JP5088338B2 - シリコン単結晶の引き上げ方法 - Google Patents

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本発明は、チョクラルスキー法によりシリコン単結晶を引き上げる際にアフターヒートを行うシリコン単結晶の引き上げ方法に関する。
半導体基板に用いられるシリコン単結晶等を製造する方法には種々の方法があるが、そのなかでも回転引き上げ法として広く採用されているものにチョクラルスキー法(以下、「CZ法」という)がある。
CZ法による単結晶引き上げ装置は、単結晶を育成するメインチャンバーと、育成した単結晶を取り出すプルチャンバーと、それらを連結するゲートバルブで構成され、メインチャンバーの中心部にルツボが配設されている。このルツボは二重構造であり、有底円筒状をなす石英製の内層保持容器(以下、単に「石英ルツボ」という)と、その石英ルツボの外側を保持すべく適合された同じく有底円筒状の黒鉛製の外層保持容器(以下、単に「黒鉛ルツボ」という)とから構成されている。
これらのルツボは、回転および昇降が可能になるように支持軸の上端部に固定されている。そして、ルツボの外側には抵抗加熱式ヒーターが概ね同心円状に配設されており、ルツボ内に投入された所定重量の結晶用シリコン原料は溶融され、溶融液が形成される。
溶融液を充填したルツボの中心軸上には、支持軸と同一軸上で逆方向または同方向に所定の速度で回転する引き上げワイヤー(または引き上げシャフト、以下両者を合わせて「引き上げ軸」という)が配設されており、引き上げ軸の下端には種結晶が保持されている。
このような引き上げ装置にあっては、石英ルツボ内に結晶用原料を投入し、減圧下の不活性ガス雰囲気中で結晶用原料を、ルツボの周囲に配設したヒーターにて溶融した後、形成された溶融液の表面に引き上げ軸の下端に保持された種結晶を浸漬し、ルツボおよび引き上げ軸を回転させつつ、引き上げ軸を上方に引き上げて種結晶の下端面に単結晶を成長させる。
CZ法では、種結晶に元から含まれる転位や、着液時の熱ショックで導入される転位を除去するために、種結晶の下端面に成長する結晶を直径3mm程度まで細く絞るネック工程を経て、所定の直径を有するボディ(定径部)にするための肩を形成した後、所定の直径でシリコン単結晶を成長させる。この間、石英ルツボを種結晶と同方向または逆方向に回転させる。単結晶が目標長さに達すると終端部のテール絞りを行い、テール絞り終了後、単結晶にアフターヒートを行い、その後プルチャンバー内に引き上げて育成を終了する(特許文献1参照)。
特開2004−315256号公報
芳賀博世著「シリコンの科学」p153−154、リアライズ
このようなCZ法による引き上げ装置では、ヒーターが配設されるメインチャンバー側の温度が高く、上方のプルチャンバー側の温度が低くなるため、引き上げ炉内は結晶引き上げ方向に温度勾配が存在する。
引き上げ炉内は上記のような温度勾配により、引き上げ炉内の上の方ほど低温となる為、先に成長した単結晶のトップ側の方が後に成長したボトム側よりも低温領域の滞在時間が長くなる。単結晶内に形成される酸素析出物であるBMD(Bulk Micro Defect)の形成は、例えば650℃以下のような比較的低温の温度領域の滞在時間に影響され(非特許文献1参照)、また、BMD密度は単結晶中の酸素濃度にも影響され、酸素濃度が高いとBMD密度も高くなる。同じ酸素濃度であれば、BMD密度は単結晶のトップ側の方がボトム側よりも高くなり、その結果、同一単結晶内でも部位による不均一が生じていた。
そこで、このような同一単結晶内のBMD密度の不均一を改善する方法として、ボトム側の酸素濃度をトップ側よりも高くするという方法もあるが、その方法では、今度は単結晶のトップ側とボトム側で酸素濃度の不均一が生じてしまう。CZ法の引き上げでは、通常、引き上げられた単結晶は、トップ側からボトム側にかけて酸素濃度が低下する為、トップ側よりもボトム側の酸素濃度を高くする制御は難しいという問題もある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、単結晶の引き上げ過程において、トップ側からボトム側までの酸素濃度を均一に保ったまま、部位によるBMD密度の不均一を改善する単結晶の引き上げ方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、少なくとも、チョクラルスキー法により、ルツボ内の溶融液から単結晶を引き上げる工程と、該引き上げた単結晶にアフターヒートを行う工程と、該アフターヒートを行った単結晶をプルチャンバー内に引き上げる工程とを有する単結晶の引き上げ方法であって、予め、引き上げ炉内の温度測定、又は、シミュレーションにより酸素析出核形成温度領域を求め、前記アフターヒート工程において、前記単結晶のボトム側の前記酸素析出核形成温度領域での滞在時間を、前記単結晶のトップ側の前記酸素析出核形成温度領域での滞在時間の1/8〜1/4倍の範囲内になるように、前記単結晶の引き上げ速度を調節してアフターヒートを行うことを特徴とするシリコン単結晶の引き上げ方法を提供する。
このように、予め温度測定等を行うことで、炉内の温度分布を調べて、酸素析出核形成温度領域を正確に求めることができる。そして、アフターヒート工程において、引き上げる単結晶の当該温度領域での滞在時間を上記範囲内になるように引き上げ速度を調節することで、得られる単結晶のトップ側とボトム側の熱履歴が近似するようになるため、単結晶の軸方向でのBMD密度を均一化することができる。また、アフターヒートによりBMD密度を軸方向で均一化することができるため、BMD密度均一化のために酸素濃度を変える必要が無く、酸素濃度も軸方向で均一にすることができる。
以上のように、本発明のシリコン単結晶の引き上げ方法であれば、酸素濃度もBMD密度も軸方向で均一な単結晶を生産性の低下を最小限に抑えて効率的に引き上げることができる。これにより、単結晶のどの部位からも適正なBMD密度のウェーハを得ることができるようになる為、デバイスに悪影響を及ぼすBMD密度の過多や不足の単結晶部位がなくなり、単結晶歩留まりと生産性を向上させることができる。
このとき、前記酸素析出核形成温度領域を、400〜800℃の範囲の温度領域とすることが好ましい。
このような温度領域とすることで、より確実に所望のBMD密度を軸方向で均一に有する単結晶を得ることができる。
このとき、前記アフターヒート工程において、前記単結晶の引き上げ速度を2段階以上設定して制御することが好ましい。
このような、2段階以上の引き上げ速度を設定して制御することで、酸素析出核形成温度領域での滞在時間を上記範囲内に、簡易な方法で、効率的に調節することができる。
このとき、前記アフターヒート工程において、前記単結晶の引き上げ速度を、予め設定してコンピューターにより制御することが好ましい。
このように、コンピューターに設定して自動で引き上げ速度を制御することにより、より確実かつ効率的に滞在時間の調節を行うことができる。
以上のように、本発明のシリコン単結晶の引き上げ方法であれば、酸素濃度もBMD密度も軸方向で均一な単結晶を生産性の低下を最小限に抑えて効率的に引き上げることができる。これにより、シリコン単結晶のどの部位からも適正なBMD密度のウェーハを得ることができるようになる為、デバイスに悪影響を及ぼすBMD密度の過多や不足の単結晶部位がなくなり、単結晶歩留まりと生産性を向上させることができる。
本発明の単結晶の引き上げ方法と従来の方法を説明するための説明図である。 実施例、比較例における単結晶の部位による酸素濃度、BMD密度、酸素析出核形成温度領域での滞在時間をそれぞれ示すグラフである。 本発明の単結晶の引き上げ方法に用いることができる単結晶引き上げ装置を示す概略図である。
チョクラルスキー法により引き上げられた単結晶から作製されたウェーハのBMD密度が単結晶の部位によって不均一になってしまうという問題があった。
このような問題に対して本発明者らが鋭意検討を行った結果、以下のことを見出した。
本発明者らは、単結晶の引き上げの際にトップ側とボトム側での熱履歴が異なっており、特に、酸素析出に影響がある650℃以下のような低温の領域での滞在時間が異なることが単結晶の軸方向でのBMD密度の不均一に影響を与えていることを見出した。そして、この酸素析出核が形成される温度領域での滞在時間をアフターヒート工程の際に調節することで、効率的に熱履歴の調節を行うことができ、予め温度測定等で炉内の温度分布を調べ、ボトム側の酸素析出核形成温度領域での滞在時間を、トップ側の滞在時間の1/8〜1/4倍の範囲内になるように引き上げ速度を調節すれば、より均一なBMD密度を得ることができることを見出して、本発明を完成させた。
なお、ボトム側の滞在時間がトップ側の1/4倍より長くなると問題になる理由として、実際の単結晶引き上げでは、トップ側はコーンからの熱放射で冷えやすく、ボトム側はメルトからの輻射熱で冷えにくいためであると考えられる。つまり、引き上げ中の酸素析出に影響のある温度領域でのボトム側の滞在時間を、トップ側の1/4倍より長く、例えばトップ側と同じにしてしまうと、その後の輻射熱等により、結晶が受ける熱履歴は、最終的にはボトム側の方がトップ側よりも長くなってしまうためと推測される。
以下、本発明の単結晶の引き上げ方法について、実施態様の一例を、図を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は、本発明のシリコン単結晶の引き上げ方法と、従来のシリコン単結晶の引き上げ方法を説明するための説明図である。図3は、本発明のシリコン単結晶の引き上げ方法に用いることができる単結晶引き上げ装置の一例を示す概略図である。
本発明のシリコン単結晶の引き上げ方法に用いることができる単結晶引き上げ装置は、特に限定されず一般的な装置を用いることができ、例えば図3に示すような単結晶引き上げ装置18を用いることができる。
図3に示すように、単結晶引き上げ装置18は、メインチャンバー11に、原料融液を収容するルツボ14と、原料融液を加熱するヒーター15が備えられている。さらに、プルチャンバー12とメインチャンバー11とを遮断するためのゲートバルブ17が備えられている。プルチャンバー12の上部には、引き上げワイヤー10により種結晶19と単結晶13を回転させながら引き上げるための引き上げ手段20が備えられている。
そして、本発明のシリコン単結晶の引き上げ方法に用いることができる単結晶引き上げ装置18は、単結晶13を引き上げる際に引き上げ速度を制御できるコンピューター16を有することが好ましい。このような単結晶引き上げ装置を、アフターヒート工程においても引き上げ速度を精密に制御する本発明の引き上げ方法に用いることで、設定した引き上げ速度の制御をコンピューターにより自動で効率的に行うことができるため、好適である。
また、MCZ法(Magnetic field applied Czochralski method)により単結晶を引き上げる場合には、単結晶引き上げ装置18の外側に不図示の磁場印加装置を配置することもできる。
そして、本発明のシリコン単結晶の引き上げ方法は、まずルツボ14内に結晶原料を入れて、ヒーター15により加熱溶融して溶融液を生成し、溶融液に種結晶19を浸漬して引き上げワイヤー10で引き上げることにより単結晶13を育成し、単結晶13が目標長さに達すると終端部のテール絞りを行い、単結晶育成工程を終了する。
このときの育成する際の引き上げ速度やヒーターパワー等は、特に限定されず、適宜設定することができ、また、磁場を印加しながらMCZ法で引き上げることもできる。
本発明の方法であれば、単結晶育成の際に、BMD密度均一化のために酸素濃度を変える必要が無く、酸素濃度も軸方向で均一に育成することができる。但し、本発明においては、目的に応じて単結晶の軸方向で酸素濃度を意図的に変化させてもよいことは言うまでもない。
本発明のシリコン単結晶の引き上げ方法では、次工程のアフターヒート工程前に、予め、引き上げ炉内の温度測定、又は、シミュレーションにより酸素析出核形成温度領域を求める。
温度測定方法としては、例えば、結晶原料を加熱溶融し、単結晶の引き上げが可能な状態(具体的には、種結晶を溶融液に浸漬して種付温度を適正状態に合わせ、その時の温度を保持)で、引き上げ軸(種ホルダー)先端に熱電対をセットし、それを湯面直上まで降下させてから、一定速度で(例えば5mm/min)プルチャンバー内まで熱電対を引き上げながら、引き上げ装置の鉛直方向の温度分布を測定することができる。
このとき、熱電対は、引き上げ装置の空きポートに設置した真空端子を介して、引き上げ装置の外に設置した記録計に接続することにより炉内の温度を計測することができる。
また、シミュレーション方法としては、例えば、実際に単結晶引き上げを行う引き上げ装置及び炉内構成部品の図面を元に、総合伝熱解析プログラムを用いて単結晶直胴長さが100cmの単結晶成長時における引き上げ装置の縦断面の二次元メッシュを作成し、それぞれに熱伝導率などの物性値を与え、結晶の各直胴長さの位置での結晶温度のシミュレーションを実施することができる。
これにより、引き上げ装置の鉛直方向の温度分布を求めることができる。
このように、予め温度測定等を行うことで、図1に示すような炉内における温度分布を正確に測定でき、酸素析出核形成温度領域の正確な位置を求めることができる。
次に、引き上げた単結晶にアフターヒートを行うが、本発明ではアフターヒート工程において、単結晶13のボトム側の酸素析出核形成温度領域での滞在時間を、単結晶13のトップ側の酸素析出核形成温度領域での滞在時間の1/8〜1/4倍の範囲内になるように、単結晶13の引き上げ速度を調節してアフターヒートを行う。
このように、引き上げる単結晶の上記求めた温度領域での滞在時間を上記範囲内になるようにアフターヒート工程での引き上げ速度を調節することで、引き上げられた単結晶のトップ側とボトム側の特に酸素析出核形成温度領域での熱履歴が近似するようになるため、単結晶の軸方向でBMD密度を均一化することができる。
図1に示すように、従来では生産性を考慮してアフターヒート工程でもできるだけ速く引き上げていたため、溶融液上方の比較的低温の酸素析出核形成温度領域には、単結晶育成中やアフターヒート工程において単結晶のトップ側がボトム側より極端に長く滞在することとなっていた。しかし、本発明では、アフターヒート工程でボトム側を当該温度領域で従来よりも長い滞在時間に調節して、トップ側とボトム側の熱履歴を近似させることができる。
なお、本発明の滞在時間の調節には、アフターヒート工程の際に所定領域で単結晶の引き上げを止めて、滞在時間を調節し、その後また引き上げを開始してもよい。
また、本発明の単結晶の引き上げ方法における「トップ側」と「ボトム側」とは、適宜決定することができ、特に限定されないが、例えば単結晶の直胴部の真ん中から上方半分をトップ側、下方半分をボトム側とすることができる。また、単結晶の上方にある一点(例えば肩部)をトップ側、下方にある一点(例えば尾部)をボトム側とすることもできる。さらには、図1のように、単結晶育成直後(テール絞り終了後)の単結晶の位置で、酸素析出核形成温度領域に入っている部位及びそれより上方の部位をトップ側、上記領域の下方の部位をボトム側とすることで、より正確に熱履歴を調節できるため好ましい。トップ側、ボトム側を領域で規定した場合は、滞在時間はその平均値で求めればよい。
このとき、酸素析出核形成温度領域を、400〜800℃、特には450〜650℃の範囲の温度領域とすることが好ましい。
このような温度領域とすることで、より確実に所望のBMD密度を軸方向で均一に有する単結晶を得ることができる。
このとき、アフターヒート工程において、単結晶13の引き上げ速度を2段階以上設定して制御することが好ましい。
このような、2段階以上の引き上げ速度を設定して制御することで、酸素析出核形成温度領域での滞在時間を上記範囲内に、簡易な方法で、効率的に調節することができ、生産性の悪化も小さい。
このとき、アフターヒート工程において、単結晶13の引き上げ速度を、予め設定してコンピューター16により制御することが好ましい。
このように、コンピューターに設定して自動で引き上げ速度を制御することにより、より確実かつ効率的に滞在時間の調節を行うことができる。
次に、アフターヒートした単結晶13をプルチャンバー12内に引き上げて、ゲートバルブ17を閉塞し、単結晶引き上げ装置18の炉内から育成した単結晶13を取り出し、その単結晶13からウェーハ等を作製する。
以上のように、本発明のシリコン単結晶の引き上げ方法であれば、酸素濃度もBMD密度も軸方向で均一な単結晶を生産性の低下を最小限に抑えて効率的に引き上げることができる。これにより、シリコン単結晶のどの部位からも適正なBMD密度のウェーハを得ることができるようになる為、デバイスに悪影響を及ぼすBMD密度の過多や不足の単結晶部位がなくなり、結果的には単結晶歩留まりと生産性を向上させることができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、実施例、比較例における「トップ側」は単結晶直胴部の肩部、「ボトム側」は単結晶直胴部の尾部の部位とした。
(実施例1)
本発明の引き上げ方法による効果を確認するため、予めシミュレーションにより炉内の酸素析出核形成領域を求めた、図3に示す引き上げ装置を用いて、シリコン単結晶の引き上げを行い、トップ側からボトム側までのBMD密度を確認した。
図3に示す引き上げ装置を用いて、内径450mmの石英ルツボにシリコン原料70kgを充填し、溶融液を形成した後に、直径150mm、直胴長さ90cmの単結晶を引き上げた。酸素濃度は、トップ側からボトム側まで1.36×1018atoms/cc(Old ASTM)一定狙いとした。また、テール絞り終了後、単結晶ボトム側の酸素析出核形成温度領域(450℃〜650℃)での滞在時間を、トップ側の滞在時間の1/4倍となるように、引き上げ速度4.0mm/min.で180分間のアフターヒートを実施した。そして、アフターヒート終了後、引き上げ速度600mm/min.で単結晶をプルチャンバー内へ引き上げた。なお、このアフターヒート工程中の引き上げ速度制御は、予めコンピューターに入力したレシピによる自動制御で行った。
上記で引き上げたシリコン単結晶のトップ側からボトム側にかけて評価用のウェーハを採取し、シリコン単結晶中の酸素濃度をFT−IR測定した。その後、そのウェーハに800℃+1000℃の酸素析出熱処理を行い、熱処理後、ウェーハを劈開して選択エッチングを行い、光学顕微鏡で劈開面のBMD密度を計測した。
その結果、図2に示すように、シリコン単結晶中の酸素濃度はトップ側からボトム側までほぼ均一で、BMD密度はシリコン単結晶のトップ側からボトム側にかけて高くなっているが、ほぼ均一であることを確認した。
(実施例2)
次に、実施例1と同様に図3に示す引き上げ装置を用いて、内径450mmの石英ルツボにシリコン原料70kgを充填し、溶融液を形成した後に、直径150mm、直胴長さ90cmの単結晶を引き上げた。酸素濃度は、トップ側からボトム側まで1.36×1018atoms/cc(Old ASTM)一定狙いとした。また、テール絞り終了後、単結晶ボトム側の酸素析出核形成温度領域(450℃〜650℃)での滞在時間を、トップ側の滞在時間の1/8倍となるように、初期の引き上げ速度を3.0mm/min.で120分間、その後5.0mm/min.で20分間のアフターヒートを実施した。そして、アフターヒート終了後、引き上げ速度600mm/min.で単結晶をプルチャンバー内へ引き上げた。なお、このアフターヒート工程中の引き上げ速度制御は、予めコンピューターに入力したレシピによる自動制御で行った。
上記で引き上げたシリコン単結晶のトップ側からボトム側にかけて評価用のウェーハを採取し、シリコン単結晶中の酸素濃度をFT−IR測定した。その後、そのウェーハに800℃+1000℃の酸素析出熱処理を行い、熱処理後、ウェーハを劈開して選択エッチングを行い、光学顕微鏡で劈開面のBMD密度を計測した。
その結果、図2に示すように、シリコン単結晶中の酸素濃度はトップ側からボトム側までほぼ均一で、BMD密度がシリコン単結晶のトップ側からボトム側にかけて低くなっているが、ほぼ均一であることを確認した。
(実施例3)
次に、実施例1と同様に図3に示す引き上げ装置を用いて、内径450mmの石英ルツボにシリコン原料70kgを充填し、溶融液を形成した後に、直径150mm、直胴長さ90cmの単結晶を引き上げた。酸素濃度は、トップ側からボトム側まで1.36×1018atoms/cc(Old ASTM)一定狙いとした。また、テール絞り終了後、単結晶ボトム側の酸素析出核形成温度領域(450℃〜650℃)での滞在時間を、トップ側の滞在時間の1/5倍となるように、初期の引き上げ速度を5.0mm/min.で20分間、その後3.0mm/min.で120分間のアフターヒートを実施した。そして、アフターヒート終了後、引き上げ速度600mm/min.で単結晶をプルチャンバー内へ引き上げた。なお、このアフターヒート工程中の引き上げ速度制御は、予めコンピューターに入力したレシピによる自動制御で行った。
上記で引き上げたシリコン単結晶のトップ側からボトム側にかけて評価用のウェーハを採取し、シリコン単結晶中の酸素濃度をFT−IR測定した。その後、そのウェーハに800℃+1000℃の酸素析出熱処理を行い、熱処理後、ウェーハを劈開して選択エッチングを行い、光学顕微鏡で劈開面のBMD密度を計測した。
その結果、図2に示すように、シリコン単結晶中の酸素濃度はトップ側からボトム側までほぼ均一で、BMD密度がシリコン単結晶のトップ側からボトム側までほぼ均一であることを確認した。
(比較例1)
実施例1と同様に図3に示す引き上げ装置を用いて、内径450mmの石英ルツボにシリコン原料70kgを充填し、溶融液を形成した後に、直径150mm、直胴長さ90cmの単結晶を引き上げた。酸素濃度は、トップ側からボトム側まで1.36×1018atoms/cc(Old ASTM)一定狙いとし、テール絞り終了後、従来行われていた引き上げ速度2.0mm/min.で30分間のアフターヒートを実施した。そして、アフターヒート終了後、引き上げ速度600mm/min.で単結晶をプルチャンバー内へ引き上げた。この時の結晶ボトム側の酸素析出核形成温度領域(450℃〜650℃)での滞在時間は、トップ側の滞在時間の1/500倍以下であった。
上記で引き上げたシリコン単結晶のトップ側からボトム側にかけて評価用のウェーハを採取し、シリコン単結晶中の酸素濃度をFT−IR測定した。その後、そのウェーハに800℃+1000℃の酸素析出熱処理を行い、熱処理後、ウェーハを劈開して選択エッチングを行い、光学顕微鏡で劈開面のBMD密度を計測した。
その結果、図2に示すように、シリコン単結晶中の酸素濃度はトップ側からボトム側までほぼ均一であるが、BMD密度はシリコン単結晶の直胴部中盤からボトム側にかけて大きく低下しており、酸素析出不足となっていた。
(比較例2)
実施例1と同様に図3に示す引き上げ装置を用いて、内径450mmの石英ルツボにシリコン原料70kgを充填し、溶融液を形成した後に、直径150mm、直胴長さ90cmの単結晶を引き上げた。酸素濃度は、トップ側からボトム側まで1.36×1018atoms/cc(Old ASTM)一定狙いとし、テール絞り終了後、結晶ボトム側の酸素析出核形成温度領域(450℃〜650℃)での滞在時間をトップ側の1/2倍となるように、引き上げ速度2.0mm/min.で360分間のアフターヒートを実施した。そして、アフターヒート終了後、引き上げ速度600mm/min.で単結晶をプルチャンバー内へ引き上げた。なお、このアフターヒート工程中の引き上げ速度制御は、予めコンピューターに入力したレシピによる自動制御で行った。
上記で引き上げたシリコン単結晶のトップ側からボトム側にかけて評価用のウェーハを採取し、シリコン単結晶中の酸素濃度をFT−IR測定した。その後、そのウェーハに800℃+1000℃の酸素析出熱処理を行い、熱処理後、ウェーハを劈開して選択エッチングを行い、光学顕微鏡で劈開面のBMD密度を計測した。
その結果、図2に示すように、シリコン単結晶中の酸素濃度はトップ側からボトム側までほぼ均一であるが、BMD密度はシリコン単結晶の直胴部中盤からボトム側にかけて約8倍も高くなっており、析出過多となっていた。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
10…引き上げワイヤー、 11…メインチャンバー、
12…プルチャンバー、 13…単結晶、 14…ルツボ、
15…ヒーター、 16…コンピューター、 17…ゲートバルブ、
18…単結晶引き上げ装置、 19…種結晶、 20…引き上げ手段。

Claims (4)

  1. 少なくとも、チョクラルスキー法により、ルツボ内の溶融液から単結晶を引き上げる工程と、該引き上げた単結晶にアフターヒートを行う工程と、該アフターヒートを行った単結晶をプルチャンバー内に引き上げる工程とを有する単結晶の引き上げ方法であって、
    予め、引き上げ炉内の温度測定、又は、シミュレーションにより400〜800℃の範囲の温度領域である酸素析出核形成温度領域を求め、前記アフターヒート工程において、前記単結晶のボトム側の前記酸素析出核形成温度領域での滞在時間を、前記単結晶のトップ側の前記酸素析出核形成温度領域での滞在時間の1/8〜1/4倍の範囲内になるように、前記単結晶の引き上げ速度を調節してアフターヒートを行うことを特徴とするシリコン単結晶の引き上げ方法。
  2. 前記酸素析出核形成温度領域を、450〜650℃の範囲の温度領域とすることを特徴とする請求項1に記載のシリコン単結晶の引き上げ方法。
  3. 前記アフターヒート工程において、前記単結晶の引き上げ速度を2段階以上設定して制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシリコン単結晶の引き上げ方法。
  4. 前記アフターヒート工程において、前記単結晶の引き上げ速度を、予め設定してコンピューターにより制御することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のシリコン単結晶の引き上げ方法。
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