複合タングステン酸化物微粒子による散乱の低減を重視して、当該複合タングステン酸化物微粒子(B)の分散粒子径は200nm以下、好ましくは100nm以下がよい。その理由は、分散粒子の分散粒子径が小さければ、幾何学散乱もしくはミー散乱による波長400nm〜780nmの可視光線領域の光の散乱が低減されるからである。当該光の散乱が低減される結果、近赤外線遮蔽膜が曇りガラスのようになって鮮明な透明性が得られなくなるのを回避できるからである。即ち、分散粒子の分散粒子径が200nm以下になると、上記幾何学散乱もしくはミー散乱が低減し、レイリー散乱領域になるからである。当該レイリー散乱領域では、散乱光は粒子径の6乗に反比例して低減するため、分散粒子径の減少に伴い散乱が低減し、透明性が向上するからである。さらに、分散粒子径が100nm以下になると、散乱光は非常に少なくなり好ましい。光の散乱を回避する観点からは、分散粒子径が小さい方が好ましく、分散粒子径が1nm以上であれば工業的な製造は容易である。
ここで、複合タングステン酸化物微粒子の分散粒子径とは、溶媒中に分散している複合タングステン酸化物微粒子が凝集して生成した凝集粒子の径を意味するものであり、市販されている種々の粒度分布計で測定することができる。例えば、複合タングステン酸化物微粒子分散液から複合タングステン酸化物微粒子の単体や凝集体が存在する状態のサンプルを採取し、当該サンプルを、動的光散乱法を原理とした大塚電子(株)社製ELS−8000にて測定することで求めることができる。
a)複合タングステン酸化物微粒子(B)の組成について説明する。
上記複合タングステン酸化物微粒子(B)は、具体的には、一般式MWO(但し、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Reの内から選択される1種以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.1≦Y≦0.5、2.2≦Z≦3.0)で示され、かつ六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子(B)である。上記複合タングステン酸化物微粒子(B)の中でも、M元素が、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、
Ca、Sr、Fe、Sn、Al、Cuのうちから選択される1種類以上を含むような複合タングステン酸化物微粒子が好ましい。添加元素Mの添加量Yは、0.1以上、0.5以下が好ましく、さらには0.33付近が好ましい。これは六方晶の結晶構造から理論的に算出される値が0.33であり、この前後の添加量で好ましい光学特性が得られるからである。また、Zの範囲については、2.2≦z≦3.0が好ましい。これは、MWOで表記される複合タングステン酸化物材料において、Zの値が2.2以上であれば、当該熱線遮蔽材料中に目的外であるWOの結晶相が現れるのを完全に回避することが出来ると共に、材料の化学的安定性を得ることが出来るのに加え、z≦3.0においても、上述の元素Mの添加による自由電子の供給があるためである。尤も、光学特性の観点から、より好ましくは、2.2≦z≦2.99、さらに好ましくは、2.45≦z≦2.99である。
ここで、当該複合タングステン酸化物材料の典型的な例としては、Cs0.33WO、Rb0.33WO、K0.33WO、Ba0.33WOなどを挙げることができるが、Y、Zが上記の範囲に収まるものであれば、MがTl、In、Li、Ca、Sr、Fe、Sn、Al、Cuを用いたMWOでも、有用な近赤外線遮蔽特性を得ることができる。
b)複合タングステン酸化物微粒子(B)の製造方法について説明する。
上記複合タングステン酸化物微粒子(B)は、タングステン化合物出発原料を、不活性ガス雰囲気または還元性ガス雰囲気中で熱処理して得ることができる。
複合タングステン化合物出発原料には、三酸化タングステン粉末、ニ酸化タングステン粉末、または酸化タングステンの水和物、または、六塩化タングステン粉末、またはタングステン酸アンモニウム粉末、または、六塩化タングステンをアルコール中に溶解させた後乾燥して得られるタングステン酸化物の水和物粉末、または、六塩化タングステンをアルコール中に溶解させたのち水を添加して沈殿させこれを乾燥して得られるタングステン酸化物の水和物粉末、またはタングステン酸アンモニウム水溶液を乾燥して得られるタングステン化合物粉末、金属タングステン粉末、から選択されたいずれか1種類以上であることが好ましい。
ここで、複合タングステン酸化物微粒子(B)を製造する場合には、出発原料が溶液であると、各元素は容易に均一混合可能となることから、タングステン酸アンモニウム水溶液や、六塩化タングステン溶液を用いることがさらに好ましい。これらのタングステン化合物出発原料へ、元素Mを元素単体または化合物の形態で添加して、複合タングステン化合物の出発原料とする。これを不活性ガス雰囲気または還元性ガス雰囲気中で熱処理して、複合タングステン酸化物微粒子を含有する近赤外線遮蔽材料微粒子を得ることができる。
ここで、各成分が分子レベルで均一混合した出発原料を製造するためには各原料を溶液の形で混合することが好ましい。従って、元素Mを含む複合タングステン化合物出発原料が、水や有機溶媒等の溶媒に溶解可能なものであることが好ましい。例えば、元素Mを含有するタングステン酸塩、塩化物塩、硝酸塩、硫酸塩、シュウ酸塩、酸化物、炭酸塩、水酸化物等が挙げられるが、これらに限定されず、溶液状になるものであればよい。
上記熱処理条件のうち、不活性雰囲気中における熱処理条件としては、650℃以上が好ましい。650℃以上で熱処理された出発原料は、十分な近赤外線吸収力を有し近赤外線遮蔽微粒子として効率が良い。不活性ガスとしては、Ar、N等の不活性ガスを用いることができる。
一方、還元性雰囲気中の熱処理条件としては、まず出発原料を還元性ガス雰囲気中にて100℃以上650℃以下で熱処理し、次いで不活性ガス雰囲気中で650℃以上1200℃以下の温度で熱処理することが好ましい。この時の還元性ガスは特に限定されないが、Hが好ましい。そして、還元性ガスとしてHを用いる場合、還元性雰囲気の組成は
、例えば、Ar、N等の不活性ガスにHを体積比で0.1%以上混合したものとすることが好ましく、さらに好ましくは0.2%以上とすることが良い。Hが体積比で0.1%以上であれば効率よく還元を進めることができる。
本発明に用いる上記近赤外線遮蔽機能を発揮する複合タングステン酸化物微粒子(B)は、シラン化合物、チタン化合物、ジルコニア化合物から選択される少なくとも1種類以上によって表面処理されて、上記微粒子の表面が、Si、Ti、Zr、Alから選択される少なくとも1種類以上を含有する酸化物で被覆されることで、耐候性が向上するので好ましい。
また、所望とする近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体を得るには、前記複合タングステン酸化物微粒子(B)の粉体色が、国際照明委員会(CIE)が推奨しているL*a*b*表色系(JIS Z 8729)における粉体色において、L*が25〜80、a*が−10〜10、b*が−15〜15である条件を満たすことが望ましい。上記複合タングステン酸化物微粒子(B)を用いることによって、近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体として所望の光学特性を得ることができる。
2)高耐熱性を有する分散剤(C)
従来、酸化物微粒子を分散させた塗液を用いて塗膜を得る時の塗料用として一般的に使用されている分散剤は、様々な酸化物微粒子を有機溶剤中に均一に分散する目的で使用されている。しかし本発明者等の検討によれば、これらの分散剤は、200℃以上の高温で使用されることを想定されて設計されてはいない。具体的には、本発明の近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂組成物を得るために、複合タングステン酸化物微粒子(B)とポリエステル樹脂(A)とを溶融混練する際に、耐熱性の低い分散剤を使用すると、当該分散剤中の官能基が熱により分解され、分散能が低下するとともに、分散剤が黄〜茶色に変色する等の不具合を起こすことを確認した。
これに対し、本発明においては、分散剤(C)として、TG−DTAで測定される熱分解温度が230℃以上である分散剤を用いることが肝要である。好ましくは当該熱分解温度が250℃以上ある分散剤を用いる。当該高耐熱性を有する分散剤(C)の具体的な構造例としては、ポリエステル主鎖を有し、官能基として塩基性官能基を有する分散剤が挙げられる。当該構造を有する分散剤(C)は、耐熱性が高く好ましい。
当該高耐熱性を有する分散剤(C)の熱分解温度が230℃以上であれば、溶融混練時、或いは成形時に当該高耐熱性を有する分散剤(C)が熱分解することなく分散能を維持できると伴に、高耐熱性を有する分散剤(C)自体が黄〜茶色に変色することもない。
この結果、製造されるポリエステル樹脂成形体において、近赤外線遮蔽微粒子が十分に分散され、可視光透過率が良好に確保されて、本来の光学特性を得ることができるとともに、成形体が黄色に着色することもない。具体的には、ポリエチレンテレフタレートの一般的な混練設定温度(250℃)で、当該高耐熱性を有する分散剤(C)とポリエチレンテレフタレート樹脂とを混練する試験を行った場合、混練物はポリエチレンテレフタレート樹脂のみを混練した場合とまったく同じ外観を呈し、無色透明で全く着色しないことが確認された。これに対し、例えば、後述する比較例1で使用している通常の分散剤を用いて同様の試験を行った場合、混練物は茶色に着色してしまうことが確認された。
上述したように、本実施形態に使用される高耐熱性を有する分散剤(C)はポリエステル主鎖を有するが、同時に、官能基として塩基性官能基を有する分散剤である。当該塩基性官能基は、複合タングステン酸化物微粒子の表面に吸着して、当該複合タングステン酸化物微粒子の凝集を防ぎ、成形体中でタングステン酸化物微粒子を均一に分散させる効果を持つからである。また、酸性官能基を有する分散剤も存在するが、当該酸性官能基を有する分散剤を使用すると、ポリエステル樹脂と分散剤とが相溶せず、成形体の透明性が失
われてしまうため、官能基は、塩基性官能基を有していることが肝要である。
特に後述する、ポリエステル樹脂(A)として、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど、溶融混練温度が高い樹脂を使用する場合には、熱分解温度が250℃以上である高耐熱性を有する分散剤(C)を使用することが好ましい。
上記高耐熱性を有する分散剤(C)と、複合タングステン酸化物微粒子(B)との重量比1は、
9≧[分散剤(C)の重量/複合タングステン酸化物微粒子(B)の重量]≧0.5
の範囲であることが好ましい。当該重量比1が0.5以上あれば、複合タングステン酸化物微粒子(B)を十分に分散することが出来るので、微粒子同士の凝集が発生せず、十分な光学特性が得られるからである。また、当該重量比1が9以下あれば、近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体自体の機械特性(引っ張り強度、曲げ強度、表面硬度)が損なわれることがない。
3)ポリエステル樹脂(A)
本発明の近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体は、建築物、自動車、電車、航空機などの開口部に使用される窓材、フラットパネルディスプレイの近赤外線吸収フィルター等に広く利用されるものであり、ポリエステル樹脂の可視光領域の光線透過率が高く透明性に優れていることから用いられている。
本発明の近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体に使用されるポリエステル樹脂(A)としては、可視光領域の光線透過率が高い透明なポリエステル樹脂であれば特に制限はない。例えば、3mm厚の板状成形体としたときのJIS R 3106記載の可視光透過率が50%以上で、JISK7105記載のヘイズが30%以下のものが好ましいものとして挙げられる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートを挙げることができる。
上記近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体を各種建築物や車両の窓材等に適用することを目的とした場合、透明性、耐衝撃性、耐侯性などを考慮すると、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートがより好ましい。また、フラットパネルディスプレイの近赤外線吸収フィルター等に適用することを目的とした場合、汎用性などを考慮すると、ポリエチレンテレフタレートがより好ましい。
近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体を製造するために用いられる近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂組成物は、上記ポリエステル樹脂(A)と、上記複合タングステン酸化物微粒子(B)と、上記高耐熱性を有する分散剤(C)とを含み、上記ポリエステル樹脂(A)と、高耐熱性を有する分散剤(C)と、複合タングステン酸化物微粒子(B)との重量比2は、
1999≧[(ポリエステル樹脂(A)の重量+分散剤(C)の重量)/複合タングステン酸化物微粒子(B)の重量]≧10
の範囲であることが好ましい。当該重量比2が10以上であれば、近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂組成物を用いて製造される近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体自体の機械特性(引っ張り強度、曲げ強度、表面硬度)が損なわれることがない。また、当該重量比2が2000以下であれば、得られる近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体は十分な近赤外線遮蔽特性が得られる。
4)複合タングステン酸化物微粒子(B)のポリエステル樹脂(A)への分散方法と近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂組成物
近赤外線遮蔽機能を有する微粒子である複合タングステン酸化物微粒子(B)のポリエ
ステル樹脂(A)への分散方法は、当該微粒子が均一に樹脂中に分散できる方法であれば任意に選択できる。
具体例としては、まず、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、超音波分散などの方法を用い、上記複合タングステン酸化物微粒子(B)を任意の溶剤に分散した分散液を調製する。次に、当該分散液と高耐熱性を有する分散剤(C)とポリエステル樹脂(A)の粉粒体またはペレットと、必要に応じて他の添加剤とを、リボンブレンダー、タンブラー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、プラネタリーミキサー等の混合機を用いて均一に混合する。続いて、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール、ニーダールーダー、一軸押出機、二軸押出機等の混練機を使用して、当該混合液から溶剤を除去しながら均一に溶融混合して、ポリエステル樹脂(A)に複合タングステン酸化物微粒子(B)を均一に分散した近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂組成物を調製することができる。混練時の温度は、使用するポリエステル樹脂(A)が分解しない温度に維持される必要がある。
また、他の方法として、近赤外線遮蔽機能を有する複合タングステン酸化物微粒子(B)の分散液に高耐熱性を有する分散剤(C)を添加し、溶剤を公知の方法で除去して粉末を得る。当該得られた粉末とポリエステル樹脂(A)の粉粒体またはペレットと、必要に応じて他の添加剤とを均一に溶融混合して、ポリエステル樹脂(A)に複合タングステン酸化物微粒子(B)を均一に分散した近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂組成物を調整することもできる。
また、分散処理をしていない複合タングステン酸化物微粒子(B)の粉末と、高耐熱性を有する分散剤(C)とをポリエステル樹脂(A)に直接添加し、均一に溶融混合する方法を用いることもできる。
その他分散方法もあるが、ポリエステル樹脂(A)中に複合タングステン酸化物微粒子(B)が均一に分散されていればよく、上記方法に限定されない。
このようにして得られた当該近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂組成物をペレット状に加工することにより、本発明に係る近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体用の中間原料を得ることも可能である。
上記中間原料のペレットは、最も一般的な方法である、溶融押出されたストランドをカットする方法により得ることができる。従って、その形状としては円柱状や角柱状のものを挙げることができる。また、溶融押出物を直接カットするいわゆるホットカット法を採ることも可能である。この方法においては球状に近い形状をとることが一般的である。
さらに、本発明の近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂組成物に、一般的な添加剤を配合することも可能である。例えば、必要に応じて任意の色調を与えるため、アゾ系染料、シアニン系染料、キノリン系染料、ペリレン系染料、カーボンブラック等、一般的に熱可塑性樹脂の着色に利用されている染料、顔料の、有効発現量を、近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体を製造するために用いられる近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂組成物に配合してもよい。また、ヒンダードフェノール系、リン系等の安定剤、離型剤、ヒドロキシベンゾフェノン系、サリチル酸系、HALS系、トリアゾール系、トリアジン系等の紫外線吸収剤、カップリング剤、界面活性剤、帯電防止剤等の有効発現量を配合してもよい。
5)近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体
本実施形態の近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体は、上記ポリエステル樹脂組成物を、所定の形状に成形することによって得られる。
本発明の近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体は、高耐熱性を有する分散剤(C)を用いることから、成形時の熱劣化が非常に少ない。この為、複合タングステン酸化物微粒子(B)が、十分に近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体中に分散される結果、可視光透過
率が良好に確保される。さらに、高耐熱性を有する分散剤(C)が黄〜茶色に変色することもないので、近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体が黄色に着色することもない。
上記近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体の形状は、必要に応じて任意の形状に成形可能であり、平面状および曲面状に成形することが可能である。また、近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体の厚さは、板状からフィルム状まで必要に応じて任意の厚さに調整することが可能である。さらに平面状に形成した樹脂シートは、後加工によって球面状等の任意の形状に成形することができる。
上記近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体の成形方法としては、射出成形、押出成形、圧縮成形または回転成形等の任意の方法を挙げることができる。特に、射出成形により成形品を得る方法と、押出成形により成形品を得る方法が好適に採用される。
押出成形により板状、フィルム状の成形品を得るには、Tダイなどの押出機を用いて押出した溶融樹脂組成物を冷却ロールで冷却しながら引き取る方法により製造される。また必要に応じて延伸加工し、成形品の厚みを調整することも可能である。押出成形により得られた板状品は、アーケードやカーポート等の建造物用に好適に使用され、フィルム状の成形品は、窓ガラスの貼り付け用、フラットパネルディスプレイの近赤外線吸収フィルター用に好適に使用される。また、上記射出成形で得られた成形品は、自動車の窓ガラスやルーフ等の車体用に好適に使用される。
上記近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体は、それ自体のみを、窓ガラス、アーケード等の構造材に使用することができるほか、無機ガラス、樹脂ガラス、樹脂フィルムなどの他の透明成形体に任意の方法で積層し、一体化した近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂積層体として、構造材に使用することもできる。例えば、予めフィルム状に成形した近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体を無機ガラスに熱ラミネート法により積層一体化することで、近赤外線遮蔽機能、飛散防止機能を有する近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂積層体を得ることができる。また、熱ラミネート法、共押出法、プレス成形法、射出成形法等により近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体の成形と同時に他の透明成形体に積層一体化することで、近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂積層体を得ることも可能である。上記近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂積層体は、相互の成形体の持つ利点を有効に発揮させつつ、相互の欠点を補完することで、より有用な構造材として使用することができる。
また、上記近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体は、当該成形体の表面に近赤外線遮蔽能を有する微粒子を含む塗料を塗布し、近赤外線遮蔽膜を形成することで、近赤外線吸収能を調整することが可能である。近赤外線遮蔽能を有する微粒子としては、六ホウ化物微粒子、アンチモンドープ酸化錫(以下ATOと記す場合がある)微粒子が挙げられる。例えば、六ホウ化ランタン微粒子分散液をUV硬化樹脂と混合して得られた塗布液を上記近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体に塗布し、その後硬化して近赤外線遮蔽膜を形成することで、赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体よりも近赤外線遮蔽能を向上させることが出来る。
ATO微粒子は、可視光領域で光の吸収や反射がほとんど無く、波長1000nm以上の領域でプラズマ共鳴に由来する反射・吸収が大きい。尚、これらの透過プロファイルでは、近赤外領域で長波長側に向かうに従って透過率が減少する。一方、六ホウ化物の透過プロファイルでは、上述のごとく波長1000nm付近に極小値をもち、それより長波長側では徐々に透過率の上昇を示す。このため、六ホウ化物とATOとを組み合わせて使用することにより、可視光透過率は減少させずに、近赤外領域の熱線を遮蔽することが可能となり、それぞれ単独で使用するよりも熱線遮蔽特性が向上する。
近赤外線遮蔽能を有する微粒子を含む塗料を作製するにあたり、ATO微粒子であって
は、平均粒径200nm以下が好ましい。尚、透光性材料の一部の用途においては、透明性よりも不透明な光透過性を要求されることがあり、その場合は粒径を大きくして散乱を助長する構成が望ましいが、粒径が大きすぎると赤外線吸収能そのものも減衰するため、やはり200nm以下の平均粒径が好ましい。
六ホウ化物微粒子の単位重量当たりの熱線遮蔽能力は非常に高く、ATO微粒子と比較して30分の1以下の使用量で同等の効果を発揮する。従って、六ホウ化物微粒子を添加することによって、少量でも好ましい熱線遮蔽効果が得られるうえ、ATO微粒子と併用した場合にはこれらの微粒子を削減してコスト低下を図ることが可能となる。また、全微粒子の使用量を大幅に削減できるので、基材である樹脂の物性、特に耐衝撃強度や靭性の低下を防ぐことができる。
六ホウ化物微粒子としては、CeB、GdB、TbB、DyB、HoB、YB、SmB、EuB、ErB、TmB、YbB、LuB、SrB、CrB、LaB、PrB、NdB微粒子が挙げられ、これら微粒子は単独あるいは2種以上を混合して使用することもできる。これら六ホウ化物微粒子は、暗い青紫などに着色した粉末であるが、粒径が可視光波長に比べて十分に小さく、薄膜中に分散した状態では膜に可視光透過性が生じるが、近赤外線遮蔽能は十分強く保持できる。
本発明者の実験によれば、この六ホウ化物微粒子を十分細かく、かつ均一に分散した膜では、透過率が波長400〜700nmの間に極大値を持ち、かつ波長700〜1800nmの間に極小値を持つことが観察された。可視光波長が380〜780nmであり、視感度が波長550nm付近をピークとする釣鐘型であることを考慮すると、このような膜では可視光を有効に透過し、それ以外の波長の光を有効に吸収・反射することが理解できる。
六ホウ化物微粒子の平均粒径は200nm以下、好ましくは100nm以下とする必要がある。その理由は、平均粒径が200nm以下であれれば、微粒子同士の凝集傾向が強くならず、塗布液中に微粒子の沈降が生じ難いからであり、また平均粒径が200nm以下の微粒子もしくはそれらが凝集した粒子であれば、それによる光散乱によっても可視光透過率の低下の原因とならないので好ましい。なお平均粒径は200nm以下、好ましくは100nm以下と、小さいほど好ましいが、現在の技術では商業的に製造できる最小粒径はせいぜい2nm程度である。
以上述べたように、近赤外線遮蔽成分として複合タングステン酸化物微粒子(B)を、高耐熱性を有する分散剤(C)を用いてポリエステル樹脂(A)に均一に分散させた本発明の近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体用の近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂組成物を用いることにより、高コストの物理成膜法や複雑な工程を用いることなく、近赤外線遮蔽機能を有しかつ可視光域に高い透過性能を有し、成形時の溶融混錬による分散剤(C)の熱劣化に起因する黄変が少ない近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体並びに近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂積層体を提供することが可能となる。
以下に、本発明の実施例を比較例とともに具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
各実施例において、複合タングステン酸化物微粒子の粉体色(10°視野、光源D65)、および近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体の可視光透過率並びに日射透過率は、日立製作所(株)製の分光光度計U−4000を用いて測定した。この日射透過率は近赤外線遮蔽性能を示す指標である。また、ヘイズ値は村上色彩技術研究所(株)社製HR−200を用い、JIS K 7105に基づいて測定した。
(実施例1)
WO50gとCs(OH)17.0g(Cs/W=0.3相当)とをメノウ乳鉢で十分混合した粉末を、Nガスをキャリア−とした5%Hガスを供給しながら加熱し、600℃の温度で1時間の還元処理を行った後、Nガス雰囲気下で800℃で30分焼成して微粒子a(組成式はCs0.3WO、粉体色はLが35.2745、aが1.4918、bが−5.3118)を得た。
次に、当該微粒子aを5重量%、高耐熱性分散剤α(ポリエステル主鎖に、塩基性官能基をもつ分散剤、TG−DTAで測定した熱分解温度は250℃。)を5重量%、トルエンを90重量%秤量し、0.3mmφZrOビ−ズを入れたペイントシェ−カ−で3時間粉砕・分散処理することによって複合タングステン酸化物微粒子分散液(A液)調製した。ここで、複合タングステン酸化物微粒子分散液(A液)内におけるタングステン酸化物微粒子の分散粒子径を測定したところ、50nmであった。
上記A液に、さらに、高耐熱性分散剤αを添加し、この高耐熱性分散剤αとタングステン酸化物微粒子の重量比1[高耐熱性分散剤/タングステン酸化物微粒子]が3となるように調製した。次に、タングステン酸化物微粒子分散液(A液)からスプレードライヤーを用いてトルエンを除去し、タングステン酸化物微粒子分散粉を得た(以下、A粉と略称する。)。
得られたA粉と、ポリエステル樹脂であるポリエチレンテレフタレート樹脂ペレットとを、Cs0.3WO濃度が1重量%となるように混合し、ブレンダーを用いて均一に混合した後、二軸押出機で240℃で熔融混練し、押出されたストランドをペレット状にカットし、近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体用のコンパウンドを得た(以下、コンパウンドAと略称する。)
得られたコンパウンドAを、一軸押出機で240℃で熔融混練した後、Tダイより押し出し、二軸延伸加工し、0.1mm厚に成形することで複合タングステン酸化物微粒子がポリエステル樹脂全体に均一に分散した実施例1に係る近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体を得た。得られた近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体中の当該酸化物微粒子の分散粒子径は、断面TEM観察の結果、45nmであった。実施例1に係る近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体の光学特性を測定したところ、表1に示すように、可視光透過率70.1%のときの日射透過率は35.5%で、ヘイズ値は1.1%であった。
(実施例2)
ポリエチレンナフタレートを用いた以外は、実施例1と同様にして実施例2に係る近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体を得た。得られた近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体中の当該酸化物微粒子の分散粒子径は、断面TEM観察の結果、48nmであった。
実施例2に係る近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体の光学特性を測定したところ、表1に示すように、可視光透過率71.1%のときの日射透過率は36.3%で、ヘイズ値は1.2%であった。
(実施例3)
ポリブチレンテレフタレートを用いた以外は、実施例1と同様にして実施例3に係る実施例2に係る近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体を得た。得られた近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体中の当該酸化物微粒子の分散粒子径は、断面TEM観察の結果、48nmであった。
実施例2に係る近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体の光学特性を測定したところ、表1に示すように、可視光透過率70.5%のときの日射透過率は35.9%で、ヘイズ値は1.2%であった。
(実施例4)
実施例1と同様の方法で得られたA粉と、ポリエステル樹脂であるポリエチレンテレフ
タレート樹脂ペレットとを、Cs0.3WO濃度が0.05重量%となるように混合し、ブレンダーを用いて均一に混合した後、二軸押出機で240℃で熔融混練し、押出されたストランドをペレット状にカットし、近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体用のコンパウンドを得た(以下、コンパウンドDと略称する。)。
得られたコンパウンドDを、一軸押出機で240℃で熔融混練した後、Tダイより押し出し、2mm厚に成形することで複合タングステン酸化物微粒子がポリエステル樹脂全体に均一に分散した実施例4に係る近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体を得た。得られた近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体中の当該酸化物微粒子の分散粒子径は、断面TEM観察の結果48nmであった。
実施例4に係る近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体の光学特性を測定したところ、表1に示すように、可視光透過率69.9%のときの日射透過率は34.8%で、ヘイズ値は1.8であった。
(実施例5)
実施例1と同様の方法で得られたA粉と、ポリエステル樹脂であるポリエチレンテレフタレート樹脂ペレットとを、Cs0.3WO濃度が9.09重量%となるように混合し、ブレンダーを用いて均一に混合した後、二軸押出機を用いて240℃で熔融混練し、押出されたストランドをペレット状にカットし、近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体用のコンパウンドを得た(以下、コンパウンドEと略称する。)。
得られたコンパウンドEを、一軸押出機を用いて240℃で熔融混練した後、Tダイより押し出し、二軸延伸加工し、0.01mm厚に成形することで複合タングステン酸化物微粒子がポリエステル樹脂全体に均一に分散した実施例5に係る近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体を得た。得られた近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体中の当該酸化物微粒子の分散粒子径は、断面TEM観察の結果、49nmであった。
実施例5に係る近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体の光学特性を測定したところ、表1に示すように、可視光透過率70.8%のときの日射透過率は35.2%で、ヘイズ値は1.3であった。
(実施例6)
実施例1と同様の方法で得られたA液へ、さらに、高耐熱性分散剤αを添加し、この高耐熱性分散剤αとタングステン酸化物微粒子の重量比1[高耐熱性分散剤/タングステン酸化物微粒子]が9となるように調製した。以下、実施例1と同様にして実施例6に係る近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体を得た。得られた近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体中の当該酸化物微粒子の分散粒子径は、断面TEM観察の結果、45nmであった。
実施例6に係る近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体の光学特性を測定したところ、表1に示すように、可視光透過率71.2%のときの日射透過率は36.2%で、ヘイズ値は1.2%であった。
(実施例7)
実施例1と同様の方法で得られた微粒子aを5重量%、高耐熱性分散剤α(ポリエステル主鎖に塩基性官能基をもつ分散剤、TG−DTAで測定した熱分解温度は250℃。)を2重量%、トルエンを93重量%、秤量し、0.3mmφZrOビ−ズを入れたペイントシェ−カ−で3時間粉砕・分散処理することによって複合タングステン酸化物微粒子分散液(B液)調製した。ここで、複合タングステン酸化物微粒子分散液(B液)内におけるタングステン酸化物微粒子の分散粒子径を測定したところ、51nmであった。
上記B液へ、さらに、高耐熱性分散剤αを添加し、この高耐熱性分散剤αとタングステン酸化物微粒子の重量比1[高耐熱性分散剤/タングステン酸化物微粒子]が0.5となるように調製した。以下、実施例1と同様にして実施例7に係る近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体を得た。得られた近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体中の当該酸化物微粒子の分散粒子径は、断面TEM観察の結果、50nmであった。
実施例7に係る近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体の光学特性を測定したところ、表1に示すように、可視光透過率70.3%のときの日射透過率は35.7%で、ヘイズ値は1.1%であった。
(実施例8)
高耐熱性分散剤β(ポリエステル主鎖に塩基性官能基をもつ分散剤、TG−DTAで測定した熱分解温度は230℃。)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例8に係る近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体を得た。得られた近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体中の当該酸化物微粒子の分散粒子径は、断面TEM観察の結果、48nmであった。
実施例8に係る近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体の光学特性を測定したところ、表1に示すように、可視光透過率69.9%のときの日射透過率は34.7%で、ヘイズ値は1.3%であった。
(実施例9)
実施例1と同様の方法で得られたA液にメチル−トリメトキシシランを添加し、メカニカルスターラーで1時間攪拌し混合した後、スプレードライヤーを用いてトルエンを除去し、シラン化合物にて表面処理を施した複合タングステン酸化物微粒子bを得た。以下、実施例1と同様にして実施例9に係る近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体を得た。得られた近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体中の当該酸化物微粒子の分散粒子径は、断面TEM観察の結果、60nmであった。
実施例9に係る近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体の光学特性を測定したところ、表1に示すように、可視光透過率70.5%のときの日射透過率は35.8%で、ヘイズ値は1.5%であった。
(比較例1)
分散剤γ(ポリエステル主鎖に塩基性官能基をもつ分散剤、TG−DTAで測定した熱分解温度は200℃。)を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例1に係る近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体を得た。得られた近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体中の当該酸化物微粒子の分散粒子径は、断面TEM観察の結果、53nmであった。
比較例1に係る近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体の光学特性を測定したところ、表2に示すように、可視光透過率50.1%のときの日射透過率は30.3%で、ヘイズ値は1.6%であった。熱分解温度が低い分散剤を使用したため、溶融混練時に熱変性した分散剤が黄〜茶色に着色し、得られた近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体が黄変した。
(比較例2)
分散剤η(アクリル主鎖に塩基性官能基をもつ分散剤、TG−DTAで測定した熱分解温度は250℃。)を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例2に係る近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体を得た。得られた近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体中の当該酸化物微粒子は、断面TEM観察の結果、凝集体を形成しており、その凝集体の粒径は、300nmであった。
比較例2に係る近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体の光学特性を測定したところ、表2に示すように、可視光透過率72.1%のときの日射透過率は38.3%で、ヘイズ値は15.3%であった。アクリル主鎖の分散剤を使用したため、複合タングステン酸化物微粒子の分散が不十分となり、得られた近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体のヘイズが高くなった。
(比較例3)
実施例1と同様の方法で得られたA粉と、ポリエステル樹脂であるポリエチレンテレフタレート樹脂ペレットとを、Cs0.3WO濃度が0.049重量%となるように混合し、ブレンダーを用いて均一に混合した後、二軸押出機で240℃で熔融混練し、押出さ
れたストランドをペレット状にカットし、近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体用のコンパウンドを得た(以下、コンパウンドLと略称する。)。
得られたコンパウンドLを、一軸押出機で240℃で熔融混練した後、Tダイより押し出し、0.5mm厚に成形することで複合タングステン酸化物微粒子がポリエステル樹脂全体に均一に分散した比較例3に係る近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体を得た。得られた近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体中の当該酸化物微粒子の分散粒子径は、断面TEM観察の結果、54nmであった。
比較例3に係る近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体の光学特性を測定したところ、表2に示すように、可視光透過率85.2%のときの日射透過率は61.3%で、ヘイズ値は1.2%であった。
さらに、(ポリエステル樹脂の重量+分散剤の重量)/複合タングステン酸化物微粒子の重量比2が2040となり、1999≧[(ポリエステル樹脂の重量+分散剤の重量)/複合タングステン酸化物微粒子の重量]≧10の範囲から外れているため、得られた近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体は、十分な近赤外線遮蔽特性が得られなかった。
(比較例4)
実施例1と同様の方法で得られたA粉と、ポリエステル樹脂であるポリエチレンテレフタレート樹脂ペレットとを、Cs0.3WO濃度が10重量%となるように混合し、ブレンダーを用いて均一に混合した後、二軸押出機で240℃で溶融混練し、押出されたストランドをペレット状にカットし、近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体用のコンパウンドを得た(以下、コンパウンドMと略称する。)。
得られたコンパウンドMを、一軸押出機で240℃で溶融混練した後、Tダイより押し出し、二軸延伸加工し、0.01mm厚に成形しようと試みたが、引っ張り強度が弱く、途中でフィルムが切れて、近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体が得られなかった。
さらに、(ポリエステル樹脂の重量+分散剤の重量)/複合タングステン酸化物微粒子の重量比2がとなり、1999≧[(ポリエステル樹脂の重量+分散剤の重量)/複合タングステン酸化物微粒子の重量]≧10の範囲から外れているため、近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体の機械特性(引っ張り強度)が悪くなり、成形不可能であった。
(比較例5)
実施例1と同様の方法で得られたA液へ、さらに、高耐熱性分散剤αを添加し、この高耐熱性分散剤αとタングステン酸化物微粒子の重量比1[高耐熱性分散剤/タングステン酸化物微粒子]が10となるように調製した。以下、実施例1と同様にして比較例5に係る近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体を得た。得られた近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体中の当該酸化物微粒子の分散粒子径は、断面TEM観察の結果、48nmであった。
比較例5に係る近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体の光学特性を測定したところ、表2に示すように、可視光透過率70.2%のときの日射透過率は35.2%で、ヘイズ値は1.2%であった。
高耐熱性分散剤の重量/複合タングステン酸化物微粒子の重量比1が10であり、9≧[高耐熱性分散剤の重量/複合タングステン酸化物微粒子の重量]≧0.5の範囲から外れているため、得られた近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体の表面硬度が低くなり、爪で擦ると簡単に傷が付いてしまった。
(比較例6)
実施例1と同様の方法で得られたA液へ、さらに、高耐熱性分散剤αを添加し、この高耐熱性分散剤αとタングステン酸化物微粒子の重量比1[高耐熱性分散剤/タングステン酸化物微粒子]が0.49となるように調製した。以下、実施例1と同様にして比較例6に係る近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体を得た。得られた近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体中の当該酸化物微粒子は、断面TEM観察の結果、凝集体を形成しており、そ
の凝集体の粒径は、300nmであった。
比較例6に係る近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体の光学特性を測定したところ、表2に示すように、可視光透過率71.9%のときの日射透過率は38.0%で、ヘイズ値は10.2%であった。
高耐熱性分散剤の重量/複合タングステン酸化物微粒子の重量比1が0.49であり、9≧[高耐熱性分散剤の重量/複合タングステン酸化物微粒子の重量]≧0.5の範囲から外れているため、複合タングステン酸化物微粒子の分散が不十分となり、得られた近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体のヘイズが高くなった。
以上、実施例1〜9に係る近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体に用いられたポリエステル樹脂、酸化物微粒子の種類・濃度、分散剤の種類・重量比、成形体の厚み、および光学特性の一覧表を表1として示し、同様に、比較例1〜6に係る一覧表を表2として示す。
Figure 0005898397
Figure 0005898397

Claims (9)

  1. 近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体を製造するために用いられる近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂組成物であって、
    ポリエステル樹脂(A)と、一般式MWO(但し、Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Reの内から選択される1種以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.1≦Y≦0.5、2.2≦Z≦3.0)で示され且つ六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子(B)と、熱分解温度が230℃以上であって、ポリエステル主鎖に塩基性官能基をもつ分散剤(C)と、を含み、
    9≧[分散剤(C)の重量/複合タングステン酸化物微粒子(B)の重量]≧0.5、且つ、1999≧[(ポリエステル樹脂(A)の重量+分散剤(C)の重量)/複合タングステン酸化物微粒子(B)の重量]≧10の範囲であり、
    上記複合タングステン酸化物微粒子(B)が、ポリエステル樹脂(A)中において、均一に分散していることを特徴とする近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂組成物。
  2. 前記複合タングステン酸化物微粒子(B)に含まれるM元素が、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Sn、Al、Cuから選択される少なくとも1種類以上であることを特徴とする請求項1に記載の近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂組成物。
  3. 前記ポリエステル樹脂(A)が、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートから選択される1種類以上であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂組成物。
  4. 前記複合タングステン酸化物微粒子(B)が、分散粒子径200nm以下の微粒子であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂組成物。
  5. 前記複合タングステン酸化物微粒子(B)が、シラン化合物、チタン化合物、ジルコニア化合物から選択される少なくとも1種類以上の化合物によって表面処理されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂組成物。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂組成物を、成形して得られることを特徴とする近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体。
  7. 請求項6に記載の近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体が、他の透明成形体に積層されていることを特徴とする近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂積層体。
  8. 請求項6に記載の近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体の表面に、近赤外線遮蔽膜が形成されていることを特徴とする近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体。
  9. 近赤外線遮蔽膜を、六ホウ化物微粒子分散液、アンチモンドープ酸化錫微粒子分散液の少なくとも1種と、UV硬化樹脂または常温硬化樹脂と、を混合した塗布液を塗布し、その後硬化して得ることを特徴とする請求項8に記載の近赤外線遮蔽ポリエステル樹脂成形体の製造方法
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