以下、本発明に係る誘導樋50、及び、誘導樋50を備えたパチンコ機1の一実施の形態について、図面を参照して説明する。なおこれらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載されている装置の構成はそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
パチンコ機1の物理的構成の概要について、図1を参照して説明する。パチンコ機1の正面の上半分の部分には、発射ハンドル7の操作により図示外の発射機から発射された遊技媒体としての遊技球が流下する遊技盤2が設けられている。遊技盤2は略正方形である(図2参照)。遊技盤2は、透明なガラス板を保持した前面枠11で保護されている。遊技盤2の下方部には、発射機に遊技球を供給し、且つ賞品球を受ける上皿5が設けられている。上皿5の直下には、賞品球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右横には遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。前面枠11の上部には、左右方向の略全長に亘って前側に膨出するように照明装置35が設けられている。前面枠11の上部の左右の角にはスピーカ48がそれぞれ設けられている。前面枠11の前面には演出用の電飾ランプが多数設けられている。
遊技盤2の表側の物理的構成について、図2を参照して説明する。遊技盤2の前面にはガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が設けられている。遊技領域4の略中央には、LCDからなる表示画面13や、各種ランプ、LED等を備えた図柄表示装置8が設けられている。図柄表示装置8の左側には普通図柄始動ゲート12が設けられている。図柄表示装置8の下側には始動口26、27が設けられている。始動口27は、所定のタイミングで開放される開閉部材を備えている。始動口27の下方に変動入賞装置28が設けられている。変動入賞装置28に遊技球が入賞した場合、所定数の遊技球が払い出される。変動入賞装置28の左側に、左から順に第一入賞口(図示外)、第二入賞口22、及び第三入賞口23が設けられている。変動入賞装置28の右側に、右から順に第五入賞口25、及び第四入賞口24が設けられている。第一入賞口〜第五入賞口25に遊技球が入賞した場合、所定数の遊技球が払い出される。
遊技盤2の裏側の物理的構成について、図3を参照して説明する。図柄表示装置8(図2参照)の裏側に相当する部分には、制御ボックス31が設けられている。制御ボックス31は、図柄表示装置8の表示制御を司る。制御ボックス31の内部には制御基板等が格納されている。
制御ボックス31の下側であって、第一入賞口〜第五入賞口25(図2参照)の裏側に相当する部分に、誘導樋50が設けられている。誘導樋50は、始動口26、27(図2参照)や第一入賞口〜第五入賞口25(図2参照)を通過して遊技盤2の裏側に流れ込んだ遊技球を、所定の受け部(図示外)に誘導する。誘導樋50は、誘導路51〜56を備える。誘導路51〜56は、其々、第一入賞口(図示外)〜第五入賞口25及び始動口26を通過した遊技球を、所定の受け部に誘導する。また、通流する遊技球を検出センサ66〜68によって検出する。誘導樋50の詳細は後述する。
始動口27(図2参照)の裏側に相当する部分に、始動口27に設けられている開閉部材を開閉させる開閉機構部32を備えている。変動入賞装置28(図2参照)の裏側に相当する部分に、変動入賞装置28に設けられている開閉部材を開閉させるための開閉機構部33を備えている。
誘導樋50の物理的構成について、図4〜図8を参照して説明する。図6における紙面手前側を誘導樋50の前方と呼ぶ。紙面手奥行き側を誘導樋50の後方と呼ぶ。紙面左右方向を誘導樋50の左右方向と呼ぶ。紙面上下方向を誘導樋50の上下方向と呼ぶ。
図4に示すように、誘導樋50は、遊技盤2と平行に配置される板状体部である第一壁部と、この第一壁部から前方に立設する板状体部である第二壁部とを少なくとも備えている。第一壁部と第二壁部とで囲まれる中空状部分が、遊技球の誘導路となる。第二壁部のうち第一壁部側と反対側の端部が遊技盤2に接するように、誘導樋50は遊技盤2に取り付けられる。誘導樋50が遊技盤2に取り付けられた状態で入賞口を遊技球が通過した場合、遊技球は誘導路を通流して所定の受け部(図示外)に誘導される。
誘導樋50は、入賞口を通過した遊技球を下方に誘導させるための誘導路51〜56を備える。誘導路51は、第一入賞口(図示外)を通過した遊技球を下方に誘導する。以下同様に、誘導路52は第二入賞口22(図2参照)、誘導路53は第三入賞口23(図2参照)、誘導路53は第三入賞口23(図2参照)、誘導路54は第四入賞口24(図2参照)、誘導路55は第五入賞口25(図2参照)を通過した遊技球を、それぞれ下方に誘導する。以下詳説する。
誘導樋50は、図4及び図6に示すように、左端部から上方に凸設した誘導路51を備えている。誘導路51は、遊技球が下方に通流する場合の通流経路の右側と左側とに、上下方向に延設する第二壁部を備えている。また、これらの第二壁部の上端部に接続し、通流経路を上側から覆う第二壁部を備えている。誘導樋50が遊技盤2に取り付けられた状態で、誘導路51の上端の開口部分(以下「誘導口511」という。)は、第一入賞口(図示外)の裏側に相当する部分に配置する。誘導路51は、第一入賞口を通過した遊技球を下方に誘導する。誘導路51の左右方向の長さ(左右の第二壁部の間の長さ)は、遊技球の直径(11mm)の約2倍の長さに設定されている。具体的には、誘導路51の左右方向の長さは23mmに設定される。誘導路51の前後方向の長さ(第一壁部及び第二壁部の前後方向の長さ)は16mmに設定される。
誘導路51を構成する第一壁部には、前方(誘導路51の内方)に凸設する第一凸部61が設けられている。第一凸部61は、正面視にて左右方向を長手方向とする略長方形状の凸設部分が、上下方向に合計3列平行に並んだ状態となっている。誘導路51を通流する遊技球を第一凸部61に衝突させることによって、遊技球の通流速度を抑制する。本実施の形態では、第一凸部61の突出幅は1mmに設定されている。
誘導口511近傍の第一壁部には、前方(誘導路51の内方)に凸設し下方に延設する第二凸部71が設けられている。第二凸部71は、側面視にて三角形状の凸設部分が、左右方向に合計3列平行に並んだ状態となっている。第二凸部71の上端部分は、上側の第二壁部に接続している。第二凸部71は、前方から後方にかけて下方に傾斜した傾斜部を備えている。第二凸部71は、第一入賞口を前方から後方に向かって通過した遊技球を、下方に誘導する。
誘導樋50は、誘導路51の右斜め下部分に誘導路52を備えている。誘導路52は、遊技球が下方に通流する場合の通流経路の右側と左側に、上下方向に延設する第二壁部を備えている。これらの第二壁部の上端部に接続し、通流経路を上側から覆う第二壁部を備えている。誘導樋50が遊技盤2に取り付けられた状態で、誘導路52の上端の開口部分(以下「誘導口521」という。)は、第二入賞口22(図2参照)の裏側に相当する部分に配置する。誘導路52は、第二入賞口22を通過した遊技球を下方に誘導する。誘導路52の左右方向の長さ(左右の第二壁部の間の長さ)は、遊技球の直径(11mm)の約2倍の長さに設定されている。具体的には、誘導路52の左右方向の長さは23mmに設定される。誘導路誘導路52の前後方向の長さ(第一壁部及び第二壁部の前後方向の長さ)は16mmに設定される。
誘導路52を構成する第一壁部には、前方(誘導路52の内方)に凸設する第一凸部62が設けられている。第一凸部62は、平面視にて左右方向を長手方向とする略長方形状を有している。誘導路52を通流する遊技球を第一凸部62に衝突させることによって、遊技球の通流速度を抑制する。本実施の形態では、第一凸部62の突出幅は1mmに設定されている。
誘導口521近傍の第一壁部には、前方(誘導路52の内方)に凸設し下方に延設する第二凸部72が設けられている。第二凸部72は、側面視にて三角形状の凸設部分が、左右方向に合計3列平行に並んだ状態となっている。第二凸部72の上端部分は、上側の第二壁部に接続している。第二凸部72は、前方から後方にかけて下方に傾斜した傾斜部を備えている。第二凸部72は、第二入賞口22を前方から後方に向かって通過した遊技球を、下方に誘導する。
誘導路51及び誘導路52の下端部分は、遊技球を左から右方向に誘導するための誘導路57に連通している。誘導路57は、通流経路の下側に設けられ、左右方向に延設する第二壁部を備えている。誘導路51及び誘導路52を下方に通流した遊技球は、誘導路57の第二壁部に沿って右方向に誘導される。誘導路51のうち左側の第二壁部と、誘導路57の下側の第二壁部との接続部分81は湾曲している。誘導路51を下方に通流する遊技球は、湾曲した接続部分81によって滑らかに通流方向を右方向に変化させ、右方向に誘導される。
誘導樋50は、誘導路57の右端部分であって誘導路52の右斜め下部分に誘導路53を備えている。誘導路53は、遊技球が下方に通流する場合の通流経路の右側に、上下方向に延設する第二壁部を備えている。この第二壁部の上端部に接続し、通流経路を上側から覆う第二壁部を備えている。誘導樋50が遊技盤2に取り付けられた状態で、誘導路53の上端の開口部分(以下「誘導口531」という。)は、第三入賞口23(図2参照)の裏側に相当する部分に配置する。誘導路53は、第三入賞口23を通過した遊技球を下方に誘導する。また、誘導路57を左から右方向に通流した遊技球を下方に誘導する。
誘導口531近傍の第一壁部には、前方(誘導路53の内方)に凸設し下方に延設する第二凸部73が設けられている。第二凸部73は、側面視にて三角形状の凸設部分が、左右方向に合計2列平行に並んだ状態となっている。第二凸部73の上端部分は、上側の第二壁部に接続している。第二凸部73は、前方から後方にかけて下方に傾斜した傾斜部を備えている。第二凸部73は、第三入賞口23を前方から後方に向かって通過した遊技球を、下方に誘導する。
図6に示すように、誘導路53の下端部分には、通流する遊技球を検出する検出センサ66が設けられている。検出センサ66は、遊技球が通流可能な円形状の孔部を備えている。検出センサ66は、誘導路51〜53及び誘導路57を通流した遊技球が孔部を通過した場合に、遊技球を検出する。
検出センサ66の上側には、検出センサと誘導路53との間の段差を埋めるための段差埋め部77を備えている。図4に示すように、段差埋め部77は、前方から後方にかけて上方に傾斜する傾斜部を備えている。段差埋め込み部77は、誘導路53の第一壁面と検出センサ66の孔部との間の段差を埋める。遊技球は、段差に引っ掛かってしまうこなくスムーズに下方に通流し、検出センサ66の孔部を通過する。
図4及び図6に示すように、誘導樋50は、右端部から上方に凸設した誘導路55を備えている。誘導路55は、遊技球が下方に通流する場合の通流経路の右側と左側とに、上下方向に延設する第二壁部を備えている。また、これらの第二壁部の上端部に接続し、通流経路を上側から覆う第二壁部を備えている。誘導樋50が遊技盤2に取り付けられた状態で、誘導路55の上端の開口部分(以下「誘導口551」という。)は、第五入賞口25(図2参照)の裏側に相当する部分に配置する。誘導路55は、第五入賞口25を通過した遊技球を下方に誘導する。誘導路55の左右方向の長さ(左右の第二壁部の間の長さ)は、遊技球の直径(11mm)の約2倍の長さに設定されている。具体的には、誘導路55の左右方向の長さは23mmに設定される。誘導路55の前後方向の長さ(第一壁部及び第二壁部の前後方向の長さ)は16mmに設定される。
誘導路55を構成する第一壁部には、前方(誘導路55の内方)に凸設する第一凸部65が設けられている。第一凸部65は、正面視にて左右方向を長手方向とする略長方形状を有している。誘導路55を通流する遊技球を第一凸部65に衝突させることによって、遊技球の通流速度を抑制する。本実施の形態では、第一凸部65の突出幅は1mmに設定されている。
誘導口551近傍の第一壁部には、前方(誘導路55の内方)に凸設し下方に延設する第二凸部75が設けられている。第二凸部75は、側面視にて三角形状の凸設部分が、左右方向に合計3列平行に並んだ状態となっている。第二凸部75の上端部分は、上側の第二壁部に接続している。第二凸部75は、前方から後方にかけて下方に傾斜した傾斜部を備えている。第二凸部75は、第五入賞口25を前方から後方に向かって通過した遊技球を、下方に誘導する。
誘導路55の下端部分は、遊技球を右から左方向に誘導するための誘導路58に連通している。誘導路58は、通流経路の下側に設けられ、左右方向に延設する第二壁部を備えている。誘導路55を下方に通流した遊技球は、誘導路58の第二壁部に沿って左方向に誘導される。誘導路55の第二壁部と誘導路58の第二壁部との接続部分82は湾曲している。誘導路55を下方に通流する遊技球は、湾曲した接続部分82によって滑らかに通流方向を左方向に変化させ、左方向に誘導される。
誘導樋50は、誘導路58の左端部分であって誘導路55の左斜め下部分に誘導路54を備えている。誘導路54は、遊技球が下方に通流する場合の通流経路の左側に、上下方向に延設する第二壁部を備えている。この第二壁部の上端部に接続し、通流経路を上側から覆う第二壁部を備えている。誘導樋50が遊技盤2に取り付けられた状態で、誘導路54の上端の開口部分(以下「誘導口541」という。)は、第四入賞口24(図2参照)の裏側に相当する部分に配置する。誘導路54は、第四入賞口24を通過した遊技球を下方に誘導する。また、誘導路58を右から左方向に通流した遊技球を下方に誘導する。
誘導口541近傍の第一壁部には、誘導路54の前方に凸設し下方に延設する第二凸部74が設けられている。第二凸部74は、側面視にて三角形状の凸設部分が、左右方向に合計2列平行に並んだ状態となっている。第二凸部74の上端部分は、上側の第二壁部に接続している。第二凸部74は、前方から後方にかけて下方に傾斜した傾斜部を備えている。第二凸部74は、第四入賞口24を前方から後方に向かって通過した遊技球を、下方に誘導する。
図6に示すように、誘導路54の下端部分には、通流する遊技球を検出する検出センサ68が設けられている。検出センサ68は、遊技球が通流可能な円形状の孔部を備えている。検出センサ68は、誘導路54、55及び誘導路58を通流した遊技球が孔部を通過した場合に、遊技球を検出する。
検出センサ68の上側には、検出センサと誘導路54との間の段差を埋めるための段差埋め部78を備えている。図4に示すように、段差埋め部78は、前方から後方にかけて上方に傾斜する傾斜部を備えている。段差埋め込み部78は、誘導路54の第一壁面と検出センサ68の孔部との間の段差を埋める。遊技球は、段差に引っ掛かってしまうこなくスムーズに下方に通流し、検出センサ68の孔部を通過する。
誘導樋50は、左右略中央部分に誘導路56を備えている。誘導路56は、上端の開口部分から下方に延設し、下端部分において右方に曲折して右方に延設し、右端部において下方に曲折して下方に延設している。誘導樋50が遊技盤2に取り付けられた状態で、誘導路56の上端の開口部分は、始動口26(図2参照)の裏側に相当する部分に配置する。誘導路56は、始動口26を通過した遊技球を下方に誘導する。
図6に示すように、誘導路56の途中部分には、通流する遊技球を検出する検出センサ67が設けられている。検出センサ67は、遊技球が通流可能な円形状の孔部を備えている。検出センサ67は、誘導路56を通流した遊技球が孔部を通過した場合に、遊技球を検出する。
検出センサ67の上側には、検出センサと誘導路56との間の段差を埋めるための段差埋め部76を備えている。図4に示すように、段差埋め部76は、誘導路56を構成する第一壁部に設けられており、前方(誘導路56の内方)に凸設している。段差埋め込み部76は、誘導路56の第一壁面と検出センサ67の孔部との間の段差を埋める。遊技球は、段差に引っ掛かってしまうこなくスムーズに下方に通流し、検出センサ67の孔部を通過する。
図5に示すように、誘導樋50は、誘導路51〜53(図4参照)、及び誘導路57(図4参照)を含む構成部分(以下「第一誘導樋111」という。)と、誘導路54〜56(図4参照)及び誘導路58(図4参照)を含む構成部分(以下「第二誘導樋112」という。)とに分割可能となっている。第一誘導樋111の右端部分に、第二誘導樋112の嵌合凹部84と嵌合可能な嵌合凸部85が設けられている。図6に示すように、上方に凸設する嵌合凸部851が、第一誘導樋111の右端上部に設けられている。下方に凸設する嵌合凸部852が、第一誘導樋111の右端下部に設けられている。図5に示すように、第二誘導樋112の左端部分に、第一誘導樋111の嵌合凸部85と嵌合可能な嵌合凹部84が設けられている。図6に示すように、上方に凹んだ形状の嵌合凹部841が、第二誘導樋112の左端上部に設けられている。下方に凹んだ形状の嵌合凹部842が、第二誘導樋112の左端下部に設けられている。嵌合凸部851と嵌合凹部841とが嵌合する。嵌合凸部852と嵌合凹部842とが嵌合する。嵌合凹部84と嵌合凸部85とが嵌合した状態で、第一誘導樋111と第二誘導樋112とはネジ83によって固定され結合される。
図6に示すように、誘導路51の左方に板状の取付板部101が設けられている。誘導路57の下方に板状の取付板部102が設けられている。誘導路58の下方に板状の取付板部103が設けられている。誘導路55から右方に板状取付板部104が設けられている。取付板部101〜104には、複数の孔が設けられている。誘導樋50が遊技盤2に取り付けられる場合、これらの孔にネジが螺入される。誘導樋50はネジによって遊技盤2に固定される。
図5、図7及び図8に示すように、誘導樋50の第一壁部から後方に突出した突起部113、114、115が設けられている。突起部113は検出センサ66を固定する。突起部114は検出センサ67を固定する。突起部115は検出センサ68を固定する。
誘導路を遊技球が通流する場合の様子について、図9を参照して説明する。第一入賞口(図示外)を遊技球が通過すると、遊技球は誘導路51の誘導口511に進入する(図中遊技球91)。前方から後方に向かって進入した遊技球は、誘導口511近傍の第二凸部71に設けられている下方斜め後方の傾斜に沿って流れ、下方に誘導される。第二凸部71によって遊技球の通流方向を滑らかに下方に修正する。誘導路51の第一壁部に遊技球が直接衝突し、衝突部分が破損してしまうことを防止できる。
下方に通流する遊技球は、誘導路51に設けられた複数の第一凸部61に衝突し、通流速度が抑制される。誘導路51の前後方向の長さは、誘導路51の左右方向の長さと比較して短いので、誘導路51の第一壁部に第一凸部61を設けることによって、遊技球と第一凸部61との衝突の頻度を高めることができる。このため、遊技球の通流速度を効果的に抑制できる。誘導路を構成する壁部に遊技球が衝突する場合の衝撃が弱まるので、衝突部分が破損してしまうことを防止できる。
通流速度が抑制された状態の遊技球は、誘導路51に沿って下方に流れ、そして誘導路57に至る。遊技球は、誘導路51の第二壁部と誘導路57の第二壁部との接続部分81に衝突する(図中遊技球92)。遊技球の通流速度は抑制されているので、接続部分81に遊技球が衝突した場合の衝撃は弱まる。遊技球の衝突時の衝撃で、衝突部分が破損してしまうことを防止できる。
誘導路51の第二壁部と誘導路57の第二壁部との接続部分81には、湾曲が設けられている。下方に通流した遊技球は、接続部分81に強く衝突することなく、接続部分81に沿って滑らかに右方向に通流する(図中遊技球94)。接続部分81に遊技球が衝突した場合の衝撃が弱まるので、遊技球の衝突時の衝撃で、衝突部分が破損してしまうことを防止できる。
誘導路57を通流した遊技球は、誘導路53に至る。遊技球は、誘導路53の下方に設けられた検出センサ66に向かって通流する。検出センサ66上側に設けられた段差埋め部77によって、誘導路53の第一壁面と検出センサ66の孔部との間の段差が埋められているので、遊技球は誘導路53に詰まってしまうことなくスムーズに検出センサ66の孔部を通過する(図中遊技球95)。
第二入賞口22を通過して誘導路52の誘導口521に進入した遊技球(図中遊技球93)、も、上述の説明と同様に、誘導路53の下方に誘導され、検出センサ66によって検出される。第五入賞口25を通過して誘導路55の誘導口551に進入した遊技球(図中遊技球96)も同様に、誘導路54の下方に誘導され、検出センサ68によって検出される。詳細説明は省略する。
ここで図10に示すように、誘導路51は、入賞口の左右の配置が異なる複数種類の遊技盤2に共通の誘導樋50が使用された場合であっても、誘導口511が入賞口の裏側に相当する部分に配置されるように、左右方向の長さ(図10中A)が定められている。すなわち、誘導路51の左右方向の長さは、遊技球を通流させるために必要な最低限の長さよりも長く設定されている。これによって、入賞口の左右の配置が異なる遊技盤2に対して、共通の誘導樋50を使用することができる。異なる種類の遊技盤2毎に異なる誘導樋50を作成する必要がなくなるので、パチンコ機1の製造コストを抑制することができる。
例えば上述の実施形態では、誘導路51の左右方向の長さは、遊技球91の径(図10中B、16mm)の約2倍の長さ(23mm)に設定されている。従って、入賞口の配置位置が、遊技機の径の約2倍分左右方向に異なる複数種類の遊技盤2に対して、共通の誘導樋50を使用することができる。
なお、誘導口52、及び55についても、上述の誘導路51に関する説明と同様、入賞口の左右の配置が異なる複数種類の遊技盤2に共通の誘導樋50が使用された場合であっても、誘導口512、552が入賞口の裏側に相当する部分に配置されるように、左右方向の長さが定められている。例えば上述の実施形態では、誘導路52、55の左右方向の長さは、遊技球の径(16mm)の約2倍の長さ(23mm)に設定されている。詳細説明は省略する。
また図5に示すように、誘導樋50は、第一誘導樋111と第二誘導樋112とに分割可能な構成を有している。従って、遊技盤2の種類によって入賞口の配置位置が大きく異なる場合には、誘導口の配置が異なる複数の第一誘導樋111及び第二誘導樋112を組み合わせて使用する。これによって、入賞口の配置が大きく異なる複数種類の遊技盤2に対して誘導樋50を使用する場合に、樋部品を共通化することができる。パチンコ機1の製造コストを抑制することができる。
図4の誘導路51、55が本発明の「第一誘導路」に相当し、誘導路57、58が本発明の「第二誘導路」に相当し、嵌合凹部84及び嵌合凸部85が本発明の「結合部」に相当する。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。上述の実施の形態では、誘導路51、52、及び55の左右方向の長さを、遊技球の径の2倍と定めていた。しかしながら本発明はこの構成に限定されない。複数種類の遊技球に共通の誘導樋50を使用することが可能であれば、誘導路51、52、55の左右方向の長さは2倍未満であってもかまわない。
上述の実施の形態では、誘導路51、52、及び55の左右方向の長さを上述のように定めることとした。しかしながら本発明はこの構成に限定されない。例えば、誘導路51のうち少なくとも誘導口511の左右方向の長さを上述のように定めた場合であっても、上述と同様の効果を奏することができる。
図11及び図12を参照し、本実施の形態の変形例について説明する。変形例では、図11及び図12に示すように、誘導路51を構成する左右の第二壁部に、誘導路51の内側方向に凸設する凸設部512及び凸設部513が設けられている。左側の第二壁部に、右方に凸設する凸設部512が設けられている。右側の第二壁部に、左方に凸設する凸設部513が設けられている。凸設部512及び凸設部513は、誘導路51の下方内側方向に向かってなだらかに傾斜する傾斜部をそれぞれ備えている。凸設部512及び凸設部513のうち最も内側に凸設する部分では、誘導路51の左右方向の長さが誘導口511の略半分になっている。
このような構成とした場合であっても、誘導口511の左右方向の長さは上述の実施の形態と同じであるため、遊技盤2に誘導樋50が取り付けられた状態で、第一入賞口の裏側に相当する部分に誘導口511が配置される。従って、入賞口の左右の配置が異なる複数種類の遊技盤2に共通の誘導樋50が使用可能である。
なお変形例の構成とすることによって、通流する遊技球を凸設部512及び凸設部513の傾斜部に衝突させながら下方に通流させることができる。誘導路51を通流する遊技球の通流速度を抑制することができる。これによって、遊技球が壁部に衝突した場合の衝撃で、誘導路51が破損してしまうことを防止できる。
なお図11及び図12では、誘導路51の第一壁部に第一凸部61が設けられている。しかしながら上述のように、凸設部512及び凸設部513が遊技球の通流速度を抑制するように作用するので、第一凸部61は誘導路51に設けられていなくてもよい。