JP2011002588A - 複合記録材料及び画像形成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 基材シート2上に、少なくとも保護層4、ホログラム形成層5、ホログラム効果層6、接着層7をこの順に形成した転写層8を設けたホログラム転写シート10と、被転写体20との組み合わせからなる複合記録材料1において、前記接着層7と被転写体20とを重ね合わせて、加熱により被転写体20上に、ホログラム転写シート10から転写層8を転写可能であり、ホログラム転写シート10の基材シート2及び被転写体20を構成する基材が、生分解性を有するプラスチックフィルム又はシートである。
【選択図】 図1
Description
図1に本発明の複合記録材料である一つの実施形態を示す。複合記録材料1は、ホログラム転写シート10と、被転写体20との組み合わせからなり、図示したホログラム転写シート10は、基材シート2上に、剥離層3を介して、保護層4、ホログラム形成層5、ホログラム効果層6、接着層7を順次形成した転写層8を設けた構成である。この場合では、ホログラム転写シート10は、基材シートが剥離層3から剥離して、剥離層3、保護層4、ホログラム形成層5、ホログラム効果層6、接着層7を順次形成した転写層8が、被転写体20に転写される。尚、ホログラム転写シートにおいて、保護層が基材シートとの剥離性を有するものであれば、剥離層を設けないで、基材シートに直接、保護層を設けることができる。
(ホログラム転写シート)
本発明におけるホログラム転写シートは、基材シート上に、転写層を熱転写により剥離可能に設けたものであり、転写層は、保護層、ホログラム形成層、ホログラム効果層、接着層をこの順に形成した構成である。
ホログラム転写シートの接着層と、被転写体とを重ね合わせて、加熱により、被転写体上に、ホログラム転写シートから転写層を転写するものであり、ホログラム転写シートにおける基材シート2は、被転写体上に転写層を転写後は、被転写体から剥離されて廃棄されるものである。本発明では、その基材シートの材質として、生分解性を有するプラスチックに限定させたので、廃棄上における、焼却の場合では、焼却温度の高熱化が必要なく、また燃焼ガスなどの発生が少なく、さらに埋め立ての場合では、生態系への影響もない。
剥離層3は、基材シートから剥離しやすく、且つホログラム形成層等の転写後には、被転写体における最表面となるので、透明性、耐薬品性、耐擦過性などに優れた樹脂、例えば、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂やポリエステル樹脂から形成することが好ましい。剥離層の厚みは乾燥状態で、0.1〜10μm程度である。また、剥離層の耐擦過性、硬度などを向上させる目的で剥離層中に無機や有機の微粒子を含有させることができる。
転写層を構成する保護層4は、上記の剥離層形成用樹脂と同様な樹脂から形成することができる。特に保護層に高い硬度、耐薬品性、耐擦過性などが要求される場合には保護層を紫外線硬化性樹脂から形成する。紫外線硬化性樹脂は、アクリル変性ポリエステル樹脂、アクリル変性エポキシ樹脂、アクリル変性ウレタン樹脂などの重合性オリゴマーとスチレン、アクリル酸エステルなどの単官能モノマーおよび/または多官能モノマーと光重合開始剤とを必須成分とし、その他種々の添加剤を含むものであり、塗料分野、印刷インキ分野、コーティング分野などにおいて広く使用されており、紫外線の照射によって耐溶剤性、耐擦傷性などに優れた強靭な被膜を形成する。このような保護層にも必要に応じて無機または有機の微粒子を添加することができる。このように形成する保護層の厚みは乾燥状態で0.1〜10μmであることが好ましい。
ホログラム形成層5は、好ましくは紫外線硬化性または電子線硬化性樹脂から厚み(乾燥状態)約1〜10μm程度に形成し、ホログラムの凹凸形状(回折格子)を有する原版を用いて、エンボスなどで、表面凹凸を有するホログラム画像を表面に形成し、その後に完全硬化させる。
ホログラム効果層6は、アルミニウムの蒸着(反射型ホログラム)、金属酸化物のスパッタリング(透明型ホログラム)などにより厚み約100〜2,000Å程度に形成する。なお、透明型のホログラム効果層の下に、ホログラム画像のバックグラウンドとなる色印刷が施されていてもよい。該ホログラム効果層の表面にはホログラム効果層の保護およびホログラム効果層と接着層との密着性を確保するためにアンカー層を形成することが好ましい。
ホログラム転写シートの接着層7の形成に用いる接着剤としては、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン/酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂など、従来公知の何れの感熱接着剤も使用できる。本発明のホログラム転写シートをカードなどの被転写体と組み合わせて使用する場合には、その接着層は乾燥時0.2〜5μm程度の厚みに形成し、本発明のホログラム転写シートを通常の紙、例えば、有価証券などの紙製基材などの被転写体と組み合わせて使用する場合には、その接着層は乾燥時8〜15μm程度の厚みに形成することが好ましい。
本発明で使用する被転写体20は、生分解性を有するプラスチックからなる基材から構成される。その生分解性を有するプラスチックについては、上記のホログラム転写シートの基材シートで説明したものと同様のものが使用できる。但し、被転写体における基材は、通常厚み約50〜500μm程度のものが使用される。
上記に説明した複合記録材料であるホログラム転写シートと被転写体とを組み合わせて、被転写体上にホログラム画像を形成する画像形成物の製造方法について、図2を用いて、説明する。図2の(1)には、基材シート2上に、保護層4、ホログラム形成層5、ホログラム効果層6、接着層7をこの順に形成した転写層8を設けたホログラム転写シート10と、被転写体20とを、ホログラム転写シート10の接着層7と、被転写体20の表面とを接するように、重ね合わせた状態で、加熱、圧接した状態(工程)を示すものである。
(実施例1)
基材シート2は、透明な生分解性を有するプラスチックフィルム又はシートとして、三菱樹脂(株)製エコロージュシート(ポリ乳酸 融点165℃)厚さ25μmを使用し、その基材シートの一方の面に、ポリメチルメタクリレート系樹脂8部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂2部、およびポリエチレンワックス0.1部を含む剥離ニスをグラビアリバース法で1.5μm(乾燥時)の塗布量で、塗布および乾燥して剥離層3を形成した。次に、剥離層の上に、紫外線硬化性ハードコート樹脂(ザ・インクテック製、KIZ044)を乾燥時で2μmの厚さになるように、上記と同様の方法で塗布および紫外線硬化させて、保護層4を形成した。
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂 20部
アクリル樹脂 10部
酢酸エチル 20部
トルエン 50部
(被転写体);ポリ−L−乳酸を主成分とするポリ乳酸系樹脂(重量平均分子量20万)の100部に対し、着色顔料であるチタン白を10部と、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を0.5部とを添加した組成物を押出成形で製膜し、次いでこのシートを延伸倍率3倍で2軸延伸し、100℃で熱処理して厚さ200μmの不透明の基材を得た。この基材表面に、グラビア印刷により絵柄を印刷して絵柄層を形成した。
2 基材シート
3 剥離層
4 保護層
5 ホログラム形成層
6 ホログラム効果層
7 接着層
8 転写層
10 ホログラム転写シート
20 被転写体
Claims (2)
- 基材シート上に、少なくとも保護層、ホログラム形成層、ホログラム効果層、接着層をこの順に形成した転写層を設けたホログラム転写シートと、被転写体との組み合わせからなる複合記録材料において、前記接着層と被転写体とを重ね合わせて、加熱により被転写体上に、ホログラム転写シートから転写層を転写可能であり、ホログラム転写シートの基材シート及び被転写体を構成する基材が、生分解性を有するプラスチックフィルム又はシートであることを特徴とする複合記録材料。
- 基材シート上に、少なくとも保護層、ホログラム形成層、ホログラム効果層、接着層をこの順に形成した転写層を設けたホログラム転写シートと、被転写体との組み合わせからなる複合記録材料を用いて、被転写体上にホログラム画像が形成されている画像形成物の製造方法において、前記ホログラム転写シートの接着層と、被転写体の表面とを接するように、重ね合わせて、加熱手段により被転写体上に、ホログラム転写シートから転写層を転写し、ホログラム転写シートの基材シートを、被転写体から剥離して廃棄し、被転写体上にホログラム画像を形成する方法であり、前記のホログラム転写シートの基材シート及び被転写体を構成する基材が、生分解性を有するプラスチックフィルム又はシートを使用していることを特徴とする画像形成物の製造方法。
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