JP2011000771A - カード類 - Google Patents

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Abstract

【課題】 装飾性及び偽造防止性の高いカード類を製造上、さらにカード類を処分する上で、破棄処理する際に、焼却の場合では、焼却温度の高熱化が必要なく、また燃焼ガスなどの発生が少なく、さらに埋め立ての場合では、生態系への影響もなく、かつカード類の製造コストを抑えて、安価に作製できるカード類を提供することを目的とする。
【解決手段】 被転写体6上に、少なくとも接着層3、保護基材シート2をこの順に設けたカード類1において、該保護基材シート(2)表面に、エンボス(5)加工が施されて、ホログラム画像を有し、かつ保護基材シート2及び被転写体6を構成する基材が、生分解性を有するプラスチックフィルム又はシートである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、被転写体上に、少なくとも接着層、保護基材シートをこの順に設けたカード類において、該保護基材シート表面に、エンボス加工が施されて、ホログラム画像を有するカード類に関するものである。
運転免許証、クレジットカード、社員証等のカード類の意匠性や装飾性を高めるため、また偽造防止性を高めるために、特許文献1に示すように、ホログラムや回折格子パターン等の光回折体をカード表面に転写形成する技術が知られている。これは、基材シート上に、ホログラムを構成する層を転写可能に設けたホログラム転写箔(ホログラム転写シート)を用いて、被転写体であるカードに、ホログラムを転写して形成するものである。
しかし、上記の場合、ホログラムをカードに転写した後に、ホログラム転写箔の基材シートが、剥離片として残り、廃棄する必要性が生じている。ホログラム転写箔の基材シートは、ポリエチレンテレフタレート(PET)のプラスチックフィルムを用いており、その廃棄処理は、焼却又は埋め立てなどの処理が行なわれている。しかし、焼却処理では焼却温度の高熱化が起こり、そのため焼却炉の耐久性の問題や、燃焼ガスなどによる公害問題がある。また埋め立て処理では、土壌中に分解せず原型のまま存在する問題などがあるため、半永久的に廃棄物として土壌中に残留して自然環境に放置されると、美観上の問題だけでなく、生態系への影響も深刻な問題である。
上記の廃棄処理の問題は、カード自体を廃棄する場合でも考慮する必要があり、例えば、特許文献2にあるように、カード基材が生分解性を有するポリ乳酸を使用したものが提案されていて、廃棄対策として有効なものである。しかし、上記のようなホログラム転写箔を使用して、カードに意匠性や偽造防止性の高い点を付加させる場合には、カードを製造する際の使用する材料全体の廃棄処理の点では、十分な対応がとられていなく、すなわちホログラム転写箔の剥離された基材シートの廃棄処理で、上記に説明した問題がある。
さらに、意匠性、装飾性及び偽造防止性の高いカード類として、上記のようなホログラム転写箔を用いて、製造する際に、ホログラム転写箔と被転写体とを重ねて、加熱及び加圧して、ホログラムを被転写体に転写する工程と、さらに、被転写体からホログラム転写箔の基材シートを剥離する工程が必要であり、製造コストが高くかかってしまう問題がある。
特開2003−162206号公報 特開平8−175058号公報
したがって、本発明は上記に挙げた課題である、意匠性、装飾性及び偽造防止性の高いカード類を製造上、さらにカード類を処分する上で、破棄処理する際に、焼却の場合では、焼却温度の高熱化が必要なく、また燃焼ガスなどの発生が少なく、さらに埋め立ての場合では、生態系への影響もなく、かつカード類の製造コストを抑えて、安価に作製できるカード類を提供することを目的とする。
本発明は、請求項1として、被転写体上に、少なくとも接着層、保護基材シートをこの順に設けたカード類において、該保護基材シート表面に、エンボス加工が施されて、ホログラム画像を有し、かつ保護基材シート及び被転写体を構成する基材が、生分解性を有するプラスチックフィルム又はシートであることを特徴とするものである。
上記構成のカード類は、被転写体と、保護基材シートとが、接着層により、重ね合わせて接着した(ラミネートした)もので、従来のホログラム転写箔を使用して、被転写体上にホログラム画像を転写して形成することがなく、ホログラム転写箔の基材シートを剥離して廃棄することがない。またカード類を構成する主要素である被転写体の基材及び保護基材シートが、生分解性を有するプラスチックであり、カード類の廃棄上で焼却の場合では、発熱量が小さいので、焼却炉を傷めることもなく、またダイオキシン等の有害物質が放出されることもない。
また、廃棄における埋め立ての場合では、生分解性プラスチックは、土壌等に存在する微生物の働きにより、水と二酸化炭素に完全分解されるので、自然にやさしく、生態系への悪影響もない。このような廃棄上での問題がなく、かつ従来のホログラム転写箔を使用して、ホログラム画像を被転写体に形成する場合、ホログラム転写箔を被転写体に加熱、加圧した後に、ホログラム転写箔の基材シートを被転写体から剥離する工程が無い。
さらに、従来のホログラム転写箔では、基材シート上に、少なくとも保護層、ホログラム形成層、ホログラム効果層、接着層を形成することが多くなされているが、層構成の層数が多く、各層を形成する工程数が多かったが、本発明のカード類の構成であれば、保護基材シート表面に、エンボス加工を施すだけで、カード類にホログラム画像を簡単に、また製造コストを抑え、安価に作製することができる。また、本発明のカード類は、最表面が保護基材シートであり、塗工した皮膜のような脆いものではなく、成形されたシートあるいはフィルムであり、均一、かつ皮膜強度が高く、カード類の表面を、耐久性の高い状態で、保護する機能を有している。
また、本発明は請求項2として、前記の保護基材シートと接着層との間に、ホログラム効果層を設けた構成である。この構成をとることにより、そのホログラム効果層で反射されて、カード類のエンボス加工されたホログラム画像が、際立って鮮明となり、より意匠性、装飾性が高くなり、好ましい。
本発明は、上記構成のカード類とすることにより、カード類を製造する際に、さらにカード類を処分して破棄する際に、焼却の場合では、焼却温度の高熱化が必要なく、また燃焼ガスなどの発生が少なく、さらに埋め立ての場合では、生態系への影響もなく、かつカード類の製造コストを抑えて、安価にカード類を提供することができた。また、意匠性、装飾性及び偽造防止性の非常に高いカード類を提供することができた。
本発明のカード類の一つの実施形態を示す概略の断面図である。 本発明のカード類の他の実施形態を示す概略の断面図である。
次に、発明の実施の形態について、詳述する。
図1に本発明のカード類である一つの実施形態を示す。カード類1は、被転写体6の一方の面に、接着層3、保護層基材シート2を順に積層した構成である。その保護層基材シート2の表面には、エンボス(5)加工が施されて、結果として、ホログラム画像が形成されたカード類である。本発明では、保護基材シート2及び被転写体6を構成する基材が、両方とも生分解性を有するプラスチックからなることが特徴である。
また、図2は本発明のカード類である他の実施形態を示し、図1のカード類と比べ、保護層基材シート2と接着層3との間に、ホログラム効果層4が追加された構成である。この形態では、ホログラム効果層4で光が反射されて、カード類のエンボス加工されたホログラム画像が、際立って鮮明となり、より意匠性、装飾性が高くカード類が得られる。
以下、本発明のカード類を構成する各要素及び各層について、詳細に説明する。
(保護基材シート)
本発明のカード類で、表面に位置する保護基材シート2は、被転写体上に接着層を介して積層されるものである。本発明では、その保護基材シートの材質として、生分解性を有するプラスチックに限定させたので、カード類の廃棄上における、焼却の場合では、焼却温度の高熱化が必要なく、また燃焼ガスなどの発生が少なく、さらに埋め立ての場合では、生態系への影響もない。
生分解性を有するプラスチックフィルム又はシートは、その材質としては、化学合成系として、ラクトン系樹脂:ε−カプロラクトン、4−メチルカプロラクトン、3,5,5−トリメチルカプロラクトン、3,3,5−トリメチルカプロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、エナントラクトンの単独重合体またはこれら2種以上のモノマーの共重合体、これらの混合物、ポリカプロラクトンが好適である。
もしくは、ポリブチレンサクシネート系樹脂:ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリブチレンサクシネートとポリカプロラクトンとの混合物、ポリブチレンサクシネートとポリブチレンサクシネート・アジペートとの混合物、ポリブチレンサクシネート・アジペートとポリ乳酸との混合物、もしくは、ポリ乳酸、ポリ乳酸とD−乳酸との混合物など、もしくは、低分子量脂肪族ジカルボン酸と低分子量脂肪族ジオールより合成したポリエステル樹脂、例えばコハク酸とブタンジオール、エチレングリコールとの組み合わせや、シュウ酸とネオペンチルグリコール、ブタンジオール、エチレングリコールとの組み合わせなど、変性ポリビニルアルコールと脂肪族ポリエステル樹脂と澱粉の混合物、低分子量脂肪族ポリエステルに脂肪族イソシアネートを添加して重合させたものなどが好適である。
天然物系としては、ゼラチンなどの動物性天然物質、セルロースなどの植物性天然物質など:澱粉脂肪酸エステル、澱粉キトナン・セルロースなど、微生物生産系として、ポリヒドロキシブチレートや、ポリエステル系:炭素源として3−ヒドロキシプロピオン酸、4−ヒドロキシ酪酸、γ―ブチロラクトンをベースとするP(3HB−CO―4HB)、炭素源としてプロピオン酸、吉草酸をベースとしたP(3HB−CO―3HV)などが好適である。
また、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート・テレフタレート共重合体等の分子量が数十万を越えるポリエステル系樹脂、菌体内にポリ(3−ヒドロキシ酪酸)ホモポリマーを顆粒状態で蓄積しこれを取り出した高結晶性ポリエステルなども使用される。本発明で使用される保護基材シートは、透明性を有するもので、生分解性を有するプラスチックフィルム又はシートであり、その厚さは、10μm〜200μm、特に、12μm〜50μmが好適である。厚さが大きくなると、それだけ廃棄処理量が多くなり、また厚さが小さすぎると、カード類の表面を保護する機能が十分でなくなる。
(エンボス)
本発明のカード類において、上記に説明した保護基材シート表面に、エンボス(5)加工が施されて、保護基材シート表面に、微細な凹凸であるレリーフ形状を有するホログラム画像が形成される。そのレリーフ形状を賦形する方法は、回折格子や干渉縞が凹凸の形で記録された原版をプレス型(スタンパという)として用い、上記透明な生分解性を有するプラスチックフィルム又はシートが表面に積層されたカード類1上に、前記原版を重ねて加熱ロールなどの適宜手段により、両者を加熱圧着することにより、原版の凹凸模様を複製することができる。形成するホログラムパターンは単独でも、複数でもよい。
上記の極めて微細な形状を精密に再現するために、また、複製後の熱収縮などの歪みや変形を最小とするため、原版は金属を使用し、低温・高圧下で複製を行う。原版は、Niなどの硬度の高い金属を用いる。光学的撮影もしくは、電子線描画などにより形成したガラスマスターなどの表面にCr、Ni薄膜を真空蒸着法、スパッタリングなどにより5〜50nm形成後、Niなどを電着法(電気めっき、無電解めっき、さらには複合めっきなど)により50〜1000μm形成した後、金属を剥離することで作ることができる。高圧回転式の複製に用いるためには、このNi層の厚み精度を高くする必要があり、通常±10μm、好ましくは、±1μmとする。このため、裏面の研磨や、平坦化方法を用いてもよい。
複製方式は、高圧とするため、平板式でなく、回転式を用い、線圧0.1トン/m〜10トン/m、好ましくは、5トン/m以上とする。複製用シリンダーは、その直径が小さいと、レリーフの再現性が低下するため、複製シリンダー直径は大きい方が好ましく、通常、直径0.1m〜2.0m、好ましくは、1.0m以上の弧を使用する。カード類の表面に位置する透明な生分解性を有するプラスチックからなる保護基材シートをこの複製用シリンダーに沿って押し当て、裏面より金属製シリンダーにより上記圧力にて複製を実施する。複製後の熱収縮などの歪みや変形を最小限とするためには、透明な生分解性を有するプラスチックからなる保護基材シート全体を加熱するのではなく、保護基材シートの表面側の一部のみを加熱する方法が望ましい。通常60℃〜110℃、好ましくは、透明な生分解性を有するプラスチックの融点近くに加熱する。さらには、裏面の金属製シリンダーを常温に保つ、もしくは冷却することで、さらにその精度を向上させることができる。
上記のレリーフ形状は、ホログラムを再現もしくは再生する光もしくは光源の波長(域)と、再現もしくは再生する方向、及び強度によって、その凹凸のピッチや、深さ、もしくは特定の周期的形状が設計される。凹凸のピッチ(周期)は再現もしくは再生角度に依存するが、通常0.1μm〜数μmであり、凹凸の深さは、再現もしくは再生強度に大きな影響を与える要素であるが、通常0.1μm〜1μmである。
上記のエンボス加工によりレリーフ形状が形成される保護基材シートは、本発明では、生分解性を有するプラスチックフィルム又はシートに特定させた。これにより、生分解性を有するプラスチックの代表例であるポリ乳酸の場合で説明すると、ポリ乳酸のガラス転移温度が60℃程度であり、また融点が170℃程度であり、保護基材シート側と複製用シリンダーとを接した状態で、保護基材シート表面が140℃〜170℃程度になるように加熱及び加圧して、適正なレリーフ形状を再現させることができる。
上記の保護基材シートの透明な生分解性を有するプラスチックフィルム又はシートは、通常のホログラム基材として使用される光学用透明フィルムよりも、その光学特性に劣るため、優れたホログラム画像の品質を得るために、原版のレリーフはより深く、より複雑なものとして、高いリレーフ再現性を発揮させればよい。
(接着層)
上記の保護基材シートと、被転写体とを積層させるための接着層3は、接着剤を主体として構成される。その接着剤としては、接着機能を有するものであれば、特に制限はなく、例えば、ウレタン系樹脂、α−オレフィン−無水マレイン酸樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウリア系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、シアノアクリレート系樹脂等が使用できる。中でもアクリル系樹脂の反応型のものや、変成したもの等が好ましく使用することができる。また、接着剤を硬化剤により硬化させると、接着力も向上し、耐熱性も上がるために好ましい。硬化剤としては、イソシアネート化合物が一般的であるが、脂肪族アミン、環状脂肪族アミン、芳香族アミン、酸無水物等を使用することができる。
本発明のカード類は、保護基材シートと被転写体とを接着層により、貼り合わせた構成であり、貼り合わせの方法は、ドライラミネーション、ウェットラミネーション、ノンソルベントラミネーション、ECラミネーション、ヒートシール等公知の方法を使用することができる。接着層は、保護基材シート側に塗工してもよいし、被転写体側に塗工してもよいが、保護基材シート表面には、予めエンボス加工が施されたものを使用しているので、そのエンボス形状に対応した接着性をもたせるために、保護基材シート側に接着層を塗工することが好ましい。その接着層は乾燥時1〜10μm程度の厚みに形成する。
(ホログラム効果層)
ホログラム効果層4は、アルミニウムの蒸着(反射型ホログラム)、金属酸化物のスパッタリング(透明型ホログラム)などにより厚み約100〜2,000Å程度に形成する。なお、透明型のホログラム効果層の場合では、そのホログラム効果層の下に、ホログラム画像のバックグラウンドとなる色印刷が施されていてもよい。該ホログラム効果層の表面にはホログラム効果層の保護およびホログラム効果層と接着層との密着性を確保するためにアンカー層を形成することが好ましい。
(被転写体)
本発明で使用する被転写体6は、生分解性を有するプラスチックからなる基材から構成される。その生分解性を有するプラスチックについては、上記の保護基材シートで説明したものと同様のものが使用できる。但し、被転写体における基材は、通常厚み約50〜500μm程度のものが使用される。また保護基材シートでは、透明性を有する基材シートとして説明されているが、被転写体では透明性を有する基材でも使用できるが、白色等の不透明な基材が好ましく用いられる。それは、ホログラム画像のみならず、他の情報を被転写体上に、印刷等を施して付加させることが多く、その情報の視認性を向上させることができるからである。
上記の不透明な保護基材シートは、生分解性を有するプラスチックと、不透明性を発揮させるための着色顔料(酸化チタン等)を混合させた組成物を押出成形で製膜し、延伸して、形成できる。
上記に説明してきたカード類は、定期券、磁気カード、IDカード、会員カード、キャッシュカード、クレジットカード、またプリペイドカード等を意味するものであるが、そのカード類は、一定の期間が過ぎて、有効期限が過ぎた際、あるいは不用になった際に、廃棄されるものである。その廃棄において、カード類は、そのカード構成の主な部分を占める、被転写体の基材及び保護基材シートが、両方とも生分解性を有するプラスチックであり、廃棄の際の焼却処理、埋め立て処理で問題が生じない。
焼却処理では、焼却の温度が比較的高熱化が必要なく、例えばポリ乳酸と汎用ポリスチレンのプラスチックを比較すると、焼却の際の燃焼熱量でみると、生分解性を有するプラスチックであるポリ乳酸は、汎用ポリスチレンの燃焼熱量の約半分であり、また二酸化炭素の排出量で比較すると、ポリ乳酸は汎用ポリスチレンの約53%である。ポリ乳酸の焼却処理で、ダイオキシン等の有害物質が放出されることがない。さらに埋め立ての場合では、石油を原料とする一般のプラスチックは、強度があり加工性がよいことから、今まで主流として使用されているが、土壌中で腐らなく、水と二酸化炭素に完全分解するものでない。それに対して、本発明で使用される生分解性を有するプラスチックフィルム又はシートは、土壌に埋め立てたり、水中に廃棄された場合、自然界に存在する微生物の働きにより、水と二酸化炭素に完全分解される。
次に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。以下、特に断りのない限り、部又は%は質量基準である。
(実施例1)
保護基材シート2は、透明な生分解性を有するプラスチックフィルム又はシートとして、三菱樹脂(株)製エコロージュフィルム(ポリ乳酸 融点165℃)厚さ25μmを使用し、その基材シートの一方の面に、レインボーホログラムの凹凸形状(回折格子)を、ホログラム原版を用いて、エンボス(5)加工により形成した。そのエンボス加工された保護基材シートのエンボス加工面とは反対面に、下記組成の塗工液で、乾燥時4μmになるように、塗布及び乾燥して、接着層3を形成し、以下に示す条件の被転写体6とラミネートして、実施例1のカード類1を作製した。
(接着層塗工液)
ウレタン系樹脂 30部
(武田薬品工業株式会社製、タケラックA−969V)
イソシアネート硬化剤 10部
(武田薬品工業株式会社製、タケネートA−5)
酢酸エチル 60部
50部
(被転写体);ポリ−L−乳酸を主成分とするポリ乳酸系樹脂(重量平均分子量20万)の100部に対し、着色顔料であるチタン白を10部と、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を0.5部とを添加した組成物を押出成形で製膜し、次いでこのシートを延伸倍率3倍で2軸延伸し、100℃で熱処理して厚さ200μmの不透明の基材を得た。この基材表面に、グラビア印刷により絵柄を印刷して絵柄層を形成した。
但し、上記の被転写体の絵柄が印刷されていない部分に、エンボス加工されたホログラム画像が設けられるように、エンボス加工及び絵柄印刷が行なわれた。得られたカード類には、ホログラム画像が形成され、また絵柄を有する画像形成物であり、意匠性及び偽造防止性に非常に優れたものであった。また、その形成されたカード類を廃棄する際、焼却の場合では、焼却温度が高熱することなく、また燃焼ガスなどの発生が少なく、さらに埋め立ての場合では、生分解性を有するプラスチックフィルム又はシートを主体に用いているので、自然界に存在する微生物の働きにより、水と二酸化炭素に完全分解され、生態系への影響もないものであった。
また、実施例1のカード類は、保護基材シート表面に、エンボス加工を施すだけで、カード類にホログラム画像を簡単に、また製造コストを抑え、安価に作製することができた。また、上記のカード類は、最表面が保護基材シートであり、塗工した皮膜のような脆いものではなく、成形されたシートあるいはフィルムであり、均一、かつ皮膜強度が高く、非常に耐久性に優れたものであった。
(実施例2)
上記の実施例1で作製したカード類において、ホログラム効果層を、保護基材シートと接着層との間に、追加して設けて、実施例2のカード類を作製した。
具体的には、実施例1で使用したものと同様の保護基材シート2の一方の面に、レインボーホログラムの凹凸形状(回折格子)を、ホログラム原版を用いて、エンボス(5)加工により形成した。そのエンボス加工された保護基材シートのエンボス加工面とは反対面に、酸化チタン透明蒸着層を厚み50nmに形成し、ホログラム効果層4(透明屈折反射層)を形成した。さらに、ホログラム効果層の上に、実施例1で使用した塗工液で、乾燥時4μmになるように、塗布及び乾燥して、接着層3を形成した。その後に、実施例1と同様に、被転写体6とラミネートして、実施例2のカード類1を作製した。
上記の得られた実施例2のカード類は、上記の実施例1で得られたカード類と同様の効果が認められた。但し、実施例2のカード類は、ホログラム効果層で反射されて、カード類のエンボス加工されたホログラム画像が、際立って鮮明となり、実施例1のカード類よりも、意匠性、装飾性が高く、有用なものであった。
本発明のカード類は、カードを構成する被転写体に印刷、その他加工を施す等をすることにより、定期券、磁気カード、IDカード、会員カード、キャッシュカード、クレジットカード、またプリペイドカード全般等に、広く適用できるものである。
1 カード類
2 保護基材シート
3 接着層
4 ホログラム効果層
5 エンボス
6 被転写体

Claims (2)

  1. 被転写体上に、少なくとも接着層、保護基材シートをこの順に設けたカード類において、該保護基材シート表面に、エンボス加工が施されて、ホログラム画像を有し、かつ保護基材シート及び被転写体を構成する基材が、生分解性を有するプラスチックフィルム又はシートであることを特徴とするカード類。
  2. 前記の保護基材シートと接着層との間に、ホログラム効果層を設けたことを特徴とする請求項1に記載するカード類。
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