JP2011001248A5 - - Google Patents
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Description
このネッキングプロセスで重要なポイントは、融液の温度設定である。従来は、図2および図3に示すように、温度センサ206、ヒータ制御システム207およびヒータ208を具える装置を用いて、温度センサ206(例えば放射温度計等)で融液表面の温度を監視し、適正温度で安定していることを確認してから(301)、種結晶201を融液202に漬し、一定時間経過した段階で、再度温度センサ206により温度が最適かどうかを判定した後(302)、ネッキングを行っていた。
上記目的を達成するため、本発明の要旨構成は以下のとおりである。
(1)多結晶シリコン原料を坩堝内に充填し、加熱融解させることにより多結晶シリコン融液を形成する融解工程と、前記融液に種結晶を浸漬させ、所定の温度および引き上げ速度条件下で前記種結晶を上方に引き上げながら所定形状のシリコン単結晶を形成する引き上げ工程とを具えるチョクラルスキー法によるシリコン単結晶の製造方法であって、
前記引き上げ工程は、所定の温度に設定された前記融液に前記種結晶を浸漬させた後、ネック部形成のためのネック本引きを行う前に、ネック部を試し形成するためのネック試し引きを行うことを含み、該ネック試し引きにより形成されたネック部の直径の変化から、前記融液の温度がネック部形成に適した温度であるかを判定することを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
(1)多結晶シリコン原料を坩堝内に充填し、加熱融解させることにより多結晶シリコン融液を形成する融解工程と、前記融液に種結晶を浸漬させ、所定の温度および引き上げ速度条件下で前記種結晶を上方に引き上げながら所定形状のシリコン単結晶を形成する引き上げ工程とを具えるチョクラルスキー法によるシリコン単結晶の製造方法であって、
前記引き上げ工程は、所定の温度に設定された前記融液に前記種結晶を浸漬させた後、ネック部形成のためのネック本引きを行う前に、ネック部を試し形成するためのネック試し引きを行うことを含み、該ネック試し引きにより形成されたネック部の直径の変化から、前記融液の温度がネック部形成に適した温度であるかを判定することを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
(4)前記判定の結果、前記融液の温度がネック部形成に適する温度であると判定された場合には、ネック試し引きに引き続いてネック本引きを行う上記(1)、(2)または(3)に記載のシリコン単結晶の製造方法。
(6)前記融液の温度の調整は、調整後の融液の温度をT1[℃]、調整前の融液の温度をT0[℃]、温度補正係数をH[℃/mm]、ネック試し引きにより形成されるネック部の目標直径をP[mm]、ネック試し引きにより形成されたネック部の直径をX[mm]としたとき、
T1=T0+H×(X−P)
H=0.95
の式にしたがって行われる上記(2)〜(5)のいずれか一に記載のシリコン単結晶の製造方法
T1=T0+H×(X−P)
H=0.95
の式にしたがって行われる上記(2)〜(5)のいずれか一に記載のシリコン単結晶の製造方法
本発明によれば、チョクラルスキー法における単結晶引き上げ工程が、所定の温度に設定された融液に種結晶を浸漬させた後、ネック部形成のためのネック本引きを行う前に、ネック部を試し形成するためのネック試し引きを行うことを含み、このネック試し引きにより形成されたネック部の直径の変化から、前記融液の温度がネック部形成に適した温度であるかを判定することによって、ネック部の形成の成功率を向上させ、プロセスの効率化を図ったシリコン単結晶の製造方法を提供することができる。
次に、本発明のシリコン単結晶の製造方法の実施形態について図面を参照しながら説明する。本発明に従うシリコン単結晶の製造方法は、図4に示すように、多結晶シリコン原料を坩堝104内に充填し、加熱融解させることにより多結晶シリコン融液102を形成する融解工程と、融液102に種結晶101を浸漬させ、所定の温度および引き上げ速度条件下で種結晶101を上方に引き上げながら所定形状のシリコン単結晶を形成する引き上げ工程とを具えるチョクラルスキー法によるシリコン単結晶の製造方法であって、この引き上げ工程は、所定の温度に設定された融液102に種結晶101を浸漬させた後、ネック部形成のためのネック本引きを行う前に、ネック部を試し形成するためのネック試し引きを行うことを含み、このネック試し引きにより形成されたネック部である種結晶下部105の直径の変化から、融液102の温度がネック部形成に適した温度であるかを判定することを特徴とし、かかる構成を有することにより、ネック部形成の成功率を向上させ、プロセスの効率化を図ることができるものである。
ここで、「ネック部形成に適した温度」とは、シリコン融液に種結晶を接触させて種結晶を所定の引き上げ速度で引き上げた場合に、種結晶下部の直径が変化しない温度のことを言う。
図5および図6は、それぞれ、上述した従来の図2の装置にカメラ109を備える直径計測システム110を加えた装置の模式図およびフロー図であり、上記試し引きにより形成された種結晶下部105の直径は、このカメラ109により計測される(403)。また、融液102の温度は、温度センサ106により監視され(401,402)、これら測定結果の両方は、ヒータ制御システム107にフィードバックされる(404)。
このようにして計測された、ネック試し引きにより形成された種結晶下部105の直径の傾向データ、平均値、最大値および最小値と、パラメータで設定した融液温度安定判定許容直径とを比較し、判定の結果、融液102の温度がネック部形成に適さない温度であると判定された場合には、融液102の温度を調整することによって融液を安定化させた後、再度ネック試し引きを行うのが好ましい。このとき、試し引きで形成した不適な種結晶下部105は、融液に溶解させることで再利用することができる。
融液102の温度の調整は、調整後の融液の温度をT1[℃]、調整前の融液の温度をT0[℃]、温度補正係数をH[℃/mm]、ネック試し引きにより形成されるネック部の目標直径をP[mm]、ネック試し引きにより形成されたネック部の種結晶の直径をX[mm]としたとき、
T1=T0+H×(X−P)
H=0.95
の式にしたがって行われるのが好ましい。なお、この温度補正係数Hは、実験により得られた値である。
T1=T0+H×(X−P)
H=0.95
の式にしたがって行われるのが好ましい。なお、この温度補正係数Hは、実験により得られた値である。
一方、判定の結果、融液102の温度がネック部形成に適する温度であると判定された場合には、ネック試し引きに引き続いてネック本引きを行うのが好ましい。
温度センサとしては、熱電対や放射温度計等を用いることができ、特に、装置への取り付けの容易さ、メンテナンス等の観点から、放射温度計を用いるのがより好ましい。
(実施例1)
実施例1は図5に示す装置を用い、坩堝内にシリコン原料を充填し、炉内圧:2666Pa、アルゴンガスの雰囲気内で加熱溶融してシリコン融液を形成した。このシリコン融液の温度は放射温度計で測定し、約1420℃となるよう調整した。その後、種結晶を前記融液へ浸漬し、種結晶の回転速度12rpm、坩堝の回転速度15rpm、引き上げ速度1〜2mm/minで同一雰囲気中で種結晶を引き上げることによりネック試し引きを行った。この際、ネック試し引きにより形成されたネック部の直径の変化から、融液の温度がネック部形成に適した温度であるかを判定し、判定の結果、融液の温度がネック部形成に適さない温度であると判定した場合には、融液の温度がネック部形成に適する温度になるまで、融液の温度を調整することによって前記融液を安定化させた。融液の温度の調整は、調整後の融液の温度をT1[℃]、調整前の融液の温度をT0[℃]、温度補正係数をH[℃/mm]、試し引きの目標直径をP[mm]、ネック試し引き後の種結晶の直径をX[mm]としたとき、
T1=T0+H×(X−P)
H=0.95
の式にしたがって行い、この直径Xはカメラによる画像から測定した。
判定の結果、前記融液の温度を1回以上調整した場合には、前記融液の温度を計測している放射温度計の値を補正し、この補正は、補正後の表示温度をT3[℃]、補正後の融液温度換算係数をk、補正前の表示温度をT2[℃]、補正前の融液温度換算係数をk’、初期目標温度をT4[℃]、最終目標温度をT5[℃]としたとき、
T3=kT2
k=k’×T4/T5
の式にしたがって行った。ここでは、T4=1450,T5=1452とした。
実施例1は図5に示す装置を用い、坩堝内にシリコン原料を充填し、炉内圧:2666Pa、アルゴンガスの雰囲気内で加熱溶融してシリコン融液を形成した。このシリコン融液の温度は放射温度計で測定し、約1420℃となるよう調整した。その後、種結晶を前記融液へ浸漬し、種結晶の回転速度12rpm、坩堝の回転速度15rpm、引き上げ速度1〜2mm/minで同一雰囲気中で種結晶を引き上げることによりネック試し引きを行った。この際、ネック試し引きにより形成されたネック部の直径の変化から、融液の温度がネック部形成に適した温度であるかを判定し、判定の結果、融液の温度がネック部形成に適さない温度であると判定した場合には、融液の温度がネック部形成に適する温度になるまで、融液の温度を調整することによって前記融液を安定化させた。融液の温度の調整は、調整後の融液の温度をT1[℃]、調整前の融液の温度をT0[℃]、温度補正係数をH[℃/mm]、試し引きの目標直径をP[mm]、ネック試し引き後の種結晶の直径をX[mm]としたとき、
T1=T0+H×(X−P)
H=0.95
の式にしたがって行い、この直径Xはカメラによる画像から測定した。
判定の結果、前記融液の温度を1回以上調整した場合には、前記融液の温度を計測している放射温度計の値を補正し、この補正は、補正後の表示温度をT3[℃]、補正後の融液温度換算係数をk、補正前の表示温度をT2[℃]、補正前の融液温度換算係数をk’、初期目標温度をT4[℃]、最終目標温度をT5[℃]としたとき、
T3=kT2
k=k’×T4/T5
の式にしたがって行った。ここでは、T4=1450,T5=1452とした。
本発明によれば、引き上げ工程が、所定の温度に設定された融液に種結晶を浸漬させた後、ネック部形成のためのネック本引きを行う前に、ネック部を試し形成するためのネック試し引きを行うことを含み、このネック試し引きにより形成されたネック部の直径の変化から、前記融液の温度がネック部形成に適した温度であるかを判定することによって、ネック部形成の成功率を向上させ、プロセスの効率化を図ったシリコン単結晶の製造方法を提供することができる。
Claims (7)
- 多結晶シリコン原料を坩堝内に充填し、加熱融解させることにより多結晶シリコン融液を形成する融解工程と、前記融液に種結晶を浸漬させ、所定の温度および引き上げ速度条件下で前記種結晶を上方に引き上げながら所定形状のシリコン単結晶を形成する引き上げ工程とを具えるチョクラルスキー法によるシリコン単結晶の製造方法であって、
前記引き上げ工程は、所定の温度に設定された前記融液に前記種結晶を浸漬させた後、ネック部形成のためのネック本引きを行う前に、ネック部を試し形成するためのネック試し引きを行うことを含み、該ネック試し引きにより形成されたネック部の直径の変化から、前記融液の温度がネック部形成に適した温度であるかを判定することを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。 - 前記判定の結果、前記融液の温度がネック部形成に適さない温度であると判定された場合には、前記融液の温度を調整することによって前記融液を安定化させた後、再度ネック試し引きを行う請求項1に記載のシリコン単結晶の製造方法。
- 前記判定の結果、前記融液の温度を1回以上調整した場合には、前記融液の温度を計測している温度センサの値を補正する請求項1または2に記載のシリコン単結晶の製造方法。
- 前記判定の結果、前記融液の温度がネック部形成に適する温度であると判定された場合には、ネック試し引きに引き続いてネック本引きを行う請求項1、2または3に記載のシリコン単結晶の製造方法。
- 前記温度センサが、放射温度計である請求項3または4に記載のシリコン単結晶の製造方法。
- 前記融液の温度の調整は、調整後の融液の温度をT1[℃]、調整前の融液の温度をT0[℃]、温度補正係数をH[℃/mm]、ネック試し引きにより形成されるネック部の目標直径をP[mm]、ネック試し引きにより形成されたネック部の直径をX[mm]としたとき、
T1=T0+H×(X−P)
H=0.95
の式にしたがって行われる請求項2〜5のいずれか一項に記載のシリコン単結晶の製造方法。 - 前記温度センサの値の補正は、補正後の表示温度をT3[℃]、補正後の融液温度換算係数をk、補正前の表示温度をT2[℃]、補正前の融液温度換算係数をk’、初期目標温度をT4[℃]、最終目標温度をT5[℃]としたとき、
T3=kT2
k=k’×T4/T5
の式にしたがって行われる請求項3〜6のいずれか一項に記載のシリコン単結晶の製造方法。
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