JP2007223831A - シリコンウェーハ、シリコン単結晶の製造方法および装置 - Google Patents

シリコンウェーハ、シリコン単結晶の製造方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】インゴット軸方向に対して、その熱履歴均一化を図る。
【解決手段】シリコン単結晶の引き上げ時に、その軸方向における引上熱履歴を記録するとともに、前記引上熱履歴に対して前記軸方向に熱履歴を均一化するように、加熱処理することにより上記課題を解決した。
本発明において、前記加熱処理が、前記単結晶を前記軸方向部分的に低温状態とする低温加熱処理と、前記軸方向部分的に前記低温状態よりも高温の部分高温加熱処理とを有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、シリコンウェーハ、シリコン単結晶の製造方法および装置に係り、特に、チョクラルスキー法を用いて引き上げた単結晶からスライスされたシリコンウェーハの製造に用いて好適な技術に関する。
CZ(チョクラルスキー)法で引上成長されたシリコン単結晶を加工して作製されたシリコンウェーハは、酸素不純物を多く含んでおり、この酸素不純物は転位や欠陥等を生じさせる酸素析出物(BMD:Bulk Micro Defect)となる。
この酸素析出物がデバイスの形成されるウェーハ表面にある場合、リーク電流増大や酸化膜耐圧低下等の原因になって半導体デバイスの特性に大きな影響を及ぼす。
このため、従来、シリコンウェーハ表面に対し、1250℃以上の高温で短時間の急速加熱・急冷の熱処理(RTA:Rapid Thermal Annealing)を所定の雰囲気ガス中で施し、内部に高濃度の原子空孔(Vacancy:以下、単に空孔と称す)を形成し、急冷により凍結するとともに、この後の熱処理で表面において空孔を外方拡散させることおよび空孔と格子間シリコンの対消滅をさせることによりDZ層(無欠陥層)を均一に形成する方法が用いられている(例えば、特許文献1に記載の技術)。そして、上記DZ層形成後に、上記温度より低温で熱処理を施すことで、内部の欠陥層として酸素析出核を形成・安定化してIG(Intrinsic Gettering) ゲッタリング効果を有するBMD層を形成する工程が採用されている。
国際公開第98/38675号パンフレット 米国特許第6287382号明細書
しかし、CZ法によって製造されたシリコン単結晶中には、単結晶が凝固する際に生じる点欠陥や酸素濃度の変動や炭素濃度の変動等が存在している。
これらの変動は単結晶引き上げ時の条件の変動が主因となって生じることが知られているが、特に、この単結晶の引き上げ時に、単結晶軸方向において熱履歴が異なることに起因するものがある。つまり、単結晶上側においては、自身が結晶成長した後に、下側の結晶が引き上げられるに従って、シリコン融液よりは温度が低下するような熱勾配が存在し、これがシリコン融液から離れた部位ほど温度が低い加熱状態に長時間曝されることになる。
このように、単結晶(インゴット)の軸方向(長さ方向)にその熱履歴が異なるため、単結晶の軸方向に酸素析出量のばらつきが生じる。このため、スライスされた各シリコンウェーハにおいては、単結晶軸方向位置によってそのBMD欠陥レベルがばらついてしまい、結果的にBMD欠陥密度分布が規格外のウェーハができ、DZ幅を規定したウェーハ製品の歩留まりが低下してしまうという問題があった。また、これらを改善しようとした場合、結晶品質の範囲を限定してスライスしていたため、ウェーハの歩留まりが低下していた。
同時に、デバイス工程においても、各ウェーハ間におけるゲッタリング能力の不均一による部分的低下や、析出過多による接合リーク欠陥などのデバイス欠陥が発生してしまうという問題があった。
さらに、これらのBMD欠陥レベルをウェーハ状態で補正しようとした場合、酸素析出量が不均一になり半導体の歩留まりの低下や大きな反りが発生し半導体製造装置や搬送装置にかからなくなり製造続行不能となることがあるという問題があった。
しかも、上記のような各問題点を解決しようとして引き上げ中に熱処理をおこなった場合には、g係数が変わってしまうため、これが改善できなかった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、以下の目的を達成しようとするものである。
1.シリコンウェーハのBMD密度を、インゴット軸方向に対して均一化を図ること。
2.同時に結晶欠陥をインゴット軸方向に対して均一的に減らすこと。
3.インゴット軸方向に対して、その熱履歴均一化を図ること。
本発明のシリコン単結晶の製造方法は、シリコン単結晶の引き上げ時に、その軸方向における引上熱履歴を記録するとともに、前記引上熱履歴に対して前記軸方向に熱履歴を均一化するように、加熱処理することにより上記課題を解決した。
本発明において、前記加熱処理が、前記単結晶を前記軸方向部分的に低温状態とする低温加熱処理と、前記軸方向部分的に前記低温状態よりも高温の部分高温加熱処理とを有することが望ましい。
また、本発明において、上記のシリコン単結晶をスライシングして、シリコンウェーハとすることが好ましい。
本発明におけるシリコン単結晶の製造装置は、引き上げられたシリコン単結晶を軸方向部分的に低温加熱処理できる低温加熱手段と、
この低温加熱処理よりも高温の高温加熱処理を前記シリコン単結晶の軸方向部分的に施すことの可能な高温加熱手段と、
を有する手段を採用することもできる。
本発明において、シリコン単結晶の引き上げ時に、単結晶における引上熱履歴を記録するとともに、前記引上熱履歴に対して前記軸方向に熱履歴を均一化するように加熱処理することにより、シリコン単結晶において、酸素析出量・BMD欠陥密度分布が単結晶軸方向において生じるばらつきを低減することができる。これによりスライシングしたウェーハごとに、欠陥密度やDZ幅を規定したウェーハ製品の歩留まりが低下することを低減できる。
ここで、単結晶の熱履歴は、引き上げ速度プロファイルおよび引き上げ炉内温度分布によって定まるため、図1に示すような引き上げ炉内における単結晶の熱勾配と、この時間変化である図2、図3に示すようなシリコン単結晶の熱履歴を、その軸方向に位置する各点においてそれぞれ記録する。
そして、これらの熱履歴において単結晶軸方向のばらつきを低下するように加熱処理をおこなう。このとき、熱履歴のばらつきを解消するために、次のように析出量および欠陥密度の状態を設定するように、それぞれの熱処理条件を設定することができる。以下にその例を示す。
基本的には単結晶の軸方向(単結晶の成長軸長さ方向である成長方向)各部位における高温・中温・低温などの各熱履歴のバランスが等しくなってくるようにする。つまり、図2,図3に示す各部の熱履歴が最終的に縦軸である累積処理時間の割合は違っても各温度における処理時間の比は等しくするように加熱処理をおこなうものである。
ここで、具体的には、高温・中温・低温とは、例えば、1250℃〜1150℃程度・1100℃〜1050℃程度・900℃〜550℃程度の処理を意味している。
つまり、成長後の結晶が保有する結晶の熱履歴が単結晶軸方向に従って変化しているものを、均一化し、また、低温熱履歴部分に高温をかけ容態化処理することによって、酸素析出核の形成を減少させ、あるいいは消滅せしめ、結晶軸方向で全体が高温熱履歴を持ち、析出核を容態化して、消滅あるいは減ずることで、その後、結晶をスライスし、ウエーハ加工してデバイス工程に流動した時の熱処理時の酸素析出を抑え、これによって、酸素析出物による接合リークの発生の抑制を行うことができる。
又、成長後の結晶が保有する高温熱履歴部分には、中温熱履歴および/または低温熱履歴を本発明による装置によりほどこし、結晶軸方向で全体が中温あるいは低温の熱履歴有する結晶に熱履歴を変更することができる。
つまり、従来では、結晶の部位による熱履歴の差が、その後のデバイス工程で酸素析出量の差として顕在化し、そのことが、酸素析出によるBMD(バルクマイクロディフェクト)量の差として、ゲッタリング能力差となったり、BMD欠陥が接合リーク原因となっていたものを本発明により解消されるものである。
A.全体的に酸素析出を抑える。
(処理条件としては、高温域の熱処理をおこなう)
結晶全体として中低温履歴よりも高温熱履歴を優勢にする。
具体的には、結晶下側より上側に向かって処理時間が長くなるように高温熱処理をする。それとともに、微調整として結晶上側より下側に向かって処理時間が長くなるように中低温処理もおこない中低温履歴のばらつき解消をも図る。
B.比較的大きめの析出物、かつ、密度が低めの析出物を得る。
(処理条件としては、中温域の熱履歴を単結晶全体に持たせる)
結晶全体として高低温履歴よりも中温履歴を優勢にする。
具体的には、全ての部位で高温履歴あるいは低温履歴に比べて中温履歴が優勢となるように、かつ、結晶全体で中温履歴が等しくなるように中温熱処理をおこなう。それとともに、微調整として結晶上側には高温熱処理を、また結晶下側には低温熱処理をおこない、低温・高温履歴のばらつき解消をも図る。
C.欠陥密度が高く、かつ欠陥サイズが小さい析出物分布を得る。
(処理条件としては、低温域の熱履歴を保持させる)
結晶全体として中高温履歴よりも低温熱履歴を優勢にする。
具体的には、結晶上側より下側に向かって処理時間が長くなるように低温処理をする。それとともに、微調整として結晶下側より上側に向かって処理時間が長くなるように中高温処理もおこない中高温履歴のばらつき解消をも図る。
例えば、炉内温度分布が図1で示す場合、上記A,B,Cの熱処理で、本来結晶成長直後に持っていた熱履歴をリセット或いは変更することができる。当然、図2,図3の熱履歴とことなるものであっても、成長結晶の各部位の熱履歴(成長長さにおける全熱履歴)を記録或いは熱シミュレーションによって想定した熱履歴を上記の熱処理で、緩和、変更することができる。
これによって、ウエーハの使用時であるデバイス工程の熱処理を経た場合に必要な酸素析出量の確保が結晶の成長方向でバラツキなく実現できる。
本発明において、前記加熱処理が、前記単結晶を前記軸方向部分的に低温状態とする低温加熱処理と、前記軸方向部分的に前記低温状態よりも高温の部分高温加熱処理とを有し、単結晶軸方向上側では大きく同下側では小さくなっている単結晶の熱履歴を均一化するように加熱処理がおこなわれる。言い換えると、加熱処理は、単結晶の成長後の熱履歴を打ち消し、均一な熱処理特性を有する結晶とするようにおこなわれる。
これにより、引き上げられた低温熱履歴と高温熱履歴とのそれぞれに対応して、単結晶軸方向における酸素析出量のばらつきを低減することができる。
具体的には、単結晶全体を低温でスキャンしその後高温の処理をおこなうことができる。これは低温処理として800℃の処理と1100℃の処理とを単結晶全体にわたっておこない、その後、1350℃程度での高温処理を単結晶トップからボトム方向に向かっておこなうことで、上記の熱履歴の均一化を図ることができる。
これにより、単結晶長さ方向における成長時の熱履歴を打ち消し、所望の熱履歴を持たせることができる。これによって、後の熱特性を単結晶長さ方向に均一化することができることから、酸素析出におけるゲッタリング特性の均一化を得ることができる。
また、本発明において、上記のシリコン単結晶をスライシング等の工程を経てシリコンウェーハとすることにより、一本の単結晶からスライシングした各シリコンウェーハ内の酸素析出量のばらつき、酸素析出量のロット内ばらつき、または、内部欠陥の発生が抑えられているため、BMD欠陥濃度や分布にばらつきが生じてしまうことを低減できるため、DZ層の厚さがウェーハごとに結晶部位やウェーハ間でばらつきを生じたり、BMDにより得られるゲッタリング効果がウェーハごとにばらつきを生じてしまうことを低減することができる。これにより、ウェーハの歩留まりの向上やデバイス工程におけるゲッタリング効果およびゲッタリング効果の均一化を向上することによるデバイス歩留まりの向上、安定化が可能となる。
本発明におけるシリコン単結晶の製造装置は、引き上げられたシリコン単結晶を軸方向の部分的な低温加熱処理できる低温加熱手段と、この低温加熱処理よりも高温の高温加熱処理を前記シリコン単結晶の軸方向に対し部分的に施すことが可能な高温加熱手段と、を有する手段を採用することもでき、これにより、上記の製造方法における低温加熱および高温加熱をシリコン単結晶に施すことが可能となり、上述のような軸方向に熱履歴を改善、変更することで、BMD欠陥や内部欠陥の発生ばらつきや均一化ができ、単結晶棒の両端に至るまで均一な熱特性を持つシリコン単結晶およびシリコンウェーハを製造することが可能な製造装置を提供できる。
また、これら低温加熱手段、および高温加熱手段が、温度状態を設定可能な1つの加熱手段から構成されることも可能であり、具体的には、単結晶周囲に周回可能な大きさの高周波加熱手段、または抵抗加熱炉と、これら高周波加熱手段または抵抗加熱炉を単結晶軸方向に移動する移動手段と、を具備する構成とされることができる。
このような構成とすることにより、単結晶軸方向の所定の位置に所定の温度条件で、加熱処理をおこない、成長時の熱履歴を打ち消し必要な熱履歴を持たせることができる。
本発明のシリコンウェーハ、シリコン単結晶の製造方法および装置においては、単結晶における引上熱履歴を記録するとともに、前記引上熱履歴に対して前記軸方向に熱履歴を均一化するように加熱処理することにより、シリコン単結晶において、酸素析出量・BMD欠陥密度分布が単結晶軸方向において生じるばらつきを低減することができる。
以下、本発明に係るシリコンウェーハ、シリコン単結晶の製造方法および装置の一実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は引き上げ時における成長時におけるシリコン単結晶の温度勾配を示すものであり、図2、図3は図1の各点における熱履歴を示すグラフである。図1において、符号a,b,cは結晶各点の部位を示している。
図1において、シリコン単結晶棒(インゴット)1はシリコン融液(半導体融液)から引き上げられたものである。
このときシリコン単結晶棒1は、引き上げ装置における不活性ガス供給手段の接続されたチャンバ(常圧または減圧状態を保つ密閉容器)内部において、貯留されたシリコン融液からシリコン単結晶棒1を回転させながら引き上げられる。
この引き上げ時においてシリコン単結晶1には、図1に示すように、シリコン融液側である下側のほうが温度が高く、また、上側のほうが温度が低くなっており、図に上下方向で示す軸方向に温度勾配が生じている。そして、このシリコン単結晶1の各点においては、結晶が成長し始めてから所定の長さの単結晶(インゴット)1となるまでの間に時間差が存在するため、これらの単結晶1各点において熱履歴に差ができる。
具体的には、図1にa,dで示す単結晶1の各点における熱履歴は図2,図3に示すようになる。
図2,図3においては、各点a,dにおける熱履歴は、各点の符号で示される実線で囲まれる部分からなっている。
例えば、aで示される位置においては、図2でハッチングを施した部分の面積に相当する熱履歴を有し、また、dで示す最も上側の部分では、図3でハッチングを施した部分の面積に相当する熱履歴を有している。このように、上側つまり、シリコン融液から遠い側の方が低温で長時間の熱履歴を有している。
本実施形態のシリコン単結晶の製造方法においては、上述の熱履歴を単結晶軸方向に均一化するように加熱処理をおこなう。このための装置として、図4に示すように、引き上げられたシリコン単結晶1を軸方向に対し部分的に低温加熱処理できる低温加熱手段と、この低温加熱処理よりも高温の高温加熱処理を前記シリコン単結晶の軸方向部分的に施すことの可能な高温加熱手段と、を有する装置20を適用する。
図4は本実施形態におけるシリコン単結晶製造装置20を示す模式正面図である。
この装置20は、引き上げたインゴット1を図示しない透明石英チューブを介して密閉状態とすることができるチャンバ21と、シリコン単結晶1の上下端を固定して単結晶1を立設状態とするとともに、駆動源22aによりこの単結晶1を回転可能な固定回転手段22と、チャンバ21内のシリコン単結晶1の軸方向所定の位置を設定して所定の高周波誘導電導式加熱処理をおこなう加熱手段23とを有するものとされる。
固定回転手段22は、その回転駆動軸におけるシリコンインゴットと接触する部分に高純度の炭素部品が装着されており、加熱開始初期の昇温に寄与するようなっている。シリコンインゴット1は加熱初期におけるような常温で電気伝導度が低く、加熱に時間がかかるため、炭素部品を昇温することとでこの炭素部品との接触部からの熱伝導を利用して昇温を効果的におこなうものである。
この装置20は、加熱状態制御手段として、シリコン単結晶(被加熱インゴット)1のトップ部の温度を測定するよう位置固定されたパイロメータ26aと、被加熱インゴット1のボトム部の温度を固定的に測定する位置固定されたパイロメータ26cと、被加熱インゴット軸方向に移動可能とされ加熱手段23により高周波加熱されたインゴットの温度状態を加熱手段23の移動とともに移動して温度測定可能な可動式のパイロメータ26bとを具備し、それぞれのパイロメータ26a,26b,26cにより得られた温度測定結果を入力されるとともに、この測定結果から加熱手段23へ供給する高周波電力を制御して所望のインゴット加熱をおこなう制御装置27とを有するものとなっている。
パイロメータ26により、シリコン単結晶(被加熱結晶)1が受ける温度を測定し、温度制御(フィードバック制御)をおこないその結果を別途記録し、所望の熱履歴を有する結晶とする。
チャンバ21には、不活性ガス供給手段が接続されて、内部雰囲気を所定の状態、たとえば、高清浄度の非酸化性雰囲気或いは酸化性雰囲、又は窒素ガスを含む雰囲気の状態に維持可能となっている。
加熱手段23は、シリコン単結晶1を軸方向の部分的に低温加熱処理できる低温加熱手段と、この低温加熱処理よりも高温の高温加熱処理をシリコン単結晶1の軸方向に対して部分的に施すことの可能な高温加熱手段と、を兼ねており、具体的には、単結晶1周囲に周回可能な大きさの高周波加熱手段24と、この高周波加熱手段24に高周波電流を供給するとともに高周波加熱手段24を単結晶1軸方向に移動する移動手段25と、を具備する構成とされる。
このような構成の装置20においては、前述したように、引き上げられた単結晶1の熱履歴を軸方向に均一化するように、それぞれ所定の温度条件とされた低温加熱処理と高温加熱処理とを軸方向位置に対して所定の処理時間施すように制御装置27により加熱手段23を制御する。
各単結晶の熱履歴は、結晶部位ごとの引き上げ速度で算出でき、その熱履歴情報は個別の単結晶引上装置に具備された記憶装置としての制御装置27、これらを群管理する群管理システム28とローカルエリアネットワーク(LAN)29とで接続され、別途設定する加熱処理レシピに照らして処理される。このとき前述したように引き上げ時の熱履歴を単結晶軸方向に均一化するように加熱処理をおこなうが、次のように析出量および欠陥密度の状態を設定するように、それぞれの熱処理条件を設定することができる。
A.全体的に酸素析出を抑える。
(処理条件としては、高温域の熱処理をおこなう)
この時の結晶部位aおよびdの単結晶引き上げ時の高温保持時間を図5に示す。
図5の破線が単結晶引き上げ時のたとえば1300℃以上の高温熱履歴であり、この高温熱履歴を斜線で示す加熱を加えることにより高温熱履歴の均一化が図れる。
これにより、熱処理後に単結晶1からスライスされたウェーハにおいては、スライスされた軸方向位置に依存してウェーハの欠陥レベルが高くなりすぎることを防止して、DZ層が薄くなりデバイス領域における結晶成長時に取り込まれるグローイン欠陥等接合リーク欠陥などの発生を低下してウェーハ歩留まりの低下を防止することが可能となる。
また、単結晶(インゴット)1の育成時においてCOP(成長中に導入される結晶欠陥)を抑制するためには、比較的低速での結晶育成が強いられ、同時に、育成結晶の有転位化が生じやすいため、生産性が著しく低下する欠点がある。本実施形態によれば上記のCOPを欠陥等を気にすることはなく、高速で引き上げることができ、同時に育成中の有転位化を著しく低減できることによって、高い生産性を確保できる。
同時に、ゲッタリング技術において低レベルの酸素析出層を持たせることが可能であり、これにより、DZ層の厚い接合リーク等の低減を図ることができる。
図6の各結晶部位の熱履歴に対し、斜線部に相当する中温保持時間をa,d,hの各部位において保持することで、高温保持、低温保持、における各BMDサイズに比較し中位のレベルをデバイス工程で形成することを可能とした熱処理を示す。
B.比較的大きめの析出物、かつ、密度が低めの析出物を得る。
(処理条件としては、中温域の熱履歴を単結晶全体に持たせる)
これにより、充分なゲッタリング能力を呈することができるとともに、デバイス領域における接合リーク欠陥などの発生を低下してウェーハ歩留まりの低下を防止することが可能となる。
また、このときの低温熱履歴が不足する部位に対する低温熱処理の保持時間の推移を図7に示す。破線の示す結晶各部位の熱履歴に対し、ハッチングで示す低温保持を施すことによって、BMDサイズが小さくかつBMD密度の高いゲッタリング効果の高いウェーハが得られる。
これにより、上述したようにCOPを欠陥等を気にすることはなく、高速で引き上げることができ、高い生産性で得られた結晶から析出物密度が高く、ゲッタリング能力の高い単結晶が容易に得られる。
これによって、部位a,d,h結晶全域にわたりデバイス工程において、均一な細かいBMDの形成が可能なウェーハを得ることができる。
比較的酸素濃度の濃い結晶、例えば1.4〜1.5×1018atm/cm (old ASTM)レベルの結晶の酸素析出核の消滅低減を図り、ウェーハ内に格子間酸素として残留させることにより、その後のデバイス工程での酸素析出過多によるウェーハ強度の低下を防止できる。
具体的な熱処理としては、密閉されたチャンバ21内部に単結晶1を固定回転手段22によってその上下端を固定し、この状態で、単結晶1を回転した状態で高周波加熱手段24を移動手段25によって単結晶1軸方向に移動することで、単結晶1全体に対して低温処理として800℃の処理と1100℃の処理とを単結晶全体にわたっておこない、その後、1350℃での高温処理を単結晶1最上部から下に向かっておこなう。この際、それぞれの処理時間としては、加熱状態制御手段によって上記の熱履歴の均一化を図るように調整する。
例えば、dで示される位置においては、図5でハッチングを施した部分の面積に相当する熱履歴を持つように熱処理を施し、また、aで示す最も上側の部分でも、図5でハッチングを施した部分の面積に相当する熱履歴を持つように熱処理を施している。
これにより引き上げられた低温熱履歴と高温熱履歴とのそれぞれに対応して、単結晶軸方向における酸素析出量のばらつきを低減することができる。
具体的には、単結晶全体を低温でスキャンしその後高温の処理をおこなうことができる。これは低温処理として800℃の処理と1100℃の処理とを単結晶全体にわたっておこない、その後、1350℃での高温処理を単結晶トップから下に向かっておこなうことで、上記の熱履歴の均一化を図ることができる。
これにより、単結晶長さ方向における成長時の熱履歴を打ち消し、所望の熱履歴を持たせることができる。これによって、後の熱特性を単結晶長さ方向に均一化することができることから、酸素析出におけるゲッタリング特性の均一化を得ることができる。
本実施形態においては、加熱処理として、前記単結晶1を前記軸方向部分的に低温状態とする低温加熱処理と、前記軸方向部分的に前記低温状態よりも高温の部分高温加熱処理とを有し、この単結晶1軸方向上側では小さく同下側では大きくなっている単結晶の熱履歴を均一化するように加熱処理がおこなわれることにより、引き上げ時における低温熱履歴と高温熱履歴とのそれぞれに対応して、単結晶1軸方向における酸素析出量のばらつきを低減することができる。
これによって、単結晶軸方向位置によってそのBMD欠陥レベルがばらついてしまうことがないため、BMD欠陥密度分布が規格外のウェーハができることがなく、DZ幅を規定したウェーハ製品の歩留まりが低下してしまうことがない。同時に、結晶品質の範囲を限定してスライスする必要がないため、ウェーハの歩留まりが低下することがない。
さらに、デバイス工程においても、各ウェーハ間におけるゲッタリング能力の均一化を図ることができて、ゲッタリング能力の部分的低下を防止することができる。また、各ウェーハにおいて、それぞれ析出過多が生じることを防止することができる。これらによって、接合リーク欠陥などのデバイス欠陥の発生を防止することができる。
さらに、これらのBMD欠陥レベルをウェーハ状態で補正しようとした場合とは異なり、酸素析出量が不均一になり半導体の歩留まりの低下や大きな反りが発生し、半導体製造装置や搬送装置にかからなくなり製造続行不能となることがない。
しかも、引き上げ中に熱処理をおこなった場合と異なり、g係数が変わってしまうこともない。
なお上記の熱処理を低温加熱処理と高温加熱処理とを別の加熱手段でおこなうことも可能である。
また、上記加熱処理を、不活性ガス雰囲気中でなく、所定のガス雰囲気中でおこなうことも可能である。
引き上げ時におけるシリコン単結晶の温度勾配を示すものである。 図1のa点における熱履歴を示すグラフである。 図1のd点における熱履歴を示すグラフである。 本発明に係るシリコン単結晶の製造装置における一実施形態を示す模式正面図である。 図1のa,d,h点における高温熱履歴と高温熱履歴均一化処理を示すグラフである。 図1のa,d,h点における中温熱履歴と中温熱履歴均一化処理を示すグラフである。 図1のa,d,h点における低温熱履歴と低温熱履歴均一化処理を示すグラフである。
符号の説明
1 シリコン単結晶(単結晶)
20 シリコン単結晶製造装置(シリコン単結晶熱処理装置)
21 チャンバ
22 固定回転手段
23 加熱手段
24 高周波加熱手段
25 移動手段

Claims (5)

  1. シリコン単結晶の引き上げ時に、その軸方向における引上熱履歴を記録するとともに、前記引上熱履歴に対して前記軸方向に熱履歴を均一化するように、加熱処理することを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  2. 前記加熱処理が、前記単結晶を前記軸方向部分的に低温状態とする低温加熱処理と、前記軸方向部分的に前記低温状態よりも高温の部分高温加熱処理とを有することを特徴とする請求項1記載のシリコン単結晶の製造方法。
  3. スライシングしてシリコンウェーハとするシリコン単結晶の引き上げ時に、その軸方向における引上熱履歴を記録するとともに、前記引上熱履歴に対して前記軸方向に熱履歴を均一化するように、加熱処理することを特徴とするシリコンウェーハの製造方法。
  4. 前記加熱処理が、前記単結晶全体を低温状態とする低温加熱処理と、前記軸方向部分的に前記低温状態よりも高温の部分高温加熱処理とを有することを特徴とする請求項3記載のシリコンウェーハの製造方法。
  5. 引き上げられたシリコン単結晶を軸方向部分的に低温加熱処理できる低温加熱手段と、
    この低温加熱処理よりも高温の高温加熱処理を前記シリコン単結晶の軸方向部分的に施すことの可能な高温加熱手段と、
    を有することを特徴とするシリコン単結晶の製造装置。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010208894A (ja) * 2009-03-10 2010-09-24 Shin Etsu Handotai Co Ltd シリコン単結晶の引き上げ方法
WO2015145974A1 (ja) * 2014-03-28 2015-10-01 東京エレクトロン株式会社 熱処理装置

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